説明

指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法

【課題】無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることを課題とする。
【解決手段】指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する。ここで、認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得し、取得された重複面積と、最も重複するときの入力指紋画像および登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する。そして、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、入力指紋画像の再入力を要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、指紋認証によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、ユーザに対して指紋画像の再入力を要求する指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、指紋認証によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、ユーザに対して指紋画像の再入力を要求する指紋認証装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、従来の指紋認証装置は、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する。ここで、認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、指紋認証装置は、入力指紋画像と、登録指紋画像とが全く重複しないケースを除いて、ユーザに対して指紋画像の再入力を要求していた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−296717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の指紋認証装置では、無駄な指紋画像の再入力を要求して、指紋認証に要するユーザの手間を増加させることがあるという課題があった。すなわち、従来の指紋認証装置では、指紋画像が再入力されたとしても認証成功を示す認証結果が得られないケースに指紋画像の再入力を要求して、指紋認証に要するユーザの手間を増加させるという課題があった。
【0006】
そこで、指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能な指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示の指紋認証装置は、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断部と、前記認証成否判断部によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得部と、前記重複面積取得部によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定部と、前記要求可否判定部によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求部とを有することを要する。
【0008】
また、開示の指紋認証方法は、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断ステップと、前記認証成否判断ステップによって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得ステップと、前記重複面積取得ステップによって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定ステップと、前記要求可否判定ステップによって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求ステップとを含むことを要する。
【0009】
また、開示の指紋認証プログラムは、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断手順と、前記認証成否判断手順によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得手順と、前記重複面積取得手順によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定手順と、前記要求可否判定手順によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求手順とをコンピュータに実行させることを要する。
【発明の効果】
【0010】
開示の指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法によれば、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、指紋認証装置、指紋認証プログラムおよび指紋認証方法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、指紋認証装置に適用した場合を説明する。
【実施例1】
【0012】
以下の実施例1では、いわゆる、パターンマッチング方式を用いて指紋認証の成否を判断する実施例1に係る指紋認証装置について、指紋認証装置の概要、指紋認証装置の構成、指紋認証装置による処理の流れを順に説明し、最後に実施例1の効果を説明する。
【0013】
[実施例1に係る指紋認証装置の概要]
まず、図1を用いて、実施例1に係る指紋認証装置の概要を説明する。図1は、実施例1に係る指紋認証装置の概要を説明するための図である。
【0014】
実施例1に係る指紋認証装置は、パターンマッチング方式によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、ユーザに対して指紋画像の再入力を要求すること概要とし、特に、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させる。
【0015】
すなわち、実施例1に係る指紋認証装置は、照合に用いられる画像領域を特定するための移動量ごとに、入力指紋画像と登録指紋画像とが重複する領域の面積と、重複する領域内の一致度合いを示した評価値とを対応付けて算出する。
【0016】
そして、指紋認証装置は、全ての移動量の中で、面積が所定の閾値以上であり、かつ、評価値が所定の閾値以上の移動量が無い場合に、指紋認証が失敗したものと判断する。
【0017】
ここで、指紋認証装置は、重複面積として、最も評価値が高い移動量の面積を取得し、重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、最も高い評価値が所定の閾値を満足していることを条件に、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する。
【0018】
そして、指紋認証装置は、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、入力指紋画像の再入力を要求する。
【0019】
つまり、指紋認証装置は、図1の(A)に示すように、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、評価値が所定の閾値を満足していることを条件に、入力指紋画像の再入力を要求する。
【0020】
一方では、指紋認証装置は、図1の(B)に示すように、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積が所定の閾値以上であり、かつ、評価値が所定の閾値を満足していない場合には、入力指紋画像の再入力を要求しない。
【0021】
また、指紋認証装置は、図1の(C)に示すように、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、評価値が所定の閾値を満足していない場合にも、入力指紋画像の再入力を要求しない。
【0022】
このようなことから、実施例1に係る指紋認証装置は、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【0023】
[指紋認証装置の構成]
次に、図2を用いて、図1で説明した指紋認証装置の構成を説明する。図2は、指紋認証装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、指紋画像入力部1、ユーザ識別情報入力部2および出力部3と接続された指紋認証装置10は、記憶部20と、処理部30とを有する。
【0024】
指紋画像入力部1は、入力指紋画像を指紋認証装置10に対して入力する。具体的には、指紋画像入力部1は、指紋センサに相当し、例えば、指紋画像の入力操作を受け付けると、指紋画像を撮像し、入力指紋画像を指紋認証装置10に対して入力する。
【0025】
ユーザ識別情報入力部2は、指紋認証に係る種々の情報の入力を受け付ける。具体的には、ユーザ識別情報入力部2は、操作ボタンや、キーボードに相当し、ユーザを一意に識別するためのユーザIDを受け付け、ユーザIDを指紋認証装置10に対して入力する。
【0026】
出力部3は、指紋認証に係る種々の情報をユーザに対して出力する。具体的には、出力部3は、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル)やスピーカを有し、例えば、指紋認証の成否を示したメッセージを出力する。
【0027】
記憶部20は、処理部30による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。特に実施例1に密接に関連するものとしては、登録指紋情報記憶部21を有する。
【0028】
登録指紋情報記憶部21は、入力指紋画像の照合対象として登録されている登録指紋画像を記憶する。具体的には、登録指紋情報記憶部21は、ユーザごとに、指紋認証用の画像に変換するための画像処理が登録指紋画像に対して施された登録指紋情報と、ユーザIDとを対応付けて記憶する。
【0029】
処理部30は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。特に実施例1に密接に関連するものとしては、指紋情報生成部31と、指紋照合部32と、出力判定部33とを有する。
【0030】
なお、指紋照合部32は、認証成否判断部ともいう。また、出力判定部33は、重複面積取得部、要求可否判定部や再入力要求部ともいう。
【0031】
指紋情報生成部31は、指紋画像入力部1から入力指紋画像を受け付けると、指紋認証用の画像に変換するための画像処理を入力指紋画像に対して施して入力指紋情報を生成し、指紋照合部32に対して入力する。例えば、指紋情報生成部31は、入力指紋画像内で指紋として認識される範囲を抽出して入力指紋情報を生成し、指紋照合部32に対して入力する。
【0032】
指紋照合部32は、入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する。具体的には、指紋照合部32は、指紋情報生成部31から入力指紋情報を受け付け、ユーザ識別情報入力部2からユーザIDを受け付けると、ユーザIDに対応する登録指紋情報を登録指紋情報記憶部21から読み出す。
【0033】
続いて、指紋照合部32は、照合に用いられる画像領域を特定するための移動量ごとに、入力指紋情報内の重複領域と、登録指紋情報内の重複領域との間で画素の位置および画素レベルがともに一致する一致画素数を計測する。
【0034】
続いて、指紋照合部32は、重複面積(言い換えると、重複領域に含まれる全ての画素数)に対する一致画素数の割合を示した評価値を移動量ごとに算出する。なお、入力指紋情報を「I(x,y)」とし、登録指紋情報を「T(x,y)」とすると、移動量「(x,y)」に対応する評価値「s(x,y)」は、下記式(1)によって算出することができる。ここで、「A」は、重複面積を表す。
【0035】
【数1】

【0036】
続いて、指紋照合部32は、指紋認証の成否を判断するための設定面積「β1」以上の移動量を全ての移動量の中から特定する。ここで、指紋照合部32は、特定された各移動量の評価値の中で、最も高い評価値を入力指紋情報および登録指紋情報の一致度合いを示した類似度とする。そして、指紋照合部32は、指紋認証の成否を判断するための設定閾値「α1」と、類似度とを比較して指紋認証の成否を判定する。
【0037】
ここで、指紋照合部32は、類似度が設定閾値「α1」を満足している場合には、指紋認証が成功したものと判断し、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が成功した旨を出力する。一方では、指紋照合部32は、類似度が設定閾値「α1」を満足していない場合には、指紋認証が失敗したものと判断する。
【0038】
出力判定部33は、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する。続いて、出力判定部33は、取得された重複面積、および、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの入力指紋画像および登録指紋画像の一致度合いを示した類似度を用いて、入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する。そして、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、入力指紋画像の再入力を要求する。
【0039】
具体的には、出力判定部33は、パターンマッチング方式で類似度に相関する値である評価値が最も高くなるときの入力指紋画像と、登録指紋画像とが重複する面積を取得する。そして、出力判定部33は、重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、最も重複するときの評価値が所定の閾値を満足していることを条件に、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する。
【0040】
より詳細には、出力判定部33は、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋情報と、登録指紋情報とが最も重複するときの(言い換えると、評価値が最も高い)移動量を特定する。そして、出力判定部33は、特定された移動量に対応する重複領域の面積を取得し、取得された重複面積と設定面積「β1」とを比較する。
【0041】
ここで、出力判定部33は、取得された重複面積が設定面積「β1」以上である場合には、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。一方では、出力判定部33は、取得された重複面積が設定面積「β1」を下回っている場合には、特定された移動量の評価値が設定閾値「α1」を満足しているか否かを判定する。
【0042】
ここで、出力判定部33は、特定された移動量の評価値が設定閾値「α1」を満足していることを示す判定結果が得られた場合には、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定し、出力部3を介して、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求する。
【0043】
一方では、出力判定部33は、特定された移動量の評価値が設定閾値「α1」を満足していないことを示す判定結果が得られた場合には、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定し、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。
【0044】
[指紋認証装置による処理]
次に、図3および図4を用いて、指紋認証装置10による処理を説明する。図3は、指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。図4は、指紋認証装置による出力判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【0045】
図3に示すように、指紋情報生成部31は、入力指紋画像を受け付けると(ステップS101肯定)、入力指紋画像から入力指紋情報を生成し(ステップS102)、指紋照合部32は、ユーザIDを受け付けると、ユーザIDに対応する登録指紋情報を読み出す(ステップS103)。
【0046】
続いて、指紋照合部32は、入力指紋情報と、登録指紋情報とを照合し(ステップS104)、照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判定する(ステップS105)。
【0047】
ここで、認証成功を示す認証結果が得られた場合には(ステップS105肯定)、指紋照合部32は、指紋認証が成功した旨を出力して(ステップS106)、処理を終了する。
【0048】
一方では、認証失敗を示す認証結果が得られた場合には(ステップS105否定)、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求すべきであるか否かを判断する(ステップS107)。
【0049】
ここで、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示す判定結果が得られた場合には(ステップS107否定)、出力判定部33は、指紋認証が失敗した旨を出力して(ステップS108)、処理を終了する。
【0050】
一方では、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS107肯定)、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求する(ステップS109)。そして、指紋照合部32は、再入力された入力指紋画像から生成された入力指紋情報と、登録指紋情報とを再び照合する(ステップS104)。
【0051】
図4に示すように、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求するか否かを判断する処理(出力判定処理)を開始すると、入力指紋情報と、登録指紋情報とが最も重複するときの重複面積を取得し(ステップS201)、設定面積と比較する(ステップS202)。
【0052】
ここで、重複面積が設定面積以上である場合には(ステップS202否定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定する(ステップS203)。
【0053】
一方では、重複面積が設定面積を下回っている場合には(ステップS202肯定)、出力判定部33は、入力指紋情報と、登録指紋情報とが最も重複するときの評価値が設定閾値を満足しているか否かを判定する(ステップS204)。
【0054】
ここで、評価値が設定閾値を満足していることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS204肯定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する(ステップS205)。
【0055】
一方では、評価値が設定閾値を満足していないことを示す判定結果が得られた場合には(ステップS204否定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定する(ステップS203)。
【0056】
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。例えば、実施例1によれば、認証成功を示す認証結果が得られる可能性が高い場合に限って指紋画像の再入力を要求することで、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【0057】
なお、上記した出力判定部33は、登録指紋情報の面積がそもそも設定面積「β1」以上であるか否かを判定するようにしてもよい。ここで、登録指紋情報の面積が設定面積「β1」を下回っていることを示す判定結果が得られた場合には、出力判定部33は、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。
【0058】
また、出力判定部33は、設定面積以下に重複面積が小さすぎるケースを排除するための閾値である最低面積「β2」をさらに設定しておき、算出された重複面積が最低面積「β2」以上であり、設定面積「β1」を下回っている場合に、特定された移動量の評価値が設定閾値「α1」を満足しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0059】
また、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた際に、最も評価値が高い移動量に対応する重複面積は、設定面積「β1」を必ず下回っていることが考えうる。この場合には、出力判定部33は、必然的に重複面積が設定面積を下回っていると判定するため(図4のステップS202肯定)、重複面積が所定の閾値を下回っているか否かの判定を行わなくてもよい。
【実施例2】
【0060】
ところで、実施例1では、パターンマッチング方式を用いて指紋認証の成否を判断する場合を説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、類似度として、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている指紋の特徴点数を計測して、指紋認証の成否を判断する特徴点方式を用いた場合であっても適用することができる。そこで、実施例2では、特徴点方式を用いて指紋認証の成否を判断する指紋認証装置10に適用した場合について説明する。なお、以下の実施例2では、指紋認証装置の概要、指紋認証装置の構成、指紋認証装置による処理の流れを順に説明し、最後に実施例2の効果を説明する。
【0061】
[実施例2に係る指紋認証装置の概要]
まず、実施例2に係る指紋認証装置の概要を説明する。実施例2に係る指紋認証装置は、特徴点方式によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、ユーザに対して指紋画像の再入力を要求すること概要とし、特に、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させる。
【0062】
すなわち、実施例2に係る指紋認証装置は、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている指紋の特徴点の数を計測する。そして、指紋認証装置は、所定の閾値を計測された特徴点の数が満足していないことを条件に、指紋認証が失敗したものと判断する。
【0063】
指紋認証が失敗したことを示す判断結果が得られた場合に、指紋認証装置は、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている対応した特徴点の位置がそれぞれ一致するように重ね合わせたときの入力指紋画像と、登録指紋画像とが重複する面積を重複面積として算出する。
【0064】
続いて、指紋認証装置は、登録指紋画像の面積に対する重複面積の割合を用いて、類似度を、入力指紋画像と、登録指紋画像とが完全に重なり合うときの特徴点の数に換算する。そして、指紋認証装置は、換算された特徴点の数が所定の閾値を満足していることを条件に、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定し、入力指紋画像の再入力を要求する。
【0065】
[指紋認証装置の構成]
次に、実施例2に係る指紋認証装置10の構成を説明する。なお、以下では、実施例1に係る指紋認証装置10の構成と異なる点について詳細に説明する。
【0066】
登録指紋情報記憶部21は、登録指紋画像に含まれている各特徴点(例えば、隆線の分岐点の位置および方向や、隆線の端点の位置および方向)をそれぞれ示した登録指紋情報を記憶する。
【0067】
指紋情報生成部31は、指紋画像入力部1から入力指紋画像を受け付けると、入力指紋画像内に含まれている各特徴点が示された入力指紋情報を生成し、指紋照合部32に対して入力する。
【0068】
指紋照合部32は、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている指紋の特徴点の数を類似度として計測し、所定の閾値を類似度が満足していることを条件に、指紋認証が成功したものと判断する。具体的には、指紋照合部32は、指紋情報生成部31から入力指紋情報を受け付けると、入力指紋情報と登録指紋情報を照合して、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている指紋の特徴点数を類似度として計測する。続いて、指紋照合部32は、指紋認証の成否を判断するための設定閾値「α2」と、類似度とを比較して指紋認証の成否を判定する。
【0069】
ここで、類似度が設定閾値「α2」を満足している場合には、指紋認証が成功したものと判断し、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が成功した旨を出力する。一方では、指紋照合部32は、類似度が設定閾値「α2」を満足していない場合には、指紋認証が失敗したものと判断する。
【0070】
出力判定部33は、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている対応した特徴点の位置がそれぞれ一致するように重ね合わせたときの入力指紋画像と、登録指紋画像とが重複する面積を重複面積として取得する。続いて、出力判定部33は、登録指紋画像の面積に対する重複面積の割合を用いて、指紋照合部32によって計測された類似度を、入力指紋画像と、登録指紋画像とが完全に重なり合うときの類似度に換算する。そして、出力判定部33は、換算後の類似度が設定閾値を満足していることを条件に、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する。
【0071】
具体的には、出力判定部33は、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋画像および登録指紋画像に重複して含まれている特徴点の位置関係に基づいて、対応する指紋の特徴点の位置が一致するように重ね合わせたときの重複面積を取得する。続いて、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求させるための条件として予め設定されている設定面積「β3」と、重複面積とを比較する。
【0072】
ここで、出力判定部33は、重複面積が設定面積「β3」以上である場合には、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定し、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。
【0073】
一方では、出力判定部33は、重複面積が設定面積「β3」を下回っている場合には、登録指紋画像の面積に対する重複面積の割合を算出する。
【0074】
続いて、出力判定部33は、登録指紋画像の面積に対する重複面積の割合の逆数を指紋照合部32によって計測された類似度に対して積算して、入力指紋画像と、登録指紋画像とが完全に重なり合うときの類似度に換算し、設定閾値「α2」と比較する。
【0075】
ここで、出力判定部33は、換算後の類似度が設定閾値「α2」を満足していることを示す判定結果が得られた場合には、入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定し、出力部3を介して、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求する。
【0076】
一方では、出力判定部33は、換算後の類似度が設定閾値「α2」を満足していないことを示す判定結果が得られた場合には、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定し、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。
【0077】
[指紋認証装置による処理]
次に、図5を用いて、実施例2に係る指紋認証装置10による処理を説明する。図5は、実施例2に係る指紋認証装置による出力判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【0078】
図5に示すように、出力判定部33は、出力判定処理を開始すると、重複して含まれている指紋の特徴点の位置が一致するように重ね合わせたときの重複面積を取得し(ステップS301)、設定面積と比較する(ステップS302)。
【0079】
ここで、重複面積が設定面積以上である場合には(ステップS302否定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定する(ステップS303)。
【0080】
一方では、重複面積が設定面積を下回っている場合には(ステップS302肯定)、出力判定部33は、登録指紋画像の面積に対する重複面積の割合を算出する(ステップS304)。
【0081】
続いて、出力判定部33は、計測された類似度を入力指紋画像と、登録指紋画像とが完全に重なり合うときの類似度に換算し(ステップS305)、設定閾値と比較する(ステップS306)。
【0082】
ここで、換算後の類似度が設定閾値を満足していることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS306肯定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する(ステップS307)。
【0083】
一方では、換算後の類似度が設定閾値を満足していないことを示す判定結果が得られた場合には(ステップS306否定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきでないと判定する(ステップS303)。
【0084】
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、特徴点方式を用いて指紋認証の成否を判断する場合であっても、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【実施例3】
【0085】
ところで、上記した実施例1および実施例2に係る指紋認証装置において、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求するときに、指紋画像の入力方法のガイダンスを行うようにしても良い。そこで、実施例3では、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求するときに、指紋画像の入力方法を出力する場合を説明する。なお、以下の実施例3では、指紋認証装置の構成、指紋認証装置による処理の流れを順に説明し、最後に実施例3の効果を説明する。
【0086】
[指紋認証装置の構成]
まず、図6を用いて、実施例3に係る指紋認証装置10の構成を説明する。図6は、実施例3に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、実施例3に係る指紋認証装置10の構成は、出力内容決定部34をさらに有する他は、実施例1に係る指紋認証装置10の構成と以下に説明する点が異なる。
【0087】
出力内容決定部34は、重複面積を拡大させる指紋画像の入力方法を出力する入力方法の内容に決定する。具体的には、出力内容決定部34は、出力判定部33によって再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、最も高い評価値の移動量を出力判定部33から取得する。
【0088】
続いて、出力内容決定部34は、取得した移動量を用いて、重複面積を拡大させること指紋画像の入力方法を特定し、ユーザに出力する指紋画像の入力方法の内容に決定する。例えば、出力内容決定部34は、登録指紋情報および入力指紋情報の重複領域の相対的な位置関係(平行移動量および回転角度)を示した位置関係情報を生成して、生成された位置関係情報を入力方法の内容に決定する。
【0089】
そして、出力内容決定部34は、出力部3を介して、指紋画像の入力方法を出力してユーザに入力指紋画像の再入力を要求する。例えば、出力内容決定部34は、「登録時と比べて、左方向に3mm、上方向に5mmずれています。」という位置関係情報が示されたメッセージを出力して、入力指紋画像の再入力を要求する。
【0090】
[指紋認証装置による処理]
次に、図7を用いて、実施例3に係る指紋認証装置10による処理を説明する。図7は、実施例3に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。なお以下では、実施例1に係る指紋認証装置10による処理と異なる点について詳細に説明する。
【0091】
図7に示すように、出力内容決定部34は、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS407肯定)、重複面積を拡大させる指紋画像の入力方法を特定してユーザに出力する入力方法の内容を決定する(ステップS409)。
【0092】
そして、出力内容決定部34は、決定された指紋画像の入力方法を出力して入力指紋画像の再入力を要求し(ステップS410)、指紋照合部32は、再入力された入力指紋画像から生成された入力指紋情報と、登録指紋情報とを再び照合する(ステップS404)。
【0093】
[実施例3の効果]
上記したように、実施例3によれば、指紋画像の入力方法のガイダンスを行うことで、指紋画像を再入力させる回数を減少させることができ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【0094】
なお、出力内容決定部34は、図8の(A)に示すように、入力指紋情報および登録指紋情報の相対的な位置関係が示された概念図を出力して、入力指紋画像の再入力を要求するようにしてもよい。このようにすることで、最適な指紋画像の入力方法を直感的にユーザに理解させることができる。
【0095】
また、出力内容決定部34は、図8の(B)に示すように、登録指紋情報および重複領域の相対的な位置関係が示された概念図を出力して、入力指紋画像の再入力を要求するようにしてもよい。このようにすることで、指紋画像が撮像される範囲を拡大させれば(言い換えると、指紋画像入力部1に指を強く押し当てれば)、最適な指紋画像が入力できることをユーザに理解させることができる。
【0096】
また、出力内容決定部34は、図8の(C)に示すように、入力指紋情報および登録指紋情報の相対的な位置関係が示された概念図に対して、再入力された入力指紋情報の位置関係を追加するようにしてもよい。このようにすることで、指紋画像を再入力するごとに、指紋認証用に最適な画像に近づいていることをユーザに実感させることができる。
【0097】
また、指紋認証装置10は、図9に示すように、指紋画像入力部1への指の当て方を指紋画像の入力方法として出力するようにしてもよい。
【0098】
また、指紋画像入力部1が、指紋の撮像に指の移動を要する指紋センサ(いわゆる、スウィープ型指紋センサ)である場合には、図10の(A)および(B)に示すように、指の動かし方によって撮像される指紋画像が異なる。そのため、指紋認証装置10は、図10の(C)、(D)および(E)に示すように、指の動かし方を指紋画像の入力方法として出力するようにしてもよい。
【0099】
なお、指紋画像の入力方法を個別に出力するようにしてもよいし、複数の指紋画像の入力方法を組み合わせて出力するようにしてもよい。また、入力指紋画像と、登録指紋画像とに重複して含まれている所定の特徴点の位置関係に基づいて位置関係情報を生成するようにすれば、特徴点方式を用いて指紋認証の成否を判断する場合であっても適用することができる。なお、図8〜図10は、実施例3に係る指紋認証装置によって出力される情報の一例を示した図である。
【実施例4】
【0100】
ところで、上記した実施例1〜3では、ユーザIDによって特定された登録指紋情報と、入力指紋情報とを照合する、いわゆる1:1認証を行う場合を説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、全ての登録指紋情報と、入力指紋情報とを照合した照合結果に基づいて指紋認証の成否を判断する、いわゆる1:N認証を行う指紋認証装置10であっても適用することができる。そこで、実施例4では、1:N認証を行う指紋認証装置10に適用した場合を説明する。なお、以下の実施例4では、指紋認証装置の構成、指紋認証装置による処理の流れを順に説明し、最後に実施例4の効果を説明する。
【0101】
[指紋認証装置の構成]
まず、図11を用いて、実施例4に係る指紋認証装置10の構成を説明する。図11は、実施例4に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、実施例4に係る指紋認証装置10の構成は、ユーザ識別情報入力部2の代わりに優先順位付与部35を有する他は、実施例1に係る指紋認証装置10の構成と以下に説明する点が異なる。
【0102】
指紋照合部32は、全てのユーザIDに対応付けて類似度を算出して、ユーザIDごとに指紋認証の成否を判断する。具体的には、指紋照合部32は、指紋情報生成部31から入力指紋情報を受け付けると、登録指紋情報記憶部21に記憶されている全てのユーザIDに対応する登録指紋情報を読み出し、ユーザIDごとに類似度を算出して指紋認証の成否を判断する。ここで、指紋照合部32は、設定閾値「α1」を満足している類似度に対応するユーザIDがある場合には、指紋認証が成功したものと判断する。一方では、指紋照合部32は、全てのユーザIDに対応する類似度が設定閾値「α1」を満足していない場合には、指紋認証が失敗したものと判断する。
【0103】
また、指紋照合部32は、再入力された入力指紋画像から生成された入力指紋情報を指紋情報生成部31から受け付けると、出力判定部33によって選択されているユーザIDの登録指紋情報と、入力指紋情報とを照合する。
【0104】
優先順位付与部35は、全てのユーザIDについて認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋画像の再入力を要求すべき順番を特定するための優先順位をユーザIDに対してそれぞれ付与する。具体的には、優先順位付与部35は、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、全てのユーザIDに対応する類似度を指紋照合部32から取得する。そして、優先順位付与部35は、登録指紋情報記憶部21に記憶されている全てのユーザIDの中から類似度が高い順番に選択された一部のユーザIDに対して、類似度が高い順番を示した優先順位を付与する。
【0105】
出力判定部33は、ユーザIDに対応付けて重複面積を算出する。そして、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示した判定結果が得られるごとに、前回選択されたユーザIDよりも優先順位が一位低いユーザIDに対応する重複面積と、類似度とを用いて入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する。
【0106】
具体的には、出力判定部33は、指紋照合部32によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、登録指紋情報記憶部21を参照して、最も優先順位が高いユーザIDを選択する。続いて、出力判定部33は、選択されたユーザIDに対応する移動量、評価値および重複面積を取得し、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであるか否かを判断する。
【0107】
ここで、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合には、出力部3を介して、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求する。その後、出力判定部33は、再入力された入力指紋画像から生成された入力指紋情報と、登録指紋情報とを照合した結果、認証失敗を示す認証結果が得られた場合には、重複面積を再び取得して、入力指紋画像の再入力を要求すべきであるか否かを再び判定する。
【0108】
また、出力判定部33は、入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示す判定結果が得られた場合には、登録指紋情報記憶部21を参照して、前回選択したユーザIDよりも優先順位が一位低く、選択すべきユーザIDあるか否かを判定する。
【0109】
ここで、出力判定部33は、選択すべきユーザIDがない場合には、出力部3を介して、ユーザに指紋認証が失敗した旨を出力する。
【0110】
一方では、出力判定部33は、選択すべきユーザIDがある場合には、前回選択したユーザIDよりも優先順位が一位低いユーザIDを選択する。続いて、出力判定部33は、選択されたユーザIDに対応する移動量評価値および重複面積を取得し、入力指紋画像の再入力を要求するか否かを判断する。
【0111】
[指紋認証装置による処理]
次に、図12を用いて、実施例4に係る指紋認証装置10による処理を説明する。図12は、実施例4に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。
【0112】
図12に示すように、指紋照合部32は、入力指紋画像から生成された入力指紋情報を受け付けると(ステップS501肯定)、全てのユーザIDに対応付けて類似度を算出して、ユーザIDごとに指紋認証の成否を判断する(ステップS502)。
【0113】
ここで、認証成功を示す認証結果が得られたユーザIDがある場合には(ステップS502肯定)、指紋照合部32は、指紋認証が成功した旨を出力して(ステップS503)、処理を終了する。
【0114】
一方では、全てのユーザIDについて認証失敗を示す認証結果が得られた場合には(ステップS502否定)、優先順位付与部35は、ユーザIDに対して類似度が高い順番を示した優先順位を付与する(ステップS504)。
【0115】
続いて、出力判定部33は、前回選択したユーザIDよりも優先順位が一位低く、選択すべきユーザIDあるか否かを判定する(ステップS505)。
【0116】
ここで、選択すべきユーザIDがない場合には(ステップS505否定)、出力判定部33は、指紋認証が失敗した旨を出力して(ステップS506)、処理を終了する。
【0117】
一方では、選択すべきユーザIDがある場合には(ステップS505肯定)、出力判定部33は、前回選択したユーザIDよりも優先順位が一位低いユーザIDを選択し(ステップS507)、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであるか否かを判断する(ステップS508)。
【0118】
ここで、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示す判定結果が得られた場合には(ステップS508否定)、出力判定部33は、選択すべきユーザIDがあるか否かを再び判定する(ステップS505)。
【0119】
一方では、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS508肯定)、出力判定部33は、ユーザに入力指紋画像の再入力を要求する(ステップS509)。
【0120】
その後、指紋照合部32は、再入力された入力指紋情報と、選択されているユーザIDの登録指紋情報とを照合して、再び指紋認証の成否を判断する(ステップS510)。
【0121】
ここで、認証成功を示す認証結果が得られた場合には(ステップS510肯定)、指紋照合部32は、指紋認証が成功した旨を出力して(ステップS503)、処理を終了する。
【0122】
一方では、認証失敗を示す認証結果が得られた場合には(ステップS510否定)、出力判定部33は、選択されているユーザIDについて再びユーザに入力指紋画像の再入力を要求すべきであるか否かを判断する(ステップS508)。
【0123】
[実施例4の効果]
上記したように、実施例4によれば、1:N認証を行う場合であっても、無駄な指紋画像の再入力を防止させ、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【0124】
なお、優先順位付与部35は、重複面積が多い順番に、ユーザIDに対して優先順位を付与するようにしてもよい。
【実施例5】
【0125】
ところで、予め登録されている登録指紋情報がそもそも指紋認証に適しておらず、指紋認証に要するユーザの手間を増加させている場合がある。そこで、実施例5では、登録指紋情報の再登録を要求する場合を説明する。なお、以下の実施例5では、指紋認証装置の構成、指紋認証装置による処理の流れを順に説明し、最後に実施例5の効果を説明する。
【0126】
[指紋認証装置の構成]
まず、図13を用いて、実施例5に係る指紋認証装置10の構成を説明する。図13は、実施例5に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、実施例5に係る指紋認証装置10の構成は、再登録判定部36をさらに有する他は、実施例1に係る指紋認証装置10の構成と以下に説明する点が異なる。
【0127】
再登録判定部36は、再入力された入力指紋画像から生成された入力指紋情報と、登録指紋情報とを照合した照合結果に基づいて認証成功を示す認証結果が得られた場合に、登録指紋情報の再登録を要求する。
【0128】
具体的には、再登録判定部36は、指紋照合部32によって認証成功を示す認証結果が得られた場合に、出力判定部33によって入力指紋画像の再入力が要求された後であるか否かを判定する。ここで、再登録判定部36は、入力指紋画像の再入力が要求された後である場合には、出力部3を介して、登録指紋情報の再登録を要求する。つまり、再登録判定部36は、認証成功を示す認証結果が得られるまでに入力指紋画像が複数回入力されている場合には、登録指紋情報の再登録を要求する。
【0129】
一方では、再登録判定部36は、入力指紋画像の再入力が要求されていない場合には、そのまま、処理を終了する。つまり、再登録判定部36は、最初の入力指紋画像の入力によって認証成功を示す認証結果が得られた場合には、登録指紋情報の再登録を要求せずに処理を終了する。
【0130】
[指紋認証装置による処理]
次に、図14を用いて、指紋認証装置10による処理を説明する。図14は、実施例5に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。なお以下では、実施例1に係る指紋認証装置10による処理と異なる点について詳細に説明する。
【0131】
図14に示すように、再登録判定部36は、認証成功を示す認証結果が得られた場合に(ステップS605肯定)、入力指紋画像の再入力が要求された後であるかもしくは再入力が要求される前であるかを判定する(ステップS606)。
【0132】
ここで、再入力の要求後であることを示す判定結果が得られた場合には(ステップS606肯定)、再登録判定部36は、登録指紋情報の再登録を要求し(ステップS607)、指紋照合部32は、指紋認証が成功した旨を出力して(ステップS608)、処理を終了する。
【0133】
一方では、再入力の要求前であること示す判定結果が得られた場合には、指紋照合部32は、指紋認証が成功した旨を出力して(ステップS608)、処理を終了する。
【0134】
[実施例5の効果]
上記したように、実施例5によれば、指紋認証が行われる際に、最初の入力指紋画像の入力によって認証成功を示す認証結果が得られるようにでき、指紋認証に要する手間を軽減させることが可能である。
【0135】
なお、指紋認証装置10は、重複面積や認証結果などを履歴としてユーザIDごとに記憶しておき(図15参照)、履歴を用いて、登録指紋情報の再登録を要求するか否かを判定するようにしてもよい。なお、図15は、指紋認証装置に記憶される履歴の一例を示した図である。ここで、「認証毎の入力回数」とは、入力指紋画像の入力回数を特定するための情報であり、例えば、「1回目」とは、最初に入力された指紋画像であることを示し、「2回目」とは、再入力の要求が「1回」出力され、「2回目」に入力された入力指紋画像であることを示す。
【0136】
例えば、指紋認証装置10は、「1回目」に対応する履歴の中で「失敗」に対応する履歴がある場合には、登録指紋情報の再登録を要求するか否かを判定するようにしてもよい。
【0137】
また、指紋認証装置10は、入力指紋画像の再入力が要求された回数を示した「認証毎の入力回数」が登録指紋画像の再登録を要求させるための条件として設定されている設定要求回数に到達している場合に、登録指紋画像の再登録を要求するようにしてもよい。
【0138】
また、指紋認証装置10は、所定期間の間に格納された履歴を集計し、最初に入力された入力指紋画像によって認証失敗を示す認証結果が得られた回数が所定の回数以上であった場合に登録指紋情報の再登録を要求するようにしてもよい。
【0139】
また、指紋認証装置10は、最初に入力された入力指紋画像を用いた指紋認証の認証結果が複数回連続して認証失敗であった場合に登録指紋情報の再登録を要求するようにしてもよい。
【0140】
また、指紋認証装置10は、最初に入力指紋画像が入力された際に算出された重複面積が設定面積を下回っている場合に、登録指紋情報の再登録を要求するようにしてもよい。
【実施例6】
【0141】
さて、これまで実施例1〜5について説明したが、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例6として、他の実施例を説明する。
【0142】
(1)指紋画像入力部
例えば、指紋画像入力部は、本発明を限定するものではなく、指紋を映像化して取得できれば本発明に適用することができる。例えば、指紋画像入力部は、平面型指紋センサであってもよいし、スウィープ型指紋センサであってもよい。また、指紋画像入力部における指紋の検出方法は、例えば、静電容量式、感熱式、電界式、光学式のいずれの手法を用いてもよい。
【0143】
(2)装置構成等
また、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図15に示した記憶情報や設定閾値)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0144】
また、図2、図6、図11および図13に示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、指紋認証装置10の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、指紋画像入力部1に指紋情報生成部31を統合するなど各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。
【0145】
さらに、指紋認証装置10にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0146】
(3)指紋認証プログラム
また、上記の実施例1〜5で説明した指紋認証装置10の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。
【0147】
そこで、以下では、図16を用いて、上記の実施例1で説明した指紋認証装置10と同様の機能を有する指紋認証プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図16は、指紋認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0148】
図16に示すように、指紋認証装置10としてのコンピュータ100は、指紋センサ101、キーボード102、モニタ103、ROM110、CPU120、HDD130およびRAM140をバスで接続して構成される。ここで、指紋センサ101は、指紋画像入力部1に対応し、キーボード102は、ユーザ識別情報入力部2に対応し、モニタ103は、出力部3に対応する。
【0149】
ROM110には、上記の実施例1に示した指紋認証装置10と同様の機能を発揮する指紋認証プログラム、つまり、図16に示すように指紋情報生成プログラム111と、指紋照合プログラム112と、出力判定プログラム113とが、あらかじめ記憶されている。なお、プログラム111〜プログラム113については、図2、図6、図11および図13に示した指紋認証装置10の各構成要素と同様、適宜統合または、分散してもよい。
【0150】
そして、CPU140がこれらのプログラム111〜プログラム113をROM110から読み出して実行することで、図16に示すように、プログラム111〜プログラム113は、指紋情報生成プロセス121と、指紋照合プロセス122と、出力判定プロセス123として機能するようになる。なお、プロセス121〜プロセス123は、図2、図6、図11および図13に示した、指紋情報生成部31と、指紋照合部32と、出力判定部33とにそれぞれ対応する。
【0151】
また、HDD130には、図16に示すように、登録指紋情報データベース131が設けられる。そして、CPU120は、登録指紋情報データベース131から、登録指紋情報141を読み出してRAM140に格納し、RAM140に格納された登録指紋情報141に基づいて処理を実行する。なお、登録指紋情報141は、図2、図6、図11および図13に示した登録指紋情報記憶部21に対応する。
【0152】
なお、上記した各プログラム111〜プログラム113については、必ずしも最初からROM110に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、またはコンピュータ100の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0153】
(4)指紋認証方法
上記の実施例1で説明した指紋認証装置10により、以下のような指紋認証方法が実現される。すなわち、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断ステップ(例えば、ステップS104、ステップS105参照)と、認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、入力指紋画像と、登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得ステップ(例えば、ステップS201参照)と、取得された重複面積と、最も重複するときの入力指紋画像および登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定ステップと(例えば、ステップS204参照)、入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求ステップ(例えば、ステップS109参照)とを含んだ指紋認証方法が実現される。
【0154】
以上の実施例1〜6を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0155】
(付記1)指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断部と、
前記認証成否判断部によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得部と、
前記重複面積取得部によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定部と、
前記要求可否判定部によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求部と、
を有する指紋認証装置。
【0156】
(付記2)前記重複面積取得部は、パターンマッチング方式で前記類似度に相関する値である評価値が最も高くなるときの前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが重複する面積を前記重複面積として取得し、
前記要求可否判定部は、前記重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、最も重複するときの評価値が所定の閾値を満足していることを条件に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する付記1に記載の指紋認証装置。
【0157】
(付記3)前記重複面積取得部は、前記入力指紋画像および前記登録指紋画像に重複して含まれている対応した特徴点の位置がそれぞれ一致するように重ね合わせたときの前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが重複する面積を前記重複面積として取得し、
前記要求可否判定部は、前記登録指紋画像の面積に対する前記重複面積の割合を用いて、前記類似度を、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが完全に重なり合うときの類似度に換算し、換算された類似度が所定の閾値を満足していることを条件に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する付記1に記載の指紋認証装置。
【0158】
(付記4)前記再入力要求部は、前記重複面積を拡大させる指紋画像の入力方法を出力して、前記入力指紋画像の再入力を要求する付記1〜3のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【0159】
(付記5)前記再入力要求部は、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の位置関係が示された指紋画像の入力方法を出力して、前記入力指紋画像の再入力を要求する付記4に記載の指紋認証装置。
【0160】
(付記6)前記再入力要求部は、指の動かし方が示された指紋画像の入力方法を出力して、前記入力指紋画像の再入力を要求する付記4または付記5に記載の指紋認証装置。
【0161】
(付記7)前記認証成否判断部は、全ての前記登録指紋画像の中から特定された一の前記登録指紋画像と、前記入力指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する付記1〜6のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【0162】
(付記8)前記認証成否判断部は、前記登録指紋画像に一意に付与されている識別情報ごとに指紋認証の成否を判断し、
前記認証成否判断部によって全ての前記識別情報について認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべき順番を特定するための優先順位を前記識別情報に対してそれぞれ付与する優先順位付与部をさらに有し、
前記要求可否判定部は、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示した判定結果が得られるごとに、前回参照した前記識別情報よりも一位優先順位が低い前記識別情報に対応する前記重複面積と、前記類似度とを用いて前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する付記1〜7のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【0163】
(付記9)前記優先順位付与部は、前記類似度が高い順番に高位の優先順位を前記識別情報に対して付与する付記8に記載の指紋認証装置。
【0164】
(付記10)前記優先順位付与部は、前記重複面積が多い順番に高位の優先順位を前記識別情報に対して付与する付記8に記載の指紋認証装置。
【0165】
(付記11)前記優先順位付与部は、前記類似度が高い順番もしくは前記重複面積が多い順番に、全ての前記識別情報の中から選択された一部の前記識別情報に対して前記優先順位をそれぞれ付与する付記9または付記10に記載の指紋認証装置。
【0166】
(付記12)再入力された入力指紋画像と、前記登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、前記認証成否判断部によって認証成功を示す認証結果が得られた場合に前記登録指紋画像の再登録を要求する再登録要求部をさらに有する付記1〜11のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【0167】
(付記13)前記再登録要求部は、最初に入力指紋画像が入力された際に前記重複面積算出部によって算出された前記重複面積が所定の閾値を下回っている場合に、前記登録指紋画像の再登録を要求する付記12に記載の指紋認証装置。
【0168】
(付記14)前記再登録要求部は、前記再入力要求部によって前記入力指紋画像の再入力が要求された回数を示した要求回数が所定の回数に到達している場合に、前記登録指紋画像の再登録を要求する付記12に記載の指紋認証装置。
【0169】
(付記15)指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断ステップと、
前記認証成否判断ステップによって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得ステップと、
前記重複面積取得ステップによって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定ステップと、
前記要求可否判定ステップによって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求ステップと、
を含む指紋認証方法。
【0170】
(付記16)指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断手順と、
前記認証成否判断手順によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得手順と、
前記重複面積取得手順によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定手順と、
前記要求可否判定手順によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求手順と、
をコンピュータに実行させる指紋認証プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】実施例1に係る指紋認証装置の概要を説明するための図である。
【図2】指紋認証装置の構成を示すブロック図である。
【図3】指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】指紋認証装置による出力判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】実施例2に係る指紋認証装置による出力判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】実施例3に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施例3に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】実施例3に係る指紋認証装置によって出力される情報の一例を示した図である。
【図9】実施例3に係る指紋認証装置によって出力される情報の一例を示した図である。
【図10】実施例3に係る指紋認証装置によって出力される情報の一例を示した図である。
【図11】実施例4に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施例4に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図13】実施例5に係る指紋認証装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例5に係る指紋認証装置による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図15】指紋認証装置に記憶される履歴の一例を示した図である。
【図16】指紋認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【符号の説明】
【0172】
1 指紋画像入力部
2 ユーザ識別情報入力部
3 出力部
10 指紋認証装置
20 記憶部
21 登録指紋情報記憶部
30 処理部
31 指紋情報生成部
32 指紋照合部
33 出力判定部
34 出力内容決定部
35 優先順位付与部
36 再登録判定部
100 コンピュータ
101 指紋センサ
102 キーボード
103 モニタ
110 ROM(Read Only Memory)
111 指紋情報生成プログラム
112 指紋照合プログラム
113 出力判定プログラム
120 CPU(Central Processing Unit)
121 指紋情報生成プロセス
122 指紋照合プロセス
123 出力判定プロセス
130 HDD(Hard Disk Drive)
131 登録指紋情報データベース
140 RAM(Random Access Memory)
141 登録指紋情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断部と、
前記認証成否判断部によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得部と、
前記重複面積取得部によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定部と、
前記要求可否判定部によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求部と、
を有する指紋認証装置。
【請求項2】
前記重複面積取得部は、パターンマッチング方式で前記類似度に相関する値である評価値が最も高くなるときの前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが重複する面積を前記重複面積として取得し、
前記要求可否判定部は、前記重複面積が所定の閾値を下回っており、かつ、前記最も重複するときの評価値が所定の閾値を満足していることを条件に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する請求項1に記載の指紋認証装置。
【請求項3】
前記重複面積取得部は、前記入力指紋画像および前記登録指紋画像に重複して含まれている対応した特徴点の位置がそれぞれ一致するように重ね合わせたときの前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが重複する面積を前記重複面積として取得し、
前記要求可否判定部は、前記登録指紋画像の面積に対する前記重複面積の割合を用いて、前記類似度を、前記入力指紋画像と前記登録指紋画像とが完全に重なり合うときの類似度に換算し、換算された類似度が所定の閾値を満足していることを条件に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであると判定する請求項1に記載の指紋認証装置。
【請求項4】
前記再入力要求部は、前記重複面積を拡大させる指紋画像の入力方法を出力して、前記入力指紋画像の再入力を要求する請求項1〜3のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【請求項5】
前記認証成否判断部は、前記登録指紋画像に一意に付与されている識別情報ごとに指紋認証の成否を判断し、
前記認証成否判断部によって全ての前記識別情報について認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求すべき順番を特定するための優先順位を前記識別情報に対してそれぞれ付与する優先順位付与部をさらに有し、
前記要求可否判定部は、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきでないことを示した判定結果が得られるごとに、前回参照した前記識別情報よりも一位優先順位が低い前記識別情報に対応する前記重複面積と、前記類似度とを用いて前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する請求項1〜4のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【請求項6】
再入力された入力指紋画像と、前記登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、前記認証成否判断部によって認証成功を示す認証結果が得られた場合に前記登録指紋画像の再登録を要求する再登録要求部をさらに有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の指紋認証装置。
【請求項7】
指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断ステップと、
前記認証成否判断ステップによって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得ステップと、
前記重複面積取得ステップによって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定ステップと、
前記要求可否判定ステップによって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求ステップと、
を含む指紋認証方法。
【請求項8】
指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証の成否を判断する認証成否判断手順と、
前記認証成否判断手順によって認証失敗を示す認証結果が得られた場合に、前記入力指紋画像と、前記登録指紋画像とが最も重複するときの重複面積を取得する重複面積取得手順と、
前記重複面積取得手順によって取得された重複面積と、前記最も重複するときの前記入力指紋画像および前記登録指紋画像の一致度合いを示した類似度とを用いて、前記入力指紋画像の再入力を要求すべきか否かを判定する要求可否判定手順と、
前記要求可否判定手順によって前記入力指紋画像の再入力を要求すべきであることを示す判定結果が得られた場合に、前記入力指紋画像の再入力を要求する再入力要求手順と、
をコンピュータに実行させる指紋認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−61576(P2010−61576A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228983(P2008−228983)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】