説明

持ち上げ手押し台車

【解決手段】実質的垂直ガイドを備えているフレームと、ガイドの底部側の近くに位置していて横断シャフトの周りに回転可能である二つのホイールと、ガイドの上方側の近くに位置しているハンドルと、ガイドに沿って移動可能な持ち上げ要素と持ち上げ要素を移動させるための持ち上げ要素に連結されている持ち上げ駆動体を備えている持ち上げ装置と、ホイールを駆動するためのモーターと、ホイールと共働してホイールの回転を妨げるためのブレーキを備え、持ち上げ駆動体とモーターのオンオフを切り替えるためのハンドルによって操作されることができる制御装置が設けられ、持ち上げ要素の下方駆動位置ではブレーキが解放され、持ち上げ要素が下方駆動位置から持ち上げ位置に移動されるときにブレーキがかけられ、その場合には、ホイールがモーターによってポジショニング速度で駆動されることができることを特徴とする手押し台車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的垂直ガイドを備えているフレームと、ガイドの底部側の近くに位置していて横断シャフトの周りに回転可能である二つのホイールと、ガイドの上方側の近くに位置しているハンドルと、ガイドに沿って移動可能な持ち上げ要素と持ち上げ要素を移動させるための持ち上げ要素に連結されている持ち上げ駆動体を備えている持ち上げ装置と、ホイールを駆動するためのモーターと、ホイールと共働してホイールの回転を妨げるためのブレーキを備え、持ち上げ駆動体とモーターのオンオフを切り替えるためのハンドルによって操作されることができる制御装置が設けられた手押し台車に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの手押し台車はES 2 188 308から知られている。この刊行物では、駆動される持ち上げプラットフォームを有し、電気モーターによって駆動される手押し台車が説明されている。電気モーターは、既知の手押し台車がスロープを降りて行くとき、ブレーキとして働く。持ち上げの最中、手押し台車は、垂直ガイドが床に対して直角になるような静止手法で長方形枠体によって床に支えられる。
【0003】
既知の手押し台車は、手押し台車のフレームが持ち上げの最中は鉛直姿勢にされなければならいという欠点を有している。したがって、持ち上げられた積荷を操縦することは既知の台車では可能ではない。
【0004】
US2007/007051は、傾けられたおよび持ち上げられた積荷に依存しない一定速度で電気的に駆動される手押し台車を説明している。駆動される持ち上げプラットフォームは説明されていない。
【0005】
JP 2002 087269は、手押し台車が前方に押されるときにはモーターが自由に回転し、操作者が手押し台車を引くときには後者を遅くするためにモーターの動きが妨げられる手押し台車のための駆動を開示している。駆動される持ち上げ動作は説明されていない。
【0006】
GB 2 362 372は、ウォーム駆動体によって水力で駆動される持ち上げプラットフォームと、手押し台車の推進の手段としてホイールを回転駆動する駆動体を備えた手押し台車を説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ES 2 188 308
【特許文献2】US2007/007051
【特許文献3】JP 2002 087269
【特許文献4】GB 2 362 372
【発明の概要】
【0008】
大きい力やモーメントが操作者に及ぼされことなくフレームが操作者によって鉛直に対してある角度で維持されながら積荷が簡単な方法で持ち上げられることができる駆動方法で積荷を持ち上げるための手押し台車を提供することが本発明の目的である。
【0009】
持ち上げられた積荷を操作者が積荷配達位置に骨折りすることなく操縦することができる手押し台車を提供することもまた本発明の目的である。
【0010】
この目的のために、本発明による手押し台車は、持ち上げ要素の下方駆動位置ではブレーキが解放され、持ち上げ要素が下方駆動位置から持ち上げ位置に移動されるときにブレーキがかけられ、その場合には、ホイールがモーターによってポジショニング速度で駆動されることができるという事実によって特徴づけられる。
【0011】
手押し台車のフレームに沿った積荷の持ち上げが駆動される最中に、その積荷の重さがたとえば100kgくらいになるかもしれず、比較的低い持ち上げ位置に到達したときにブレーキがかけられるという事実のため、積荷がより高い位置に到着するとすぐに、手押し台車はもはや、無抑制な仕方で前方または後方へ回転する傾向をもたない。持ち上げ機能を備えた既知の手押し台車の場合には、後者は、台車を制御下に保つために操作者が大きな力を使用しなければならなくする。
【0012】
持ち上げ要素の底部位置では、ホイールは妨げが解除され、それらが手動で駆動されることができるか、それらが調整可能な移動変速でたとえば電気的に駆動されることができる。この場合、操作者は手押し台車の後方を歩き、フレームの上方側の近くにあるバーまたはT字状のハンドルで後者を保持し、それは鉛直に対してある角度にある。積荷が降されなければならない位置に操作者が到着したときに、彼は、積荷が持ち上げられるように、ボタンなどのハンドルに取り付けられている制御装置の一部によって持ち上げ駆動体を作動させることができる。この場合、ブレーキがかけられ、それにより、ホイールの回転が妨げられ、したがって、操作者によってある角度で保持された手押し台車が前方または後方に推進されるのを防止する。積荷の持ち上げられた位置では、操作者は、ブレーキによってまだ妨げられているホイールを比較的遅いポジショニング速度で駆動するために、ハンドルによってモーターを作動させることができる。その結果、持ち上げられた積荷は、抑制されてブレーキがかけられた手法で駆動される手押し台車を使用して、正確に位置決めされることができ、積荷は所望の位置に正確に降ろされることができる。
【0013】
手押し台車が手の力によって推進されるように、持ち上げ要素の下方駆動位置ではホイールが自由に走ることが可能である。持ち上げ位置では、モーターは、ホイールを制動するために、また、命令にしたがって、前方または後方に遅いポジショニング速度で回転するために作動されることができる。
【0014】
駆動位置ではモーターがホイールを比較的速い移動速度で駆動し、持ち上げ位置ではモーターがホイールを制動する、および/または、それらを遅いポジショニング速度でブレーキがかけられた手法で駆動することが同様に可能である。
【0015】
モーターとブレーキが別々の部品であること、また、モーターとブレーキが単一の実体であり、モーターが制動機能を実行することが可能である。
【0016】
本発明による手押し台車の一つの実施形態では、前記ブレーキ装置は、前記モーターと、前記モーターに連結されていて少なくとも一つのホイールの外周と係合する少なくとも一つの回転可能なローラーを備えており、そのローラーは、前記ローラーが前記少なくとも一つのホイールの前記外周に乗っている係合位置と前記ローラーが前記ホイールの前記外周から離れている解放位置の間で前記ローラーを移動させるためにピボットアームに取り付けられている。
【0017】
そのようなローラー駆動体は、容易に据え付けられることができ、駆動のための統合ユニットたとえばトルマによるキャラバンとして商業的に入手可能である。ローラー駆動のため、前記ホイールの前記外周に対する比較的簡単かつ信頼できる制動を達成することが可能であり、前記ホイールはより遅いポジショニング速度で駆動されることができる。
【0018】
前記ローラーは、前記横断シャフトに平行に配置されている傾斜軸の周りに回転されることができるように前記フレームに連結されている実質的垂直ピボットアームの底部側に連結されてよく、引き押し要素は、片側が前記ピボットアームに、反対側が前記フレームの高い位置に連結されており、均衡位置では、引き押し要素の長手方向はピボットピンを通って延びる。前記引き押し要素の、前記均衡位置の片側に位置する、制動位置では、前記引き押し要素は、前記ローラーを前記ホイールに押し付ける前記ピボットアームにモーメントを作り出し、前記引き押し要素の、前記均衡位置の反対側に位置する、駆動位置では、この引き押し要素は、前記ローラーを前記ホイールから押し離す前記ピボットアームにモーメントを作り出す。
【0019】
前記均衡位置の近くにおいて前記ピボットアームに気体ばねなどの引っ張りまたは圧縮ばねを取り付けることによって、前記均衡位置の両側の一方にばねを押すことによって、前記ピボットアームに連結されている前記ローラーの二つの位置を達成することが容易に可能である。前記持ち上げアームは、前記傾斜軸の上方に位置している第一のラムと、前記傾斜軸の下方に位置している第二のラムを備えていてよく、前記持ち上げ要素に連結されているガイドが、前記ピボットアームをその均衡位置を越えて前記制動位置に押すために上向き持ち上げ移動の最中に前記第一のラムと係合し、前記ピボットアームをその均衡位置を越えて前記駆動位置に押すために下向き移動の最中に前記第二のラムと係合する。
【0020】
本発明による手押し台車の一つの実施形態では、前記ローラーはウォームギヤーを介して前記モーターによって駆動され、それによって、ブレーキがかけられた駆動を可能にする。
【0021】
前記フレームの底部の近くにフットブラケットが設けられることができ、それにより、操作者は、彼の足をその上に置くことによって鉛直から傾斜位置に前記手押し台車の前記フレームを移動させることができる。
【0022】
一つの実施形態では、前記持ち上げ装置は、前記ホイールを越えて底部持ち上げ位置まで垂直方向に移動されることができる。その結果、前記持ち上げ装置が床にもたれるとき、前記フレームは、前記ホイールと前記モーターと前記ハンドルと一緒に、たとえば高い部分または乗り物の後部に置かれるために、上方へ押されることができる。
【0023】
前記持ち上げ装置は、シリンダーとプーリーおよびケーブルシステムによって、上向き持ち上げ方向と下向き押し方向の両方に駆動されることができる。前記ケーブル装置は、三つの持ち上げプーリーに連結されている複動シリンダーと有利に共働することができ、前記フレームの上部に上部プーリーが固定的に取り付けられており、前記フレームの底部に底部プーリーが固定的に取り付けられており、前記上部および底部プーリーの間で前記フレームに中央プーリーが固定的に取り付けられており、単一のケーブルが、前記持ち上げ要素上の取り付け点から、第一の外側持ち上げプーリーを介して前記中央固定プーリーに、第二の外側持ち上げプーリーに、前記持ち上げ要素を介して前記底部固定プーリーに、そこから前記上部固定プーリーを介して、中央持ち上げプーリーに上方取り付け点に走っている。このように、単一のケーブルを使用して、前記持ち上げ要素に対する持ち上げ動作と押し動作の両方を作り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明による手押し台車の一つの実施形態が添付図を参照してより詳しく説明される。
【図1】図1は、本発明による手押し台車の斜視背面図を示している。
【図2】図2は、持ち上げ要素が駆動位置にある図1からの手押し台車の側面図を示している。
【図3】図3は、持ち上げ要素が持ち上げ位置にある図1からの手押し台車の側面図を示している。
【図4】図4は、図1からの手押し台車の底部側の斜視背面図を示している。
【図5】図5は、複動シリンダーと単一のケーブルを備えた本発明による持ち上げシステムの図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、垂直フレーム2を備えた手押し台車1を示している。上方側3の近くに、フレーム2はハンドル4を備えている。底部側5の近くに、フレーム2は二つのホイール7,9を備えており、そのおのおのは横断シャフト10の周りに回転可能である。フレーム2は、二つの垂直ガイドレール12,13を有し、それに沿ってキャリッジ14が、積荷プラットフォーム15を有している(図に示されない)ガイドホイールによって上下に移動することができる。手押し台車2は、ホイール7,9によって移動可能であり、ハンドル4によって操作者によって平衡が保たれる。
【0026】
駆動位置では、図2に示されるように、積荷プラットフォーム15はその最低位置に位置しており、ホイール7,9はシャフト10の周りに自由に回転することができる。その結果、この位置では、通例の手押し台車で使用される手法で、操作者の歩行速度で積荷を前方に移動させることが可能である。手押し台車を後方に傾斜させるために、背面に位置するフットブラケット16が使用されることができ、その結果、手押し台車2上の積荷は平衡が保たれることができ、手押し台車は操作者によって離れて駆動されることができる。
【0027】
手押し台車の持ち上げ要素は、キャリッジ14と積荷プラットフォーム15を備えており、積荷を持ち上げることができるためにスチールケーブルと三部品の持ち上げプーリー51,52,53(図5参照)によって電気的伸張可能シリンダー17によって上方に移動される。シリンダー17を駆動するための電気エネルギーはバッテリー18,19から取られる。ハンドル4上のスイッチ21,22によって、積荷プラットフォームを持ち上げるまたは降ろすための指令が制御ユニット24に供給され、それによってシリンダー17の上下動作が制御される。
【0028】
さらに、本発明による手押し台車1は、ピボットアーム28に取り付けられている二つのローラー26,27を備えたブレーキシステム25を備えている。ローラー26,27はウォームギヤー29によって電気モーター30によって駆動され、その電気モーター30はウォームギヤーと一緒にピボットアーム28からぶら下げられている。モーターの回転速度と回転の方向は制御ユニット24によって制御され、それはハンドル4による操作者からの指令を受け取る。ピボットアーム28は、図2に示される駆動位置と図3に示される制動位置の間で、横断シャフト10に平行に走る傾斜軸32(図2参照)の周りに旋回可能である。ピボットアーム28は圧縮ばね34によって駆動される。
【0029】
キャリッジ14と積荷プラットフォーム15が上方に移動するときに、ピボットアーム28に取り付けられている上部ラム35を後方に押すキャリッジ14に取り付けられているつめ36によって、ピボットアーム28の傾きが作動される。その結果、ピボットアームは時計回りに旋回され、平衡状態のために圧縮ばね34の長さ方向が傾斜軸32を通って走っている圧縮ばね34が押されることにより、図3に示されるように、それが伸張し、ホイール7,9の外周38に対してローラー27,28を押し付けることができる。積荷プラットフォーム15が下方に移動すると、キャリッジ14に取り付けられているつめ36がピボットアーム28の底部ラム39を通ることにより、ピボットアーム28が反時計回りに回転され、圧縮ばね34は、その均衡位置のため、図2に示されるように、ローラー26,27がホイール7,9の外周38の空所を走る駆動位置に持って来られる。
【0030】
図2と図4に示されるように、圧縮ばね34の上方側40はフレームのガイドレール12に旋回可能に取り付けられており、底部側41は、ピボットアーム28の上端43に旋回可能に取り付けられている。図2と図4に示される駆動位置では、圧縮ばね34は、ピボットアーム28を傾斜軸32の周りに反時計回りに押し、それにより、ピボットアーム28の底部エンド44に取り付けられているローラー26,27は、ホイール8,9の外周38から離される。ピボットアーム28の位置は、つめ42がフレーム2のガイドレール13に当たるという事実のために駆動位置に制限される。
【0031】
積荷プラットフォーム15がわずかにたとえば5〜10cm持ち上げられるとすぐに、ピボットアーム28は、図2の駆動位置から図3の制動位置に傾斜軸32の周りに時計回り回転される。そして、ローラー26,27は、圧縮ばね34によってホイール7,9の外周38に押し付けられる。これは、キャリッジ14に付けられており、上方ラム35を移動させる傾斜カム36(図1参照)によって始められる。持ち上げプラットフォーム15が持ち上げ位置にある限り、図3に示される制動位置は活動中のままである。
【0032】
制動効果は、軸23を介してウォームホイール駆動体29に連結されているローラー26,27によって供給される。このウォームホイール駆動体は、ローラー26,27と軸28の側によって駆動されることが可能でなく、この側から来るすべての力がウォームギヤーを始動させることを防止し、一方、電気モーター30の軸の回転はウォームギヤー(ウォームギヤーボックスの特性)によってローラー26,27に実際に伝達される。しかしながら、電気モーター30によって、ウォームギヤー29は、持ち上げ位置にある手押し台車の制御された前進および後退動作を達成するために、反対側から駆動されることができる。電気モーター30は、スイッチ21’によってまた制御ユニットまたはシステムボックス24によってバッテリー18,19中のエネルギーを電気モーター30に通すことによって駆動される。スイッチ21’の極性を逆にすることによって、操作者は駆動方向を前進から後退にまたその逆に変更することができる。
【0033】
持ち上げプラットフォーム15が再び底部位置に位置するとすぐに、つめ36(図1参照)は、底部ラム39が押し下げられ、ブレーキアッセンブリが気体ばね34の力に対抗する静止位置に戻るようにピボットアーム28が反時計回りに回転されることを保証する。気体ばね34が死点を通って移動するとすぐに、この気体ばね34は、ピボットアーム28が静止位置にしっかりと保持されることを保証する。つめ42は、メインフレーム2のガイドレール13上にもたれることによってストロークを制限し、ローラー26,27がホイール7,9の空所に正確にあるように調節される。
【0034】
本発明による手押し台車は、積荷の持ち上げの可能性を提案するが、持ち上げプラットフォーム15によって、フレーム2が持ち上げられ、それによって、より高い高さたとえば乗り物の荷台に手押し台車を操作者が置くのを助けるように、それ自体を床に押し付けることもできる。この目的のために、手押し台車は、複動電気的伸張可能シリンダー17を備えるが、複動ケーブル装置も備えて設計される。それの実施が図5に示される。
【0035】
持ち上げシステム50は、持ち上げシリンダー17のピストンロッド54上のプーリーホルダー65に装着されている三つの持ち上げプーリー51,52,53を備えている。持ち上げの最中、ピストンロッド54が上向き方向に伸張し、外側持ち上げプーリー51,53が二つのケーブル部55,56を引く。中央プーリー57は、手押し台車のフレーム2に固定的に固定されており、持ち上げ負荷を二つのケーブル部55,56の間に等しく分配する。これらのケーブル部55,56は両方とも、ケーブルクランプ58によって、キャリッジ/積荷プラットフォーム14,15を備えている組立体に取り付けられている。手押し台車に固定的に連結されている底部プーリー59を通って、ケーブル部60は上部プーリー61に向かって鉛直方向に延びている。この上部プーリー61も、フレーム2に固定的に連結されている。ケーブルは、中央持ち上げプーリー52の周りに案内され、ケーブル部63は上部プーリー61の周りを延びてプーリー61に戻っている。その上方側では、ケーブル部63は、フレーム2に固定的に取り付けられているプーリー61の固定目64に連結されている。
【0036】
図5に文字hで示されているケーブル部55,56は、持ち上げの最中に張力がかかる部分である。ケーブル部は、1つの部品で作られた単一のケーブルを形成している。
【0037】
降ろしの最中、ピストンロッド54は、(たとえば電気モーターによって)プーリーホルダー65の中央持ち上げプーリー52を引っ張る。フレーム2の上方側に固定的に固定されている上部プーリー61の目64に留められているケーブル部63は、プーリー52と、フレーム2の底部側に取り付けられている底部プーリー59を介して、キャリッジ14と積荷プラットフォーム15を備えている組立体を、このプラットフォームがそれ自体を床に強力に押すことができるような方法で引っ張る。降ろしの最中に張力がかかるケーブル部60,62,63が、文字zによって図5に示されている。プラットフォーム15がそれ自体を床に押すと、フレーム2がプラットフォーム15に対して上方に移動され、その結果、前記フレーム(ホイールと電気モーターとガイドレールとハンドル)がより高い高さに持ち上げられ、操作者が手押し台車の重量を必要なく、単にそれの平衡を保ちさえすればよいだけでそこに置かれることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的垂直ガイド(12,13)を備えているフレーム(2)と、前記ガイドの底部側の近くに位置していて横断シャフト(10)の周りに回転可能である二つのホイール(7,9)と、前記ガイドの上方側(3)の近くに位置しているハンドル(4)と、前記ガイドに沿って移動可能な持ち上げ要素(14,15)と前記持ち上げ要素を移動させるための前記持ち上げ要素に連結されている持ち上げ駆動体(17,54,65)を備えている持ち上げ装置と、前記ホイール(7,9)を駆動するためのモーター(30)と、前記ホイールと共働して前記ホイールの回転を妨げるためのブレーキ(26,27,34)を備え、前記持ち上げ駆動体(17,54,65)と前記モーター(30)のオンオフを切り替えるための前記ハンドルによって操作されることができる制御装置(24)が設けられ、前記持ち上げ要素(14,15)の下方駆動位置では前記ブレーキ(26,27,34)が解放され、前記持ち上げ要素が前記下方駆動位置から前記持ち上げ位置に移動されるときに前記ブレーキがかけられ、その場合には、前記ホイール(7,9)が前記モーター(30)によってポジショニング速度で駆動されることができることを特徴とする手押し台車(1)。
【請求項2】
前記モーター(30)は、前記持ち上げ要素の前記駆動位置では、前記ポジショニング速度よりも高い移動の速度で前記ホイール(7,9)を駆動することができる、請求項1に記載の手押し台車(1)。
【請求項3】
前記ブレーキ(26,27,34)は、前記モーター(30)と、前記モーターに連結されていて少なくとも一つのホイール(7,9)の外周(38)と係合する少なくとも一つの回転可能なローラー(26,27)を備えており、そのローラーは、前記ローラーが前記少なくとも一つのホイールの前記外周(38)に乗っている係合位置と前記ローラーが前記少なくとも一つのホイール(7,9)の前記外周(38)から離れている解放位置の間で前記ローラーを移動させるためにピボットアーム(28)に取り付けられている、請求項1または2に記載の手押し台車(1)。
【請求項4】
前記ローラー(26,27)は、前記横断シャフトに平行に配置されている傾斜軸(32)の周りに回転されることができるように前記フレーム(2)に連結されている実質的垂直ピボットアーム(28)の底部側(44)に連結されており、引き押し要素は、片側が前記ピボットアーム(28)に、反対側が前記フレームの高い位置(40)に連結されており、均衡位置では、引き押し要素の長手方向は傾斜軸(32)を通って延び、前記引き押し要素(34)の、前記均衡位置の片側に位置する、制動位置では、この引き押し要素は、前記ローラー(26,27)を前記ホイール(7,9)に押し付ける前記ピボットアーム(28)にモーメントを作り出し、前記引き押し要素(34)の、前記均衡位置の反対側に位置する、駆動位置では、この引き押し要素は、前記ローラー(26,27)を前記ホイール(7,9)から押し離す前記ピボットアーム(28)にモーメントを作り出す、請求項3に記載の手押し台車。
【請求項5】
前記持ち上げ要素(14,15)は、前記傾斜軸(32)の上方に位置している第一のラム(35)と、前記傾斜軸の下方に位置している第二のラム(39)を備え、前記持ち上げ要素に連結されているガイド(36)が、前記ピボットアーム(28)をその均衡位置を越えて前記制動位置に押すために上向き持ち上げ移動の最中に前記第一のラム(35)と係合し、前記ピボットアームをその均衡位置を越えて前記駆動位置に押すために下向き移動の最中に前記第二のラム(39)と係合する、請求項3に記載の手押し台車(1)。
【請求項6】
前記ローラー(26,27)はウォームギヤー(29)を介して前記モーター(30)によって駆動される、先行請求項の一つによる手押し台車(1)。
【請求項7】
前記ハンドル(4)は持ち上げスイッチ(21,22)と駆動スイッチ(21’)を備えている、先行請求項の一つによる手押し台車(1)。
【請求項8】
前記フレームの底部の近くかつ後部にフットブラケット(16)が設けられている、先行請求項の一つによる手押し台車(1)。
【請求項9】
前記持ち上げ装置(14,15)は、前記ホイール(7,9)を越えて底部持ち上げ位置まで垂直方向に移動されることができる、先行請求項の一つによる手押し台車(1)。
【請求項10】
前記持ち上げ装置は、シリンダー(17,54)とプーリー&ケーブルシステム(51,52,53,55,56,57,59,60,61,62,63)によって、上向き持ち上げ方向と下向き押し方向の両方に駆動される、請求項9に記載の手押し台車(1)。
【請求項11】
前記シリンダー(17,54)は三つの持ち上げプーリー(51,52,53)に連結されており、前記フレームの上部に上部プーリー(61)が固定的に取り付けられており、前記フレームの底部に底部プーリー(59)が固定的に取り付けられており、前記上部および底部プーリーの間で前記フレームに中央プーリー(57)が固定的に取り付けられており、単一のケーブルが、前記持ち上げ要素(14,15)上の取り付け点から、第一の外側持ち上げプーリー(51)を介して前記中央固定プーリー(57)に、第二の外側持ち上げプーリー(53)に、前記持ち上げ要素(15)を介して前記底部固定プーリー(59)に、そこから前記上部固定プーリー(61)を介して、中央持ち上げプーリー(52)に上方取り付け点(64)に走っている、請求項10に記載の手押し台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−524004(P2012−524004A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505843(P2012−505843)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050196
【国際公開番号】WO2010/120176
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511250390)
【氏名又は名称原語表記】VAN DER HELM, Hermanus Cornelis
【住所又は居所原語表記】Zomereik 21, 2498 BS Den Haag, Netherlands
【Fターム(参考)】