説明

排泄補助装置

【課題】 局部を容易に清掃できる排泄補助装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 座部3に開口部6がある椅子1内に微生物を有する基材69を収容する処
理槽31が設けられ、この処理槽31内にした排泄物を基材69と共に撹拌体34で撹拌
することにより排泄物を分解可能にする排泄補助装置に、水を貯蔵する給水タンク72か
ら水が供給され水が開口部6方向に噴出する人体洗浄装置71を設けることにより人体の
局部を容易に洗浄することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や身体の不自由な人、もしくは既設のトイレ以外に新たにトイレを欲
する家庭等のために、室内での使用を可能とした排泄補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や身体の不自由な人等のために、トイレ以外の室内での使用を可能とする
ものとし、排泄物を水で流さず微生物により排泄物を分解することで、排泄後の排泄物の
廃棄を不要とし、排泄物をすばやく基材に取り込み、早々に見えなくし、臭気を封じ込め
たりする排泄補助装置が発明されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら高齢者や身体の不自由な人等を対象とした発明としながら排泄後は紙等を
利用し、自ら若しくは介護者が局部を清掃しなくてはならず、使い勝手が悪いという問題
があった。
【特許文献1】特開2002−355277号公報(第3―10頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1に示す従来の排泄補助装置では、排泄後局部を使用者若し
くは介護者が清掃しなくてはならず、使い勝手が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、局部を容易に清掃できる排泄補
助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る排泄補助装置は座部に開口部を有する椅子と
、この椅子の座部の下方に組込まれ、内部が前記座部の開口部に臨み、内部に微生物と共
に基材を収容している処理槽と、前記処理槽の内部に設けられ、前記処理槽内の基材と共
に排泄物を撹拌する撹拌体と、この撹拌体を回転駆動する撹拌体駆動装置と、水を貯蔵す
る供給手段と、前記座部と前記処理槽の間に設けられこの供給手段から水が供給され噴出
し、人体の局部を洗浄する人体洗浄装置とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用者は局部を容易に清掃することが出来、使いやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明に係る洗濯機の第1の実施形態を、図1乃至図13を参照して説明する。
【0010】
まず、図2には、排泄補助装置の本体を成す椅子1を示している。この椅子1は、直方
体のボックス状を成す基体部2の上面部に座部3を有し、この座部3の後側上部に背もた
れ部4を、座部3の左右の両側の上部に手掛け部5を、それぞれ有している。
【0011】
座部3は、ほぼ中央部にほぼ円形の開口部6を有しており、この開口部6を例えば二つ
折りの蓋7により開閉するようにしている。
【0012】
蓋7は、図1に示すように、後端部を軸8によって座部3に上下回動可能に枢支してお
り、座部3も、基体部2とは別体にて、後端部を軸9によって基体部2に開閉可能(上下
回動可能)に枢支している。基体部2内及び背もたれ部4内は中空状を成しており、その
うちの背もたれ部4内には後述する供給手段である給水タンク72が設置されており、背
もたれ部の上部に水投入口4aが設けられ、着脱可能な水投入蓋4bに覆われている。ま
た基体部2内には、座部3の下方に位置した受け器10を配設している。この受け器10
は有底の円筒形を成しており、基体部2の上部4隅から吊持機構11により吊持している
(一つのみ図示)。
【0013】
受け器10の周側部10aには、図1に示すように、外方よりヒータ24を取付けると
共に、水分率検知手段である水分センサ25を取付けている。このうち、ヒータ24は例
えば面状ヒータ24から成っており、受け器10の外側を加熱することによって、この受
け器10内に後述のごとく収容される処理槽31を加熱し、ひいては処理槽31の内部を
加熱するようになっている。
【0014】
水分センサ25は、処理槽31の内部の水分率を検知するもので、ひいては処理槽31
の内部に後述のごとく収容される基材69の水分率を検知する水分率検知手段として機能
するようになっている。このほか、受け器10の周側部10aには、図中、水分センサ2
5と対称的な位置に、温度センサ26を取付けている。この温度センサ26は、処理槽3
1の温度を検知するもので、ひいては処理槽31の内部に収容される上述の基材69の温
度を検知する温度検知手段として機能するようになっている。
【0015】
更に、受け器10の底部のほぼ中心部には、駆動軸27を回転可能に挿通して取付けて
いる。この駆動軸27の下端部には、例えば遊星歯車機構等の歯車機構から成る減速機構
28を設けており、その下方部は、音質面で静かな例えば直流のブラシレスモータから成
るモータ29を設けて、このモータ29を取付板30により受け器10に下方から取付け
ている。
【0016】
一方、受け器10の内部には処理槽31を収容している。この処理槽31は、例えば軽
量なプラスチックにより形成したもので、特には後述する微生物、中でも家畜の腸内菌と
土壌菌とから成る微生物の性能を劣化させない種類の抗菌剤を混入したプラスチックによ
り形成したものであり、受け器10より一回り小さな有底の円筒状を成している。又、こ
の処理槽31は、受け器10内に密接させて収容した状態で、内部が前記椅子1の座部2
の開口部6に臨んでおり、その受け器10内に収容した状態から、前述の蓋7を開け、更
に座部3を開けることによって、受け器10内から、ひいては椅子1の基体部2内から処
理槽31を取外して出し得るようになっている。そして、受け器10内への処理槽31装
着状態では、この処理槽31は受け器10と回転しないように固定されている。
【0017】
処理槽31の内底部のほぼ中心部には、従動軸32を回転可能に挿通して取付けている
。この従動軸32は、下部に連結部32aを有しており、これに対して前記駆動軸27は
上端部に連結部27aを有している。これらの連結部32a、27aは、例えば噛み合い
クラッチの接離可能な一方側と他方側であり、前記受け器10の内部に処理槽31を収容
したとき、それらが噛み合って連結されるようになっている(受け器10内から処理槽3
1を取出したときには、それらは解離される)。又、前記モータ29及び減速機構28は
、撹拌体駆動装置33を構成するもので、モータ29の回転動力が減速機構28に減速さ
れてトルクを増した上で駆動軸27に伝わり、この駆動軸27から上述の連結部27a、
32aの連結構造を介して従動軸32に伝わるようになっている。
【0018】
しかして、従動軸32には、処理槽31内の下部に位置して撹拌体34を着脱可能に取
付けており、これが従動軸32の回転と共に回転するようになっている。この撹拌体34
は、例えば金属製で、図3に示すように、従動軸32への取付けに供したボス35の周囲
に、第1、第2、及び第3のアーム36,37,38をほぼ均等間隔置き(ほぼ等分配置
)で放射状に延設したものであり、この各アーム36〜38に、それぞれ、第1、第2、
及び第3の撹拌翼39,40,41を例えば溶接により取付けて一体化している。第1〜
第3の撹拌翼39〜41は、撹拌体34の回転方向(矢印A方向)に、第1の撹拌翼39
、第2の撹拌翼40、第3の撹拌翼41の順に位置している。
【0019】
又、前記撹拌体駆動装置33は、その出力軸(減速機構28の出力軸)が、駆動軸27
、従動軸32、及び撹拌体34の中心軸(ボス35)と一直線状に並ぶ構成で、撹拌体3
4と同心状に設けており、この構成で、撹拌体34を上述の矢印A方向に約10〔rpm
〕前後の回転速度で回転駆動するようになっている。
【0020】
基体部2内には、図1に示すように仕切板42を設けている。この仕切板42は、椅子
1の内部を上述の受け器10等が位置した第1のスペース43と、それより後方の第2の
スペース44とに仕切るもので、この仕切板42には、上部に第1のスペース43と第2
のスペース44との連通口45を形成し、この連通口45に比較的目の粗い第1のフィル
タ46を設けている。 第2のスペース44には、空気清浄機47を組込んでいる。
【0021】
この空気清浄機47は、第1のフィルタ46に第2のフィルタであるフィルタ48と、
これの後方部に配設したファン49とから成っている。
【0022】
このうち、第2のフィルタ48は、第1のフィルタ46より目が細かく、通過する空気
の中から第1のフィルタ46で捕獲できないほこりなどの異物を捕獲するようになってい
る。又、この第2のフィルタ48には抗菌剤及び脱臭剤(例えば活性炭)が混入され、抗
菌及び脱臭性能を有している。
【0023】
ファン49は、モータ50と、これにより回転駆動される送風羽根51、及び送風羽根
51に臨む吸気枠52、送風羽根51が排出する風を案内するケーシング53を有してお
り、そのケーシング53の先端部が臨む椅子1の後面部には排気口54を形成している。
【0024】
そして、図2に示すように、基体部2の側面部には、第1の吸気口55と第2の吸気口
56とを、ともに異物の侵入を防止するフィルタ(符号省略)を張設して形成している。
【0025】
このうち、第1の吸気口55は前記第1のスペース43に連通し、第2の吸気口56は第
2のスペース44の特に空気清浄機47より第1のスペース43側の部分に連通するもの
で、基体部2内には、それらの開閉するシャッタ57を設けている。
【0026】
このシャッタ57は、操作子であるつまみ部57aを基体部2の面外に有し、このつま
み部57aを、基体部2に形成したガイド溝58に沿って図中矢印B1 、B2 で示すよ
うに動かすことにより、上記第1の吸気口55と第2の吸気口56とを選択的に開閉する
もので、それら第1の吸気口55及び第2の吸気口56と共に空気清浄機47による通風
の切換えを後述のごとく手動にて行う切換機構59を構成している。
【0027】
さらに図1に示すように処理層31上部で座部3の後方に人体の局部を洗浄する洗浄手
段と処理槽31内に給水する給水手段の機能を併せ持つ人体洗浄装置71を組み込んでい
る。
【0028】
この人体洗浄装置71は給水タンク72と洗浄機構部73が給水ホース74を介して連
結されて構成されている。
【0029】
給水タンク72は背もたれ部4に形成される空間の内部に設置されており、上部開口で
貯水可能な箱型で形成され、底部に穴を有している。その穴は給水ホース74との一端に
連結されている。
【0030】
また給水タンク72には図4に示すように水位計75が設けられ、内部に溜まっている
水量を検知できる構成をしている。例えば図4に示すように給水タンク72の水位計75
として例えばフロートスイッチを使用し、水量が少なくなると使用者に知らせる位置であ
る下限注意位置Xに設けられている。この水位計75は制御装置66を介して操作部60
の「タンク補給」の表示部65に繋がっている。
【0031】
そして洗浄機構部73は第2のスペース44内から上方に処理槽31に渡って設けられ
た固定板76に設置されている。
【0032】
洗浄機構部73は図5に示すように給水タンク72に水を加圧するポンプ77、電磁弁
78、水を噴出させるノズル79aが順に連結され構成している。
【0033】
このノズル79aを有するノズル機構部79は図6のように円筒状で内部に下流に接続
口82aを有する流路82を有するノズル79aと、ノズル79aを伸出させる駆動部8
3と、処理槽31内に向かって下方に傾斜して設けられ、ノズル79aを収納する円筒状
の中空部84aを有するガイド部84とで構成されている。
【0034】
ノズル79aの先端には上方に向かうノズルヘッド80が設けられており、ノズル79
aの内部の流路82は前方でノズルヘッド80の噴出口81と、後方の接続口82aでポ
ンプ77から連結される供給管85に繋がっている。
【0035】
ガイド部は円筒状の中空部84aにノズル79aを収納可能であり、ガイド部84の先
端は図1に示すように処理槽31の内部上方まで伸びて位置している。
【0036】
このノズル79aは後述する駆動部83の動作によりガイド部84の円筒状の中空部8
4aの軸に沿った往復移動ができるように組み込まれている。さらに伸長したノズル79
aは開口部6の下方でまで延長されてノズルヘッド80が着座した使用者の局部に向かう
ように位置される構成している。
【0037】
この駆動部83は例えばノズル79aの後方に形成されたラック86と、モータ87に
繋がるピニオン88がかみ合う構成をしている。
【0038】
図7は排泄補助装置の運転操作用の操作部60の構成を示している。この操作部60は
、例えば図2に示すように、右側の前記手掛け部5の上面に設けたもので、それを図7に
詳細に示している。すなわち、この操作部60は、切換スイッチ61を有すると共に、こ
の切換スイッチ61で使用者により選択される、「自動」、「おやすみ」、及び「室内ク
リーン」の各運転コースを表示する表示部62,63,64を有し、更に、人体洗浄装置
71を駆動させる洗浄スイッチ70と「タンク補給」を表示する表示部65を有している
。この表示部62〜65は、例えばLEDなど発光体の発光によりそれぞれの表示作動を
するようになっている。
【0039】
図8には、制御装置66を示している。この制御装置66は、本実施例の排泄補助装置
の運転全般を制御する制御手段として機能するもので、例えばマイクロコンピュータから
成っている。この制御装置66には、上記切換スイッチ61から選択信号が入力されると
共に、前記水分センサ25から水分率検知信号が入力され、温度センサ26から温度検知
信号が入力され、前記蓋7の開閉を検知するように設けた蓋スイッチ67からは蓋開閉検
知信号が入力され、洗浄スイッチ70から洗浄信号が入力され、更に給水タンク72の下
限位置に設置した水位計75から給水タンク72の水位が下限位置より低くなった場合に
水位検知信号が入力される。
【0040】
そして、制御装置66は、それらの入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラムに
基づいて、上記表示部62〜65と、前記ヒータ24、撹拌体駆動装置33のモータ29
、空気清浄機47のファン49(モータ50)、人体洗浄装置71を駆動するための駆動
回路68に駆動制御信号を与えるようにしている。
【0041】
次に、上記構成のものの作用を述べる。
【0042】
まず、処理槽31内には、有機物を分解する微生物を含んだ基材69を図1に示すよう
に収容し、もって処理槽31の内部に基材69と微生物とが収容された状態にしている。
【0043】
この場合、基材69には、おがくずや、木のチップ、ピートモスといった多孔質のもの
を用い、それに特には籾殻を加えたものを用いる。籾殻の添加率は30〔%〕以下、特に
は約10〜15〔%〕とする。又、微生物には、家畜(例えば豚)の腸内菌と土壌菌とか
ら成るものを用いる。なお、微生物は、基材69にあらかじめ含ませるのではなく、基材
69とは別に処理槽31内に投入するようにしても良い。
【0044】
この状態で、排泄補助装置の図示しない電源プラグを給電コンセントに差込み接続する
ことにより、排泄補助装置に電源を投入する。すると制御装置66が作動を開始する。こ
の状態で使用者は使用可能となる。
【0045】
使用する場合は、使用者は座部3に着座し、排泄することにより排泄物は処理槽31内
の基材69に落下する。排泄後、使用者は人体洗浄装置71により局部を洗浄することが
可能である。
【0046】
排泄補助装置に電源を投入し制御装置66が作動を開始すると 最初に、制御装置66
が運転コースの選択の判断をする。ここで運転コースの選択がなされ、「自動コース」、
「おやすみ」、及び「室内クリーン」のいずれかの動作が開始される(図示せず。)。
【0047】
ここで図9に示すように「自動コース」が選択された場合について説明する。まず「自
動コース」が選択されると表示部64が点灯し(ステップ1)、「自動コース」が開始さ
れる(ステップ2)。
【0048】
この「自動コース」では、基本的に、撹拌体駆動装置33を、撹拌体34を交互に正転
、逆転させることを2〜4分行い、この撹拌体34の回転を休止させることを30分〜1
時間行うパターンの繰返しで、間欠運転させる(図10参照)。この状態で、使用者が、
椅子1の蓋7を開けると、それを蓋スイッチ67が検知することにより、撹拌体34がこ
のとき回転していれば、この撹拌体34の回転が停止される。そして、座部3に座って排
泄をし、その後、蓋7を閉じれば、それを蓋スイッチ67が検知することにより、撹拌体
34の回転が再開される。
【0049】
これにより、処理槽31内に収容された排泄物及びトイレットペーパー等は、基材69
及び微生物と共に撹拌されて、それらの中に取込まれて分散され、微生物に接触される。
【0050】
よって、処理槽31内に収容された排泄物は、微生物により徐々に分解処理されるように
なる。又、撹拌により、微生物には排泄物の分解に必要な酸素が供給され、且つ排泄物の
分解により発生した水分が排出される。
【0051】
ここで、本実施例の、排泄物と基材69及び微生物の撹拌について詳述する。まず、処
理槽31内の収容した基材69の量は、40l程度とし、撹拌体34が基材69全量の1
/3ぐらいの高さ領域に位置する程度とする。
【0052】
攪拌体34の第1〜第3の撹拌翼39〜41は処理槽31内の底部において回転方向(
矢印A方向)に向かって下方に傾斜しているので、回転により、処理槽31内の底部付近
の収容物(排泄物と基材69及び微生物)をすくい上げると共に、その収容物を処理槽3
1の周側部へ押し出すと共に側面に沿ってすくい上げられた収容物は、処理槽31の周側
部に沿って持ち上げられるようになる。
【0053】
持ち上げられたものが、処理槽31内の中央部側(攪拌体34の回転中心側)へ落ちる
というように、処理槽31内において収容物が下から上へ、又、上から下へと対流するよ
うにして、図1の矢印Cのように渦を巻き、三次元的に攪拌されるようになる。従って、
処理槽31内の底部に配設された第1〜第3の撹拌翼39〜41により、処理槽31内の
収容物全体を効率良く攪拌することができる。
【0054】
基材69に含まれた微生物で排泄物を分解処理するには、微生物と排泄物とを効率良く
接触させる必要があり、そのほか、投入した排泄物を早く見えなくしたり、排泄物が発せ
られる臭気を早く感じなくするためにも、投入後、排泄物を基材69中に早く取込んで分
散させる必要がある。これに対して、基材69を上述のように撹拌することにより、排泄
物の取込み分散はきわめて早いものとなる。実験的には、例えば10秒前後で、排泄物が
見えなくなり、分散される。しかも、この場合、撹拌体34としては、処理槽31内の底
部に低く位置するもので足る特長をも有している。
【0055】
一方、微生物で排泄物を分解処理するとき、その微生物を活発に運動させ分解を効率良
く行い、且つ臭気の発生を少なく抑えるためには、基材69は、水分率を約35〜60〔
%〕に保つ必要がある。しかしながら、排泄物の排泄量や排泄回数が少ない場合、基材6
9の水分率は上述の約35〜60〔%〕を下回ることがある。
【0056】
この水分率の検知を行うため本実施例の「自動コース」では、図9に示すように水分セ
ンサ25により処理槽31内の水分率を検知する(ステップS3)。
【0057】
そして、その水分率が35%以上である場合は(ステップS4)、運転のモードが「通
常モード」(ステップS5)となり、「高湿度モード」(ステップS6)、「中湿度モー
ド」(ステップS7)、及び「低湿度モード」(ステップS8)のいずれかに設定して実
行する。
【0058】
「高湿度モード」は、検知した処理槽31内の水分率が高いとき(例えば55〔%〕超
であるとき)に設定し実行するもので、撹拌体駆動装置33の前述のような間欠運転に加
えて、このときには、空気清浄機47のファン49を、例えば30秒運転し、30秒休止
するパターンの繰返しで、間欠運転させる。又、このときには、ヒータ24を、温度セン
サ26で検知する処理槽31内の温度が約38〔℃〕となるように発熱させる(ステップ
S6)。
【0059】
「中湿度モード」は、検知した処理槽31内の水分率が中程度であるとき(例えば55
〔%〕以下、45〔%〕超であるとき)に設定し実行するもので、撹拌体駆動装置33の
前述のような間欠運転に加えて、このときには、空気清浄機47のファン49を、例えば
30秒運転し、60秒休止するパターンの繰返しで、間欠運転させると共に、ヒータ24
を、温度センサ26で検知する処理槽31内の温度が約31〔℃〕となるように発熱させ
る(ステップS7)。
【0060】
「低湿度モード」は、検知した処理槽31内の水分率が低いとき(例えば45〔%〕以
下、35〔%〕超であるとき)に設定し実行するもので、撹拌体駆動装置33の前述のよ
うな間欠運転に加えて、このときには、空気清浄機47のファン49を、例えば15秒運
転し、120秒休止するパターンで、間欠運転させると共に、ヒータ24を、温度センサ
26で検知する処理槽31内の温度が約21〔℃〕となるように発熱させる(ステップS
8)。
【0061】
この後、例えば「通常モード」が開始されてから2時間が経過したか否かの判断をし(
ステップS9)、経過していない(NO)と判断されるうちは、ステップS6〜S8中の
実行中のステップに戻る。又、2時間が経過した(YES)と判断されれば、再び水分率
検査(ステップS3)をし、以降の動作を繰返す。この際、例えば基材69の全量40l
に対して排泄物の量が200ccである場合、約12時間程度で分解される。
【0062】
図10はこのような「通常モード」における動作内容を表しており、こうした「通常モ
ード」における動作により、処理槽31内の水分率、ひいてはこの処理槽31内の基材6
9の水分率は、約35〜60〔%〕の適正なレベルに維持されるようになる。
【0063】
又、この「通常モード」時には、使用者が切換機構59のつまみ部57aを持ってシャ
ッタ57を矢印B1 方向に動かすことにより、第1の吸気口55を開放させて、第2の
吸気口56を閉鎖させる。こうした状態での、上記空気清浄機47のファン49の運転に
より、基体部2外の空気が第1の吸気口55から第1のスペース43内に吸入されつつ、
処理槽31内の空気が、排泄物の分解により発生した水分を伴って、図1に矢印Dで示す
ように、排気口54から機外に排出される。
【0064】
この排出される空気は、処理槽31の存した第1のスペース43から第2のスペース4
4に移るときに第1のフィルタ46を通り、このときに、その排出空気に大きな異物が含
まれていれば、それがこの第1のフィルタ46に捕獲される。
【0065】
そして、第1のフィルタ46を通った空気が空気清浄機47の第2のフィルタ48を通
り、従って、このときに、基材69の前述の撹拌による徐々の破砕等によってこの基材6
9から発生した細かなほこりなど、処理槽31の内部で発生してこの排出空気に含まれた
ほこりが、この第2のフィルタ48に捕獲される。
【0066】
又、このとき、第2のフィルタ48は抗菌及び脱臭性能を有しており、上述の基材69
から発生した細かなほこり等のほかに、排泄物から出る雑菌や臭いも、この第2のフィル
タ48により捕ることができる。
【0067】
なお、この抗菌及び脱臭性能については、第2のフィルタ48でなく、第1のフィルタ
46が有していても、排泄物から出る雑菌や臭いを上述と同様に捕ることができ、又、そ
れらの性能を両フィルタ46,48が有していれば、上述以上に雑菌や臭いを捕ることが
できる。更に、それらのフィルタ46,48は、抗菌及び脱臭のいずれか一方の性能のみ
を有していても良い。
【0068】
ここで以上の「通常モード」時における人体洗浄装置71の動作について図11を参照
して説明する。
【0069】
最初に、給水タンク72の水位が下限位置xより高いか否かの判断をする(ステップS
21)。水位が下限位置xより低い場合(NO)には水位計75から水位検知信号が出力
され、表示部「タンク補給」65が点灯し(ステップS22)、使用者に認識させる。こ
の「タンク補給」65が点灯した場合は使用者は水投入蓋4bを開け、給水タンク72に
水投入口4aから水を補給する。水が補給され水位計75からの水位検知信号が無くなっ
た際に「タンク補給」65の点灯が消える。
【0070】
また水位が下限位置xより高い(YES)場合に(ステップS21)、使用者が排泄す
るために蓋7を開けると、それを蓋スイッチ67が検知(YES)する(ステップS23
)。そして使用者が排泄後、操作部60の洗浄スイッチ70を押す(YES)ことにより
(ステップS24)、人体洗浄装置71のノズル79aがガイド部84から伸長され所定
の位置で停止する(ステップS25)。そしてノズルヘッド80の噴出口81から局部に
向かって水が噴射される(ステップS26)。噴射後、自動的にノズル79aはガイド部
84内に再び収納される(ステップS27)。
【0071】
ここで人体洗浄装置の詳細な動作について説明する。
【0072】
洗浄スイッチ70が押された際(ステップS24)、駆動部83のモータ87が回転駆
動しピニオン88を回転させることにより、ピニオン88にかみあうノズル79a後方に
形成されるラック86が前方に押し出され、ノズル79aがガイド部の中空部84aの軸
に沿って伸長する(図6参照)。そして伸長したノズル70はノズルヘッド80の噴出口
81が使用者の局部に向かう位置に停止する。局部の位置は一般的な使用者を対象として
あらかじめ設定されている。
【0073】
次いで給水タンク72から供給されている水をポンプ77で加圧し、電磁弁78をポン
プ77の作動と同期させて開ける。
【0074】
それにより給水タンク72に溜まっている水が給水ホース74、ホンプ77、電磁弁7
8、供給管85、ノズル内流路82、ノズルヘッド80、噴出口81と流れ噴出する(図
5、図6参照)。
【0075】
なおこの際噴出する水の量はポンプ77の駆動時間を制御することによって一定量に制
限している。これは例えば1回当たりの水量は約180ccに設定している。
【0076】
なおポンプ77として例えば、歯車ポンプ等のように定容量ポンプを使用する場合には
、電磁弁78は省略できる。
【0077】
以上の通常モードに対して、図9を参照して「自動コース」の水分率検知(ステップS
5)で検知した処理槽31内の水分率が35〔%〕以下であったとき(NO)、制御装置
66は「乾燥検知モード」を設定して実行する(ステップS10)。
【0078】
この「乾燥検知モード」では、図12に示すように撹拌体駆動装置33の休止時間を上
述の「通常モード」の30分〜1時間より長くして、運転率を下げる。場合によっては、
撹拌体駆動装置33をまったく運転させなくても良い。又、運転させる場合、撹拌体駆動
装置33は、空気清浄機47のファン49の運転とは同時に運転しないようにしている。
【0079】
更にこの場合、ファン49の運転モードは、15秒運転し、10分ほど休止するパターン
で、間欠運転させるもので、上述の「通常モード」におけるファン49の運転率より運転
率を下げる。
【0080】
さらにこれらの動作に加えて、人体洗浄装置71を給水手段として利用し基材69が適
当な水分率になるように処理槽31内の水分率を35〔%〕以上にする機能も有する。
【0081】
「乾燥検知モード」が選択されると上述の撹拌体駆動装置33と空気清浄機47の動作
に加え、図13に示すように人体洗浄装置71が動作する。
【0082】
上述の通常モードにおける人体洗浄装置71の動作と同様に給水タンク72の水位が下
限位置より高いか否かの判断をする(ステップS31)。
【0083】
水位が高いと場合、蓋7が開いている状態で(ステップS33)洗浄スイッチ70が押
された際(ステップS34)は、制御装置66は使用者が排便をしたと判断し、「通常モ
ード」と同様にノズル79aが伸長し(ステップS35)、使用者の局部に水を噴射させ
る動作を行う(ステップS36)。
【0084】
これに対して、蓋7が閉じている場合(ステップS33)(NO)は使用者が着座して
いないと判断し、ノズル79aを延長させずに噴射させる(ステップS38)。その噴射
された水はノズル79aが収納されているガイド部84の中空部84a上面にぶつかり、
ぶつかった水はガイド部84内に傾斜して形成される中空部84aの軸線に沿って流れ落
ちる。そしてガイド部84を脱した水はその下方に位置している処理槽31内に落下し基
材69に給水する。
【0085】
さらに蓋が開いている状態で洗浄スイッチ70が押されない場合(ステップS34)(
NO)も同様にノズル79aを伸長させずに水を噴射させ、処理槽31内に水を散水させ
る(ステップS38)。
【0086】
また1回当たりに噴出させる水量は乾燥検知モードの場合も同様に約180ccに設定し
ている。
【0087】
しかして「乾燥検知モード」は基材69に給水することにより水分補給し保湿する機能
を有する。
【0088】
このように本発明の第1の実施形態によれば、使用者が椅子1の座部3に座り排泄した
排泄物が処理槽31内の撹拌体34を回転駆動され基材69及び微生物と共に撹拌され、
微生物によって徐々に分解処理される。
【0089】
従って、排泄物を廃棄する面倒がなく、こうした微生物による排泄物の分解処理によれ
ば、臭気が出ることがきわめて少なく、それが室内にこもることのないようにできる。
【0090】
そのほか、椅子1には、処理槽31内から排出する空気から異物を捕獲するフィルタと
してフィルタ46,48を組込み、このフィルタのうち、第2のフィルタ48には脱臭剤
を混入している。これにより、処理槽31内から排出される空気に含まれるほこり等の異
物を第2のフィルタ48で捕獲でき、しかも、その第2のフィルタ48に混入された脱臭
剤で脱臭までできるので、これにても室内での使用に一段と適したものとなすことができ
る。
【0091】
一方、処理槽31内の水分率を検知する水分率検知手段として水分センサ25を具える
ことにより、排泄補助装置にその検知した処理槽31内の水分率の状態に応じた動作をさ
せることができる。
【0092】
そして人体洗浄装置71を設けることにより、使用者は排泄後に局部に付着した排泄物
を洗い流すことができ、快適に使用することができる。また局部を清掃するために利用す
る紙等の使用量も減るため、資源保護に貢献することもできる。
【0093】
またさらに次に詳述するが人体洗浄装置71を設けることにより処理槽31内に水分を
補給させることができるため基材69を適水分率に保つことが併せて可能になった。
【0094】
特に従来の排泄捕縄装置では検知した処理槽31内の水分率が35〔%〕以下であると
きには、撹拌体34の回転とファンの運転率を下げる制御をすることで処理槽31内の水
分率のそれ以上の低下を極力防ぐことをしていたが、これらだけでは基材69が乾燥した
ままでありほこりや雑菌が出やすくなる状況であった。さらに微生物の働きが鈍くなり、
分解が進まなかった。
【0095】
また図14は、基材69の水分率と粉塵(ほこり)の発生量との関係を示しているが、
基材69の水分率が35〔%〕以下となると、この基材69が撹拌されることにより発生
する粉塵の量は、現在の「ビル管理法による規制値」を超えるほどに増える。すなわち、
基材69は乾燥するとほこりが出やすくなるもので、水分率が35〔%〕以下となるまで
乾燥すると、出るほこりの量は「ビル管理法による規制値」を超えるほどにまでなってし
まう。そこで上述のごとく撹拌体34の回転及び空気清浄機47のファン49の運転につ
いての運転率を下げることにより、基材69の撹拌や排気が減じ、それに加え、人体洗浄
装置71により人体洗浄の機能と併用して処理槽31内に水分を補給する機能を付加する
ことによりほこりの発生を少なくし、確実に基材69のほこりの量を「ビル管理法による
規制値」内に抑えることができ、フィルタの目詰まりを抑制することができる。
【0096】
そして微生物の生存と活動のためには水は必要不可欠のものであるが、水分率が低い場
合は微生物は活発でなくなる。そのため水分率が35%以下では処理槽31の分解処理が
急速に遅くなる。したがって処理槽31内の水分率は35〜65%の範囲にあることが望
ましい。
【0097】
そのため上述したように「乾燥検知モード」の際に人体洗浄装置71により処理槽31
内に散水させることにより、水分率が35%以上に保ち、微生物が活発にさせることがで
き、すばやく排泄物を分解させることができる。そのため臭気等も発生しづらくなる。
【0098】
さらに本実施例においては人体洗浄装置71の噴射量を1回当たり約180ccに限定し
ているが、トラベル用洗浄器は1回当たり噴射量が約180ccであり、これで局部は十分
洗浄できることができる。さらに基材69の量40lに対して一般家庭の温水洗浄便座の
ように制限なしに洗浄水を入れていないため、排泄物を分解する基材69の水分率を増加
させすぎずに微生物が活発に動くことができる範囲内に抑えることができる。そして水分
率が高いことによる基材69がべたつく様な見栄えの悪さも解消でき、使用上の清潔感を
得られる。高水分率のために微生物が死滅し、分解性能の劣化と共に基材69を早期に交
換するといった処理も防ぐことができる。
【0099】
また使用者が1人で1日当たりの排泄行為は通常に1〜3回であり、1日当たり使用さ
れる洗浄水量も180〜540ccに限定できる。また「乾燥検知モード」は排泄行為が少
ない際に通常2日に一度程度作動する。そのため例えば給水タンク72の貯水量が5l程
度である場合は、一週間程度は水タンクに水を貯水すればよく、頻繁に水を貯水する必要
がないため使用者にとって使い勝手がよい。
【0100】
以上のように排泄補助装置に人体洗浄装置71を設けることにより、使用者の局部を洗
浄できる共に、基材69の乾燥状態に起こるほこりを減少させ、加えて微生物の活動を活
発にさせ、雑菌を繁殖させにくくする効果がある。そして人体洗浄装置71の水の噴出量
を一定量とすることで水分率を上昇させすぎず、ポンプ77の水を頻繁に変えなくても良
い。
【実施例2】
【0101】
次に、本発明に係る排泄補助装置の第2の実施形態について説明する。
【0102】
図15は、本発明の第2の実施形態の人体洗浄装置99の形状を示す図である。第1の
実施形態と同一部分については同一の符号を付して説明を省略し、以下異なるところにつ
いて説明する。
【0103】
即ち、上記第1の実施形態と異なるところは、人体洗浄装置99であって、この第2の
実施形態では、給水タンク72に連結されている順に水を加圧するポンプ77、開閉でき
流路を切り替えることが可能な切替手段である切替電磁弁104、水を噴出させるノズル
100aが連結され構成している。そしてノズル機構部100は、円筒状で内部に2つの
流路101a、101bを有するノズル100aと、ノズル100aを伸出させる駆動部
87と、ノズル100aを収納する円筒状の中空部84aを有するガイド部84とで構成
されている。
【0104】
ノズル79aの先端には上方に向かうノズルヘッド102aとノズルヘッド102aの
裏面に下方に向かうノズルヘッド102bが設けられており、内部の2つの流路101a
,101bは其々ノズルヘッド102a,102bが有する噴出口103a、103bと
ノズル100aの後部に連結されている切替電磁弁104から繋がる給水管105a、給
水管105bに繋がっている。
【0105】
この切替電磁弁104は制御により給水管105a、105bに繋がる弁を切り替える
構成をしている。
【0106】
ガイド部84は円筒状の中空部84aにノズル100aを収納しており、そのノズル1
00aは駆動部87の動作によりガイド部84の円筒状の中空部84aの軸に沿って出し
入れ移動ができるように組み込まれている。
【0107】
伸長したノズル100aは開口部6の下方でまで延長されてノズルヘッド102aが着
座した使用者の局部に向かうように位置される構成をしている。その際ノズルヘッド10
2aの裏面のノズル102bは処理槽31内に向かうように位置される。
【0108】
ノズル102bに設けられた噴出口103bは処理槽31内の広範に水を散布できるよ
うにフルコーン状Yに噴出する構成をしている。
【0109】
ここで以上の構成による人体洗浄装置99の「乾燥検知モード」時における詳細な動作
について図16を参照して説明する。
【0110】
最初に、給水タンク72の水位が下限位置xより高いか否かの判断をする(ステップS
41)。水位が下限位置xより低い場合(NO)には水位計75から水位検知信号が出力
され、表示部「タンク補給」65が点灯し(ステップS42)、使用者に認識させる。こ
の「タンク補給」65が点灯した場合は使用者は水投入蓋4bを開け、給水タンク72に
水投入口4aから水を補給する。水が補給され水位計75からの水位検知信号が無くなっ
た際に「タンク補給」65の点灯が消える。
【0111】
また水位が下限位置xより高い場合に、使用者が排泄するために蓋7を開ければ、それ
を蓋スイッチ67が検知する(ステップS43)。そして使用者が排泄後、操作部60の
洗浄スイッチ70を押すことにより(ステップS44)(YES)、人体洗浄装置99の
ノズル100aが伸長される(ステップS45)。そして切替電磁弁104の給水管10
5a側の弁が開き、ポンプ77の駆動により給水タンク72からの水が流路101aを流
れ(ステップS46)、ノズルヘッド102aの噴出口103aから局部に向かって噴射
される(ステップS47)。
【0112】
これに対して、蓋が閉じている場合(ステップS43)(NO)及び、蓋が開いていて
(ステップS43)(YES)洗浄スイッチ70が押されない場合(ステップS44)(
NO)は基材69の水分率を保つために、まず人体洗浄装置99のノズル100aが伸長
されノズルヘッド102bが処理槽31の上方に位置される(ステップS48)。つぎに
切替電磁弁104の給水管105b側の弁が開き、ポンプ77の駆動により流路101b
を流れ(ステップS49)、処理槽31上方に位置された噴出口103bが下方に向かう
ノズルヘッド102bから処理槽31内に向かってフルコーン状Yに水が噴射される(ス
テップS50)。
【0113】
このように本発明の第2の実施形態の排泄補助装置によれば、「乾燥検知モード」時に
人体洗浄装置99がノズル100aが伸長し、水が処理槽31内にフルコーン状に噴射さ
れることにより、基材69表面の全域に水が散水され基材69全体に水が行き渡りやすく
なる。そのためすばやく微生物に微生物の活性に適する水分率を提供でき、排泄物の分解
処理を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係る排泄補助装置の第1の実施形態の断面図。
【図2】本発明に係る排泄補助装置の第1の実施形態の斜視図。
【図3】本発明に係る処理槽及び撹拌体部分の平面図。
【図4】本発明に係る給水タンクの水位計―表示部の構成図。
【図5】本発明に係る人体洗浄装置の構成図。
【図6】本発明に係る人体洗浄装置のノズル機構部の断面図。
【図7】本発明に係る操作部の外観図。
【図8】本発明に係る電気的構成のブロック図。
【図9】本発明に係る「自動コース」の動作フローチャート。
【図10】本発明に係る「通常モード」の動作内容を示す図
【図11】本発明に係る「通常モード」の動作フローチャート。
【図12】本発明に係る「乾燥検知モード」の動作内容を示す図
【図13】本発明に係る「乾燥検知モード」の動作フローチャート。
【図14】基材の水分率と粉塵の発生量との関係を示す図
【図15】本発明に係る人体洗浄装置の第2の実施形態の断面図。
【図16】本発明に係る「乾燥検知モード」の第2の実施形態の動作フローチャート。
【符号の説明】
【0115】
1 椅子、2 基体部、3 座部、4 背もたれ部、4a 水投入口、4b 水投入蓋、
5 手掛け部、6 開口部、7 蓋、8 軸、9 軸、10 受け器、10a 周側部、
24 ヒータ、25 水分センサ、26 温度センサ、27 駆動軸、27a 連結部、
28 減速機構、29 モータ、30 取付板、31 処理槽、32 従動軸、32a
連結部、33 撹拌体駆動装置、34 撹拌体、35 ボス、36,37,38 アーム
、39 第1の撹拌翼、40 第2の撹拌翼、41 第3の撹拌翼、42 仕切板、43
第1のスペース、44 第2のスペース、45 連通口、46 第1のフィルタ、47
空気清浄機、48 第2のフィルタ、49 ファン、50 モータ、51 送風羽根、
52 吸気枠、53 ケーシング、54 排気口、55 第1の吸気口、56 第2の吸
気口、57 シャッタ、57a つまみ部、58 ガイド溝、59 切換機構、60 操
作部、61 切換スイッチ、62,63,64 表示部、65 表示部、66 制御装置
、67 蓋スイッチ、68 駆動回路、69 基材、70 洗浄スイッチ、71 人体洗
浄装置、72 給水タンク、73 洗浄機構部、74 給水ホース、75 水位計、76
固定板、77 ポンプ、78 電磁弁、79 ノズル機構部、79a ノズル、80
ノズルヘッド、81 噴出口、82 流路、82a 接続口、83 駆動部、84 ガイ
ド部、84a 中空部、85 供給管、86 ラック、87 モータ、88 ピニオン、
99 人体洗浄装置、100 ノズル機構部、100a ノズル、101a、101b
流路、102a,102b ノズルヘッド、103a、103b 噴出口、104 切替
電磁弁、105a、105b 給水管、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部に開口部を有する椅子と、
この椅子の座部の下方に組込まれ、内部が前記座部の開口部に臨み、内部に微生物と共に
基材を収容している処理槽と、
前記処理槽の内部に設けられ、前記処理槽内の基材と共に排泄物を撹拌する撹拌体と、
この撹拌体を回転駆動する撹拌体駆動装置と、
水を貯蔵する供給手段と、
前記座部と前記処理槽の間に設けられこの供給手段から水が供給され噴出し、人体の局部
を洗浄する人体洗浄装置とを有する排泄補助装置。
【請求項2】
前記人体洗浄装置は前記基材へ給水する給水手段を兼ねることを特徴とする請求項1記
載の排泄補助装置。
【請求項3】
座部に開口部を有する椅子と、
この椅子の座部の下方に組込まれ、内部が前記座部の開口部に臨み、内部に微生物と共に
基材を収容している処理槽と、
前記処理槽の内部に設けられ、前記処理槽内の基材と共に排泄物を撹拌する撹拌体と、
この撹拌体を回転駆動する撹拌体駆動装置と、
前記処理槽内の水分率を検知する水分率検知手段と、
水を貯蔵する供給手段と、
前記座部と前記処理槽の間に設けられこの供給手段から水が供給され、人体の局部を洗浄
する洗浄手段及び前記処理槽内に水を供給する給水手段の機能を有する人体洗浄装置を具
備し、
前記給水手段は前記水分率検知手段が検知した前記処理槽内の水分率が所定の水分率以下
であるときに、給水することを特徴とする排泄補助装置。
【請求項4】
前記水分率検知手段が検知した前記処理槽内の前記所定の水分率は35〔%〕であるこ
とを特徴とする請求項3記載の排泄補助装置。
【請求項5】
前記人体洗浄装置は、一回当りに噴出する水量が限定されていることを特徴とする請求
項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排泄補助装置。
【請求項6】
前記人体洗浄装置は伸長可能なノズルと、このノズルを収納するガイド部で構成され、
前記ノズルの先端は、前記ガイド部内に収納時に処理槽上方で処理槽内に向かって下方傾
斜して位置され、
処理槽内に水を給水する際はガイド部に収納された状態で水を噴出することを特徴とする
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排泄補助装置。
【請求項7】
前記人体洗浄装置は伸長可能で先端に上向きの噴出口及び下向きの噴出口を有するノズ
ルを有し、伸長時は前記ノズルの先端が処理槽上方に位置され、人体洗浄時は前記上向き
の噴出口で洗浄し、給水時は前記下向きの噴出口で処理槽内に給水する切替手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排泄補助装置。
【請求項8】
前記下向きの噴出口はフルコーン状に処理槽内基材表面に噴射することを特徴とする請
求項7に記載の排泄補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−230934(P2006−230934A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53709(P2005−53709)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューママーケティング株式会社 (2,480)
【Fターム(参考)】