説明

接合装置

【課題】軸部材が接合基材に任意の角度で接合できる及び一種類の接合装置と軸部材で任意の形状の3角錐状単位架構の提供。
【解決手段】先端にボルト孔を設け、軸部材12とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルト13を接合基材14に接合し、これを必要な回転角度に定めて締め付ナット15で固定する。円盤状、部分球状等の接合基材14どうしを球体17を介してボルト18で接合する。構造ユニットどうしが接する位置、角度に巾を持たせるため、接合基材14間に17aのあきと接合基材どうしを接合するボルトの孔14aが大き目にあけられ、部分球状座金20が、ボルトの頭側とナット側に装着される。ヒンジ付プレート23を装着した軸先端部材25が軸管22にねじ接合される。軸先端部材の軸管からの突出長さを定めた後、締め付ナット26で固定する。軸管を木材またはプラスチック等の非金属部材27に接着または木ねじ32によって接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の構築、機械・器具の組み立てなどのために、軸部材どうし及び接合
基材どうしを接合する接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来立体トラスなどの構造物を構築するために、球体に軸部材をねじ接合するなどの接
合装置があった。(特許文献1、3、4参照)
【0003】
特開2002−37162によって、軸部材どうしを接合して3角錐状単位架構をつく
り、この単位架構を斜め横、上下等に連接して種々の建造物を構築すること及び接合方法
を提案した。(特許文献6参照)
【0004】
軸部材どうしを接合基材で接合、多角形平面ユニットまたは多面体ユニットを組み立て
それ等ユニットを接合基材どうしを接合することによって接続する接合装置があった。
(特許文献2参照)
【0005】
特開2002−37162に於いて、軸管先端部材の伸縮と4種類の長さの異なる軸部
材どうしの接合によって任意の長さの軸部材をつくることを提案した。(特許文献6参照)
【0006】
丸太材を使って建築構造物を構築するために、丸太材の先端にボルトを装着した接合装
置を取り付け球体等の接合基材にねじ接合する接合装置があった。(特許文献5、7参照)
【特許文献1】特開平03−115631
【特許文献2】特開平03−108531
【特許文献3】特開平06−200563
【特許文献4】特開平07−011705
【特許文献5】特開2001−262713
【特許文献6】特開2002−371625
【特許文献7】特開2005−097838
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
球体等の接合基材に軸部材を接合する場合、従来は、接合基材に直接軸部材をねじ接合
するために、接合基材に対する軸部材の方向が一定となるので、軸部材の方向に合わせて
接合基材のねじ加工をする必要があって、接合装置の種類が増すため標準化に難点があり
、施工も努力を要しまたコスト高にもなっている。
【0008】
図18〜図24は、特開2002−371625の実施例である。図18は、3角錐状
単位架構3を斜め横に連接して造った人口地盤の斜視図。図19は、3つの3角錐状単位
架構を連接して造った人口地盤に住宅を建てた実施例の平面図。図20はその立体図であ
る。図21は、3角錐状単位架構3を縦横、上下に連接して構築した建造物の斜視図であ
る。図22は、3角錐状単位架構80’を円状に連接、床組85’他と屋根組81’他を
加えたドームの骨組である。図23は、傾斜部材(支柱)2とトラス梁4を組み合わせた
3角錐状単位架構3。図29は、それとトラス梁4を接合して構築した建造物である。傾
斜部材2、77’、79’の上下端をヒンジ接合しているので水平部材1、76’の地盤
からの高さを同じ接合装置で自由に調整できるようになっている。図25参照。しかし水
平部材1が造る3角形の形状または単位架構の形状によっては、接合装置を取り替える必
要がある。接合装置の種類が多いことは、部材のストック→組立→解体→ストックの循環
を実現するのに難点となる。
【0009】
本発明の目的は、軸部材が接合基材に任意の角度で接合できる及び一種類の接合装置と
軸部材で任意の形状の3角錐状単位架構を造ることにある。
【0010】
図23の接合装置を使って骨組を構築するとなると、足場または仮設架台を必要とする
。また、下部に植樹がある場合、植樹をそこねることになる。単位架構を組み立てるに適
した地上で組み、それらどうし即ち接合基材どうしを接合することが望まれる。
【0011】
接合基材どうしを接合する試みもあったが、球状等の接合基材どうしをその接点または
若干離れた位置に於いて、ねじ孔位置と方向を同時に合わせなくてはならないという製作
、施工上の難しさがあった。また、接合基材を球体にして、複数の接合基材どうしを接合
、合体するとなると意匠上及び塗装、清掃などの維持管理上の問題が残る。
【0012】
別な本発明の目的は、接合基材どうしをそれらの位置のずれと角度に巾を持たせて接合
を容易にし、また、意匠と維持管理上、接合基材どうしを一体的に接合することにある。
【0013】
軸部材の先端にボルト、アンカーナット、スリーブ等の付属部材を装置した接合装置は
、軸部材の長さ調整の装置が無いので精度が要求され、また、先端軸管内にボルト及びア
ンカーナットを収納し、ボルト送りのスリーブを所持するという複雑さを持っているので
機械器具等の小さな部品の接合には適しているとは云えない。
【0014】
特開2002−371625に於いて、先端にボルト孔を設け、ジョイント金物等の接
合基材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジプレートを軸管の先端に取り付けまたは
一体加工された軸先端部材をその外経管でなる軸部材の先端にねじ接合する単純で軸部材
の長さ調整もできる装置を提案した。しかし先端部材は回転を止めて軸先端部材を軸管に
固定する装置が欠落していたので外力によっては、振動する可能性があった。
【0015】
別な本発明の目的は、軸部材の先端に軸先端部材をねじ接合し、必要な突出長さと回転
角度を定めた後に固定することによって、軸部材の長さ調整が出来る軸部材先端の接合装
置を造り、これを前記目的と合わせて建造物、機械器具等に広く利用することにある。
【0016】
丸太材の先端にボルト、アンカーナット、スリーブ等の部材を装着して、丸太材どうし
を継手金物を介して接合、建造物を構築する技術があった。この接合装置は、軸部材の長
さ調整の装置が無いので精度が要求され、また、先端の金属部材内にボルト及びアンカー
ナットを収納し、ボルト送りのスリーブを所持するという複雑さを持っていることもあっ
て、照明器具、日常品等の小さな非金属部品の接合は想定していない。
【0017】
別な本発明の目的は、木材、プラスチック等の非金属軸部材の先端に単純な機構の装置
を付加するだけで、軸部材の長さ調整も可能な軸部材先端の接合装置を造り、これを前記
目的と合わせて建造物、家具、照明器具、日常品等に広く利用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
その特徴とするところは、図1を参照して、先端にボルト孔11を設け、軸部材12と
ヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルト13を単一立体またはその複数の集合体
でなる接合基材14にねじ接合し、該ヒンジ付ボルト13を必要な回転角度に定めて締め
付ナット15で固定するよう装置したことである。
【0019】
接合基材14は、図1〜図4が示すように円盤であっても良いし、球体であっても良く
、また図5、6が示すように複数の円筒体の集合体であっても良い。
【0020】
図5、6を参照して、先端にボルト孔11を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工
されたヒンジ付ボルト13を単一立体またはその複数の集合体である接合基材14の片面
にねじ接合し、該ヒンジ付ボルト13を必要な回転角度に定めて締め付ナット15で固定
するよう装置する。他端に別のヒンジ付ボルト13a及び締め付ナット15aを装着する
。該ヒンジ付ボルト13aによって接合基材14どうしを接合する。以上を特徴とする接
合装置である。
【0021】
図1〜図4を参照して、先端にボルト孔11を設け、軸部材12とヒンジ接合できるよ
う加工されたヒンジ付ボルト13を円盤でなる接合基材14の片面にねじ接合し、該ヒン
ジ付ボルトを必要な回転角度に定めて締め付ナット15で固定するよう装置する。裏面に
部分球状の彫り込みをしてなる接合装置16どうしを球体17を介して、ボルト18で接
合する。
【0022】
図7、8を参照して、接合基材14が、その軸部材側及び反対側が同一の球心からなる
球面を持つ球体の断片からなる。該接合基材14の球心と反対側の面に、先端にボルト孔
11を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルト13をねじ接合し
、該ヒンジ付ボルト13を必要な回転角度に定めて締め付ナット15で固定するよう装置
する。接合基材14の端部どうしを、球体17を介して、ボルト18で接合する。
【0023】
ボルト18が貫通する接合基材14の孔をボルト18よりも大き目の孔とし、締め付ナ
ット19側及びボルト頭側に部分球状の彫り込みを入れ、該ボルト両側に該部分球と同形
の部分球状座金20を挟む。
【0024】
図7、8を参照して、ヒンジ付ボルト13の締め付ナット15を円形とし、その表面に
締め付の為のナット溝21を持ち、接合基材14に埋め込むように装置しても良い。
【0025】
図9、図10を参照して、先端にボルト孔11を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう
加工されたヒンジ付ボルト13dで板材などの接合基材14を貫通。他端に先端にボルト
孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ナット13eで、スプリン
グ座金20aを挟み、ヒンジ付ボルト13dを締め付け、ヒンジ付ナット13e及びヒン
ジ付ボルト13dを必要な回転角度を定めて固定する。ヒンジ付ナット13eは、締め付
ナット15cであっても良い。
【0026】
図11を参照して、先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工された
ヒンジ付木ねじ13fを木材、プラスチックなどの非金属部材でなる接合基材14にねじ
込み、必要な回転角度にして止める。
【0027】
図12、13を参照して、軸管22の先端に、前記接合基材のヒンジ付ボルトとヒンジ
接合できるよう加工されたヒンジ付プレート23を該軸管の内径管24に取り付けまたは
一体加工された軸先端部材25をねじ接合し、該軸先端部材25を必要な突出長さlaと
回転角度dを定めて軸管22と同経の円形ナット26で締め付け固定する。
【0028】
図14を参照して、木材、プラスチック等の非金属部材27の先端を前記軸管の内径に
合わせて削り取り、前記軸先端部材25と締め付ナット26を装着した該軸管22を該非
金属部材27に差し込む。軸管と非金属部材の間に接着剤22bを注入、接着する。
【0029】
図15〜17を参照して、木材、プラスチックなどの非金属部材27を前記軸管の内径
に合わせて削り取り、該軸管28を該非金属部材27に充分差し込む。該軸管に前もって
あけられた孔より木ねじ29を軸管上部より非金属部材27に向けてねじ込み軸管の回転
を止める。木ねじ孔30があいた円盤31を該軸管28内に、非金属部材27の小口まで
ねじ接合する。該円盤孔30に木ねじ32を挿入、該非金属部材27に木ねじ32をねじ
込み軸管28を固定する。該軸管28の先端に前記軸先端部材25をねじ接合し、該軸先
端部材25を必要な突出長さと回転角度を定めて、軸管と同経の円形ナット26で締め付
け固定する。
【発明の効果】
【0030】
ヒンジ付ボルトが接合基材にねじ接合されており、これを締め付ナットで任意の回転角
度にして固定できる。従ってあらゆる方向、角度からのヒンジ付軸部材をこの接合基材に
接合できる。またあらゆる方向、角度からのヒンジ付軸部材どうしの接合が可能である。
【0031】
ヒンジ付ボルトで接合基材を貫通、これをヒンジ付ナットまたは締め付ナットで固定し
ても良い。また、ヒンジ付木ねじを木材、プラスチックなどの非金属部材でなる接合基材
にねじ込み、必要な回転角度で止めてもよい。
【0032】
この接合基材に装着するヒンジ付ボルトの箇数と軸部材の長さを変えてそれらを接合す
るだけで、任意の形状の3角形、3角錐などの3角形の構成によってできる形体、骨組を
製作または構築できる。さらに、3角形以外の多角形面を板材など剛性のあるものを付加
するなどして、その形状を保持すれば、この接合装置と軸部材を使って、任意の形体、骨
組を製作または構築することが可能である。製作または構築の目的に応じて接合装置の標
準化も図れる。
【0033】
本発明は3角錐状単位架構などのユニットどうしを接合するため、ユニットの接合基材
どうしの接合を、それらの角度に巾を持たせるか、または、軸部材及びヒンジ付ボルトの
長さ調整によってそれらの角度と位置を合わせられるようにすることによって容易にして
いる。
【0034】
ユニットを3角錐状単位架構などの構造ユニットにすれば、特開2002−37162
で示したごとく(その一部を図18〜図24に示す。)、このユニットを平面的あるいは立
体的に連接することによって、種々の構造の構築が容易である。
【0035】
これらの建造物はトラス構造であるので部材断面を最小限にでき、部材の軽量化、省資
源化が図れる。軸部材の接合を一本のピンボルトによるだけなので、部材の組み立て解体
が容易で、部材のリユースも図り易い。
【0036】
従来のボールジョイント(球体の接合基材に軸部材を直接ねじ接合。)などと異なり、
構造ユニットどうしの接合を可能にしているので、足場、仮設架台が不要で、水上、植樹
帯など立入りできない場所にも建造物を容易に構築できる。
【0037】
軸部材の軸管とヒンジ付先端部材をねじ接合、先端部材の突出長さを必要な長さにして
軸管と同経の円形ナットで固定しているので軸部材の長さの調整ができ、製作と施工の誤
差を許容し、軸部材の長さを変えることによって、一本の軸部材の多用も可能である。
【0038】
軸部材に木材、プラスチックなどの非金属部材の使用もできるようにしているので、丸
太材などを使用して前記建造物の構築が可能である。また、家具、照明器具などその他の
構造物にも利用できる。
【0039】
以上により、本発明の接合装置を利用する構法は、極めて環境にやさしい構法であると
言える。
【0040】
従来のボールジョイントなどの接合装置にくらべて、接合部分のディテールがヒンジ接
合という一本のピンボルトによるだけの単純なディテールである故、機械、器具、家具な
どの比較的小さな部材の接合にも広く利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
図1は、先端にボルト孔11を設け、軸部材12をヒンジ接合できるよう加工されたヒ
ンジ付ボルト13が接合基材14にねじ接合され、これを必要な回転角度にして締め付け
ナット15が固定していること及び3箇の円盤状の接合基材14どうしを球体17を介し
てボルト18で接合していることを示した平面図、図2のA−A部分断面図である。軸部
材12とヒンジ付ボルト13はピンボルト11aによって接合される。接合基材14は、
円盤状にして、介在させる球体17側が球体17に接するように部分球状に彫り込まれて
いる。また、接合基材どうしの角度に巾を持たせるため、接合基材14間に17aのあき
(接合基材14どうしの角度によって変化する。)、接合基材14に大き目のボルト孔14
aが開けられ、部分球状座金20が、ボルトの頭側とナット側に装着される。
【0042】
図2は、図1の正面図である。円盤状の接合基材14に4本のヒンジ付ボルト13と締
め付ナット15が装着され、接合基材14どうしが2本のボルト18によって球体17を
介して接合される。4本のヒンジ付ボルトの内3本を使って3角錐状構造ユニットができ
、これら3箇の構造ユニットどうしを接合できる。残った1本のヒンジ付ボルトは、他の
軸部材の取り付けに利用する。締め付ナット15は、特に必要無い場合は、省略しても良
い。
【0043】
図3、図4は、各々2箇の接合基材どうしの接合を示す正面図、図3のB−B断面図で
ある。1箇の円盤状接合基材14に3本のヒンジ付ボルト13と締め付ナット15が装着
され、これらどうしが、3本のボルト18によって球体17を介して接合される。
【0044】
図5、図6は、各々4箇の接合基材14が平面的及び上下に接合されることを示す平面
図、図5のC−C断面図である。接合基材14は、3箇の円筒体4bと異なる円筒体14
cの集合体である。各々の接合基材14が、3本のヒンジ付ボルト13によって3角錐状
の構造ユニット16を造り、それらが相互に接合基材の他端に装着されたヒンジ付ボルト
13aと締め付ナット15a、ヒンジ付ボルト13bと締め付ナット15b及び接合部締
め付ナット13cによって接合される。
【0045】
図7、図8は、各々3箇の部分球状接合基材14が球体17を介してボルト18によっ
て接合されていることを示す平面図・部分断面図、正面図である。部分球状接合基材14
は、部分陏円球状であってもよい。また、部分球状接合基材14を部分円筒状接合基材と
して、球体17の替りに円筒体を介してボルト18によって接合しても良い。
【0046】
図9、図10は、各々接合基材14にヒンジ付ボルト13d及びヒンジ付ナット13e
が装着されていることを示した正面図、図9のD−D断面図である。先端にボルト孔11
を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルト13dで板材などの接
合基材14を貫通、他端に先端にボルト11を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工
されたヒンジ付ナット13eで、スプリング座金20aを挟み、ヒンジ付ボルト13dを
締め付け、ヒンジ付ナット13e及びヒンジ付ボルト13dを必要な回転角度に定めて固
定する。図10(b)に示すように、ヒンジ付ナット13eの代わりに締め付ナット15
cでヒンジ付ボルト13dを固定しても良い。
【0047】
図11参照。先端にボルト孔11を設け、軸部材12とヒンジ接合できるよう加工され
たヒンジ付木ねじ13fを木材、プラスチックなどの非金属部材でなる接合基材14にね
じ込み、必要な回転角度で止める。
【0048】
図12、図13は、各々軸部材の先端を示した図13のE−E断面図、正面図である。
ヒンジ付プレート23を取り付けまたは一体加工された軸先端部材25が軸管22にねじ
接合される。軸部材12の全長L(=la+l+lb)を求められる必要長さにするため
に軸先端部材25の軸管22からの突出長さla、lb及び軸先端部材の回転角度dを定
めた後、締め付ナット26を軸管22側へ締め付け軸先端部材25を固定する。26aは
締め付ナット26を締め付けるための工具の先が入る溝である。2枚のヒンジ付プレート
23の間に前記接合基材のヒンジ付ボルト13のヒンジを入れてボルト孔を合わせ、両方
の孔にピンボルト11aを入れ(図1参照)接合基材と軸部材を接合する。図13ではヒ
ンジ付プレートを2枚としているが1枚でも良く、またヒンジ付ボルトのヒンジが2枚で
あっても良い。
軸先端部材の突出長さla、lbの許容最長を決めて、何種類かの軸管どうしを同様に
ねじ接合させることによって、求められる軸部材の長さLmaxまで、軸部材を任意の長
さにすることが可能である。(前記特許文献6参照)
【0049】
図14は、木材、プラスチックなどの非金属部材27を軸部材にした例を示す断面図で
ある。木材、プラスチック等の非金属部材27を軸管22の内径に合わせて加工し、軸先
端部材25と締め付ナット26を装着した軸管22を非金属部材27の先端に充分差し込
み、軸管22と非金属部材27間に接着剤22bを注入、接着する。先に非金属部材27
の先端に接着剤を塗布、その後軸管22を充分差し込み、接着、軸先端部材25及び締め
付ナット26を装着しても良い。
【0050】
図15は、木材、プラスチックなどの非金属部材を軸部材にした別の例を示す断面図で
ある。木材、プラスチックなどの非金属部材27の先端を軸管28の内径に合わせて加工
し、軸管28に前もってあけられた孔より木ねじ29を軸管28上部より非金属部材27
に向けてねじ込み、軸管28の回転を止める。木ねじ孔30があいた円盤31を軸管28
内に非金属部材27の小口までねじ接合する。木ねじ孔30に木ねじ32を挿入、非金属
部材27にねじ込み軸管28を固定する。軸管28の先端に軸先端部材25をねじ接合し
、必要な突出長さと回転角度を定めて、軸管と同経の円形ナット26で軸管28側へ締め
付け固定する。
【0051】
図16は、図15のF−F断面図、図17は、木ねじ32を容易にねじ込めるように
、前もって木ねじ32の断面よりも小さ目の孔をドリルであけておく方法を示した断面
図である。仮付円盤31aを円盤31と木ねじ孔を合わせて、間隔をあけて取りつける
ことによって、木ねじ32をねじ込むための小さ目の孔を、ドリルで真っ直ぐにあける
ことができる。また、非金属部材27の先端部は、軸管28に被せられているので、木
ねじ32をねじ込んでも割れることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る軸部材とヒンジ付ボルト、ヒンジ付ボルトと接合基材及び接合基材どうしの接合の一例を示した平面図、図2のA−A断面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】接合基材どうしの接合の別な例を示した正面図。
【図4】図3のB−B断面図。
【図5】ヒンジ付ボルトと複数の円筒体の集合体である接合基材の接合及び同接合基材どうしの接合を示した平面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】ヒンジ付ボルトと部分球状接合基材及び同接合基材どうしの接合の一例を示した平面図、部分断面図。
【図8】図7の正面図
【図9】ヒンジ付ボルトと接合基材及びヒンジ付ナットの接合の一例を示した正面図。
【図10】図9のD−D断面図で、(a)は、ヒンジ付ボルトと接合基材及びヒンジ付ナットの接合、(b)は、ヒンジ付ボルトと接合基材及び締め付ナットの接合を示した断面図。
【図11】軸部材とヒンジ付木ねじ及びヒンジ付木ねじと木材、プラスチックなどの非金属部材でなる接合基材との接合の一例を示した断面図。
【図12】軸管と軸先端部材の接合の一例を示した図13のE−E断面図。
【図13】図12の正面図。
【図14】軸先端部材を装着した軸管先端部と木材、プラスチックなどの非金属部材が接着剤で接合された軸部材接合装置の一例を示した断面図。
【図15】軸先端部材を装着した軸管先端部と木材、プラスチックなどの非金属部材が木ねじで接合された軸部材接合装置の一例を示した断面図。
【図16】図15のF−F断面図。
【図17】木ねじのねじ込み用孔あけ方法を示した断面図。
【図18】先行技術における3角錐状単位架構の連接と床部材によってなる人工地盤実施例の斜視図。
【図19】先行技術における3角錐状単位架構連接体による人工地盤と住宅の実施例の平面図。
【図20】図19の側面図。
【図21】先行技術における3角錐状単位架構連接体による建造物骨組実施例の斜視図。
【図22】先行技術における3角錐状単位架構連接体による別な建造物骨組実施例の立面図。
【図23】先行技術におけるトラス梁と軸部材(先行技術では傾斜部材と表現。)どうしを接合してなる3角錐状単位架構の一例を示した斜視図。
【図24】図23の3角錐状単位架構とトラス梁によって構築された建造物実施例の立面図。
【図25】先行技術における接合装置(先行技術では接合部材と表現。)の実施例で、(a)は上部接合部材と軸部材(先行技術では水平部材または傾斜部材と表現。)の接合を示した平面図。(b)は(a)のC−C断面図。(c)は下部接合部材と軸部材(先行技術では傾斜部材と表現。)の接合を示した平面図。(d)は(c)の正面図。
【符号の説明】
【0053】
1、76’ 水平部材
2、75’、77’、79’ 傾斜部材
3、80’ 3角錐状単位架構
4 トラス梁
5 人工地盤
6 床部材
8、10 接合部材
9、11a ピンボルト
11 ボルト孔
12 軸部材
13、13a、13b、13d. ヒンジ付ボルト
13 接合部締め付ナット
13e ヒンジ付ナット
13f ヒンジ付木ねじ
14 接合基材
14b、14c 円筒体
15、15a、15b、15c、26、19 締め付ナット
16 構造ユニット
17 球体
18 ボルト
20 部分球状座金
20a スプリング座金
21、26a ナット溝
22、28 軸管
22a 軸管内ねじ切
22b 接着剤
23 ヒンジ付プレート
24 軸管内径管
25 軸先端部材
25a 軸先端部材ねじ切
27 非金属部材
29、32 木ねじ
30 木ねじ孔
31 円盤
31a 仮付用円盤
31b 円盤ねじ切
33 ドリル




【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルトを単
一立体またはその複数の集合体でなる接合基材にねじ接合し、該ヒンジ付ボルトを必要な
回転角度に定めて締め付ナットで固定するよう装置したことを特徴とする接合装置。
【請求項2】
前記接合基材を円盤にしてその片面、両面または側面にヒンジ付ボルト及び締め付ナッ
トを装着したことを特徴とする請求項1記載の接合装置。
【請求項3】
前記接合基材が球体であることを特徴とする請求項1記載の接合装置。
【請求項4】
前記接合基材が複数の円筒体の集合体であることを特徴とする請求項1記載の接合装置。
【請求項5】
先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルトを単
一立体またはその複数の集合体でなる接合基材の片面にねじ接合し、該ヒンジ付ボルトを
必要な回転角度に定めて締め付ナットで固定するよう装置し、他端に別のヒンジ付ボルト
及び締め付ナットを装着し、該ヒンジ付ボルトによって接合基材どうしを接合するよう装
置したことを特徴とする接合装置。
【請求項6】
先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルトを円
盤でなる接合基材の片面にねじ接合し、該ヒンジ付ボルトを必要な回転角度に定めて締め
付ナットで固定するよう装置し、表面に部分球状の彫り込みをしてなる接合装置どうしを
球体を介してボルトで固定することを特徴とする接合装置。
【請求項7】
前記接合基材が、その軸部材側及び反対側が同一の球心からなる球面を持つ球体の断片
からなり、該接合基材の球心と反対側の面に、先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接
合できるよう加工されたヒンジ付ボルトをねじ接合し、該ヒンジ付ボルトを必要な回転角
度に定めて締め付ナットで固定するよう装置し、接合基材の端部どうしを、球体を介して
ボルトで接合することを特徴とする接合装置。
【請求項8】
前記ボルトが貫通する接合基材の孔をボルト径よりも大き目の孔とし、締め付ナット側
及びボルト頭側に部分球状の彫り込みを入れ、ボルト両側に該部分球と同形の部分球状座
金を挟むことを特徴とする請求項6または7記載の接合装置。
【請求項9】
前記締め付ナットを円形とし、その表面に締め付の為の溝を持ち、接合基材に埋め込む
ように装着したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、または7記載の接合装
置。
【請求項10】
先端にボルト穴を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付ボルトで接
合基材を貫通、他端にスプリング座金を挟み、先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接
合できるよう加工されたヒンジ付ナットで該ヒンジ付ボルトを締め付け、該ヒンジ付ナッ
ト及びヒンジ付ボルトを必要な回転角度に定めて固定するよう装置したことを特徴とする
接合装置。
【請求項11】
前記ヒンジ付ナットを締め付ナットとしてなる請求項10記載の接合装置。
【請求項12】
先端にボルト孔を設け、軸部材とヒンジ接合できるよう加工されたヒンジ付木ねじを木
材、プラスチックなどの非金属部材でなる接合基材にねじ込み、必要な回転角度で止める
よう装置したことを特徴とする接合装置。
【請求項13】
軸管の先端に、前記接合基材のヒンジ付ボルトとヒンジ接合できるよう加工されたヒン
ジ付プレートを該軸管の内径管の先端に取り付けまたは一体加工された軸先端部材をねじ
接合し、該軸先端部材を必要な突出長さと回転角度を定めて軸管と同経の円形ナットで締
め付け該軸先端部材を固定することを特徴とする接合装置。
【請求項14】
木材、プラスチック等の非金属部材の先端を前記軸管の内径に合わせて加工し、前記軸
先端部材と締め付ナットを装着した該軸管を該非金属部材の先端に充分差し込み、該軸管
と非金属部材間に接着剤を注入、接着することを特徴とする請求項9記載の接合装置。
【請求項15】
木材、プラスチック等の非金属部材の先端を前記軸管の内径に合わせて加工し、該軸管
を該非金属部材の先端に充分差し込み、該軸管に前もってあけられた孔より木ねじを軸管
上部より非金属部材に向けてねじ込み、軸管の回転を止め、木ねじ孔があいた円盤を該軸
管内に非金属部材の小口までねじ接合し、該円盤孔に木ねじを挿入、該非金属部材に木ね
じをねじ込み固定、該軸管に前記軸先端部材をねじ接合し、必要な突出長さと回転角度を
定めて軸管と同経の円形ナットで軸管側へ締め付け固定することを特徴とする接合装置。




























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−170097(P2007−170097A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371313(P2005−371313)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【特許番号】特許第3867128号(P3867128)
【特許公報発行日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(301041450)株式会社小笠原設計 (21)
【Fターム(参考)】