説明

押出チューブ容器用積層体

【課題】揮発成分、液体成分によりバリアー層とシーラント層との剥離が生じない押出チューブ容器用積層体を提供する。
【解決手段】本発明の押出チューブ容器用積層体1は、最外層と最内層とがヒートシ−ル可能な熱可塑性樹脂で構成されると共に最外層と最内層との間に少なくともバリアー層4を含む複数の中間層を有する押出チューブ容器用積層体において、前記バリアー層4の内装側表面にアンカーコート層5として不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲でかつ、数平均粒子径が1μm以下のポリオレフィン共重合樹脂粒子からなり、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散体の塗布乾燥層とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出チューブ容器用積層体に関し、酸素、水蒸気等に対するバリア性、耐内容物性等に優れ、練り歯磨き、食品、化粧品、医薬品とはじめとする内容物の充填包装に使用され、表面に印刷表示部が形成されたチューブ容器の作成に使用される押出チューブ容器用積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂フィルムを積層した可撓性の積層体を使用した押出チューブ容器は、ポリオレフィン系樹脂からなる表面樹脂層、複数の中間層、およびポリオレフィン系樹脂からなるシーラント層をを順次に積層して積層体を製造し、該積層体を丸めて表面樹脂層とシーラント層の面を重ね合わせてヒートシールして筒状胴部を製造し、しかる後、該筒状胴部の一方の開口部に口部、肩部等からなる頭部を形成し、更に、これにキャップを螺合させ、他方、上記の筒状胴部の他方の開口部から内容物を充填し、しかる後その開口部を密閉シ−ルして底部シ−ル部を形成し、押出チューブ容器としている。
【0003】
チューブ容器のシーラント層には、一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のヒートシール性が良く、内容物に対して耐性を有する材質が使用されている。また、チューブ容器の製造する過程で積層体の表面樹脂層とシーラント層とを重ね合わせてヒートシールを行うために、表面樹脂層も、シーラント層とのヒートシール性の良いポリエチレン、ポリプロピレン等が使用されている。
【0004】
チューブ容器に使用される積層体は、表面樹脂層とシーラント層との間にバリア層を少なくとも有するが、バリア層とシーラント層との接合面は、積層体の機能の維持には極めて重要であり、一般には、(1)バリア層面に接着層としてアンカーコート層を設け、その上にポリオレフィン系樹脂を押出ラミネートして積層する方法、または(2)バリア層面に、接着層として二液硬化型ポリウレタン系接着剤などのドライラミネート用接着剤を用いて、予めフィルム状に製膜したシーラント層形成用フィルムをドライラミネーション法で貼り合わせて積層する方法が採られている。
【0005】
まず、(1)の押出ラミネート法においては、アンカーコート層形成は有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系剤などのアンカーコート剤形成用組成物によって形成されているが、内容物にアルコール成分や精油成分等の浸透性が大きな成分が含まれている場合にはアンカーコート層の耐性が不足し、長期に保存するような場合には、シーラント層がバリア層から剥離する問題がある。
【0006】
また、(2)のバリア層にシーラント層を前記ドライラミネーション法で貼り合わせる場合も同様に、前記ドライラミネート用接着剤の耐性が不足し、長時間の保存の後にはバリア層とシーラント層とが剥離する問題がある。
また、アンカーコート剤やドライラミネート用接着剤には、一般に有機溶剤が含まれており、作業に際しては有機溶剤の放出が生じ、作業環境を悪化させるので、その対策も必要であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の押出チューブ容器用積層体は、アルコール、精油などの芳香成分を含有する歯磨き材等を充填しても、バリア層とシーラント層との層間剥離が生じることがない押出チューブ容器用積層体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の押出チューブ容器用積層体は、最外層と最内層とがヒートシ−ル可能な熱可塑性樹脂で構成されると共に最外層と最内層との間に少なくともバリアー層を含む複数の中間層を有する押出チューブ容器用積層体において、前記バリアー層の内装側表面にアンカーコート層として不飽和カルボン酸、又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲でかつ、数平均粒子径が1μm以下のポリオレフィン共重合樹脂粒子からなり、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散体の塗布乾燥層とすることを特徴とする。
アンカーコート層が、乾燥時の膜厚が0.1〜2μmの塗布層であると共にアンカーコート層を介して最内層がポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層として積層されるか、あるいは、アンカーコート層にポリオレフィン系樹脂の押出コート層を介してポリオレフィン系樹脂シートが積層され、最内層とされることを特徴とする。
バリア層が、基材面にアルミニウム箔を接着するか、または金属または金属酸化物の蒸着膜であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の押出チューブ容器用積層体において、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含み、かつ、数平均粒子径が1μm以下のポリオレフィン共重合樹脂粒子からなり、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散液塗布層をアンカーコート層とすることにより、アルミニウム箔などの金属箔、蒸着フィルムなどのバリア層との接着性に優れると共にシーラント層の押出しコート層との接着性にも優れるものとできる。また、押出チューブ容器として、アルコールや精油等の芳香成分を含有する歯磨き材、食品、薬剤等を収納しても、アンカーコート層がこれらの成分に対する耐性に優れるためか、バリア層とシーラント層との層間剥離を生じることがなく、内容物の保存性に優れるチューブ用容器とすることができる。また、積層体を製造する際の有機溶剤の排出量も少なく、排出気体の処理設備が簡単なものとできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の押出チューブ容器用積層体を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の押出チューブ容器用積層体の一例を説明する断面図である。積層体1は、表面樹脂層2、サンド層2a、基材層3、バリア層4、バリア層面アンカコート層5、シーラント層6、サンド層6a、印刷面7、アンカーコート層8、乳白低密度ポリエチレンフィルム9、サンド層9a、サンド層10から形成される。
【0011】
積層体1を製造工程順に説明すると、基材層3の一方の面に、所望の印刷面7を形成した後に、印刷面7の表面に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤等を塗布、乾燥しアンカーコート層8を形成される。
次いで、アンカーコート層8に対して、乳白低密度ポリエチレンフィルム9をサンド層9aによるドライラミネーション法により積層する。次いで、乳白低密度ポリエチレンフィルム9面にバリア層4としてアルミニウム箔を、エチレンーメタクリル酸共重合樹脂等をサンド層10として押し出し、サンドラミネーション法により貼り合わせる。
次いで、バリア層4上に、本発明におけるバリア層面アンカーコート層5が形成される。バリア層面アンカーコート層5上には、シーラント層6が、ポリエチレンのサンド層6aの押出によるサンドラミネーション法により積層される。
一方、基材層3の印刷面7の反対側には印刷面7側と同様にアンカコート層8が形成され、また、アンカーコート層8面には、低密度ポリエチレンフィルムからなる表面樹脂層2が、ポリエチレンのサンド層2aの押出によるサンドラミネーション法により積層される。
【0012】
このような積層体において、基材層3には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのほかに、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの透明で、機械的、熱的な特性が優れた合成樹脂フィルムを使用できる。
【0013】
次に、バリア層面アンカーコート層5は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含み、かつ、数平均粒子径が1μm以下、例えば50nm〜200nmのポリオレフィン樹脂粒子からなり、乳化剤等の不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散体を塗布、乾燥したものである。この水性分散液は、特開2004−9504号公報に記載されるものであり、不飽和カルボン酸又はその無水物とオレフィン化合物と(メタ)アクリル酸エステルとから構成されるポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体と陰イオン性基が20〜700(当量/106 g)のポリエステル樹脂(B)の水性分散体とを、それぞれの水性分散体中の樹脂分の質量比が(A)/(B)=90/10〜20/80となるように混合して製造されるもので、ユニチカ(株)からアローベースSA−1200、SB−1200、SE−1200、TB−2010等として市販されるものが例示される。
乳化剤等の不揮発性水性化助剤は、乾燥後も塗膜中に残存し、たとえ少量であっても接着界面に大きな影響を与え、接着性や耐水性を低下させるため、上記の製品にあっては、水性分散体の製造工程において水性化促進や水性分散体の安定化の目的で乳化剤等の不揮発性水性化助剤は添加されていないものである。
【0014】
アンカーコート層は、乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように薄く塗布することにより、アルミニウム箔などの金属箔やSiO2 、Al2 3 等の金属酸化物蒸着膜等のバリア層を塗布面とし、プラスチックフィルム、シーラント層として押し出しコートされるポリオレフィン系樹脂層等に対する良好な接着層を形成するものである。
【0015】
図2は、本発明のチューブ容器の一例を示す一部を切断した図である。
チュ−ブ容器20は、上記で説明した積層体を丸めて、該積層材の両端部の最外層である表面樹脂層面2と最内層であるシーラント層6とを重ね合わせ、その重合端部を溶着して溶着部21を形成してチューブ容器を構成する筒状部22を作製する。ついで、筒状部22の一方の開口部の上部に、チュ−ブ容器を構成する肩部23、口部24等からなる頭部25を形成する。また、筒状部22の表面には、各種の印刷方法によって、文字、図形、記号、絵柄等の印刷層26を有している。次いで、頭部25の口部14に密閉するキャップ27を取り付けて、口部24を密閉した後に、筒状部22の開口部28から練り歯磨き、練りマスタード、練りわさび等の内容物29を所定量充填した後に、開口部28を溶着して底溶着部30を形成して、内容物29を充填したチューブ容器20を得ることができる。
本発明のチューブ容器は、図で示した構造のものに限らず、三方シール体、スタンディングパウチなどの自立体等にも適用することができる。
以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【実施例】
【0016】
実施例1
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面に所望の印刷模様を施し、次いで該印刷面に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ50μmの乳白低密度ポリエチレンフィルムを、ポリエチレン層20μmの厚さでサンドラミネーション法により積層した。
次に、上記積層体の乳白低密度ポリエチレンフィルムの側に厚さ10μmのアルミニウム箔をサンドラミネーション法によりエチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA、三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルN1108C」)を押し出し、厚さ25μmのサンド層で貼り合わせた。さらに、アルミニウム箔面に、無水マレイン酸2質量%を含有するポリオレフィン共重合樹脂の水性分散体であって、数平均粒子径0.6μmの粒子を分散した、乳化剤を含まない水性分散液(ユニチカ(株)製「SE−1200」を乾燥厚0.5μmとなるように塗布、加熱乾燥してアンカーコート層を形成した。
次いで、厚さ50μの低密度ポリエチレンフィルムを、ポリエチレンを押し出して厚さ20μmのサンド層からなるサンドラミネーション法により積層した。
得られた積層体の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製「FC−S」)を押し出しポリエチレン層25μmでサンドラミネーション法により積層し、押出チューブ容器用積層体を作成した。
【0017】
得られた押出チューブ容器用積層体の積層構成と膜厚(μm)は下記の通りである。
PE(40)/PE(25)/AC(ウレタン系)/PET(12)/印刷/AC(ウレタン系)/PE(20)/乳白PE(50)/EMAA(25)/AL(10)/AC(本発明のアンカーコート層)/PE(20)/PE(50)
【0018】
得られた積層体を150mm×120mmの大きさに切り出し、積層体を丸めてその重合端部をヒートシールしてチューブ容器の筒状部を形成し、更にその筒状部の一方の端部に、高密度ポリエチレンを射出成形して内径38mmの肩部と口部を形成し、口部に高密度ポリエチレン製のキャップを取り付けた。
【0019】
次に、チューブ容器に内容物を入れた以下の試験方法によって評価試験を行い、その結果を表1に示す。
【0020】
1.耐内容物性の試験
練り歯磨粉A(ライオン社製「Prime STAIN OFF 」)、練り歯磨粉B(佐藤製薬社製「アセス」)、および練りマスタードについて、150gを充填包装した試験用チューブ容器をそれぞれ10個作製した。
各試験用チューブ容器を40℃で3ヶ月保存し、保存後の積層体の層間剥離の有無を目視で確認した。層間剥離をした数について、作成した10個のうちの個数で示す。
2.積層体のAL/PEのラミネート強度試験
試験前後の積層体のAL/PEのラミネート強度を、引張試験装置(エー・アンド・デイ製 テンシロン)を用いて引張速度50mm/分、試料幅15mmで測定した。
【0021】
実施例2
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの裏面に所望の印刷模様を施し、次いで該印刷面に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムを、ポリエチレン層20μmの厚さでサンドラミネーション法により積層した。
次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面にアルミニウム酸化物を厚さ400Åに蒸着したPETフィルムの非蒸着面にウレタン系AC剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布した後、前記で作成した積層体を押出ポリエチレン層20μmでサンドラミネーション法により積層した。
次いで、得られた積層体の蒸着面に、無水マレイン酸2質量%を含有するポリオレフィン共重合樹脂の水性分散体であって、数平均粒子径0.6μmの粒子を分散した、乳化剤を含まない水性分散液(ユニチカ(株)製「SE−1200」)を乾燥厚0.5μmとなるように塗布、加熱乾燥してアンカーコート層とした。
次いで、厚さ50μの低密度ポリエチレンフィルムを、ポリエチレンを押し出して厚さ20μmのサンド層からなるサンドラミネーション法により積層した。
得られた積層体の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製「FC−S」)を押し出しポリエチレン層25μmでサンドラミネーション法により積層し、押出チューブ容器用積層体を作成した。
得られた押出チューブ容器用積層体の積層構成と膜厚(μm)は下記の通りである。
PE(40)/PE(25)/AC(ウレタン系)/PET(12)/印刷/AC(ウレタン系)/PE(20)/PE(50)/AC(ウレタン系)/蒸着層を有するPET(12)でPET側をAC(ウレタン系)側とし、蒸着層をAC(本発明のAC層)側として積層/AC(本発明のAC層)/PE(20)/PE(50)
次いで、実施例1と同様にチューブ容器を作製して実施例1と同様に評価試験を行い、その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、アルミニウム箔面に形成したポリオレフィン共重合樹脂の水性分散体からなる塗布層に代えて、2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布した点を除き、その他は実施例1と同様にして積層体を作製した。
得られた押出チューブ容器用積層体の積層構成と膜厚(μm)は下記の通りである。
PE(40)/PE(25)/AC(ウレタン系)/PET(12)/印刷/AC(ウレタン系)/PE(20)/乳白PE(50)/EMAA(25)/AL(10)/AC(ウレタン系)/PE(20)/PE(50)
次いで、実施例1と同様にして評価を行いその結果を表1に示す。
【0022】
比較例2
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面に所望の印刷模様を施し、次いで該印刷面に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ50μmの乳白低密度ポリエチレンフィルムを、ポリエチレン層20μmの厚さでサンドラミネーション法により積層した。
次に、上記積層体の乳白低密度ポリエチレンフィルムの側に厚さ10μmのアルミニウム箔をサンドラミネーション法によりエチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA、三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルN1108C」)を押し出して、厚さ30μmのサンド層で貼り合わせた。さらに、アルミニウム箔面に、厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムを、押し出しエチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA、三井・デュポンケミカル社製「ニュクレルN1108C」)20μmでサンドラミネーション法により積層した。
得られた積層体の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製「EL−540」)を乾燥膜厚0.5μmで塗布し、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製「FC−S」)を押し出しポリエチレン層25μmでサンドラミネーション法により積層し、押出チューブ容器用積層体を作成した。
得られた押出チューブ容器用積層体の積層構成と膜厚(μm)は下記の通りである。
PE(40)/PE(25)/AC(ウレタン系)/PET(12)/印刷/AC(ウレタン系)/PE(20)/乳白PE(50)/EMAA(25)/AL(10)/EMAA(20)/PE(50)
次いで、実施例1と同様にして評価を行いその結果を表1に示す。なお、シーラント層の層間剥離をした数は、作成した10個のうちの個数で示す。また、表1中、* は、10個中3個は剥離して測定できず、10個中7個での測定値である。
【0023】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の押出チューブ容器用積層体は、シーラント層に対する透過性が大きな成分を含有するペースト状歯磨粉や食品等の包装用チューブ容器用として好適であり、長期間にわたり成分の浸透があっても、積層体におけるバリアー層とシーラント層との剥離がなく、チューブ容器の破損等の問題を生じることのない押出チューブ容器用積層体とできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明のチューブ容器の製造に使用する積層体の一例を説明する断面図である。
【図2】図2は、本発明のチューブ容器の一例を示す一部を切断した図である。
【符号の説明】
【0026】
1…積層体、2…表面樹脂層、2a…サンド層、3…基材層、4…バリア層、5…バリア層面アンカコート層、6…シーラント層、6a…サンド層、7…印刷面、8…アンカーコート層、9…乳白低密度ポリエチレンフィルム、9a…サンド層、10…サンド層、20…チュ−ブ容器、21…溶着部、22…筒状部、23…肩部、24…口部、25…頭部、26…印刷層、27…キャップ、28…開口部、29…内容物、30…底溶着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最外層と最内層とがヒートシ−ル可能な熱可塑性樹脂で構成されると共に最外層と最内層との間に少なくともバリアー層を含む複数の中間層を有する押出チューブ容器用積層体において、前記バリアー層の内装側表面にアンカーコート層として不飽和カルボン酸、又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲でかつ、数平均粒子径が1μm以下のポリオレフィン共重合樹脂粒子からなり、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散体の塗布乾燥層とすることを特徴とする押出チューブ容器用積層体。
【請求項2】
アンカーコート層が、乾燥時の膜厚0.1〜2μmの塗布層であると共にアンカーコート層を介して最内層がポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層として積層されるか、あるいは、アンカーコート層にポリオレフィン系樹脂の押出コート層を介してポリオレフィン系樹脂シートが積層され、最内層とされることを特徴とする請求項1記載の押出チューブ容器用積層体。
【請求項3】
バリア層が、基材面にアルミニウム箔を接着するか、または金属または金属酸化物の蒸着膜であることを特徴とする請求項1記載の押出チューブ容器用積層体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−162599(P2008−162599A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351080(P2006−351080)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】