説明

探索対象物探索装置

【課題】探索対象物との距離を精度良く割り出すことができるようにする。
【解決手段】探索対象物に設けられた探索対象物側装置1〜5から、到達距離の異なる5種類の電波21a〜21eを送信させる。各電波21a〜21eの到達距離が5m、10m、15m、20m、25mであり、探索装置10が到達距離25mの電波21eと到達距離20mの電波21dと到達距離15mの電波21cとを受信している場合、受信した電波の種類を報知するレベルメータ16により、探索者が探索対象物から10m以上15m以内の位置にいることが報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探索対象物の所在を探索する探索対象物探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、テレビのリモコンやメガネ等、日常生活で多用する物品の置き場所が分からなくなり、探し回ることがある。また、押入れ等にしまっておいた物品を久々に使用したいときに、何処にしまっておいたのか忘れていて、探し回ることがある。そこで、このような探索対象物を容易に見つけ出すことができるような発明が種々提案されている。
【0003】
特許文献1には、テレビ等に設けられたスイッチを押すと、所在の分からなくなっているリモコンに対して電波が発信され、この電波を受信したリモコンが発光したり、警報音を発することで、その所在を報知する発明が開示されている。これによれば、リモコンの発光や警報音を頼りにリモコンの所在を突き止めることができる。
【0004】
また、特許文献2には、電気/電子機器から電波信号又は光信号として発信された探索信号をリモコンが受信し、この探索信号が有するIDコードが自己のIDコードに合致した場合に、このリモコンに設けられたスピーカから警報を発することで、複数のリモコンが存在している場合であっても、所望のリモコンを探索することが可能な発明が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、財布やメガネなど複数の物品の各々に報知器を設け、送信機から各物品に対応する電波を送信して、所望の物品に設けられた報知器から音または光を発生させることで、1台の送信機で複数の物品の探索が可能な紛失物探知装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、多数の車両が駐車される駐車場に駐車された車両のエンジンが停止されると、車両に搭載された送信機が起動されて信号電波の送信を開始し、この信号電波を受信した受信機が、この信号電波の電界強度に基づいて車両との距離や車両が存在する方向を割り出す車両探索システムが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−165267号公報
【特許文献2】特開2002−345054号公報
【特許文献3】実用新案登録第3094517号公報
【特許文献4】特開平10−232999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1乃至3の発明は、単一の報知音を聴いて、その音量の大小により探索対象物が近くにあるのか遠くにあるのかを人間が判断するものであり、探索対象物との距離を割り出す精度に限界があった。また、特許文献4の発明は、単一の信号電波の電解強度に基づいて車両との距離を割り出しているが、信号電波が微弱なために分解能が低く、車両との距離を割り出す精度に限界があった。
【0009】
本発明の目的は、探索対象物との距離を精度良く割り出すことが可能な探索対象物探索装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
本発明の探索対象物探索装置は、探索対象物に設けられ、到達距離の異なる複数の電波を送信する送信手段を有する探索対象物側装置と、前記複数の電波を受信可能な受信手段と、前記受信手段が受信した電波の種類を報知する報知手段と、を有する携帯可能な探索装置と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、到達距離の異なる複数の電波のうち、受信手段が受信した電波の種類が報知されるから、例えば、到達距離が5m、10m、15m、20m、25mの5種類の電波が探索対象物側装置から送信されており、探索装置が到達距離25mの電波のみを受信していることが報知されると、探索者が探索対象物から20m以上25m以内の位置にいることが分かり、探索装置が到達距離25mの電波と到達距離20mの電波とを受信していることが報知されると、探索者が探索対象物から15m以上20m以内の位置にいることが分かるといったように、探索者と探索対象物との距離を精度良く割り出すことができる。
【0012】
また、本発明の探索対象物探索装置において、前記探索装置は、外部からの操作に応じて前記探索対象物側装置に対して前記電波の送信の開始を指令する開始指令信号を送信する信号送信手段を有し、前記探索対象物側装置は、前記開始指令信号を受信する信号受信手段と、前記開始指令信号が受信されるまでの間、前記複数の電波の送信を停止する一方、前記信号受信手段が前記開始指令信号を受信可能な待機状態に前記探索対象物側装置を保持する保持手段と、前記開始指令信号が受信されたことに応じて、前記待機状態に保持されていた前記探索対象物側装置を前記送信手段から前記複数の電波の送信を行う送信状態に切り替える切替手段と、を有していてよい。
【0013】
上記の構成によれば、開始指令信号が受信されたことに応じて、待機状態に保持されていた探索対象物側装置が送信手段から複数の電波の送信を行う送信状態に切り替えられるから、開始指令信号を受信するまでの間、探索対象物側装置からの複数の電波の送信を停止することによって、探索対象物側装置の消費電力を抑えることができる。
【0014】
また、本発明の探索対象物探索装置において、前記探索対象物側装置が複数存在し、各探索対象物側装置は固有の識別情報を判別する判別手段を有し、前記探索装置の前記信号送信手段は、各探索対象物側装置に対応する識別情報を有する前記開始指令信号を送信してよい。上記の構成によれば、探索装置の信号送信手段は各探索対象物側装置に対応する識別情報を有する開始指令信号を送信するから、識別情報を使い分けることによって、一の探索装置で複数の探索対象物側装置の各々の位置を探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図1ないし図4に基づいて以下に説明する。
【0016】
(探索対象物探索装置50の機械的構成)
本実施の形態にかかる探索対象物探索装置50は、図1に示すように、5種類の電波21a〜21eを送信可能な5台の探索対象物側装置1〜5と、各電波21a〜21eを受信可能な探索装置10とから構成されている。探索対象物側装置1〜5は、探索対象物、例えばテレビのリモコンやメガネ等に貼着可能な大きさにされており、探索対象物に貼着されるか、探索対象物の近傍に設置される。探索対象物側装置1〜5は、例えば、内蔵したバッテリーにより駆動される。一方、探索装置10は探索者によって携帯されて、移動される。なお、本実施の形態においては、1台の探索装置10に対して5台の探索対象物側装置1〜5が設けられているが、探索対象物側装置の台数はこれに限定されるものではない。
【0017】
各探索対象物側装置1〜5は、その筐体に図示しないアンテナを備えており、探索装置10から送信された後述する開始指令信号を受信し、この開始指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報に一致した場合に、アンテナを介して各電波21a〜21eの送信を開始するようにされている。即ち、各探索対象物側装置1〜5は、自己に固有の識別情報を有する開始指令信号を受信するまでの間は、各電波21a〜21eの送信を停止して、探索装置10から送信されてくる開始指令信号を受信可能な待機状態に保持されており、自己に固有の識別情報を有する開始指令信号を受信すると、各電波21a〜21eの送信を行う送信状態に切り替えられる。図1においては、探索対象物側装置1,2,4,5が待機状態に保持されて各電波21a〜21eの送信を停止しており、探索対象物側装置3が送信状態となって各電波21a〜21eを送信している様子を図示している。このように、開始指令信号を受信するまでの間、探索対象物側装置1〜5からの各電波21a〜21eの送信を停止することによって、探索対象物側装置1〜5の消費電力を抑えることができる。
【0018】
また、各探索対象物側装置1〜5は、探索装置10から送信された後述する停止指令信号を受信し、この停止指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報に一致した場合に、送信中の各電波21a〜21eの送信を停止するようにされている。即ち、各探索対象物側装置1〜5は、自己に固有の識別情報を有する停止指令信号を受信すると、送信状態から待機状態となる。
【0019】
各探索対象物側装置1〜5が送信する5種類の電波21a〜21eは、出力レベルの強弱により到達距離が夫々異なる。本実施の形態においては、電波21aは出力レベルが最も弱く、到達距離は5mである。電波21bは電波21aよりも出力レベルが強く、到達距離は10mである。電波21cは電波21bよりも出力レベルが強く、到達距離は15mである。電波21dは電波21cよりも出力レベルが強く、到達距離は20mである。電波21eは出力レベルが最も強く、到達距離は25mである。なお、電波の数やその到達距離はこれに限定されるものではない。
【0020】
探索装置10は、図1に拡大して示すように、その筐体10aに5つの探索ボタン11〜15と、報知手段としてのレベルメータ16とを備えている。また、筐体10aにはアンテナ17が凸設されている。探索ボタン11は、探索対象物側装置1に対応しており、この探索ボタン11が押下されることで、探索対象物側装置1に対応する識別情報を有する開始指令信号又は停止指令信号が探索装置10から送信される。同様にして、探索ボタン12は探索対象物側装置2に対応しており、探索ボタン13は探索対象物側装置3に対応しており、探索ボタン14は探索対象物側装置4に対応しており、探索ボタン15は探索対象物側装置5に対応している。探索ボタン11〜15は、探索対象となる探索対象物側装置に応じて使い分けられる。このように、探索ボタン11〜15の使い分けにより、送信する開始指令信号を使い分けることによって、一の探索装置10で5台の探索対象物側装置1〜5の各々の位置を探索することができる。
【0021】
また、5つの探索ボタン11〜15は、透過性を有する材質で形成されているとともに、図示しないLEDランプを内蔵している。このLEDランプは、対応する探索ボタンが押下されて、開始指令信号が探索装置10から送信されると点灯され、探索が行われている間中点灯される。そして、対応する探索ボタンが再び押下されて、停止指令信号が探索装置10から送信されると消灯される。このように、LEDランプの点灯により、どの探索対象物側装置1〜5が現在の探索対象であるのか、即ち、現在の探索対象物が何であるのかが分かるようにされている。図1においては、探索対象が探索対象物側装置3であり、探索ボタン13がLEDランプにより点灯されている様子を図示している。
【0022】
レベルメータ16は、探索装置10が受信した電波の種類に応じて制御される。探索装置10が探索対象である探索対象物側装置の圏外、つまり、探索対象である探索対象物側装置から25m以上離れた位置に位置している場合、探索装置10は各電波21a〜21eのいずれも受信しないから、レベルメータ16の表示は行なわれない。一方、探索装置10が探索対象である探索対象物側装置から20m以上25m以内の位置に位置している場合、探索装置10は電波21eのみを受信するから、レベルメータ16は25mと付記されている目盛りまで表示される。つまり、レベルメータ16の表示によって電波21eを受信していることが報知される。また、探索装置10が探索対象である探索対象物側装置から5m以内の位置に位置している場合、探索装置10は各電波21a〜21eの全てを受信するから、レベルメータ16は5mと付記されている目盛りまで表示される。つまり、レベルメータ16の表示によって各電波21a〜21eの全てを受信していることが報知される。図1においては、探索装置10が電波21c,21d,21eを受信することにより、レベルメータ16が15mと付記されている目盛りまで表示されている様子を図示している。
【0023】
このように、レベルメータ16の表示によって受信した電波の種類が報知されるから、例えば、図1に示すように、15mと付記されている目盛りまでレベルメータ16が表示されると、探索装置10が、到達距離が25mの電波21eと到達距離が20mの電波21dと到達距離が15mの電波21cとを受信しており、探索者が探索対象物から10m以上15m以内の位置にいることが分かる。これにより、探索者と探索対象物との距離を精度良く割り出すことができる。
【0024】
(探索対象物探索装置50の電気的構成)
次に、図2を用いて、探索対象物探索装置50の電気的構成について説明する。
【0025】
各探索対象物側装置1〜5は、送信手段および信号受信手段としての制御部31、復変調部32、送受信部33およびアンテナ34を備えている。制御部31は、探索装置10から送信された開始指令信号を受信し、この開始指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報と一致した場合に、出力レベルの強弱により到達距離が異なる5種類の電波21a〜21eを発生させる。即ち、探索対象物側装置を待機状態から送信状態に切り替える。また、制御部31は、探索装置10から送信された停止指令信号を受信し、この停止指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報と一致した場合に、5種類の電波21a〜21eの送信を停止させる。即ち、探索対象物側装置を送信状態から待機状態に切り替える。
【0026】
復変調部32は、各電波21a〜21eを変調する一方、探索装置10から送信されてきた開始指令信号や停止指令信号を復調する。送受信部33は、復変調部32で変調されたデジタル符号からなる各電波21a〜21eをアナログ符号に変換して、アンテナ34を介して送信する一方、探索装置10から送信されてきたアナログ符号からなる開始指令信号や停止指令信号をアンテナ34を介して受信して、デジタル符号に変換する。
【0027】
探索装置10は、受信手段としての制御部41、復変調部42、送受信部43およびアンテナ17を備えている。また、制御部41、復変調部42、送受信部43、アンテナ17とともに信号送信手段を構成する入出力部44および探索ボタン11〜15や、報知手段としてのレベルメータ16、および、これを制御するレベルメータ制御部45を備えている。
【0028】
制御部41は、入出力部44に入力された探索ボタン11〜15からの入力信号を入出力部44から受け取ると、その探索ボタンに対応する識別情報を有する開始指令信号又は停止指令信号を発生させる。また、制御部41は、入力信号の発生源の探索ボタンに内蔵されているLEDランプを点灯・消灯させる信号を入出力部44に出力することにより、入力信号の発生源の探索ボタンに内蔵されているLEDランプを点灯・消灯させる。また、制御部41は、復変調部42から入力された電波が5種類の電波21a〜21eのいずれを含んでいるかを解析し、その情報をレベルメータ制御部45に出力する。
【0029】
復変調部42は、開始指令信号や停止指令信号を変調する一方、探索対象物側装置1〜5から送信されてきた各電波21a〜21eを復調する。送受信部43は、復変調部42で変調されたデジタル符号からなる開始指令信号や停止指令信号をアナログ符号に変換して、アンテナ17を介して送信する一方、探索対象物側装置1〜5から送信されてきたアナログ符号からなる各電波21a〜21eをアンテナ17を介して受信して、デジタル符号に変換する。レベルメータ制御部45は、制御部41が解析した電波の情報に基づいて、レベルメータ16を制御する。
【0030】
(探索対象物探索装置50の動作)
上記の構成において、図3に示す探索対象物側装置側メインルーチン、及び、図4に示す探索装置側メインルーチンを参照して、探索対象物探索装置50の動作について説明する。
【0031】
(探索対象物側装置1〜5の動作:探索対象物側装置側メインルーチン)
まず、各探索対象物側装置1〜5の制御部31の制御動作について、図3に示す探索対象物側装置側メインルーチンを参照して説明する。図3において、初めに、制御部31は、開始指令信号を受信したか否かを判定する(A1)。開始指令信号を受信していない場合には(A1:NO)、A1を繰り返すことにより開始指令信号の受信待ちの状態となり、待機状態に保持される。開始指令信号を受信した場合には(A1:YES)、その開始指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報に一致するか否かを判定する(A2)。識別情報が一致しない場合には(A2:NO)、A1に戻る。識別情報が一致した場合には(A2:YES)、待機状態から送信状態に切り替えて、到達距離が異なる5種類の電波21a〜21eを送信させる(A3)。このように、開始指令信号を受信するまでの間、探索対象物側装置1〜5からの各電波21a〜21eの送信を停止することによって、探索対象物側装置1〜5の消費電力を抑えることができる。
【0032】
続いて、制御部31は、停止指令信号を受信したか否かを判定する(A4)。停止指令信号を受信していない場合には(A4:NO)、A3を繰り返すことにより各電波21a〜21eの送信を継続させる。停止指令信号を受信した場合には(A4:YES)、その停止指令信号が有する識別情報が自己に固有の識別情報に一致するか否かを判定する(A5)。識別情報が一致しない場合には(A5:NO)、A3に戻る。識別情報が一致した場合には(A5:YES)、各電波21a〜21eの送信を停止させて(A6)、A1に戻る。
【0033】
(探索装置10の動作:探索装置側メインルーチン)
次に、図4に示す探索装置側メインルーチンを参照して、探索装置10の制御部41の制御動作について説明する。図4において、まず、制御部41は、探索ボタン11〜15のいずれかが押下されたか否かを判定する(B1)。探索ボタン11〜15のいずれもが押下されなければ(B1:NO)、B1を繰り返すことにより探索ボタン11〜15の押下待ちの状態となる。探索ボタン11〜15のいずれかが押下されると(B1:YES)、押下された探索ボタンを、この探索ボタンに内蔵されたLEDランプにより点灯させ(B2)、押下された探索ボタンに対応する識別情報を有する開始指令信号を送信させる(B3)。このように、探索ボタン11〜15の使い分けにより、送信する開始指令信号を使い分けることによって、一の探索装置10で5台の探索対象物側装置1〜5の各々の位置を探索することができる。
【0034】
続いて、制御部41は、各電波21a〜21eを受信したか否かを判定する(B4)。各電波21a〜21eを受信すると(B4:YES)、受信した電波の種類に応じてレベルメータ16を制御する(B5)。
【0035】
ここで、例えば、図1に示すように、15mと付記されている目盛りまでレベルメータ16が表示されると、探索装置10が、到達距離が25mの電波21eと到達距離が20mの電波21dと到達距離が15mの電波21cとを受信しており、探索者が探索対象物から10m以上15m以内の位置にいることが分かる。これにより、探索者と探索対象物との距離を精度良く割り出すことができる。
【0036】
B4において、各電波21a〜21eを受信しないか(B4:NO)、B5の処理の後に、点灯する探索ボタンが押下されたか否かを判定する(B6)。点灯する探索ボタンが押下されなければ(B6:NO)、B4に戻る。点灯する探索ボタンが押下されると(B6:YES)、押下された探索ボタンに内蔵されたLEDランプを消灯させることで、押下された探索ボタンを消灯させ(B7)、押下された探索ボタンに対応する識別情報を有する停止指令信号を送信させる(B8)。その後、B1に戻る。
【0037】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態の探索対象物探索装置50は、探索対象物(リモコン等)に設けられ、到達距離の異なる複数の電波(電波21a〜21e等)を送信する送信手段(制御部31、復変調部32、送受信部33、アンテナ34等)を有する探索対象物側装置1〜5と、複数の電波を受信可能な受信手段(制御部41、復変調部42、送受信部43、アンテナ17等)と、受信手段が受信した電波の種類を報知する報知手段(レベルメータ16、レベルメータ制御部45等)と、を有する携帯可能な探索装置10と、を有する構成にされている。
【0038】
上記の構成によれば、到達距離の異なる複数の電波のうち、受信手段が受信した電波の種類が報知されるから、例えば、到達距離が5m、10m、15m、20m、25mの5種類の電波が探索対象物側装置1〜5から送信されており、探索装置10が到達距離25mの電波のみを受信していることが報知されると、探索者が探索対象物から20m以上25m以内の位置にいることが分かり、探索装置10が到達距離25mの電波と到達距離20mの電波とを受信していることが報知されると、探索者が探索対象物から15m以上20m以内の位置にいることが分かるといったように、探索者と探索対象物との距離を精度良く割り出すことができる。
【0039】
また、本発明の探索対象物探索装置50において、探索装置10は、外部からの操作に応じて探索対象物側装置1〜5に対して電波の送信の開始を指令する開始指令信号を送信する信号送信手段(制御部41、復変調部42、送受信部43、アンテナ17、入出力部44、探索ボタン11〜15等)を有し、探索対象物側装置1〜5は、開始指令信号を受信する信号受信手段(制御部31、復変調部32、送受信部33、アンテナ34)と、開始指令信号が受信されるまでの間、複数の電波の送信を停止する一方、信号受信手段が開始指令信号を受信可能な待機状態に探索対象物側装置1〜5を保持する保持手段(制御部31等)と、開始指令信号が受信されたことに応じて、待機状態に保持されていた探索対象物側装置1〜5を送信手段から複数の電波の送信を行う送信状態に切り替える切替手段(制御部31等)と、を有する構成にされている。
【0040】
上記の構成によれば、開始指令信号が受信されたことに応じて、待機状態に保持されていた探索対象物側装置1〜5が送信手段から複数の電波の送信を行う送信状態に切り替えられるから、開始指令信号を受信するまでの間、探索対象物側装置1〜5からの複数の電波の送信を停止することによって、探索対象物側装置1〜5の消費電力を抑えることができる。
【0041】
また、本発明の探索対象物探索装置50において、探索対象物側装置1〜5が複数存在し、各探索対象物側装置1〜5は固有の識別情報を判別する判別手段(制御部31等)を有し、探索装置10の信号送信手段は、各探索対象物側装置1〜5に対応する識別情報を有する開始指令信号を送信する構成にされている。上記の構成によれば、探索装置10の信号送信手段は各探索対象物側装置1〜5に対応する識別情報を有する開始指令信号を送信するから、識別情報を使い分けることによって、一の探索装置10で複数の探索対象物側装置1〜5の各々の位置を探索することができる。
【0042】
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、本実施の形態では、レベルメータ16により受信した電波の種類、つまり、探索対象物側装置1〜5のいずれかと探索装置10との相対距離が報知される構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、音声等を出力するスピーカにより、受信した電波の種類が報知される構成であってもよい。
【0043】
なお、本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の趣旨と範囲から逸脱することのない様々な実施の形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施の形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施の形態に係る探索対象物探索装置の模式図。
【図2】探索対象物側装置および探索装置の回路の構成を示すブロック図。
【図3】探索対象物側装置側メインルーチンのフローチャートを示す図。
【図4】探索装置側メインルーチンのフローチャートを示す図。
【符号の説明】
【0045】
1〜5 探索対象物側装置
10 探索装置
16 レベルメータ
17 アンテナ
21a〜21e 電波
31 制御部
32 復変調部
33 送受信部
34 アンテナ
41 制御部
42 復変調部
43 送受信部
45 レベルメータ制御部
50 探索対象物探索装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索対象物に設けられ、到達距離の異なる複数の電波を送信する送信手段を有する探索対象物側装置と、
前記複数の電波を受信可能な受信手段と、
前記受信手段が受信した電波の種類を報知する報知手段と、
を有する携帯可能な探索装置と、
を有することを特徴とする探索対象物探索装置。
【請求項2】
前記探索装置は、外部からの操作に応じて前記探索対象物側装置に対して前記電波の送信の開始を指令する開始指令信号を送信する信号送信手段を有し、
前記探索対象物側装置は、
前記開始指令信号を受信する信号受信手段と、
前記開始指令信号が受信されるまでの間、前記複数の電波の送信を停止する一方、前記信号受信手段が前記開始指令信号を受信可能な待機状態に前記探索対象物側装置を保持する保持手段と、
前記開始指令信号が受信されたことに応じて、前記待機状態に保持されていた前記探索対象物側装置を前記送信手段から前記複数の電波の送信を行う送信状態に切り替える切替手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の探索対象物探索装置。
【請求項3】
前記探索対象物側装置が複数存在し、
各探索対象物側装置は固有の識別情報を判別する判別手段を有し、
前記探索装置の前記信号送信手段は、各探索対象物側装置に対応する識別情報を有する前記開始指令信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の探索対象物探索装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−327859(P2007−327859A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159473(P2006−159473)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】