説明

接触式感知部を含み自動ドアの動きを制御するドアアセンブリ

自動的に可動なドアパネル(22)の動きを制御するアセンブリ(20)が、ドアパネル(22)またはドアフレーム部材(26)の少なくとも一方に配置されたセンサ(30,32,34)を含む。感知部は、障害物が感知部に接触または非常に接近したときに指示を与える。自動ドアの動作中に障害物が挟まれそうな位置に、ドアまたはドアフレームの領域に亘って感知部が設定される。開示例は、障害物によって加えられた圧力に応答するセンサとしての電気機械的なフィルムを感知部に使用することを含む。他の開示例は、感知部に障害物が接触または非常に接近したときに少なくとも部分的に阻害される電界を発生させる電界効果センサを含む。ドアの自動動作中に障害物が挟まれそうな位置に障害物の存在を示す指示に応答してドアの自動的な動きが制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、自動ドアに関し、詳しくは、自動ドアの動きを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な場所で種々の自動ドアの装置が使用されている。いくつかの状況においては、自動ドアは、ドアパネルと平行に、開位置と閉位置との間で摺動する。このドア装置の型式は、エレベータかごにアクセスするために一般に使用されている。
【0003】
閉位置にある他の構造部材にドアの縁が近づく方向に自動ドアが動くときは常に、ドアと他の構造部材との間に障害物が挟まれる恐れがある。そのような状況を避けるために、様々な装置が提案されている。
【0004】
エレベータドアの場合、ドアの先行縁に棒材を含むことにより、ドアの閉位置付近にある障害物を機械的に検知するセイフティーシューを使用することが知られている。この棒材に障害物が接触した場合、セイフティーシューは、ドアが自動的に完全には閉まることのないようにと指示し、障害物がドアと他の表面との間に挟まれることなく引き出されるようにする。他の例のアプローチでは、ドアの出入口に亘って検知光ビームを発生させる光ベースの検知器を使用する。ドアが自動で閉まりかけているときにドアの出入口に障害物があって光ビームを遮る場合、ドアが自動的に完全には閉まらずに、障害物が挟まれないようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置には、いくつかの制限がある。例えば、セイフティーシューは、典型的には、ハンドバッグに付いているストラップや人間の指のような比較的小さな障害物を検知できるほどの感知能力がない。また、このような小さな障害物は、セイフティーシューの棒材と同じ位置にない場合、挟まれてしまうことがある。障害物がドアに挟まれそうな位置にある場合にも、光ベースの検知器は、障害物が視野(例えば、光ビーム)に含まれないように制限されてしまう。周知技術の光ベースの装置についての他の欠点は、これらの装置が、典型的に、埃ないし飛散物に典型的に晒されて、適切な動作が妨げられる恐れがあることである。他の潜在的な問題は、他の光源が検知器を妨害する場合に現れる。
【0006】
このような装置の他の欠点は、ドアの閉動作時にドアの先行縁で障害物が挟まれる可能性だけに対処することである。
【0007】
自動ドアに挟まれそうな位置に障害物があるときに、これを検知する装置を改善することが望まれている。ドアが自動的に閉位置へ動いているか、開位置に動いているか、またはその両方であるときに、障害物が挟まれてしまう可能性を検知できる装置を提示することが有益である。本発明は、これらの必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一例としてのドアアセンブリが、ドアフレームに沿って開位置と閉位置との間で自動的に動くことのできるドアパネルを含む。ドアフレームまたはドアパネルの感知部を設定するために、少なくとも1つのドアフレームまたはドアパネルにセンサが支持されている。センサは、感知部に接近した障害物を検知し、障害物が検知されたことを示す出力を発信する。制御部がセンサの出力に応答して、ドアパネルの自動的な動きを制御する。
【0009】
一例においては、障害物によって感知部に加えられた圧力に応答して、センサが障害物を検知する。一例においては、このセンサは、電気機械的なフィルム(EMFi:登録商標、以下登録商標である旨の記載は省略)を含む。
【0010】
他の例においては、センサは、電界を発生させ、障害物が少なくとも部分的に電界を阻害するほどに感知部に接近したときに、これを検知する。一例においては、センサは、障害物が感知部に接触したとき、つまり少なくとも部分的に電界を阻害したときに検知する。
【0011】
本発明によって設計されたアセンブリが、動く方向に関わらず自動ドアの動きの制御に有用な包括的な検知能力を可能にする。計画的にセンサを位置づけて感知部を設定することにより、障害物が挟まれる可能性のある様々な事態を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
開示例は、ドアパネルまたはドアフレームの少なくとも一方に感知部を含み、この感知部によって、フレームに沿ってのドアパネルの自動動作中に、障害物が挟まれそうなドアパネルまたはドアフレームに沿った位置に障害物があるときに、これを検知することができる。開示例は、ドアが自動的に開位置または閉位置に向けて動いているか否かなどの状況を検知する。この実施例の手法を使って、さらに多種類の障害物を確実に検知することができ、自動ドアの動作中に障害物が挟まれる可能性のある数多くの事態に対処することができる。
【0013】
図1は、一例としてのドアアセンブリ20の選択された部分を概略的に示す。ドアパネル22は、開位置と閉位置との間で自動的に動くことができる。図1の例は、閉位置にあるドアパネル22を示す。図示した例においては、ドアパネル22は、開位置と閉位置との間で動くように、リターンパネル24に対して動く。リターンパネル24は、この例においては、ドアフレームの一部であり、開位置でドアパネルを収容する戸袋に隣接している。
【0014】
図1に示される全閉位置においては、ドアパネル22の先行縁がドアフレーム部材26の寸前にまで接近している。この例においては、ドアパネル22は、開位置と全閉位置との間における出入口の全体に亘って効果的に動く。他の例においては、ドアの先行縁が互いに反対方向に動くように一組のドアが設けられ、その2つのドアが出入口の中央付近で互いに接近する。当業者であれば、この説明が与えれれば、本発明が様々なドアアセンブリの構成に有用であることを理解されるであろう。当業者であれば、この説明が与えられれば、本発明のいくつかの特徴を応用して上記の特定の必要性に応える方法を理解されるであろう。
【0015】
ドアパネル22は、ドアパネル22に感知部を設定する関連したセンサ30を有する。図示した例では、センサ30の物理的な寸法は、感知部の寸法に対応する。センサ30は、例えば、人間の手などの障害物が感知部に接触または接近したときに、検知することができる。図示した例では、センサ30は、感知部が所望の向きに設定されるように、ドアパネル30の選択された側に設けられている。
【0016】
一例においては、センサ30は、電気機械的なフィルム(EMFi)を備え、このフィルムは、加えられた圧力に応じて出力電圧を発生させる。このような圧力は、例えば、ドアパネル22の感知部に寄りかかる人の手または他の障害物によって加えられる。
【0017】
他の例においては、センサ30は、ドアパネル22の感知部に沿って電界を発生させる電界効果センサである。このような例においては、センサ30は、障害物と感知部との接触を検知することができる。障害物が少なくとも部分的にセンサ30の電界を妨げるとき、センサ30は、それ(例えば、障害物が検知されたこと)を示す出力を発信する。この電界は、障害物とドアパネル22の感知部との直接的な接触によって阻害されることがある。他の例においては、センサ30は、障害物が接触するほどではないが非常に接近し、この障害物がセンサ30の電界を少なくとも部分的に阻害するほど感知部に接近したときに、検知することができる。
【0018】
図1の例の利点の1つは、ドアパネル22のかなりの領域に亘って、センサ30が感知部を設定できることである。このような装置は、ドアパネル22の自動動作中に障害物が挟まれる可能性がある様々な位置における障害物の検知を可能とする。例えば、センサ30に関連する図示された感知部は、ドアパネル22の先行縁付近に障害物があり、ドアの閉動作中にパネル22とドアフレーム26との間に障害物が挟まれそうなときに、これを検知することができる。また、開動作時にドアパネル22の感知部に接触または非常に近い位置に障害物がある場合は常に、ドアが開位置へ向かって引き出される際に、ドアパネル22とリターンパネル24との間に障害物が挟まれる可能性がある。センサ30によって設定された感知部により、開位置への動きの通路に沿った任意の地点にそのような障害物があることを検知することができる。従って、開示例は、自動ドアの動作中に障害物が挟まれる可能性がある様々な位置において、さらに広範囲に及ぶ障害物の検知を可能にする。
【0019】
従って、開示例は、従来のセンサの装置では認識することができなかった非常に小さな障害物を検知することができる。
【0020】
図1の例は、リターンパネル24上にある他のセンサ32を含む。このセンサ32は、リターンパネル24上に、センサ32の寸法と本質的に同一の広がりをもつ感知部を設定する。この例では、センサ32は、リターンパネル24の縁付近で、ドアパネル22とリターンパネル24との間の境界付近に設けられ、ドアパネル22とリターンパネル24との間に障害物が挟まれそうなときに、これを検知する。センサ32は、感圧式または接触式、あるいは上記センサ30のように感知部に非常に接近した障害物を検知する型式のセンサである。
【0021】
図1の例は、ドアフレーム部材26に感知部を設定する他のセンサ34を含む。センサ34は、センサ30およびセンサ32と同様に作動する。利点としては、図1に示すように複数のセンサを設けてもよいし、特定の状況の必要性に応じて1つまたは複数のみを選択的に使用することもできることである。当業者であれば、この説明が与えられれば、上記の特定の必要性を満たすセンサおよび対応する感知部の最良の配置の仕方を理解されるであろう。
【0022】
図1の例は、自動ドア駆動装置42の作動を制御する制御部40を含む。センサ30,32および34は、対応する感知部に障害物が検知されたことを示す出力を発信する。この出力は制御部40に送られ、制御部40は、応答してドアパネル22の自動的な動きを制御する。
【0023】
一例においては、感知部に障害物が検知されたときは常に、制御部40は、そのときに自動駆動装置42がドアパネル22を動かしているか否かを判定する。ドアが静止している場合、制御部40は、どのセンサから障害物の検知を示す出力が発信されたかに応じて、ドアまたはドアフレームから障害物を遠ざけるべきであることを指示することによって、センサからの出力に応答する。一例においては、ドアが自動動作中であってセンサ出力が受信されたときに、制御部40は、ドアの動きを停止させ、障害物が挟まれる前に取り除かれるようにする。一例においては、ドアが停止する前に障害物が挟まれた場合に、制御部40は、ドアを現在の位置から前後に低速で動かすように自動駆動装置に命令し、障害物が取り除かれるようにする。
【0024】
このドアアセンブリがエレベータドアアセンブリに対応する場合、制御部40は、エレベータかごの運行に関する情報を考慮に入れる。エレベータかごが移動中で、ドアの開く乗場に近づいている場合、制御部40は、障害物が検知されたことを示すセンサ30,32および34の1つからの出力に応答して、対応する位置から障害物を遠ざけるべきであることを指示する。このとき制御部40は、障害物が取り除かれたことを対応するセンサが示す(例えば、感知部で障害物の検知を示す出力が発信されなくなる)まで、ドアが乗場で開き始めないようにする。制御部40は、エレベータかごが移動中かつ目的階の乗場近くにないと判定した場合、障害物と感知部の1つとの接触に関するセンサの1つからの出力を少なくとも一時的に無視することがある。しかし大概は、制御部40は、センサ30,32および34の少なくとも1つからの出力に応答して、ドアパネルの自動的な動きを制御する。
【0025】
本発明の実施例に従って設計されたセンサの装置を実施する様々な方法がある。図2は、ドアパネル22の先行縁付近のみにセンサ30’が設けられたときの一例としての装置を示す。図示した例では、ドアパネル22は、エレベータかごのドアであり、周知の結合装置52によって通路ドア50に嵌合され、昇降路ドア50と一緒に動く。センサ30’に関連する感知部に障害物が接触または非常に接近したとき、制御部40は、上記のようにドアの動きを制御することができる。特定の状況の必要性に応じて、通路ドア50に他のセンサを付け加えてもよい。図2の例は、特に、ドア22およびドア50が全閉位置に向かって動いているときに、障害物が挟まれることを防ぐために有用である。
【0026】
図3は、ドアパネル22とリターンパネル24との間に障害物が挟まれる可能性がある場合において、リターンパネル24の縁にセンサ32を設けた他の装置を概略的に示す。この構成においては、ドアパネル22は、開動作で(引き出されることにより)右へ動く。このような動作中に、ドアパネル22とリターンパネル24との間に障害物が挟まれることがある。この例のセンサ32は、障害物が挟まれる可能性のあるパネル間の境界付近に、挟まれそうな障害物が存在するか否かを検知する感知部を提供する。
【0027】
図4は、開動作中または閉動作中に障害物が挟まれることがある様々な位置において障害物を検知するために、ドアパネル22のかなりの部分に亘ってセンサ30が延在する構成を概略的に示す。この例においては、センサ30は、これらの動作時に障害物が挟まれそうな様々な位置に、障害物を検知する感知部を設定する。ドアパネル22の先行縁は、センサ30によって設定された感知部を有し、ドアパネル22が全閉位置へ向かって動作中に、障害物が挟まれそうな位置にあるときに、これを検知する。図4の例は、ドアパネル22上の感知部が、ドアパネルの大部分に亘って障害物を検知できる方法を示し、これは、ドアパネル22の様々な自動動作の際に有用である。
【0028】
上記のように、開示例で使用されるセンサは、異なる形態を有することがある。周知のEMFiは、ドアパネルまたはドアフレーム部材に感知区域を設けるために使用することができる。EMFiフィルムは、周知の材料であり、周知の様式で電気的な出力を発信する。一例においては、制御部40は、対応する感知部に障害物が存在することを示すEMFi出力を受信し、これを解釈するようにプログラムされている。
【0029】
図5は、ドアパネル22に支持された誘電体56を含む、一例としての電界効果センサの装置を概略的に示す。このドアパネル22には、複数のタッチセル58も支持されている。符号60で概略的に示されるように、タッチセル58と誘電体56とは、協働して、感知部に沿って周知の態様で電界を設定する。ドアパネル22の感知部に人の指などの障害物62が接触または非常に接近した場合、符号64で概略的に示されるように、電界60の少なくとも一部が阻害される。センサ30は、この態様で少なくとも部分的に電界が阻害されたことを示す出力を発信する。いくつかの例においては、ドアパネル22の感知部に障害物が実際に接触しなくてもよい。いくつかの例においては、例えば、障害物が誘電体56に非常に接近さえすれば、障害物の存在を示すセンサからの出力が発信されるほど十分に電界60が阻害されることがある。
【0030】
本発明と調和する感知部を設定するために、様々なセンサの構成を使用することができる。図5に概略的に示されている型式のセンサは、典型的に、25mm2〜900mm2程度のタッチセル58を含む。さらに広い感知部が望まれる場合、図6に概略的に示すように複数のタッチセル58を配置して、対応する広さの感知部をドアパネル22上に設定することができる。図6の例においては、センサ30は、ドアパネル22に支持された複数のタッチセル58および関連する誘電体を備え、これらは、感知部の所望の寸法および位置をパネル上に設定する。
【0031】
図7は、センサ30に用いる他のセンサの装置を概略的に示す。この例においては、センサ30は、材料シート72と、これに接合された電気伝導性フィルム70を有する電気化学フィルム(EMFi)と、からなる。この例においては、材料シート72は、約30μmの厚さのポリプロピレンからなる。材料シート72は、平均径が1μmの複数のキャビティ74を含む。各キャビティ74内には、電荷が保持されている。他の例においては、電気伝導性フィルム70は、ポリエチレンフィルム(このような例では、材料72である)の表面に電気伝導性ペーストがスクリーン印刷されたものからなる。
【0032】
図8は、例示的なセンサ30の1つを使用する一例としての電子機器の構成を概略的に示す。図8においては、増幅器80は、センサ30からの出力信号(例えば、電圧または電流)を増幅させる。アナログ・ディジタルコンバータ82は、増幅器80からのアナログ信号をディジタル信号に変換する。比較判定部84が、このディジタル信号を閾値と比較する。この閾値は、ドアの動作中に障害物が挟まれている可能性に対応して、障害物とセンサ30との間に十分な相互作用があるか否かを示す値である。この例においては、センサ30からの信号が閾値の要求を満たすと比較判定部84が判定した場合は常に、制御部40は、比較判定部84から信号を受信する。このとき、制御部40は、応答してドア駆動装置42を制御する。
【0033】
EMFiセンサ30の場合、障害物によって加えられた圧力に比例して、電気伝導性フィルム70に電位差が発生する。この電位差は、電圧などのアナログ信号に生じ、この信号は増幅器80によって増幅され、アナログ・ディジタルコンバータ82によって変換され、比較判定部84で適切な閾値と比較される。当業者であれば、この説明が与えられれば、センサの設計やドアアセンブリの構成に部分的に基づく特定の状況に応じて、どの程度の閾値レベルが有用であるかを理解されよう。
【0034】
障害物の検知が行われるいくつかの状況においては、障害物を現在の位置から遠ざけるべきであると警告または指示することが有用である場合がある。図8の例は、そのような指示を与える警告装置86を含む。一例においては、視覚的な指示が与えられる。他の例においては、音声による指示が与えられる。障害物が挟まれそうな位置から障害物を遠ざけるべきであることを人間に警告するために、当然、視覚的な指示および音声による指示の組合せを提供することもできる。
【0035】
図9を参照すると、一例としての制御方法が符号100に示されている。この特定の制御方法は、エレベータドアの動きを制御するために有用である。エレベータかごが乗場にあるとき、ドアの閉動作が開始される(ステップ101)。ドアの閉動作中に、障害物が検知されたか否かが判定される(ステップ102)。図2の例においては、この検知は、例えば、センサ30’の付近に障害物があるか否かを判定することを含む。障害物がなければ、ドアの閉動作が継続され(ステップ103)、ドアが全閉位置にあるか否かが判定される(ステップ104)。ステップ102で障害物が検知された場合、制御部40は、検知信号を受信し、外来の障害物の検知信号を含む検知回数の数をカウントする。ドアの閉動作が停止される(ステップ106)。ドアが開き始める(ステップ107)。ドアが全開位置にあるか否かが判定される(ステップ108)。全開位置にある場合、開動作が停止される(ステップ109)。検知回数が設定検知回数と比較される(ステップ110)。現在の検知回数が設定検知回数よりも小さい場合、ドア開時間がカウントされ(ステップ111)、ステップ112で監視される設定ドア開時間だけドアが開いた状態に保たれる。適切な時間が経過した後に、次のドア閉動作を開始することができる(ステップ101)。
【0036】
ステップ108でドアが全開位置にない場合、開動作が継続される(ステップ113)。ステップ110で、検知回数が設定検知回数より多く、ドアの動作が設定検知回数を上回る数で繰り返し行われていた場合、エレベータは、休止する(ステップ114)。
【0037】
図8の例においても、ステップ112でドア開時間が十分に経過するまで、ドアが開いたままにされる(ステップ115)。他の例の制御技術は、図10のフローチャート120にまとめられている。この例においては、ドアの開動作が開始された場合に、障害物を挟み得るドアに沿った位置にあるセンサによって、障害物が検知されたか否かが判定される。どのセンサからも障害物の存在が指示されないないときに、ドアの開動作が開始される(ステップ124)。ドアの開動作中に、障害物が挟まれそうな位置に障害物が検知されたか否かが判定される(ステップ126)。この判定(ステップ126)が否定された場合、全開位置になるまでドアの開動作が継続され(ステップ128)、全開位置になったか否かは、チェックされる(ステップ130)。
【0038】
ステップ126で障害物が検知された場合に、開動作が停止される(ステップ134)。この例においては、ドアに沿った位置から障害物を遠ざけるべきであることを示す警告が与えられる(ステップ136)。障害物が取り除かれたか否かが判定される(ステップ138)。この例においては、障害物が取り除かれたことをセンサが示すまで、(視覚的または聴覚的な指示などの)警告が継続される。
【0039】
ステップ140では、開動作が低速かつ低トルクで継続される。この低速の開動作中に、1つまたは複数のセンサによって障害物が検知されたか否かが判定される(ステップ142)。検知されない場合には、ドアの開動作が継続される(ステップ144)。ドアが全開位置になったか否かが判定される(ステップ146)。全開位置にない場合、障害物の監視が続けられるとともに、ドアの開動作が継続される。
【0040】
以上の説明は、例示するためのものであり、本質を限定するものではない。当業者であれば、本発明の本質を逸脱することなく、いくつかの変更および修正がなされ得ることを理解されるであろう。本発明の法的保護の範囲は、請求項を検討することによってのみ、画定されたい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例に従って設計された特徴部を含むドアアセンブリを示す概略図。
【図2】一例としてのセンサの配置を示す概略図。
【図3】他の例のセンサの配置を示す概略図。
【図4】他の例のセンサの配置を示す概略図。
【図5】本発明の実施例に有用なセンサの一種類を示す概略図。
【図6】図5の種類のセンサの配置の一例としてドアパネルに感知部を設定することを示す概略図。
【図7】本発明の実施例に有用な他の例のセンサの配置を示す概略図。
【図8】本発明の実施例に有用な電子装置の配置を示す概略図。
【図9】一例としての制御手順を示すフローチャート。
【図10】他の例としての制御手順を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアフレームに沿って開位置と閉位置との間で自動的に動作可能なドアパネルと、
前記ドアフレームまたは前記ドアパネルの少なくとも一方に感知部を構成するように前記ドアフレームまたは前記ドアパネルの少なくとも一方に支持され、前記感知部に近接した障害物を検知し、前記障害物が検知されたことを示す出力を発信するセンサと、
前記センサからの出力に応答して前記ドアパネルの自動的な動きを制御する制御部と、
を備えるドアアセンブリ。
【請求項2】
前記センサの寸法が、前記感知部の寸法を定める感知領域を画定することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記センサが、前記障害物によって前記感知部に加えられた圧力に応答して前記障害物を検知することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記センサが前記圧力に応答して電圧を発生させ、この電圧の大きさが前記圧力の大きさを示すことを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記センサが電気機械的なフィルムを備えることを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記センサが、電界を発生させ、かつ前記障害物が前記電界を少なくとも部分的に阻害するように前記感知部に十分に接近したときに検知し、さらにこのセンサは、前記障害物が前記電界を少なくとも部分的に阻害したことに応答して前記出力を発信することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記センサが、前記障害物と前記感知部との接触に応答して前記出力を発信することを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記センサが、前記電界を発生させる少なくとも1つのセルと、このセルの少なくとも一方の側で前記障害物に向けられている誘電体と、を備えることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記感知部の全体に亘って感知領域が設けられるように配置された複数のセルを備えることを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記制御部は、前記センサが前記出力を発信したときに前記ドアパネルが開位置と閉位置との間で動作中であるか否かを判定し、
さらにこの制御部は、自動ドアを動かし始める前に前記感知部から前記障害物を遠ざけるべきであると警告するか、または前記センサからの出力が変化するまで設定時間だけドアを停止させることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記感知部が、前記ドアパネルの縁を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記感知部が、前記ドアパネルが自動的に動くときの前記ドアパネルの動きの方向に平行に向けられた平らな表面を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
ドアパネルまたは関連するドアフレーム部材の少なくとも一方に感知部を設定し、
前記感知部に障害物が近接しているときを判定し、
前記感知部に前記障害物が近接しているときに前記ドアの自動的な動きを制御すること、
を含む、自動ドアの動きを制御する方法。
【請求項14】
前記障害物が前記感知部に接触しているかを判定することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記障害物が前記感知部に圧力を加えているかを判定することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記感知部に電界を設定し、
前記障害物が前記電界を少なくとも部分的に阻害するほど前記感知部に接近したときを判定すること、
を含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ドアの概ね平らな表面上に、前記ドアの開位置と閉位置との間の動きの方向に並行に向けられる前記感知部を設定することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記障害物が前記感知部に近接し、かつ前記ドアが静止している場合、前記障害物を前記感知部から遠ざけるべきであることを指示することと、
ドアの動作中に前記障害物が前記感知部に近接していることに応答して、少なくとも設定時間だけ前記ドアの動きを停止させることと、
を含む請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−515798(P2009−515798A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541160(P2008−541160)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/035495
【国際公開番号】WO2007/058697
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】