説明

挿入部品のはんだ付け方法、実装基板の製造方法、及び実装基板

【課題】実装部品に不所望にはんだが付着することなく、また、実装部品自体を破壊する恐れのない挿入部品を基板にはんだ付けする。
【解決手段】第1過程では、基板11の第1主表面11aからこの第1主表面に対向する第2主表面11bまで貫通して形成されたリード挿入用孔部13の、第2主表面側の第2開口端領域11dにリード固定部材15を形成する。第2過程では、リード21を有する挿入部品19のリードを第2主表面側の第2開口13bからリード挿入用孔部に挿入することによって、リードを第1主表面側のリード挿入用孔部の第1開口13aから突出させるとともに、挿入した状態でリードをリード固定部材によって固定する。第3過程では、リードと、第1主表面の、リード挿入用孔部の第1開口端領域11c、及びリード挿入用孔部の内側壁面の、第1開口の周辺領域13dとをはんだ付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、はんだ付け方法に関し、特に基板にリードを挿入して実装する挿入部品をはんだ付けする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、基板に種々の電子部品を実装する際には、これら実装する電子部品(以下、実装部品とも称する)を基板にはんだ付けする。
【0003】
そして、実装部品を基板にはんだ付けする方法としては、主にフローはんだ付け及びリフローはんだ付けの2種類のはんだ付け方法が利用されている。そして、例えば実装部品の種類や形状に応じて、これらフローはんだ付けまたはリフローはんだ付けのいずれかの方法が選択され、実装部品が基板にはんだ付けされる。
【0004】
すなわち、例えばDIPコネクタ等の、基板に貫通して形成されたリード挿入用孔部に、リードを挿入して実装する実装部品(以下、挿入部品とも称する)は、従来、主にフローはんだ付けを用いて、はんだ付けが行われている。
【0005】
挿入部品を、フローはんだ付けを用いて基板に実装する際には、まず、挿入部品が具えているリードを、基板のリード挿入用孔部に挿入する。次いで、基板の、リード挿入用孔部に挿入されたリードが突出する側の表面、すなわち第1主表面をはんだディップ槽に浸す。その結果、基板の第1主表面側のリード挿入用孔部の開口の周辺領域、すなわち第1開口端領域と、第1主表面側に突出したリードの突出部分とがはんだ付けされる。
【0006】
また、例えばSOP等の、基板の表面に載置した状態で実装する実装部品(以下、表面実装部品とも称する)は、従来、主にリフローはんだ付けを用いて、はんだ付けが行われている。
【0007】
表面実装部品を、リフローはんだ付けを用いて基板に実装する際には、まず、基板の表面、すなわち例えば第1主表面にペースト状はんだ層を形成し、このペースト状はんだ層上に表面実装部品を載置する。次いで、ペースト状はんだ層に対して加熱処理を行うことによって、このペースト状はんだ層を溶融させる。その結果、基板の第1主表面と表面実装部品とがはんだ付けされる。
【0008】
そして、一つの基板に対して挿入部品及び表面実装部品を実装する場合であって、これら挿入部品及び表面実装部品を基板の同じ側の表面にはんだ付けする場合には、表面実装部品に対して上述したリフローはんだ付けを、及び挿入部品に対してフローはんだ付けを、順次行うことによってはんだ付けを行う(例えば特許文献1参照)。
【0009】
ここで、図5及び図6を参照して、例えば特許文献1に開示されている従来技術によるはんだ付け方法を用いて、一つの基板の同一面に対して挿入部品及び表面実装部品をそれぞれはんだ付けする場合のフローを簡単に説明する。
【0010】
図5(A)及び(B)は、従来技術によるはんだ付け方法を説明する過程図である。また、図6は、従来技術によるはんだ付け方法を説明する過程図であり、図5(B)に続く過程図である。これらの各図は、それぞれ、はんだ付け方法の各過程における基板および実装部品を、基板の厚み方向、すなわち各図に示す基板の第1主表面101a及びこの第1主表面101aに対向する第2主表面101bに直交する方向に切り取った切り口で示
してある。
【0011】
まず、第1過程では、基板101の第1主表面101aに、上述したリフローはんだ付けを用いて表面実装部品103をはんだ付けする(図5(A)参照)。
【0012】
リフローはんだ付けを行う際には、図5(A)に示すように、基板101の表面実装部品103を実装する面、すなわち第1主表面101aが上側を向くように、当該基板101を配置する。
【0013】
このリフローはんだ付けの結果、表面実装部品103は、はんだ105によって基板101の第1主表面101aに接合され実装される。
【0014】
なお、図5(A)では、基板101と表面実装部品103とを電気的に接続するために第1主表面101aに設けられているパッド115上に表面実装部品103をはんだ付けした構成例を示している。
【0015】
次に、第2過程では、挿入部品109のリード111を、基板101に形成されているリード挿入用孔部113に挿入する(図5(B)参照)。
【0016】
リード挿入用孔部113は、基板101の第1主表面101aからこの第1主表面101aに対向する第2主表面101bまで貫通して形成されている。
【0017】
なお、図5(A)及び(B)では、基板101と挿入部品109とを電気的に接続するために、基板101に、第1主表面101a側のリード挿入用孔部113の開口(以下、第1開口とも称する)113aの周辺領域、すなわち第1開口端領域101c、第2主表面101b側のリード挿入用孔部113の開口(以下、第2開口とも称する)113bの周辺領域、すなわち第2開口端領域101d、及びリード挿入用孔部113の内側壁面113cを一体的に被覆するランド107が設けられている構成例を示している。
【0018】
そして、この第2過程では、表面実装部品103及び挿入部品109を基板101の同一の表面、すなわち第1主表面101aではんだ付けするために、挿入部品109のリード111を、第2主表面101b側の第2開口113bからリード挿入用孔部に挿入し、これによって、リード111を第1主表面101a側の第1開口113aから突出させる。
【0019】
また、この第2過程では、上述したようにリード111を第2開口113bからリード挿入用孔部に挿入するために、また、続く第3過程においてフローはんだ付けを行うために、図5(B)に示すように、基板101の第2主表面101bが上側を向くように、当該基板101を配置する。
【0020】
次に、第3過程では、上述したフローはんだ付けを用いて、挿入部品109のリード111の、第1開口113aから突出した部分(以下、突出部分とも称する)111aと基板101とをはんだ付けする(図6参照)。
【0021】
既に説明したように、フローはんだ付けは、基板101のはんだ付けを行う表面、すなわち第1主表面101aをはんだディップ槽(図示せず)に浸すことによって行われる。
【0022】
そして、このフローはんだ付けを行う際には、上述した第1過程において第1主表面101aに既に実装されている表面実装部品103に不所望にはんだが付着するのを防止するために、表面実装部品103及びその周辺の第1主表面101aの領域にガードテープ
117を貼り付け、このガードテープ117によって表面実装部品103を被覆した状態で、基板101をはんだディップ槽に浸す。
【0023】
フローはんだ付けの結果、リード111の突出部分111aと第1主表面の101aの第1開口端領域101cとがはんだ付けされ、挿入部品109は、はんだ119によって基板101に実装される。
【0024】
なお、上述したように、基板101に第1開口端領域101c、第2開口端領域101d、及びリード挿入用孔部113の内側壁面113cを一体的に被覆するランド107が設けられているため、図6に示す構成例では、挿入部品109のリード111は、このランド107を介して基板101の第1開口端領域101cにはんだ付けされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開平8−288641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、上述したガードテープを利用してフローはんだ付けを行う場合、ガードテープの隙間からはんだが入り込む恐れがある。特に、基板に対して高密度に実装部品を実装する場合には、ガードテープを貼り付けるスペースを十分に確保するのが困難となる。そのため、ガードテープに剥がれが生じる可能性が高く、従って、ガードテープで被覆してある空間内にはんだが入り込む恐れが大きくなる。
【0027】
その結果、例えば実装部品に不所望にはんだが付着した場合には、例えば基板に実装した各実装部品間でショートを起こす等の問題が生じる。
【0028】
ここで、このような問題を解消する方法として、上述したフローはんだ付けを行うことなく、例えば、周知のはんだごてを用いて、手作業で挿入部品のリードと基板とのはんだ付けを行うことが考えられる。
【0029】
しかしながら、はんだごてを用いてはんだ付けを行う場合には、挿入部品のリードに過剰に熱が加わる恐れがあるため、部品自体を破壊してしまうという問題が生じる。
【0030】
そこで、この発明の目的は、実装部品に不所望にはんだが付着することなく、また、実装部品自体が破壊する恐れのない挿入部品のはんだ付け方法、このはんだ付け方法を利用した実装基板の製造方法、及びこの製造方法を用いて製造された実装基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上述の目的の達成を図るため、この発明の第1の要旨によれば、挿入部品のはんだ付け方法は、以下の第1過程から第3過程までの各過程を含む。
【0032】
すなわち、まず、第1過程では、基板の第1主表面からこの第1主表面に対向する第2主表面まで貫通して形成されたリード挿入用孔部の、第2主表面側の第2開口端領域にリード固定部材を形成する。
【0033】
次に、第2過程では、リードを有する挿入部品のリードを第2主表面側の第2開口からリード挿入用孔部に挿入することによって、リードを第1主表面側のリード挿入用孔部の第1開口から突出させるとともに、挿入した状態でリードをリード固定部材によって固定
する。
【0034】
次に、第3過程では、リードと、第1主表面の、リード挿入用孔部の第1開口端領域、及びリード挿入用孔部の内側壁面の、第1開口の周辺領域とをはんだ付けすることによって、挿入部品を基板に実装する。
【0035】
また、この発明の第2の要旨によれば、実装基板の製造方法は、以下の第1工程から第4工程までの各工程を含む。
【0036】
すなわち、まず、第1工程では、基板の第1主表面から該第1主表面に対向する第2主表面まで貫通して形成されたリード挿入用孔部の、第2主表面側の第2開口端領域にリード固定部材を形成する。しかる後、第1主表面の、リード挿入用孔部の第1開口端領域に第1ペースト状はんだ層を形成し、及び第1開口端領域を除く表面実装領域に、第2ペースト状はんだ層を形成する。
【0037】
次に、第2工程では、リードを有する挿入部品のリードを第2主表面側の第2開口からリード挿入用孔部に挿入することによって、リードを第1主表面側のリード挿入用孔部の第1開口から突出させるとともに、挿入した状態でリードをリード固定部材によって固定する。
【0038】
次に、第3工程では、第2ペースト状はんだ層上に表面実装部品を載置する。
【0039】
次に、第4工程では、第1ペースト状はんだ層及び第2ペースト状はんだ層に対して加熱処理を行い、リードと、第1開口端領域、及びリード挿入用孔部の内側壁面の、第1開口の周辺領域とを、また、表面実装部品と前記表面実装領域とをはんだ付けすることによって、挿入部品及び表面実装部品を基板に実装する。
【0040】
また、この発明の第3の要旨によれば、実装基板は、以下の特徴を有している。
【0041】
すなわち、第3の要旨による実装基板は、上述した第2の要旨による実装基板の製造方法を用いて製造されている。
【発明の効果】
【0042】
第1の要旨による挿入部品のはんだ付け方法及び第2の要旨による実装基板の製造方法では、挿入部品のリードを第2主表面側からリード挿入用孔部に挿入した状態で、固定部材によって固定する。
【0043】
従って、リードと、基板の第1主表面の第1開口端領域、及びリード挿入用孔部の内側壁面の、第1開口の周辺領域とをはんだ付けする際に、第1主表面が上側を向くように基板を配置しても、リードがリード挿入用孔部から抜け落ちることがなく、すなわち、挿入部品が落下することがない。
【0044】
そのため、挿入部品のリードと基板とを、上述したリフローはんだ付けを用いてはんだ付けすることができる。
【0045】
従って、従来技術によるはんだ付け方法とは異なり、フローはんだ付けまたははんだごてを用いたはんだ付けを行わないため、基板の、はんだ付けが不必要な箇所、すなわち例えば表面実装部品に不所望にはんだが付着することなく、また、表面実装部品自体を破壊することなく、挿入部品を基板に実装することができる。
【0046】
さらに、第1の要旨による挿入部品のはんだ付け方法及び第2の要旨による実装基板の製造方法では、挿入部品のリードと基板とをリフローはんだ付けを用いてはんだ付けすることができるため、挿入部品及び表面実装部品をともに基板に実装する場合であって、これらを基板の同一面において基板とはんだ付けする場合において、挿入部品及び表面実装部品の双方に対してリフローはんだ付けを行うことができる。
【0047】
そのため、挿入部品と基板とをリフローはんだ付けする際の加熱処理と、表面実装部品と基板とをリフローはんだ付けする際の加熱処理とを、同一の加熱処理によって行うことができる。
【0048】
従って、挿入部品及び表面実装部品と基板とのはんだ付けを同時に行うことができるため、従来と比して、良好なスループットでこれら挿入部品及び表面実装部品をともに基板に実装することができる。
【0049】
また、第3の要旨による実装基板は、上述した第2の要旨による実装基板の製造方法を用いて製造されているため、例えば、挿入部品が破壊されている恐れや、表面実装部品に不所望にはんだが付着している恐れがないため、例えば基板に実装した各実装部品間でショートを起こす等の問題が防止されている。
【0050】
さらに、第3の要旨による実装基板は、はんだ付けによって基板に実装されているのみでなく、挿入部品のリードが固定部材によっても基板に固定されているため、従来の実装基板と比して、例えば外部からの振動に対する耐性等の機械的強度が優れていると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(A)及び(B)は、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図である。
【図2】(A)及び(B)は、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図であり、図1(B)に続く工程図である。
【図3】(A)及び(B)は、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図である。
【図4】第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図であり、図3(A)に続く工程図である。
【図5】(A)及び(B)は、従来技術によるはんだ付け方法を説明する過程図である。
【図6】従来技術によるはんだ付け方法を説明する過程図であり、図5(B)に続く過程図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る挿入部品のはんだ付け方法、及びこのはんだ付け方法を利用した実装基板の製造方法について説明する。なお、各図は、この発明が理解できる程度に、各構成要素の形状、大きさ、及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明の構成は、何ら図示の構成例にのみ限定されるものではない。
【0053】
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態では、挿入部品のはんだ付け方法、及びこのはんだ付け方法を利用した実装基板の製造方法について説明する。
【0054】
第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法は、第1過程から第3過程までを含
んでいる。この第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法は、基板に挿入部品及び表面実装部品がはんだ付けされることによって製造される実装基板の製造工程に含まれて用いられる。そこで、以下、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法の各過程を、実装基板の製造工程とともに、この実装基板の製造工程に沿って説明する。
【0055】
図1(A)及び(B)は、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図である。また、図2(A)及び(B)は、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図であり、図1(B)に続く工程図である。これらの各図は、それぞれ、各製造工程で得られた構造体を、基板の厚み方向、すなわち各図に示す基板11の第1主表面11a及びこの第1主表面11aに対向する第2主表面11bに直交する方向に切り取った切り口で示してある。
【0056】
第1工程を実施するに当たり、まず、基板11を用意する。この基板11は、第1主表面11a及び第2主表面11bを有する、好ましくは平行平板状の基板とする。さらに、この基板11には、リード挿入用孔部13が既に設けられていて、このリード挿入用孔部13の内側壁面13cとその周辺の第1主表面11a及び第2主表面11bの領域にわたって連続的に設けられたランド17を具えている。
【0057】
なお、リード挿入用孔部13の第1主表面11a側の入り口に相当する開口、すなわち第1主表面11aと同一面位置にある開口を以下説明するように第1開口13aと称し、また、リード挿入用孔部13の第2主表面11b側の入り口に相当する開口、すなわち第2主表面11bと同一面位置にある開口を以下説明するように第2開13bと称する。
【0058】
このような基板11を用いた第1工程では、挿入部品のはんだ付け方法の第1過程として、基板11に形成されたリード挿入用孔部13の、第2主表面11b側の第2開口13bの周辺領域、すなわち第2開口端領域11dにリード固定部材15を形成する。
【0059】
しかる後、第1主表面11aの、リード挿入用孔部13の第1開口13aの周辺領域、すなわち第1開口端領域11cに第1ペースト状はんだ層23を形成し、及び第1開口端領域11cを除く表面実装領域11eに、第2ペースト状はんだ層25を形成して図1(A)に示すような構造体を得る。
【0060】
そのために、この第1工程を行う際には、まず、図1(A)に示すように、基板11の第2主表面11bが上側を向くように、当該基板11を配置する。
【0061】
基板11は、好ましくは例えば周知のガラスエポキシ基板である。
【0062】
また、リード挿入用孔部13は、後述する挿入部品のリードを、基板11を貫通させて挿入するために、このリードを挿入する孔として、基板11の第1主表面11aからこの第1主表面11aに対向する第2主表面11bまで貫通して形成されている。
【0063】
なお、図1(A)では、基板11に2つのリード挿入用孔部13が形成されており、基板11とこの基板11に実装する挿入部品とを電気的に接続するために、基板11に、リード挿入用孔部13の第1開口端領域11c、第2開口端領域11d、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cを一体的に被覆するランド17が設けられている場合の構成例を示している。
【0064】
そして、この第1の実施の形態では、挿入部品のリードを基板11とはんだ付けする際において、リードを第2主表面11b側からリード挿入用孔部13に挿入された状態で、
基板11の第1主表面11aが上側を向き、かつ第2主表面11bが下側を向くように、すなわち図1(A)に示した状態から裏返して、当該基板11を配置する。
【0065】
そこで、はんだ付けを行うために基板11を裏返した際に、挿入部品が基板11から落下するのを防止するために、この第1工程において、リード挿入用孔部13に挿入した挿入部品のリードを固定するためのリード固定部材15を形成する。
【0066】
そして、この第1の実施の形態では、リード固定部材15として、第2主表面11b側からリード挿入用孔部13を覆うように、すなわち第2開口13bを塞ぐように、接着材層を形成する。そこで、この実施の形態では、以下、リード固定部材15を、接着材層とも称する。
【0067】
接着材層15は、続く第2工程において挿入部品のリードが貫通可能な硬さであって、かつリードが貫通した状態でこのリードを固定することによって、挿入部品を保持可能な弾性を有する接着材を材料として形成するのが好ましい。そして、接着材層15を、例えば挿入部品のリードの太さ、リード挿入用孔部13の第2主表面11bに沿った開口径、挿入部品の重さ、及びその他の設計事項に応じた任意好適な接着材、より具体的には、例えばゴム系、エポキシ系、または樹脂系の接着材であって、後述するはんだ付けの際の加熱処理時に溶融しない接着材を材料として、例えば周知の塗布技術を用いて形成するのが好ましい。
【0068】
なお、既に説明したように、この実施の形態では、基板11に、第1開口端領域11c、第2開口端領域11d、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cを一体的に被覆するランド17が設けられている。従って、図1(A)に示す構成例では、基板11の第2主表面11b上にランド17を介して接着材層15を形成することによって、この接着材層15でリード挿入用孔部13の第2開口13bを被覆している。
【0069】
また、この第1工程では、リード固定部材15を形成した後、第1ペースト状はんだ層23及び第2ペースト状はんだ層25を形成する際には、基板11のはんだ付けを行う面、すなわち第1主表面11aが上側を向き、かつ第2主表面11bが下側を向くように、当該基板11を配置する。すなわち、基板11の第1主表面11aと第2主表面11bとを、図1(A)に示した状態から一旦裏返す(図示せず)。
【0070】
そして、挿入部品19のリード21と基板11とをはんだ付けするための第1ペースト状はんだ層23を、第1主表面11aの第1開口端領域11cに、また、表面実装部品27(図2(A)、(B)参照)と基板とをはんだ付けするための第2ペースト状はんだ層25を表面実装領域11eに、それぞれ好ましくは例えば周知の印刷技術を用いて、ペースト状のはんだを堆積することによって形成する。
【0071】
なお、既に説明したように、この実施の形態における構成例では、基板11に、第1開口端領域11c、第2開口端領域11d、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cを一体的に被覆するランド17が設けられている。従って、図1(A)に示す構成例では、第1ペースト状はんだ層23は、第1開口端領域11c上にランド17を介して形成されている。
【0072】
また、図1(A)に示す構成例では、基板11と表面実装部品27とを電気的に接続するために、第1主表面11aの表面実装領域11eにパッド29を設けてある。従って、この構成例では、第2ペースト状はんだ層25は、表面実装領域11e上にパッド29を介して形成されている。
【0073】
そして、これら第1ペースト状はんだ層23及び第2ペースト状はんだ層25を形成した後、続く第2工程を行うために、図1(A)に示すように、再び基板11の第2主表面11bが上側を向くように当該基板11を配置する。
【0074】
次に、第2工程では、挿入部品のはんだ付け方法の第2過程として、リード21を有する挿入部品19のリード21を第2主表面11b側の第2開口13bからリード挿入用孔部13に挿入する。
【0075】
これによって、リード21を第1主表面11a側のリード挿入用孔部13の第1開口13aから突出させるとともに、該挿入した状態でリード21をリード固定部材15、すなわち接着材層15によって固定して図1(B)に示すような構造体を得る。
【0076】
挿入部品19は、例えばDINコネクタ等の周知の電子部品であり、基板11と電気的な接続をとるためのリード21を具えている。
【0077】
そして、この第2工程において、リード21を、接着材層15を貫通させてリード挿入用孔部13に挿入する。これによって、接着材層15によってリード21を基板11に固定する。
【0078】
また、リード21を第2開口13bからリード挿入用孔部13に挿入することによって、リード21の一部が第1開口13aから突出部分21aとして突出する。
【0079】
次に、第3工程では、第2ペースト状はんだ層25上に表面実装部品27を載置して図2(A)に示すような構造体を得る。
【0080】
ここで、この第1の実施の形態では、挿入部品19及び表面実装部品27をともに上述したリフローはんだ付けを用いて基板11にはんだ付けする。
【0081】
そのために、この第3工程においては、図2(A)に示すように、まず、基板11のはんだ付けを行う面、すなわち第1主表面11aが上側を向き、かつ第2主表面11bが下側を向くように、当該基板11を配置する。すなわち、基板11の第1主表面11aと第2主表面11bとを、上述した第2工程における状態(図1(B)参照)から裏返す。
【0082】
このとき、既に説明したように、接着材層15によってリード21が基板11に固定されているため、挿入部品19が落下することはない。
【0083】
また、第2ペースト状はんだ層25上に載置する表面実装部品27は、例えば○○○等の周知の電子部品である。
【0084】
なお、図2(A)に示す構成例では、一例として、表面実装部品27として、表面実装部品27a及び27bの2つの実装部品を実装する場合の構成例を示している。
【0085】
図2(A)に示す表面実装部品27aは、基板11と電気的な接続をとるためのリード31を具えている。従って、このリード31と基板11(すなわちパッド29)とをはんだ付けするために、リード31を第2ペースト状はんだ層25上に載置する。
【0086】
また、図2(A)に示す表面実装部品27bは、この表面実装部品27bの裏面27baにおいて基板11と電気的に接続される。従って、表面実装部品27bの裏面27baと基板11(すなわちパッド29)とをはんだ付けするために、表面実装部品27bの裏面27baを第2ペースト状はんだ層25に接触させて載置する。
【0087】
次に、第4工程では、挿入部品のはんだ付け方法の第3過程として、第1ペースト状はんだ層23及び第2ペースト状はんだ層25に対して加熱処理を行うことによって、挿入部品19及び表面実装部品27を基板11にはんだ付けして図2(B)に示すような構造体を得る。
【0088】
すなわち、この第4工程では、挿入部品19及び表面実装部品27をともに上述したリフローはんだ付けを用いて基板11にはんだ付けする。
【0089】
より具体的には、加熱処理によって、第1ペースト状はんだ層23が溶融することによって、この溶融したはんだが第1開口13aからリード挿入用孔部13へ流れ込む。その結果、挿入部品19のリード21の突出部分21aと、第1開口端領域11c、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cの、第1開口13aの周辺領域13dとがはんだ33によって接合、すなわちはんだ付けされる。
【0090】
また、加熱処理によって、第2ペースト状はんだ層25が溶融し、その結果、表面実装部品27と表面実装領域11eとがはんだ35によって接合、すなわちはんだ付けされる。
【0091】
なお、既に説明したように、この実施の形態における構成例では、基板11に、第1開口端領域11c、第2開口端領域11d、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cを一体的に被覆するランド17が設けられている。従って、図2(B)に示す構成例では、挿入部品19のリード21は、ランド17を介して、基板11の第1開口端領域11c及び第1開口13aの周辺領域13dとはんだ付けされている。また、既に説明したように、この実施の形態における構成例では、基板11の第1主表面11aの表面実装領域11eにパッド29が設けられている。従って、図2(B)に示す構成例では、表面実装部品27は、パッド29を介して、基板11の表面実装領域11eとはんだ付けされている。
【0092】
このように、挿入部品19及び表面実装部品27と基板11とをはんだ付けすることによって、これら挿入部品19及び表面実装部品27が基板11に実装された実装基板37が製造される。
【0093】
以上説明したように、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法では、挿入部品19のリード21を第2主表面11b側からリード挿入用孔部13に挿入した状態で、固定部材によって固定する。
【0094】
従って、リード21と、基板11の第1主表面11aの第1開口端領域11c、及びリード挿入用孔部13の内側壁面13cの、第1開口13aの周辺領域13dとをはんだ付けする際に、第1主表面11aが上側を向くように基板11を配置しても、リード21がリード挿入用孔部13から抜け落ちることがなく、すなわち、挿入部品19が落下することがない。
【0095】
そのため、挿入部品19のリード21と基板11とを、上述したリフローはんだ付けを用いてはんだ付けすることができる。
【0096】
従って、従来技術によるはんだ付け方法とは異なり、フローはんだ付けまたははんだごてを用いたはんだ付けを行わないため、基板11の、はんだ付けが不必要な箇所、すなわち例えば表面実装部品27に不所望にはんだが付着することなく、また、実装部品自体を破壊することなく、挿入部品19を基板11に実装することができる。
【0097】
さらに、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法では、挿入部品19のリード21と基板11とをリフローはんだ付けを用いてはんだ付けすることができるため、挿入部品19及び表面実装部品27をともに基板11に実装する場合であって、これらを基板11の同一面において基板11とはんだ付けする場合において、挿入部品19及び表面実装部品27の双方に対してリフローはんだ付けを行うことができる。
【0098】
そのため、挿入部品19と基板11とをリフローはんだ付けする際の加熱処理と、表面実装部品27と基板11とをリフローはんだ付けする際の加熱処理とを、同一の加熱処理によって行うことができる。
【0099】
従って、挿入部品19及び表面実装部品27と基板11とのはんだ付けを同時に行うことができるため、従来と比して、良好なスループットでこれら挿入部品19及び表面実装部品27をともに基板11に実装することができる。
【0100】
また、第1の実施の形態による実装基板の製造方法を用いて製造された実装基板37では、例えば、挿入部品19が破壊されている恐れや、表面実装部品27に不所望にはんだが付着している恐れがないため、例えば基板11に実装した各実装部品間でショートを起こす等の問題が防止されている。
【0101】
さらに、第1の実施の形態による実装基板37は、はんだ付けによって基板11に実装されているのみでなく、挿入部品19のリード21がリード固定部材15によっても基板11に固定されているため、従来の実装基板と比して、例えば外部からの振動に対する耐性等の機械的強度が優れていると考えられる。
【0102】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様に、挿入部品のはんだ付け方法、及びこのはんだ付け方法を利用した実装基板の製造方法について説明する。
【0103】
第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法は、第1過程から第3過程までを含んでいる。この第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法は、第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法と同様に、基板に挿入部品及び表面実装部品がはんだ付けされることによって製造される実装基板の製造工程に含まれて用いられる。そこで、以下、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法の各過程を、実装基板の製造工程とともに、この実装基板の製造工程に沿って説明する。
【0104】
なお、この第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法が、上述した第1の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法と相違するのは、上述したリード固定部材として、接着材層ではなく狭窄部材を形成する点である。その他の構成要素及び作用効果は、第1の実施の形態と同様であるので、共通する構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0105】
図3(A)及び(B)は、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図である。また、図4は、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法及び実装基板の製造方法を説明する工程図であり、図3(A)に続く工程図である。図3(A)及び図4は、それぞれ、各製造工程で得られた構造体を、基板の厚み方向、すなわち各図に示す基板11の第1主表面11a及びこの第1主表面11aに対向する第2主表面11bに直交する方向に切り取った切り口で示してある。また、図3(B)は、図3(A)に示す構造体を基板の第2主表面側から見た平面図である。なお、図3(A)に示す構造体の切り口は、図3(B)に示す構造体のI−I線に沿って切り
取った切り口に相当する。
【0106】
まず、第1工程では、挿入部品のはんだ付け方法の第1過程として、基板11に形成されたリード挿入用孔部13の、第2開口端領域11dにリード固定部材としての狭窄部材39を形成して図3(A)及び(B)に示すような構造体を得る。
【0107】
そのために、この第1工程を行う際には、図3(A)に示すように、基板11の第2主表面11bが上側を向くように、当該基板11を配置する。
【0108】
狭窄部材39は、上述した第1の実施の形態における接着材層15(図1(A)参照)と同様に、後の工程においてはんだ付けを行うために基板11を裏返した際に、挿入部品が基板11から落下するのを防止するために、リード挿入用孔部13に挿入される挿入部品のリードを固定する目的で形成される。
【0109】
そして、挿入部品のリードを基板11に固定するために、狭窄部材39を、リード挿入用孔部13に挿入されるリードと摩擦係合する間隙39aを有し、かつ第2主表面11bに沿った第2開口13bの開口面積を狭窄する形状で形成するのが好ましい。
【0110】
なお、図3(A)及び(B)に示す構成例では、狭窄部材39として、2つのサブ狭窄部材41a及び41bを、第2開口端領域11d上に、第2開口13bを挟んで互いに対向させて配設している。
【0111】
この構成例では、互いに対向して形成されているサブ狭窄部材41a及び41b間の離間した空間として間隙39aが設けられる。
【0112】
そして、これらサブ狭窄部材41a及び41bを、それぞれ第2開口端領域11dから第2開口13bへ迫り出して形成することによって、第2開口13bの開口面積を狭窄する。
【0113】
なお、狭窄部材39は、図3(A)及び(B)に示す構成例に限定されず、基板11を第2主表面11bが下側を向くように配置した際に、リード挿入用孔部13に挿入されたリードが抜け落ちるのを防止できる形状であれば、その他の任意好適な形状で形成することができる。
【0114】
また、例えば狭窄部材39の材料、間隙39aの形状、または間隙39の面積等は、例えば挿入部品のリードの太さ、リード挿入用孔部13の第2主表面11bに沿った開口径、挿入部品の重さ、及びその他の設計事項に応じた任意好適に設定するのが好ましい。より具体的には、例えば、周知のシルク印刷用インクを材料として、シルク印刷技術を用いて、狭窄部材39を形成するのが好ましい。
【0115】
そして、狭窄部材39の形成後、上述した第1の実施の形態と同様に、第1ペースト状はんだ層23及び第2ペースト状はんだ層25を形成する。
【0116】
次に、第2工程では、挿入部品のはんだ付け方法の第2過程として、リード21を有する挿入部品19のリード21を第2主表面11b側の第2開口13bからリード挿入用孔部13に挿入する。
【0117】
これによって、リード21を第1主表面11a側のリード挿入用孔部13の第1開口13aから突出させるとともに、該挿入した状態でリード21をリード固定部材39、すなわち狭窄部材39によって固定して図4に示すような構造体を得る。
【0118】
すなわち、この第2の実施の形態では、リード21を、狭窄部材39の間隙39aを貫通させてリード挿入用孔部13に挿入することによって、リード21と狭窄部材39とが間隙39aにおいて摩擦係合する。その結果、リード21が基板11に固定され、基板11を裏返した際においても、挿入部品19が基板11から落下するのが防止される。
【0119】
第2の実施の形態では、この第2工程の後に、上述した第1の実施の形態と同様の第3工程及び第4工程を行うことによって、挿入部品19及び表面実装部品27と基板11とをはんだ付けし、実装基板を製造する(図2(A)及び(B)参照)。
【0120】
以上説明したように、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法、実装基板の製造方法、この製造方法を用いて製造された実装基板では、狭窄部材39が、上述した第1の実施の形態における接着材層15(図2(A)及び(B)参照)と同様に、挿入部品19のリード21を、リード挿入用孔部13に挿入した状態で基板11に固定する。
【0121】
従って、第2の実施の形態による挿入部品のはんだ付け方法、実装基板の製造方法、この製造方法を用いて製造された実装基板では、上述した第1の実施の形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0122】
11、101:基板
11a、101a:第1主表面
11b、101b:第2主表面
11c、101c:第1開口端領域
11d、101d:第2開口端領域
11e:表面実装領域
13、113:リード挿入用孔部
13a、113a:第1開口
13b、113b:第2開口
13c、113c:リード挿入用孔部の内側壁面
13d:第1開口の周辺領域
15:リード固定部材(接着材層)
17、107:ランド
19、109:挿入部品
21、31、111:リード
21a、111a:突出部分
23:第1ペースト状はんだ層
25:第2ペースト状はんだ層
27、103:表面実装部品
29、115:パッド
33、35、105、119:はんだ
37:実装基板
39:リード固定部材(狭窄部材)
39a:間隙
41a、41b:サブ狭窄部材
117:ガードテープ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1主表面から該第1主表面に対向する第2主表面まで貫通して形成されたリード挿入用孔部の、前記第2主表面側の第2開口端領域にリード固定部材を形成する第1過程と、
リードを有する挿入部品の該リードを前記第2主表面側の第2開口から前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを前記第1主表面側の前記リード挿入用孔部の第1開口から突出させるとともに、該挿入した状態で該リードを前記リード固定部材によって固定する第2過程と、
該リードと、前記第1主表面の、前記リード挿入用孔部の第1開口端領域、及び前記リード挿入用孔部の内側壁面の、前記第1開口の周辺領域とをはんだ付けすることによって、前記挿入部品を前記基板に実装する第3過程と
を含むことを特徴とする挿入部品のはんだ付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載の挿入部品のはんだ付け方法であって、
前記第1過程において、前記リード固定部材として、前記第2主表面側から前記リード挿入用孔部を覆うように接着材層を形成し、
前記第2過程において、前記リードを、該接着材層を貫通させて前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを固定する
ことを特徴とする挿入部品のはんだ付け方法。
【請求項3】
請求項1に記載の挿入部品のはんだ付け方法であって、
前記第1過程において、前記リード固定部材として、前記リードと摩擦係合する間隙を有しかつ前記第2開口の前記第2主表面に沿った開口面積を狭窄する狭窄部材を形成し、
前記第2過程において、前記リードを、前記間隙を貫通させて前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを固定する
ことを特徴とする挿入部品のはんだ付け方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の挿入部品のはんだ付け方法であって、
前記第3過程において、はんだ付けとして、リフローはんだ付けを行う
ことを特徴とする挿入部品のはんだ付け方法。
【請求項5】
基板の第1主表面から該第1主表面に対向する第2主表面まで貫通して形成されたリード挿入用孔部の、前記第2主表面側の第2開口端領域にリード固定部材を形成し、しかる後、前記第1主表面の、前記リード挿入用孔部の第1開口端領域に第1ペースト状はんだ層を形成し、及び前記第1開口端領域を除く表面実装領域に、第2ペースト状はんだ層を形成する第1工程と、
リードを有する挿入部品の該リードを前記第2主表面側の前記第2開口から前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを前記第1主表面側の前記リード挿入用孔部の第1開口から突出させるとともに、該挿入した状態で該リードを前記リード固定部材によって固定する第2工程と、
前記第2ペースト状はんだ層上に表面実装部品を載置する第3工程と、
前記第1ペースト状はんだ層及び前記第2ペースト状はんだ層に対して加熱処理を行い、該リードと、前記第1開口端領域、及び前記リード挿入用孔部の内側壁面の、前記第1開口の周辺領域とを、また、前記表面実装部品と前記表面実装領域とをはんだ付けすることによって、前記挿入部品及び前記表面実装部品を前記基板に実装する第4工程と
を含むことを特徴とする実装基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の実装基板の製造方法であって、
前記第1工程において、前記リード固定部材として、前記第2主表面側から前記リード
挿入用孔部を覆うように接着材層を形成し、
前記第2工程において、前記リードを、該接着材層を貫通させて前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを固定する
ことを特徴とする実装基板の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の実装基板の製造方法であって、
前記第1工程において、前記リード固定部材として、前記リードと摩擦係合する間隙を有しかつ前記第2開口の前記第2主表面に沿った開口面積を狭窄する狭窄部材を形成し、
前記第2工程において、前記リードを、前記間隙を貫通させて前記リード挿入用孔部に挿入することによって、該リードを固定する
ことを特徴とする実装基板の製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の実装基板の製造方法を用いて製造されている
ことを特徴とする実装基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−187673(P2011−187673A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51220(P2010−51220)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】