説明

排水浄化装置

【課題】産業排水を浄化するために必要な手段を一体に形成することで容易に設置することができる排水浄化装置を提供する。
【解決手段】この排水浄化装置は、産業排水による汚濁水の浄化および浄化された汚濁水の再利用に必要な手段、すなわち、給水手段、分離槽、曝気層、ろ過槽、貯水槽、フィルタ部およびそれらを接続する配管機構等が地面よりある一定の距離を確保した架台に一体に形成されていることを特徴とする、排水浄化装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排水浄化装置に関し、特にたとえば、産業排水を浄化し再利用するための排水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地球の温暖化や世界的な異常気象により日本も少雨傾向にあり、各地の水不足が大きな社会的問題となっている。水は、貴重な資源であるにもかかわらず、工業用水などでは、大量の水が消費されている。加えて、たとえば、工場等からの排水は、揮発油を含んだものが多く、そのまま下水に流すと環境の問題や爆発等の恐れがあることも社会的問題となっている。そこで、各工場を運営する事業者は、水の利用節減や、トイレの洗浄や植木の散水などとして、工場からの排水を浄化した水を再利用することが求められている。
さらに、近年では、都市部におけるヒートアイランド現象が問題となっており、その解決策として、建物の屋根や壁に水を流すという打ち水効果により、その水の気化熱を利用し室温を下げるという試みがなされていることから、さらに、水の利用価値は高まる傾向にあり、また、浄化された水の再利用に対する重要性が高まっている。
【0003】
従来の排水浄化装置は、互いに独立した構造体として複数個の水処理タンクにより構成され、たとえば、各水処理用タンクは、嫌気濾床槽および接触曝気槽が設けられるとした構成である。このように、各水処理タンクが互いに独立した構造体として構成されていることから、この排水浄化装置は、通路型の狭い敷地、いびつな敷地などでもそれらの敷地に応じて各水処理タンクを設置することができるとしたものである(たとえば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−154384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の排水浄化装置では、各排水処理用タンクが互いに独立して構成されていることで排水処理用タンクを個々に設置する必要があり、手間がかかることからスムーズな排水浄化装置の設置が困難であるという問題がある。
また、このような従来の排水浄化装置は、たとえば、工場内等の敷地内に配置されることが通常であることから、工場内等の敷地内にこの排水浄化装置が設置できるような場所を確保することはかなり制限されるのが現状である。しかしながら、従来の排水浄化装置における各水処理用タンクは、設置される敷地内において直接的に設置されることから、必要な各水処理用タンク、配管および給水手段等の設置に応じて排水浄化装置における設置面積が増加するという問題がある。
【0006】
この発明は、上述した種々の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、排水を浄化し再利用するための排水浄化装置が設置容易に構成され、さらに、排水浄化装置の設置される敷地における有効利用を可能とすることを特徴とする排水浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる排水浄化装置は、排水を浄化するための排水浄化装置であって、排水浄化装置は、排水を貯留している油水分離槽から排水を給水する第一給水手段と、第一給水手段により給水された排水に含まれる浮上油を分離するための分離槽と、分離槽からの排水を曝気するための曝気槽と、曝気槽からの排水をろ過するための活性炭を充填させたろ過槽と、ろ過槽からの排水を貯水するための第一貯水槽と、第一貯水槽で貯水された排水を給水するための第二給水手段と、第二給水手段により給水された排水をさらにろ過するためのフィルタ部と、フィルタ部からの排水を貯水するための第二貯水槽と、第二貯水槽で貯水された排水を送水するための第三給水手段とを含み、第一給水手段、分離槽、曝気槽、ろ過槽、第一貯水槽、第二給水手段、フィルタ部、第二貯水槽および第三給水手段を配管接続する配管を備え、第一給水手段、分離槽、曝気槽、ろ過槽、第一貯水槽、第二給水手段、フィルタ部、第二貯水槽および第三給水手段を一体に形成するために、地面よりある一定の距離を確保した架台を備えることを特徴とする排水浄化装置である。
また、この発明にかかる排水浄化装置では、第二貯水槽およびろ過槽の間には、配管機構とは異なる洗浄用配管と、第二貯水槽からろ過槽へ第二貯水槽に貯水された排水を給水するための第四給水手段を備え、ろ過槽に充填されている活性炭を洗浄することを可能とする排水浄化装置である。
さらに、この発明にかかる排水浄化装置は、殺菌電極を備える殺菌槽を含むことが望ましい。
また、この発明にかかる排水浄化装置は、分離槽、曝気槽、ろ過槽、第一貯水槽、第二貯水槽が円筒形の塩化ビニル配管により形成されることが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
この発明にかかる排水浄化装置では、排水による汚濁水の浄化および浄化された汚濁水の再利用に必要な手段、すなわち、給水手段、各処理槽およびフィルタ部等が地面よりある一定の距離を確保した架台に一体に形成されている。結果、この排水浄化装置を、たとえば、排水処理を行わなければならない工場等に設置する際に、この架台ごと設置すればよいだけなので手間をかけることなく排水浄化装置を設置することができる。
また、地面よりある一定の高さが設けられた架台に、給水手段、各処理槽およびフィルタ部が一体に形成されているので、各処理槽が設置された架台における下部の空間も配管や給水手段の設置等に対しての利用が可能であることから、設置面積を減少させることができ、よりコンパクトに排水浄化装置を設置できるという効果がある。
さらに、この架台の平面形状を、排水浄化装置の設置される敷地の平面形状に応じて作製することで、容易に敷地の平面形状に合致した排水浄化装置を作製し設置することができる。
また、この発明にかかる排水浄化装置では、第二貯水槽とろ過槽との間に、浄化処理のための配管とは別の配管と給水手段を別途設けることができる。このことから第二貯水槽に貯水されている浄化された排水を利用することにより、ろ過槽に充填されている活性炭を洗浄できるので、ろ過槽に充填されている活性炭を取り出すことなく洗浄することができる。
さらに、この発明にかかる排水浄化装置では、殺菌電極を備える殺菌槽を含むことができるので、衛生面において、高い浄化精度が求められるといった用途(たとえば、食品関係の工場等)に対しても使用することができる。
また、この発明にかかる排水浄化装置では、分離槽、曝気槽、ろ過槽、第一貯水槽および第二貯水槽において、各槽の材料を塩化ビニルの配管を利用することで、各槽を作製する際に加工が容易なことから短時間での作製が可能となる。
【0009】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明にかかる排水浄化装置の実施の形態である排水浄化装置10の構成について、図1および図2を用いて説明する。図1は、排水浄化装置10の平面図であり、図2は、排水浄化装置10の側面図を示している。
この実施の形態における排水浄化装置10は、架台12を備え、その架台12の上部に浄化すべき産業排水たる汚濁水を浄化処理するために必要な各処理部、すなわち、給水手段と各種処理槽と各種フィルタ部とにより構成されている。さらに、各種処理槽の最上開口部には、すべての各種処理槽を塞ぐための蓋部14が一体に形成されている。また、隣接する各種処理槽を互いに固定するための処理槽固定具16が、たとえば、塩化ビニル溶接によって取付けられている。そして、各種処理槽は、その下部においてL字型のアングルにより架台12に固定されている。
【0011】
より詳細に説明すると、この実施の形態の排水浄化装置10における汚濁水を浄化処理するための各処理部は、少なくとも、たとえば、既存の油水分離槽等から汚濁水を吸水するための給水手段である吸水ポンプ100と、汚濁水に含まれる油と水とを分離するための第一分離槽200と、2層のフィルタを備えた第二分離槽250と、散気装置314を備えた曝気槽300と、活性炭が充填された第一ろ過槽400と、同様に活性炭が充填された第二ろ過槽450と、一時処理水を溜め置くための第一貯水槽500と、第一貯水槽500に貯水されている汚濁水を給水するためのラインポンプ110と、糸状フィルタを備えたフィルタハウジング部600と、ウルトラフィルム(UF)膜を備えたUF膜部700と、浄化された汚濁水を溜め置くための第二貯水槽550と、浄化処理後の汚濁水を利用するために給水する送水ポンプ120と、汚濁水の流れを制御するための制御盤800とを備えている。そして、それぞれの処理槽は、処理槽固定具16によって、互いに固定されている。
【0012】
まず、架台12について説明する。
図3は、架台12の斜視図であり、図4は、架台12の平面図である。
架台12は、略長方形の積載部18と、ある一定の長さを確保した脚部20と、給水手段を設置するための給水手段設置台22とを備えている。
積載部18は、その一端部が略半円の形状として形成されている。そして、積載部18の一端部の下面における略中央には、脚部が1本、他端部の下面における両端には脚部20が2本備え付けられ、積載部18は、前記脚部20により地面と略水平になるように形成されている。
給水手段設置台22は、積載部18の他端部において積載部18の面と平面を構成するように取付けられる。
架台12は、前記各種処理槽の底面と対向する部位において配管を接続するそれぞれの箇所に開口穴24が設けられている。
【0013】
さらに、図4に示すとおり、架台12の積載部18は、分離槽エリア26、曝気槽エリア28、ろ過槽エリア30、貯水槽エリア32の各エリアが設けられており、各処理槽は、図4に示されている各エリアに設置される。
各処理槽は、第一分離槽200、第二分離槽250、曝気槽300、第一ろ過槽400、第二ろ過槽450、第一貯水槽500そして第二貯水槽550により構成される。
第一分離槽200および第二分離槽250は、分離槽エリア26に並べて配置される。また、曝気槽300は、曝気槽エリア28に配置される。そして、第一ろ過槽400および第二ろ過槽450は、ろ過槽エリア30に並べて配置される。また、貯水槽エリア32に、第一貯水層500および第二貯水槽550が配置される。第二貯水槽550は、積載部18の一端部に配置される。
【0014】
また、架台12の給水手段設置台22は、給水手段設置エリア34が設けられており、給水手段設置エリア34に吸水ポンプ100および送水ポンプ120が並べて設置される。吸水ポンプ100の吸水ポンプ吸込口102および吸水ポンプ吐出口104と送水ポンプ120の送水ポンプ吸込口124および送水ポンプ吐出口126とは、各処理槽とは反対方向、つまり、外側方向を向くように設置される。
【0015】
また、吸水ポンプ100の上部側で第一分離槽200の略上側部には、フィルタハウジング部600が取付けられている。さらに、送水ポンプ120の上部側で第二分離槽250の略上側部には、制御盤800が取付けられている。
また、第二貯水槽550の槽内における上部側には、円筒形状のUF膜部700が、たとえば2本、一定の間隔を確保した状態で配置される。
架台12の下側の空間における略中央付近には、第一貯水槽500に貯水されている浄化された汚濁水をフィルタハウジング部600に給水するために、ラインポンプ110が配置される。
【0016】
また、蓋部14は、第一分離槽200、第二分離槽250、曝気槽300、第一ろ過槽400、第二ろ過槽450、第一貯水槽500および第二貯水槽550の各処理槽の上部の開口部を塞ぐような大きさの円形で開口部に対応する形状の蓋が、一体に形成されている。
【0017】
次に、排水浄化装置10の各処理部、すなわち、給水手段、各処理槽、フィルタ部等における構造および各処理部間を接続する配管の接続状態について説明する。図5は、この発明にかかる排水浄化装置の配管の接続状態を示した図解図であり、図6は、この発明にかかる排水浄化装置の水平方向の断面図である。各処理槽は、浄化すべき汚濁水に含まれるゴミの大きさが概ね大きいものから処理されるような順番により配置されている。
【0018】
まず、給水手段である吸水ポンプ100は、吸水ポンプ吸込口102と吸水ポンプ吐出口104とが並列に並んで備えられている。吸水ポンプ100の吸水ポンプ吸込口102には、吸水管106の一端が接続される。この吸水管106の他端は、たとえば、工場等に既存している油水分離槽(図示せず)から浄化すべき汚濁水が吸込めるように取付けられる。吸水ポンプ100の吸水ポンプ吐出口104には、連結管108の一端が接続される。この連結管108の他端は、第一分離槽200の上部に設けられている吐出管202の一端に接続される。
吸水ポンプ100は、工場等から排出される産業排水を一旦貯留する油水分離槽から産業排水である浄化すべき汚濁水をくみ上げ、排水浄化装置10に送り込むために設けられる。
【0019】
第一分離槽200は、工場等から排出される産業排水である浄化すべき汚濁水を浮上油と水とに分離するための油水分離手段である。
第一分離槽200は、吸水ポンプ100の吸水ポンプ吐出口104と連結された連結管108を備え、吸水ポンプ吐出口104より連結管108を介して、浄化すべき汚濁水が第一分離槽200に送水される。
第一分離槽200は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの塩化ビニルによる円筒形の配管を利用した第一処理層円筒部220を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第一処理層円筒部220の厚さは、約15mmである。
第一分離槽200の上部側面には、吐出管202が形成される。この吐出管202の一端は、連結管108の他端に接続されている。そして、吐出管202の他端は、吐出口204が形成され、浄化すべき汚濁水が第一分離槽200に注ぎ込まれるように吐出口204が下向きに形成される。
【0020】
第一分離槽200は、その槽内中央には、水面付近に存在する浮上油を排出するための排出管206が、垂直方向に立設されている。この排出管206の一端における排出口208は、たとえば、水面から約1cm上方に突出するように配置される。また、排出管206の他端は、第一分離槽200の底部210を貫通して取付けられ、排出管206は油水分離槽(図示せず)に連結され、排出管206を介して浮上油が油水分離槽に排出される。
【0021】
第一分離槽200は、その槽内を区画することにより、第一分離槽200と略々同じ高さの排出槽212が形成される。
図7は、排水槽212と第一処理槽円筒部220との接合方法を示した図解図である。
排出槽212は、第一処理槽円筒部220を構成する塩化ビニル製円筒形配管と同様の円筒形配管の一部を切断分離してなる断面円弧状の排出槽本体の両端縁を第一処理槽円筒部220の内面に当接させ、該排出槽本体の両端縁と第一処理槽円筒部220の内面との隙間の部分に塩化ビニルを用いた塩化ビニル溶接を施すことにより接合される。このように塩化ビニル溶接を行うことにより、第一処理槽円筒部220と排出槽本体との接合部における耐水性が確保することができ、かつ水密性も保つことが可能となる。
排出槽212の上部には、排出槽開口部214が形成され、排出槽212の下部には、排出槽吸入部216が形成される。そして、排出槽開口部214付近の略々水面において、第一分離槽200の上部側面には、第一分離槽200から浄化すべき汚濁水を排出するための排出口218が形成される。そして、排出口218に、第二分離槽250へ浄化すべき汚濁水を送水するための吐出管252の一端が接続される。
【0022】
浄化すべき汚濁水の水位は、吐出管252の高さ位置と排出口208の高さ位置とにより決定される。
この実施の形態においては、吐出管252と排出口208とを同一の高さにすることにより、第一分離槽200は、たとえば、工場等から排出される産業排水である汚濁水を浮上油と水とに分離することができる。すなわち、比重の軽い浮上油は、排出口208から排出管206により排出され、反対に比重の重い水は、排出槽吸入部216を通り排出槽212を介して、第二分離槽250に送水されることで、浮上油と水とが分離することとなる。上述したように水面付近に存在している浮上油は、この排出管206を介して油水分離槽へ排出される。
【0023】
ここで、前記第一処理槽円筒部220と底部210とにより構成されている第一分離槽200における第一処理槽円筒部220と底部210との接合方法について述べる。
図8は、第一処理槽円筒部220と底部210との取付方法を示した第一分離槽200の下部における断面図である。
底部210は、円板状であり第一処理槽円筒部220の底面を形成するために、第一処理槽円筒部220の下部開口部の内側に嵌合し接合される。底部210の外周は、図8に示すとおり面取り処理が行われており、第一処理槽円筒部220の底面の空間に底部210をはめ込み、そして、その隙間の部分に塩化ビニル222を用いた塩化ビニル溶接を施すことにより取付けられる。
このように塩化ビニル溶接を行うことにより、第一処理槽円筒部220と底部210との接合部における耐水性を確保することができ、かつ水密性も保つことが可能となる。第一処理槽円筒部220と底部210との接合について接着剤を用いる方法も考えられるが、接着剤により接合を行うと、使用した接着剤が汚濁水の影響により剥れやすいため、処理槽の底部210における水密性を保つことが困難となる。
なお、その他の処理槽(第二分離槽250、曝気槽300、第一ろ過槽400、第二ろ過槽450、第一貯水槽500、第二貯水槽550)を構成する処理槽円筒部と底部とについても、上述した方法と同様な接合方法が行われている。
【0024】
第二分離槽250は、汚濁物質を捕獲する手段を構成している。
第二分離槽250には、第一分離槽200から送られてきた浄化すべき汚濁水が、前記吐出管252を介して送水される。
第二分離槽250は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの塩化ビニルによる円筒形の配管を利用した第二処理槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第二処理槽円筒部の厚さは、約15mmである。
そして、この第二処理槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
【0025】
第二分離槽250の上部側には、吐出管252が形成される。上述したように、吐出管252の一端は、第一分離槽200の上部側面に形成された排出口218に接続されている。そして、吐出管252は、第二分離槽250の上部側面を貫通している。また、吐出管252の他端には、吐出口254が形成されており、吐出口254は、第二分離槽250を形成している第二処理槽円筒部の内部における略中心部に浄化すべき汚濁水が注ぎ込まれるように下向きに形成される。第二分離槽250の底部256の略中心部には、排出口258が形成される。そして、連結管302の一端が、排出口258と接続され、架台12の下側を通るように形成される。
【0026】
また、第二分離槽250の内側における略上部には、第二処理槽円筒部に嵌合する円板状のフィルタ支え部260が、たとえば、塩化ビニル溶接により取付けられている。フィルタ支え部260の略中心部、すなわち、吐出管252の吐出口254より浄化すべき汚濁水が注ぎ込まれる範囲には、円形のフィルタ取付穴262が貫通されている。そして、そのフィルタ取付穴262の外周に沿うように、フィルタパック264、すなわち、円錐状の第一フィルタ266と前記第一フィルタ266よりその径が小さい第二フィルタ268とが取付けられる。図9は、フィルタパック264の取付方法を示した図解図である。フィルタパック264は、第一フィルタ266と、第一フィルタ266の中に重ねて入れられた第二フィルタ268とにより構成され、第一フィルタ266と第二フィルタ268との間は、ある一定の空間を確保できるように取付けられる。これは、第二フィルタ268において捕獲される汚濁物質を保持できるようにするためである。
ここで用いられるフィルタのろ過精度は、たとえば、第一フィルタ266は、100μmであり、第二フィルタ268は、50μmのフィルタが使用される。このように、第二分離槽250には、フィルタパック264が取付けられることにより、比較的細かい、すなわち50μmないし100μm以上の大きさの汚濁物質が捕獲される。
【0027】
第二分離槽250の槽内には、オーバーフローした浄化すべき汚濁水を排出するために、排出管270が垂直方向に立設されている。この排出管270の一端における排出口272は、少なくとも、フィルタ支え部260より低い位置で配置される。また、排出管270の他端は、第二分離槽250の底部256を貫通して取付けられ、排出管270は油水分離槽に連結され、オーバーフローした汚濁水は、排出管270を介して油水分離槽に排出される。
【0028】
曝気槽300は、浄化すべき汚濁水に含まれるごみを泡(空気)に吸着させて破棄する手段を構成する。
曝気槽300には、第二分離槽250から送られてきた浄化すべき汚濁水が、連結管302を介して送水される。曝気槽300は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの塩化ビニルによる円筒形の配管を利用した曝気槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の曝気槽円筒部の厚さは、約15mmである。
そして、この曝気槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
曝気槽300の底部304の略中心部には、吸入口306が形成され、連結管302の他端と接続される。曝気槽300の内側には、円筒形の直径150mmの隔離管308が円心円状に配設されており、隔離管308と底部304とは、塩化ビニル溶接により隙間なく接合されている。よって、曝気槽300は、隔離管308により内部槽310と外部槽312に区画されることとなる。そして、この隔離管308は、略水面の高さとなるように形成される。
【0029】
曝気槽300の内部槽310における底部304、すなわち、吸入口306の上部には、散気装置314が配置される。散気装置314には、ブロアポンプにより空気が供給される。ブロアポンプは、たとえば、制御盤800内に設置され、ビニルチューブを介して散気装置314に空気が供給される。曝気槽300における外部槽312には、内部槽310の散気装置314から放出されている泡を吸入し排出するための排出管316が配設されている。
この排出管316の上端は、泡を吸入するための排出口318が形成されており、排出管316の他端は、曝気槽300の外部槽312における底部304を貫通し、続いて油水分離槽(図示せず)に排出されるように取付けられる。
さらに、外部槽312の底部304には、排出口320が形成されており、排出口320に連結管402の一端が接続され、連結管402は架台12の下側を通り第一ろ過槽400に連結されている。
曝気槽300は、散気装置314から放出された泡(空気)にごみを吸着させて、排出管316を介してそのごみを泡ごと破棄させるように構成されている。散気装置314からの泡を内部槽310において放出させることで、泡と排出させるごみとの遭遇機会を増加させ、結果効率よく泡にごみを吸着し破棄することができるという効果がある。
【0030】
第一ろ過槽400は、浄化すべき汚濁水に含まれるにおいや汚濁物質をやしがら活性炭の効果により吸着する手段を構成する。
第一ろ過槽400には、浄化すべき汚濁水が、連結管402を介して曝気槽300から送られる。第一ろ過槽400は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの塩化ビニルによる円筒形の配管を利用した第一ろ過槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第一ろ過円筒部の厚さは、約15mmである。この第一ろ過槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
第一ろ過槽400の底部404の略中心部には、吸入口406が形成され、連結管402の他端が接続される。また、第一ろ過槽400の上部の略々水面付近には、排出口408が形成され、吐出管452の一端が接続される。
第一ろ過槽400には、活性炭が敷き詰められている。活性炭は袋詰めされており、活性炭には、たとえば、やしがら活性炭が用いられる。やしがら活性炭は、第一ろ過槽400に対して約21kgが使用される。使用されるやしがら活性炭は、約30cm角の比較的小さな袋に小分けすることでいくつかに袋詰めされ、それら袋詰めされたやしがら活性炭を第一ろ過槽400内に充填する。浄化すべき汚濁水は、やしがら活性炭が充填された第一ろ過槽400の下から上へ流される。
また、多くのやしがら活性炭を比較的小さな袋に分けて袋詰めしているので、このやしがら活性炭や第一ろ過槽400内を洗浄する時や取り替える時等において、やしがら活性炭を容易に取り出すことができる。
【0031】
第二ろ過槽450は、第一ろ過槽400を通過後においても浄化すべき汚濁水から除去しきれなかったにおいや汚濁物質を、やしがら活性炭の効果により吸着する機能を有するものである。
第二ろ過槽450には、第一ろ過槽400から送られてきた浄化すべき汚濁水が、吐出管452を介して送水される。第二ろ過槽450は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの円筒形の塩化ビニルによる配管を利用した第二ろ過槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第二ろ過槽円筒部の厚さは、約15mmである。この第二ろ過槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
第二ろ過槽450の上部側には、吐出管452が形成される。吐出管452の一端は、第一ろ過槽400の上部に形成されている排出口408に接続される。そして、吐出管452の他端は、吐出口454が形成されており、第二ろ過槽450を形成している第二ろ過槽円筒部の内部における略中心部に浄化すべき汚濁水が注ぎ込まれるように下向きに形成される。また、第二ろ過槽450の底部456の略中心部には、排出口458が形成される。そして、排出口458に連結管502の一端が接続され、架台12の下側を通り第一貯水槽500に連結されている。
第二ろ過槽450は、第一ろ過槽400と同様の方法によりやしがら活性炭が敷き詰められている。浄化すべき汚濁水は、第二ろ過槽450の上から下へ流される。第二ろ過槽450は、第一ろ過槽400を通過後においても浄化すべき汚濁水から除去しきれなかったにおいや汚濁物質をやしがら活性炭の効果により吸着する機能を有するものである。
このように、第一ろ過槽400および第二ろ過槽450において、下から上へそして上から下へと浄化すべき汚濁水を流すことにより、浄化すべき汚濁水が、効率的にやしがら活性炭と接触することができるという効果がある。
【0032】
第一貯水槽500は、フィルタハウジング部600およびUF膜部700に送られる水量を調整する手段を構成する。
第一貯水槽500には、第二ろ過槽450から送られてきた浄化すべき汚濁水が、連結管502を介して送水される。第一貯水槽500は、これまで処理されてきた汚濁水を一時溜めておくために設けられる。第一貯水槽500は、たとえば、直径300mm、高さ1500mmの円筒形の塩化ビニルによる配管を利用した第一貯水槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第一貯水槽円筒部の厚さは、約15mmである。この第一貯水槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
第一貯水槽500の底部504の略中心部の外寄りには、吸入口506が形成され、吸入口506には連結管502の他端が接続される。
また、第一貯水槽500の底部504には、前記吸入口506とは異なる箇所に排出口508が形成され、排出口508には連結管112の一端が接続される。
第一貯水槽500の槽内には、オーバーフローした浄化すべき汚濁水を排出するために排出管510が垂直方向に立設されている。この排出管510の一端における排出口512の高さの配置は、第一貯水槽500の貯水能力にあわせて調整される。また、排出管512の他端は、第一貯水槽500の底部504を貫通して取付けられ、続いて、油水分離槽に排出されるように取付けられる。
第一貯水槽500は、ラインポンプ110によって給水されるフィルタハウジング部600およびUF膜部700に対して短時間に大量の水が送られることを防ぐために設けられる。すなわち、連続して大量の水がフィルタハウジング部600およびUF膜部700に送られると、フィルタハウジング部600に取付けられている糸状フィルタやUF膜部700に取付けられているUF膜の目詰まりや故障の原因となるが、第一貯水槽500は、フィルタハウジング部600およびUF膜部700に送られる水量を調整している。
【0033】
ラインポンプ110は、第一貯水槽500において一時貯水された浄化すべき汚濁水をフィルタハウジング部600およびUF膜部700に給水するために設けられる。
ラインポンプ110には、ラインポンプ吸込口114とラインポンプ吐出口116とが備えられている。ラインポンプ110のラインポンプ吸込口114には、第一貯水槽500に一端が接続された連結管112の他端が接続される。ラインポンプ110のラインポンプ吐出口116には、連結管602の一端が接続される。
【0034】
フィルタハウジング部600には、ラインポンプ110から吐出されてきた浄化すべき汚濁水が、連結管602を介して送水される。
図10は、フィルタハウジング部600の断面図である。
ラインポンプ110のラインポンプ吐出口116に接続される連結管602の他端は、フィルタハウジング部600の吸入口604に接続される。フィルタハウジング部600の排出口606には、連結管702の一端が接続される。
フィルタハウジング部600は、円筒状有底容器610の内部空間において、上部シール山612と下部シール山614との間に円筒状カートリッジ616が介装され、容器610の上部開口部618には、キャップ620が被蓋され、密封されている。
キャップ620と容器610とは、容器610の外周に嵌められたVパッキン622により、キャップ620の内側と密封するように構成されている。
容器610の上部には、空気抜きプラグ624が設けられている。
【0035】
フィルタハウジング部600は、例えば、ろ過精度が0.4μmの糸状フィルタが用いられる。大腸菌クラスの菌の大きさは、0.5μmであることから、フィルタハウジング部600は、この種の菌を取り除くために設けられる。さらに、UF膜部700のUF膜は、大きなゴミが通過するとすぐに目詰まりを起こすことから、フィルタハウジング部600においてUF膜部700に対して比較的大きなゴミを捕獲しておくことで、UF膜が目詰まりすることを回避することができる。
【0036】
UF(ウルトラフィルム)膜部700には、ラインポンプ110により吐出されてきた浄化すべき汚濁水が連結管702を介して送水される。UF膜部700の吸入口704には、フィルタハウジング部600に一端が接続された連結管702の他端が接続される。
【0037】
UF膜部700は、第二貯水槽550内の上部の空間に配置される。また、UF膜部700には、UF(ウルトラフィルム)膜が備えられており、たとえば、このUF膜のろ過精度は、0.2μmのUF膜が使用される。
UF膜部700の排出口706には、吐出管552の一端が接続される。また、その吐出管552の他端には、吐出口554が形成される。そして、吐出口554は、浄化された汚濁水が第二貯水槽550に注ぎ込まれるように下向きに形成される。
UF膜部700は、フィルタハウジング部600で処理しきれなかった極微小なゴミやにおい等を吸着する機能を有するものである。
【0038】
第二貯水槽550は、UF膜部700で浄化された汚濁水、つまり浄化水を溜めておくために設けられる。
第二貯水槽550には、UF膜部700を通過してきた浄化された汚濁水が、吐出管552を介して送水される。第二貯水槽550は、たとえば、直径600mm、高さ1500mmの円筒形の塩化ビニルによる配管を利用し第二貯水槽円筒部を含む。また、この塩化ビニルの円筒形の第二貯水槽円筒部の厚さは、約18mmである。この第二貯水槽円筒部の下部開口部の内側に円板状底部が嵌合し接合される。
上述したように、第二貯水槽550内の上部側には、UF膜部700が配置されており、UF膜部700の排出口706には、吐出管552の一端が接続されている。そして、吐出管552の他端には、吐出口554が下向きに形成されており、浄化された汚濁水が第二貯水槽550に注ぎ込まれるように形成される。第二貯水槽550の底部556には、排出口558が形成されており、連結管122の一端が接続されている。
【0039】
また、第二貯水槽550には、水位調整器560が取付けられている。この水位調整器560には、上水道からの水を送水できるように吸水管562が接続されており、第二貯水槽550に一定の水量が確保されるようになっている。すなわち、水位調整器560には浮き部564が備えられており、第二貯水槽550の貯水量が増加すると浮き部564が上方へ移動することで上水道からの水の送水が停止するような機構が設けられており、第二貯水槽550の貯水量が減少すると、浮き部564が下方へ移動することで上水道からの水が吸水管562を介して送水されるような機構が設けられている。
また、第二貯水槽550の槽内には、オーバーフローした浄化された汚濁水を排出するために排出管566が垂直方向に立設されている。この排出管566の一端における排出口568の高さの配置は、第二貯水槽550の貯水能力にあわせて調整される。また、排出管566の他端は、第二貯水槽550の底部556を貫通して油水分離槽に接続され、排出管566を介して油水分離槽にオーバーフローした浄化された汚濁水が排出される。
【0040】
送水ポンプ120は、第二貯水槽550に溜められている浄化水を利用するために、他所に送水できるように設けられる。
送水ポンプ120には、たとえば、送水ポンプ吸込口124と送水ポンプ吐出口124とが並列に並んで備えられている。送水ポンプ120の送水ポンプ吸込口124には、第二貯水槽550にその一端が接続された連結管122の他端が接続される。
そして、送水ポンプ120の送水ポンプ吐出口124には、排水管128の一端が接続され、浄化水を再利用する場所や機器に送水される。連結管122は、架台12の下側を通るように形成される。
【0041】
次に、本発明にかかる排水浄化装置10における浄化すべき汚濁水の制御方法について説明する。
油水分離槽(図示せず)、第一貯水槽500および第二貯水槽550には、各貯水槽内の水位を検知するための水位検知センサが取付けられる。各貯水槽内において、浄化すべき汚濁水または浄化された汚濁水の量により、吸水ポンプ100およびラインポンプ110が駆動することで、各貯水槽内の水位が調整される。各ポンプの駆動制御は、制御盤800において管理されている。以下、各処理槽内の浄化すべき汚濁水または浄化された汚濁水の量に応じた制御方法について述べる。
(1)油水分離槽、第一貯水槽500および第二貯水槽550のそれぞれの貯水槽が一杯の場合は、吸水ポンプ100およびラインポンプ110は、駆動しない。各ポンプが駆動することで、第一貯水槽500および第二貯水槽550に貯水されている浄化すべき汚濁水および浄化された汚濁水があふれるためである。
(2)油水分離槽および第一貯水槽500が一杯で、かつ第二貯水槽550が空の場合は、ラインポンプ110が駆動することにより、第一貯水槽500に貯水されている浄化すべき汚濁水が送水されて、第ニ貯水槽550に浄化された汚濁水が供給されるとともに、接続されている吸水管562を介して上水道の水が供給される。
また、第一貯水槽500が一杯のときは、吸水ポンプ100は駆動しないが、第二貯水槽550へ浄化すべき汚濁水を給送することで第一貯水槽500の浄化すべき汚濁水の量が減少してくると、吸水ポンプ100が駆動し、油水分離槽における浄化すべき汚濁水を排水浄化装置10に供給する。
(3)油水分離槽、第二貯水槽550が一杯で、かつ第一貯水槽500が空の場合は、吸水ポンプ100が駆動して、排水浄化装置10に浄化すべき汚濁水を給送する。吸水ポンプ100は、第一貯水槽500が一杯になるまで、駆動する。
(4)油水分離槽が一杯で、かつ第一貯水槽500および第二貯水槽550が空の場合は、吸水ポンプ100が駆動して、排水浄化装置10に浄化すべき汚濁水を給送する。そして、第一貯水槽500が一杯になると、ラインポンプ110が駆動し、第二貯水槽550に浄化すべき汚濁水を供給する。
ラインポンプ110は、第二貯水槽550が一杯になるまで駆動し、第二貯水槽550が一杯になるとラインポンプ110は停止する。
吸水ポンプ100は、第一貯水槽500が一杯になるまで駆動し、第一貯水槽500が一杯になると停止する。
(5)油水分離槽が空でかつ第一貯水槽500および第二貯水槽550が一杯の場合は、第一貯水槽500および第二貯水槽550が一杯なので、吸水ポンプ100およびラインポンプ110が共に駆動しない。
(6)油水分離槽および第二貯水槽550が空でかつ第一貯水槽500が一杯の場合は、油水分離槽が空でかつ第一貯水槽500が一杯なので、吸水ポンプ100は、駆動しない。また、第二貯水槽550が空であるので、ラインポンプ110が駆動し、第一貯水槽500に貯水されている浄化すべき汚濁水が給送される。よって、第ニ貯水槽550に浄化された汚濁水が供給されるとともに、接続されている吸水管562を介して上水道の水が供給される。
(7)油水分離槽および第一貯水槽500が空でかつ第二貯水槽550が一杯の場合は、油水分離槽が空なので吸水ポンプ100は駆動しない。また、第一貯水槽500が空でかつ第二貯水槽550が一杯なので、ラインポンプ110も駆動しない。
(8)油水分離槽、第一貯水槽500および第二貯水槽550のすべてが空の場合は、吸水ポンプ100およびラインポンプ110が共に駆動しない。第二貯水槽550には、接続されている吸水管562を介して上水道の水が供給されることで、常にいくらか貯水されるように制御される。
【0042】
本発明の実施の形態にかかる排水浄化装置の分離槽は、第一分離槽200および第二分離槽250で構成されているが、それに限られるものではなく、第一分離槽200のみで構成されてもよく、第二分離槽250のみで構成されてもよい。さらに、浄化すべき汚濁水の汚濁の度合いに応じて適宜分離槽を増加させてもよい。
また、第二分離層250において使用されるフィルタパック264は、2種類のフィルタを用いて構成されているが、それに限られるものではなく、1種類のフィルタにより構成されていてもよいし、2種類以上のフィルタにより構成されていてもよい。
【0043】
本発明の実施の形態にかかる排水浄化装置のフィルタ部は、フィルタハウジング部600およびUF膜部700の2つで構成されているが、それに限られるものではなく、フィルタハウジング部600のみで構成されてもよいし、UF膜部700のみで構成されてもよい。さらに、浄化すべき汚濁水の汚濁の度合いに応じて適宜フィルタ部に用いられるフィルタの種類を変化させたり、また、フィルタ部に用いられるフィルタの量を増加させてもよい。さらに、フィルタハウジング部600を増加させたり、UF膜部700の数を増加させてもよい。
【0044】
また、本発明の実施の形態にかかる排水浄化装置には、殺菌電極を備える殺菌槽を別途追加してもよい。この殺菌槽を設けることで、フィルタ部において除去しきれない菌類を除去することが可能となることから、衛生面において、高い浄化精度を求められるといった用途に対して使用することができる。
【0045】
さらにまた、本発明の実施の形態にかかる排水浄化装置において、第一ろ過槽400および第二濾過槽450に充填されている活性炭を洗浄するために、第二貯水槽550に貯蓄されている浄化された汚濁水を利用してもよい。そのためには、第二貯水槽550から第一ろ過槽400および第二ろ過槽450に上述した配管とは異なる配管と給水手段を別途備え、それら配管と給水手段を用いて、第二貯水槽550に貯水されている浄化された汚濁水を第一ろ過槽400および第二ろ過槽450に給水することで、第一ろ過槽400および第二ろ過槽450内に充填されている活性炭の洗浄を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明にかかる排水浄化装置は、たとえば工場等からの産業排水を浄化し、さらに、再利用するという用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明にかかる排水浄化装置の平面図である。
【図2】この発明にかかる排水浄化装置の側面図である。
【図3】この発明にかかる排水浄化装置の架台の斜視図である。
【図4】この発明にかかる排水浄化装置の架台の平面図である。
【図5】この発明にかかる排水浄化装置の配管の接続状態を示した図解図である。
【図6】この発明にかかる排水浄化装置の水平方向の断面図である。
【図7】排水槽と第一処理槽円筒部との接合方法を示した図解図である。
【図8】各処理槽における処理槽円筒部と底部の接合方法を示した図解図である。
【図9】フィルタパックの取付方法を示した図解図である。
【図10】フィルタハウジング部の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 排水浄化装置
12 架台
14 蓋部
16 処理槽固定具
18 積載部
20 脚部
22 給水手段設置台
24 開口穴
26 分離槽エリア
28 曝気槽エリア
30 ろ過槽エリア
32 貯水槽エリア
34 給水手段設置エリア
100 吸水ポンプ
102 吸水ポンプ吸込口
104 吸水ポンプ吐出口
106 吸水管
108 連結管
110 ラインポンプ
112 連結管
114 ラインポンプ吸込口
116 ラインポンプ吐出口
120 送水ポンプ
122 連結管
124 送水ポンプ吸込口
126 送水ポンプ吐出口
128 排水管
200 第一分離槽
202 吐出管
204 吐出口
206 排出管
208 排出口
210 底部
212 排出槽
214 排出槽開口部
216 排出槽吸入部
218 排出口
220 第一処理槽円筒部
222 塩化ビニル
250 第二分離槽
252 吐出管
254 吐出口
256 底部
258 排出口
260 フィルタ支え部
262 フィルタ取付穴
264 フィルタパック
266 第一フィルタ
268 第二フィルタ
270 排出管
272 排出口
300 曝気槽
302 連結管
304 底部
306 吸入口
308 隔離管
310 内部槽
312 外部槽
314 散気装置
316 排出管
318 排出口
320 排出口
400 第一ろ過槽
402 連結管
404 底部
406 吸入口
408 排出口
450 第二ろ過槽
452 吐出管
454 吐出口
456 底部
458 排出口
500 第一貯水槽
502 連結管
504 底部
506 吸入口
508 排出口
510 排出管
512 排出口
550 第二貯水槽
552 吐出管
554 吐出口
556 底部
558 排出口
560 水位調整器
562 吸水管
564 浮き部
566 排出管
568 排出口
600 フィルタハウジング部
602 連結管
604 吸入口
606 排出口
610 円筒状有底容器
612 上部シール山
614 下部シール山
616 円筒状カートリッジ
618 上部開口部
620 キャップ
622 Vパッキン
624 空気抜きプラグ
700 UF膜部
702 連結管
704 吸入口
706 排出口
800 制御盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水を浄化するための排水浄化装置であって、
排水を貯留している油水分離槽から排水を給水する第一給水手段と、
前記第一給水手段により給水された排水に含まれる浮上油を分離するための分離槽と、
前記分離槽からの排水を曝気するための曝気槽と、
前記曝気槽からの排水をろ過するための、活性炭を充填させたろ過槽と、
前記ろ過槽からの排水を貯水するための第一貯水槽と、
前記第一貯水槽で貯水された排水を給水するための第二給水手段と、
前記第二給水手段により給水された排水をさらにろ過するためのフィルタ部と、
前記フィルタ部からの排水を貯水するための第二貯水槽と、
前記第二貯水槽で貯水された排水を給水するための第三給水手段とを含み、
前記第一給水手段、前記分離槽、前記曝気槽、前記ろ過槽、前記第一貯水槽、前記第二給水手段、前記フィルタ部、前記第二貯水槽および前記第三給水手段を接続する配管機構を備え、
前記第一給水手段、前記分離槽、前記曝気槽、前記ろ過槽、前記第一貯水槽、前記第二給水手段、前記フィルタ部、前記第二貯水槽および前記第三給水手段を一体に形成するために、地面よりある一定の距離を確保した架台を備えることを特徴とする排水浄化装置。
【請求項2】
前記第二貯水槽および前記ろ過槽の間には、前記配管機構とは異なる洗浄用配管と、
前記第二貯水槽から前記ろ過槽へ前記第二貯水槽に貯水された排水を給水するための第四給水手段を備え、
前記ろ過槽に充填されている活性炭を洗浄することを可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の排水浄化装置。
【請求項3】
前記排水浄化装置は、
前記殺菌電極を備える殺菌槽を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水浄化装置。
【請求項4】
前記分離槽、前記曝気槽、前記ろ過槽、前記第一貯水槽、前記第二貯水槽は、円筒形の塩化ビニル配管により形成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の排水浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−745(P2007−745A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182534(P2005−182534)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(505235886)
【Fターム(参考)】