説明

排ガス燃焼装置及びそれを備えた焼成炉

【課題】
バインダーを含有する被処理物の焼成によって生じる排ガスから、残留するタール成分を高効率で除去する。
【解決手段】
燃焼装置10は、流動層13を内蔵した処理室12,ヒータ16,焼成炉30から発生した排ガスが前記流動層13中を通過するように前記処理室12を強制排気する排気ブロア24を備えている。流動層13は、支持体14Aの表面に触媒14Bを担持させた多数の粒状の流動媒体14によって構成されている。前記触媒14Bは、例えば、PtやPdなどの金属触媒や合金触媒などが用いられる。また、前記ヒータ16は、流動層13中を通過する排ガスが、前記触媒14Bの活性温度以上となるように加熱を行う。焼成炉30から処理室12に送られた排ガスに含まれるタール成分は、前記流動媒体14との触媒反応によりほぼ完全燃焼するため、高効率で除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス燃焼装置及びそれを備えた焼成炉に関し、更に具体的には、バインダーを含有する被処理物の焼成によって発生する排ガスの燃焼処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
急速な進展を続ける太陽電池をはじめとする電子部品の生産においては、例えば、電極を形成するためのペーストに含まれる溶剤(バインダー)を乾燥させるというように、被処理物(被焼成物)に含有されるバインダーを揮発(ないし蒸発)させる焼成工程が必要となる。有機物を主成分とするバインダーが揮発したガスにはタール成分が含まれているため、該タール成分による大気汚染や、再凝縮による不正付着を防ぐように、冷却(水冷)凝縮回収方式や燃焼除去方式によってタール成分の除去が行われた後に、排ガスが大気中に放出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上のような背景技術には次のような不都合がある。まず、上述した水冷凝縮回収方式では、焼成炉(ないし電気炉)中の被処理物から発生するタールを冷却し、吸着体に吸着させて除去しているが、除去率が約60%程度と低く、軽質タール分が残ってしまう。このため、排ガス中に残るタール成分が内部(回収装置内部及び排気配管内)で火災を起こしたり、被焼成物に再付着して製品の不良率をあげたりするほか、炉の内部に付着するタールを頻繁に清掃するために操業率が低下するなどの不都合が生じる。また、冷却タールの廃棄及びメンテナンスにかかるコストの問題や、炉内経由による軽質タールの室内汚染などの問題もある。
【0004】
一方、前記燃焼除去方式としては、LPGや灯油バーナーなどによる助燃式があるが、焼却処理温度(900℃)以上での運転を実現するとなると、燃料の消費量が膨大なものとなるほか、炉本体の形状面でも、保温材の厚みが増して大型化し、現実的な範囲を超えてしまう。このため、回収性能が劣っても、上述した水冷凝縮回収方式が採択されているのが現状である。また、高温に加熱した排気温度を下げなければならず、冷却装置が必要となるため、設備が大型化するとともにコストもかかるという不都合がある。
【0005】
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、バインダーを含有する被処理物の焼成によって生じる排ガスから、残留するタール成分を高効率で除去することができる排ガス燃焼装置及びそれを含む焼成炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、バインダーを含む被処理物の焼成によって焼成炉から発生する排ガスの燃焼装置であって、粒状の支持体の表面に触媒を担持させた多数の流動媒体からなる流動層を内蔵するとともに、前記焼成炉に接続される処理室,前記排ガスが前記流動層中を通過するように、前記処理室内の送気を行う送気手段,前記流動層と排ガスが、前記触媒の活性温度以上で接触するように加熱を行う加熱手段,を備えたことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つは、前記処理室を、前記焼成炉に近接して配置したことを特徴とする。他の形態は、前記焼成炉と処理室の間に、前記排ガスを予備加熱する予熱手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
更に他の形態は、前記支持体が、セラミック又はゼオライトであることを特徴とする。更に他の形態は、前記触媒が、金属又は合金であることを特徴とする。更に他の形態は、前記触媒が、白金又はパラジウムの少なくともいずれかを含むことを特徴とする。更に他の形態は、前記流動媒体の径を、125〜500μmとしたことを特徴とする。更に他の形態は、前記流動層と排ガスが、400〜600℃で接触するように前記加熱手段又は予熱手段による加熱を行うことを特徴とする。好ましくは、前記流動層と排ガスが、500〜550℃で接触するように、前記加熱手段又は予熱手段による加熱を行うことを特徴とする。更に他の形態は、前記被処理物が、電子部品であることを特徴とする。
【0009】
本発明の焼成炉は、請求項1〜10のいずれかに記載の排ガス燃焼装置を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、支持体の表面に触媒を担持させた多数の流動媒体からなる流動層中に、バインダーを含有する被処理物の焼成によって生じる排ガスを、前記触媒の活性温度以上に加熱した状態で通過させることで、前記流動媒体の触媒作用により、排ガスに含まれる残留タール成分を完全燃焼させ、高効率で除去できるという効果がある。また、タール成分の除去により、運転効率の向上やメンテナンスの軽減などが可能になるほか、タール成分に起因する製品不良,火災,室内汚染などのトラブルを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
最初に、図1及び図2を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例の燃焼装置の全体構成を示す図,図1(B)は本実施例の流動媒体を示す断面図である。図1に示すように、燃焼装置10は、焼成炉30から排出された排ガスを燃焼させる処理室12を中心に構成されている。前記焼成炉30と処理室12は、配管32によって接続されており、更に、前記処理室12には、配管20及びダクト22を介して排気ブロア24が接続されている。該排気ブロア24によって処理室12内を強制排気することにより、焼成炉30で発生した排ガスを、前記処理室12内の流動層13中を通過させることができる。なお、焼成炉30で発生した排ガスが、燃焼処理に適した温度から大幅に下がることがないように、前記処理室12は、焼成炉30に近接して配置されている。前記焼成炉30で焼成ないし乾燥処理を行う被処理物としては、有機物を主成分とするバインダーを含むものであればどのようなものであってもよいが、本実施例では、例えば、太陽電池の電極ペーストの焼成が行われているものとする。
【0013】
前記処理室12は、前記焼成炉30側の部位の内側に多数の粒状の流動媒体14からなる流動層13を内蔵しており、その上方は径が大きくなっている。前記流動媒体14は、処理室12の下方に設けられた分散板15により支持されている。この分散板15により、焼成炉30への流動媒体14の落下が防止されるとともに、排ガスが焼成炉30から処理室12のほうに通過可能となっている。また、排ガスの通過によって、吹き上げられる流動媒体14は、処理室12の上方の径が大きい部位の斜面などを伝って、再度下方へ戻ることとなっている。前記流動媒体14は、図1(B)に示すように、粒状の支持体14Aの表面に触媒14Bを担持させたものであって、これ自体を粒状触媒と考えることもできる。前記支持体14Aとしては、例えば、アルミナ,シリカなどのセラミックや、ゼオライトなどが用いられる。前記触媒14Bは、排ガスに含まれるバインダー揮発物と酸素を反応させて、有害なタール成分を、二酸化炭素と水に分解して無害な状態で排出可能にするためのものである。該触媒14Bは、例えば、白金,パラジウムなどの金属触媒や、白金,パラジウムなどを含む合金触媒などが用いられる。このような流動媒体14は、処理室12の上方に設けられた投入装置18から、適当量が前記処理室12内に図示しない投入口などを介して供給される。前記流動媒体14の粒径は、例えば、125〜500μm程度である。500μmよりも大きいと、流動層13全体として見たときに、触媒14Bの表面積が小さくなるため処理能力が低下する。一方、処理能力の点からすると、粒径が小さいほうが触媒14Bの表面積が増えて好都合ではあるが、125μmよりも小さくすると強度が低下するおそれがある。
【0014】
前記処理室12の下方の外面には、加熱用のヒータ16が設けられており、該ヒータ16の周囲は、必要に応じて図示しない断熱材などが設けられる。本発明では、流動媒体14の触媒作用を利用して燃焼分解を行うことから、前記触媒14Bが活性となる温度以上で、排ガスと流動層13とを接触させる必要がある。前記ヒータ16は、前記排ガスが、前記活性温度以上で流動媒体14と接触するように加熱するためのものであり、本実施例では、例えば、例えば、400〜600℃,好ましくは、500〜550℃程度になるように加熱を行う。400℃より低温では、触媒14Bによる触媒反応が生じず、600℃より高温では、触媒14Bの劣化が進みやすく流動媒体14が壊れやすくなる。仮に、触媒14Bを担持させない支持体14Aのみを流動媒体として使用すると、排ガス中に含まれるタール成分を完全燃焼させるために、900℃程度に加熱することが必要になるが、本実施例によれば、触媒14Bを担持させることにより、完全燃焼に必要な温度を下げることができる。
【0015】
<実験例>・・・次に、本実施例の実験例について説明する。図2は、本実施例の実験用の装置構成を示す図である。なお、本実験例で使用する装置は、実用装置の約100分の1程度のスケールを想定したものであり、後述する実験条件(温度,流動媒体の種類,流速,温度,ガス流速など)も、実用時の条件を前記装置のスケールに応じて縮小して割り出したものである。
【0016】
(1)装置構成・・・図2に示すように、実験装置50は、模擬排ガス発生装置52と、多数の流動媒体56からなる流動層55を収納した石英管54,冷却器64などにより構成されている。前記石英管54の形状は、上述した図1に示す処理室12と同様となっており、内蔵された流動媒体56は、石英管54の下方に設けられた分散板53により支持されている。前記模擬排ガス発生装置52は、図示しない配電盤,温度調節盤,加熱炉体,液体注入ボックス,液体レトルト(蒸発器),加熱ヒータなどにより構成されており、ミネラルスピリットを含む模擬排ガスを発生させる装置である。なお、前記ミネラルスピリットは、実際に焼成炉30などで処理されるワーク(被処理物)に含まれるバインダーの溶剤の主成分である。このような模擬排ガス発生装置52と、前記石英管54は、ガラス管60などにより接続されている。
【0017】
また、前記石英管54の周囲は、内側にヒータ57が設けられた断熱材58により覆われており、前記ヒータ57によって石英管54内が実験条件に応じて加熱される。なお、ヒータ57は、図示しないセンサの検知結果に応じて、所望の温度となるように適宜制御される。更に、前記石英管54と冷却器64は、ガラス管62などにより接続されている。前記冷却器64は、螺旋状の冷却管66の周囲が循環水によって冷却される構成となっており、前記石英管54内で接触燃焼により生じたガスは、前記冷却管66内を通過することによって、冷却された後に適宜排出される。
【0018】
(2)流動層用流動媒体の準備・・・前記石英管54内に充填される流動媒体56を、ハニカム触媒をクラッシュ→ミルにて細粒化→乳鉢で細粒化→125〜250μm,250〜500μmへ粒径分離、という手順で生成した。なお、本実験では、前記ハニカム触媒として、アルミナにPt(白金)を担持させたもの(以下「Pt触媒」とする)と、アルミナにPd(パラジウム)を担持させたもの(以下「Pd触媒」とする)の2種類を用いた。
【0019】
(3)触媒反応試験・・・図2に示す実験装置50を使用し、触媒の種類,流動層55の層高,流動媒体56(触媒)の粒径,反応温度,空気及び窒素の流量,処理量などを変えて、触媒反応の良否を判定した。なお、良否の判定は、前記冷却器64内の冷却管66への凝縮物(タールなど)の付着の有無を目視により行い、冷却管66に付着物がなければ「○」,凝縮物の付着が確認されれば、その程度に応じて「△」又は「×」とした。それらの結果を以下の表1〜表8に示す。なお、表1〜表8において、例えば、空気の流量を4NL/min,窒素の流量を0.3NL/minとしたときの処理量0.27g/minは0.01g/Lに相当し、この値は、実機で想定される排ガスの濃度を十分にカバーしている。
【0020】
(3-1)Pt触媒(粒径125〜250μm)・・・まず、粒径125〜250μmのPt触媒を利用し、石英管54内の流動層55の層高を20mm,30mm,40mmとした場合の結果を、それぞれ、表1〜表3に示す。
【表1】

【表2】

【表3】

【0021】
表1〜表3に示すように、粒径125〜250μmのPt触媒を利用し、石英管54内の流動層55の層高を20mm,30mm,40mmとした場合は、空気の流量が多い場合に反応温度400℃,450℃でも若干の効果が見られる。また、500℃,550℃では、空気の流量にかかわらず、処理量が0.27〜0.54g/minの間で良好な結果が得られた。
【0022】
(3-2)Pt触媒(粒径250〜500μm)・・・次に、粒径250〜500μmのPt触媒を利用し、石英管54内の流動層55の層高を20mm,35mm,50mmとした場合の結果を、それぞれ、表4〜表6に示す。
【表4】

【表5】

【表6】

【0023】
まず、表4に示すように、粒径125〜250μmのPt触媒で、流動層55の層高が20mmの場合は、空気の流量が多い場合に反応温度400℃,450℃でも若干の効果が見られる。また、500℃,550℃,600℃では、処理量が0.27g/minであれば、空気の流量に関わらず、良好な判定結果が得られている。
【0024】
次に、表5に示すように、流動層55の層高が35mmの場合には、反応温度が400℃で処理量が0.27g/minのときは、空気の流量が多いときに若干効果が得られるのみであるが、反応温度が450℃,処理量が0.27g/minのときは、空気の流量に関わらず良好な判定結果が得られた。また、反応温度が500℃,550℃,600℃,700℃,800℃の場合は、空気の流量に関わらず、処理量が0.27g/min,0.54g/minのいずれの場合においても、ほぼ良好な結果が得られた。
【0025】
更に、表6に示すように、流動層55の層高が50mmの場合は、反応温度が400℃,450℃のときは、処理量が0.27g/min,0.54g/minのいずれの場合においても空気の流量が大きくなるほど良好な判定が得られる傾向を示した。また、反応温度が500℃,600℃の場合は、処理量が0.27g/minであれば空気の流量によらず良好な判定結果が得られ、処理量が0.54g/minの場合には、空気の流量が大きい場合に良好な判定が得られる傾向が見られた。反応温度が700℃,800℃の場合は、空気の流量や処理量に関わらず、ほぼ良好な結果が得られた。
【0026】
(3-3)Pd触媒(粒径125〜250μm,250〜500μm)・・・次に、Pd触媒を利用し、石英管54内の流動層55の層高を30mmに固定し、Pd触媒の粒径を125〜250μm,250〜500μmとした場合の結果を、それぞれ以下の表7及び表8に示す。
【表7】

【表8】

【0027】
表7及び表8に示すように、粒径125〜250μm,250〜500μmのいずれの場合においても、反応温度が500℃〜700℃で、処理量が0.27g/min,かつ、空気の流量が10又は12NL/minの場合に、良好な判定結果が得られた。400℃又は450℃では、処理量や空気流量に関わらず良好な結果は得られなかった。
【0028】
以上の結果から、Pt触媒,Pd触媒のいずれの場合においても、流動層55の層高,反応温度,処理量,空気の流量などを適切に設定することにより、模擬排ガスに含まれるタール成分を触媒によって接触燃焼し、分解可能なことが確認された。
【0029】
このように、実施例1によれば、支持体14Aの表面に触媒14Bを担持させた多数の流動媒体14からなる流動層13中に、バインダーを含有する被処理物の焼成によって生じる排ガスを、前記触媒14Bの活性温度以上に加熱した状態で通過させることとした。このため、前記流動媒体14の触媒作用により、排ガスに含まれる残留タール成分をほぼ完全燃焼させることができ、タール成分の除去効率を飛躍的に向上させることが可能となる。また、タール成分の完全燃焼により、運転効率の向上やメンテナンスの軽減などの効果のほか、タール成分に起因する製品不良,火災,室内汚染(環境汚染)などのトラブルを未然に防止することが可能となる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例における各部の形状・大きさ・材質は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。特に流動媒体14の支持体14Aや触媒14Bとしては、公知の各種のものが知られており、それらを組み合わせて使用するようにしてよい。
(2)前記実施例では、処理室12の外側にヒータ16を設けることとしたが、これも一例であり、流動層13と排ガスが触媒14Bの活性温度以上で反応するように加熱できるものであれば、適宜設計変更してよい。例えば、図3(A)に示すように、ヒータ26を処理室12の内部に設け、直接流動層13を加熱するようにしてもよいし、図3(B)に示すように、ヒータ26の代わりに、バーナー28などを利用するようにしてもよい。
(3)前記実施例では、焼成炉30から発生した排ガスの温度低下を抑制するため、前記焼成炉30の排気口近傍に処理室12を配置することとしたが、例えば、図3(C)に示すように、焼成炉30と処理室12の間に、予熱ヒータ34を設けるような構成としてもよい。このような予熱ヒータ34を設けることにより、焼成炉30と処理室12が離れて配置されていても、排ガスを触媒反応に適した温度に加熱することができる。なお、触媒反応が開始されると、その作用により発熱するため、予備ヒータ34による加熱は、処理開始後の一定時間のみ行うようにしてもよい。
(4)本発明の燃焼装置は、例えば、太陽電池の電極ペーストの乾燥・焼成工程などでの利用が好適な適用例であるが、これも一例であり、本発明は、電子部品全般の焼成工程において適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明によれば、支持体の表面に触媒を担持させた多数の流動媒体からなる流動層中に、被処理物の焼成によって生じる排ガスを、前記触媒の活性温度以上に加熱した状態で通過させて、前記流動媒体の触媒作用により、排ガスを完全燃焼させることとしたので、排ガスの燃焼装置の用途に適用できる。特に、バインダーを含有する被処理物の焼成によって生じる排ガス中のタール成分を高効率で除去できることから、電子部品全般の焼成工程で利用される燃焼装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1を示す図であり、図1(A)は本実施例の燃焼装置の全体構成を示す図,図1(B)は流動媒体の断面図である。
【図2】前記実施例1の実験例で用いる試験装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10:燃焼装置
12:処理室
13:流動層
14:流動媒体(ないし粒状触媒)
14A:支持体
14B:触媒
15:分散板
16:ヒータ
18:投入装置
20:配管
22:ダクト
24:排気ブロア
26:ヒータ
28:バーナー
30:焼成炉
32:配管
34:予熱ヒータ
50:実験装置
52:模擬排ガス発生装置
53:分散板
54:石英管
55:流動層
56:流動媒体
57:ヒータ
58:断熱材
60,62:ガラス管
64:冷却器
66:冷却管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダーを含む被処理物の焼成によって焼成炉から発生する排ガスの燃焼装置であって、
粒状の支持体の表面に触媒を担持させた多数の流動媒体からなる流動層を内蔵するとともに、前記焼成炉に接続される処理室,
前記排ガスが前記流動層中を通過するように、前記処理室内の送気を行う送気手段,
前記流動層と排ガスが、前記触媒の活性温度以上で接触するように加熱を行う加熱手段,
を備えたことを特徴とする排ガス燃焼装置。
【請求項2】
前記処理室を、前記焼成炉に近接して配置したことを特徴とする請求項1記載の排ガス燃焼装置。
【請求項3】
前記焼成炉と処理室の間に、前記排ガスを予備加熱する予熱手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス燃焼装置。
【請求項4】
前記支持体が、セラミック又はゼオライトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス燃焼装置。
【請求項5】
前記触媒が、金属又は合金であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の排ガス燃焼装置。
【請求項6】
前記触媒が、白金又はパラジウムの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5記載の排ガス燃焼装置。
【請求項7】
前記流動媒体の径を、125〜500μmとしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス燃焼装置。
【請求項8】
前記流動層と排ガスが、400〜600℃で接触するように前記加熱手段又は予熱手段による加熱を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の排ガス燃焼装置。
【請求項9】
好ましくは、前記流動層と排ガスが、500〜550℃で接触するように、前記加熱手段又は予熱手段による加熱を行うことを特徴とする請求項8記載の排ガス燃焼装置。
【請求項10】
前記被処理物が、電子部品であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の排ガス燃焼装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の排ガス燃焼装置を備えたことを特徴とする焼成炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−207866(P2006−207866A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17545(P2005−17545)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(592132165)株式会社グローバル (1)
【出願人】(502385090)株式会社エルウイング (1)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】