説明

押圧式入力装置

【課題】 ブラインドタッチでより簡単に入力操作を行なえることができる押圧式入力装置を提供すること。
【解決手段】 指Fの接触を検出する複数の固定接点53a〜53g及び可動接点54a〜54gを所定間隔で平面的に配列してなる第1メンブレンスイッチ5の上面をカバー8で覆い、可動接点54a〜54gと対向して指Fの押圧力を可動接点54a〜54gに伝達する複数の入力エリア814a〜814eをカバー8に形成し、カバー8の上面に、複数の入力エリア814a〜814eを仕切るように複数の凹部815a〜815dを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は押圧式入力装置に関し、例えばディスプレイの画面に表示された複数の項目の中から1つの項目を選ぶのに適した平面型の押圧式入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の平面型入力装置として、キートップ部材と外カバーとベース部材とを備えている押釦スイッチ装置が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
キートップ部材は、1列に配置される複数の円柱状の押釦と、この複数の押釦を取り囲むプレート状基部と、複数の押釦とプレート状基部とを連結し、押釦を上方へ付勢する弾性スカート部とを有する。各押釦の底面には可動接点として導電面が形成されている。
【0004】
外カバーは、押釦を通す孔を有し、押釦の頂面を除いてキートップ部材を覆う。押釦の頂面と外カバーの表面とは、弾性スカート部の付勢力によって面一に維持される。
【0005】
ベース部材には、押釦の導電面に対向する固定接点としての複数の導電部が形成されている。1つの押釦の導電面と1つの導電部とで1つのスイッチが構成される。ベース部材と外カバーとでキートップ部材のプレート状基部が挟まれる。これにより、キートップ部材は保持される。
【0006】
この押釦スイッチ装置を用いて、例えばディスプレイの画面に表示された複数の項目の中から1つの項目を選択する場合、その装置の表面(操作面)を軽く押すようにして指先を押釦の配列方向へ滑らせる。
【0007】
指が押釦上に来たとき、押釦の導電面がベース部材の導電部とが接触し、その部分のスイッチが閉じ、入力信号が出力される。指が押釦上の位置から外れると、押釦は弾性スカート部の付勢力によって元の位置に戻り、押釦の導電面がベース部材の導電部から離れ、再びスイッチが開く。
【特許文献1】特開平9−306283号公報(段落0005〜0007参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述の通り押釦の頂面と外カバーの表面とは弾性スカート部の付勢力によって面一に維持されるため、指先が押釦スイッチ装置の表面上を滑るときの押釦のストローク量はわずかであり、指先に作用する抵抗は小さく、指先をどのくらい滑らせたらディスプレイ画面中のカーソルがどのくらい動くか予測しにくい。
【0009】
したがって、例えばカーソルを1項目分又は2項目分以上移動させて複数の項目の中から1つの項目を選択するとき、必要以上にカーソルが動いてしまい、目的の項目を選択するのに時間がかかってしまうことがある。
【0010】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は簡単な入力操作を可能にした押圧式入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため請求項1の発明の押圧式入力装置は、物体の接触を検出する複数の接触検出手段を所定間隔で平面的に配列してなる第1の平面型スイッチと、前記第1の平面型スイッチの上面を覆うカバーと、前記カバーに形成され、前記複数の接触検出手段と対向して前記物体接触時の押圧力を前記複数の接触検出手段に伝達する複数の入力エリアと、前記カバーの上面に、前記複数の入力エリアを仕切るように形成された複数の凹部又は凸部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
上述のように複数の入力エリアを仕切るように凹部又は凸部が形成されているので、例えば指先等の物体がある入力エリアからこれに隣接する入力エリアへ移動するとき、指先は凹部又は凸部を通過しなければならず、従来例に較べて指先に作用する抵抗は大きく、指先をどのくらい滑らせたらディスプレイ画面中のカーソルがどのくらい動くか予測しやすい。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の押圧式入力装置において、前記凹部又は凸部間の長さが指先の幅よりもやや小さいことを特徴とする。
【0014】
上述のように凹部又は凸部間の長さが指先の幅よりもやや小さいので、例えばカーソルを1項目分移動させるときの指先の移動量が小さくて足りることになる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の押圧式入力装置において、前記第1の平面型スイッチを上下方向へ移動可能に保持する保持プレートと、前記第1の平面型スイッチの下方に前記保持プレートを介して配置され、いずれかの前記入力エリアに前記物体接触時の押圧力以上の押圧力が作用したときに、検出信号を出力する第2の平面型スイッチとを備えていることを特徴とする。
【0016】
上述のようにいわゆる2段スイッチとして構成したので、スイッチとしての機能が増えた。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように請求項1の発明によれば、指先をどのくらい滑らせたらディスプレイ画面中のカーソルがどのくらい動くか予測しやすいので、例えばカーソルを1項目分移動させて複数の項目の中から1つの項目を選択するときに必要以上にカーソルが動くのを防ぐことができ、迅速に目的の項目を選択することができるので、入力操作性が向上する。
【0018】
請求項2の発明によれば、上述のように凹部又は凸部間の長さが指先の幅よりもやや小さいので、例えばカーソルを1項目分移動させるときの指先の移動量が小さくて足り、より迅速な操作に資する。
【0019】
請求項3の発明によれば、より多機能な押圧式入力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1はこの発明の第1実施形態に係る押圧式入力装置を斜め上方から見たときの分解斜視図、図2は図1に示す押圧式入力装置を斜め下方からみたときの分解斜視図、図3は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチの平面図、図4は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチのメンブレンシートの展開図、図5は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチのメンブレンスペーサの平面図、図6は図3のVI−VI線に沿う断面図、図7は図3のVII−VII線に沿う断面図、図8は図3のVIII−VIII線に沿う断面図、図9は図1に示す押圧式入力装置の平面図、図10は図9のX−X線に沿う断面図、図11は図9のXI−XIに沿う断面図、図12は図1に示す押圧式入力装置の入力領域を示す平面図、図13は図3に示す第1及び第2メンブレンスイッチの組立方法を説明するための平面図、図14は図9のXIV−XIV線に沿う断面図、図15は図9のXV−XV線に沿う断面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、この押圧式入力装置はリアプレート3と補強板(保持プレート)4と第1メンブレンスイッチ(第1の平面型スイッチ)5と第2メンブレンスイッチ(第2の平面型スイッチ)6とクリック板7とカバー8とフロントフレーム9とを備える。
【0023】
リアプレート3は金属薄板をプレス加工して形成され、フレーム部31とトレイ部32とを有する。フレーム部31はほぼ正方形の枠状である。その四角にはそれぞれねじ穴31a、ボルト挿入孔31b及び位置決め用ボス31cが形成されている。トレイ部32はほぼ正方形の皿状である。その中心部には反転用ボス32aが形成されている。
【0024】
補強板4は弾性を有する金属薄板を打抜き加工して形成され、補強板本体41とフレーム部42と複数の連結部43とを有する。
【0025】
補強板本体41はほぼ正方形の板状であり、位置決め孔41a,41bを有する。
【0026】
フレーム部42はほぼ正方形の枠状であり、その四角にはそれぞれ第1ボルト挿入孔42a、第2ボルト挿入孔42b及びボス挿入孔42cが形成されている。第1ボルト挿入孔42a、第2ボルト挿入孔42b及びボス挿入孔42cは押圧式入力装置の厚さ方向D1でそれぞれねじ穴31a、ボルト挿入孔31b及び位置決め用ボス31cに対向する。フレーム部42の1辺の中間部分には切欠き42dが形成されている。
【0027】
4つの連結部43はそれぞれほぼJ形又はU形である。4つの連結部43によって補強板本体41の四角とフレーム部42の四角とが連結される。補強板本体41は厚さ方向D1に沿って移動可能であり、補強板本体41の移動時に連結部43の弾力が補強板本体41に作用する。
【0028】
図1及び図2には、便宜上、第1メンブレンスイッチ5と第2メンブレンスイッチ6とを分離して描いてある。本来、図3に示すように、第1メンブレンスイッチ5と第2メンブレンスイッチ6とは一体化されている。
【0029】
図4、図5に示すように、第1メンブレンスイッチ5は、第1固定側メンブレンシート51と第1可動側メンブレンシート52と固定接点53a,53b,53c,53d,53e,53f,53gと可動接点54a,54b,54c,54d,54e,54f,54gと第1メンブレンスペーサ55とを有する。1つの固定接点53a〜53gとそれに対応する1つの可動接点54a〜54gとで1つの接触検出手段が構成される。
【0030】
第1固定側メンブレンシート51には位置決め孔51a,51bが形成されている。第1固定側メンブレンシート51はリード部51cを有する。
【0031】
第1可動側メンブレンシート52には位置決め孔52a,52bが形成されている。第1可動側メンブレンシート52は連結片56によって第1固定側メンブレンシート51に連結されている。
【0032】
固定接点53a〜53eは第1固定側メンブレンシート51の中心線に沿って一列に等間隔で配置されている。固定接点53f,53gは前記中心線の両側に配置されている。
【0033】
可動接点54a〜54eは第1可動側メンブレンシート52の中心線に沿って一列に等間隔で配置されている。可動接点54f,54gは前記中心線の両側に配置されている。可動接点54a〜54gは、折曲げ線L1で第1可動側メンブレンシート52を第1固定側メンブレンシート51の方へ折り曲げたときに、それぞれ固定接点53a〜53gに対向する。
【0034】
固定接点53a〜53g及び可動接点54a〜54gは第1固定側メンブレンシート51、連結片56及び可動側メンブレンシート52に形成された導電路57に接続されている。
【0035】
第1メンブレンスペーサ55には位置決め孔55a,55bが形成されている。第1メンブレンスペーサ55を第1固定側メンブレンシート51上に配置し、そして折曲げ線L1で第1可動側メンブレンシート52を第1固定側メンブレンシート51の方へ折り曲げたとき、位置決め孔55aは位置決め孔51a,52aに対向し、位置決め孔55bは位置決め孔51b,52bに対向する。また、第1メンブレンスペーサ55には打抜き孔55cが形成されている。打抜き孔55cは可動接点54a〜54gをそれぞれ固定接点53a〜53gに接触可能にする空間S1(図6、図7参照)を構成する。
【0036】
第2メンブレンスイッチ6(図3参照)は第2固定側メンブレンシート61と第2可動側メンブレンシート62と固定接点63と一対の可動接点64a,64bと第2メンブレンスペーサ65とを有する。
【0037】
第2固定側メンブレンシート61には位置決め61a,61bが形成されている。第2固定側メンブレンシート61は連結片66によって第1固定側メンブレンシート51に連結されている。
【0038】
第2可動側メンブレンシート62には位置決め62a,62bが形成されている。第2可動側メンブレンシート62は連結片67によって第1可動側メンブレンシート52に連結されている。
【0039】
固定接点63は第2固定側メンブレンシート61のほぼ中央部に配置されている。
【0040】
一対の可動接点64a,64bは第2可動側メンブレンシート62のほぼ中央部に配置されている。一対の可動接点64a,64bは、折曲げ線L1で第2可動側メンブレンシート62及び第1可動側面ブレンシート52を第2固定側メンブレンシート61の方へ折り返したとき、固定接点63に対向する。
【0041】
一対の可動接点64a,64bは、第1固定側メンブレンシート51、連結片56、第1可動側メンブレンシート52及び第2可動側メンブレンシート62に形成された導電路68に接続されている。
【0042】
第1固定側メンブレンシート51、第1可動側メンブレンシート52等に形成された導電路57,68は第1固定側メンブレンシート51のリード部51cに集められ、外部へ引き出される。
【0043】
第2メンブレンスペーサ65は連結片69によって第1メンブレンスペーサ55に連結されている。第2メンブレンスペーサ65には位置決め孔65a,65bが形成されている。第2メンブレンスペーサ65を第2固定側メンブレンシート61の所定位置に配置し、そして折曲げ線L1で第2可動側メンブレンシート62及び第1可動側面ブレンシート52を第2固定側メンブレンシート61の方へ折り返したとき、位置決め孔65aは位置決め孔61a,62aに対向し、位置決め孔65bは位置決め孔61b,62bに対向する。更に、折曲げ線L2(図13参照)で第2メンブレンスペーサ65を第1メンブレンスペーサ55の方へ折り曲げたとき、位置決め孔65a,65bは位置決め孔55a,55bに対向する。第2メンブレンスペーサ65には打抜き孔65cが形成されている。打抜き孔65cは一対の可動接点64a,64bを固定接点63に接触可能にする空間S2(図8参照)を構成する。
【0044】
図1及び図2に示すように、第1メンブレンスイッチ5は両面テープ(図示せず)によって補強板本体41の上面に貼り付けられる。第2メンブレンスイッチ6は折曲げ線L2(図3参照)によって第1メンブレンスイッチ5の方へ折曲げられ、両面テープ(図示せず)によって補強版本体41の下面に貼り付けられる。
【0045】
クリック板7は固定シート13によって第2メンブレンスイッチ6の下面に固定されている。クリック板7は可動接点64a,64bに対向する(図8参照)。また、クリック板7はリアプレート3の反転用ボス32aに対向する。
【0046】
カバー8は熱可塑性エラストマやシリコンゴム等の弾性材料で形成されている。カバー8は操作部81と肉薄部82と固定部83とを有する。
【0047】
図9に示すように、操作部81はフロントフレーム9の外部へと露出する。
【0048】
図10に示すように、操作部81はほぼトレイ状である。その下面の可動接点54a〜54e(図13参照)に対向する部分には、押圧式入力装置の幅方向D2(図11参照)へ延びたキー811a,811b,811c,811d,811eが形成されている。キー811a〜811eの中央部には可動接点54a〜54eを押圧するための突起812a,812b,812c,812d,812eが形成されている。したがって、操作部81のキー811a〜811eが設けられている部分の裏側、及びその周辺部分を押圧すると、キー811a〜811e及び突起812a〜812eを介して、押圧力が第1メンブレンスイッチ5に伝達され、押された位置に対応する部分の可動接点が固定接点に接触する。
【0049】
同様に、図11に示すように、操作部81の下面の可動接点54f,54g(図4参照)に対向する部分には凸部811f,811gが形成され、その先端面には可動接点54f,54gを押圧する突起812f,812gが形成されている。更に、凸部811f,811gの裏側には三角形状のボタン813f,813gが形成されている。
【0050】
すなわち、操作部81のキー811a,811b,811c,811d,811e及び凸部811f,811gと、それらの裏側及びその周辺部分(図12の網掛け部分)とで、入力エリア814a,814b,814c,814d,814e,814f,814gが構成される。
【0051】
図12に示すように、操作部81の上面には、入力エリア814a〜814eを仕切るように、凹部815a,815b,815c,815dが形成されている。図10に示すように、凹部815a〜815dの反対側にはそれぞれ突起816a,816b,816c,816dが形成されている。突起816a〜816dは第1可動側メンブレンシート52を介して第1メンブレンスペーサ55に突き当たることにより、凹部815a〜815dを支える。この結果、ある入力エリアを押圧したときに隣りの入力エリアの可動接点が固定接点に接触するのが防止され、各入力エリアの独立性が確保される。
【0052】
図11に示すように、凸部811cと凸部811fとの間及び凸部811cと凸部811gとの間にはそれぞれ突起817a,817bが形成されている。突起817a,817bは突起816a〜816dと同様の機能を有する。
【0053】
図1及び図2に示すように、肉薄部82はほぼ正8角形であり、操作部81の下部に連結されている。
【0054】
固定部83は肉薄部82の4辺にそれぞれ連結されている。固定部83と肉薄部82との間には段差が付けられている。この段差は第1メンブレンスイッチ5の厚さにほぼ等しい。固定部83には、第1ボルト挿入孔83a、第2ボルト挿入孔83b及びボス挿入孔83cが形成されている。第1ボルト挿入孔83a、第2ボルト挿入孔83b及びボス挿入孔83cはそれぞれ厚さ方向D1で補強板4の第1ボルト挿入孔42a、第2ボルト挿入孔42b及び第3ボス挿入孔42cに対向する。
【0055】
フロントフレーム9は金属薄板を打抜き加工及びプレス加工することにより形成される。フロントフレーム9はフレーム部91と固定部92とを有する。フレーム部91はほぼ正8角形の枠状である。
【0056】
固定部92はフレーム部91の4辺にそれぞれ連結されている。固定部92とフレーム部91との間には段差が付けられている。この段差は第1メンブレンスイッチ5の厚さにほぼ等しい。固定部92には、第1ボルト挿入孔92a、第2ボルト挿入孔92b及びボス挿入孔92cが形成されている。第1ボルト挿入孔92a、第2ボルト挿入孔92b及びボス挿入孔92cgはそれぞれ厚さ方向D1でカバー8の第1ボルト挿入孔83a、第2ボルト挿入孔83b及び第3ボス挿入孔83cに対向する。
【0057】
次に、この押圧式入力装置の組立手順について説明する。
【0058】
押圧式入力装置を組み立てる前に、予め第1及び第2メンブレンスイッチ5,6を組み立てる。
【0059】
第1及び第2メンブレンスイッチ5,6を組み立てるには、まず図13に示すように、第1及び第2メンブレンスペーサ55,65をそれぞれ第1及び第2固定側メンブレンシート51,61の所定位置に接着する。
【0060】
次に、折曲げ線L1で連結片56を折り曲げて、第1可動側メンブレンシート52を第1メンブレンスペーサ55に接着するとともに、第2可動側メンブレンシート62を第2メンブレンスペーサ65に接着する。このとき、第1及び第2可動側メンブレンシート52,62をそれぞれ第1及び第2メンブレンスペーサ55,65に対して位置決めする。このようにして図3に示す第1及び第2メンブレンスイッチ5,6が完成する。
【0061】
その後、押圧式入力装置の組立に移る。まず、第2メンブレンスイッチ6を折曲げ線L2で第1メンブレンスイッチ5の方へ折り返す。
【0062】
次に、この状態で、図1及び図2に示すように、第1メンブレンスイッチ5と第2メンブレンスイッチ6との間に補強板4を配置し、第1メンブレンスイッチ5を両面テープ(図示せず)で補強板本体41の上面に貼着し、第2メンブレンスイッチ6を両面テープ(図示せず)で補強板本体41の下面に貼着する。このとき、第1及び第2のメンブレンスイッチ5,6をそれぞれ補強板本体41に対して位置決めする。
【0063】
その後、クリック板7を固定シート13によって第2メンブレンシート6の下面に固定する。このとき、クリック板7の頂部をリアプレート3の反転用ボス32aに対向させる。
【0064】
次に、図14に示すように、補強板4のボス挿入孔42cにリアプレート3の位置決め用ボス31cを挿入する。これにより、リアプレート3の所定位置に第1及び第2メンブレンスイッチ5,6が取り付けられた補強板4が搭載される。
【0065】
その後、カバー8のボス挿入孔83cにリアプレート3の位置決め用ボス31cを挿入する。これにより、補強板4の所定位置にカバー8が搭載される。
【0066】
次に、フロントフレーム9のボス挿入孔92cにリアプレート3の位置決め用ボス31cを挿入する。これにより、カバー8の所定位置にフロントフレーム9が搭載される。
【0067】
最後に、図15に示すように、第1ボルト挿入孔92a,83a,42aを通じてボルト14をねじ穴31aにねじ込む。
【0068】
以上のようにして、リアプレート3、補強板4、カバー8及びフロントフレーム9が一体化され、押圧式入力装置が完成する。
【0069】
次に、この押圧式入力装置の動作について説明する。
【0070】
図16はディスプレイの画面に表示された複数の項目から特定の項目を比較的ゆっくりと選択するときの操作を説明するための概念図であり、図16(a)はディスプレイの画面の変化を示す概念図、図16(b)はそのときの指の動きを示す概念図、図17はディスプレイの画面に表示された複数の項目から特定の項目を素早く選択するときの操作を説明するための概念図であり、図17(a)はディスプレイの画面の変化を示す概念図、図17(b)はそのときの指の動きを示す概念図である。
【0071】
指Fが入力エリア814aに接触し、1つの項目(ここでは「001 AAA」)が選択されている状態(図16(a)の左側図に示す状態)から、指Fを隣りの入力エリア814bへ動かすと、カーソルCが1つ隣りの項目(「002 BBB」)に移る(図16(a)の右側図に示す状態)。
【0072】
このとき、操作者は指先Fに1回しか凹部815aの感触を感じないので、カーソルCの移動と凹部815aに触れた感触とが1対1で対応し、カーソルCの動きすぎを防ぐことができる。したがって、ブラインドタッチで操作しやすい。
【0073】
このため、図17(b)に示すように、ブラインドタッチで素早く指先Fを動かしても、図17(a)に示すように、目的の項目(ここでは「005 EEE」)を容易に選択することができる。
【0074】
目的の項目が選択された後、選択操作のときよりも少し強い力で、入力エリア814a〜814eを押し込めば、第2メンブレンスイッチ6(図8参照)の一対の可動接点64a,64bが固定接点63に接触し、入力信号が出力される。この信号に基づいて選択された項目に対応するプログラムが実行される。また、このとき、クリック板7が反転用ボス32aによって押圧されて反転するので、明確な操作感を得られる。
【0075】
画面中に目的の項目が表示されてない場合、ボタン813g又はボタン813fを押圧することによって表示画面を先に進めたり、戻したりして目的の項目を探す。
【0076】
以上のように、この実施形態によれば、触覚を通じて得られる操作感と画面上のカーソルの動きとが一致するため、入力操作をブランドタッチで容易に行なうことができる。また、項目の選択だけでなく、項目に対応するプログラムを実行させることができる。
【0077】
なお、この実施形態では、平面型スイッチとしてメンブレンスイッチ5,6を用いているが、平面型スイッチはメンブレンスイッチに限られない。例えば、抵抗膜式タッチパネル等がある。
【0078】
また、この実施形態では、第2メンブレンスイッチ6を備えているが、第2メンブレンスイッチ6は必ずしも必要でない。
【0079】
なお、凹部816a〜815dに代えて凸部にしてもよい。
【0080】
図18は第1実施形態の第2メンブレンスイッチを他のものに代えた第1の変形例の断面図である。
【0081】
この変形例の第2の平面型スイッチ106は、メンブレンシート161と、このメンブレンシート161に配置された固定接点163a,163b,163cと、導電性及び弾性を有する材料で形成されたクリック板107とからなる。クリック板107は可動接点を兼ねている。
【0082】
この変形例は第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、押圧式入力装置の低背化を促進することができる。
【0083】
図19は第1実施形態の第2メンブレンスイッチを他のものに代えた第2の変形例の断面図である。
【0084】
この変形例では、第2の平面型スイッチとしてタクトスイッチ206を用いている。
【0085】
この変形例は第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0086】
図20は第1実施形態のカバーを他のものに代えたの第3の変形例のカバーの平面図、図21は図20のXXI−XXIに沿う断面図である。
【0087】
図20及び図21に示すように、弾性材料からなるカバー108の表面に合成樹脂製の可撓性に富んだキャップ150が被せられている。
【0088】
この変形例は第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、キャップ150に印刷等とにより簡単に装飾を施すことができる。
【0089】
図22は第2実施形態に係る押圧式入力装置の断面図である。
【0090】
第1実施形態と共通する構成部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成部分についてだけ説明する。
【0091】
第1実施形態では、カバー8の入力エリア814a〜814eの境界に凹部815a〜815dを形成したが、この実施形態では、カバー208の入力エリアの境界に凸部285を形成した。しかも、凸部285の間隔は指先Fの幅wよりも僅かに狭くした。
【0092】
この実施形態は第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、操作中に操作者により確実に凸部285を認識させることができるので、指先をどのくらい滑らせたらディスプレイ画面中のカーソルがどのくらい動くかがより予測しやすくなる。
【0093】
なお、第2実施形態の変形例としては凸部285に代えて凹部を形成したもの(凹部の間隔は凸部285の間隔と同じ)が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る押圧式入力装置を斜め上方から見たときの分解斜視図である。
【図2】図2は図1に示す押圧式入力装置を斜め下方からみたときの分解斜視図である。
【図3】図3は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチの平面図である。
【図4】図4は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチのメンブレンシートの展開図である。
【図5】図5は図1に示す第1及び第2メンブレンスイッチのメンブレンスペーサの平面図である。
【図6】図6は図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図7は図3のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図8は図3のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図9は図1に示す押圧式入力装置の平面図である。
【図10】図10は図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図11は図9のXI−XIに沿う断面図である。
【図12】図12は図1に示す押圧式入力装置の入力領域を示す平面図である。
【図13】図13は図3に示す第1及び第2メンブレンスイッチの組立方法を説明するための平面図である。
【図14】図14は図9のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】図15は図9のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16(a)】図16(a)はディスプレイの画面の変化を示す概念図である。
【図16(b)】図16(b)はそのときの指の動きを示す概念図である。
【図17(a)】図17(a)はディスプレイの画面の変化を示す概念図である。
【図17(b)】図17(b)はそのときの指の動きを示す概念図である。
【図18】図18は第1実施形態の第2メンブレンスイッチを他のものに代えた第1の変形例の断面図である。
【図19】図19は第1実施形態の第2メンブレンスイッチを他のものに代えた第2の変形例の断面図である。
【図20】図20は第1実施形態のカバーを他のものに代えたの第3の変形例のカバーの平面図である。
【図21】図21は図20のXXI−XXIに沿う断面図である。
【図22】図22は第2実施形態に係る押圧式入力装置の断面図である。
【符号の説明】
【0095】
4 補強板(保持プレート)
5 第1メンブレンスイッチ(第1の平面型スイッチ)
6 第2メンブレンスイッチ(第2の平面型スイッチ)
7 クリック板
8 カバー
815a,815b,815c,815d 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の接触を検出する複数の接触検出手段を所定間隔で平面的に配列してなる第1の平面型スイッチと、
前記第1の平面型スイッチの上面を覆うカバーと、
前記カバーに形成され、前記複数の接触検出手段と対向して前記物体接触時の押圧力を前記複数の接触検出手段に伝達する複数の入力エリアと、
前記カバーの上面に、前記複数の入力エリアを仕切るように形成された複数の凹部又は凸部と
を備えていることを特徴とする押圧式入力装置。
【請求項2】
前記凹部又は凸部間の長さが指先の幅よりもやや小さいことを特徴とする請求項1記載の押圧式入力装置。
【請求項3】
前記第1の平面型スイッチを上下方向へ移動可能に保持する保持プレートと、
前記第1の平面型スイッチの下方に前記保持プレートを介して配置され、いずれかの前記入力エリアに前記物体接触時の押圧力以上の押圧力が作用したときに、検出信号を出力する第2の平面型スイッチと
を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の押圧式入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−59709(P2006−59709A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241141(P2004−241141)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】