説明

排気ガスの処理方法及び処理装置

【課題】排気ガスの処理方法及び処理装置において、気ガスを冷却して運転コストの増加を抑制すると共に、冷却に使用した処理排液を有効的に使用することで処理コストの増加を抑制する。
【解決手段】排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去する脱硫処理装置12と、脱硫処理された排気ガスを冷却するガス冷却処理装置13と、冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸処理装置14手段と、冷却されることで排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫処理装置12に補給水として供給する補給水供給手段として冷却液抜出ライン61を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼した排気ガス中に含まれる硫黄酸化物や二酸化炭素を除去する排気ガスの処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電設備やボイラ設備では、多量の石炭、重油または超重質油を燃料に用いており、大気汚染の防止及び地球環境の清浄化の見地から、二酸化硫黄を主とする硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素等の放出に関する量的、濃度的な抑制が問題になっている。この中で、硫黄酸化物に関しては、酸性雨を引き起こし、人体や動植物などに被害を与えるおそれがある。このため、従来から、乾式や湿式による処理方法が提案されている。例えば、従来の排煙脱硫装置では、石灰石を吸収剤に用いて石膏を副生する湿式石灰石膏法が主流となっている。一方、二酸化炭素に関しては、フロンガスやメタンガスと共に地球の温暖化防止の見地から、例えば、PSA(圧力スイング)法、膜分離法塩基性化合物を用いた反応吸収法等の適用による排出の抑制が検討されている。
【0003】
また、脱硫処理と脱炭酸処理を二段階で実施する技術が、例えば、下記特許文献1として提案されている。この特許文献1に記載された「燃焼排ガス中の二酸化炭素と硫黄酸化物を除去する方法」は、燃焼排ガスを湿式石灰−石膏法排煙脱硫工程で処理することにより、脱硫処理ガス中の硫黄酸化物濃度を5〜10ppmの範囲に脱硫処理した後、この脱硫ガスを脱炭酸工程でアルカノールアミン水溶液と接触させて二酸化炭素を処理することにより、脱炭酸処理ガス中の二酸化炭素濃度を1ppm以下に脱炭酸処理するものである。
【0004】
【特許文献1】特許第3305001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の「燃焼排ガス中の二酸化炭素と硫黄酸化物を除去する方法」にあっては、燃焼排ガスを湿式石灰−石膏法排煙脱硫工程で脱硫処理した後、この脱硫ガスを脱炭酸工程で脱炭酸処理している。このように燃焼排ガスを脱硫処理した後に、高温のまま脱炭酸処理に移行した場合、排ガスに飛散して同伴する吸収液におけるアミン化合物の量が増加し、アミン化合物が無駄に消費されて運転コストが増加してしまうという問題がある。また、燃焼排ガスを脱硫処理した後、冷却液により冷却してから脱炭酸処理した場合、燃焼排ガスを冷却した冷却処理排液が発生してしまい、この冷却処理排液の処理コストが発生してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するものであり、排気ガスを冷却して運転コストの増加を抑制すると共に、冷却に使用した処理排液を有効的に使用することで処理コストの増加を抑制した排気ガスの処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための請求項1の発明の排気ガスの処理方法は、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫工程と、該脱硫工程で処理された前記排気ガスを冷却するガス冷却工程と、該ガス冷却工程で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸工程とを有し、前記ガス冷却工程で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫工程に補給水として供給することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明の排気ガスの処理方法は、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫工程と、該脱硫工程で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去すると共に該排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却工程と、該高度脱硫ガス冷却工程で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸工程とを有し、前記高度脱硫ガス冷却工程で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫工程に補給水として供給することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明の排気ガスの処理方法では、前記高度脱硫ガス冷却工程では、前記脱硫工程で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物濃度が5ppm以下となるように前記硫黄酸化物を除去し、前記排気ガスの温度が50℃以下となるように冷却することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明の排気ガスの処理方法では、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となるように、前記脱硫工程に供給する前記補給水の供給量を調整することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明の排気ガスの処理方法では、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となると共に、前記脱硫工程に供給する前記補給水の供給量が所定量となるように、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程におけるガス冷却効率を調整することを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明の排気ガスの処理装置は、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、該脱硫手段で処理された前記排気ガスを冷却するガス冷却手段と、該ガス冷却手段で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、前記ガス冷却手段で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明の排気ガスの処理装置は、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、該脱硫手段で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去すると共に該排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却手段と、該高度脱硫ガス冷却手段で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、前記高度脱硫ガス冷却手段で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8の発明の排気ガスの処理装置では、前記高度脱硫ガス冷却手段は、前記脱硫手段で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物濃度が5ppm以下となるように前記硫黄酸化物を除去し、前記排気ガスの温度が50℃以下となるように冷却することを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明の排気ガスの処理装置では、前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段と、該冷却液量測定手段の測定結果に基づいて前記冷却液の貯留量が一定量となるように前記補給水供給手段を制御して前記脱硫手段への前記補給水の供給量を調整する制御手段とを設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明の排気ガスの処理装置では、前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段と、該冷却液量測定手段の測定結果に基づいて前記冷却液の貯留量が一定量となると共に前記脱硫手段に供給する前記補給水の供給量が所定量となるように前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段を制御してガス冷却効率を調整する制御手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の排気ガスの処理方法によれば、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去し、脱硫処理された排気ガスを冷却した後、冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する一方、冷却処理で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫工程に補給水として供給するようにしたので、排気ガスを冷却してから脱炭酸処理することで二酸化炭素を処理するための吸収液の浪費を防止して運転コストの増加を抑制することができると共に、排気ガスの冷却に使用した処理排液を脱硫処理に有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができる。
【0018】
請求項2の発明の排気ガスの処理方法によれば、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去し、脱硫処理された排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を更に除去すると共にこの排気ガスを冷却した後、冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する一方、高度脱硫して冷却処理で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫工程に補給水として供給するようにしたので、排気ガスを冷却してから脱炭酸処理することで二酸化炭素を処理するための吸収液の浪費を防止して運転コストの増加を抑制することができると共に、排気ガスの冷却に使用した処理排液を脱硫処理に有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができ、この場合、処理排液に塩基性吸収液が含有することで脱硫性能を向上することができる。
【0019】
請求項3の発明の排気ガスの処理方法によれば、高度脱硫ガス冷却工程では、排気ガス中の硫黄酸化物濃度を5ppm以下にすると共に、排気ガスの温度を50℃以下にするので、高精度な脱硫処理及び脱炭酸処理が可能となる。
【0020】
請求項4の発明の排気ガスの処理方法によれば、ガス冷却工程または高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となるように脱硫工程に供給する補給水の供給量を調整するようにしたので、ガス冷却工程または高度脱硫ガス冷却工程における冷却効率を高効率に維持しながら、余剰となる処理排液を確実に補給水として脱硫工程に供給することができる。
【0021】
請求項5の発明の排気ガスの処理方法によれば、ガス冷却工程または高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となると共に、脱硫工程に供給する補給水の供給量が所定量となるように、ガス冷却工程または高度脱硫ガス冷却工程におけるガス冷却効率を調整するようにしたので、ガス冷却工程または高度脱硫ガス冷却工程における冷却効率を高効率に維持することができると共に、冷却工程で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液の量と、脱硫工程に必要な補給水の量とがほぼ同量となり、余剰となる処理排液をなくすことができる。
【0022】
請求項6の発明の排気ガスの処理装置によれば、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、脱硫処理された排気ガスを冷却するガス冷却手段と、冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、冷却されることで排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段を設けたので、排気ガスを冷却してから脱炭酸処理することで二酸化炭素を処理するための吸収液の浪費を防止して運転コストの増加を抑制することができると共に、排気ガスの冷却に使用した処理排液を脱硫処理に有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができる。
【0023】
請求項7の発明の排気ガスの処理装置によれば、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、脱硫処理された排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を更に除去すると共に排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却手段と、高度脱硫して冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、冷却されることで排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段を設けたので、排気ガスを冷却してから脱炭酸処理することで二酸化炭素を処理するための吸収液の浪費を防止して運転コストの増加を抑制することができると共に、排気ガスの冷却に使用した処理排液を脱硫処理に有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができ、この場合、処理排液に塩基性吸収液が含有することで脱硫性能を向上することができる。
【0024】
請求項8の発明の排気ガスの処理装置によれば、高度脱硫ガス冷却手段は、排気ガス中の硫黄酸化物濃度を5ppm以下にすると共に排気ガスの温度を50℃以下にするので、高精度な脱硫処理及び脱炭酸処理が可能となる。
【0025】
請求項9の発明の排気ガスの処理装置によれば、ガス冷却手段または高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段を設け、制御手段は、冷却液の貯留量が一定量となるように補給水供給手段を制御して脱硫手段への補給水の供給量を調整するので、ガス冷却処理または高度脱硫ガス冷却処理における冷却効率を高効率に維持しながら、余剰となる処理排液を確実に補給水として脱硫処理に供給することができる。
【0026】
請求項10の発明の排気ガスの処理装置によれば、ガス冷却手段または高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段を設け、制御手段は、冷却液の貯留量が一定量となると共に脱硫手段に供給する補給水の供給量が所定量となるようにガス冷却手段または高度脱硫ガス冷却手段を制御してガス冷却効率を調整するので、ガス冷却処理または高度脱硫ガス冷却処理における冷却効率を高効率に維持することができると共に、冷却処理で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液の量と、脱硫処理に必要な補給水の量とがほぼ同量となり、余剰となる処理排液をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る排気ガスの処理方法及び処理装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例1に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の排気ガスの処理装置におけるガス冷却処理装置を表す概略図、図3は、実施例1の排気ガスの処理装置における脱炭酸処理装置を表す概略図である。
【0029】
実施例1の排気ガスの処理装置は、図1に示すように、石炭などを燃料とするボイラ11から排出される排気ガスに対して脱硫処理する脱硫処理装置(脱硫手段)12と、脱硫処理装置12で処理された排気ガスを冷却するガス冷却処理装置(ガス冷却手段)13と、ガス冷却処理装置13で処理された排気ガスに対して脱炭酸処理する脱炭酸処理装置(炭酸手段)14と、浄化処理された排気ガスを排出する煙突15とから構成されている。
【0030】
ボイラ11から排出される排気ガスは、硫黄酸化物や二酸化炭素を含有しており、脱硫処理装置12は、この排気ガスを塩基性吸収液に接触させることで、この排気ガス中の硫黄酸化物を吸収して除去(脱硫工程)するものである。この場合、塩基性吸収液は、塩基性カルシウム化合物であり、具体的には、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムを使用することができる。塩基性吸収液は、これらのうちの1つの化合物、または2つ以上の化合物の混合物としてもよく、通常、懸濁液として使用する。そして、この脱硫処理装置12にて、排気ガスに接触して硫黄酸化物を吸収した塩基性吸収液は、分離回収装置16に送られ、この塩基性吸収液に吸収された硫黄酸化物が石膏として分離回収される。
【0031】
ガス冷却処理装置13は、脱硫処理装置12で脱硫処理された排気ガスを冷却(ガス冷却工程)するものである。具体的に説明すると、このガス冷却処理装置13において、図2に示すように、ガス冷却塔21は下部に冷却液貯留部22が設けられ、この冷却液貯留部22の上側に脱硫処理装置12で脱硫処理された排気ガスを導入するガス導入ライン23が接続される一方、ガス冷却塔21の上端部に冷却した排気ガスを排出するガス排出ライン24が接続されている。そして、ガス冷却塔21は、内部に、ガス冷却部25とガス冷却部デミスタ26が下方から順に設けられている。また、ガス冷却塔21には、冷却液貯留部22にある冷却液をガス冷却部25の上方から供給するための冷却液循環ライン27が設けられており、この冷却液循環ライン27には、冷却液ポンプ28と熱交換器29が設けられている。
【0032】
従って、このガス冷却処理装置13では、脱硫処理装置12で脱硫処理された排気ガスがガス導入ライン23からガス冷却塔21の下部に導入される一方、冷却液貯留部22にある冷却液が冷却液ポンプ28により冷却液循環ライン27を通り、熱交換器29で冷却された後にガス冷却部25の上方から供給される。すると、このガス冷却部25では、排気ガスと冷却液とが接触することで冷却され、ガス温度を50℃以下とすることができる。そして、排気ガスに同伴する冷却液のミストは、ガス冷却部デミスタ26で除去回収され、冷却液貯留部22に貯留される。
【0033】
脱炭酸処理装置14は、ガス冷却処理装置13で冷却処理された排気ガスを塩基性アミン化合物を含む脱炭酸吸収液に接触させることで、この排気ガス中の二酸化炭素及び残存する硫黄酸化物を除去(脱炭酸工程)するものである。この場合、塩基性アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどのアルコール性水酸基含有1級アミン類、ジエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノールなどのアルコール性水酸基含有2級アミン類、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどのアルコール性水酸基含有3級アミン類、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのポリエチレンポリアミン類、ピペラジン類、ピペリジン類、ピロリジン類などの環状アミン類、キシリレンジアミンなどのポリアミン類、メチルアミリカルポン酸などのアミノ酸類を使用することができる。
【0034】
この脱炭酸吸収液は、これらのうちの1つの化合物、または2つ以上の化合物の混合物としてもよい、そして、塩基性アミン化合物は、通常10〜70重量%の水溶液として使用される。また、脱炭酸吸収液には、二酸化炭素吸収促進剤や腐食防止剤を加えることができ、その他の媒体として、メタノール、ポリエチレングリコール、スルフォラン等を加えることができる。
【0035】
具体的に説明すると、脱炭酸処理装置14において、図3に示すように、吸収塔31は下部に吸収液貯留部32が設けられ、この吸収液貯留部32の上側に冷却処理装置13で冷却処理された排気ガスを導入するガス導入ライン33が接続される一方、吸収塔31の上端部に脱炭酸した処理後の排気ガスを排出するガス排出ライン34が接続されている。そして、吸収塔31は、内部に、二酸化炭素吸収部35と二酸化炭素吸収部デミスタ36と水洗部37と水洗部デミスタ38が下方から順に設けられている。一方、再生塔39は下部に吸収液貯留部40が設けられ、回収部41と濃縮部42が下方から順に設けられている。
【0036】
そして、吸収塔31には、吸収液貯留部32にある脱炭酸吸収液を再生塔39における回収部41と濃縮部42の間に供給する吸収液再生ライン43が設けられ、この吸収液再生ライン43には熱交換器44が設けられている。また、吸収塔31には、二酸化炭素吸収部デミスタ36と水洗部37の間から洗浄液を取り出し、水洗部37と水洗部デミスタ38の間に供給する洗浄液供給ライン45が設けられ、この洗浄液供給ライン45には熱交換器46が設けられている。
【0037】
一方、再生塔39には、吸収液貯留部40にある脱炭酸吸収液をリボイラ47で再生し、熱交換器44,48を通して吸収塔31における二酸化炭素吸収部35と二酸化炭素吸収部デミスタ36の間に供給する吸収液供給ライン49が設けられている。また、再生塔39には、吸収液貯留部40にある脱炭酸吸収液をリクレーマ50に送り、塩基性ナトリウム化合物によりリクレーミング操作後の脱炭酸吸収液を吸収液貯留部40に戻す循環ライン51が設けられている。更に、再生塔39の上端部には、脱炭酸した処理後の排気ガスを排出して二酸化炭素分離器52に送るガス排出ライン53が接続され、このガス排出ライン53にコンデンサ54が設けられている。そして、洗浄液供給ライン45には、途中で分岐して再生塔39の上端部に至る分岐ライン55が設けられ、この分岐ライン55には、二酸化炭素分離器52で分離された水を還流水として吸収塔31または再生塔39に供給する還流水供給ライン56が接続されている。
【0038】
従って、この脱炭酸処理装置14では、冷却処理装置13で冷却処理された排気ガスがガス導入ライン33から吸収塔31の下部に導入される一方、脱炭酸吸収液が吸収液供給ライン49により二酸化炭素吸収部35の上方から供給される。すると、この二酸化炭素吸収部35では、排気ガスと塩基性アミン化合物を含む脱炭酸吸収液とが接触することで、排気ガス中の二酸化炭素と残存する硫黄酸化物を除去することができる。そして、排気ガスに同伴する脱炭酸吸収液のミストは、二酸化炭素吸収部デミスタ36で除去回収され、吸収液貯留部32に貯留される。そして、脱炭酸処理された排気ガスは、水洗部37で水洗してミストが水洗部デミスタ38で除去回収された後、ガス排出ライン34を通して吸収塔31から排出され、煙突15(図1参照)を通して大気に放出される。一方、吸収液貯留部32に回収された脱炭酸吸収液(負荷吸収液)は、吸収液再生ライン43により再生塔39に送られ、リボイラ47でスチームにより加熱して二酸化炭素を放散することで再生し、吸収液供給ライン49を通して吸収塔31に供給される。
【0039】
また、再生塔39の吸収液貯留部40にある脱炭酸吸収液(負荷吸収液)は、吸収した硫黄酸化物が硫酸塩または亜硫酸塩として残存しており、リクレーマ50を用いて取り除いている。即ち、リクレーマ50では、硫酸塩または亜硫酸塩として残存する負荷吸収液に対して、塩基性ナトリウム化合物を添加した後、スチームにより加熱することでアミン化合物を留出して吸収液貯留部40に戻す。一方、アミン化合物と分離された硫酸塩または亜硫酸塩は、硫酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの混合物であるスラッジとしてリクレーマ50から排出される。
【0040】
そして、再生塔39の回収部41で放散された二酸化炭素は、濃縮部42で洗浄した後、ガス排出ライン53を通ってコンデンサ54で冷却されてから二酸化炭素分離器52に送られ、ここで、高純度二酸化炭素と水とに分離され、水は、吸収塔31または再生塔39に戻される。
【0041】
その後、この脱炭酸処理装置14により二酸化炭素と残存する硫黄酸化物が除去された排気ガスは、放出または次の必要な工程に送られる。
【0042】
ところで、上述した脱硫処理装置12では、ボイラ11からの排気ガスに対して塩基性吸収液に接触させることで、この排気ガス中の硫黄酸化物を吸収して除去しているが、この脱硫処理時に、排気ガスの熱により塩基性吸収液中の水分が蒸発する。そのため、この塩基性吸収液を所定の濃度に維持する必要から、常時、所定量の水分補給が必要となる。一方、ガス冷却処理装置13では、冷却液を冷却液循環ライン27により循環させながら、ガス冷却部25で排気ガスに対して冷却液を接触させて冷却しているが、このガス冷却時に、排気ガス中の水分が凝縮して冷却液が増えてしまう。
【0043】
そこで、この実施例1では、ガス冷却処理装置13にて、排気ガスの冷却処理時に発生する水分(冷却処理排液)を、脱硫処理装置12にて、排気ガスの脱硫処理時に不足する水分の補給水として供給する補給水供給手段を設けている。
【0044】
即ち、図1及び図2に示すように、ガス冷却処理装置13における冷却液循環ライン27にて、冷却液ポンプ28の下流側から分岐して冷却液抜出ライン61が設けられており、この冷却液抜出ライン61には流量調整弁62が設けられ、脱硫処理装置12に接続されている。そして、この冷却液ポンプ28及び流量調整弁62は、制御装置63により駆動制御可能となっている。また、ガス冷却処理装置13の冷却液貯留部22には、ここに貯留する冷却液の貯留量を測定する液面センサ(冷却液量測定手段)64が設けられており、測定結果を制御装置63に出力している。
【0045】
従って、制御装置63は、液面センサ64の測定結果を受けて冷却液貯留部22における冷却液の液面高さ、つまり、冷却液貯留部22における冷却液の貯留量を常時把握しており、この冷却液の貯留量が一定量となるように、冷却液ポンプ28の駆動トルク及び流量調整弁62の開度を制御し、ガス冷却処理装置13から冷却液抜出ライン61を通して脱硫処理装置12へ供給する補給水(冷却処理排液)の供給量を調整することができる。
【0046】
即ち、ガス冷却処理装置13では、排気ガスに冷却液を接触させて冷却するとき、排気ガス中の水分が凝縮して冷却液に混入するため、冷却液貯留部22に貯留される冷却液の貯留量が増えて液面が上昇する。すると、制御装置63は、液面センサ64から冷却液貯留部22における冷却液の液面の上昇を確認し、冷却液ポンプ28の駆動トルク及び流量調整弁62の開度を制御し、増加した冷却液の量だけ補給水として脱硫処理装置12へ供給する。脱硫処理装置12では、排気ガスに塩基性吸収液を接触させて硫黄酸化物を吸収する脱硫処理時に、排気ガスの熱により塩基性吸収液中の水分が蒸発するが、ガス冷却処理装置13から冷却液抜出ライン61を通して供給された補給水によりその不足分が補充される。
【0047】
この場合、脱硫処理装置12では、排気ガスの熱により塩基性吸収液中の水分が蒸発して排気ガスに混入し、この水分が混入した排気ガスがガス冷却処理装置13に送られ、ここで、冷却液に接触させて冷却することで、この排気ガス中の水分が凝縮して冷却液が増加することとなる。そのため、脱硫処理装置12における塩基性吸収液中の水分の蒸発量(不足量)と、ガス冷却処理装置13における水分凝縮量(補給量)とはほぼ同量であり、外部からの補給水が不要となる。
【0048】
ここで、実施例1の排気ガスの処理方法及び処理装置の運転条件及び結果を説明する。
運転条件:
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス流量・・・・・200m3N/h
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス温度・・・・・98℃
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス含有水分量・・8.3vol%
脱硫処理装置12の出口部での排気ガス温度・・・・・49℃
ガス冷却処理装置13の出口部での排気ガス温度・・・40℃
運転結果:
ガス冷却処理装置13での水分凝縮量・・・・・・・・8.0kg/h
脱硫処理装置12での水分不足量・・・・・・・・・・7.9kg/h
従って、ガス冷却処理装置13での水分凝縮量8.0kg/hのうち、脱硫処理装置12に補給水7.9kg/hを供給することで、脱硫処理装置12に別のラインから補給水を供給する必要がない。
【0049】
このように実施例1の排気ガスの処理方法及び処理装置にあっては、排気ガスを塩基性吸収液に接触させて硫黄酸化物を除去する脱硫処理装置12と、脱硫処理された排気ガスを冷却するガス冷却処理装置13と、冷却処理された排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸処理装置14と、冷却されることで排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫処理装置12に補給水として供給する補給水供給手段として冷却液抜出ライン61を設けている。
【0050】
従って、排気ガスを冷却してから脱炭酸処理することで、脱炭酸処理装置で二酸化炭素を処理するための吸収液の浪費を防止して運転コストの増加を抑制することができ、また、ガス冷却処理装置13で排気ガス中の水分が凝縮して増加した冷却液を脱硫処理装置12に補給水として供給することで、排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足分が補充されることとなり、外部からの補給水を不要とすることができ、冷却処理排液を有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができる。
【0051】
また、ガス冷却処理装置13の冷却液貯留部22に冷却液の貯留量を測定する液面センサ64を設け、制御装置63は、この液面センサ64の測定結果を受けて冷却液貯留部22における冷却液の液面高さ、つまり、冷却液貯留部22における冷却液の貯留量を把握し、この冷却液の貯留量が一定量となるように、冷却液ポンプ28の駆動トルク及び流量調整弁62の開度を制御し、ガス冷却処理装置13から脱硫処理装置12へ供給する補給水の供給量を調整している。
【0052】
従って、ガス冷却処理装置13における冷却液の循環量を確保した上で、余剰となる冷却液を脱硫処理装置12へ供給することとなり、ガス冷却処理装置13における冷却効率を高効率に維持しながら、余剰となる処理排液を確実に補給水として脱硫処理装置12に供給することができる。
【実施例2】
【0053】
図4は、本発明の実施例2に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0054】
実施例2の排気ガスの処理装置は、図4に示すように、ボイラ11から排出される排気ガスに対して脱硫処理する脱硫処理装置12と、脱硫処理装置12で処理された排気ガスを冷却するガス冷却処理装置13と、ガス冷却処理装置13で処理された排気ガスに対して脱炭酸処理する脱炭酸処理装置14と、浄化処理された排気ガスを排出する煙突15とから構成されている。
【0055】
実施例2では、上述した実施例1と同様に、ガス冷却処理装置13にて、排気ガスの冷却処理時に発生する水分(冷却処理排液)を、脱硫処理装置12にて、排気ガスの脱硫処理時に不足する水分の補給水として供給する補給水供給手段を設けている。
【0056】
即ち、図1に示すように、ガス冷却処理装置13における冷却液循環ライン27にて、冷却液ポンプ28の下流側から分岐して冷却液抜出ライン61が設けられており、この冷却液抜出ライン61に流量調整弁62が設けられ、脱硫処理装置12に接続されている。そして、この冷却液ポンプ28及び流量調整弁62は、制御装置63により駆動制御可能となっている。また、ガス冷却処理装置13には、冷却液貯留部22に貯留する冷却液の貯留量を測定する液面センサ64が設けられると共に、冷却後の排気ガス温度を測定するガス温度センサ65が設けられており、測定結果を制御装置63に出力している。更に、脱硫処理装置12には、排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足量を測定する水分不足量センサ66が設けられており、測定結果を制御装置63に出力している。
【0057】
従って、制御装置63は、液面センサ64の測定結果を受けて冷却液貯留部22における冷却液の液面高さ、つまり、冷却液貯留部22における冷却液の貯留量を常時把握しており、この冷却液の貯留量が一定量となるように、冷却液ポンプ28の駆動トルク及び流量調整弁62の開度を制御し、ガス冷却処理装置13から冷却液抜出ライン61を通して脱硫処理装置12へ供給する補給水(冷却処理排液)の供給量を調整することができる。また、制御装置63は、水分不足量センサ66の測定結果を受けてガス冷却処理装置13から脱硫処理装置12へ供給する補給水量が不足量に見合う所定量となるように、冷却液循環ライン27(図2参照)に設けられた熱交換器29の冷却効率を制御することができる。
【0058】
即ち、ガス冷却処理装置13では、排気ガスに冷却液を接触させて冷却するとき、排気ガス中の水分が凝縮して冷却液に混入するため、冷却液貯留部22に貯留される冷却液の貯留量が増えて液面が上昇する。一方、脱硫処理装置12では、排気ガスに脱硫吸収液を接触させて脱硫するとき、排気ガスの熱により塩基性吸収液中の水分が蒸発して不足する。すると、制御装置63は、液面センサ64及び水分不足量センサ66の測定結果を受け、ガス冷却処理装置13で発生する冷却液の増加量と、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量とがほぼ同量となるように、ガス冷却処理装置13における熱交換器29の冷却効率を制御する。
【0059】
具体的には、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量に対して、ガス冷却処理装置13で発生する水分凝縮量の増加量が少ないときには、熱交換器29における冷却媒体の供給量を上げて冷却効率を向上させることで、凝縮する水分の増加量を増やす。一方、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量に対して、ガス冷却処理装置13で凝縮する水分の増加量が多いときには、熱交換器29における冷却媒体の供給量を下げて冷却効率を低下させることで、凝縮する水分の増加量を減らす。この場合、制御装置63は、ガス温度センサ65が測定した冷却後の排気ガス温度が所定温度(例えば、50℃)を超えないように熱交換器29の冷却効率を制御し、且つ、冷却液ポンプ28の駆動トルク及び流量調整弁62の開度を制御することで、脱硫処理装置12には、必要な補給水量だけがガス冷却処理装置13から冷却液抜出ライン61を通して補充される。
【0060】
ここで、実施例2の排気ガスの処理方法及び処理装置の運転条件及び結果を説明する。
運転条件:
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス流量・・・・・200m3N/h
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス温度・・・・・98℃
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス含有水分量・・8.3vol%
脱硫処理装置12の出口部での排気ガス温度・・・・・49℃
ガス冷却処理装置13の出口部での排気ガス温度・・・40.2℃
運転結果:
ガス冷却処理装置13での水分凝縮量・・・・・・・・7.9kg/h
脱硫処理装置12での水分不足量・・・・・・・・・・7.9kg/h
従って、ガス冷却処理装置13での水分凝縮量7.9kg/hと、脱硫処理装置12での水分不足量7.9kg/hが同量となることで、廃棄する冷却排液や脱硫処理装置12に別のラインから補給する補給水の必要がない。
【0061】
このように実施例2の排気ガスの処理方法及び処理装置にあっては、ガス冷却処理装置13で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫処理装置12に補給水として供給する冷却液抜出ライン61を設けると共に、ガス冷却処理装置13の冷却液貯留部22に冷却液の貯留量を測定する液面センサ64と、脱硫処理装置12で排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足量を測定する水分不足量センサ66を設け、制御装置63は、この液面センサ64が測定した冷却液の液面高さと、水分不足量センサ66が測定した補給水の不足量とを把握し、冷却液の貯留量が一定量となると共に、補給水量が所定量となるように、熱交換器29の冷却効率を制御している。
【0062】
従って、ガス冷却処理装置13で排気ガス中の水分が凝縮して増加した冷却液を脱硫処理装置12に補給水として供給することで、排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足分が補充されることとなり、冷却処理排液を有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができる。そして、この場合、冷却液の貯留量が一定量となると共に、脱硫処理での不足量と補給水量とが同量となることで、外部からの補給水を不要とすることができと共に、余剰となる処理排液を廃棄する必要もなくなり、運転コスト及び処理コストの増大を防止することができる。
【実施例3】
【0063】
図5は、本発明の実施例3に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図、図6は、実施例3の排気ガスの処理装置における高度脱硫ガス冷却処理装置を表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0064】
実施例3の排気ガスの処理装置は、図5に示すように、ボイラ11から排出される排気ガスに対して脱硫処理する脱硫処理装置12と、脱硫処理装置12で処理された排気ガスを塩基性吸収液に接触させて排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去すると共に排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却処理装置17と、高度脱硫ガス冷却処理装置17で処理された排気ガスに対して脱炭酸処理する脱炭酸処理装置14と、浄化処理された排気ガスを排出する煙突15とから構成されている。
【0065】
高度脱硫ガス冷却処理装置17は、脱硫処理された排気ガスを塩基性吸収液に接触させて排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去することで、硫黄酸化物濃度を5ppm以下、好ましくは1ppm以下になるように高度脱硫処理するものである。排気ガス中の硫黄酸化物濃度が5ppmを超えると、脱炭酸処理装置14で使用する脱炭酸吸収液に硫黄酸化物が蓄積し、脱炭酸吸収液(負荷吸収液)をリクレーミングする頻度が増加してしまう。
【0066】
塩基性吸収液としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムなどのうちの1つの塩基性化合物または2つ以上の化合物の混合物を含む吸収液を使用することができる。この中でも、特に、脱硫性能の観点から水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムの塩基性ナトリウム化合物を含む吸収液を使用することが好ましい。また、塩基性化合物は、通常、0.1〜30重量%の水溶液として使用する。
【0067】
また、高度脱硫ガス冷却処理装置17は、高度脱硫処理された排気ガスを50℃以下、好ましくは45℃以下、より好ましくは30〜45℃の範囲に冷却するものである。排気ガスの温度が50℃を超えると、脱炭酸処理装置14にて、排気ガスに同伴する脱炭酸吸収液のアミン化合物の量が増加し、このアミン化合物が無駄に消費されて運転コスト等が増大してしまう。一方、30℃未満では、冷却コストが増大してしまう。
【0068】
具体的に説明すると、高度脱硫ガス冷却処理装置17において、図6に示すように、高度脱硫ガス冷却塔71は下部に吸収液貯留部72が設けられ、この冷却液貯留部72の上側に脱硫処理装置12で脱硫処理された排気ガスを導入するガス導入ライン73が接続される一方、高度脱硫ガス冷却塔71の上端部に高度脱硫及び冷却した排気ガスを排出するガス排出ライン74が接続されている。そして、高度脱硫ガス冷却塔71は、内部に、高度脱硫部75と高度脱硫部デミスタ76とガス冷却部77とガス冷却部デミスタ78が下方から順に設けられている。
【0069】
高度脱硫ガス冷却塔71には、吸収液貯留部72にある塩基性吸収液を高度脱硫部75の上方から供給するための吸収液循環ライン79が設けられており、この吸収液循環ライン79には吸収液ポンプ80が設けられている。そして、吸収液循環ライン79には、塩基性化合物を含む供給液を補充添加する供給液添加ライン81と、塩基性吸収液の一部を抜き出す吸収液抜出ライン82が接続されている。また、高度脱硫ガス冷却塔71には、ガス冷却部77の底部から上部に冷却液としての塩基性吸収液を供給するための冷却液循環ライン83が設けられており、この冷却液循環ライン83には、熱交換器84及び冷却液循環ポンプ85が設けられている。そして、冷却液循環ライン83からの塩基性吸収液の一部を抜き出して吸収液循環ライン79に供給する冷却液抜出ライン86が設けられ、この冷却液抜出ライン86には冷却液ポンプ87が設けられている。
【0070】
従って、この高度脱硫ガス冷却処理装置17では、脱硫処理装置12で脱硫処理された排気ガスがガス導入ライン73から高度脱硫ガス冷却塔71の下部に導入される一方、吸収液貯留部72にある塩基性吸収液が吸収液ポンプ80により吸収液循環ライン79を通って高度脱硫部75の上方から供給される。すると、この高度脱硫部75では、排気ガスと塩基性吸収液とが接触することで、排気ガス中の硫黄酸化物が高度に除去され、排気ガス中の硫黄酸化物濃度を5ppm以下とすることができる。そして、排気ガスに同伴する塩基性吸収液のミストは、高度脱硫部デミスタ76で除去回収され、吸収液貯留部72に貯留される。なお、塩基性吸収液中の塩基性化合物の濃度は高度脱硫処理を繰り返すことで次第に低下するため、硫黄酸化物の除去量に見合う塩基性化合物を高濃度に含む供給液を供給液添加ライン81から吸収液循環ライン79に供給する。
【0071】
また、高度脱硫された排気ガスは、ガス冷却部77を循環している冷却液(塩基性吸収液)に接触することで冷却され、ガス温度を50℃以下とすることができる。そして、排気ガスに同伴する冷却液のミストは、ガス冷却部デミスタ78で除去回収される。回収される冷却液の量は、接触させる冷却液の量と比べて、排気ガスから凝縮する水分の量が増加する。そのため、この増加する冷却液の量に相当する量を冷却液抜出ライン85を介して吸収液循環ライン79に供給する。
【0072】
そして、この実施例3では、高度脱硫ガス冷却処理装置17にて、排気ガスの冷却処理時に発生する水分(冷却処理排液)を、脱硫処理装置12にて、排気ガスの脱硫処理時に不足する水分の補給水として供給する補給水供給手段を設けている。
【0073】
即ち、図5及び図6に示すように、高度脱硫ガス冷却処理装置17における吸収液循環ライン79にて、吸収液ポンプ80の下流側から分岐して吸収液抜出ライン82が設けられており、この吸収液抜出ライン82に流量調整弁91が設けられ、脱硫処理装置12に接続されている。そして、この吸収液ポンプ80及び流量調整弁91は、制御装置92により駆動制御可能となっている。また、高度脱硫ガス冷却処理装置17には、吸収液貯留部72に貯留する塩基性吸収液の貯留量を測定する液面センサ93が設けられると共に、高度脱硫冷却後の排気ガス温度を測定するガス温度センサ94が設けられており、測定結果を制御装置92に出力している。更に、脱硫処理装置12には、排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足量を測定する水分不足量センサ66が設けられており、測定結果を制御装置92に出力している。
【0074】
従って、制御装置92は、液面センサ93の測定結果を受けて吸収液貯留部72における吸収液の液面高さ、つまり、吸収液貯留部72における吸収液の貯留量を常時把握しており、この吸収液の貯留量が一定量となるように、吸収液ポンプ80の駆動トルク及び流量調整弁91の開度を制御し、高度脱硫ガス冷却処理装置17から吸収液抜出ライン82を通して脱硫処理装置12へ供給する補給水(冷却処理排液)の供給量を調整することができる。また、制御装置92は、水分不足量センサ66の測定結果を受けて高度脱硫ガス冷却処理装置13から脱硫処理装置12へ供給する補給水量が不足量に見合う所定量となるように、冷却液循環ライン83(図6参照)に設けられた熱交換器84の冷却効率を制御することができる。
【0075】
即ち、高度脱硫ガス冷却処理装置17では、排気ガスに塩基性吸収液を接触させて高度脱硫して冷却するとき、排気ガス中の水分が凝縮して塩基性吸収液に混入するため、吸収液貯留部72に貯留される塩基性吸収液の貯留量が増えて液面が上昇する。一方、脱硫処理装置12では、排気ガスに脱硫吸収液を接触させて脱硫するとき、排気ガスの熱により塩基性吸収液中の水分が蒸発して不足する。すると、制御装置92は、液面センサ93及び水分不足量センサ66の測定結果を受け、高度脱硫ガス冷却処理装置17で発生する塩基性吸収液の増加量と、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量とがほぼ同量となるように、高度脱硫ガス冷却処理装置17における熱交換器84の冷却効率を制御する。
【0076】
具体的には、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量に対して、高度脱硫ガス冷却処理装置17で発生する水分凝縮量の増加量が少ないときには、熱交換器84における冷却媒体の供給量を上げて冷却効率を向上させることで、凝縮する水分の増加量を増やす。一方、脱硫処理装置12で不足する水分の不足量に対して、高度脱硫ガス冷却処理装置17で凝縮する水分の増加量が多いときには、熱交換器84における冷却媒体の供給量を下げて冷却効率を低下させることで、凝縮する水分の増加量を減らす。この場合、制御装置92は、ガス温度センサ94が測定した冷却後の排気ガス温度が所定温度(例えば、50℃)を超えないように熱交換器84の冷却効率を制御し、且つ、吸収液ポンプ80の駆動トルク及び流量調整弁91の開度を制御することで、脱硫処理装置12には、必要な補給水量だけが高度脱硫ガス冷却処理装置17から吸収液抜出ライン82を通して補充される。
【0077】
ここで、実施例3の排気ガスの処理方法及び処理装置の運転条件及び結果を説明する。
運転条件:
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス流量・・・・・200m3N/h
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス温度・・・・・98℃
脱硫処理装置12の入口部での排気ガス含有水分量・・8.3vol%
脱硫処理装置12の出口部での排気ガス温度・・・・・49℃
ガス冷却処理装置13の出口部での排気ガス温度・・・40.2℃
運転結果:
ガス冷却処理装置13での水分凝縮量・・・・・・・・7.9kg/h
脱硫処理装置12での水分不足量・・・・・・・・・・7.9kg/h
従って、高度脱硫ガス冷却処理装置17での水分凝縮量7.9kg/hと、脱硫処理装置12での水分不足量7.9kg/hが同量となることで、廃棄する冷却排液や脱硫処理装置12に別のラインから補給する補給水の必要がない。また、高度脱硫ガス冷却処理装置17から脱硫処理装置12に供給する補給水は、高度脱硫処理後の塩基性吸収液であり、ナトリウム塩を含有しており、脱硫処理装置12における脱硫吸収液としての炭酸カルシウム懸濁液中の硫酸ナトリウム濃度が0.1mol/Lとなり、炭酸カルシウム溶解速度比は1.4となり、脱硫性能が向上する。
【0078】
このように実施例3の排気ガスの処理方法及び処理装置にあっては、高度脱硫ガス冷却処理装置17で排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫処理装置12に補給水として供給する冷却液抜出ライン82を設けると共に、高度脱硫ガス冷却処理装置17の吸収液貯留部72に冷却液の貯留量を測定する液面センサ93と、脱硫処理装置12で排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足量を測定する水分不足量センサ66を設け、制御装置92は、この液面センサ93が測定した吸収液の液面高さと、水分不足量センサ66が測定した補給水の不足量とを把握し、吸収液の貯留量が一定量となると共に、補給水量が所定量となるように、熱交換器84の冷却効率を制御している。
【0079】
従って、高度脱硫ガス冷却処理装置17で排気ガス中の水分が凝縮して増加した塩基性吸収液を脱硫処理装置12に補給水として供給することで、排気ガスの熱により蒸発した塩基性吸収液中の水分の不足分が補充されることとなり、冷却処理排液を有効的に使用することで処理コストの増加を抑制することができる。そして、この場合、吸収液の貯留量が一定量となると共に、脱硫処理での不足量と補給水量とが同量となることで、外部からの補給水を不要とすることができと共に、余剰となる処理排液を廃棄する必要もなくなり、運転コスト及び処理コストの増大を防止することができる。
【0080】
また、高度脱硫ガス冷却処理装置17から脱硫処理装置12に供給する補給水は、高度脱硫処理後の塩基性吸収液であって、ナトリウム塩を含有しており、脱硫処理装置12における脱硫吸収液としての炭酸カルシウム懸濁液中の硫酸ナトリウム濃度が上昇し、この脱量装置12での脱硫性能を向上することができる。
【0081】
なお、この実施例3では、高度脱硫ガス冷却処理装置17の吸収液貯留部72における吸収液の液面高さと、脱硫処理装置12における補給水の不足量とを把握し、吸収液の貯留量が一定量となると共に補給水量が所定量となるように、熱交換器84の冷却効率を制御するようにしたが、前述した実施例1と同様に、高度脱硫ガス冷却処理装置17の吸収液貯留部72における吸収液の液面高さが一定量となると共に吸収液ポンプ80及び流量調整弁92の開度だけを制御するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係る排気ガスの処理方法及び処理装置は、冷却されることで排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を脱硫処理に補給水として供給するものであり、いずれの種類の排気ガスの処理方法及び装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施例1に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図である。
【図2】実施例1の排気ガスの処理装置におけるガス冷却処理装置を表す概略図である。
【図3】実施例1の排気ガスの処理装置における脱炭酸処理装置を表す概略図である。
【図4】本発明の実施例2に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図である。
【図5】本発明の実施例3に係る排気ガスの処理装置を表す概略構成図である。
【図6】実施例3の排気ガスの処理装置における高度脱硫ガス冷却処理装置を表す概略図である。
【符号の説明】
【0084】
11 ボイラ
12 脱硫処理装置(脱硫手段)
13 ガス冷却処理装置(冷却手段)
14 脱炭酸処理装置(脱炭酸手段)
15 煙突
17 高度脱硫ガス冷却処理装置(高度脱硫ガス冷却手段)
28 冷却液ポンプ(補給水供給手段)
61 冷却液抜出ライン(補給水供給手段)
62,91 流量調整弁(補給水供給手段)
63,92 制御装置
64,93 液面センサ(冷却液量測定手段)
65,94 ガス温度センサ
66 水分不足量センサ
80 吸収液ポンプ(補給水供給手段)
82 吸収液抜出ライン(補給水供給手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫工程と、該脱硫工程で処理された前記排気ガスを冷却するガス冷却工程と、該ガス冷却工程で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸工程とを有し、前記ガス冷却工程で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫工程に補給水として供給することを特徴とする排気ガスの処理方法。
【請求項2】
硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫工程と、該脱硫工程で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去すると共に該排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却工程と、該高度脱硫ガス冷却工程で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸工程とを有し、前記高度脱硫ガス冷却工程で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫工程に補給水として供給することを特徴とする排気ガスの処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の排気ガスの処理方法において、前記高度脱硫ガス冷却工程では、前記脱硫工程で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物濃度が5ppm以下となるように前記硫黄酸化物を除去し、前記排気ガスの温度が50℃以下となるように冷却することを特徴とする排気ガスの処理方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の排気ガスの処理方法において、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となるように、前記脱硫工程に供給する前記補給水の供給量を調整することを特徴とする排気ガスの処理方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の排気ガスの処理方法において、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程に貯留する冷却液の貯留量が一定量となると共に、前記脱硫工程に供給する前記補給水の供給量が所定量となるように、前記ガス冷却工程または前記高度脱硫ガス冷却工程におけるガス冷却効率を調整することを特徴とする排気ガスの処理方法。
【請求項6】
硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、該脱硫手段で処理された前記排気ガスを冷却するガス冷却手段と、該ガス冷却手段で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、前記ガス冷却手段で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段とを具えたことを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項7】
硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有する排気ガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫手段と、該脱硫手段で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物を更に除去すると共に該排気ガスを冷却する高度脱硫ガス冷却手段と、該高度脱硫ガス冷却手段で処理された前記排気ガス中の二酸化炭素を除去する脱炭酸手段と、前記高度脱硫ガス冷却手段で前記排気ガス中の水分が凝縮して発生する冷却処理排液を前記脱硫手段に補給水として供給する補給水供給手段とを具えたことを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の排気ガスの処理装置において、前記高度脱硫ガス冷却手段は、前記脱硫手段で処理された前記排気ガスを塩基性吸収液に接触させて該排気ガス中の硫黄酸化物濃度が5ppm以下となるように前記硫黄酸化物を除去し、前記排気ガスの温度が50℃以下となるように冷却することを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項9】
請求項6または7に記載の排気ガスの処理装置において、前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段と、該冷却液量測定手段の測定結果に基づいて前記冷却液の貯留量が一定量となるように前記補給水供給手段を制御して前記脱硫手段への前記補給水の供給量を調整する制御手段とを設けたことを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項10】
請求項6または7に記載の排気ガスの処理装置において、前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段に貯留する冷却液の貯留量を測定する冷却液量測定手段と、該冷却液量測定手段の測定結果に基づいて前記冷却液の貯留量が一定量となると共に前記脱硫手段に供給する前記補給水の供給量が所定量となるように前記ガス冷却手段または前記高度脱硫ガス冷却手段を制御してガス冷却効率を調整する制御手段を設けたことを特徴とする排気ガスの処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−218415(P2006−218415A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34844(P2005−34844)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】