折り曲げ可能配線基板、発光モジュール、発光モジュールの製造方法、折り曲げ可能配線基板の製造方法
【課題】配線基板に関し、折り曲げによって簡単に立体形状とすることができ、しかもLEDを実装した場合に要求される放熱性を良好かつ確実に確保できる技術の提供。
【解決手段】フレキシブル回路基板部5の片面の複数箇所に板部材4が被着され、フレキシブル回路基板部5に発光素子3(LED)を実装するための複数の電極部を有し、板部材4間を境に折り曲げられて立体形状となる折り曲げ可能配線基板、それを用いた発光モジュール、発光モジュールの製造方法、折り曲げ可能配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】フレキシブル回路基板部5の片面の複数箇所に板部材4が被着され、フレキシブル回路基板部5に発光素子3(LED)を実装するための複数の電極部を有し、板部材4間を境に折り曲げられて立体形状となる折り曲げ可能配線基板、それを用いた発光モジュール、発光モジュールの製造方法、折り曲げ可能配線基板の製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、文字や画像等を表示するための表示装置などに光源装置として設けて用いることができる発光モジュール及びその製造方法、発光モジュールの製造に用いることが可能な折り曲げ可能配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文字や画像等を表示するための表示装置、照明装置などにあっては、高効率、長寿命の光源としてLED(発光ダイオード。LED:Light Emitting Diode)の使用が急速に普及しつつある。
光源としてLEDを使用した照明装置、表示装置は、例えば、1又は複数のLEDをリジッドのプリント配線板に実装したLED付き基板のLED実装面側を光透過カバーで覆っただけの単純な構造とすることが可能であり、白熱電球や蛍光灯を光源として使用した場合に比べて構造の単純化、小型化を容易に実現できる。
【0003】
また、例えば特許文献1のように、一般的な白熱電球用のE形口金と一体化した傘形の外殻部材にLED付き基板を取り付けた構成の光源装置や、さらにLED付き基板を覆う球状のカバー(以下、バルブとも言う)を設けた構成の光源装置(以下、電球形LED光源装置とも言う)、細長板状のプリント配線板にLEDを複数実装したものを、シリカ粒子等の光拡散材を混入(あるいは光拡散膜を形成)したプラスチック製の筒状カバー内に収納した構成の外観細長のもの(以下、細長形LED光源装置とも言う)も製品化されている。
上述の電球形LED光源装置は、周知の白熱電球のようにバルブ内にガスを封入しておく必要が無くバルブの密閉性が要求されない、ガラス製のバルブでなくプラスチック製のものを使用できるなど、白熱電球に比べて製造が容易であり、しかも発光効率も優れている。
細長形LED光源装置は、規格品の直管形蛍光灯と同じ長さを有し、その長手方向両端に直管形蛍光灯と同じ口金を備えたものが多く提供されている。この細長形LED光源装置は、周知の蛍光灯に比べて、ガス封入が不要であるため製造が容易、蛍光灯の点灯に必要とされるスタータ装置や安定器等の専用機器を必要としないといった利点がある。
【0004】
しかしながら、周知のようにLEDは高指向性の点状光源である。このため、例えば室内照明用の照明装置のように、広範囲に光を放射することが要求される照明装置にあっては、シリカ粒子等の光拡散材を混入(あるいは光拡散膜を形成)した光透過カバーによってLEDの出力光を拡散を図っているものの、LEDからの出射光の出射方向はかなり狭い範囲に限定されているため、カバーから外側への放射光の均等化が容易で無く、明るさのばらつきが生じやすいのが実情である。このことは、既述の電球形や細長形のLED光源装置についても同様である。
また、この問題に鑑みて、例えば、照明装置の光透過カバーや、LED光源装置のカバー(電球形光源装置のバルブ、細長形光源装置の筒状カバー)に形成した凹凸によって、カバー内側にてLEDの出射光を複雑に反射させて拡散させる拡散構造を採用することも考えられるが、カバー内側での反射によってカバーから外側へ放射されない光が増大して発光効率の低下を招くといった問題もある。
【0005】
また、LEDを光源とする照明装置や表示装置としては、例えばL字板状、コ字板状等の屈曲板状や、断面三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形筒状など、多種多様な形状の製品の開発も期待されている。
上述の屈曲板状や多角形筒状の装置形状を実現するには、通常、LEDを実装したリジッドのプリント配線板を複数枚使用して照明装置や表示装置といった装置を組み立てることとなる(例えば特許文献2)。しかしながら、このようにLED付き基板を複数枚使用する装置は、各LED付き基板を所定向きに固定するための固定用部品もLED付き基板の数に応じて必要になるなど、部品点数の増大により組み立てに手間が掛かるといった問題がある。また、使用するLED付き基板の数が多いと、各LED付き基板への給電用の結線が複雑になり結線作業にも手間が掛かる上、LED付き基板のプリント配線板の回路配線に電気的に接続した給電線が装置全体の組み立て作業の障害になりやすい、装置内に給電線の配線用スペースを確保する必要が生じることがあり、場合によっては装置のサイズや製品デザインに影響を与える、といった問題も発生する。
【0006】
これに鑑みて、例えば特許文献3、4のように、LEDを実装したフレキシブルプリント配線板(以下、FPCとも言う)を、予め所望形状に形成した部材に貼り付けて組み立てられる照明装置も提案されている。特許文献3に開示される照明装置は、その図1等を参照して判るように、一般的な白色電球用のソケットに装着可能な口金9が固着された取付ベース8から該取付ベース8に固定された外観球状の透明又は半透明のキャップ12内に突出された柱状のコア5を有し、図2に示すように展開したときに平面となる放射状(図2では十字状)に形成したFPCを前記コア5の先端部を覆うように接着したものである。また、特許文献3の図5〜図9には、展開したときに平面となる放射状のFPCにLEDを実装したものを反射器25の筒部26の内面に接着した照明装置が開示されている。
特許文献4には傘形のハウジング4の内面にLEDを実装したFPCを貼り付けた構成の照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−32466号公報
【特許文献2】特開2002−184207号公報
【特許文献3】特開2006−244725号公報
【特許文献4】特開2002−83506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3、4のように、LEDを実装したFPCを予め所望形状に形成した部材に貼り付ける構成では、貼り付け作業の効率が悪く、貼り付け作業においてFPCが不用意に曲がってLEDや半田付け部を傷めるといった不都合が生じやすいといった問題がある。すなわち、FPCは柔軟性が高いため、これを貼り付ける対象の部材(以下、貼り付け用基材とも言う)に押し付けることで該貼り付け用基材の形状に追従させることが可能であるものの、貼り付け作業において自由に曲がってしまうためLEDや半田付け部を傷めやすい。
【0009】
また、FPCを予め所望形状に形成した貼り付け用基材に固定する手段として接着剤による接着固定を採用する場合、特に屈曲部を有する貼り付け面へのFPCの接着では、FPC自体の弾性によって、FPCに、貼り付け用基材に接着されず浮き上がった箇所が発生しやすく、FPC全体を所望形状に形成された貼り付け用基材に接着、一体化することが容易でない。このため、FPCの浮き上がり箇所の発生により、FPCが貼り付け用基材から剥がれやすくなったり、アルミニウム等の放熱性の高い貼り付け用基材への貼り付けによる放熱性を充分に期待できなくなることがある。
また、接着剤を用いた固定にかえて例えばFPCの外周の複数箇所を前記貼り付け用基材に突設したフック部等によって機械的に押さえ付ける構成も採り得るが、FPC全体を前記貼り付け用基材に浮き上がり部が生じないように取り付けることは困難である。
【0010】
また、特許文献3、4のような構成では、FPCを貼り付ける貼り付け用基材の形状でFPCの形状が決まるため、複雑な形状の照明装置を作製する場合、複雑な形状の貼り付け用基材を必要とする。このため、貼り付け用基材の形状によっては、複数部材で構成した貼り付け用基材が必要となって組み立ての手間の増大やコストアップを招く可能性があり、また、このような貼り付け用基材に対するFPCの貼り付け作業にも手間が掛かることになる。
【0011】
本発明は、前記課題に鑑みて、フレキシブル回路基板部に実装した電子部品やその半田付け部を傷めることなく折り曲げによって簡単に立体形状とすることができ、しかもLEDを実装した場合に要求される放熱性を良好かつ確実に確保できる折り曲げ可能配線基板、発光モジュール、発光モジュールの製造方法、折り曲げ可能配線基板の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、電気絶縁性の絶縁樹脂層と配線層とを有するフレキシブル回路基板部の片面の複数箇所に板部材が被着され、前記板部材が前記フレキシブル回路基板部に一体化されてなる複数の板状部の2以上の前記フレキシブル回路基板部に電子部品を実装するための電極部が設けられ、前記板状部間で折り曲げて立体形状に曲げ成形可能とされていることを特徴とする折り曲げ可能配線基板である。
第2の発明は、前記フレキシブル回路基板部の前記板状部間に位置する部分である板状部間フレキシブル橋絡部が、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを跨いで該折り曲げ用クリアランスの両側の前記板部材間に架け渡されていることを特徴とする第1の発明の折り曲げ可能配線基板である。
第3の発明は、前記折り曲げ用クリアランスが、前記フレキシブル回路基板部が位置する基板表面側及びその反対の基板裏面側の一方から他方に行くにしたがって幅寸法が拡大するテーパ状に形成されており、該折り曲げ用クリアランスの位置での折り曲げによって、この折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の前記折り曲げ用クリアランスに臨む端面同士を閉じ合わせ可能とされていることを特徴とする第2の発明の折り曲げ可能配線基板である。
第4の発明は、前記フレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層の形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、あるいは液晶ポリマーであることを特徴とする第1〜3の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板である。
第5の発明は、前記板部材が、アルミニウム板、銅板、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、液晶ポリマーのいずれかからなることを特徴とする第1〜4の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板である。
第6の発明は、第1〜5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の前記板状部の2以上に発光素子が実装されていることを特徴とする発光モジュールである。
第7の発明は、前記折り曲げ可能配線基板が前記板状部間で折り曲げられて立体形状とされ、前記発光素子が実装された前記板状部である発光素子付き板状部の間に、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で折り曲げた折り曲げ部が存在することを特徴とする第6の発明の発光モジュールである。
第8の発明は、前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に形状固定用部材が設けられていることを特徴とする第7の発明の発光モジュールである。
第9の発明は、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを互いに平行に複数本有する前記折り曲げ可能配線基板が前記折り曲げ用クリアランスの位置で折り曲げられて凹形板状あるいは筒状とされた部分を有することを特徴とする第6〜8の発明のいずれか1つの発光モジュールである。
第10の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部に発光素子を実装して、前記板状部の2以上に発光素子を設ける発光素子実装工程と、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で曲げて立体形状とする曲げ成形工程とを具備することを特徴とする発光モジュールの製造方法である。
第11の発明は、前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に前記折り曲げ可能配線基板の形状固定用部材を設けて、前記折り曲げ可能配線基板の形状を固定する基板形状固定工程とを具備する特徴とする第8の発明の発光モジュールの製造方法である。
第12の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状に形成された板母材を用意し、この板母材の片面に、熱可塑性樹脂フィルムの片面側のみに銅箔が一体化された片面銅張りフレキシブル基板をその前記熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着して接合するフレキシブル基板接合工程と、このフレキシブル基板接合工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、 前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第13の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、銅箔の片面に形成された半硬化状態の熱硬化性樹脂層である熱硬化性半硬化樹脂層、あるいは半硬化状態の熱硬化性樹脂によって前記銅箔及び前記板部材とは別体に形成されたシートである熱硬化性半硬化樹脂シートを、前記折り曲げ可能配線基板の全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材と前記銅箔との間に挟み込んだ状態で加熱、硬化して前記絶縁樹脂層を形成し前記銅箔を前記板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程と、このフレキシブル基板部形成工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成してなる前記配線層と前記絶縁樹脂層とからなる前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第14の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、樹脂フィルムの片面側あるいは両面に銅箔が一体化された銅張りフレキシブル基板を、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材の片面に接着剤を用いて接着する基板接着工程と、この基板接着工程の後、前記銅張りフレキシブル基板の前記樹脂フィルムを介して前記板母材とは反対側に位置する銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第15の発明は、第12の発明に係る片面銅張り基板の熱可塑性樹脂フィルムの形成樹脂、第13の発明に係る熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートの形成樹脂、第14の発明に係る銅張りフレキシブル基板の樹脂フィルムの形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂であることを特徴とする第12〜14の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、折り曲げ可能配線基板をその板状部間の位置で折り曲げて立体形状に曲げ成形することで、様々な形状の発光モジュールを簡単に得ることができる。LED等の電子部品を板状部に実装することで、電子部品を実装した折り曲げ可能配線基板の折り曲げ作業において電子部品やその半田付け部を傷めにくいため、目的の電気的特性を確実に確保できる。
しかも、折り曲げ可能配線基板は板部材にフレキシブル回路基板部が密着し一体化した状態に製造することが容易であるため、LED等を実装した場合に要求される放熱性を良好かつ確実に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の発光モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1の発光モジュールの縦断面図である。
【図3】図1の発光モジュールの拡大部分断面図である。
【図4】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第1の製造方法を示す断面図である。
【図5】板母材にフレキシブル回路基板部を一体化した状態(配線付き積層板)を示す平面図である。
【図6】図5の配線付き積層板の断面構造を模式的に示す図である。
【図7】折り曲げ可能配線基板の平面図である。
【図8】図7の折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図9】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第2の製造方法を示す断面図である。
【図10】折り曲げ可能配線基板の第2の製造方法の変形例を説明する図であって、銅箔及び板母材とは別体の熱硬化性半硬化樹脂シートを用いて銅箔を板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第3の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態の発光モジュールを示す断面図である。
【図13】図12の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態の発光モジュールを示す斜視図である。
【図15】図14の発光モジュールの断面図である。
【図16】図14の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図17】本発明のまたさらに別の実施形態の発光モジュールを示す断面図である。
【図18】図17の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図19】折り曲げ可能配線基板の変形例を説明する断面図であって、(a)は折り曲げ可能配線基板が平板状の状態、(b)は折り曲げによって板部材の端面同士を閉じ合わせ、前記端面の板部材表面側の面取り部によって構成された凹所内にフレキシブル回路基板部の弛み部を収納した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の一実施形態の発光モジュール1を示す斜視図、図2は発光モジュール1の縦断面図、図3は発光モジュール1の部分拡大断面図、図4は第1の製造方法を示す断面図、図5は製造途中における平面図、図6は図5の配線付き積層板の断面構造を模式的に示す図、図7は発光モジュール1を形成するための折り曲げ可能配線基板2を示す平面図である。
【0016】
図1に示す発光モジュール1は、図7に示す折り曲げ可能配線基板2に電子部品としてLED等の発光素子3を実装し、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に曲げ成形することにより形成される。また、この発光モジュール1は、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に曲げ成形した後に発光素子3を実装して形成しても良い。
【0017】
図1の実施形態における発光モジュール1の折り曲げ可能配線基板2は、5つの板状部6、すなわち矩形板状の天板部6aと、この天板部6aの外周の4辺から該天板部6aの片面側に末広がりのテーパ状に延出するように設けられた4枚の台形板状の側板部6bとを具備する立体形状(以下、五面折り曲げ体とも言う)に形成されている。この五面折り曲げ体のそれぞれの面には、発光素子3が複数実装されている。発光素子3としては、ここではLEDを採用している。
この光モジュール1は、五面折り曲げ体を構成する折り曲げ可能配線基板2のそれぞれの面に発光素子3を複数実装してある構成により、光を周囲の広範囲に拡散させることができる。このため、例えば発光モジュール1は、光透過性の球状カバーや筒状カバー内に配置することにより、一般の電球等と同様に光源装置として用いることができる。
【0018】
図1、図2等に示すように、折り曲げ可能配線基板2は、五面折り曲げ体の各面を構成する5枚の板部材4を、1枚のフレキシブル回路基板部5に被着した構成であり、フレキシブル回路基板部5に板部材4が被着され一体化された部分である板状部6を5つ備えている。
なお、図1、図2等において、折り曲げ可能配線基板2の天板部6aの板部材4(天板部板部材)に符号41、側板部6bの板部材4(側板部板部材4)に符号42を付記する。
【0019】
図7は、折り曲げ可能配線基板2が折り曲げられていない平板状であるときの平面形状を示す。図7に示すように、フレキシブル回路基板部5は、五面折り曲げ体における矩形状の頂面(天板部6aによって形成される頂面)に対応した頂面部5aと、五面折り曲げ体の4側面(4枚の側板部6bによってそれぞれ形成される計4つの側面)に対応した側面部5bとを有している。それぞれの側面部5bは、頂面部5aと連設した状態で頂面部5aにおける4方向の周囲に位置している。すなわち、それぞれの側面部5bは、フレキシブル回路基板部5の頂面部5aの4辺から延びている板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して頂面部5aと一体となっている。
【0020】
前記板状部間フレキシブル橋絡部5cは、隣り合う板部材4間(図7に例示した折り曲げ可能配線基板2の場合、天板部6aの板部材41と側板部6bの板部材42との間)にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランス12を跨いで該折り曲げ用クリアランス12の両側の前記板部材4間に架け渡され、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板状部6間を橋絡している。
【0021】
フレキシブル回路基板部5は、電気絶縁性の絶縁樹脂層13の片面に配線パターンを形成する配線層14(図3参照)が積層された構成になっている。前記板部材4は絶縁樹脂層13の配線層14とは反対側の面に被着されている。また、図示例の発光モジュール1のフレキシブル回路基板部5の外面(板部材4とは反対側の面)には保護樹脂層17(図示例では具体的にはソルダーレジスト)が設けられている。
【0022】
配線層14が形成する配線パターンは、電子部品(発光素子3)を実装するための複数の実装部7を有している。又、フレキシブル回路基板部5における2つの側面部5bには、外部回路接続端子部8が形成されている。配線層14の配線パターンは、全ての実装部7と外部回路接続端子部8とを接続するように形成されており、外部回路接続端子部8に給電用外部回路の給電線9(図1参照)を接続することにより全ての実装部7に対して給電することができる。これにより、実装部7に実装された全ての電子部品(ここでは発光素子3)に対して電力を供給することができる。このような構造では、複数の電子部品に給電するための給電用外部回路を単純化することができる。また、全ての電子部品と給電用外部回路を電気的に接続する作業を省力化することができる。
【0023】
板部材4は、フレキシブル回路基板部5の頂面部5a及び4枚の側面部5bに対応した形状に形成されており、フレキシブル回路基板部5の片面に被着されることにより、フレキシブル回路基板部5の頂面部5a及び4枚の側面部5bを支持して平坦な状態を保つ支持部材として機能する。板部材4としては、アルミニウム板、銅板等の金属板を用いることができる。これに限らず、熱伝導率が高いフィラーを基材樹脂に混入したフィラー混入樹脂あるいは液晶ポリマー等の高い熱伝導性を有するプラスチック(高熱伝導性プラスチック)からなる樹脂板を用いることができる。このような材料を板部材4として用いることにより、発光素子3が発する熱を効率良く放熱できるため、発光モジュール1の放熱性を向上させることができる。
フレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13の形成樹脂としても、熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂あるいは液晶ポリマー等を用いることができる。このような材料を用いることにより、フレキシブル回路基板部5に熱伝導性を付与することができ、発光素子3が発する熱を板部材4に効率良く伝達し放熱効果を高めることができる。
【0024】
但し、フレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13の形成樹脂は電気絶縁性の確保の必要から、この形成樹脂に混入するフィラーとしては電気絶縁性を有するものを採用する。
高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーとしては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)といった金属酸化物フィラー(セラミック系フィラー)、その他、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、水酸化マグネシウムMg(OH)2等を挙げることができる。
【0025】
図7に示す折り曲げ可能配線基板2を板状部6の間で折り曲げることにより、図1に示す五面折り曲げ体からなる立体形状の発光モジュール1を形成することができる。折り曲げは、図7に示す折り曲げ可能配線基板2の、フレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連結された隣り合う板部材4の間に真っ直ぐに延在するスリット状に確保された折り曲げ用クリアランス12(図7参照)を境として行われる。
【0026】
この折り曲げ可能配線基板2の場合、折り曲げ用クリアランス12を介してその両側の板部材4は前記板状部間フレキシブル橋絡部5cを介してフレキシブル回路基板部5によって連結され、全ての板部材4がフレキシブル回路基板部5によって連結されているため、折り曲げを行っても、板部材4がバラバラに分離することがない。このような折り曲げにより、板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連結された隣り合う板部材4の間には折り曲げ部10が存在している。折り曲げ部10は具体的には板状部間フレキシブル橋絡部5cを折り曲げた部分である。
【0027】
また、発光素子13(例えばLED)等の電子部品は、フレキシブル回路基板部5のうち、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げの際に変形しない板状部6に位置する部分に実装される。このため、電子部品を実装した折り曲げ可能配線基板2を折り曲げる際に、フレキシブル回路基板部5に実装した電子部品やその半田付け部を傷めることを回避でき、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に成形して得た発光モジュールに所望の電気的特性を確実に確保できる。
【0028】
折り曲げ可能配線基板2の折り曲げにあっては、形状固定用部材11が設けられる。形状固定用部材11は、図2に示すように、折り曲げ可能配線基板2におけるフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側(基板表面側)とは反対側の裏面側(基板裏面側)に設けられるものである。形状固定用部材11は、折り曲げ可能配線基板2の裏面側の全体に設けても良いが、折り曲げ部10を橋渡しするように裏面側の一部に設けることが良好である。形状固定用部材11としては、半硬化状態の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)、湿気硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂を必要箇所に塗布し、塗布の後に、樹脂を硬化させることにより形成することができる。これに限らず、樹脂板や金属板等の板材を必要箇所に、接着剤を用いた接着固定、溶接固定、組み付け等によって設けても良い。このような形状固定用部材11を設けることにより、立体形状を確実に維持することが可能となる。
【0029】
折り曲げ可能配線基板2の各板部材4の外周の端面は、その全てが、該板部材4の両面(両側の主面)に垂直な平坦面(垂直面)であっても良いが、ここで例示する折り曲げ可能配線基板2にあっては、図8に示すように板部材4の外周に該板部材4の主面に対して傾斜する端面(以下、傾斜端面とも言う)を形成し、該折り曲げ可能配線基板2を折り曲げて所望形状(図示例の折り曲げ可能配線基板2の場合は図1に例示した五面折り曲げ体)にしたときに、互いに隣接する板部材4の端面同士を面接触させて閉じ合わせ可能(図2、図3参照)としている。
【0030】
図7、図8に示す折り曲げ可能配線基板2は、各板部材4の外周の端面の全てが傾斜端面とされている。すなわち、天板部板部材41の外周の4つの端面41a、側板部板部材42の外周の4つの端面42aはそれぞれ傾斜端面となっている。
また、各傾斜端面41a、42aは、板部材4のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面に対して鋭角、板部材4裏面に対して鈍角の傾斜角度で傾斜している。
【0031】
図7、図8に示すように、この折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12は、該折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aの間に位置するため、その幅寸法(折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の間隔方向の寸法)が基板表面側から基板裏面側に行くにしたがって拡大するテーパ状(折り曲げ用クリアランス12の長手方向に垂直の断面形状がテーパ状)に形成されている。
そして、この折り曲げ可能配線基板2は、折り曲げていない平板状(図7、図8の状態)から所望形状の発光モジュール1(具体的には図1に例示した五面折り曲げ体)を組み立てるべく折り曲げ用クリアランス12に対応する部分(具体的には板状部間フレキシブル橋絡部5c)を折り曲げたとき、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aが互いに当接して閉じ合わされることで、板部材4間の開き角が安定する。このため、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって、板部材4間を目的の開き角となるように折り曲げることを容易に実現できる。このことは、所望形状の発光モジュール1の組み立ての作業効率向上に有効に寄与する。組み立て後の発光モジュール1の形状安定にも有効に寄与する。
【0032】
図1、図2において、符号12aは、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4間(具体的には端面41a、42a同士)を閉じ合わせた合わせ目である。
【0033】
なお、フレキシブル回路基板部5の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4間に位置する部分、つまり板状部間フレキシブル橋絡部5cは、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げによって閉じ合わせた板部材4間の開き角側(内角側)ではなく外角側に位置するが、板部材4の端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間の開き角が安定する上、折り曲げ用クリアランス12が解消されることで、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げに伴い板状部間フレキシブル橋絡部5cに強い引っ張り力が作用することを回避でき、引っ張り力によって板状部間フレキシブル橋絡部5cを傷める(配線の断線等)といった不都合の発生を防止できる。
【0034】
折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aは、該端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鋭角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面41a、42aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0035】
また、図7、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2については、発光素子3の実装後、所望形状の発光モジュール1を組み立てるべく折り曲げたときに、互いに隣接する側板部板部材42の端面42a同士も互いに当接させて閉じ合わせることができる。
このため、所望形状の発光モジュール1の組み立ての作業効率を向上できるとともに、組み立て後の発光モジュール1に高い形状安定性を確保できる。
【0036】
なお、図1、図2に例示した発光モジュール1にあっては、図7に例示したように折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2のスリット状の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4同士が互いに接し、板部材4間に隙間が存在しない状態で立体形状に組み立てられているが、本発明に係る発光モジュールにあっては、折り曲げ可能配線基板の板部材間に隙間(折り曲げ用クリアランス)が存在する構成も含む。
【0037】
図3に示すように、既述の通り、フレキシブル回路基板部5は、絶縁樹脂層13と配線層14とが積層されることにより形成されており、絶縁樹脂層13に板部材4が被着される。配線層14は、上述した配線パターンが形成された層であり、この配線層14には発光素子3を実装するための電極部15がそれぞれの実装部7に対応して形成されている。そして、実装部7に配置された発光素子3はリード3aが電極部15に半田16によって接続されることにより実装部7に実装される。配線層14は、電極部15及び外部回路接続端子部8を避けてフレキシブル回路基板部5の外面側(板部材4とは反対側)全体に積層された保護樹脂層17によって覆われており、配線層14の電気的絶縁及び水滴付着が防止されている。保護樹脂層17はここでは具体的には液状樹脂材料の塗膜からなるソルダーレジストであるが、これに限定されず、電気絶縁性の樹脂製保護フィルム等であっても良い。
【0038】
次に、図4〜図7を参照して折り曲げ可能配線基板2の第1の製造方法を説明する。
まず、図5に示すように、板母材18を用意する。板母材18は、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4を切り出し可能なサイズのプレート状に形成されている。この実施形態では、前記板母材18は、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4(5枚の板部材)を包含する面積を有した矩形のプレート状となっている。
板母材18には、長孔19が複数形成されている。長孔19は、板部材4の形成範囲(板部材形成領域4S)の周囲を囲繞する部位に形成されるものである。すなわち、長孔19は、それぞれの板部材形成領域4Sを囲むように形成されている。
【0039】
図示例の板母材18には、図7に例示した折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4(5枚の板部材)を得るため、天板部板部材41を形成するための天板部板部材形成領域41Sと、側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42Sとが確保される。
前記長孔19は、既述のように各板部材形成領域4Sの周囲に板部材形成領域4Sを囲繞するように形成されるが、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間には長孔19が1本のみ設けられ、この長孔19を介して天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとが区分けされている。
【0040】
なお、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に形成する長孔19は、例えば、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に延在する1仮想直線上の複数箇所に形成しても良い。天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に複数本形成された長孔19間は、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとを橋絡する橋絡部である。この橋絡部は後述の板部材として機能し得るものであり、配線基板切り出し工程にて切断される。
【0041】
板母材18においては、長孔19に加えて板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21が設けられている。板部材間橋絡部20は、互いに隣り合う板部材形成領域4S同士を橋絡する箇所に設けられ、外周橋絡部21は板部材形成領域4Sとその周囲に位置する部分とを橋絡する箇所に設けられている。これらの板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21は、長孔19の間に位置するように設けられる。板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21が長孔19の間に設けられることにより、これらの橋絡部20,21だけを切断することにより、折り曲げ可能配線基板2を構成する全て(5枚)の板部材4を取り出すことができる。このため、板部材4を切り出すための板母材18のプレス切断が容易となる。
【0042】
以上の板母材18の片面に対し、片面銅張りフレキシブル基板22を接合するフレキシブル基板接合工程を行った後、パターニング工程を行う。
【0043】
フレキシブル基板接合工程は、図4(a)、(b)で示すように、絶縁性(電気絶縁性。以下も同じ)の熱可塑性樹脂フィルム23の片面に銅箔24が一体化された片面銅張りフレキシブル基板22を板母材18に面接触させ、熱可塑性樹脂フィルム23を熱溶着させて板母材18に接合することにより行われる。ここで片面銅張りフレキシブル基板22としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。
【0044】
なお、熱可塑性樹脂フィルム23はフレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13を形成するものであり、その材質としては例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー等を採用できる。また、この熱可塑性樹脂フィルム23としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂を使用することができる。これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性、放熱性を付与することができる。高い熱伝導性を有する液晶ポリマーも、フレキシブル回路基板部5の放熱性確保の点で好適に採用できる。
但し、絶縁樹脂層13の基材樹脂に混入するフィラーとしては、絶縁樹脂層13の電気絶縁性の確保に鑑みて、既述の通り、例えば金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0045】
パターニング工程は、フレキシブル基板接合工程の後、銅箔24をパターニングして配線パターンを形成する(図4(c))。パターニングは、フォトレジストを使用したフォトリソグラフィ法、レーザ加工、イオンビーム法等の周知の種々の方法によって行うことができる。パターニングによって形成される配線パターンは、全ての実装部7を接続する配線と、それぞれの実装部7に対応した電極部15とを含むものである。このようなパターニングにより、所望の配線パターンを有する配線層14を形成することで、熱可塑性樹脂フィルム23を絶縁樹脂層13としたフレキシブル回路基板部5が板母材18の片面に一体化した配線付き積層板25を作製することができる。
なお、既述の保護樹脂層17は、配線付き積層板25の作製後に、フレキシブル回路基板部5の配線層14側の面の電極部15及び外部回路接続端子部8を除く全体を覆うように設けられる。
【0046】
パターニング工程に続いて配線基板切り出し工程を行う。パターニング工程によって得た配線付き積層板25は、図4(c)、図5に示す平面形状となっており、板母材18が原形のままとなっている。配線基板切り出し工程では、板母材18における板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21をプレス等によって切断する。この切断により、長孔19を境として5枚のそれぞれの板部材4が切り離された状態となる。切り離された板部材4は、五面折り曲げ体の頂面及び側面に対応するが、これらに積層されているフレキシブル回路基板部5の頂面部5a、側面部5bが板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連設された状態となっているため、5枚の板部材4はフレキシブル回路基板部5を介して相互に連結された状態となっており、これにより、図7に示す折り曲げ可能配線基板2を作製することができる。
【0047】
板母材18の複数本の長孔19のうち、板部材形成領域4S同士の境界位置にあるもの(図5中、符号19aの長孔)は、配線基板切り出し工程の完了によって得られる折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12を構成するものである。以下、この長孔19aを曲げクリアランス用長孔とも言う。
図6に示すように、この板母材18の曲げクリアランス用長孔19aは、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を構成するものである。 曲げクリアランス用長孔19aの長手方向に垂直の断面形状は、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12の長手方向に垂直の断面形状と同じである。
【0048】
曲げクリアランス用長孔19aは、具体的には、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって、その幅方向(図5の平面視において曲げクリアランス用長孔19aの長手方向に直交する方向)の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。また、曲げクリアランス用長孔19aの幅方向両側の内側面は、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の傾斜端面41a、42aであり、板母材18の主面(表面及び裏面)に対して傾斜している。図6において、曲げクリアランス用長孔19aの幅方向両側の内側面に、折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aに対応して、符号41a、42aを付記する。
【0049】
板母材18の板部材形成領域4Sの周囲の複数本の長孔19のうち、曲げクリアランス用長孔19a以外のもの(以下、外周長孔19bとも言う)は、その幅方向(図5の平面視において外周長孔19bの長手方向に直交する方向。図6における左右方向)において板部材形成領域4S(側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42S)側の内側面が、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における側板部板部材42の傾斜端面42aに相当する面となっている。図6において、前記外周長孔19bの幅方向において側板部板部材形成領域42S側の内側面に符号42aを付記する。
【0050】
図5、図6に例示した板母材18の前記外周長孔19bは、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって、その幅方向(図5の平面視において外周長孔19Bの長手方向に直交する方向)の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。但し、前記外周長孔19bは、その幅方向において板部材形成領域4S(側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42S)側の内側面が、配線基板切り出し工程によって得られる折り曲げ可能配線基板2(図7、図8参照)における側板部板部材42の端面42aに相当する面となっていれば良く、外周長孔19bの幅方向において側板部板部材形成領域42Sとは反対側の内側面の形状は任意に設定できる。この点、外周長孔19bの、その長手方向に垂直の断面形状は、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって幅方向寸法が拡大するテーパ状に限定されない。
【0051】
発光モジュール1は、以上の折り曲げ可能配線基板2を用いて製造される。発光モジュール1の製造は、発光素子実装工程と、成形工程とによって行われる。ここでは発光素子実装工程の後に成形工程を行う場合について説明する。但し、これらの工程は、どちらを先に行っても良く、その順序は、製造のための装置や他の処理等の作業環境に合わせて適宜設定される。
【0052】
発光素子実装工程は、折り曲げ可能配線基板2に対して電子部品としての発光素子3を実装するものである。発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2に形成された実装部7に実装する。図4(d)は、発光素子実装工程を示し、発光素子3をフレキシブル回路基板部5の実装部7に配置し、そのリード3aを電極部15に半田付けして電気的に接続する。図中符号16は半田付けに用いた半田を示す。
【0053】
成形工程は、折り曲げ可能配線基板2を板状部6間で折り曲げて立体形状とするものである。折り曲げ可能配線基板2の折り曲げは、折り曲げ用クリアランス12(図7参照)を境として行われ、折り曲げ用クリアランス12に掛け渡されたフレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cが折り曲げのヒンジとなる。この成形工程により、図1に示す五面折り曲げ体をなす立体形状の発光モジュール1を作製することができる。
【0054】
以上の成形工程の後においては、必要に応じて基板形状固定工程を行う。基板形状固定工程は、五面折り曲げ体の発光モジュール1の立体形状を維持するために行うものである。この工程では、図2及び図3に示すように、フレキシブル回路基板部5が設けられている表面側とは反対の裏面側に上述した形状固定用部材11を設けるものである。形状固定用部材11を裏面側に設けることにより、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0055】
図9は、本発明における第2の製造方法を示す。この第2の製造方法は、銅箔24の片面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層(熱硬化性半硬化樹脂層28)が一体化された構成の半硬化樹脂層付き銅箔27を既述の板部材18に接合して熱硬化性半硬化樹脂層28を加熱硬化させ絶縁樹脂層13とするフレキシブル基板部形成工程と、パターニング工程と、配線基板切り出し工程とを備えている。
この第2の製造方法は、フレキシブル基板部接合工程にかえてフレキシブル基板部形成工程を具備する点が第1の製造方法と異なる。フレキシブル基板部形成工程から後のパターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様である。
【0056】
図9(a)、(b)に示すように、フレキシブル基板部形成工程では、既述のように、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28を板母材18に面接触させ、加熱、硬化することにより絶縁樹脂層13とする。熱硬化性半硬化樹脂層28としては、例えば未硬化状態(半硬化状態)のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂にガラス繊維(ガラス不織布であっても良い)を混入したいわゆるガラスエポキシ材(但しエポキシ樹脂が半硬化状態のもの)等を採用できる。熱硬化性半硬化樹脂層28は、板母材18に接合し、銅箔24を板母材18と一体化する接着材層として機能する。このため、硬化性半硬化樹脂層28を硬化させて絶縁樹脂層13とすることで、絶縁樹脂層13を介して銅箔24が板母材18に一体化される。
板母材18は、既述の通り、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4を切り出し可能なサイズのプレート状に形成されており、図5で示すように、板部材4の形成範囲(板部材形成領域4S)の周囲を囲繞する複数の長孔19と、板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21とが設けられているものである。
【0057】
半硬化樹脂層付き銅箔27としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。
なお、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28としては、例えば、液状の熱硬化性樹脂材料を銅箔24片面に塗布した塗膜層、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性半硬化樹脂シートを銅箔24片面に貼り付けたものを挙げることができる。また、半硬化樹脂層付き銅箔27は、熱硬化性半硬化樹脂層28の粘着性によって板母材18に対して熱硬化性半硬化樹脂層28の加熱硬化が完了するまで貼り付けた状態を安定に保つことができ、板母材18に対する位置ずれも生じにくい。このため、半硬化樹脂層付き銅箔27を用いるフレキシブル基板部形成工程は高い作業効率を確保でき、折り曲げ可能配線基板2の生産性向上の点で好適である。
【0058】
また、熱硬化性半硬化樹脂層28としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂を使用することができ、これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性を付与することができる。
但し、熱硬化性半硬化樹脂層28は、該熱硬化性半硬化樹脂層28の硬化によって形成する絶縁樹脂層13に電気絶縁性が確保される必要から、その基材樹脂に混入するフィラーとしては、絶縁樹脂層13の樹脂中に混入するフィラーとして既に例示したもの、すなわち金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0059】
図9(c)は、以上のフレキシブル基板部形成工程の後に行われるパターニング工程を示す。パターニング工程においては、銅箔24をパターニングすることにより電極部15を含む配線パターンを形成する。このことにより、配線パターンを配線層14、硬化性樹脂層29を絶縁樹脂層13とするフレキシブル回路基板部5が板母材18の片面に一体化された配線付き積層板25を作製する。なお、配線層14の上にはソルダーレジスト等の保護樹脂層17が形成される。
【0060】
配線基板切り出し工程は、上述した第1の製造方法と同様にして行うものであり、図5に示すように、板母材18における板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21をプレス等により切断する。この切断により、5枚のそれぞれの板部材が切り離されると共に、フレキシブル回路基板部5によって相互に連結された状態の図7に示す折り曲げ可能配線基板2を作製することができる。
【0061】
このようにして作製された折り曲げ可能配線基板2に対し、上述した第1の製造方法と同様の発光素子実装工程と、成形工程とを行う。図9(d)は発光素子実装工程を示し、発光素子3をフレキシブル回路基板部5の実装部7に配置し、そのリード部3aを配線層14の電極部15に半田付けする。成形工程は、折り曲げ可能配線基板2を板状部6間で折り曲げて立体形状とするものである。この折り曲げにより、上述した第1の製造方法と同様に、図1に示す五面折り曲げ体の発光モジュール1を作製することができる。その後、必要に応じて基板形状固定工程を行う。また、必要に応じて第1の製造方法と同様の基板形状固定工程を行う。つまり、図2及び図3に示すように、フレキシブル回路基板部5が設けられている表面側とは反対側の裏面側に形状固定用部材11を設ける。このことにより、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0062】
図10に示すように、本発明に係る折り曲げ可能配線基板の製造方法は、既述の第2の製造方法のフレキシブル基板部形成工程を、銅箔24及び板母材18とは別体の熱硬化性半硬化樹脂シート29を用いて行う構成に変更したものも含む。
前記熱硬化性半硬化樹脂シート29は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるシート状の部材である。この熱硬化性半硬化樹脂シート29の形成材料としては、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ材(但しエポキシ樹脂が半硬化状態のもの)等を採用できる。そして、フレキシブル基板部形成工程を、図10に示すように、銅箔24と板母材18との間に前記熱硬化性半硬化樹脂シート29を介挿し、この熱硬化性半硬化樹脂シート29を介して銅箔24を板母材18に貼り合わせた後、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる前記熱硬化性半硬化樹脂シート29を加熱、硬化させて絶縁樹脂層13とすることで、銅箔24を板母材18に一体化する構成とする。
この熱硬化性半硬化樹脂シート29を利用するフレキシブル基板部形成工程の場合、熱硬化性半硬化樹脂シート29の粘着性によって銅箔24を板母材18貼り付けた状態の安定維持、板母材18に対する位置ずれ防止を実現できる。
本明細書において、この製造方法は第2の製造方法の変形例として扱う。
【0063】
図11は、本発明における第3の実施形態の製造方法を示す。
図11に示すように、この第3の製造方法は、樹脂フィルム31の片面あるいは両面に銅箔24が一体化された銅張りフレキシブル基板(図示例では両面銅張りフレキシブル基板32)を接着剤33を用いて既述の板母材24に接着、一体化する基板接着工程(図11(a)、(b)参照)と、パターニング工程(図11(c)参照)と、配線基板切り出し工程(図11(d)参照)とを備えている。
この第3の製造方法は、フレキシブル基板部接合工程にかえて基板接着工程を具備する点が第1の製造方法と異なる。基板接着工程から後のパターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様である。
【0064】
図11(a)、(b)に示すように基板接着工程では、銅箔24が樹脂フィルム31の両面に一体化された両面銅張りフレキシブル基板32を板母材18に接着剤33を介して接着する。両面銅張りフレキシブル基板32としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。接着剤としては、エポキシ系接着剤等を用いることができる。
【0065】
なお、銅張りフレキシブル基板32の樹脂フィルム31としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂又は液晶ポリマーを使用することができ、これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性を付与することができる。
但し、樹脂フィルム31の両面の銅箔24のうち、樹脂フィルム31を介して板母材18とは反対の側に配置される銅箔24はパターニング工程によって配線パターンが形成されるものである。樹脂フィルム31は、パターニング工程にて形成された配線パターンと、板部材(板母材)側の銅箔との間の電気絶縁性を確保する絶縁層として機能するものである。この樹脂フィルム31の熱伝導性を高めるために混入するフィラーとしては、既述の絶縁樹脂層13の樹脂中に混入するフィラーと同様のもの、すなわち金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0066】
基板接着工程から後の、パターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、配線基板切り出し工程によって得られた折り曲げ可能配線基板2の外面側への保護樹脂層17の形成も第1の製造方法と同様に行うことが可能であることも言うまでもない。
【0067】
また、配線基板切り出し工程によって得られた折り曲げ可能配線基板2に対し、上述した実施形態と同様の発光素子実装工程及び成形工程を行うことで、上述した実施形態と同様に、図1に示す五面折り曲げ体である立体形状の発光モジュール1を作製することができる。その後、必要に応じて基板形状固定工程を行うことで、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0068】
また、本発明に係る折り曲げ可能配線基板2は、電気絶縁性の絶縁樹脂層に配線層を形成済みのフレキシブル回路基板を接着剤を用いて図5を参照して説明した既述の板母材18に接着固定(回路基板接着固定工程)した後、第1〜第3の製造方法と同様の配線基板切り出し工程を行って製造することも可能である。この製造方法において、フレキシブル回路基板は、製造する折り曲げ可能配線基板のフレキシブル回路基板部に合致する平面形状、例えば図7を参照して説明した折り曲げ可能配線基板2を製造する場合は、該折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状に形成したものを用いる。
【0069】
既述の第3の製造方法や、配線層を形成済みのフレキシブル回路基板を用いる製造方法では銅張りフレキシブル基板あるいはフレキシブル回路基板を接着剤を用いて板母材に接着固定する構成となっているが、第1、第2の製造方法(第2の製造方法の変形例を含む)は接着剤を使用せず、熱可塑性樹脂層と銅箔とで構成された片面銅張りフレキシブル基板の熱可塑性樹脂層、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28、熱硬化性半硬化樹脂シートといった、絶縁樹脂層13を形成するための樹脂自体を板母材に直接被着させて絶縁樹脂層13を形成することで、絶縁樹脂層13と銅箔24とを板母材18に一体化できる。したがって、絶縁樹脂層13の形成後、パターニング工程及び配線基板切り出し工程を経て得た折り曲げ可能配線基板のフレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層13と板部材4との間に、フレキシブル回路基板部と板部材4との接着固定のための接着剤層が別途介在せず、絶縁樹脂層13が板部材4に直接被着一体化した構造が得られる。このため、フレキシブル回路基板部と板部材4との接着固定のための接着剤層が別途存在する場合に比べて高い放熱性(板部材への放熱性)を確保できるといった利点がある。
【0070】
パターニング工程は、該パターニング工程にて配線パターンを形成する銅箔を含む複数層からなる基板構成層が板母材18に積層、一体化された構成の基板層積層板をエッチング液中に浸潰するエッチング処理工程(ウェットエッチング)を含んでいても良い。
前記基板構成層は、板母材18とは反対の表面側の銅箔のパターニングによってフレキシブル回路基板部を構成するものであり、例えば既述の片面銅張りフレキシブル基板、両面銅張りフレキシブル基板、熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートを加熱硬化した絶縁樹脂層と該絶縁樹脂層を介して板母材に一体化された銅箔とからなるもの、を挙げることができる。
エッチング処理工程にあっては、例えば板母材18の両面に長孔19を覆って塞ぐ塞ぎ部材を設けることで、長孔19内へのエッチング液の侵入を防止できる。これにより、基板構成層の長孔19に臨む裏面側が長孔19に侵入したエッチング液の影響を受けることを防ぐことができる。長孔19は、その長手方向両端が板母材18外周の端面に開口していない構成とすることで、塞ぎ部材による長孔19内へのエッチング液の侵入防止に有利である。
【0071】
図12〜図17は、本発明の別の実施形態の発光モジュールをそれぞれ示す。
図12に示す発光モジュール1Aは、図13に示すように、図7等を参照して説明した既述の折り曲げ可能配線基板2の天板部板部材41の端面41aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面、側板部板部材42の端面42aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面に変更した構成の折り曲げ可能配線基板2Aを用いて構成したものである。
そして、この発光モジュール1Aは、図12に示すように、折り曲げ可能配線基板2Aがフレキシブル回路基板部5が内面側となるようにして五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形され、この折り曲げ可能配線基板2Aの内面(基板表面)側のフレキシブル回路基板部5に電子部品として発光素子3が実装された構成となっている。また、折り曲げ可能配線基板2Aは、外面(基板裏面)側の板部材4を形状固定用部材11によって固定することで形状が固定されている。
【0072】
この発光モジュール1Aは、例えば、折り曲げ可能配線基板2に電子部品として発光素子3を実装した後、この電子部品3付きの折り曲げ可能配線基板2(発光モジュール)をそのフレキシブル回路基板部5が内面側となるようにして五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形し、外側の板部材4を形状固定用部材11によって固定することにより作製できる。
また、折り曲げ可能配線基板2Aを折り曲げて五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形した後に、フレキシブル回路基板部5に発光素子3を実装しても良い。
【0073】
前記折り曲げ可能配線基板2Aは、天板部板部材41の端面41a及び側板部板部材42の端面42aの向き以外は、既述の図7、図8等を参照して説明した折り曲げ可能配線基板2と同様の構成になっている。図13に示すように、天板部板部材41と側板部板部材42との間に確保された折り曲げ用クリアランス12は、基板裏面側から基板表面側に行くに従って幅寸法が拡大するテーパ状に形成されている。フレキシブル回路基板部5は、この折り曲げ用クリアランス12を跨いでその両側の板部材4間に架け渡されている。
【0074】
また、この折り曲げ可能配線基板2Aは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面41a、42a同士を閉じ合わせた板部材4の対を所望の開き角で安定させることができる。
折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aは、該端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面41a、42aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0075】
この発光モジュール1Aにあっては、五面折り曲げ体の立体形状とした折り曲げ可能配線基板2Aの内側にフレキシブル回路基板部5が位置するので、フレキシブル回路基板部5に実装された発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2Aの内側に配置されている。
発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2Aの板部材4が前記フレキシブル回路基板部5に一体化された箇所である複数の板状部の2以上に実装される。図示例の発光モジュール1Aにあっては、折り曲げ可能配線基板2Aの天板部6a、4つの側板部6bにそれぞれ複数の発光素子(具体的にはLED)が実装された構成であり、これら全てのLEDの出力光を、五面折り曲げ体の折り曲げ可能配線基板2の内側空間奥側の天板部6a側とは反対の開口部から折り曲げ可能配線基板2A外側へ放射できるようになっている。
【0076】
この発光モジュール1Aは、五面折り曲げ体の開口部から外側へ一定の角度範囲で光を出力できる光照射装置として利用できるものであり、例えば、自動車のテールランプ、ヘッドランプ、部材に塗布した塗料等の乾燥装置等に適用することができる。
【0077】
図14及び図15に示す発光モジュール1Bは、長方形シート状のフレキシブル回路基板部5(図中符号5Aを付記する)の片面に、該フレキシブル回路基板部5Aの幅方向寸法に比べて格段に幅狭の細長板状の板部材4(図中符号43を付記する)が複数本一体化された構成の長方形板状の折り曲げ可能配線基板2(図中符号2Bを付記する)を、該フ折り曲げ可能配線基板2Bの長手方向と平行な軸線を中心とする凹形板状(図示例では断面C形で延在する細長板状)に曲げ成形して組み立てられている。複数本の前記板部材43は、その長手方向を揃えて並列に配列されている。図示例では、複数本の前記板部材43は、その長手方向をフレキシブル回路基板部5の長手方向に揃えて、フレキシブル回路基板部5Aの幅方向に複数(3以上。図示例では12本)配列させてフレキシブル回路基板部5Aに一体化されている。
【0078】
フレキシブル回路基板部5Aには、配線パターンが形成されており、該フレキシブル回路基板部5Aに複数実装された電子部品(図示例ではLED等の発光素子3)の全てに対して一対の給電線9からの一括給電が可能となっている。この発光モジュール1Bの場合、発光素子3は各板部材43の長さ方向に沿って複数整列状に実装されている。このような折り曲げ可能配線基板2Bは隣接する板部材43の境界部分で折り曲げられることにより凹形板状の立体形状となった発光モジュール1Bとなる。
【0079】
図16に示すように、折り曲げ可能配線基板2Bは、折り曲げによって凹形板状に成形する前の平板状の状態において、隣り合う板部材43間にスリット状に確保された互いに平行な複数本の折り曲げ用クリアランス12を有するものである。折り曲げ用クリアランス12は、折り曲げ可能配線基板2Bが平板状の状態において、フレキシブル回路基板部5Aが設けられている基板表面側から基板裏面側に行くに従って幅寸法、すなわち該折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の間隔方向の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。
発光モジュール1Bは、折り曲げ可能配線基板2Bをフレキシブル回路基板部5Aが外面側(外周側)となるようにして板部材43間で折り曲げて凹形板状に成形されている。そして、凹形板状の内部には形状固定用部材11が設けられることにより、その形状が維持されている。
【0080】
前記折り曲げ可能配線基板2Bは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面43a、43a同士を閉じ合わせた板部材43の対を所望の開き角で安定させることができる。
図14、図15中、符号12bは、折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2Bにおいて折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43同士を当接させた合わせ目である。
また、フレキシブル回路基板部5Aのうち隣り合う板部材43間に架け渡された部分は板状部間フレキシブル橋絡部として機能し、板部材43間の折り曲げによって折り曲げ部を構成する。
【0081】
なお、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43aは、該端面43a、43a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面43a、43aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0082】
この実施形態の発光モジュール1Bにおいては、凹形板状の折り曲げ可能配線基板2Bに対して発光素子3が長さ方向に沿って複数実装されていることから蛍光灯やネオン灯と同様に、例えば室内照明機器、屋外照明機器、広告用ライトパネル等の光源として用いることができる。
【0083】
図17に示す発光モジュール1Cは、図14及び図15の発光モジュール1Bに対し、発光素子3が長筒状の内部に配置された構造となっている。
発光モジュール1Cは、図18に示すように、既述の折り曲げ可能配線基板2Bの板部材43の端面43aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面に変更した構成の折り曲げ可能配線基板2Cを用いて構成したものである。
そして、この発光モジュール1Cは、折り曲げ可能配線基板2Cに発光素子3を実装したもの(発光モジュール)を、フレキシブル回路基板部5Aが内面側(内周側)となるようにして板部材43間で折り曲げて凹形板状に成形されている。
【0084】
発光モジュール1Cにおいて、折り曲げ可能配線基板2Cは、フレキシブル回路基板部5Aの外面側に板部材43が一体とされており、フレキシブル回路基板部5Aが内側に位置するように板部材43が折り曲げられる。そして、フレキシブル回路基板部5Aに発光素子3が実装される。実装された全ての電子部品(発光素子3)は、フレキシブル回路基板部5に形成された配線パターンにより一対の給電線9から一括給電されて発光する。上述した折り曲げの後、形状固定用部材11によって板部材43を固定することにより長筒状の一体形状が維持される。
【0085】
前記折り曲げ可能配線基板2Cは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面43a、43a同士を閉じ合わせた板部材43の対を所望の開き角で安定させることができる。
図17中、符号12bは、折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2Cにおいて折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43同士を当接させた合わせ目である。
また、フレキシブル回路基板部5Aのうち隣り合う板部材43間に架け渡された部分は板状部間フレキシブル橋絡部として機能し、板部材43間の折り曲げによって折り曲げ部を構成する。
【0086】
なお、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43aは、該端面43a、43a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面43a、43aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0087】
この発光モジュール1Cにおいては、立体形状の内部に発光素子3を備えた構造となっており、発光素子3が発光した光が開口部から出射する。この発光モジュール1Cは、例えば、室内照明機器、屋外照明機器といった各種照明機器や広告用ライトパネル等の光源、その他、部材に塗布した塗料等の乾燥装置等に適用することができる。
【0088】
本発明によれば、フレキシブル回路基板部の複数箇所に板部材が一体化された構成の折り曲げ可能配線基板を用い、発光素子等の電子部品を実装後の折り曲げ可能配線基板をそのフレキシブル回路基板部の板部材4間に位置する部分(板状部間フレキシブル橋絡部)を折り曲げて立体形状に成形することで発光モジュールを組み立てることができる。
このため本発明によれば、例えば既述の特許文献3、4のように、所望形状に形成済みの貼り付け用基材にFPCを貼り付ける作業の効率が悪い、貼り付け作業においてFPCが不用意に曲がってLEDや半田付け部を傷める、といった不都合は生じず、発光モジュールの組み立ての手間を軽減できる。しかも、折り曲げ可能配線基板はフレキシブル回路基板部の複数箇所に板部材が一体化された構成であり、板部材とフレキシブル回路基板部との間に高い密着性を容易に確保できる。
さらに、板母材に積層、一体化した銅箔のパターニングによって形成した配線付き積層板から折り曲げ可能配線基板を得る折り曲げ可能配線基板の製造方法であれば、フレキシブル回路基板部を板部材の片面全体に確実に密着させた状態に形成することを容易に実現できる。
このため、フレキシブル回路基板部に実装した発光素子等の発熱性の電子部品の放熱のための高い放熱性を確実に確保できる。
【0089】
また、本発明によれば、折り曲げ可能配線基板の設計次第で複雑な形状の発光モジュールの組み立てにも容易に対応できる。したがって、既述の特許文献3、4のように作製する照明装置の形状に応じて所望形状に形成した貼り付け用基材を用意する必要がある構成に比べて、多種多様な発光モジュールの形状に容易に対応できる。これにより、低コスト化も容易に実現できる。
【0090】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。
発光モジュールの形状は上述した実施形態のものに限定されず適宜変更可能である。
本発明に係る発光モジュールは、折り曲げ可能配線基板の曲げ成形によって多種多様な形状を実現できる。例えば曲げ成形による凹形板状の折り曲げ可能配線基板、発光モジュールとしては、断面C形のものに限定されず、例えば断面く字形のもの、断面コ字形のもの等であっても良い。
【0091】
発光モジュールとしては、フレキシブル回路基板部に板部材が一体化されてなる板状部を複数有する構成の折り曲げ可能配線基板の板状部間を折り曲げて立体形状とした折り曲げ体(多面折り曲げ体)の板状部の複数に発光素子が実装された構成であれば良く、板状部の数や配置には限定は無い。折り曲げ可能配線基板の板部材の数、形状、配置、板状部の数、形状、配置は、該折り曲げ可能配線基板の折り曲げによって得る折り曲げ体(多面折り曲げ体)の構成に応じて適宜設定可能である。
【0092】
図19(a)、(b)に示すように、本発明に係る折り曲げ可能配線基板は、曲げ用クリアランス12が基板表面側から基板裏面側に行くにしたがって幅寸法が縮小するテーパ状であり、折り曲げ用クリアランスの両側の板部材4の前記折り曲げ用クリアランス12に臨む端面4aの一方又は両方(図示例では両方)が、フレキシブル回路基板部5が設けられている板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度で傾斜する傾斜端面である場合、前記折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4の一方又は両方(図示例では両方)を、前記端面4aの板部材4表面側に面取り部4bを有する構成とし、図19(b)に示すように板部材4間をフレキシブル回路基板部5が内角側となるように折り曲げたときに、板部材4、4とフレキシブル回路基板部5との周長差に起因してフレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cに生じる弛み部5dを、前記面取り部4bによって形成される凹所4cに収納可能とすることも可能である。
【0093】
この場合、折り曲げ可能配線基板の板部材4間の折り曲げによって、フレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cに比較的サイズが大きい弛み部5dが形成される場合であっても、該弛み部5dが緩やかに湾曲した状態を確保できる。このため、折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4間を例えば90度以下の開き角となるように折り曲げても、板状部間フレキシブル橋絡部5cの配線の断線が生じにくいといった利点がある。
なお、図19(b)は、折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4の端面4a同士を当接させて閉じ合わせ、前記両側の板部材4の面取り部4bによって形成された凹所4c内に、板状部間フレキシブル橋絡部5cの弛み部5dを収納した状態を示す。
【0094】
本発明に係る折り曲げ可能配線基板は、折り曲げ用クリアランスに臨む板部材の端面が、全て、板部材の主面(表面、裏面)に垂直の面である構成も含む。
また、本発明に係る発光モジュールとしては、折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の端面が互いに閉じ合わされた箇所と、折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の端面同士が閉じ合わされておらず僅かな離隔距離が存在する箇所とが混在する構成、折り曲げ可能配線基板の全ての折り曲げ部の両側の板部材間が閉じ合わされておらず離隔された構成も含む。
折り曲げ可能配線基板の折り曲げ部の両側の板部材間が閉じ合わされておらず離隔された箇所については、例えば板部材間に形状固定用部材として用いられる硬化性樹脂を充填しても良い。
【0095】
前記折り曲げ可能配線基板は、板状部間での折り曲げによって、複数種類の立体形状を得ることが可能である。折り曲げ用クリアランスの両側の板部材の端面の一方又は両方に傾斜端面を形成した場合も、折り曲げ可能配線基板の板状部間での折り曲げを、必ずしも折り曲げ用クリアランスの両側の板部材の端面同士(少なくとも一方の端面が傾斜端面)を接近させるように行う必要は無い。
【0096】
折り曲げ可能配線基板に実装する電子部品としては、LED等の発光素子に限定されない。電子部品としては、例えばLD(半導体レーザ素子。LD:Laser Diode)等のLED以外の発光素子、発光素子の点滅等の駆動制御用のICチップなども採用可能である。また、発光素子として紫外光あるいは赤外光を出力するものを採用することも可能であり、この場合は、光硬化性樹脂材料等の光応答性材料への光照射用装置の光源、医療用レーザ照射装置のレーザ光源等にも幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B、1C…発光モジュール、2、2A、2B、2C…折り曲げ可能配線基板、3…電子部品、4、41、42、43…板部材、4a、41a、42a、43a…(板部材)の端面、5、5A…フレキシブル回路基板部、5c…板状部間フレキシブル橋絡部、6…板状部、10…折り曲げ部、11…形状固定用部材、12…折り曲げ用クリアランス、13…絶縁樹脂層、14…配線層、15…電極部、18…板部材、19…長孔、20…板部材間橋絡部、21…外周橋絡部、22…片面銅張りフレキシブル基板、23…可塑性樹脂フィルム、24…銅箔、25…配線付き積層板、27…半硬化樹脂層付き銅箔、28…熱硬化性半硬化樹脂層、29…熱硬化性半硬化樹脂層、31…樹脂フィルム、32…銅張りフレキシブル基板、33…接着剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、文字や画像等を表示するための表示装置などに光源装置として設けて用いることができる発光モジュール及びその製造方法、発光モジュールの製造に用いることが可能な折り曲げ可能配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文字や画像等を表示するための表示装置、照明装置などにあっては、高効率、長寿命の光源としてLED(発光ダイオード。LED:Light Emitting Diode)の使用が急速に普及しつつある。
光源としてLEDを使用した照明装置、表示装置は、例えば、1又は複数のLEDをリジッドのプリント配線板に実装したLED付き基板のLED実装面側を光透過カバーで覆っただけの単純な構造とすることが可能であり、白熱電球や蛍光灯を光源として使用した場合に比べて構造の単純化、小型化を容易に実現できる。
【0003】
また、例えば特許文献1のように、一般的な白熱電球用のE形口金と一体化した傘形の外殻部材にLED付き基板を取り付けた構成の光源装置や、さらにLED付き基板を覆う球状のカバー(以下、バルブとも言う)を設けた構成の光源装置(以下、電球形LED光源装置とも言う)、細長板状のプリント配線板にLEDを複数実装したものを、シリカ粒子等の光拡散材を混入(あるいは光拡散膜を形成)したプラスチック製の筒状カバー内に収納した構成の外観細長のもの(以下、細長形LED光源装置とも言う)も製品化されている。
上述の電球形LED光源装置は、周知の白熱電球のようにバルブ内にガスを封入しておく必要が無くバルブの密閉性が要求されない、ガラス製のバルブでなくプラスチック製のものを使用できるなど、白熱電球に比べて製造が容易であり、しかも発光効率も優れている。
細長形LED光源装置は、規格品の直管形蛍光灯と同じ長さを有し、その長手方向両端に直管形蛍光灯と同じ口金を備えたものが多く提供されている。この細長形LED光源装置は、周知の蛍光灯に比べて、ガス封入が不要であるため製造が容易、蛍光灯の点灯に必要とされるスタータ装置や安定器等の専用機器を必要としないといった利点がある。
【0004】
しかしながら、周知のようにLEDは高指向性の点状光源である。このため、例えば室内照明用の照明装置のように、広範囲に光を放射することが要求される照明装置にあっては、シリカ粒子等の光拡散材を混入(あるいは光拡散膜を形成)した光透過カバーによってLEDの出力光を拡散を図っているものの、LEDからの出射光の出射方向はかなり狭い範囲に限定されているため、カバーから外側への放射光の均等化が容易で無く、明るさのばらつきが生じやすいのが実情である。このことは、既述の電球形や細長形のLED光源装置についても同様である。
また、この問題に鑑みて、例えば、照明装置の光透過カバーや、LED光源装置のカバー(電球形光源装置のバルブ、細長形光源装置の筒状カバー)に形成した凹凸によって、カバー内側にてLEDの出射光を複雑に反射させて拡散させる拡散構造を採用することも考えられるが、カバー内側での反射によってカバーから外側へ放射されない光が増大して発光効率の低下を招くといった問題もある。
【0005】
また、LEDを光源とする照明装置や表示装置としては、例えばL字板状、コ字板状等の屈曲板状や、断面三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形筒状など、多種多様な形状の製品の開発も期待されている。
上述の屈曲板状や多角形筒状の装置形状を実現するには、通常、LEDを実装したリジッドのプリント配線板を複数枚使用して照明装置や表示装置といった装置を組み立てることとなる(例えば特許文献2)。しかしながら、このようにLED付き基板を複数枚使用する装置は、各LED付き基板を所定向きに固定するための固定用部品もLED付き基板の数に応じて必要になるなど、部品点数の増大により組み立てに手間が掛かるといった問題がある。また、使用するLED付き基板の数が多いと、各LED付き基板への給電用の結線が複雑になり結線作業にも手間が掛かる上、LED付き基板のプリント配線板の回路配線に電気的に接続した給電線が装置全体の組み立て作業の障害になりやすい、装置内に給電線の配線用スペースを確保する必要が生じることがあり、場合によっては装置のサイズや製品デザインに影響を与える、といった問題も発生する。
【0006】
これに鑑みて、例えば特許文献3、4のように、LEDを実装したフレキシブルプリント配線板(以下、FPCとも言う)を、予め所望形状に形成した部材に貼り付けて組み立てられる照明装置も提案されている。特許文献3に開示される照明装置は、その図1等を参照して判るように、一般的な白色電球用のソケットに装着可能な口金9が固着された取付ベース8から該取付ベース8に固定された外観球状の透明又は半透明のキャップ12内に突出された柱状のコア5を有し、図2に示すように展開したときに平面となる放射状(図2では十字状)に形成したFPCを前記コア5の先端部を覆うように接着したものである。また、特許文献3の図5〜図9には、展開したときに平面となる放射状のFPCにLEDを実装したものを反射器25の筒部26の内面に接着した照明装置が開示されている。
特許文献4には傘形のハウジング4の内面にLEDを実装したFPCを貼り付けた構成の照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−32466号公報
【特許文献2】特開2002−184207号公報
【特許文献3】特開2006−244725号公報
【特許文献4】特開2002−83506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3、4のように、LEDを実装したFPCを予め所望形状に形成した部材に貼り付ける構成では、貼り付け作業の効率が悪く、貼り付け作業においてFPCが不用意に曲がってLEDや半田付け部を傷めるといった不都合が生じやすいといった問題がある。すなわち、FPCは柔軟性が高いため、これを貼り付ける対象の部材(以下、貼り付け用基材とも言う)に押し付けることで該貼り付け用基材の形状に追従させることが可能であるものの、貼り付け作業において自由に曲がってしまうためLEDや半田付け部を傷めやすい。
【0009】
また、FPCを予め所望形状に形成した貼り付け用基材に固定する手段として接着剤による接着固定を採用する場合、特に屈曲部を有する貼り付け面へのFPCの接着では、FPC自体の弾性によって、FPCに、貼り付け用基材に接着されず浮き上がった箇所が発生しやすく、FPC全体を所望形状に形成された貼り付け用基材に接着、一体化することが容易でない。このため、FPCの浮き上がり箇所の発生により、FPCが貼り付け用基材から剥がれやすくなったり、アルミニウム等の放熱性の高い貼り付け用基材への貼り付けによる放熱性を充分に期待できなくなることがある。
また、接着剤を用いた固定にかえて例えばFPCの外周の複数箇所を前記貼り付け用基材に突設したフック部等によって機械的に押さえ付ける構成も採り得るが、FPC全体を前記貼り付け用基材に浮き上がり部が生じないように取り付けることは困難である。
【0010】
また、特許文献3、4のような構成では、FPCを貼り付ける貼り付け用基材の形状でFPCの形状が決まるため、複雑な形状の照明装置を作製する場合、複雑な形状の貼り付け用基材を必要とする。このため、貼り付け用基材の形状によっては、複数部材で構成した貼り付け用基材が必要となって組み立ての手間の増大やコストアップを招く可能性があり、また、このような貼り付け用基材に対するFPCの貼り付け作業にも手間が掛かることになる。
【0011】
本発明は、前記課題に鑑みて、フレキシブル回路基板部に実装した電子部品やその半田付け部を傷めることなく折り曲げによって簡単に立体形状とすることができ、しかもLEDを実装した場合に要求される放熱性を良好かつ確実に確保できる折り曲げ可能配線基板、発光モジュール、発光モジュールの製造方法、折り曲げ可能配線基板の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、電気絶縁性の絶縁樹脂層と配線層とを有するフレキシブル回路基板部の片面の複数箇所に板部材が被着され、前記板部材が前記フレキシブル回路基板部に一体化されてなる複数の板状部の2以上の前記フレキシブル回路基板部に電子部品を実装するための電極部が設けられ、前記板状部間で折り曲げて立体形状に曲げ成形可能とされていることを特徴とする折り曲げ可能配線基板である。
第2の発明は、前記フレキシブル回路基板部の前記板状部間に位置する部分である板状部間フレキシブル橋絡部が、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを跨いで該折り曲げ用クリアランスの両側の前記板部材間に架け渡されていることを特徴とする第1の発明の折り曲げ可能配線基板である。
第3の発明は、前記折り曲げ用クリアランスが、前記フレキシブル回路基板部が位置する基板表面側及びその反対の基板裏面側の一方から他方に行くにしたがって幅寸法が拡大するテーパ状に形成されており、該折り曲げ用クリアランスの位置での折り曲げによって、この折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の前記折り曲げ用クリアランスに臨む端面同士を閉じ合わせ可能とされていることを特徴とする第2の発明の折り曲げ可能配線基板である。
第4の発明は、前記フレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層の形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、あるいは液晶ポリマーであることを特徴とする第1〜3の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板である。
第5の発明は、前記板部材が、アルミニウム板、銅板、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、液晶ポリマーのいずれかからなることを特徴とする第1〜4の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板である。
第6の発明は、第1〜5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の前記板状部の2以上に発光素子が実装されていることを特徴とする発光モジュールである。
第7の発明は、前記折り曲げ可能配線基板が前記板状部間で折り曲げられて立体形状とされ、前記発光素子が実装された前記板状部である発光素子付き板状部の間に、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で折り曲げた折り曲げ部が存在することを特徴とする第6の発明の発光モジュールである。
第8の発明は、前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に形状固定用部材が設けられていることを特徴とする第7の発明の発光モジュールである。
第9の発明は、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを互いに平行に複数本有する前記折り曲げ可能配線基板が前記折り曲げ用クリアランスの位置で折り曲げられて凹形板状あるいは筒状とされた部分を有することを特徴とする第6〜8の発明のいずれか1つの発光モジュールである。
第10の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部に発光素子を実装して、前記板状部の2以上に発光素子を設ける発光素子実装工程と、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で曲げて立体形状とする曲げ成形工程とを具備することを特徴とする発光モジュールの製造方法である。
第11の発明は、前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に前記折り曲げ可能配線基板の形状固定用部材を設けて、前記折り曲げ可能配線基板の形状を固定する基板形状固定工程とを具備する特徴とする第8の発明の発光モジュールの製造方法である。
第12の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状に形成された板母材を用意し、この板母材の片面に、熱可塑性樹脂フィルムの片面側のみに銅箔が一体化された片面銅張りフレキシブル基板をその前記熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着して接合するフレキシブル基板接合工程と、このフレキシブル基板接合工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、 前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第13の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、銅箔の片面に形成された半硬化状態の熱硬化性樹脂層である熱硬化性半硬化樹脂層、あるいは半硬化状態の熱硬化性樹脂によって前記銅箔及び前記板部材とは別体に形成されたシートである熱硬化性半硬化樹脂シートを、前記折り曲げ可能配線基板の全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材と前記銅箔との間に挟み込んだ状態で加熱、硬化して前記絶縁樹脂層を形成し前記銅箔を前記板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程と、このフレキシブル基板部形成工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成してなる前記配線層と前記絶縁樹脂層とからなる前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第14の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、樹脂フィルムの片面側あるいは両面に銅箔が一体化された銅張りフレキシブル基板を、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材の片面に接着剤を用いて接着する基板接着工程と、この基板接着工程の後、前記銅張りフレキシブル基板の前記樹脂フィルムを介して前記板母材とは反対側に位置する銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
第15の発明は、第12の発明に係る片面銅張り基板の熱可塑性樹脂フィルムの形成樹脂、第13の発明に係る熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートの形成樹脂、第14の発明に係る銅張りフレキシブル基板の樹脂フィルムの形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂であることを特徴とする第12〜14の発明のいずれか1つの折り曲げ可能配線基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、折り曲げ可能配線基板をその板状部間の位置で折り曲げて立体形状に曲げ成形することで、様々な形状の発光モジュールを簡単に得ることができる。LED等の電子部品を板状部に実装することで、電子部品を実装した折り曲げ可能配線基板の折り曲げ作業において電子部品やその半田付け部を傷めにくいため、目的の電気的特性を確実に確保できる。
しかも、折り曲げ可能配線基板は板部材にフレキシブル回路基板部が密着し一体化した状態に製造することが容易であるため、LED等を実装した場合に要求される放熱性を良好かつ確実に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の発光モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1の発光モジュールの縦断面図である。
【図3】図1の発光モジュールの拡大部分断面図である。
【図4】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第1の製造方法を示す断面図である。
【図5】板母材にフレキシブル回路基板部を一体化した状態(配線付き積層板)を示す平面図である。
【図6】図5の配線付き積層板の断面構造を模式的に示す図である。
【図7】折り曲げ可能配線基板の平面図である。
【図8】図7の折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図9】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第2の製造方法を示す断面図である。
【図10】折り曲げ可能配線基板の第2の製造方法の変形例を説明する図であって、銅箔及び板母材とは別体の熱硬化性半硬化樹脂シートを用いて銅箔を板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は折り曲げ可能配線基板の第3の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態の発光モジュールを示す断面図である。
【図13】図12の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態の発光モジュールを示す斜視図である。
【図15】図14の発光モジュールの断面図である。
【図16】図14の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図17】本発明のまたさらに別の実施形態の発光モジュールを示す断面図である。
【図18】図17の発光モジュールの折り曲げ可能配線基板の平板状の状態における断面構造を模式的に示す図である。
【図19】折り曲げ可能配線基板の変形例を説明する断面図であって、(a)は折り曲げ可能配線基板が平板状の状態、(b)は折り曲げによって板部材の端面同士を閉じ合わせ、前記端面の板部材表面側の面取り部によって構成された凹所内にフレキシブル回路基板部の弛み部を収納した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の一実施形態の発光モジュール1を示す斜視図、図2は発光モジュール1の縦断面図、図3は発光モジュール1の部分拡大断面図、図4は第1の製造方法を示す断面図、図5は製造途中における平面図、図6は図5の配線付き積層板の断面構造を模式的に示す図、図7は発光モジュール1を形成するための折り曲げ可能配線基板2を示す平面図である。
【0016】
図1に示す発光モジュール1は、図7に示す折り曲げ可能配線基板2に電子部品としてLED等の発光素子3を実装し、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に曲げ成形することにより形成される。また、この発光モジュール1は、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に曲げ成形した後に発光素子3を実装して形成しても良い。
【0017】
図1の実施形態における発光モジュール1の折り曲げ可能配線基板2は、5つの板状部6、すなわち矩形板状の天板部6aと、この天板部6aの外周の4辺から該天板部6aの片面側に末広がりのテーパ状に延出するように設けられた4枚の台形板状の側板部6bとを具備する立体形状(以下、五面折り曲げ体とも言う)に形成されている。この五面折り曲げ体のそれぞれの面には、発光素子3が複数実装されている。発光素子3としては、ここではLEDを採用している。
この光モジュール1は、五面折り曲げ体を構成する折り曲げ可能配線基板2のそれぞれの面に発光素子3を複数実装してある構成により、光を周囲の広範囲に拡散させることができる。このため、例えば発光モジュール1は、光透過性の球状カバーや筒状カバー内に配置することにより、一般の電球等と同様に光源装置として用いることができる。
【0018】
図1、図2等に示すように、折り曲げ可能配線基板2は、五面折り曲げ体の各面を構成する5枚の板部材4を、1枚のフレキシブル回路基板部5に被着した構成であり、フレキシブル回路基板部5に板部材4が被着され一体化された部分である板状部6を5つ備えている。
なお、図1、図2等において、折り曲げ可能配線基板2の天板部6aの板部材4(天板部板部材)に符号41、側板部6bの板部材4(側板部板部材4)に符号42を付記する。
【0019】
図7は、折り曲げ可能配線基板2が折り曲げられていない平板状であるときの平面形状を示す。図7に示すように、フレキシブル回路基板部5は、五面折り曲げ体における矩形状の頂面(天板部6aによって形成される頂面)に対応した頂面部5aと、五面折り曲げ体の4側面(4枚の側板部6bによってそれぞれ形成される計4つの側面)に対応した側面部5bとを有している。それぞれの側面部5bは、頂面部5aと連設した状態で頂面部5aにおける4方向の周囲に位置している。すなわち、それぞれの側面部5bは、フレキシブル回路基板部5の頂面部5aの4辺から延びている板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して頂面部5aと一体となっている。
【0020】
前記板状部間フレキシブル橋絡部5cは、隣り合う板部材4間(図7に例示した折り曲げ可能配線基板2の場合、天板部6aの板部材41と側板部6bの板部材42との間)にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランス12を跨いで該折り曲げ用クリアランス12の両側の前記板部材4間に架け渡され、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板状部6間を橋絡している。
【0021】
フレキシブル回路基板部5は、電気絶縁性の絶縁樹脂層13の片面に配線パターンを形成する配線層14(図3参照)が積層された構成になっている。前記板部材4は絶縁樹脂層13の配線層14とは反対側の面に被着されている。また、図示例の発光モジュール1のフレキシブル回路基板部5の外面(板部材4とは反対側の面)には保護樹脂層17(図示例では具体的にはソルダーレジスト)が設けられている。
【0022】
配線層14が形成する配線パターンは、電子部品(発光素子3)を実装するための複数の実装部7を有している。又、フレキシブル回路基板部5における2つの側面部5bには、外部回路接続端子部8が形成されている。配線層14の配線パターンは、全ての実装部7と外部回路接続端子部8とを接続するように形成されており、外部回路接続端子部8に給電用外部回路の給電線9(図1参照)を接続することにより全ての実装部7に対して給電することができる。これにより、実装部7に実装された全ての電子部品(ここでは発光素子3)に対して電力を供給することができる。このような構造では、複数の電子部品に給電するための給電用外部回路を単純化することができる。また、全ての電子部品と給電用外部回路を電気的に接続する作業を省力化することができる。
【0023】
板部材4は、フレキシブル回路基板部5の頂面部5a及び4枚の側面部5bに対応した形状に形成されており、フレキシブル回路基板部5の片面に被着されることにより、フレキシブル回路基板部5の頂面部5a及び4枚の側面部5bを支持して平坦な状態を保つ支持部材として機能する。板部材4としては、アルミニウム板、銅板等の金属板を用いることができる。これに限らず、熱伝導率が高いフィラーを基材樹脂に混入したフィラー混入樹脂あるいは液晶ポリマー等の高い熱伝導性を有するプラスチック(高熱伝導性プラスチック)からなる樹脂板を用いることができる。このような材料を板部材4として用いることにより、発光素子3が発する熱を効率良く放熱できるため、発光モジュール1の放熱性を向上させることができる。
フレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13の形成樹脂としても、熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂あるいは液晶ポリマー等を用いることができる。このような材料を用いることにより、フレキシブル回路基板部5に熱伝導性を付与することができ、発光素子3が発する熱を板部材4に効率良く伝達し放熱効果を高めることができる。
【0024】
但し、フレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13の形成樹脂は電気絶縁性の確保の必要から、この形成樹脂に混入するフィラーとしては電気絶縁性を有するものを採用する。
高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーとしては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)といった金属酸化物フィラー(セラミック系フィラー)、その他、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、水酸化マグネシウムMg(OH)2等を挙げることができる。
【0025】
図7に示す折り曲げ可能配線基板2を板状部6の間で折り曲げることにより、図1に示す五面折り曲げ体からなる立体形状の発光モジュール1を形成することができる。折り曲げは、図7に示す折り曲げ可能配線基板2の、フレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連結された隣り合う板部材4の間に真っ直ぐに延在するスリット状に確保された折り曲げ用クリアランス12(図7参照)を境として行われる。
【0026】
この折り曲げ可能配線基板2の場合、折り曲げ用クリアランス12を介してその両側の板部材4は前記板状部間フレキシブル橋絡部5cを介してフレキシブル回路基板部5によって連結され、全ての板部材4がフレキシブル回路基板部5によって連結されているため、折り曲げを行っても、板部材4がバラバラに分離することがない。このような折り曲げにより、板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連結された隣り合う板部材4の間には折り曲げ部10が存在している。折り曲げ部10は具体的には板状部間フレキシブル橋絡部5cを折り曲げた部分である。
【0027】
また、発光素子13(例えばLED)等の電子部品は、フレキシブル回路基板部5のうち、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げの際に変形しない板状部6に位置する部分に実装される。このため、電子部品を実装した折り曲げ可能配線基板2を折り曲げる際に、フレキシブル回路基板部5に実装した電子部品やその半田付け部を傷めることを回避でき、折り曲げ可能配線基板2を立体形状に成形して得た発光モジュールに所望の電気的特性を確実に確保できる。
【0028】
折り曲げ可能配線基板2の折り曲げにあっては、形状固定用部材11が設けられる。形状固定用部材11は、図2に示すように、折り曲げ可能配線基板2におけるフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側(基板表面側)とは反対側の裏面側(基板裏面側)に設けられるものである。形状固定用部材11は、折り曲げ可能配線基板2の裏面側の全体に設けても良いが、折り曲げ部10を橋渡しするように裏面側の一部に設けることが良好である。形状固定用部材11としては、半硬化状態の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)、湿気硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂を必要箇所に塗布し、塗布の後に、樹脂を硬化させることにより形成することができる。これに限らず、樹脂板や金属板等の板材を必要箇所に、接着剤を用いた接着固定、溶接固定、組み付け等によって設けても良い。このような形状固定用部材11を設けることにより、立体形状を確実に維持することが可能となる。
【0029】
折り曲げ可能配線基板2の各板部材4の外周の端面は、その全てが、該板部材4の両面(両側の主面)に垂直な平坦面(垂直面)であっても良いが、ここで例示する折り曲げ可能配線基板2にあっては、図8に示すように板部材4の外周に該板部材4の主面に対して傾斜する端面(以下、傾斜端面とも言う)を形成し、該折り曲げ可能配線基板2を折り曲げて所望形状(図示例の折り曲げ可能配線基板2の場合は図1に例示した五面折り曲げ体)にしたときに、互いに隣接する板部材4の端面同士を面接触させて閉じ合わせ可能(図2、図3参照)としている。
【0030】
図7、図8に示す折り曲げ可能配線基板2は、各板部材4の外周の端面の全てが傾斜端面とされている。すなわち、天板部板部材41の外周の4つの端面41a、側板部板部材42の外周の4つの端面42aはそれぞれ傾斜端面となっている。
また、各傾斜端面41a、42aは、板部材4のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面に対して鋭角、板部材4裏面に対して鈍角の傾斜角度で傾斜している。
【0031】
図7、図8に示すように、この折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12は、該折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aの間に位置するため、その幅寸法(折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の間隔方向の寸法)が基板表面側から基板裏面側に行くにしたがって拡大するテーパ状(折り曲げ用クリアランス12の長手方向に垂直の断面形状がテーパ状)に形成されている。
そして、この折り曲げ可能配線基板2は、折り曲げていない平板状(図7、図8の状態)から所望形状の発光モジュール1(具体的には図1に例示した五面折り曲げ体)を組み立てるべく折り曲げ用クリアランス12に対応する部分(具体的には板状部間フレキシブル橋絡部5c)を折り曲げたとき、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aが互いに当接して閉じ合わされることで、板部材4間の開き角が安定する。このため、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって、板部材4間を目的の開き角となるように折り曲げることを容易に実現できる。このことは、所望形状の発光モジュール1の組み立ての作業効率向上に有効に寄与する。組み立て後の発光モジュール1の形状安定にも有効に寄与する。
【0032】
図1、図2において、符号12aは、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4間(具体的には端面41a、42a同士)を閉じ合わせた合わせ目である。
【0033】
なお、フレキシブル回路基板部5の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4間に位置する部分、つまり板状部間フレキシブル橋絡部5cは、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げによって閉じ合わせた板部材4間の開き角側(内角側)ではなく外角側に位置するが、板部材4の端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間の開き角が安定する上、折り曲げ用クリアランス12が解消されることで、折り曲げ可能配線基板2の折り曲げに伴い板状部間フレキシブル橋絡部5cに強い引っ張り力が作用することを回避でき、引っ張り力によって板状部間フレキシブル橋絡部5cを傷める(配線の断線等)といった不都合の発生を防止できる。
【0034】
折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aは、該端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鋭角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面41a、42aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0035】
また、図7、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2については、発光素子3の実装後、所望形状の発光モジュール1を組み立てるべく折り曲げたときに、互いに隣接する側板部板部材42の端面42a同士も互いに当接させて閉じ合わせることができる。
このため、所望形状の発光モジュール1の組み立ての作業効率を向上できるとともに、組み立て後の発光モジュール1に高い形状安定性を確保できる。
【0036】
なお、図1、図2に例示した発光モジュール1にあっては、図7に例示したように折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2のスリット状の折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4同士が互いに接し、板部材4間に隙間が存在しない状態で立体形状に組み立てられているが、本発明に係る発光モジュールにあっては、折り曲げ可能配線基板の板部材間に隙間(折り曲げ用クリアランス)が存在する構成も含む。
【0037】
図3に示すように、既述の通り、フレキシブル回路基板部5は、絶縁樹脂層13と配線層14とが積層されることにより形成されており、絶縁樹脂層13に板部材4が被着される。配線層14は、上述した配線パターンが形成された層であり、この配線層14には発光素子3を実装するための電極部15がそれぞれの実装部7に対応して形成されている。そして、実装部7に配置された発光素子3はリード3aが電極部15に半田16によって接続されることにより実装部7に実装される。配線層14は、電極部15及び外部回路接続端子部8を避けてフレキシブル回路基板部5の外面側(板部材4とは反対側)全体に積層された保護樹脂層17によって覆われており、配線層14の電気的絶縁及び水滴付着が防止されている。保護樹脂層17はここでは具体的には液状樹脂材料の塗膜からなるソルダーレジストであるが、これに限定されず、電気絶縁性の樹脂製保護フィルム等であっても良い。
【0038】
次に、図4〜図7を参照して折り曲げ可能配線基板2の第1の製造方法を説明する。
まず、図5に示すように、板母材18を用意する。板母材18は、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4を切り出し可能なサイズのプレート状に形成されている。この実施形態では、前記板母材18は、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4(5枚の板部材)を包含する面積を有した矩形のプレート状となっている。
板母材18には、長孔19が複数形成されている。長孔19は、板部材4の形成範囲(板部材形成領域4S)の周囲を囲繞する部位に形成されるものである。すなわち、長孔19は、それぞれの板部材形成領域4Sを囲むように形成されている。
【0039】
図示例の板母材18には、図7に例示した折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4(5枚の板部材)を得るため、天板部板部材41を形成するための天板部板部材形成領域41Sと、側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42Sとが確保される。
前記長孔19は、既述のように各板部材形成領域4Sの周囲に板部材形成領域4Sを囲繞するように形成されるが、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間には長孔19が1本のみ設けられ、この長孔19を介して天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとが区分けされている。
【0040】
なお、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に形成する長孔19は、例えば、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に延在する1仮想直線上の複数箇所に形成しても良い。天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとの間に複数本形成された長孔19間は、天板部板部材形成領域41Sと側板部板部材形成領域42Sとを橋絡する橋絡部である。この橋絡部は後述の板部材として機能し得るものであり、配線基板切り出し工程にて切断される。
【0041】
板母材18においては、長孔19に加えて板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21が設けられている。板部材間橋絡部20は、互いに隣り合う板部材形成領域4S同士を橋絡する箇所に設けられ、外周橋絡部21は板部材形成領域4Sとその周囲に位置する部分とを橋絡する箇所に設けられている。これらの板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21は、長孔19の間に位置するように設けられる。板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21が長孔19の間に設けられることにより、これらの橋絡部20,21だけを切断することにより、折り曲げ可能配線基板2を構成する全て(5枚)の板部材4を取り出すことができる。このため、板部材4を切り出すための板母材18のプレス切断が容易となる。
【0042】
以上の板母材18の片面に対し、片面銅張りフレキシブル基板22を接合するフレキシブル基板接合工程を行った後、パターニング工程を行う。
【0043】
フレキシブル基板接合工程は、図4(a)、(b)で示すように、絶縁性(電気絶縁性。以下も同じ)の熱可塑性樹脂フィルム23の片面に銅箔24が一体化された片面銅張りフレキシブル基板22を板母材18に面接触させ、熱可塑性樹脂フィルム23を熱溶着させて板母材18に接合することにより行われる。ここで片面銅張りフレキシブル基板22としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。
【0044】
なお、熱可塑性樹脂フィルム23はフレキシブル回路基板部5の絶縁樹脂層13を形成するものであり、その材質としては例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー等を採用できる。また、この熱可塑性樹脂フィルム23としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂を使用することができる。これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性、放熱性を付与することができる。高い熱伝導性を有する液晶ポリマーも、フレキシブル回路基板部5の放熱性確保の点で好適に採用できる。
但し、絶縁樹脂層13の基材樹脂に混入するフィラーとしては、絶縁樹脂層13の電気絶縁性の確保に鑑みて、既述の通り、例えば金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0045】
パターニング工程は、フレキシブル基板接合工程の後、銅箔24をパターニングして配線パターンを形成する(図4(c))。パターニングは、フォトレジストを使用したフォトリソグラフィ法、レーザ加工、イオンビーム法等の周知の種々の方法によって行うことができる。パターニングによって形成される配線パターンは、全ての実装部7を接続する配線と、それぞれの実装部7に対応した電極部15とを含むものである。このようなパターニングにより、所望の配線パターンを有する配線層14を形成することで、熱可塑性樹脂フィルム23を絶縁樹脂層13としたフレキシブル回路基板部5が板母材18の片面に一体化した配線付き積層板25を作製することができる。
なお、既述の保護樹脂層17は、配線付き積層板25の作製後に、フレキシブル回路基板部5の配線層14側の面の電極部15及び外部回路接続端子部8を除く全体を覆うように設けられる。
【0046】
パターニング工程に続いて配線基板切り出し工程を行う。パターニング工程によって得た配線付き積層板25は、図4(c)、図5に示す平面形状となっており、板母材18が原形のままとなっている。配線基板切り出し工程では、板母材18における板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21をプレス等によって切断する。この切断により、長孔19を境として5枚のそれぞれの板部材4が切り離された状態となる。切り離された板部材4は、五面折り曲げ体の頂面及び側面に対応するが、これらに積層されているフレキシブル回路基板部5の頂面部5a、側面部5bが板状部間フレキシブル橋絡部5cを介して連設された状態となっているため、5枚の板部材4はフレキシブル回路基板部5を介して相互に連結された状態となっており、これにより、図7に示す折り曲げ可能配線基板2を作製することができる。
【0047】
板母材18の複数本の長孔19のうち、板部材形成領域4S同士の境界位置にあるもの(図5中、符号19aの長孔)は、配線基板切り出し工程の完了によって得られる折り曲げ可能配線基板2の折り曲げ用クリアランス12を構成するものである。以下、この長孔19aを曲げクリアランス用長孔とも言う。
図6に示すように、この板母材18の曲げクリアランス用長孔19aは、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を構成するものである。 曲げクリアランス用長孔19aの長手方向に垂直の断面形状は、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12の長手方向に垂直の断面形状と同じである。
【0048】
曲げクリアランス用長孔19aは、具体的には、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって、その幅方向(図5の平面視において曲げクリアランス用長孔19aの長手方向に直交する方向)の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。また、曲げクリアランス用長孔19aの幅方向両側の内側面は、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の傾斜端面41a、42aであり、板母材18の主面(表面及び裏面)に対して傾斜している。図6において、曲げクリアランス用長孔19aの幅方向両側の内側面に、折り曲げ可能配線基板2における折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aに対応して、符号41a、42aを付記する。
【0049】
板母材18の板部材形成領域4Sの周囲の複数本の長孔19のうち、曲げクリアランス用長孔19a以外のもの(以下、外周長孔19bとも言う)は、その幅方向(図5の平面視において外周長孔19bの長手方向に直交する方向。図6における左右方向)において板部材形成領域4S(側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42S)側の内側面が、図8に例示した折り曲げ可能配線基板2における側板部板部材42の傾斜端面42aに相当する面となっている。図6において、前記外周長孔19bの幅方向において側板部板部材形成領域42S側の内側面に符号42aを付記する。
【0050】
図5、図6に例示した板母材18の前記外周長孔19bは、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって、その幅方向(図5の平面視において外周長孔19Bの長手方向に直交する方向)の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。但し、前記外周長孔19bは、その幅方向において板部材形成領域4S(側板部板部材42を形成するための側板部板部材形成領域42S)側の内側面が、配線基板切り出し工程によって得られる折り曲げ可能配線基板2(図7、図8参照)における側板部板部材42の端面42aに相当する面となっていれば良く、外周長孔19bの幅方向において側板部板部材形成領域42Sとは反対側の内側面の形状は任意に設定できる。この点、外周長孔19bの、その長手方向に垂直の断面形状は、板母材18のフレキシブル回路基板部5が設けられている表面側から裏面側に行くにしたがって幅方向寸法が拡大するテーパ状に限定されない。
【0051】
発光モジュール1は、以上の折り曲げ可能配線基板2を用いて製造される。発光モジュール1の製造は、発光素子実装工程と、成形工程とによって行われる。ここでは発光素子実装工程の後に成形工程を行う場合について説明する。但し、これらの工程は、どちらを先に行っても良く、その順序は、製造のための装置や他の処理等の作業環境に合わせて適宜設定される。
【0052】
発光素子実装工程は、折り曲げ可能配線基板2に対して電子部品としての発光素子3を実装するものである。発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2に形成された実装部7に実装する。図4(d)は、発光素子実装工程を示し、発光素子3をフレキシブル回路基板部5の実装部7に配置し、そのリード3aを電極部15に半田付けして電気的に接続する。図中符号16は半田付けに用いた半田を示す。
【0053】
成形工程は、折り曲げ可能配線基板2を板状部6間で折り曲げて立体形状とするものである。折り曲げ可能配線基板2の折り曲げは、折り曲げ用クリアランス12(図7参照)を境として行われ、折り曲げ用クリアランス12に掛け渡されたフレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cが折り曲げのヒンジとなる。この成形工程により、図1に示す五面折り曲げ体をなす立体形状の発光モジュール1を作製することができる。
【0054】
以上の成形工程の後においては、必要に応じて基板形状固定工程を行う。基板形状固定工程は、五面折り曲げ体の発光モジュール1の立体形状を維持するために行うものである。この工程では、図2及び図3に示すように、フレキシブル回路基板部5が設けられている表面側とは反対の裏面側に上述した形状固定用部材11を設けるものである。形状固定用部材11を裏面側に設けることにより、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0055】
図9は、本発明における第2の製造方法を示す。この第2の製造方法は、銅箔24の片面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層(熱硬化性半硬化樹脂層28)が一体化された構成の半硬化樹脂層付き銅箔27を既述の板部材18に接合して熱硬化性半硬化樹脂層28を加熱硬化させ絶縁樹脂層13とするフレキシブル基板部形成工程と、パターニング工程と、配線基板切り出し工程とを備えている。
この第2の製造方法は、フレキシブル基板部接合工程にかえてフレキシブル基板部形成工程を具備する点が第1の製造方法と異なる。フレキシブル基板部形成工程から後のパターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様である。
【0056】
図9(a)、(b)に示すように、フレキシブル基板部形成工程では、既述のように、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28を板母材18に面接触させ、加熱、硬化することにより絶縁樹脂層13とする。熱硬化性半硬化樹脂層28としては、例えば未硬化状態(半硬化状態)のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂にガラス繊維(ガラス不織布であっても良い)を混入したいわゆるガラスエポキシ材(但しエポキシ樹脂が半硬化状態のもの)等を採用できる。熱硬化性半硬化樹脂層28は、板母材18に接合し、銅箔24を板母材18と一体化する接着材層として機能する。このため、硬化性半硬化樹脂層28を硬化させて絶縁樹脂層13とすることで、絶縁樹脂層13を介して銅箔24が板母材18に一体化される。
板母材18は、既述の通り、折り曲げ可能配線基板2を構成する全ての板部材4を切り出し可能なサイズのプレート状に形成されており、図5で示すように、板部材4の形成範囲(板部材形成領域4S)の周囲を囲繞する複数の長孔19と、板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21とが設けられているものである。
【0057】
半硬化樹脂層付き銅箔27としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。
なお、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28としては、例えば、液状の熱硬化性樹脂材料を銅箔24片面に塗布した塗膜層、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性半硬化樹脂シートを銅箔24片面に貼り付けたものを挙げることができる。また、半硬化樹脂層付き銅箔27は、熱硬化性半硬化樹脂層28の粘着性によって板母材18に対して熱硬化性半硬化樹脂層28の加熱硬化が完了するまで貼り付けた状態を安定に保つことができ、板母材18に対する位置ずれも生じにくい。このため、半硬化樹脂層付き銅箔27を用いるフレキシブル基板部形成工程は高い作業効率を確保でき、折り曲げ可能配線基板2の生産性向上の点で好適である。
【0058】
また、熱硬化性半硬化樹脂層28としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂を使用することができ、これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性を付与することができる。
但し、熱硬化性半硬化樹脂層28は、該熱硬化性半硬化樹脂層28の硬化によって形成する絶縁樹脂層13に電気絶縁性が確保される必要から、その基材樹脂に混入するフィラーとしては、絶縁樹脂層13の樹脂中に混入するフィラーとして既に例示したもの、すなわち金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0059】
図9(c)は、以上のフレキシブル基板部形成工程の後に行われるパターニング工程を示す。パターニング工程においては、銅箔24をパターニングすることにより電極部15を含む配線パターンを形成する。このことにより、配線パターンを配線層14、硬化性樹脂層29を絶縁樹脂層13とするフレキシブル回路基板部5が板母材18の片面に一体化された配線付き積層板25を作製する。なお、配線層14の上にはソルダーレジスト等の保護樹脂層17が形成される。
【0060】
配線基板切り出し工程は、上述した第1の製造方法と同様にして行うものであり、図5に示すように、板母材18における板部材間橋絡部20及び外周橋絡部21をプレス等により切断する。この切断により、5枚のそれぞれの板部材が切り離されると共に、フレキシブル回路基板部5によって相互に連結された状態の図7に示す折り曲げ可能配線基板2を作製することができる。
【0061】
このようにして作製された折り曲げ可能配線基板2に対し、上述した第1の製造方法と同様の発光素子実装工程と、成形工程とを行う。図9(d)は発光素子実装工程を示し、発光素子3をフレキシブル回路基板部5の実装部7に配置し、そのリード部3aを配線層14の電極部15に半田付けする。成形工程は、折り曲げ可能配線基板2を板状部6間で折り曲げて立体形状とするものである。この折り曲げにより、上述した第1の製造方法と同様に、図1に示す五面折り曲げ体の発光モジュール1を作製することができる。その後、必要に応じて基板形状固定工程を行う。また、必要に応じて第1の製造方法と同様の基板形状固定工程を行う。つまり、図2及び図3に示すように、フレキシブル回路基板部5が設けられている表面側とは反対側の裏面側に形状固定用部材11を設ける。このことにより、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0062】
図10に示すように、本発明に係る折り曲げ可能配線基板の製造方法は、既述の第2の製造方法のフレキシブル基板部形成工程を、銅箔24及び板母材18とは別体の熱硬化性半硬化樹脂シート29を用いて行う構成に変更したものも含む。
前記熱硬化性半硬化樹脂シート29は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるシート状の部材である。この熱硬化性半硬化樹脂シート29の形成材料としては、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ材(但しエポキシ樹脂が半硬化状態のもの)等を採用できる。そして、フレキシブル基板部形成工程を、図10に示すように、銅箔24と板母材18との間に前記熱硬化性半硬化樹脂シート29を介挿し、この熱硬化性半硬化樹脂シート29を介して銅箔24を板母材18に貼り合わせた後、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる前記熱硬化性半硬化樹脂シート29を加熱、硬化させて絶縁樹脂層13とすることで、銅箔24を板母材18に一体化する構成とする。
この熱硬化性半硬化樹脂シート29を利用するフレキシブル基板部形成工程の場合、熱硬化性半硬化樹脂シート29の粘着性によって銅箔24を板母材18貼り付けた状態の安定維持、板母材18に対する位置ずれ防止を実現できる。
本明細書において、この製造方法は第2の製造方法の変形例として扱う。
【0063】
図11は、本発明における第3の実施形態の製造方法を示す。
図11に示すように、この第3の製造方法は、樹脂フィルム31の片面あるいは両面に銅箔24が一体化された銅張りフレキシブル基板(図示例では両面銅張りフレキシブル基板32)を接着剤33を用いて既述の板母材24に接着、一体化する基板接着工程(図11(a)、(b)参照)と、パターニング工程(図11(c)参照)と、配線基板切り出し工程(図11(d)参照)とを備えている。
この第3の製造方法は、フレキシブル基板部接合工程にかえて基板接着工程を具備する点が第1の製造方法と異なる。基板接着工程から後のパターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様である。
【0064】
図11(a)、(b)に示すように基板接着工程では、銅箔24が樹脂フィルム31の両面に一体化された両面銅張りフレキシブル基板32を板母材18に接着剤33を介して接着する。両面銅張りフレキシブル基板32としては、製造する折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状(図7参照)に形成したものを用いる。接着剤としては、エポキシ系接着剤等を用いることができる。
【0065】
なお、銅張りフレキシブル基板32の樹脂フィルム31としては、熱伝導性が高いフィラーを基材樹脂に混合したフィラー混合樹脂又は液晶ポリマーを使用することができ、これにより、フレキシブル回路基板部5に良好な熱伝導性を付与することができる。
但し、樹脂フィルム31の両面の銅箔24のうち、樹脂フィルム31を介して板母材18とは反対の側に配置される銅箔24はパターニング工程によって配線パターンが形成されるものである。樹脂フィルム31は、パターニング工程にて形成された配線パターンと、板部材(板母材)側の銅箔との間の電気絶縁性を確保する絶縁層として機能するものである。この樹脂フィルム31の熱伝導性を高めるために混入するフィラーとしては、既述の絶縁樹脂層13の樹脂中に混入するフィラーと同様のもの、すなわち金属酸化物フィラー等の高い熱伝導性を有する電気絶縁性のフィラーを採用する。
【0066】
基板接着工程から後の、パターニング工程、及び配線基板切り出し工程は第1の製造方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、配線基板切り出し工程によって得られた折り曲げ可能配線基板2の外面側への保護樹脂層17の形成も第1の製造方法と同様に行うことが可能であることも言うまでもない。
【0067】
また、配線基板切り出し工程によって得られた折り曲げ可能配線基板2に対し、上述した実施形態と同様の発光素子実装工程及び成形工程を行うことで、上述した実施形態と同様に、図1に示す五面折り曲げ体である立体形状の発光モジュール1を作製することができる。その後、必要に応じて基板形状固定工程を行うことで、五面折り曲げ体である発光モジュール1の立体形状を確実に維持することができる。
【0068】
また、本発明に係る折り曲げ可能配線基板2は、電気絶縁性の絶縁樹脂層に配線層を形成済みのフレキシブル回路基板を接着剤を用いて図5を参照して説明した既述の板母材18に接着固定(回路基板接着固定工程)した後、第1〜第3の製造方法と同様の配線基板切り出し工程を行って製造することも可能である。この製造方法において、フレキシブル回路基板は、製造する折り曲げ可能配線基板のフレキシブル回路基板部に合致する平面形状、例えば図7を参照して説明した折り曲げ可能配線基板2を製造する場合は、該折り曲げ可能配線基板2のフレキシブル回路基板部5に合致する平面形状に形成したものを用いる。
【0069】
既述の第3の製造方法や、配線層を形成済みのフレキシブル回路基板を用いる製造方法では銅張りフレキシブル基板あるいはフレキシブル回路基板を接着剤を用いて板母材に接着固定する構成となっているが、第1、第2の製造方法(第2の製造方法の変形例を含む)は接着剤を使用せず、熱可塑性樹脂層と銅箔とで構成された片面銅張りフレキシブル基板の熱可塑性樹脂層、半硬化樹脂層付き銅箔27の熱硬化性半硬化樹脂層28、熱硬化性半硬化樹脂シートといった、絶縁樹脂層13を形成するための樹脂自体を板母材に直接被着させて絶縁樹脂層13を形成することで、絶縁樹脂層13と銅箔24とを板母材18に一体化できる。したがって、絶縁樹脂層13の形成後、パターニング工程及び配線基板切り出し工程を経て得た折り曲げ可能配線基板のフレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層13と板部材4との間に、フレキシブル回路基板部と板部材4との接着固定のための接着剤層が別途介在せず、絶縁樹脂層13が板部材4に直接被着一体化した構造が得られる。このため、フレキシブル回路基板部と板部材4との接着固定のための接着剤層が別途存在する場合に比べて高い放熱性(板部材への放熱性)を確保できるといった利点がある。
【0070】
パターニング工程は、該パターニング工程にて配線パターンを形成する銅箔を含む複数層からなる基板構成層が板母材18に積層、一体化された構成の基板層積層板をエッチング液中に浸潰するエッチング処理工程(ウェットエッチング)を含んでいても良い。
前記基板構成層は、板母材18とは反対の表面側の銅箔のパターニングによってフレキシブル回路基板部を構成するものであり、例えば既述の片面銅張りフレキシブル基板、両面銅張りフレキシブル基板、熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートを加熱硬化した絶縁樹脂層と該絶縁樹脂層を介して板母材に一体化された銅箔とからなるもの、を挙げることができる。
エッチング処理工程にあっては、例えば板母材18の両面に長孔19を覆って塞ぐ塞ぎ部材を設けることで、長孔19内へのエッチング液の侵入を防止できる。これにより、基板構成層の長孔19に臨む裏面側が長孔19に侵入したエッチング液の影響を受けることを防ぐことができる。長孔19は、その長手方向両端が板母材18外周の端面に開口していない構成とすることで、塞ぎ部材による長孔19内へのエッチング液の侵入防止に有利である。
【0071】
図12〜図17は、本発明の別の実施形態の発光モジュールをそれぞれ示す。
図12に示す発光モジュール1Aは、図13に示すように、図7等を参照して説明した既述の折り曲げ可能配線基板2の天板部板部材41の端面41aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面、側板部板部材42の端面42aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面に変更した構成の折り曲げ可能配線基板2Aを用いて構成したものである。
そして、この発光モジュール1Aは、図12に示すように、折り曲げ可能配線基板2Aがフレキシブル回路基板部5が内面側となるようにして五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形され、この折り曲げ可能配線基板2Aの内面(基板表面)側のフレキシブル回路基板部5に電子部品として発光素子3が実装された構成となっている。また、折り曲げ可能配線基板2Aは、外面(基板裏面)側の板部材4を形状固定用部材11によって固定することで形状が固定されている。
【0072】
この発光モジュール1Aは、例えば、折り曲げ可能配線基板2に電子部品として発光素子3を実装した後、この電子部品3付きの折り曲げ可能配線基板2(発光モジュール)をそのフレキシブル回路基板部5が内面側となるようにして五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形し、外側の板部材4を形状固定用部材11によって固定することにより作製できる。
また、折り曲げ可能配線基板2Aを折り曲げて五面折り曲げ体の立体形状に曲げ成形した後に、フレキシブル回路基板部5に発光素子3を実装しても良い。
【0073】
前記折り曲げ可能配線基板2Aは、天板部板部材41の端面41a及び側板部板部材42の端面42aの向き以外は、既述の図7、図8等を参照して説明した折り曲げ可能配線基板2と同様の構成になっている。図13に示すように、天板部板部材41と側板部板部材42との間に確保された折り曲げ用クリアランス12は、基板裏面側から基板表面側に行くに従って幅寸法が拡大するテーパ状に形成されている。フレキシブル回路基板部5は、この折り曲げ用クリアランス12を跨いでその両側の板部材4間に架け渡されている。
【0074】
また、この折り曲げ可能配線基板2Aは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面41a、42a同士を閉じ合わせた板部材4の対を所望の開き角で安定させることができる。
折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材4の端面41a、42aは、該端面41a、42a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面41a、42aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0075】
この発光モジュール1Aにあっては、五面折り曲げ体の立体形状とした折り曲げ可能配線基板2Aの内側にフレキシブル回路基板部5が位置するので、フレキシブル回路基板部5に実装された発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2Aの内側に配置されている。
発光素子3は、折り曲げ可能配線基板2Aの板部材4が前記フレキシブル回路基板部5に一体化された箇所である複数の板状部の2以上に実装される。図示例の発光モジュール1Aにあっては、折り曲げ可能配線基板2Aの天板部6a、4つの側板部6bにそれぞれ複数の発光素子(具体的にはLED)が実装された構成であり、これら全てのLEDの出力光を、五面折り曲げ体の折り曲げ可能配線基板2の内側空間奥側の天板部6a側とは反対の開口部から折り曲げ可能配線基板2A外側へ放射できるようになっている。
【0076】
この発光モジュール1Aは、五面折り曲げ体の開口部から外側へ一定の角度範囲で光を出力できる光照射装置として利用できるものであり、例えば、自動車のテールランプ、ヘッドランプ、部材に塗布した塗料等の乾燥装置等に適用することができる。
【0077】
図14及び図15に示す発光モジュール1Bは、長方形シート状のフレキシブル回路基板部5(図中符号5Aを付記する)の片面に、該フレキシブル回路基板部5Aの幅方向寸法に比べて格段に幅狭の細長板状の板部材4(図中符号43を付記する)が複数本一体化された構成の長方形板状の折り曲げ可能配線基板2(図中符号2Bを付記する)を、該フ折り曲げ可能配線基板2Bの長手方向と平行な軸線を中心とする凹形板状(図示例では断面C形で延在する細長板状)に曲げ成形して組み立てられている。複数本の前記板部材43は、その長手方向を揃えて並列に配列されている。図示例では、複数本の前記板部材43は、その長手方向をフレキシブル回路基板部5の長手方向に揃えて、フレキシブル回路基板部5Aの幅方向に複数(3以上。図示例では12本)配列させてフレキシブル回路基板部5Aに一体化されている。
【0078】
フレキシブル回路基板部5Aには、配線パターンが形成されており、該フレキシブル回路基板部5Aに複数実装された電子部品(図示例ではLED等の発光素子3)の全てに対して一対の給電線9からの一括給電が可能となっている。この発光モジュール1Bの場合、発光素子3は各板部材43の長さ方向に沿って複数整列状に実装されている。このような折り曲げ可能配線基板2Bは隣接する板部材43の境界部分で折り曲げられることにより凹形板状の立体形状となった発光モジュール1Bとなる。
【0079】
図16に示すように、折り曲げ可能配線基板2Bは、折り曲げによって凹形板状に成形する前の平板状の状態において、隣り合う板部材43間にスリット状に確保された互いに平行な複数本の折り曲げ用クリアランス12を有するものである。折り曲げ用クリアランス12は、折り曲げ可能配線基板2Bが平板状の状態において、フレキシブル回路基板部5Aが設けられている基板表面側から基板裏面側に行くに従って幅寸法、すなわち該折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の間隔方向の寸法が拡大するテーパ状に形成されている。
発光モジュール1Bは、折り曲げ可能配線基板2Bをフレキシブル回路基板部5Aが外面側(外周側)となるようにして板部材43間で折り曲げて凹形板状に成形されている。そして、凹形板状の内部には形状固定用部材11が設けられることにより、その形状が維持されている。
【0080】
前記折り曲げ可能配線基板2Bは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面43a、43a同士を閉じ合わせた板部材43の対を所望の開き角で安定させることができる。
図14、図15中、符号12bは、折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2Bにおいて折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43同士を当接させた合わせ目である。
また、フレキシブル回路基板部5Aのうち隣り合う板部材43間に架け渡された部分は板状部間フレキシブル橋絡部として機能し、板部材43間の折り曲げによって折り曲げ部を構成する。
【0081】
なお、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43aは、該端面43a、43a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面43a、43aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0082】
この実施形態の発光モジュール1Bにおいては、凹形板状の折り曲げ可能配線基板2Bに対して発光素子3が長さ方向に沿って複数実装されていることから蛍光灯やネオン灯と同様に、例えば室内照明機器、屋外照明機器、広告用ライトパネル等の光源として用いることができる。
【0083】
図17に示す発光モジュール1Cは、図14及び図15の発光モジュール1Bに対し、発光素子3が長筒状の内部に配置された構造となっている。
発光モジュール1Cは、図18に示すように、既述の折り曲げ可能配線基板2Bの板部材43の端面43aを板部材41表面に対して鈍角の傾斜端面に変更した構成の折り曲げ可能配線基板2Cを用いて構成したものである。
そして、この発光モジュール1Cは、折り曲げ可能配線基板2Cに発光素子3を実装したもの(発光モジュール)を、フレキシブル回路基板部5Aが内面側(内周側)となるようにして板部材43間で折り曲げて凹形板状に成形されている。
【0084】
発光モジュール1Cにおいて、折り曲げ可能配線基板2Cは、フレキシブル回路基板部5Aの外面側に板部材43が一体とされており、フレキシブル回路基板部5Aが内側に位置するように板部材43が折り曲げられる。そして、フレキシブル回路基板部5Aに発光素子3が実装される。実装された全ての電子部品(発光素子3)は、フレキシブル回路基板部5に形成された配線パターンにより一対の給電線9から一括給電されて発光する。上述した折り曲げの後、形状固定用部材11によって板部材43を固定することにより長筒状の一体形状が維持される。
【0085】
前記折り曲げ可能配線基板2Cは、折り曲げて目的の立体形状にするときに、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43a同士が互いに当接して閉じ合わされることで、端面43a、43a同士を閉じ合わせた板部材43の対を所望の開き角で安定させることができる。
図17中、符号12bは、折り曲げ前の折り曲げ可能配線基板2Cにおいて折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43同士を当接させた合わせ目である。
また、フレキシブル回路基板部5Aのうち隣り合う板部材43間に架け渡された部分は板状部間フレキシブル橋絡部として機能し、板部材43間の折り曲げによって折り曲げ部を構成する。
【0086】
なお、折り曲げ用クリアランス12を介して両側の板部材43の端面43a、43aは、該端面43a、43a同士の当接、閉じ合わせによって板部材4間に目的の開き角が確保されるように構成する点では、必ずしも板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度を以て傾斜する傾斜端面である必要は無い。例えば互いに当接される端面43a、43aの片方が板部材4表面に対して垂直の面となっていても良い。
【0087】
この発光モジュール1Cにおいては、立体形状の内部に発光素子3を備えた構造となっており、発光素子3が発光した光が開口部から出射する。この発光モジュール1Cは、例えば、室内照明機器、屋外照明機器といった各種照明機器や広告用ライトパネル等の光源、その他、部材に塗布した塗料等の乾燥装置等に適用することができる。
【0088】
本発明によれば、フレキシブル回路基板部の複数箇所に板部材が一体化された構成の折り曲げ可能配線基板を用い、発光素子等の電子部品を実装後の折り曲げ可能配線基板をそのフレキシブル回路基板部の板部材4間に位置する部分(板状部間フレキシブル橋絡部)を折り曲げて立体形状に成形することで発光モジュールを組み立てることができる。
このため本発明によれば、例えば既述の特許文献3、4のように、所望形状に形成済みの貼り付け用基材にFPCを貼り付ける作業の効率が悪い、貼り付け作業においてFPCが不用意に曲がってLEDや半田付け部を傷める、といった不都合は生じず、発光モジュールの組み立ての手間を軽減できる。しかも、折り曲げ可能配線基板はフレキシブル回路基板部の複数箇所に板部材が一体化された構成であり、板部材とフレキシブル回路基板部との間に高い密着性を容易に確保できる。
さらに、板母材に積層、一体化した銅箔のパターニングによって形成した配線付き積層板から折り曲げ可能配線基板を得る折り曲げ可能配線基板の製造方法であれば、フレキシブル回路基板部を板部材の片面全体に確実に密着させた状態に形成することを容易に実現できる。
このため、フレキシブル回路基板部に実装した発光素子等の発熱性の電子部品の放熱のための高い放熱性を確実に確保できる。
【0089】
また、本発明によれば、折り曲げ可能配線基板の設計次第で複雑な形状の発光モジュールの組み立てにも容易に対応できる。したがって、既述の特許文献3、4のように作製する照明装置の形状に応じて所望形状に形成した貼り付け用基材を用意する必要がある構成に比べて、多種多様な発光モジュールの形状に容易に対応できる。これにより、低コスト化も容易に実現できる。
【0090】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。
発光モジュールの形状は上述した実施形態のものに限定されず適宜変更可能である。
本発明に係る発光モジュールは、折り曲げ可能配線基板の曲げ成形によって多種多様な形状を実現できる。例えば曲げ成形による凹形板状の折り曲げ可能配線基板、発光モジュールとしては、断面C形のものに限定されず、例えば断面く字形のもの、断面コ字形のもの等であっても良い。
【0091】
発光モジュールとしては、フレキシブル回路基板部に板部材が一体化されてなる板状部を複数有する構成の折り曲げ可能配線基板の板状部間を折り曲げて立体形状とした折り曲げ体(多面折り曲げ体)の板状部の複数に発光素子が実装された構成であれば良く、板状部の数や配置には限定は無い。折り曲げ可能配線基板の板部材の数、形状、配置、板状部の数、形状、配置は、該折り曲げ可能配線基板の折り曲げによって得る折り曲げ体(多面折り曲げ体)の構成に応じて適宜設定可能である。
【0092】
図19(a)、(b)に示すように、本発明に係る折り曲げ可能配線基板は、曲げ用クリアランス12が基板表面側から基板裏面側に行くにしたがって幅寸法が縮小するテーパ状であり、折り曲げ用クリアランスの両側の板部材4の前記折り曲げ用クリアランス12に臨む端面4aの一方又は両方(図示例では両方)が、フレキシブル回路基板部5が設けられている板部材4表面に対して鈍角の傾斜角度で傾斜する傾斜端面である場合、前記折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4の一方又は両方(図示例では両方)を、前記端面4aの板部材4表面側に面取り部4bを有する構成とし、図19(b)に示すように板部材4間をフレキシブル回路基板部5が内角側となるように折り曲げたときに、板部材4、4とフレキシブル回路基板部5との周長差に起因してフレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cに生じる弛み部5dを、前記面取り部4bによって形成される凹所4cに収納可能とすることも可能である。
【0093】
この場合、折り曲げ可能配線基板の板部材4間の折り曲げによって、フレキシブル回路基板部5の板状部間フレキシブル橋絡部5cに比較的サイズが大きい弛み部5dが形成される場合であっても、該弛み部5dが緩やかに湾曲した状態を確保できる。このため、折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4間を例えば90度以下の開き角となるように折り曲げても、板状部間フレキシブル橋絡部5cの配線の断線が生じにくいといった利点がある。
なお、図19(b)は、折り曲げ用クリアランス12の両側の板部材4の端面4a同士を当接させて閉じ合わせ、前記両側の板部材4の面取り部4bによって形成された凹所4c内に、板状部間フレキシブル橋絡部5cの弛み部5dを収納した状態を示す。
【0094】
本発明に係る折り曲げ可能配線基板は、折り曲げ用クリアランスに臨む板部材の端面が、全て、板部材の主面(表面、裏面)に垂直の面である構成も含む。
また、本発明に係る発光モジュールとしては、折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の端面が互いに閉じ合わされた箇所と、折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の端面同士が閉じ合わされておらず僅かな離隔距離が存在する箇所とが混在する構成、折り曲げ可能配線基板の全ての折り曲げ部の両側の板部材間が閉じ合わされておらず離隔された構成も含む。
折り曲げ可能配線基板の折り曲げ部の両側の板部材間が閉じ合わされておらず離隔された箇所については、例えば板部材間に形状固定用部材として用いられる硬化性樹脂を充填しても良い。
【0095】
前記折り曲げ可能配線基板は、板状部間での折り曲げによって、複数種類の立体形状を得ることが可能である。折り曲げ用クリアランスの両側の板部材の端面の一方又は両方に傾斜端面を形成した場合も、折り曲げ可能配線基板の板状部間での折り曲げを、必ずしも折り曲げ用クリアランスの両側の板部材の端面同士(少なくとも一方の端面が傾斜端面)を接近させるように行う必要は無い。
【0096】
折り曲げ可能配線基板に実装する電子部品としては、LED等の発光素子に限定されない。電子部品としては、例えばLD(半導体レーザ素子。LD:Laser Diode)等のLED以外の発光素子、発光素子の点滅等の駆動制御用のICチップなども採用可能である。また、発光素子として紫外光あるいは赤外光を出力するものを採用することも可能であり、この場合は、光硬化性樹脂材料等の光応答性材料への光照射用装置の光源、医療用レーザ照射装置のレーザ光源等にも幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B、1C…発光モジュール、2、2A、2B、2C…折り曲げ可能配線基板、3…電子部品、4、41、42、43…板部材、4a、41a、42a、43a…(板部材)の端面、5、5A…フレキシブル回路基板部、5c…板状部間フレキシブル橋絡部、6…板状部、10…折り曲げ部、11…形状固定用部材、12…折り曲げ用クリアランス、13…絶縁樹脂層、14…配線層、15…電極部、18…板部材、19…長孔、20…板部材間橋絡部、21…外周橋絡部、22…片面銅張りフレキシブル基板、23…可塑性樹脂フィルム、24…銅箔、25…配線付き積層板、27…半硬化樹脂層付き銅箔、28…熱硬化性半硬化樹脂層、29…熱硬化性半硬化樹脂層、31…樹脂フィルム、32…銅張りフレキシブル基板、33…接着剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性の絶縁樹脂層と配線層とを有するフレキシブル回路基板部の片面の複数箇所に板部材が被着され、前記板部材が前記フレキシブル回路基板部に一体化されてなる複数の板状部の2以上の前記フレキシブル回路基板部に電子部品を実装するための電極部が設けられ、前記板状部間で折り曲げて立体形状に曲げ成形可能とされていることを特徴とする折り曲げ可能配線基板。
【請求項2】
前記フレキシブル回路基板部の前記板状部間に位置する部分である板状部間フレキシブル橋絡部が、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを跨いで該折り曲げ用クリアランスの両側の前記板部材間に架け渡されていることを特徴とする請求項1記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項3】
前記折り曲げ用クリアランスが、前記フレキシブル回路基板部が位置する基板表面側及びその反対の基板裏面側の一方から他方に行くにしたがって幅寸法が拡大するテーパ状に形成されており、該折り曲げ用クリアランスの位置での折り曲げによって、この折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の前記折り曲げ用クリアランスに臨む端面同士を閉じ合わせ可能とされていることを特徴とする請求項2記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層の形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、あるいは液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項5】
前記板部材が、アルミニウム板、銅板、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、液晶ポリマーのいずれかからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の前記板状部の2以上に発光素子が実装されていることを特徴とする発光モジュール。
【請求項7】
前記折り曲げ可能配線基板が前記板状部間で折り曲げられて立体形状とされ、前記発光素子が実装された前記板状部である発光素子付き板状部の間に、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で折り曲げた折り曲げ部が存在することを特徴とする請求項6記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に形状固定用部材が設けられていることを特徴とする請求項7記載の発光モジュール。
【請求項9】
隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを互いに平行に複数本有する前記折り曲げ可能配線基板が前記折り曲げ用クリアランスの位置で折り曲げられて凹形板状あるいは筒状とされた部分を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の発光モジュール。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部に発光素子を実装して、前記板状部の2以上に発光素子を設ける発光素子実装工程と、
前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で曲げて立体形状とする曲げ成形工程とを具備することを特徴とする発光モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に前記折り曲げ可能配線基板の形状固定用部材を設けて、前記折り曲げ可能配線基板の形状を固定する基板形状固定工程とを具備する特徴とする請求項10記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状に形成された板母材を用意し、この板母材の片面に、熱可塑性樹脂フィルムの片面側のみに銅箔が一体化された片面銅張りフレキシブル基板をその前記熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着して接合するフレキシブル基板接合工程と、このフレキシブル基板接合工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
銅箔の片面に形成された半硬化状態の熱硬化性樹脂層である熱硬化性半硬化樹脂層、あるいは半硬化状態の熱硬化性樹脂によって前記銅箔及び前記板部材とは別体に形成されたシートである熱硬化性半硬化樹脂シートを、前記折り曲げ可能配線基板の全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材と前記銅箔との間に挟み込んだ状態で加熱、硬化して前記絶縁樹脂層を形成し前記銅箔を前記板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程と、このフレキシブル基板部形成工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成してなる前記配線層と前記絶縁樹脂層とからなる前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
樹脂フィルムの片面側あるいは両面に銅箔が一体化された銅張りフレキシブル基板を、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材の片面に接着剤を用いて接着する基板接着工程と、この基板接着工程の後、前記銅張りフレキシブル基板の前記樹脂フィルムを介して前記板母材とは反対側に位置する銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項15】
請求項12記載の片面銅張り基板の熱可塑性樹脂フィルムの形成樹脂、請求項13記載の熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートの形成樹脂、請求項14記載の銅張りフレキシブル基板の樹脂フィルムの形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項1】
電気絶縁性の絶縁樹脂層と配線層とを有するフレキシブル回路基板部の片面の複数箇所に板部材が被着され、前記板部材が前記フレキシブル回路基板部に一体化されてなる複数の板状部の2以上の前記フレキシブル回路基板部に電子部品を実装するための電極部が設けられ、前記板状部間で折り曲げて立体形状に曲げ成形可能とされていることを特徴とする折り曲げ可能配線基板。
【請求項2】
前記フレキシブル回路基板部の前記板状部間に位置する部分である板状部間フレキシブル橋絡部が、隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを跨いで該折り曲げ用クリアランスの両側の前記板部材間に架け渡されていることを特徴とする請求項1記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項3】
前記折り曲げ用クリアランスが、前記フレキシブル回路基板部が位置する基板表面側及びその反対の基板裏面側の一方から他方に行くにしたがって幅寸法が拡大するテーパ状に形成されており、該折り曲げ用クリアランスの位置での折り曲げによって、この折り曲げ用クリアランスを介して両側の板部材の前記折り曲げ用クリアランスに臨む端面同士を閉じ合わせ可能とされていることを特徴とする請求項2記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板部の絶縁樹脂層の形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、あるいは液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項5】
前記板部材が、アルミニウム板、銅板、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂、液晶ポリマーのいずれかからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の前記板状部の2以上に発光素子が実装されていることを特徴とする発光モジュール。
【請求項7】
前記折り曲げ可能配線基板が前記板状部間で折り曲げられて立体形状とされ、前記発光素子が実装された前記板状部である発光素子付き板状部の間に、前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で折り曲げた折り曲げ部が存在することを特徴とする請求項6記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に形状固定用部材が設けられていることを特徴とする請求項7記載の発光モジュール。
【請求項9】
隣り合う板部材間にスリット状に確保された折り曲げ用クリアランスを互いに平行に複数本有する前記折り曲げ可能配線基板が前記折り曲げ用クリアランスの位置で折り曲げられて凹形板状あるいは筒状とされた部分を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の発光モジュール。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部に発光素子を実装して、前記板状部の2以上に発光素子を設ける発光素子実装工程と、
前記折り曲げ可能配線基板を前記板状部間で曲げて立体形状とする曲げ成形工程とを具備することを特徴とする発光モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記折り曲げ可能配線基板の前記フレキシブル回路基板部が設けられている表面側とは反対の裏面側に前記折り曲げ可能配線基板の形状固定用部材を設けて、前記折り曲げ可能配線基板の形状を固定する基板形状固定工程とを具備する特徴とする請求項10記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状に形成された板母材を用意し、この板母材の片面に、熱可塑性樹脂フィルムの片面側のみに銅箔が一体化された片面銅張りフレキシブル基板をその前記熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着して接合するフレキシブル基板接合工程と、このフレキシブル基板接合工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
銅箔の片面に形成された半硬化状態の熱硬化性樹脂層である熱硬化性半硬化樹脂層、あるいは半硬化状態の熱硬化性樹脂によって前記銅箔及び前記板部材とは別体に形成されたシートである熱硬化性半硬化樹脂シートを、前記折り曲げ可能配線基板の全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材と前記銅箔との間に挟み込んだ状態で加熱、硬化して前記絶縁樹脂層を形成し前記銅箔を前記板母材に一体化するフレキシブル基板部形成工程と、このフレキシブル基板部形成工程の後、前記銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成してなる前記配線層と前記絶縁樹脂層とからなる前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板を製造する方法であって、
樹脂フィルムの片面側あるいは両面に銅箔が一体化された銅張りフレキシブル基板を、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての板部材を切り出し可能なサイズのプレート状の板母材の片面に接着剤を用いて接着する基板接着工程と、この基板接着工程の後、前記銅張りフレキシブル基板の前記樹脂フィルムを介して前記板母材とは反対側に位置する銅箔をパターニングして前記電極部を含む配線パターンを形成することで該配線パターンを前記配線層、前記樹脂フィルムを前記絶縁樹脂層とする前記フレキシブル回路基板部が前記板母材の片面に一体化された構成の配線付き積層板を得るパターニング工程とを具備し、
前記板母材は、該板母材における前記板部材の形成範囲の周囲を囲繞するように複数の長孔が形成され、かつ互いに隣り合う板部材形成範囲同士を橋絡する板部材間橋絡部及び前記板母材における前記板部材形成範囲とその周囲に位置する部分とを橋絡する外周橋絡部が確保され、前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部のみを切断することで、前記折り曲げ可能配線基板を構成する全ての前記板部材を取り出せるように構成され、
前記パターニング工程によって前記配線付き積層板を得た後、この配線付き積層板の前記板母材の前記板部材間橋絡部及び前記外周橋絡部を切断することで前記折り曲げ可能配線基板を得る配線基板切り出し工程を行うことを特徴とする折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【請求項15】
請求項12記載の片面銅張り基板の熱可塑性樹脂フィルムの形成樹脂、請求項13記載の熱硬化性半硬化樹脂層あるいは熱硬化性半硬化樹脂シートの形成樹脂、請求項14記載の銅張りフレキシブル基板の樹脂フィルムの形成樹脂が、基材樹脂に該基材樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを混入したフィラー混入樹脂であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の折り曲げ可能配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−249536(P2011−249536A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120710(P2010−120710)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(597079681)株式会社 大昌電子 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(597079681)株式会社 大昌電子 (42)
【Fターム(参考)】
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