排熱回収方式の乾燥装置{Heatrecoverytypedryingsystem}
【課題】農水産物などの被乾燥物を乾燥させる乾燥装置において、排熱回収熱交換装置を設置して、エネルギーを節約できる排熱回収方式の乾燥装置を提供する。
【解決手段】一定の領域別に排熱回収熱交換装置100を通じて給気が行われるようにし、前記排熱回収熱交換器装置100を通じて供給された給気が給気ファン20によって加熱手段30を経た後、乾燥室10を通過しながら乾燥をする。また、次の場所でも給気ファンにより乾燥室を通過しながら、繰り返し乾燥する方式で、一定の領域を循環させた後、排熱回収熱交換装置100を通じて外部に排出させる。
【解決手段】一定の領域別に排熱回収熱交換装置100を通じて給気が行われるようにし、前記排熱回収熱交換器装置100を通じて供給された給気が給気ファン20によって加熱手段30を経た後、乾燥室10を通過しながら乾燥をする。また、次の場所でも給気ファンにより乾燥室を通過しながら、繰り返し乾燥する方式で、一定の領域を循環させた後、排熱回収熱交換装置100を通じて外部に排出させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農水産物などの被乾燥物を乾燥させる乾燥装置において、排熱回収熱交換装置を設置して、排気と給気の熱交換が行われるようにする。給気が一定の湿度に達するまで空気を再循環させて乾燥が行われるようにする排熱回収方式の乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られている従来の農水産物などを乾燥させる乾燥装置においては、大韓民国登録特許第10−0492033号に知られている。
【0003】
その技術的な構成は、図1に示したように、乾燥室(10)の排気口(12)から
排出される乾燥に使用された高温高湿の空気中の一部が排気ファン(22)によって排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出される。
外気(OA)は給気ファン(21)の吸入により、前記排熱回収熱交換装置(100)を通過し排気(EA)の熱を回収した後、乾燥装置に供給される。
排熱回収熱交換装置(100)で乾燥装置に供給される空気は給気ファン(20)によって乾燥室(10)の給気口(11)に吸入される。給気ファン(20)によって吸引された給気(SA)は加熱手段(30)によって一定の温度まで加熱された後、空気配分用のベイン(40)を通じて乾燥室(10)の内部に均一に供給され、コンベヤー(50)に載っている被乾燥物を乾燥させ、排気口(12)から排出される。
【0004】
この際に、前記乾燥室(10)の排気口(12)から排出される被乾燥物の乾燥に使用された高温高湿の空気のほとんどは、換気(RA)として乾燥室(10)の給気口(11)に
再吸入されて乾燥室(10)内部に供給されて循環するようになる。
【0005】
一方、本出願人は、排熱回収方式の農水産物の乾燥装置について既に出願し韓国特許登録第10−0928703号として登録されている。
【0006】
その構成は、図2に示したように、乾燥室(10)の排気口(12)から排出される乾燥に使用された高温高湿の空気のすべてを排気(EA)として排熱回収熱交換装置(100)を
通じて外部に排出させながら、給気(SA)に排熱を渡すようにしている100%の給排気方式の乾燥装置である。
【0007】
このような排熱回収方式の農水産物の乾燥装置について、上記の図2に提案された方法は、排熱を回収しながら給排気の空気量によって乾燥空気の湿度を少しは調整することができるが、給排気の空気量が限られているので、湿度を大きく下げるには限界がある。上記の図2に示した方法は、排熱回収された100%の全外気の乾燥空気が乾燥装置の内部で実質的に1循環だけして排出されるので、乾燥に使用される時間がとても短く湿度の低い乾燥空気を十分に活用していない非経済的な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような欠点や問題点を改善させるために考案されたもので
あり、その目的は、従来の乾燥装置が持っている乾燥空気の湿度を効果的に下げられないという問題及び排熱回収の全外気給気方式においては、湿度の低い乾燥空気が十分に活用されない問題を解決する。排熱回収方式の乾燥装置において、排気からの排熱を回収して給気されている湿度の低い乾燥空気を乾燥室内に給気ファンにより複数回再循環させ一定の湿度に達するまで乾燥に活用して排熱回収給排気が行われるようにする。
前記排熱回収給排気は断続的に行われるようにすることにより、湿度の低い乾燥空気を十分に活用する排熱回収方式の乾燥装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、乾燥装置の側方向で、被乾燥物が積まれているか、コンベヤーなどに載って移動する乾燥室の内部に給気を供給し、一定の領域別に排熱回収熱交換装置を通じて給排気が行われるようにする。前記排熱回収熱交換装置を通じて供給された給気が給気ファンによって加熱手段を経た後、乾燥室を通過し、乾燥し、再度次の場所の給気ファンによって乾燥室を通過しながら、繰り返し乾燥する方式で一定の領域を循環させた後、排熱回収熱交換装置を通じて外部へ排出される。このような乾燥方式は、乾燥室の長さ方向に一定の領域ごとに仕切られた、いくつかのゾーンで構成され、エネルギーを失うことなく、乾燥が素早く行うことができる排熱回収方式の乾燥装置を提供する。
【0010】
つまり、本発明は、乾燥装置の乾燥室をいくつかのゾーンに分けて乾燥が行われるようにするが、1つのゾーンでは、乾燥に活用された空気が再び乾燥室の内部で循環され乾燥に活用される方式で十分な湿気が成り立つまで、乾燥が行われるようにした後、排熱回収熱交換装置を通じて外部に排出されながら給気に排熱を流して、エネルギーを節約するのである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための技術的な手段として、本発明は、被乾燥物を乾燥させる乾燥装置では、1つの乾燥室を複数個のゾーンに区画し、それぞれのゾーンには、排熱回収熱交換装置をそれぞれ設置する。
【0012】
上記のそれぞれの排熱回収熱交換装置で熱交換が行われた給気(SA)は、乾燥室と接続設置された給気ファンに供給する。
【0013】
上記給気ファンによって吸引供給される空気は、加熱手段によって加熱された後、乾燥室内の被乾燥物を乾燥させ、再び隣接する給気ファンに供給する。
【0014】
上記給気ファンに供給される空気は、上記と同じ方法で順次最後の給気ファンまで、循環供給され乾燥が行われた後、それぞれの排熱回収熱交換装置を通じて排出されていることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置を設ける。
【0015】
また、本発明は、上記の1つの排熱回収熱交換装置が設置されている乾燥ゾーンは、乾燥室につなげられている区域である。給気ファンを設置し、それぞれの給気ファンは給気を乾燥室に供給し、上記乾燥室の排気口にから排出される換気(RA)を隣接する後段の給気ファンの給気口に循環させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記乾燥室のコンベヤーは、一段または多段に設置されて移動しながら、被乾燥物を乾燥させ、上記コンベャーの一定の区画で分けられたゾーンには、排熱回収熱交換装置を設置し、それぞれのゾーンごとに乾燥が行われることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記乾燥室の被乾燥物を直接加熱するために、マグネトロンで発生させたマイクロ波を、導波管を通じて乾燥室の内部に供給して被乾燥物の加熱が行われるようにすることを特徴とする
【0018】
これに加えて、本発明は、上記マグネトロンの内部を冷却させた冷却空気は、乾燥室から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置を通じて排出されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記乾燥室内には、コンベヤーが移動する方向に空気の流れを遮断する遮断板をコンベヤーの上部と下部側面に設置し、前記遮断板は被乾燥物の移動とコンベヤーの移動に障害を与えないように離れて設置することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記のそれぞれのゾーンごとに給気ファンによって乾燥が行われた空気が排出される乾燥室の排気口と、前記給気ファンと隣接する次の給気ファンの給気口を接続する換気流動通路を設置することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記それぞれのゾーン内のそれぞれの給気ファンと、それぞれの加熱手段と、それぞれの乾燥室が接続されている給気流動通路を設置することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、乾燥室から排出される換気の湿度が一定値以下であれば、換気は繰り返して乾燥室内を循環し、換気の湿度が一定以上になると、排熱回収熱交換装置を通じて換気の一部が外部に排出されながら、同時に給気が供給される。
給気は換気と一緒に混合され、乾燥室内を循環しながら乾燥が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の排熱回収方式の乾燥装置により、被乾燥物を乾燥させる乾燥装置では、乾燥室をいくつかのゾーンに分けて一つのゾーンごとに乾燥空気を乾燥室に数回循環させる。空気中の湿度がある程度高くなるまで乾燥過程を繰り返した後、排熱回収熱交換装置を通じ外部に排出しながら、給気に排熱を流す。
一度乾燥に使用された空気は外部に排出せず加熱させ、再び乾燥に活用することで、空気中の水分含有量が一定量以上になるようにした後、排熱回収熱交換装置を通じ外部に排出する。
乾燥室の長さ方向に応じて分割されたゾーンごとに、上記の方法で乾燥が行われるようにすることで、被乾燥物の乾燥状態に応じた最適な乾燥が行われるようにして乾燥効率を向上させることができる一方、排熱回収によりエネルギーを節約することができ優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】既存の、排熱回収熱交換装置付きの、乾燥装置の空気流動の説明図。
【図2】既存の、排熱回収熱交換装置付きの、乾燥装置の空気流動の説明図。
【図3】本発明の排熱回収熱交換装置付きの乾燥装置においての再循環の場合と排熱回収給排気の場合での空気の流れを示す説明図。
【図4】本発明の排熱回収熱交換装置付きの乾燥装置において排熱回収給排気の場合での空気の流れを示す説明図。
【図5】本発明の、排熱回収方式の、乾燥装置実施例の説明図。
【図6】本発明による排熱回収方式の乾燥装置においての乾燥空気流動の実施例を示す側断面図。
【図7】図6による排熱回収方式の乾燥装置の平断面図。
【図8】本発明の多段式の換気流動通路と給気流動通路を構成する実施例の斜視図。
【図9】本発明による空気流動の説明図。
【図10】本発明の他の実施例による換気流動通路の斜視図及び側断面図。
【図11】本発明の別の実施例による換気流動通路の斜視図。
【図12】図11による換気流動通路の平面構造図。
【図13】本発明の別の実施例による換気流動通路と給気流動通路の斜視図。
【図14】本発明の別の実施例による排熱回収方式の、乾燥装置実施例の説明図。
【図15】本発明の別の実施例による排熱回収方式の乾燥装置の説明図。
【図16】図15による排熱回収方式の乾燥装置の側断面図及び平断面図。
【図17】図15による排熱回収方式の乾燥装置の側断面図及び平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、海苔、農水産物、工業製品などを必要に応じて乾燥する乾燥装置において乾燥に使用される空気を一定の湿度に到達するまで数回にわたり乾燥に活用した後、排熱回収熱交換装置を通じて外部に排出されるようにする。
【0026】
つまり、本発明は、排熱回収方式の乾燥装置において、排気からの排熱を取得して供給される湿度の低い給気(乾燥空気)を乾燥室の内部に何度も給気ファンで再循環させ、一定の湿度に達するまで乾燥に活用した後に排気させながら排熱を給気に提供する。排熱回収給排気は断続的に行われるようにすることで、乾燥に使われた空気を十分に活用する。乾燥室の長さ方向に複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンごとに排熱回収熱交換装置を通じて給気と排気が行われるようにする。
【0027】
また、本発明は、ゾーン毎に設置されてある排熱回収熱交換装置を通じて、排気から熱を回収して供給される給気は、乾燥室で乾燥に活用された後、再循環し乾燥が行われるようにする過程を、空気中の水分含有量が一定量に達するまで繰り返してから、排出されるようにする。
【0028】
このような本発明は、乾燥装置の側面に複数の給気ファンを設置して、乾燥室に給気が行われるようにする、前記乾燥室をいくつかの一定のスペースを持つゾーンで区画して、各ゾーン毎に設置されている複数の給気ファンを使用して、給気が繰り返して循環されながら、十分に乾燥に活用された後で排気が行われるようにする。この時に排熱回収給気が同時に行われ、排熱回収給排気は断続的に行われるようにする一方、給排気の際には乾燥室内の高湿の空気が十分に外部に排出されるようにする。
【0029】
また、他の例では、1番目の給気ファンから給気されて乾燥室で乾燥を終えた空気は、2番目の給気ファンによって再給気されて乾燥室内を循環しているし、2番目の給気ファンによって給気されて乾燥を終えた空気は、3番目の給気ファンによってリサイクルされているようにする1つのゾーンで、複数の給気のファンで乾燥空気が何度も再循環しながら乾燥が行われるようにして、1つのゾーンでは、1番目の給気ファンによって供給される給気が排熱回収熱交換装置においてゾーン内の最後の給気ファンによって排出される排気と熱交換されてから連続的に供給されるようにする。
【0030】
前記乾燥方式は、乾燥室を複数の区画に分けられたそれぞれのゾーンにおいて別々に独自に行われている。
【0031】
つまり、本発明は、1つの乾燥装置を複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンごとに排熱回収熱交換装置を設置する。それぞれのゾーンには、複数個の給気ファンにより乾燥室の内部を乾燥空気が循環しながら乾燥が行われるようにすることで、外部から供給される低湿の空気を利用して、乾燥効率を高める一方で、排熱を回収することにより、乾燥にかかるエネルギーを削減することができるようにする。
【0032】
本発明では、外気(OA:Outdoor Air)は外の空気、給気(SA:Supply Air)は排熱回収熱交換装置(100)を通じて乾燥室(10)に供給される空気、排気(EA:Exhaust Air)は乾燥を終えて乾燥室(10)から排出されて排熱回収熱交換装置(100)を通じて外部に排出される空気、換気(RA:Return Air)は乾燥室(10)から排出されて乾燥室(10)に再供給される空気、または排熱回収熱交換装置(100)を通過する空気を意味する。
【0033】
このような本発明の実施例を添付図面に基づいて説明すると、以下のとおりである。
【0034】
本発明は図3に示すように排熱回収熱交換装置(100)を通じて室内空気の排気と外気の給気を行った後、乾燥装置の内部に供給される低湿の空気(SA)を給気ファン(20)によって乾燥室(10)の内部に供給する。乾燥室(10)の排気口(12)を通じて排出される乾燥空気(RA)は、給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に再び供給される過程を乾燥空気が一定の湿度に達するまで繰り返す。循環される乾燥空気(RA)が一定の湿度に達すると、排熱回収熱交換装置(100)の給排気側に設置されている給排気ファン(21,22)によって乾燥装置内の湿度の高い乾燥空気が十分に排出されながら、外部の湿度の低い空気(SA)が、乾燥装置の内部に給気されており、給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に供給され、乾燥室(10)から排気口(12)を通じて排出される湿度の高い換気(RA)と混合され給気ファン(20)により再度乾燥室(10)に供給される。
【0035】
このような排熱回収給排気の時には、既に乾燥に活用された高湿の乾燥装置内の空気(RA)と、外部から供給される低湿の給気(SA)が混合され、乾燥室(10)の内部を一定時間の間に循環すると、乾燥室(10)の内部には湿度の低い空気の状態が形成される。
【0036】
前記排熱回収給排気は、断続的に実行することで、乾燥装置内の空気の湿度が一定水準以下と低くなると、排熱回収給排気は中断して、乾燥装置内の空気を乾燥室(10)の内部に連続的に再循環させることにより、排気(EA)から排熱を回収した湿度の低い外部からの給気(SA)を十分に、経済的に乾燥に活用できるようになる。
【0037】
また、図4に示すようにチャンバとルームのような独立した乾燥室(10)を運用する場合にも、別に設けてある冷却除湿器(70)と、排熱回収熱交換装置(100)を通じて給気(SA)は給気ファン(20)と加熱手段(30)を通過した後、チャンバやルーム形式で、内部に乾燥台(75)が置かれている乾燥室(10)を通過して、前記乾燥室(10)から排出される空気は、ダンパー(80)を通じて換気(RA)として乾燥室(10)に再供給されるか、排熱回収熱交換装置(10)を通じて排気(EA)として外部に排出される。
【0038】
つまり、低湿の空気(SA)を乾燥室(10)に供給して乾燥が行われた後で排出された乾燥空気(RA)は、2方向のダンパー(80)で選択されて給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に再度供給される過程を乾燥空気が一定の湿度に達するまで繰り返す。
乾燥室(10)の内部で循環される乾燥空気が一定の湿度に達すると、排熱回収熱交換装置(100)を通じて排気ファン(22)により排出されながら、給気されている外部の低温の空気(OA)に排熱を加えて給気の温度を高めた後に乾燥室(10)に供給される。
【0039】
このような排熱回収給排気は断続的に実行することで、乾燥装置内の空気の湿度が一定水準以下になると、排熱回収給排気は中断して、乾燥装置内部からの空気を乾燥室(10)の内部に連続的に再循環させることにより、排気(EA)から排熱を回収した湿度の低い外部からの給気(SA)を十分効率的に乾燥へ活用できるようになる。
【0040】
また、本発明は、乾燥室(10)の内部に相当の長さを持つコンベヤー(50)が設置され、上記コンベヤー(50)に載っている被乾燥物を各ゾーンごとに乾燥させるために、複数のゾーンを区画する。
【0041】
そして、各ゾーン毎にコンベヤー(50)の側部に給気(SA)を供給する給気ファン(1−N)(2−N)が続いて設置されており、上記給気ファン(1−N)(2−N)に供給される給気(SA)は、加熱手段(30)によって加熱された後、コンベヤー(50)を経て排出される。一度乾燥室(10)を経た空気を排気(EA)として排出させることなく、給気ファン(1−N)(2−N)を経た後、循環する過程を数回に渡って行われた後、排熱回収熱交換装置(100)(101)を通じて外部に排出されるようにする。
【0042】
つまり、本発明は、図5に基づいて1つのゾーンについてみると排熱回収熱交換装置(100)を通過した給気(SA)は、給気ファン(1−1)で、加熱手段(30)を経た後コンベヤー(50)に搭載された被乾燥物を乾燥させ、湿度が上昇され、温度が少し低くなった状態で乾燥室(10)から排出される。次に、再び給気ファン(1−2)で吸引されて加熱手段(30)で再び加熱され一定の温度でコンベヤー(50)を通過しながら被乾燥物を再び乾燥させる。これにより、空気中の水分含有量が上昇し、再び給気ファン(1−3)で吸引循環しながら乾燥を進めていく。このような方法で、最後の給気ファン(1−N)を経た空気は被乾燥物の乾燥時に発生された水分を含有するようになり最終的には湿度の高い状態で排出するようになる。
【0043】
このように、給気ファン(1−N)を経た排気(EA)は、排熱回収熱交換装置(100)で給気される外気(OA)に熱を伝えることで、温度が上昇され、湿度が低い給気(SA)が給気ファン(1−1)で連続的に供給されるようにする。
【0044】
そして、別の1つのゾーンに設置された排熱回収熱交換装置(101)において給気(SA)として供給される空気は、給気ファン(2−1)によって加熱手段(30)を経て温度が高くなって、コンベヤー(50)上の被乾燥物を乾燥させ、湿度が上昇され、温度が少し下げられたまま、再び給気ファン(2−2)によって乾燥室(10)を経た後に再び給気ファン(2−3)で吸引循環しながら乾燥を繰り返し行われるようにする。
【0045】
このような方法によって、最後の給気ファン(2−N)を経た排気(EA)は、湿度の高い状態の空気になる。給気ファン(2−N)を経た排気(EA)は、排熱回収熱交換装置(101)で、外部から供給される外気(OA)に熱を伝えることで、温度が上昇され、湿度が低い給気(SA)が給気ファン(2−1)で連続的に供給されるようにする。
【0046】
本発明では、排熱回収熱交換装置(100)は、給気ファン(1−N)によって乾燥が行われた後に排出される排気(EA)は、外気(OA)と熱交換されて、外気よりもかなり温度が高く、相対湿度の低い給気(SA)を乾燥室(10)に供給されることになる。
【0047】
また、本発明の排熱回収熱交換装置(101)は、給気ファン(2−N)によって乾燥が行われた後に排出される排気(EA)は、外気(OA)に熱を伝達させて、外気よりも温度が高く湿度が低い給気(SA)を乾燥室(10)に供給できるようにするものである。
したがって、それぞれのゾーンについて、それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)から給気(SA)と排気(EA)の間で熱交換が行われるようにする。
【0048】
そして、本発明は、給気ファン(1−1)によって供給された空気は乾燥が行われた後、外部に排出されず、また次の給気ファン(1−2)に流入されて乾燥が行われるようにする。前記給気ファン(1−2)により乾燥が行われた空気は、再びその次の給気ファン(1−3)に流入され乾燥が進行される形で、1つのゾーンに設置されたすべての給気ファン(1−1〜1−N)によって給気が行われるようにする。
【0049】
本発明の排熱回収熱交換装置(100)は、最後の給気ファン(1−N)によって乾燥が行われた空気が排気(EA)として排出され、外部から供給される外気(OA)に排熱を渡して、温度が高く湿度が低い給気(SA)が最初の給気ファン(1−1)に供給されるようにする。
【0050】
このような方式の排熱回収給気の供給、循環、乾燥、排気は、乾燥室(10)の一定の領域ごとに設定され、それぞれのゾーン毎に行われる。
【0051】
一方、本発明は、全ての給気ファン(1−1)〜(2−N)の下部に電気ヒーターやバーナーなどを使用して、空気を加熱する加熱手段(30)を設置して、給気ファン(1−1)〜(2−N)に吸引供給される給気(SA)を一定の温度に上昇させて乾燥室(10)の内部を循環させながら被乾燥物を乾燥させるようにする。
【0052】
本発明では、前記乾燥室(10)の中で移動するコンベヤー(50)には、乾燥空気が給気ファン(1−1)〜(2−N)によって循環する際に、乾燥空気が、可能な限り隣接する他の空間に流れて行かないようにコンベヤー(50)の上部と下部側に図5、図6に示したように、遮断板(51)を設置する。
【0053】
前記遮断板(51)は、コンベヤー(50)の移動と被乾燥物の移動には全く干渉を与えないように、コンベヤー(50)の上部と下部に設置され、上記コンベヤー(50)の移動時にコンベヤー(50)が移動する方向で、できるだけ空気が移動しないようにするためのものである。最終的に前記遮断板(51)は、コンベヤー(50)が移動する方向から、90°及び270°方向の横方向に作られ、コンベヤー(50)の進行方向またはコンベヤー(50)の長さ方向に移動する空気を遮断することにより、乾燥室(10)の内部を、それぞれの給気ファン(1−1)〜(1−N)が該当する広さに区画することができる。
【0054】
一方、下記の表1は、本発明の実施例による空気の実質量、表2は、従来技術と本発明による空気の実質量、蒸発水分量、エンタルピーを比較した比較表を示すもので、本発明の差別性の特徴を確認することができる。
【0055】
[表1]
【0056】
SA:排熱80%を回収した後の給気
【0057】
SA(1):加熱した後の給気
【0058】
[表2]
【0059】
つまり、上記の表1に示すように、海苔の乾燥工程で、空気の実質量は、OA5℃とRA40℃の間で熱交換が80%行われば、SAが33℃になり、外部に排出されるEAは12℃になる。相対湿度は、OAの30%が排熱の回収によって温度が上昇されSAが5%に下がる。SAが海苔の乾燥に適する45℃に加熱されると、相対湿度は3%以下になって乾燥に非常に有利な空気の状態を作ることができる。
【0060】
また、表2に示すように、海苔の乾燥を終えた換気(RA)の条件(温度40℃)
相対湿度60% 絶対湿度30g/kg(DA)が同一であるという条件の下で、乾燥過程の上に蒸発される水分量は3と28g/kg(DA)として、本発明の乾燥能力が従来技術に比べて9倍以上高い。所要カロリーを比べてみると、本発明においては、最初の加熱手段においての、所要カロリーは、従来の2.1よりも多くの2.9kcal/kg(DA)として0.8kcal/kg(DA)多いが、乾燥室内で再循環される過程では、1.2kcal/kg(DA)と少なくなる。
このため、従来技術では、換気量10%、換気回数10回を基準にすると、総所要カロリーは2.1*10回=21kcal/kg(DA)となることに対して、本発明では、初期2.9kcal/kg(DA)と内部循環を9回とすると、1.2*9=10.8kcal/kg(DA)になるので、合計13.7kcal/kg(DA)となり、従来技術に比べて約35%の削減効果を持つものである。
【0061】
本発明では、前記乾燥室(10)に装備される1つのゾーンは、1つの排熱回収熱交換装置(100)が構成され、これらのゾーンは、乾燥装置の条件に応じて複数個または図8、図9に示すように、垂直方向に多段形で複数を設置し、それぞれのゾーンを構成する多数の給気ファンは被乾燥物の乾燥条件に応じて、適切な数量を設置する。
【0062】
本発明では、前記乾燥室(10)に設置され、それぞれのゾーンでは、給気ファン(20)により吸引、循環、排出される乾燥空気の流れを円滑にするために、コンベヤー(50)の上部と下部においての前記遮断板(51)と乾燥室(10)の上部と側部に図10〜13に示したように、ダクトの機能を持つ別々の換気流動通路(10a)と給気流動通路(10b)を設置する。
【0063】
また、前記乾燥装置における乾燥空気の循環給気ファン(20)の設置場所に応じて、前記換気流動通路(10a)と給気流動通路(10b)の構成と形状が図8、図10〜13に示したように直線状ではなく、ゆがんだ形と角度を持つ様々な形状で構成することができる。
【0064】
これに加えて、図14は、本発明の、全外気の排熱回収方式の、乾燥装置の実施例の説明図として、本発明の、100%全外気の排熱回収排気方式の乾燥装置において、給気(SA)と排気(EA)の風量が過剰な場合には、排熱回収装置(100)(101)のサイズが大きくなり、これにより、サイズが大きい排熱回収装置(100)(101)の現場での設置が困難になったり、設置費等の経済性の問題が発生することになるので、図14に示したように、乾燥装置の、最後の給気ファン(1−N)(2−N)によって乾燥室(10)から排出される換気(RA)の一部を、2方向風量調節ダンパー(81)を動作させて排熱回収装置(100)(101)を通過せずに給気(SA)側の給気ファン(1−1)(2−1)に合流されるようにする。
【0065】
このような場合には、乾燥を終えた換気(RA)の一部が給気(SA)側に供給されるので、各ゾーンにおける1番目給気ファンに供給される給気(SA)の湿度が高くて乾燥効率が低くなるが、前記排熱回収装置(100)における給気(SA)の風量と排気(EA)風量を削減できるようになり、排熱回収装置(100)のサイズを小さくすることができる。これにより、現場での設置を容易にすることができる。
【0066】
一方、本発明は、図15〜17に示したように、排熱回収熱交換装置(100)から供給される給気(SA)を加熱する場合は、ヒーターなどの加熱手段(30)を使用しながら、同時に、被乾燥物を直接加熱するマイクロ波を照射させ、乾燥に活用する複合型の乾燥装置においても適用できるもので、加熱手段(30)とは別に、マグネトロン(60)と導波管(61)を設置してマグネトロン(60)から発生されたマイクロ波を、導波管(61)を通じて乾燥室(10)に供給することにより、前記乾燥室(10)の被乾燥物がマイクロ波によって直接加熱され、急速な乾燥ができるようにする。
【0067】
本発明の乾燥室(10)においての空気の循環は、上記の実施例で説明した内容と同じで、ただ、マイクロ波を用いて被乾燥物の加熱が直接行われるようにすることで、マグネトロン(60)を駆動させるための電源が必要であり、乾燥室(10)の内部側にマイクロ波を遮断する遮断ユニットなどを完備していることが安全である。
【0068】
したがって、本発明は、マグネトロン(60)の駆動時に内部から熱が発生するため、空気による冷却が必要となり、マグネトロン(60)の冷却のために、マグネトロン(60)の内部に供給される冷却用の空気を、乾燥室(10)から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出させることにより、マグネトロン(60)からの排熱を回収して乾燥に活用しエネルギーを節約することができる。
【符号の説明】
【0069】
10:乾燥室 10a:換気流動通路
10b:給気流動通路
11:給気口 12:排気口
1−N,2−N,20:給気ファン
30:加熱手段 40:ベイン(Vane)
50:コンベヤー 51:遮断板
60:マグネトロン 61:導波管
70:冷却除湿器 75:乾燥台
80:2方向ダンパー 81:2方向風量調節ダンパー
100,101:排熱回収熱交換装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、農水産物などの被乾燥物を乾燥させる乾燥装置において、排熱回収熱交換装置を設置して、排気と給気の熱交換が行われるようにする。給気が一定の湿度に達するまで空気を再循環させて乾燥が行われるようにする排熱回収方式の乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られている従来の農水産物などを乾燥させる乾燥装置においては、大韓民国登録特許第10−0492033号に知られている。
【0003】
その技術的な構成は、図1に示したように、乾燥室(10)の排気口(12)から
排出される乾燥に使用された高温高湿の空気中の一部が排気ファン(22)によって排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出される。
外気(OA)は給気ファン(21)の吸入により、前記排熱回収熱交換装置(100)を通過し排気(EA)の熱を回収した後、乾燥装置に供給される。
排熱回収熱交換装置(100)で乾燥装置に供給される空気は給気ファン(20)によって乾燥室(10)の給気口(11)に吸入される。給気ファン(20)によって吸引された給気(SA)は加熱手段(30)によって一定の温度まで加熱された後、空気配分用のベイン(40)を通じて乾燥室(10)の内部に均一に供給され、コンベヤー(50)に載っている被乾燥物を乾燥させ、排気口(12)から排出される。
【0004】
この際に、前記乾燥室(10)の排気口(12)から排出される被乾燥物の乾燥に使用された高温高湿の空気のほとんどは、換気(RA)として乾燥室(10)の給気口(11)に
再吸入されて乾燥室(10)内部に供給されて循環するようになる。
【0005】
一方、本出願人は、排熱回収方式の農水産物の乾燥装置について既に出願し韓国特許登録第10−0928703号として登録されている。
【0006】
その構成は、図2に示したように、乾燥室(10)の排気口(12)から排出される乾燥に使用された高温高湿の空気のすべてを排気(EA)として排熱回収熱交換装置(100)を
通じて外部に排出させながら、給気(SA)に排熱を渡すようにしている100%の給排気方式の乾燥装置である。
【0007】
このような排熱回収方式の農水産物の乾燥装置について、上記の図2に提案された方法は、排熱を回収しながら給排気の空気量によって乾燥空気の湿度を少しは調整することができるが、給排気の空気量が限られているので、湿度を大きく下げるには限界がある。上記の図2に示した方法は、排熱回収された100%の全外気の乾燥空気が乾燥装置の内部で実質的に1循環だけして排出されるので、乾燥に使用される時間がとても短く湿度の低い乾燥空気を十分に活用していない非経済的な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような欠点や問題点を改善させるために考案されたもので
あり、その目的は、従来の乾燥装置が持っている乾燥空気の湿度を効果的に下げられないという問題及び排熱回収の全外気給気方式においては、湿度の低い乾燥空気が十分に活用されない問題を解決する。排熱回収方式の乾燥装置において、排気からの排熱を回収して給気されている湿度の低い乾燥空気を乾燥室内に給気ファンにより複数回再循環させ一定の湿度に達するまで乾燥に活用して排熱回収給排気が行われるようにする。
前記排熱回収給排気は断続的に行われるようにすることにより、湿度の低い乾燥空気を十分に活用する排熱回収方式の乾燥装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、乾燥装置の側方向で、被乾燥物が積まれているか、コンベヤーなどに載って移動する乾燥室の内部に給気を供給し、一定の領域別に排熱回収熱交換装置を通じて給排気が行われるようにする。前記排熱回収熱交換装置を通じて供給された給気が給気ファンによって加熱手段を経た後、乾燥室を通過し、乾燥し、再度次の場所の給気ファンによって乾燥室を通過しながら、繰り返し乾燥する方式で一定の領域を循環させた後、排熱回収熱交換装置を通じて外部へ排出される。このような乾燥方式は、乾燥室の長さ方向に一定の領域ごとに仕切られた、いくつかのゾーンで構成され、エネルギーを失うことなく、乾燥が素早く行うことができる排熱回収方式の乾燥装置を提供する。
【0010】
つまり、本発明は、乾燥装置の乾燥室をいくつかのゾーンに分けて乾燥が行われるようにするが、1つのゾーンでは、乾燥に活用された空気が再び乾燥室の内部で循環され乾燥に活用される方式で十分な湿気が成り立つまで、乾燥が行われるようにした後、排熱回収熱交換装置を通じて外部に排出されながら給気に排熱を流して、エネルギーを節約するのである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための技術的な手段として、本発明は、被乾燥物を乾燥させる乾燥装置では、1つの乾燥室を複数個のゾーンに区画し、それぞれのゾーンには、排熱回収熱交換装置をそれぞれ設置する。
【0012】
上記のそれぞれの排熱回収熱交換装置で熱交換が行われた給気(SA)は、乾燥室と接続設置された給気ファンに供給する。
【0013】
上記給気ファンによって吸引供給される空気は、加熱手段によって加熱された後、乾燥室内の被乾燥物を乾燥させ、再び隣接する給気ファンに供給する。
【0014】
上記給気ファンに供給される空気は、上記と同じ方法で順次最後の給気ファンまで、循環供給され乾燥が行われた後、それぞれの排熱回収熱交換装置を通じて排出されていることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置を設ける。
【0015】
また、本発明は、上記の1つの排熱回収熱交換装置が設置されている乾燥ゾーンは、乾燥室につなげられている区域である。給気ファンを設置し、それぞれの給気ファンは給気を乾燥室に供給し、上記乾燥室の排気口にから排出される換気(RA)を隣接する後段の給気ファンの給気口に循環させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記乾燥室のコンベヤーは、一段または多段に設置されて移動しながら、被乾燥物を乾燥させ、上記コンベャーの一定の区画で分けられたゾーンには、排熱回収熱交換装置を設置し、それぞれのゾーンごとに乾燥が行われることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記乾燥室の被乾燥物を直接加熱するために、マグネトロンで発生させたマイクロ波を、導波管を通じて乾燥室の内部に供給して被乾燥物の加熱が行われるようにすることを特徴とする
【0018】
これに加えて、本発明は、上記マグネトロンの内部を冷却させた冷却空気は、乾燥室から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置を通じて排出されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記乾燥室内には、コンベヤーが移動する方向に空気の流れを遮断する遮断板をコンベヤーの上部と下部側面に設置し、前記遮断板は被乾燥物の移動とコンベヤーの移動に障害を与えないように離れて設置することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記のそれぞれのゾーンごとに給気ファンによって乾燥が行われた空気が排出される乾燥室の排気口と、前記給気ファンと隣接する次の給気ファンの給気口を接続する換気流動通路を設置することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記それぞれのゾーン内のそれぞれの給気ファンと、それぞれの加熱手段と、それぞれの乾燥室が接続されている給気流動通路を設置することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、乾燥室から排出される換気の湿度が一定値以下であれば、換気は繰り返して乾燥室内を循環し、換気の湿度が一定以上になると、排熱回収熱交換装置を通じて換気の一部が外部に排出されながら、同時に給気が供給される。
給気は換気と一緒に混合され、乾燥室内を循環しながら乾燥が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の排熱回収方式の乾燥装置により、被乾燥物を乾燥させる乾燥装置では、乾燥室をいくつかのゾーンに分けて一つのゾーンごとに乾燥空気を乾燥室に数回循環させる。空気中の湿度がある程度高くなるまで乾燥過程を繰り返した後、排熱回収熱交換装置を通じ外部に排出しながら、給気に排熱を流す。
一度乾燥に使用された空気は外部に排出せず加熱させ、再び乾燥に活用することで、空気中の水分含有量が一定量以上になるようにした後、排熱回収熱交換装置を通じ外部に排出する。
乾燥室の長さ方向に応じて分割されたゾーンごとに、上記の方法で乾燥が行われるようにすることで、被乾燥物の乾燥状態に応じた最適な乾燥が行われるようにして乾燥効率を向上させることができる一方、排熱回収によりエネルギーを節約することができ優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】既存の、排熱回収熱交換装置付きの、乾燥装置の空気流動の説明図。
【図2】既存の、排熱回収熱交換装置付きの、乾燥装置の空気流動の説明図。
【図3】本発明の排熱回収熱交換装置付きの乾燥装置においての再循環の場合と排熱回収給排気の場合での空気の流れを示す説明図。
【図4】本発明の排熱回収熱交換装置付きの乾燥装置において排熱回収給排気の場合での空気の流れを示す説明図。
【図5】本発明の、排熱回収方式の、乾燥装置実施例の説明図。
【図6】本発明による排熱回収方式の乾燥装置においての乾燥空気流動の実施例を示す側断面図。
【図7】図6による排熱回収方式の乾燥装置の平断面図。
【図8】本発明の多段式の換気流動通路と給気流動通路を構成する実施例の斜視図。
【図9】本発明による空気流動の説明図。
【図10】本発明の他の実施例による換気流動通路の斜視図及び側断面図。
【図11】本発明の別の実施例による換気流動通路の斜視図。
【図12】図11による換気流動通路の平面構造図。
【図13】本発明の別の実施例による換気流動通路と給気流動通路の斜視図。
【図14】本発明の別の実施例による排熱回収方式の、乾燥装置実施例の説明図。
【図15】本発明の別の実施例による排熱回収方式の乾燥装置の説明図。
【図16】図15による排熱回収方式の乾燥装置の側断面図及び平断面図。
【図17】図15による排熱回収方式の乾燥装置の側断面図及び平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、海苔、農水産物、工業製品などを必要に応じて乾燥する乾燥装置において乾燥に使用される空気を一定の湿度に到達するまで数回にわたり乾燥に活用した後、排熱回収熱交換装置を通じて外部に排出されるようにする。
【0026】
つまり、本発明は、排熱回収方式の乾燥装置において、排気からの排熱を取得して供給される湿度の低い給気(乾燥空気)を乾燥室の内部に何度も給気ファンで再循環させ、一定の湿度に達するまで乾燥に活用した後に排気させながら排熱を給気に提供する。排熱回収給排気は断続的に行われるようにすることで、乾燥に使われた空気を十分に活用する。乾燥室の長さ方向に複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンごとに排熱回収熱交換装置を通じて給気と排気が行われるようにする。
【0027】
また、本発明は、ゾーン毎に設置されてある排熱回収熱交換装置を通じて、排気から熱を回収して供給される給気は、乾燥室で乾燥に活用された後、再循環し乾燥が行われるようにする過程を、空気中の水分含有量が一定量に達するまで繰り返してから、排出されるようにする。
【0028】
このような本発明は、乾燥装置の側面に複数の給気ファンを設置して、乾燥室に給気が行われるようにする、前記乾燥室をいくつかの一定のスペースを持つゾーンで区画して、各ゾーン毎に設置されている複数の給気ファンを使用して、給気が繰り返して循環されながら、十分に乾燥に活用された後で排気が行われるようにする。この時に排熱回収給気が同時に行われ、排熱回収給排気は断続的に行われるようにする一方、給排気の際には乾燥室内の高湿の空気が十分に外部に排出されるようにする。
【0029】
また、他の例では、1番目の給気ファンから給気されて乾燥室で乾燥を終えた空気は、2番目の給気ファンによって再給気されて乾燥室内を循環しているし、2番目の給気ファンによって給気されて乾燥を終えた空気は、3番目の給気ファンによってリサイクルされているようにする1つのゾーンで、複数の給気のファンで乾燥空気が何度も再循環しながら乾燥が行われるようにして、1つのゾーンでは、1番目の給気ファンによって供給される給気が排熱回収熱交換装置においてゾーン内の最後の給気ファンによって排出される排気と熱交換されてから連続的に供給されるようにする。
【0030】
前記乾燥方式は、乾燥室を複数の区画に分けられたそれぞれのゾーンにおいて別々に独自に行われている。
【0031】
つまり、本発明は、1つの乾燥装置を複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンごとに排熱回収熱交換装置を設置する。それぞれのゾーンには、複数個の給気ファンにより乾燥室の内部を乾燥空気が循環しながら乾燥が行われるようにすることで、外部から供給される低湿の空気を利用して、乾燥効率を高める一方で、排熱を回収することにより、乾燥にかかるエネルギーを削減することができるようにする。
【0032】
本発明では、外気(OA:Outdoor Air)は外の空気、給気(SA:Supply Air)は排熱回収熱交換装置(100)を通じて乾燥室(10)に供給される空気、排気(EA:Exhaust Air)は乾燥を終えて乾燥室(10)から排出されて排熱回収熱交換装置(100)を通じて外部に排出される空気、換気(RA:Return Air)は乾燥室(10)から排出されて乾燥室(10)に再供給される空気、または排熱回収熱交換装置(100)を通過する空気を意味する。
【0033】
このような本発明の実施例を添付図面に基づいて説明すると、以下のとおりである。
【0034】
本発明は図3に示すように排熱回収熱交換装置(100)を通じて室内空気の排気と外気の給気を行った後、乾燥装置の内部に供給される低湿の空気(SA)を給気ファン(20)によって乾燥室(10)の内部に供給する。乾燥室(10)の排気口(12)を通じて排出される乾燥空気(RA)は、給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に再び供給される過程を乾燥空気が一定の湿度に達するまで繰り返す。循環される乾燥空気(RA)が一定の湿度に達すると、排熱回収熱交換装置(100)の給排気側に設置されている給排気ファン(21,22)によって乾燥装置内の湿度の高い乾燥空気が十分に排出されながら、外部の湿度の低い空気(SA)が、乾燥装置の内部に給気されており、給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に供給され、乾燥室(10)から排気口(12)を通じて排出される湿度の高い換気(RA)と混合され給気ファン(20)により再度乾燥室(10)に供給される。
【0035】
このような排熱回収給排気の時には、既に乾燥に活用された高湿の乾燥装置内の空気(RA)と、外部から供給される低湿の給気(SA)が混合され、乾燥室(10)の内部を一定時間の間に循環すると、乾燥室(10)の内部には湿度の低い空気の状態が形成される。
【0036】
前記排熱回収給排気は、断続的に実行することで、乾燥装置内の空気の湿度が一定水準以下と低くなると、排熱回収給排気は中断して、乾燥装置内の空気を乾燥室(10)の内部に連続的に再循環させることにより、排気(EA)から排熱を回収した湿度の低い外部からの給気(SA)を十分に、経済的に乾燥に活用できるようになる。
【0037】
また、図4に示すようにチャンバとルームのような独立した乾燥室(10)を運用する場合にも、別に設けてある冷却除湿器(70)と、排熱回収熱交換装置(100)を通じて給気(SA)は給気ファン(20)と加熱手段(30)を通過した後、チャンバやルーム形式で、内部に乾燥台(75)が置かれている乾燥室(10)を通過して、前記乾燥室(10)から排出される空気は、ダンパー(80)を通じて換気(RA)として乾燥室(10)に再供給されるか、排熱回収熱交換装置(10)を通じて排気(EA)として外部に排出される。
【0038】
つまり、低湿の空気(SA)を乾燥室(10)に供給して乾燥が行われた後で排出された乾燥空気(RA)は、2方向のダンパー(80)で選択されて給気ファン(20)により乾燥室(10)の内部に再度供給される過程を乾燥空気が一定の湿度に達するまで繰り返す。
乾燥室(10)の内部で循環される乾燥空気が一定の湿度に達すると、排熱回収熱交換装置(100)を通じて排気ファン(22)により排出されながら、給気されている外部の低温の空気(OA)に排熱を加えて給気の温度を高めた後に乾燥室(10)に供給される。
【0039】
このような排熱回収給排気は断続的に実行することで、乾燥装置内の空気の湿度が一定水準以下になると、排熱回収給排気は中断して、乾燥装置内部からの空気を乾燥室(10)の内部に連続的に再循環させることにより、排気(EA)から排熱を回収した湿度の低い外部からの給気(SA)を十分効率的に乾燥へ活用できるようになる。
【0040】
また、本発明は、乾燥室(10)の内部に相当の長さを持つコンベヤー(50)が設置され、上記コンベヤー(50)に載っている被乾燥物を各ゾーンごとに乾燥させるために、複数のゾーンを区画する。
【0041】
そして、各ゾーン毎にコンベヤー(50)の側部に給気(SA)を供給する給気ファン(1−N)(2−N)が続いて設置されており、上記給気ファン(1−N)(2−N)に供給される給気(SA)は、加熱手段(30)によって加熱された後、コンベヤー(50)を経て排出される。一度乾燥室(10)を経た空気を排気(EA)として排出させることなく、給気ファン(1−N)(2−N)を経た後、循環する過程を数回に渡って行われた後、排熱回収熱交換装置(100)(101)を通じて外部に排出されるようにする。
【0042】
つまり、本発明は、図5に基づいて1つのゾーンについてみると排熱回収熱交換装置(100)を通過した給気(SA)は、給気ファン(1−1)で、加熱手段(30)を経た後コンベヤー(50)に搭載された被乾燥物を乾燥させ、湿度が上昇され、温度が少し低くなった状態で乾燥室(10)から排出される。次に、再び給気ファン(1−2)で吸引されて加熱手段(30)で再び加熱され一定の温度でコンベヤー(50)を通過しながら被乾燥物を再び乾燥させる。これにより、空気中の水分含有量が上昇し、再び給気ファン(1−3)で吸引循環しながら乾燥を進めていく。このような方法で、最後の給気ファン(1−N)を経た空気は被乾燥物の乾燥時に発生された水分を含有するようになり最終的には湿度の高い状態で排出するようになる。
【0043】
このように、給気ファン(1−N)を経た排気(EA)は、排熱回収熱交換装置(100)で給気される外気(OA)に熱を伝えることで、温度が上昇され、湿度が低い給気(SA)が給気ファン(1−1)で連続的に供給されるようにする。
【0044】
そして、別の1つのゾーンに設置された排熱回収熱交換装置(101)において給気(SA)として供給される空気は、給気ファン(2−1)によって加熱手段(30)を経て温度が高くなって、コンベヤー(50)上の被乾燥物を乾燥させ、湿度が上昇され、温度が少し下げられたまま、再び給気ファン(2−2)によって乾燥室(10)を経た後に再び給気ファン(2−3)で吸引循環しながら乾燥を繰り返し行われるようにする。
【0045】
このような方法によって、最後の給気ファン(2−N)を経た排気(EA)は、湿度の高い状態の空気になる。給気ファン(2−N)を経た排気(EA)は、排熱回収熱交換装置(101)で、外部から供給される外気(OA)に熱を伝えることで、温度が上昇され、湿度が低い給気(SA)が給気ファン(2−1)で連続的に供給されるようにする。
【0046】
本発明では、排熱回収熱交換装置(100)は、給気ファン(1−N)によって乾燥が行われた後に排出される排気(EA)は、外気(OA)と熱交換されて、外気よりもかなり温度が高く、相対湿度の低い給気(SA)を乾燥室(10)に供給されることになる。
【0047】
また、本発明の排熱回収熱交換装置(101)は、給気ファン(2−N)によって乾燥が行われた後に排出される排気(EA)は、外気(OA)に熱を伝達させて、外気よりも温度が高く湿度が低い給気(SA)を乾燥室(10)に供給できるようにするものである。
したがって、それぞれのゾーンについて、それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)から給気(SA)と排気(EA)の間で熱交換が行われるようにする。
【0048】
そして、本発明は、給気ファン(1−1)によって供給された空気は乾燥が行われた後、外部に排出されず、また次の給気ファン(1−2)に流入されて乾燥が行われるようにする。前記給気ファン(1−2)により乾燥が行われた空気は、再びその次の給気ファン(1−3)に流入され乾燥が進行される形で、1つのゾーンに設置されたすべての給気ファン(1−1〜1−N)によって給気が行われるようにする。
【0049】
本発明の排熱回収熱交換装置(100)は、最後の給気ファン(1−N)によって乾燥が行われた空気が排気(EA)として排出され、外部から供給される外気(OA)に排熱を渡して、温度が高く湿度が低い給気(SA)が最初の給気ファン(1−1)に供給されるようにする。
【0050】
このような方式の排熱回収給気の供給、循環、乾燥、排気は、乾燥室(10)の一定の領域ごとに設定され、それぞれのゾーン毎に行われる。
【0051】
一方、本発明は、全ての給気ファン(1−1)〜(2−N)の下部に電気ヒーターやバーナーなどを使用して、空気を加熱する加熱手段(30)を設置して、給気ファン(1−1)〜(2−N)に吸引供給される給気(SA)を一定の温度に上昇させて乾燥室(10)の内部を循環させながら被乾燥物を乾燥させるようにする。
【0052】
本発明では、前記乾燥室(10)の中で移動するコンベヤー(50)には、乾燥空気が給気ファン(1−1)〜(2−N)によって循環する際に、乾燥空気が、可能な限り隣接する他の空間に流れて行かないようにコンベヤー(50)の上部と下部側に図5、図6に示したように、遮断板(51)を設置する。
【0053】
前記遮断板(51)は、コンベヤー(50)の移動と被乾燥物の移動には全く干渉を与えないように、コンベヤー(50)の上部と下部に設置され、上記コンベヤー(50)の移動時にコンベヤー(50)が移動する方向で、できるだけ空気が移動しないようにするためのものである。最終的に前記遮断板(51)は、コンベヤー(50)が移動する方向から、90°及び270°方向の横方向に作られ、コンベヤー(50)の進行方向またはコンベヤー(50)の長さ方向に移動する空気を遮断することにより、乾燥室(10)の内部を、それぞれの給気ファン(1−1)〜(1−N)が該当する広さに区画することができる。
【0054】
一方、下記の表1は、本発明の実施例による空気の実質量、表2は、従来技術と本発明による空気の実質量、蒸発水分量、エンタルピーを比較した比較表を示すもので、本発明の差別性の特徴を確認することができる。
【0055】
[表1]
【0056】
SA:排熱80%を回収した後の給気
【0057】
SA(1):加熱した後の給気
【0058】
[表2]
【0059】
つまり、上記の表1に示すように、海苔の乾燥工程で、空気の実質量は、OA5℃とRA40℃の間で熱交換が80%行われば、SAが33℃になり、外部に排出されるEAは12℃になる。相対湿度は、OAの30%が排熱の回収によって温度が上昇されSAが5%に下がる。SAが海苔の乾燥に適する45℃に加熱されると、相対湿度は3%以下になって乾燥に非常に有利な空気の状態を作ることができる。
【0060】
また、表2に示すように、海苔の乾燥を終えた換気(RA)の条件(温度40℃)
相対湿度60% 絶対湿度30g/kg(DA)が同一であるという条件の下で、乾燥過程の上に蒸発される水分量は3と28g/kg(DA)として、本発明の乾燥能力が従来技術に比べて9倍以上高い。所要カロリーを比べてみると、本発明においては、最初の加熱手段においての、所要カロリーは、従来の2.1よりも多くの2.9kcal/kg(DA)として0.8kcal/kg(DA)多いが、乾燥室内で再循環される過程では、1.2kcal/kg(DA)と少なくなる。
このため、従来技術では、換気量10%、換気回数10回を基準にすると、総所要カロリーは2.1*10回=21kcal/kg(DA)となることに対して、本発明では、初期2.9kcal/kg(DA)と内部循環を9回とすると、1.2*9=10.8kcal/kg(DA)になるので、合計13.7kcal/kg(DA)となり、従来技術に比べて約35%の削減効果を持つものである。
【0061】
本発明では、前記乾燥室(10)に装備される1つのゾーンは、1つの排熱回収熱交換装置(100)が構成され、これらのゾーンは、乾燥装置の条件に応じて複数個または図8、図9に示すように、垂直方向に多段形で複数を設置し、それぞれのゾーンを構成する多数の給気ファンは被乾燥物の乾燥条件に応じて、適切な数量を設置する。
【0062】
本発明では、前記乾燥室(10)に設置され、それぞれのゾーンでは、給気ファン(20)により吸引、循環、排出される乾燥空気の流れを円滑にするために、コンベヤー(50)の上部と下部においての前記遮断板(51)と乾燥室(10)の上部と側部に図10〜13に示したように、ダクトの機能を持つ別々の換気流動通路(10a)と給気流動通路(10b)を設置する。
【0063】
また、前記乾燥装置における乾燥空気の循環給気ファン(20)の設置場所に応じて、前記換気流動通路(10a)と給気流動通路(10b)の構成と形状が図8、図10〜13に示したように直線状ではなく、ゆがんだ形と角度を持つ様々な形状で構成することができる。
【0064】
これに加えて、図14は、本発明の、全外気の排熱回収方式の、乾燥装置の実施例の説明図として、本発明の、100%全外気の排熱回収排気方式の乾燥装置において、給気(SA)と排気(EA)の風量が過剰な場合には、排熱回収装置(100)(101)のサイズが大きくなり、これにより、サイズが大きい排熱回収装置(100)(101)の現場での設置が困難になったり、設置費等の経済性の問題が発生することになるので、図14に示したように、乾燥装置の、最後の給気ファン(1−N)(2−N)によって乾燥室(10)から排出される換気(RA)の一部を、2方向風量調節ダンパー(81)を動作させて排熱回収装置(100)(101)を通過せずに給気(SA)側の給気ファン(1−1)(2−1)に合流されるようにする。
【0065】
このような場合には、乾燥を終えた換気(RA)の一部が給気(SA)側に供給されるので、各ゾーンにおける1番目給気ファンに供給される給気(SA)の湿度が高くて乾燥効率が低くなるが、前記排熱回収装置(100)における給気(SA)の風量と排気(EA)風量を削減できるようになり、排熱回収装置(100)のサイズを小さくすることができる。これにより、現場での設置を容易にすることができる。
【0066】
一方、本発明は、図15〜17に示したように、排熱回収熱交換装置(100)から供給される給気(SA)を加熱する場合は、ヒーターなどの加熱手段(30)を使用しながら、同時に、被乾燥物を直接加熱するマイクロ波を照射させ、乾燥に活用する複合型の乾燥装置においても適用できるもので、加熱手段(30)とは別に、マグネトロン(60)と導波管(61)を設置してマグネトロン(60)から発生されたマイクロ波を、導波管(61)を通じて乾燥室(10)に供給することにより、前記乾燥室(10)の被乾燥物がマイクロ波によって直接加熱され、急速な乾燥ができるようにする。
【0067】
本発明の乾燥室(10)においての空気の循環は、上記の実施例で説明した内容と同じで、ただ、マイクロ波を用いて被乾燥物の加熱が直接行われるようにすることで、マグネトロン(60)を駆動させるための電源が必要であり、乾燥室(10)の内部側にマイクロ波を遮断する遮断ユニットなどを完備していることが安全である。
【0068】
したがって、本発明は、マグネトロン(60)の駆動時に内部から熱が発生するため、空気による冷却が必要となり、マグネトロン(60)の冷却のために、マグネトロン(60)の内部に供給される冷却用の空気を、乾燥室(10)から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出させることにより、マグネトロン(60)からの排熱を回収して乾燥に活用しエネルギーを節約することができる。
【符号の説明】
【0069】
10:乾燥室 10a:換気流動通路
10b:給気流動通路
11:給気口 12:排気口
1−N,2−N,20:給気ファン
30:加熱手段 40:ベイン(Vane)
50:コンベヤー 51:遮断板
60:マグネトロン 61:導波管
70:冷却除湿器 75:乾燥台
80:2方向ダンパー 81:2方向風量調節ダンパー
100,101:排熱回収熱交換装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を乾燥させる乾燥装置において、1つの乾燥室(10)を複数個のゾーンで構成し、それぞれのゾーンには、排熱回収熱交換装置(100)(101)をそれぞれ設置し、
前記それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)で熱交換が行われた給気(SA)は、乾燥室(10)とつながるように設置された給気ファン(1−1)(2−1)に供給されており、前記給気ファン(1−1)(2−1)で吸引供給される空気は、加熱手段(30)によって加熱された後、乾燥室(10)の内の被乾燥物を乾燥させてから、再び隣接する給気ファン(1−2)(2−2)により供給されており、前記給気ファン(1−2)(2−2)に供給される空気は、上記のような方法で順次給気ファン(1−N)(2−N)まで、循環供給され乾燥が行われた後、それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)を通じて排出されることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項2】
請求項1において、前記1つの排熱回収熱交換装置(100)が設置された乾燥区域であるゾーンには、乾燥室(10)とつながっている複数個の給気ファン(1−1)ないし(1−N)を設置し、それぞれの給気ファン(1−1)ないし(1−N)は、給気を乾燥室(10)に供給し、前記乾燥室(10)の排気口(12)から排出される換気(RA)を隣接する後段の給気ファンの給気口(11)に循環させることを特徴とする排熱の回収方式の乾燥装置。
【請求項3】
請求項1において、前記乾燥室(10)のコンベヤー(50)は、一段や多段に設置されて移動し、被乾燥物を乾燥させ、前記のコンベヤー(50)の一定の領域で分けられたゾーンには、排熱回収熱交換装置を設置して、それぞれのゾーンごとに乾燥が行われることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項4】
請求項1において、前記乾燥室(10)の被乾燥物を直接加熱するために、マグネトロン(60)で発生させたマイクロ波を、導波管(61)を通じて乾燥室(10)の内部に供給して被乾燥物の加熱が行われるようにすることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項5】
請求項4において、前記マグネトロン(60)の内部を冷却させた冷却空気は、乾燥室(10)から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出されることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4において、前記乾燥室(10)内にはコンベヤー(50)が移動する方向に空気の流れを遮断する遮断板(51)をコンベヤー(50)の上部と下部に設置し、前記の遮断版(51)は、被乾燥物の移動とコンベヤー(50)の移動に障害を与えないようにコンベヤー(50)から離れて設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4において、前記のそれぞれのゾーンにおいて給気ファン(1−1)により乾燥が行われた空気が排出される乾燥室(10)の排気口(12)と、前記の給気ファン(1−1)とすぐ隣接する給気ファン(1−2)の給気口(11)をつなげる換気流動通路(10a)を設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項4において、前記それぞれのゾーン内のそれぞれの給気ファンと、それぞれの加熱手段(30)と、それぞれの乾燥室(10)とをつなげる給気流動通路(10b)を設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項4において、前記の給気ファンで乾燥室(10)から排出される換気(RA)の一部を、2方向風量調節ダンパー(81)を作動させて排熱回収装置(100)を通過させずに給気(SA)側へ合流するようにすることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4において、乾燥室(10)から排出される換気(RA)の湿度が一定の値以下の場合は、換気(RA)は繰り返して乾燥室(10)の内部を循環し、換気(RA)の湿度が一定の値以上になると、排熱回収熱交換装置(100)を通じて換気(RA)の一部が外部に排出されながら、同時に給気(SA)が行われて前記の給気(SA)と換気(RA)が混合され、乾燥室(10)内部を循環しながら乾燥が行われることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項1】
被乾燥物を乾燥させる乾燥装置において、1つの乾燥室(10)を複数個のゾーンで構成し、それぞれのゾーンには、排熱回収熱交換装置(100)(101)をそれぞれ設置し、
前記それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)で熱交換が行われた給気(SA)は、乾燥室(10)とつながるように設置された給気ファン(1−1)(2−1)に供給されており、前記給気ファン(1−1)(2−1)で吸引供給される空気は、加熱手段(30)によって加熱された後、乾燥室(10)の内の被乾燥物を乾燥させてから、再び隣接する給気ファン(1−2)(2−2)により供給されており、前記給気ファン(1−2)(2−2)に供給される空気は、上記のような方法で順次給気ファン(1−N)(2−N)まで、循環供給され乾燥が行われた後、それぞれの排熱回収熱交換装置(100)(101)を通じて排出されることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項2】
請求項1において、前記1つの排熱回収熱交換装置(100)が設置された乾燥区域であるゾーンには、乾燥室(10)とつながっている複数個の給気ファン(1−1)ないし(1−N)を設置し、それぞれの給気ファン(1−1)ないし(1−N)は、給気を乾燥室(10)に供給し、前記乾燥室(10)の排気口(12)から排出される換気(RA)を隣接する後段の給気ファンの給気口(11)に循環させることを特徴とする排熱の回収方式の乾燥装置。
【請求項3】
請求項1において、前記乾燥室(10)のコンベヤー(50)は、一段や多段に設置されて移動し、被乾燥物を乾燥させ、前記のコンベヤー(50)の一定の領域で分けられたゾーンには、排熱回収熱交換装置を設置して、それぞれのゾーンごとに乾燥が行われることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項4】
請求項1において、前記乾燥室(10)の被乾燥物を直接加熱するために、マグネトロン(60)で発生させたマイクロ波を、導波管(61)を通じて乾燥室(10)の内部に供給して被乾燥物の加熱が行われるようにすることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項5】
請求項4において、前記マグネトロン(60)の内部を冷却させた冷却空気は、乾燥室(10)から排出される換気(RA)と一緒に排熱回収熱交換装置(100)を通じて排出されることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4において、前記乾燥室(10)内にはコンベヤー(50)が移動する方向に空気の流れを遮断する遮断板(51)をコンベヤー(50)の上部と下部に設置し、前記の遮断版(51)は、被乾燥物の移動とコンベヤー(50)の移動に障害を与えないようにコンベヤー(50)から離れて設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4において、前記のそれぞれのゾーンにおいて給気ファン(1−1)により乾燥が行われた空気が排出される乾燥室(10)の排気口(12)と、前記の給気ファン(1−1)とすぐ隣接する給気ファン(1−2)の給気口(11)をつなげる換気流動通路(10a)を設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項4において、前記それぞれのゾーン内のそれぞれの給気ファンと、それぞれの加熱手段(30)と、それぞれの乾燥室(10)とをつなげる給気流動通路(10b)を設置することを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項4において、前記の給気ファンで乾燥室(10)から排出される換気(RA)の一部を、2方向風量調節ダンパー(81)を作動させて排熱回収装置(100)を通過させずに給気(SA)側へ合流するようにすることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4において、乾燥室(10)から排出される換気(RA)の湿度が一定の値以下の場合は、換気(RA)は繰り返して乾燥室(10)の内部を循環し、換気(RA)の湿度が一定の値以上になると、排熱回収熱交換装置(100)を通じて換気(RA)の一部が外部に排出されながら、同時に給気(SA)が行われて前記の給気(SA)と換気(RA)が混合され、乾燥室(10)内部を循環しながら乾燥が行われることを特徴とする排熱回収方式の乾燥装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−220661(P2011−220661A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189828(P2010−189828)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(510231628)エー アンド イー インコーポレイテッド (1)
【出願人】(510231639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(510231628)エー アンド イー インコーポレイテッド (1)
【出願人】(510231639)
【Fターム(参考)】
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