説明

押釦ユニット

【課題】押釦と枠体と緩衝材による簡易な構造で、製造も容易な押釦ユニットを提供する。
【解決手段】押釦3に設けられた被案内部が、枠体2に設けられた案内部24に沿って差し込まれ、枠体2の案内部24に遊びをもって係合する。押釦3が組み込まれた枠体2を筐体1に固定し、筐体1の底面を上にして置き、押釦3に緩衝材4を各々載置する。押釦3は、被案内部の上方変位を妨げる上方当接面33bと、被案内部33の下方変位を妨げる下方当接面33cとをそれぞれ有し、押釦3を緩衝材4の上に載置して被案内部と案内部24との下方当接面間を押圧長さと同じもしくはそれ以上離間させ、押釦3を下方に押圧すると、押釦3が緩衝材4を変形させながら下方に変位し、押釦3が押圧検出部5を押圧する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、押圧操作の電気的検出が必要な機器、例えば携帯電話機の操作に必要な押釦に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話機の操作にかかる部位には、複数の操作釦が規則的に配列されている。近年では、携帯電話の小型化が進み、それに付随して操作釦同士の間隔が小さくなっており、以下に記載した先行技術が存在している。
【0003】
具体的には、ゴム状のシート部材に各々の操作釦が一体に成形されており、そのシート部材を回路基板に配置された押圧検出部の上面に各々の操作釦を臨ませて載置し、筐体に固定している。
【特許文献1】特開2005−190936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらのシート状の操作釦は、一体成形しているので各部位の交換がし難く、分解が困難であって、廃棄の際なども分別が困難となっており、製造工程も複雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、操作機器の外郭を構成する筐体を貫く孔に配置された枠体と、枠体の上面に露出して枠体に設けられる収納孔に配置された状態で下方に押圧可能な押釦と、押釦の下面に臨んで配置される緩衝材とを有し、押釦は、押圧方向に押圧されることで押圧を電気的に検出する押圧検出部の上方に臨み、押釦を所定の押圧長さで押圧方向に押圧すると押釦が押圧検出部を押圧する押釦ユニットにおいて、押釦に設けられた被案内部は、枠体に設けられた案内部に沿って差し込まれ、案内部に遊びをもって係合し、案内部と被案内部は、互いに当接することで被案内部の上方変位を妨げる上方当接面と、互いに当接して被案内部の下方変位を妨げる下方当接面とをそれぞれ有し、押釦を緩衝材の上に載置して被案内部と案内部との下方当接面間を押圧長さと同じもしくはそれ以上離間させ、押釦を下方に押圧すると、押釦が緩衝材を変形させながら下方に変位し、押釦が押圧検出部を押圧することを特徴とする押釦ユニット、
【0006】
押釦は、押圧可能に筐体の外面に連なって配列される押圧部と、押圧部の下面から延出する一対の鉤部と、押圧部の下面から下方に向かって突出して押圧検出部を押圧可能な可動部とを有し、被案内部は、鉤部の上面を上方当接面とし、上方当接面に対向する押圧部の下面の部位を下方当接面とし、上方当接面と下方当接面の間に板形状からなる案内部を遊びをもって係合していることを特徴とする押釦ユニット、
【0007】
鉤部の先端部と先端部に臨む枠体には、押釦の押圧方向に沿って各々伸びた仮止部が設けられ、一方は凸部であって、他方は凸部の一部が進入する凹部であることを特徴とする押釦ユニット、
【0008】
押圧部に設けられた規制凸部は、枠体もしくは筐体に臨んで配置され、押圧方向に対して傾いた押圧がされたときに、規制凸部が枠体もしくは筐体に当接することで押圧部が押圧方向に対して更に傾くのを抑えていることを特徴とする押しボタンユニット及び、
【0009】
緩衝材の中央に設けられた孔に可動部が挿通されていることを特徴とする押釦ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、押釦と枠体と緩衝材があれば簡易な構造の押釦ユニットを作ることができ、枠体や部品の取替えや交換も容易となっている。請求項2の発明によれば、押釦と押釦の間に枠体を設ける必要がなくなるので、狭ピッチの押釦ユニットとすることができる。請求項3の発明によれば、押釦の稼動への影響を最小限にして、枠体に押釦を組み込んだ場合に、枠体から押釦の脱落を防ぐことができる。請求項4の発明によれば、押釦の傾きを抑えて、押釦の稼動への影響を最小限にすることができる。請求項5の発明によれば、スペースを有効に活用し、押釦の押圧時にバランスよく付加を与えることができ、押釦の傾きを抑えて操作性を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、この発明の実施形態における押釦ユニット10が搭載された携帯機器8の背面側斜視図を表す図1、本発明に関連しない内部構造を省略した図1のA−A断面を表す図2、同実施形態の押釦3を枠体2に収納した状態の背面側斜視図を表す図3(a)、同実施形態の押釦3を枠体2に収納した状態の正面側斜視図を表す図3(b)、図1のB−B断面の本発明の関連箇所を表す図4、同実施形態の枠体2の背面図を表す図5(a)、同実施形態の枠体2の正面図を表す図5(b)、同実施形態の枠体2の背面図を表す図5(c)、同実施形態の枠体2の正面図を表す図5(d)、同実施形態の枠体2の右側面図を表す図5(e)、同実施形態の枠体2の左側面図を表す図5(f)、同実施形態の枠体2の背面側斜視図を表す図6(a)、同実施形態の枠体2の正面側斜視図を表す図6(b)、同実施形態の押釦3の背面図を表す図7(a)、同実施形態の押釦3の正面図を表す図7(b)、同実施形態の押釦3の背面図を表す図7(c)、同実施形態の押釦3の正面図を表す図7(d)、同実施形態の押釦3の右側面図を表す図7(e)、同実施形態の押釦3の背面側斜視図を表す図8(a)、同実施形態の押釦3の正面側斜視図を表す図8(b)、以上に基づいてこの発明の実施形態を説明する。
【0012】
まず、本発明にかかる押釦ユニット10は、枠体2と枠体2に取り付けられた複数の押釦3と緩衝材4とからなっている。操作機器の一例である携帯機器8の筐体1に取り付けられている状態においては、押釦ユニット10は携帯機器8の外郭を構成する筐体1を貫通する孔11に配置し、押釦3の正面側が携帯機器8の回路基板66に配置された複数の押圧検出部5にそれぞれ当接可能に配置されている。押釦3を背面から正面に向かう垂直方向(以後、押圧方向または下方と記載する)に押圧することで、押釦3が押圧検出部5を押して押圧検出部5にあるスイッチ接点を接触させることができるので、電気的に押圧を感知し、携帯機器8が有する機能を選択し実行させるものである。以下、押釦ユニット10に関する携帯機器8の構成部品と押釦ユニット10の構成部品について説明をする。
【0013】
筐体1は、例えば金属や絶縁性樹脂などからなっており、複数の部品が実装された回路基板6を収納している。更に筐体1には、孔11の周辺に配置され枠体2を取り付ける被取付部12が設けられている。押圧検出部5は、静的接点の上に動的接点を臨ませたスイッチ接点を内包するメンブレンスイッチ(図示せず)の上に板状金属をプレス加工で成形したクリック感を持つクリックバネ(図示せず)を配して表面を絶縁性樹脂でコーティングしたものである。
【0014】
枠体2は絶縁性樹脂を成型して成り、枠体2の長手方向を構成する一対の横枠23と、一対の横枠23の間をそれぞれ略均等な間隔で配置された縦枠22,22,22,22とから主に成っている。更に枠体2は、この横枠23と縦枠22によって囲われて成る収納孔21と、収納孔21に一対ずつ相対向して配置された案内部24と、横枠23の背面側を切り欠いて設けられた逃げ凹部25と、筐体1に取付可能な取付部29とが設けられている。
【0015】
案内部24は、収納孔21を介して隣り合う縦枠22に縦枠22の長手方向の一部に沿って設けられ、板形状を成し、押圧方向に対して垂直な面を成している。案内部24の上面が下方当接面24cで、下面が上方当接面24bとなっている。下方当接面24cは、押圧方向に沿って変位可能な押釦3が枠体2に対して下方に変位するのを妨げる面となり、上方当接面24bは、押圧方向に沿って変位可能な押釦3が枠体2に対して上方に変位するのを妨げる面となっており、共に押圧方向に対して交差関係にあり、互いに平行となっている。下方当接面24cの長手方向に沿って同一高さを有する突起が設けられており、押圧操作の際にこの突起が押釦3に当接して、押釦3の許容以上の下方変位を防ぐ。案内部24の長手方向の一端である正面側を開放し、長手方向の他端である背面側を横枠23で閉じている。
【0016】
収納孔21を介して隣り合う一対の縦枠22には、下方当接面24cより下側であって背面に偏らせた部位に、収納孔21内に山状に突出する仮止凸部27が各々設けられている。この仮止凸部27は、押圧方向に垂直な断面で見ると三角形状の断面となるように、縦枠22の下端から上方に向かって下方当接面24cまで伸びている。逃げ凹部25は、収納孔21に臨む横枠23の略中央を切り欠いたもので、背面側と背面側と正面側に向かって開口している。取付部29は、もっとも右側の縦枠22が背面側に向かって伸びて設けられた部位と、左側から二番目の縦枠22が正面側に向かって延びて設けられた部位に在り、正面から背面に向かって各々円筒状の孔が貫通する取付部29となっている。
【0017】
押釦3は、収納孔21に各々収納された状態で、押圧方向への押圧に従って収納孔21内で押圧方向に移動するものである。押釦3は、外部から押圧可能に筐体1の外面に連なる様に配列される略矩形状の駒形状をなす押圧部31と、一対の鉤部32と、押圧部31の下面中央から突出して鉤部32の間に配置された可動部34とから主に成る。押釦3には更に、平面視において押圧部31の一対の長辺側の底面端部から押釦3の正面側及び背面側に延出し、押圧方向に垂直な面を形成する一対の規制凸部38が設けられている。規制凸部38は、押釦ユニット10が筐体1に固定されると筐体1の底面に臨んで規制凹部に収納され、押圧操作時に押圧部31が押圧方向に対してやや傾いて押圧された場合に、規制凸部38が筐体1の規制凹部や枠体2の逃げ凹部25の内壁に干渉することによって、押圧部31の押圧方向への押圧が所定以上傾くことを妨げている。鉤部32は、平面視における押圧部31の短辺よりやや短い幅をもって押圧部31の底面から垂下し、平面視において長手方向の外方に向かって直角に曲げられて形成される。
【0018】
被案内部33は、押圧部31の下面に平行な鉤部32先端の上面である上方当接面33bと、押圧部31の底面であって上方当接面33bに対向する部位である下方当接面33cとからなり、案内部24に沿わせて差し込んで、案内部24に係合するものである。被案内部33の上方当接面33bは、案内部24の上方当接面に当接することで枠体2に対する上方変位を妨げる面となり、被案内部33の下方当接面33cは、案内部24の下方当接面24cに当接することで枠体2に対する下方変位を妨げる面であって、共に押圧方向に対して交差しており互いに平行になっている。被案内部33の下方当接面33cは、押圧操作時において案内部24の下方当接面24cの長手方向に沿って同一高さを有する突起に当接して、許容以上に下方変位してしまうことを防いでいる。被案内部33の上方当接面33bと下方当接面33cの間の長さは、案内部24の上方当接面24cと下方当接面24cの間の長さより大きくなっている。この被案内部33と案内部24の長さの差は、詳しくは案内部24と被案内部33の係合の遊びであって、押釦3の押圧長さと同じもしくはやや長く、押釦3の押圧を許容するものである。
【0019】
更に鉤部32の押圧部31の底面に平行な先端部位には、仮止凹部37が設けられている。仮止凹部37は、押圧部31の底面に平行な先端部位を平面視で三角形になる様に切り欠いて形成され、押釦3を収納孔21に収納した時に仮止凸部27を進入可能にしている。 可動部34は、押圧部31の底面中央であって、一対の鉤部32と一対の規制凸部38の間に突出する略筒状の突起であって、押釦ユニット10が携帯機器8に組み込まれると押圧検出部5に臨む位置になっており、押圧部31の押圧によって、押圧検出部5に所定の押圧を行い、押圧検出部5に押圧を検出させる。
【0020】
緩衝材4は、例えばウレタンやオレフィン系発泡体などからなる立方形状のスポンジである。詳しくは、押圧部31底面の短辺側及び長辺側から立ち上がる鉤部32や規制凸部38の内側に充分に収納できる底面積を有し、押釦ユニット10を携帯機器8に取り付けた時に、押圧部31の底面と回路基板6の正面との間に若干圧縮されて保持されるように、押圧部31の底面と押圧検出部5の周辺の基板の平面の間の長さよりやや長い高さを有した形状に加工されている。更に、可動部34が緩衝材4を貫いて押圧検出部5を検出可能とすべく、緩衝材4の底面から平面の中央を貫通する貫通孔41が設けられている。
【0021】
組立について以下に述べる。まず枠体2の収納孔21に各々の押釦3を組み込む。一対の案内部24の正面側に開放する一端に、一対の被案内部33の背面側端部を差し込み、案内部24に被案内部33を案内させ、正面側から背面側に向かって係合させていき、押釦3を枠体2に組み込む。この時、仮止凸部27に鉤部32の背面側端部が当接するが、更に押し込むことで仮止凸部27によって鉤部32が押圧部31の中央に向かって弾性変形させられ、仮止凸部27を乗り越えて被案内部33が更に挿入される。鉤部32の背面側端部が、案内部24の他端を塞ぐ横枠23に当接するまで挿入すると、押釦3の組み込みが完了する。この時、被案内部33と案内部24は、被案内部33の上方当接面33bと下方当接面33cの間隔と案内部24の上方当接面24cと下方当接面24cの間隔は長さに差があるので遊びをもって係合し、被案内部33と案内部24の上方当接面24b,33bの当接が押釦3の上方への移動を制限し、下方当接面24c、33cの当接が押釦3の下方への移動を制限している。また、仮止凸部27は、平面視三角形状の先端を少なくとも仮止凹部37に収納しているので、案内部24と被案内部33の係合が外れるのを防ぎ、枠体2からの押釦3の脱落しない様に仮止めすることができる。また、仮止凸部27と仮止凹部37の正面視の断面が遊びを持って係合し、共に底面から平面に向かって伸びて設けられているので、押釦3の押圧動作時を妨げずに、仮止凹部37内に仮止凸部27が進入した状態でも被案内部33は案内部24に対して上下に変位することができる。
【0022】
押釦3が仮止されて組み込まれた枠体2を筐体1に固定する。筐体1の底面側から孔11に枠体2を臨ませると、筐体1の被取付部(図示せず)が枠体2の取付部29を挿通し、この被取付部を熱溶着して枠体2を筐体1に取り付ける。枠体2が取り付けられた筐体1の底面を上にして置き、押釦3に緩衝材4を各々載置する。詳しくは、緩衝材4の貫通孔41を可動部34に挿通させて一対の規制凸部38と一対の被案内部33の間に緩衝材34を配置して、押圧部31の底面に緩衝材4を載置する。
【0023】
筐体1に、予め押圧検出部5やその他必要な電子部品(図示せず)が実装された回路基板6が設置された反対側の筐体1を組み合わせると、押圧検出部5と緩衝材4と押釦3が各々所定の位置関係に配置されて組立が終了する。詳しくは、緩衝材4は、一対の規制凸部38と一対の被案内部33との間で、押圧検出部5の平面と押釦3の底面に挟まれてわずかに圧縮された状態で配置される。したがって、案内部24と被案内部33の各々の上方当接面33bが押し当てられるので、各々の押圧部31の平面が所定の高さに連なって配置され、案内部24の下方当接面24cと被案内部33の下方当接面33cを確実に離間させることができる。更に、遊びがある被案内部33の上方当接面33bが案内部24の上方当接面24cに押し当てられているので、携帯機器8を振った場合でも枠体2と押釦3との干渉による雑音を防ぐことができる。 筐体1の孔11には、押圧部31が外部から押圧可能に筐体1の外面に連なっている。押圧部31の下方当接面33cと上方当接面33bの間に板状の案内部24を挿通しているので、隣り合う押圧部31が互いに対面する端部が共に縦枠2を覆い隠す。したがって、押圧部31間の隙間を無くすことができ、押圧部31を敷き詰めて配列して押釦3と押釦3との間の配置間隔を小さくすることができる。
【0024】
本実施例における使用について以下に述べる。 案内部24と被案内部33の上方当接面24c,33bが当接する未押圧状態の押圧部31を押圧方向に押し込むと、下方に変位する押圧部31の底面が緩衝材4の弾性力に抗して下方に緩衝材4を押し込んで潰しながら可動部34の底面が下方に変位していく。これに伴って下方に変位する可動部34が、押圧検出部5を押込むと、押圧検出部5の可動接点(図示せず)は、下方に変位させられて固定接点(図示せず)に接触して押圧が検出される。この過程においては、未押圧状態において緩衝材4によって上方に付勢された押圧部31の被案内部33の上方当接面33bは、案内部24の上方当接面24bに当接しているが、押圧部31の押圧によって被案内部33の上方当接面33bは、枠体2の上方当接面24bから離れて下降する。押圧検出部5の検出状態においては、下降した被案内部33の下方当接面33cが、案内部24の下方当接面24cの突起部に当接し、押圧部31が押圧方向にこれ以上変位しないようにしている。押圧していない状態から押圧検出部5に押圧を検出させるまでの押圧部31の押圧長さは、未押圧状態の被案内部33の下方当接面33cから案内部24の下方当接面24cまでの長さとなる。
【0025】
この時、被案内部33と案内部24は、被案内部33の上方当接面33bと下方当接面33cの間隔と案内部24の上方当接面24bと下
方当接面24cの間隔に遊びがあり、緩衝材4によって押釦3が枠体2に対して上方に位置させられ、押釦3と枠体2の下方当接面24c,33c同士が押圧長さと同じもしくはそれ以上離れている為、押釦は押圧方向に押圧長さ分の変位を可能にしている。また、仮止凸部27は、正面視三角形状の先端側を少なくとも仮止凹部37に収納されているので、筐体1に固定する前の押釦ユニット10の案内部24と被案内部33の係合が外れ難くなっており、枠体2からの押釦3の脱落を防ぐことができ、作業性を担保している。また、仮止凸部27と仮止凹部37の正面視の断面が遊びを持って係合して、共に底面から平面に向かって伸びて設けられているので、被案内部33と案内部24に対して垂直方向に変位を許容しながら押釦3の押圧動作を妨げない。
【0026】
本実施例において、被案内部33は正面視でコ字形状で案内部24は板形状であるがこれに限らない。押釦3と押釦3間の間隔を小さくする必要がなく、枠体2の縦枠22を露出しても良い場合は、被案内部33を板形状とし案内部24はコ字形状にして押釦3と押釦3の間に枠体2が上部に露出する様にしても良い。また、本実施例の様に、未押圧状態において被案内部33と案内部24の上方当接面24b,33bが、緩衝材4の弾性力によって当接している必要は無い。例えば、押釦3は緩衝材4の上面に載置してあるだけでも良い。未挿入状態において、被案内部33の下方当接面33cと案内部24の下方当接面24c間の長さが、押圧長さと同じもしくはそれ以上を担保できる様に、緩衝材4が押釦3を上方に位置させていれば本発明の効果を奏することができる。この場合、被案内部33と案内部24の干渉による音は下方当接面24c,33cの接触が無い分、削減することができる。
【0027】
また、枠体2の上方当接面24bに当接した状態から下方当接面24cに当接するまでの変位量が必ずしも押圧長さと同じになる必要はなく、例えば、下方当接面24c,33cの当接より先に、枠体2や筐体1や回路基板6などに設けられた別の下方当接面が押釦3の別の下方当接面に当たるようにしても良いからである。被案内部33と案内部24はあくまで押釦3が押圧検出部5を押込む動作を許容していれば、本発明の目的を達成する。また緩衝材4は、押釦ごとにそれぞれ分かれた本実施例の形に限られず、一枚のシート状の緩衝材4に貫通孔41が可動部34に対応して設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施形態における押釦ユニット10が搭載された携帯機器8の平面側斜視図。
【図2】図1のA−A断面図(関連しない内部構造は省略)。
【図3】(a)同実施形態の押釦3を枠体2に収納した状態の平面側斜視図、(b)同実施形態の押釦3を枠体2に収納した状態の底面側斜視図。
【図4】図1のB−B断面図の本発明関連箇所拡大図。
【図5】(a)同実施形態の枠体2の平面図、(b)同実施形態の枠体2の底面図、(c)同実施形態の枠体2の背面図、(d)同実施形態の枠体2の正面図、(e)同実施形態の枠体2の右側面図、(f)同実施形態の枠体2の左側面図
【図6】(a)同実施形態の枠体2の平面側斜視図、(b)同実施形態の枠体2の底面側斜視図
【図7】(a)同実施形態の押釦3の平面図、(b)同実施形態の押釦3の底面図、(c)同実施形態の押釦3の背面図、(d)同実施形態の押釦3の正面図、(e)同実施形態の押釦3の右側面図
【図8】(a)同実施形態の押釦3の平面側斜視図、(b)同実施形態の押釦3の底面側斜視図
【符号の説明】
【0029】
1 筐体 11 孔 12 被取付部 13 規制部2 枠体 21 収納孔 22 縦枠 23 横枠24 案内部 24b 上方当接面 24c 下方当接面 25 逃げ凹部27 仮止凸部 29 取付部3 押釦 31 押圧部32 鉤部33 被案内部33b 上方当接面33c 下方当接面 33ca 34 可動部 37 仮止凹部 38 規制凸部4 緩衝材 41 貫通孔5 押圧検出部6 回路基板7 押釦ユニット8 携帯機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作機器の外郭を構成する筐体を貫く孔に配置された枠体と、前記枠体の上面に露出して前記枠体に設けられる収納孔に配置された状態で下方に押圧可能な押釦と、前記押釦の下面に臨んで配置される緩衝材とを有し、前記押釦は、前記押圧方向に押圧されることで該押圧を電気的に検出する押圧検出部の上方に臨み、前記押釦を所定の押圧長さで押圧方向に押圧すると前記押釦が押圧検出部を押圧する押釦ユニットにおいて、前記押釦に設けられた被案内部は、前記枠体に設けられた案内部に沿って差し込まれ、前記案内部に遊びをもって係合し、前記案内部と前記被案内部は、互いに当接することで前記被案内部の上方変位を妨げる上方当接面と、互いに当接して前記被案内部の下方変位を妨げる下方当接面とをそれぞれ有し、前記押釦を前記緩衝材の上に載置して前記被案内部と前記案内部との下方当接面間を前記押圧長さと同じもしくはそれ以上離間させ、前記押釦を下方に押圧すると、前記押釦が前記緩衝材を変形させながら下方に変位し、前記押釦が前記押圧検出部を押圧することを特徴とする押釦ユニット。
【請求項2】
前記押釦は、押圧可能に前記筐体の外面に連なって配列される押圧部と、前記押圧部の下面から延出する一対の鉤部と、前記押圧部の下面から下方に向かって突出して押圧検出部を押圧可能な可動部とを有し、前記被案内部は、前記鉤部の上面を上方当接面とし、該上方当接面に対向する前記押圧部の下面の部位を下方当接面とし、前記上方当接面と下方当接面の間に板形状からなる前記案内部を遊びをもって係合していることを特徴とする請求項1記載の押釦ユニット。
【請求項3】
前記鉤部の先端部と該先端部に臨む枠体には、押釦の押圧方向に沿って各々伸びた仮止部が設けられ、一方は凸部であって、他方は前記凸部の一部が進入する凹部であることを特徴とする請求項2記載の押釦ユニット。
【請求項4】
前記押圧部に設けられた規制凸部は、前記枠体もしくは前記筐体に臨んで配置され、前記押圧方向に対して傾いた押圧がされたときに、規制凸部が前記枠体もしくは筐体に当接することで押圧部が押圧方向に対して更に傾くのを抑えていることを特徴とする請求項3記載の押釦ユニット。
【請求項5】
前記緩衝材の中央に設けられた孔に前記可動部が挿通されていることを特徴とする請求項1記載の押釦ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−295490(P2009−295490A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149441(P2008−149441)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】