説明

接合構造

【課題】アルミニウム合金部材とコンクリート部材との接合構造であって、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との間に介設されるセメント系充填材によるアルミニウム合金部材の腐食を防ぐことが可能な接合構造を提供することを課題とする。
【解決手段】アルミニウム合金部材2とコンクリート部材1との接合構造であって、アルミニウム合金部材2とコンクリート部材1との間に、低熱ポルトランドセメントを混練した充填材Jを介在させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金部材とコンクリート部材を圧着させる場合の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート部材と鋼材とを摩擦力を介して一体化させるように両者間に圧着力を加え、圧着させた状態で接合させる接合構造であって、両者間にモルタルやグラウト材などのセメント系充填材を介在させた接合構造が知られている。このような接合構造においては、充填材によってコンクリート部材と鋼材との一体化が図られ、鋼材と充填材との摩擦力を介して、せん断力が伝達される。
【0003】
近年では、鋼材に代えてアルミニウム合金部材を使用する事例が増えているが、アルミニウム合金部材をセメント系充填材と組み合わせて使用すると、セメント中に含まれるアルカリ分によって、アルミニウム合金部材が腐食する虞があり、さらには、腐食する際に発生する水素によって、充填材が劣化する虞がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】庄司耕平、他5名,アルミニウム合金を用いた建築構造に関する研究(その32)ベースプレートとモルタル間のすべり実験,2000年度大会(東北)学術講演梗概集,社団法人日本建築学会,2000年7月31日,p.999〜1000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示されているように、アルミニウム合金部材の接触面(充填材と接触する面)に絶縁塗料を塗布することで、アルミニウム合金部材の腐食を防ぐことができるが、塗膜の存在によって、アルミニウム合金部材と充填材との付着力が低下する虞がある。
【0006】
このような観点から、本発明は、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との接合構造であって、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との間に介設されるセメント系充填材によるアルミニウム合金部材の腐食を防ぐことが可能な接合構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決する本発明は、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との接合構造であって、前記アルミニウム合金部材と前記コンクリート部材との間に、低熱ポルトランドセメントを混練してなる充填材を介在させることを特徴とする。
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、低熱ポルトランドセメントであれば、セメント系材料でありながらも、アルミニウム合金の腐食(水素の発生)を抑制することができることを見出し、本発明を創案するに至った。すなわち、本発明によれば、アルミニウム合金部材の腐食が抑制され、その結果、充填材の劣化が抑制される。
【0009】
前記アルミニウム合金部材の表面のうち、少なくとも前記充填材と接触する接触面に、アルミニウム合金に塗装を施す際の前処理として行われる塗装下地処理を施すと、アルミニウム合金部材の腐食をより抑制することが可能となる。とりわけ、塗装下地処理をクロメート処理とすると、アルミニウム合金部材の腐食を確実に抑制することが可能となり、さらには、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との付着力(摩擦耐力)を確実に高めることが可能となる。
【0010】
前記接触面に粗面加工を施すと、アルミニウム合金部材と充填材との付着力を高めることが可能となる。なお、粗面加工後における前記接触面の表面粗さRzは、100μm以上とすることが望ましい。ここで、「Rz」は、JIS B 0601−2001に規定されている「最大高さ」である。
【0011】
また、前記接触面に、複数の凹部を形成すると、凹部に入り込んだ充填材によって、シアキーが形成されることになるので、アルミニウム合金部材と充填材との付着力を高めることが可能となる。とくに、前記凹部の深さ寸法を前記充填材に含まれる細骨材の最大粒径の2倍以上にすると、細骨材自身のせん断強度を有効に活用することが可能となる。前記凹部の直径を前記細骨材の最大粒径の4倍以上10倍以下にすることでも、細骨材自身のせん断強度を有効に活用することが可能となる。
【0012】
複数の凹部の開口面積の合計と接触面の面積との比率に制限はないが、複数の前記凹部の開口面積の合計を、前記接触面の面積の35%以上50%以下とすることが望ましい。このようにすると、細骨材自身のせん断強度を有効に活用することが可能となる。
【0013】
凹部の形成方法に制限はないが、前記アルミニウム合金部材を、基部と、当該基部に固着された有孔板とで構成し、前記有孔板に形成された透孔によって、前記凹部を形成するとよい。このようにすると、簡単且つ安価に凹部を形成することができる。
【0014】
既存建物の柱、梁、壁などにより構成される架構(既存架構)の剛性と耐力とを向上させるために、アルミニウム合金製の補強部材を既存架構に付設する場合があるが、かかる場合には、前記充填材を介して前記補強部材を既存架構に接合するとよい。このようにすると、アルミニウム合金部材である補強部材と既存架構(コンクリート部材)との摩擦耐力を高めることが可能となるので、例えば耐震補強を必要とする建物における既存架構の保有耐力を効率よく増大させることが可能となる。また、補強部材を比強度の高いアルミニウム合金製とすれば、既存建物の自重の増加を抑制しつつ既存架構の保有耐力を増大させることが可能となる。なお、前記接触面は、例えば、前記補強部材を構成するベースプレートに設ければよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る接合構造によると、アルミニウム合金部材をセメント系の充填材を介してコンクリート部材に接合する場合であっても、アルミニウム合金部材の腐食を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態に係る接合構造は、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との接合構造であって、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との間に、低熱ポルトランドセメントを混練してなる充填材を介在させた接合構造である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態では、「コンクリート部材」が、耐震補強を必要とする建物の既存架構1であり、「アルミニウム合金部材」が、既存架構1の保有耐力を増大させるための補強部材2である場合を例示するが、本発明に係るアルミニウム合金部材およびコンクリート部材の形態や構造形式を限定する趣旨ではない。
【0018】
既存架構1は、鉄筋コンクリート製の柱と梁とにより構成されており、矩形枠状を呈している。
【0019】
補強部材2は、既存架構1の構面に沿って配置されるブレース21と、このブレース22の両端部に設けられたブラケット22,22と、ブレース21とブラケット22とを連結するための連結ピン23とを備えて構成されている。
【0020】
ブレース21は、両端部に接続端部21a,21aを備えている。接続端部21aは、図2にも示すように、ブラケット22の後記するリブ22bに接続される部位であり、本実施形態では、対向配置された一対の板材からなる。
【0021】
ブラケット22は、耐圧板となるベースプレート22aと、このベースプレート22aの一方の面に突設されたリブ22bとを備えて構成されている。ベースプレート22aの他方の面は、図2に示すように、充填材Jに接触する接触面Sであり、既存架構1の表面と間隔をあけて対峙している。
【0022】
なお、ブラケット22は、充填材Jに圧着されている。本実施形態では、既存架構1に貫設した棒材3に緊張力を与えつつ、既存架構1を挟んで対向するブラケット22と定着部材4とに棒材3を定着することで、ブラケット22を充填材Jに圧着させている。棒材3は、両端部に雄ねじが形成されたPC鋼棒からなる。
【0023】
接触面Sには、粗面加工が施されている。粗面加工は、例えば、機械的前処理法(サンドブラスト法、型付け法、ブラッシ法など)によって行えばよい。接触面Sの模様(仕上り形式)は、方向性のある筋模様でも、無方向性模様あってもよい。接触面Sの表面粗さRzは、100μm以上であることが望ましい。
【0024】
また、接触面Sには、アルミニウム合金用の塗装下地処理が施されている。塗装下地処理は、粗面加工後に行い、塗装下地処理で形成された皮膜上に塗料等は塗布しない。塗装下地処理には、クロメート処理(クロム塩酸系の化学皮膜法)などの化学皮膜法のほか、陽極酸化皮膜法が含まれる。なお、塗装下地処理は、アルミニウム合金部材の表面に塗装を施す際の前処理として行うのが通常であるが、本実施形態では、塗装の前処理としてではなく、アルカリ性の充填材Jによる腐食(水素の発生)を防ぐための一手段として行っている。
【0025】
充填材Jは、JIS R 5210に規定された低熱ポルトランドセメント(水和熱抑制型セメント)を混練したものである。低熱ポルトランドセメントは、ビーライトと呼ばれるケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)の含有率が40%以上のセメントであり、下記(1),(2)に示す水和反応から分かるように、エーライトと呼ばれるケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)を多く含む普通ポルトランドセメントよりも、水和反応によって生成される水酸化カルシウム(Ca(OH)2)量が少ない。
低熱ポルトランドセメント:2(2CaO・SiO2) + 4H2O
→ 3CaO・2SiO2・3H2O + Ca(OH)2 …(1)
普通ポルトランドセメント:2(3CaO・SiO2)+ 6H2O
→ 3CaO・2SiO2・3H2O + 3Ca(OH)2 …(2)
【0026】
なお、低熱ポルトランドセメントを含むものであれば、充填材Jの配合・性状等に制限はない。例えば、低熱ポルトランドセメントと水とを混練してなるセメントミルク若しくはセメントペーストを充填材Jとしてもよいし、低熱ポルトランドセメントと細骨材と水とを混練してなるモルタル(より好ましくは、膨張剤を混練してなる無収縮モルタル)を充填材Jとしてもよい。
【0027】
以上のような構成の接合構造を構築するには、耐震補強すべき既存架構1から離間させてブラケット22を配置するとともに、既存架構1と接触面Sとに形成された隙間をブラケット22の周囲に配置した図示せぬ型枠等で閉塞したうえで、未だ固まらない状態の充填材Jを前記した隙間に注入し、既存架構1と接触面Sとに充填材Jを密着させた状態で、充填材Jを硬化させればよい。その後、連結ピン23を介してブレース21をブラケット22に接続すると、既存架構1の耐震補強が完了する。なお、充填材Jが硬化するまでは、ブラケット22、既存架構1および定着部材4に貫設した棒材3を利用してブラケット22を所定位置に保持し、充填材Jの硬化後に、PC鋼棒等の棒材3の両端に螺着したナットを増し締めすることで、ブラケット22を充填材Jに圧着する。
【0028】
ところで、未だ固まらないセメント系材料にアルミニウム合金を接触させると、一般的に、セメントの水和反応により生成された水酸化カルシウム(Ca(OH)2)によって下記(3)の腐食反応が進行し、水素が生成されることになるので、セメント系材料中に残留した水素によってセメント系材料の組織がポーラスな状態(脆弱な状態)になる虞があるが、本実施形態では、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が生成され難い低熱ポルトランドセメントを混練してなる充填材Jを使用しているので、普通ポルトランドセメントの場合よりも、水素の発生量を低減することが可能となり、ひいては、充填材Jの組織がポーラスな状態になることを防ぐことが可能となる。
2Al + 3Ca(OH)2 + 6H2O → 3CaO・Al2O3・6H2O + 3H2 …(3)
【0029】
すなわち、本実施形態に係る接合構造によれば、充填材Jに接触するベースプレート22a(アルミニウム合金部材)の腐食(水素の発生)が抑制されるので、充填材Jの組織が緻密になり、その結果、既存架構1とベースプレート22aとの摩擦耐力(付着強度)の低下を防ぐことが可能となる。
【0030】
しかも、本実施形態では、クロメート処理で形成された皮膜が充填材Jに接触することになるので、ベースプレート22aの腐食がより一層抑制されることになる。
【0031】
また、本実施形態では、接触面Sに粗面加工を施しているので、ベースプレート22aと充填材Jとの摩擦耐力(付着力)を高めることが可能となる。
【0032】
また、補強部材2が、鋼材より比強度の高いアルミニウム合金製であるので、既存建物の自重の増加を抑制しつつ既存架構1の保有耐力を増大させることが可能となる。
【0033】
なお、本実施形態では、「コンクリート部材」である既存架構1と「アルミニウム合部材」である補強部材2(より具体的にはベースプレート22a)との間に充填材Jを介在させた接合構造を例示したが、本発明の実施形態を限定する趣旨ではない。例えば、図示は省略するが、「コンクリート部材」である壁体と「アルミニウム合金部材」である支持ブラケットとの間に充填材Jを介在させた接合構造や、「コンクリート部材」である基礎やスラブと「アルミニウム合金部材」である柱材との間に充填材Jを介在させた接合構造なども本発明に含まれる。
【0034】
また、本実施形態では、アルミニウム合金部材(ブラケット22)をコンクリート部材(既存架構1)に対向させてから、アルミニウム合金部材とコンクリート部材との間に充填材Jを打設した場合を例示したが、これに限定されることはない。例えば、図示は省略するが、コンクリート部材上に充填材Jを打設してからアルミニウム合金部材を充填材Jに密着させ、密着状態を維持しつつ充填材Jを硬化させてもよい。
【0035】
また、図3の(a)および(b)に示すように、アルミニウム合金部材25の接触面Sに複数の凹部D,D,…を形成してもよい。このようにすると、充填材が凹部D,D,…に入り込み、シアキーが形成されることになるので、アルミニウム合金部材25と充填材との付着力がより一層高められることになる。
【0036】
ここで、図示した凹部Dは、切削加工により形成されたものであり、平面視円形を呈している。凹部Dの深さ寸法が、充填材に含まれる細骨材の最大粒径の2倍を下回ると、シアキーの効果が発揮され難くなるので、凹部Dの深さ寸法は、細骨材の最大粒径の2倍以上とすることが望ましい。
また、凹部Dの直径が、粗骨材の最大粒径の4倍を下回ると、凹部Dに充填材が入り込み難くなり、10倍を上回ると、シアキーの効果が発揮され難くなるので、凹部Dの直径は、細骨材の最大粒径の4倍以上10倍以下にするとよい。
凹部Dのピッチ(隣り合う凹部D,Dの中心間距離)xが凹部Dの直径dの2.0倍を超えると、シアキーの効果が発揮され難くなるので、1.0d<x≦2.0dとすることが望ましく、より好ましくは、1.0d<x≦1.5dとすることが望ましい。
【0037】
また、複数の凹部D,D,…の開口面積の合計は、接触面Sの面積の35%以上50%以下とすることが望ましい。このようにすることでも、細骨材自身のせん断強度を有効に活用することが可能となる。なお、図示のものは、複数の凹部D,D,…の開口面積の合計が、接触面Sの面積の40%になっている。
【0038】
なお、図4の(a)および(b)に示すアルミニウム合金部材26のように、有孔板26bに形成された透孔261,261,…を利用して凹部D,D,…を形成してもよい。アルミニウム合金部材26は、板状の基部26aと、この基部26aに固着された有孔板(所謂パンチングメタル)26bとで構成されている。材料調達が容易な有孔板26bを利用することで、切削加工によって凹部Dを形成する場合よりも、アルミニウム合金部材26の製作コストが安価になる。なお、有孔板26bは、溶接や接着等の手段により基部26aの一面に積層される。
【実施例】
【0039】
Al−Mg系(5000系)合金を圧延して得たアルミニウム合金部材とコンクリート部材との間に未だ固まらないセメント系充填材を介在させる実験を行って、水素が発生したか否か(すなわち、アルミニウム合金が腐食したか否か)を調査した。実験結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1の中の「充填材」の欄において、「低熱」とあるのは、セメント系充填材が低熱ポルトランドセメントを混練してなる無収縮モルタル(電気化学工業株式会社製「デンカプレタスコン(登録商標)Type-M」)であることを意味し、「普通」とあるのは、セメント系充填材が低熱タイプではない通常の無収縮モルタル(太平洋マテリアル株式会社製「太平洋プレユーロックス」)であることを意味する。なお、細骨材の最大粒径は、いずれの充填材も2mmである。
クロメート処理に用いたアルミニウム用処理剤は、日本ペイント株式会社製「アルサーフ(登録商標)1000」(皮膜重量:Cr5〜20mg/m2)または「アルサーフ(登録商標)1200」(皮膜重量:Cr50〜250 mg/m2)である。
アルミニウム合金部材の接触面は、いずれも圧延素地のままである。
【0042】
表1から分かるように、「普通」タイプの充填材を使用した比較例A,Bでは、クロメート処理の有無に係わらず、水素が発生したが、「低熱」タイプの充填材を使用したケースでは、クロメート処理が施されていないものでも、水素は発生しなかった。
【0043】
続いて、図5に示すように、コンクリート部材11とアルミニウム合金部材12とを充填材J’を介して接合するとともに、アルミニウム合金部材12を所定の圧着力Pで充填材J’に押し付けつつ、アルミニウム合金部材12と充填材J’との間にせん断力Qを付加し、アルミニウム合金部材12と充填材J’との間の静止摩擦係数μを求めた。なお、実験は、充填材J’が硬化した後に行った。表2に実験結果を示す。
【0044】
【表2】

【0045】
表2の中の「接触面の状態」の欄において、「粗面加工」とあるのは、圧延素地にグリッドブラスト処理を施したことを意味している。なお、粗面加工を施した場合の接触面の表面粗さRzは、100μmである。
また、「ディンプル」とあるのは、圧延素地に平面視円形の凹部Dを複数形成したことを意味している(図2参照)。凹部Dの直径は20mm、深さは5mm、開口率(=(凹部Dの開口面積の合計)/接触面Sの面積×100)は40%である。凹部Dのピッチ(隣り合う凹部D,Dの中心間距離)は30mmである。
なお、本実施例では、最大せん断力Qを圧着力Pで除した値(=Q/P)を静止摩擦係数μとしている。
【0046】
表2から分かるように、粗面加工を施したケース3および凹部Dを有するケース4の静止摩擦係数μは、圧延素地のものよりも大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る接合構造を説明するための正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(a)はアルミニウム合金部材の変形例を示す平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図4】(a)はアルミニウム合金部材の他の変形例を示す平面図、(b)は断面図である。
【図5】本発明の実施例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0048】
1 既存架構(コンクリート部材)
2 補強部材(アルミニウム合金部材)
3 (PC鋼棒等の)棒材
22a ベースプレート(アルミニウム合金部材)
25,26 アルミニウム合金部材
26a 基部
26b 有孔板
261 透孔
J 充填材
S 接触面
D 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金部材とコンクリート部材との接合構造であって、
前記アルミニウム合金部材と前記コンクリート部材との間に、低熱ポルトランドセメントを混練してなる充填材を介在させることを特徴とする接合構造。
【請求項2】
前記アルミニウム合金部材の表面のうち、少なくとも前記充填材と接触する接触面に、アルミニウム合金用の塗装下地処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の接合構造。
【請求項3】
前記塗装下地処理が、クロメート処理であることを特徴とする請求項2に記載の接合構造。
【請求項4】
前記接触面に、粗面加工が施されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の接合構造。
【請求項5】
前記接触面の表面粗さRzを、100μm以上としたことを特徴とする請求項4に記載の接合構造。
【請求項6】
前記接触面に、前記充填材に含まれる細骨材の最大粒径の2倍以上の深さ寸法を有する凹部が複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の接合構造。
【請求項7】
前記凹部の直径が前記細骨材の最大粒径の4倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項6に記載の接合構造。
【請求項8】
複数の前記凹部の開口面積の合計が、前記接触面の面積の35%以上50%以下であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の接合構造。
【請求項9】
前記アルミニウム合金部材は、基部と、当該基部に固着された有孔板とを備えており、
前記有孔板に形成された透孔によって、前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の接合構造。
【請求項10】
前記コンクリート部材が、建物の既存架構であり、
前記アルミニウム合金部材が、前記既存架構の保有耐力を増大させるための補強部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の接合構造。
【請求項11】
前記接触面が、前記補強部材を構成するベースプレートに設けられていることを特徴とする請求項10に記載の接合構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−79450(P2009−79450A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250923(P2007−250923)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(500538715)株式会社住軽日軽エンジニアリング (58)
【出願人】(591043905)株式会社建研 (3)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】