搬送体の姿勢判定装置、および姿勢判定方法
【課題】より簡単な構造で搬送体の姿勢を識別できる搬送体の姿勢判定装置を提供する。
【解決手段】搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3を装着する。搬送路に臨んで、タグリーダー4とタイミングセンサー5を配置する。タグリーダー4に、同じ周波数の通信波を送受する2個のアンテナ13・14と、アンテナ制御部を設ける。各アンテナ13・14の通信距離は大小に異ならせてある。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させる。各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定する。信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定して、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する。
【解決手段】搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3を装着する。搬送路に臨んで、タグリーダー4とタイミングセンサー5を配置する。タグリーダー4に、同じ周波数の通信波を送受する2個のアンテナ13・14と、アンテナ制御部を設ける。各アンテナ13・14の通信距離は大小に異ならせてある。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させる。各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定する。信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定して、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが装着してある搬送体の姿勢を識別する姿勢判定装置と、姿勢判定方法に関する。搬送体の姿勢はRFIDタグとタグリーダを用いて識別する。
【背景技術】
【0002】
この種の姿勢判定装置は、例えば特許文献1に公知である。そこでは、立方体状の搬送対象の左右側面に通信周波数が異なる2種のRFIDタグを貼付しておき、各タグに対応して設けた2種のリーダライタと各RFIDタグとの間で送受信を行なって、搬送体の搬送姿勢が適正であるか否かを識別している。詳しくは、通信距離が大きな第2タグと第2リーダライタとの通信を電波方式で確立し、さらに通信距離が小さな第1タグと第1リーダライタとの通信を電磁誘導方式で確立して、各通信を確立できた状態でのみ搬送体の搬送姿勢が適正であると判断している。搬送体の搬送姿勢が適正でないことは、第1タグと第1リーダライタとの通信を確立できないことから知ることができる。
【0003】
因みに、電磁誘導方式のRFIDタグの場合には、タグ側のアンテナとリーダライター側のアンテナを直接磁束結合させて電力およびデータの伝達を行なうので、その通信距離は近距離に限られる。また、電波方式のRFIDタグの場合には、タグ側のアンテナとリーダライター側のアンテナとの間で電磁波を送受信して、電力およびデータの伝達を行なうので、その通信距離は電磁誘導方式のRFIDタグに比べて遠距離となる。
【0004】
特許文献2には、搬送体の位置を特定する装置が開示されている。そこでは、一方向へ搬送される搬送体に電磁誘導方式のRFIDタグが装着してあり、搬送経路に沿ってリーダライタの第1アンテナと第2アンテナとが隣接配置してある。各アンテナはそれぞれの交信領域の一部が重なり合うように配置してあり、両アンテナは常に電磁波を発信している。搬送体とともに一方向へ移動するRFIDタグは、例えば第1アンテナと通信を確立したのち、交信領域が重なる部分では第1・第2アンテナの双方と通信を確立し、最後に第2アンテナと通信を確立して、両アンテナの交信領域の外へ出る。これにより、両アンテナの交信領域内における搬送体の位置を特定できる。なお、両アンテナのアンテナサイズ(アンテナ仕様)は同じであり、したがって両アンテナの交信範囲に差はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2008−56473号公報(段落番号0045〜0046、図4)
【特許文献2】特許2009−33517号公報(段落番号0032、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の姿勢判定装置によれば、搬送体の搬送姿勢が適正であるか否かを識別できる。しかし、搬送姿勢の識別を行なうために、2個のRFIDタグを個々の搬送体に貼付する必要があり、さらに、搬送経路に沿って2個のリーダライタを設置する必要があるため、搬送体の姿勢の識別に多くの手間とコストが掛かる。
【0007】
また、特許文献2の位置を特定する装置によれば、一方向へ搬送される搬送体の位置を特定することができる。しかし、第1アンテナと第2アンテナの交信距離に差がないため、RFIDタグと両アンテナとは、僅かな時間差で通信を確立しているに過ぎず、特許文献1の姿勢判定装置のように搬送体の姿勢を特定することができない。例えば、搬送体が表向きであるか、裏向きであるか、あるいは前後の向きが正しいか否かを特定することはできない。
【0008】
本発明の目的は、より簡単な構造で搬送体の姿勢を識別できる搬送体の姿勢判定装置と、姿勢判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の搬送体の姿勢判定装置においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送路に臨んで、RFIDタグ3と通信を行なうタグリーダー4と、搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー5とが配置してある。タグリーダー4には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のアンテナ13・14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ13・14は、それぞれ異なる通信距離でRFIDタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。アンテナ制御部は、各アンテナ13・14を択一的に作動させるアンテナ切換部18と、各アンテナ13・14が受信したRFIDタグ3の反射波の信号強度を判定する信号判定部19と、主制御部20を含む。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させ、各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定し、信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定して、搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。本発明におけるタグリーダー4とは、RFIDタグ3に格納された情報を単に読み込むリーダーと、RFIDタグ3に対して情報を読み書きするリーダライタを含む概念である。
【0010】
タグリーダー4に通信距離が大きな第1アンテナ13と、通信距離が小さな第2アンテナ14とを設ける。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ13と第2アンテナ14を記載順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別できるようにする。
【0011】
タグリーダー4に通信距離が大きな第1アンテナ13と、通信距離が小さな第2アンテナ14とを設ける。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ13と第2アンテナ14を記載順に作動させて、搬送されてきた搬送体1のICタグ3の装着位置を特定した状態で搬送体1の搬送姿勢を識別できるようにする。
【0012】
アンテナ13・14のインダクタンスと、アンテナ13・14に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ13・14の通信距離を異ならせる。各アンテナ13・14の仮想中心位置を一致させて、各アンテナ13・14を同心状に配置する。
【0013】
本発明に係る搬送体の姿勢判定装置においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送路に臨んで、RFIDタグ3と通信を行なうタグリーダー4が配置してある。RFIDタグ3には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のタグアンテナ25・26と、各タグアンテナ25・26に個別に接続されるICチップ27・28とが設けてある。各タグアンテナ25・26は、それぞれ異なる通信距離でタグリーダー4と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。RFIDタグ3がタグリーダー4のアンテナ30と正対する状態において、各タグアンテナ25・26とアンテナ30との間で通信を行なって、いずれか一方のタグアンテナ25・26との通信を確立し、通信を確立できたタグアンテナによって搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。
【0014】
本発明の搬送体の姿勢判定方法においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送経路に臨んで配置したタグリーダー4と、前記RFIDタグ3との間で通信を行なって、搬送体1の姿勢を識別する。タグリーダー4には、同じ周波数の通信波を送受でき、かつ通信距離の異なる複数個のアンテナ13・14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことをタイミングセンサー5で検知し、タイミングセンサー5の検知信号に基づきアンテナ制御部のアンテナ切換部19から出力される指令信号に基づき、各アンテナ13・14を通信距離が大きなアンテナから順に作動させる。各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定する。信号判定部19の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部20で判定して搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、通信距離が大小に異なる複数のアンテナ13・14をタグリーダー4に設けておき、タイミングセンサー5の出力信号に基づいて、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させて、搬送体1に装着した電磁誘導方式のRFIDタグ3との間で通信を行なうようにした。このとき、例えば搬送体1の搬送姿勢が正常である場合には、各アンテナ13・14とRFIDタグ3との間で通信を確立できるが、搬送体1の搬送姿勢が正常でない場合には、各アンテナ13・14とRFIDタグ3との間で通信を確立できなくなる。このような、各アンテナ13・14における受信状態を信号判定部19で判定し、信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定することにより、搬送体1の搬送姿勢を知ることができる。
【0016】
したがって、本発明の姿勢判定装置によれば、搬送体に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3を装着しておくだけで、搬送体1の搬送姿勢を識別することができ、従来のこの種の装置に比べて、より簡単な構造で搬送体1の姿勢を識別できる。また、タグリーダー4に、同じ周波数の通信波を送受する複数のアンテナ13・14を設け、各アンテナ13・14を順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢を識別するので、1個のタグリーダー4を設けるだけでよく、従来装置に比べて、さらに簡単な構造で搬送体1の姿勢判定を行なうことができる。電磁誘導方式のRFIDタグ3を通信対象とするので、搬送体1の外形が小さい場合でも、隣接する複数の搬送体1に設けたRFIDタグ3が反応するのを避けて、確実に搬送体1の搬送姿勢を識別できる利点もある。
【0017】
第1アンテナ13と第2アンテナ14を順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する姿勢判定装置によれば、搬送体1が正常な搬送姿勢で搬送されていることを明確に識別できる。したがって、識別結果に応じて、例えば搬送体1の搬送姿勢を修正し、あるいは搬送姿勢が異常な搬送体1を搬送路から排除するなどの、以後の搬送体1の処理を的確に行なえる。
【0018】
第1アンテナ13と第2アンテナ14を順に作動させて、ICタグ3の装着位置を特定した状態で搬送体1の搬送姿勢を識別する姿勢判定装置によれば、搬送体1の搬送姿勢をさらに正確に識別できるので、以後の搬送体1の処理をさらに的確に行なうことができる。例えば、搬送体1の搬送姿勢を自動装置で特定の方向に揃えるような場合に、搬送体1をどのように動かすのが合理的であるかを判定して、より少ない動作で姿勢変更を行なえる。また、RFIDタグ3やアンテナ13・14の使用個数を増加する必要もなく、アンテナ制御部の動作プログラムを変更するだけで、搬送体1の搬送姿勢をさらに正確に識別できるので、姿勢判定装置の全体コストを抑えたままで識別機能を拡充できる。
【0019】
同じ通信周波数のアンテナ13・14のインダクタンスと、静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ13・14の通信距離を異ならせると、各アンテナ13・14の通信距離を厳密に設定できる。したがって、常に一定の搬送位置でRFIDタグ3と通信を確立して、搬送体1の搬送姿勢の識別を常に安定した状態で行なえる。搬送体1の搬送速度が大きい場合でも、支障なく通信を確立できる。通信距離が異なる各アンテナ13・14を同心状に配置すると、各アンテナ13・14が占める空間を小さくして、タグリーダー4を小形化できる。
【0020】
本発明に係る搬送体の姿勢判定装置においては、通信距離が大小に異なる複数のタグアンテナ25・26をRFIDタグ3に設けておき、RFIDタグ3がタグリーダー4のアンテナ30と正対する状態で通信を行なうようにした。さらに、通信を確立できたタグアンテナを特定することにより、搬送体1の搬送姿勢を識別できるようにした。例えば、搬送体1の搬送姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別できるようにした。したがって、本発明の姿勢判定装置によれば、搬送体に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してあればよく、しかも1個のタグリーダー4を設けるだけでよく、従来装置に比べて簡単な構造で搬送体1の姿勢判定を行なうことができる。また、本発明に係る搬送体の姿勢判定装置の別の使用形態においては、タグリーダー4で通信を確立できたタグアンテナを特定することにより、識別対象物33の位置を認識し、さらに、識別対象物33の位置の違いに応じて、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。
【0021】
本発明の姿勢判定方法では、通信距離が異なる通信波を各アンテナ13・14から発信して、各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の有無を信号判定部19で判定する。さらに、信号判定部19の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部20で判定して搬送体1の搬送姿勢を識別する。このように、本発明の姿勢判定方法によれば、搬送体1に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してあればよく、さらに1個のタグリーダー4を用意すればよいので、従来の姿勢判定方法に比べて、より簡単な機材のみで搬送体1の姿勢を識別できる。電磁誘導方式のRFIDタグ3を通信対象とするので、搬送体1の外形が小さい場合でも、隣接する複数の搬送体1に設けたRFIDタグ3が反応するのを避けて、確実に搬送体1の搬送姿勢を識別できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る姿勢判定装置、および姿勢判定方法の原理構造を示す概略正面図である。
【図2】ICタグおよびタグリーダーのアンテナの配置形態を示す平面図である。
【図3】ICタグの位置の違いによるアンテナの通信結果を示す図表である。
【図4】搬送姿勢を識別するときの識別処理を示すフローチャートである。
【図5】別の実施形態に係る識別処理を示すフローチャートである。
【図6】図5における識別処理の要部を示すフローチャートである。
【図7】ICタグの位置の違いによるアンテナの通信結果を示す図表である。
【図8】実施例2に係る姿勢判定装置の原理構造を示す概略正面図である。
【図9】実施例2に係るICタグのアンテナの配置形態を示す平面図である。
【図10】実施例2に係る姿勢判定装置の使用例を示す概略正面図である。
【図11】実施例2に係る姿勢判定装置の別の使用例を示す断面図である。
【図12】実施例2に係る姿勢判定装置のICタグの別実施例を示す平面図である。
【図13】図12に係る姿勢判定装置の使用例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施例1) 本発明に係る姿勢判定装置の実施例1を図1ないし図4に基づき説明する。図1において、符号1は搬送体、符号2はベルトコンベアであり、搬送体1が搬送される方向を矢印で示している。搬送体1は扁平な直方体状のブロックからなり、その上面の前部(搬送方向下手側)の所定位置には、RFIDタグ(以下、単にICタグという。)3が装着してある。また、搬送体1の搬送路に臨む上方空間には、ICタグ3と通信を行なうタグ用のリーダライタ(以下、タグリーダーという。)4と、搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー5とが配置してある。タイミングセンサー5は、光センサー、超音波センサー、マイクロスイッチなど、非接触式センサーと接触式センサーのいずれであってもよい。
【0024】
ICタグ3はシート状のタグ本体8に、ICチップ9と渦巻状のアンテナ10とを実装して電磁誘導方式のタグとして構成してあり、その通信周波数は例えば13.56MHzである。ICチップ9には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。なお、実際のICタグ3においては、ICチップ9およびアンテナ10の外面が保護フィルムで覆われているので、図2に示すようにICチップ9やアンテナ10の配置パターンを見ることはできない。
【0025】
タグリーダー4には、先の通信周波数の通信波を送受する第1アンテナ(アンテナ)13、および第2アンテナ(アンテナ)14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ13・14は、それぞれ搬送体1の上面と平行に配置されて、それぞれ異なる通信距離でICタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。詳しくは、第1アンテナ13の通信距離が大きく設定してあるのに対して、第2アンテナ14の通信距離は第1アンテナ13の通信距離の約半分程度に小さく設定してある。なお、第1アンテナ13の仮想中心と、第2アンテナ14の仮想中心とは、同じ垂直線上に位置させてあり、このように両アンテナ13・14の仮想中心位置を一致させることにより、両アンテナ13・14を同心状に配置することができる(図2参照)。
【0026】
各アンテナ13・14の通信距離の差は、各アンテナ13・14のインダクタンスと、アンテナ13・14に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせることで大小に設定することができる。図2に示すように、この実施例では、第1アンテナ13を縦横寸法が大きな四角形の渦巻き形状に形成して、その面積(インダクタンス)を大きくすることで通信可能な距離を大きくした。第2アンテナ14は、第1アンテナ13に比べて縦横寸法が小さな四角形の渦巻き形状に形成して、その面積を小さくすることで通信可能な距離を小さくした。
【0027】
上記のように、通信可能な距離を大小に異ならせることにより、図1に示すように、第1アンテナ13の通信領域E1の垂直方向の下端位置は、ベルトコンベア2の搬送面より下方にまで達している。また、第2アンテナ14の通信領域E2の垂直方向の下端位置は、ベルトコンベア2の搬送面より上方で、搬送体1の上面よりやや下方に位置している。なお、これらの通信領域E1・E2は、アンテナ13・14を四角形の渦巻き形状とする関係で複雑な形状になるが、図1では理解を容易化するために、各通信領域E1・E2を単純な半球状の空間として示している。
【0028】
アンテナ制御部は、各アンテナ13・14を択一的に作動させるアンテナ切換部18と、各アンテナ13・14が受信したICタグ3の反射波の信号強度を判定する信号判定部19と、主制御部20などで構成する。アンテナ切換部18は、通信距離が大きな第1アンテナ13、第2アンテナ14の順に各アンテナ13・14を作動させて、各アンテナ13・14とICタグ3との間で通信を行なわせる。信号判定部19は、各アンテナ13・14が受信するICタグ3の反射波の信号強度を判定する。
【0029】
先に説明したように、搬送体1は、その上面の前部にICタグ3が位置する姿勢を正常としている。図3に示すように、搬送体1の搬送姿勢が異常である場合は、搬送体1の下面前部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置B)と、搬送体1の上面後部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置C)と、搬送体1の下面後部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置D)となる。本発明では、タグリーダー4の両アンテナ13・14とICタグ3との間で通信を行なって、搬送体1の搬送姿勢が適正であるか否かを主制御部20で判定する。以下のその詳細を、図4のフローチャートに従って説明する。
【0030】
(識別処理) タイミングセンサー5により搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことが検知され(S1)、該タイミングセンサー5からの検知信号を受けると、主制御部20は、カウンタN、Mの値を0にリセットして(S2)、第1アンテナ13を起動させて通信波を発信する(S3)。通信が成立しなかった場合には(S4でNO)、第1アンテナ13用のカウンタNの値をN+1にして(S5)、カウンターNの値が所定値T1に達したか否かを判断したうえで(S6でNO)、再度第1アンテナ13の受信状態を確認する(S4)。
【0031】
図1に示すように、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に進入すると、第1アンテナ13がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する(S4でYES)。これにより、搬送体1が所定距離まで接近してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、第1アンテナ13の作動を停止したのち(S7)、第2アンテナ14を起動させて通信波を発信する(S8)。通信が成立しなかった場合には(S9でNO)、カウンタMの値をM+1にして(S10)、カウンターMの値が所定値T2に達したか否かを判断したうえで(S11でNO)、再度第2アンテナ14の受信状態を確認する(S9)。
【0032】
ICタグ3が第2アンテナ13の通信領域E2に進入すると、第2アンテナ14がICタグ3からの反射波を受信する(S9でYES)。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する。これにより、搬送体1が第2アンテナ14の概ね真下にまで移動してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、搬送体1が正常な姿勢で送られてきたものと判定して(S13)、その判定結果を外部機器に出力したのち、第2アンテナ14の作動を停止して待機状態に戻る。
【0033】
タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1に達した場合には(S6でYES)、ICタグ3がタグ位置Cあるいはタグ位置Dにあるものとして(S14)、その判定結果を外部機器に出力したのち、識別処理を終了する。なお、搬送体1は一定の速度で搬送されているので、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点から、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に完全に進入するまでの時間は予め決めておくことができる。この時間に合わせて所定値T1を設定しておくことにより、主制御部20はカウンターNの値が所定値T1になった時点で、搬送体1が異常な姿勢で送られてきたものと判定できる。同様に、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第2アンテナ14側のカウンターMの値が所定値T2に達した場合には(S11でYES)、ICタグ3がタグ位置Bにあるものとして(S12)、その結果信号を外部機器に出力したのち識別処理を終了する。
【0034】
上記の各状態における両アンテナの受信状態を図3の図表にまとめて示している。ICタグ3がタグ位置A(正常な位置)にある場合には、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できる。ICタグ3がタグ位置B(異常な位置)にある場合には、第1アンテナ13はICタグ3と通信を確立できるが、第2アンテナ14は通信を確立できない。ICタグ3がタグ位置C(異常な位置)、あるいはタグ位置D(異常な位置)にある場合には、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域に進入する前に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になってしまうので、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できないことになる。以上の通信結果から、搬送体1が正常な姿勢で搬送されているか、異常な姿勢で搬送されているかを明確に識別できることとなる。
【0035】
以上のように構成した姿勢判定装置は、以下の態様で実施することができ、その詳細を図5および図6にのフローチャートに従って説明する。そこでは、搬送されてきた搬送体1のICタグ3が、タグ位置A〜Dのどこに位置しているかを明確に識別するために、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になったのちに図6に示す処理を行なう。すなわち、図5のS21〜S33の処理は図4のS1〜S13の処理と共通しており、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になったときに(S26でYES→(×))、図6の処理を行なう。
【0036】
先に説明したように、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になった状態では、ICタグ3がタグ位置C、あるいはタグ位置Dのいずれかの位置にある。この状態で図6に示すように、第1アンテナ13を作動させて通信波を発信する。通信が成立しなかった場合には(S41でNO)、図6におけるカウンタNの値をN+1にして(S42)、カウンターNの値が所定値T3に達したか否かを判断したうえで(S43でNO)、再度第1アンテナ13の受信状態を確認する(S41)。なお、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点から、搬送体1の後部に位置するICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に完全に進入するまでの時間は予め決めておくことができる。この時間に合わせて所定値T3を設定しておく。
【0037】
搬送体1の後部上面に位置するICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に進入すると、第1アンテナ13がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する(S41でYES)。これにより、搬送体1の後部が所定距離まで接近してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、第1アンテナ13の作動を停止したのち(S44)、第2アンテナ14を起動させて通信波を発信する(S45)。第2アンテナ14の通信が成立しなかった場合には(S46でNO)、カウンタMの値をM+1にして(S47)、カウンターMの値が所定値T4に達したか否かを判断したうえで(S48でNO)、再度第2アンテナ14の受信状態を確認する(S46)。
【0038】
ICタグ3が第2アンテナ13の通信領域E2に進入すると、第2アンテナ14がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には(S46でYES)、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する。これにより、搬送体1が第2アンテナ14の概ね真下にまで移動してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、ICタグ3がタグ位置Cにある状態で送られてきたものと判定して(S50)、その判定結果を外部機器に出力したのち、第2アンテナ14の作動を停止して待機状態に戻る。
【0039】
タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第2アンテナ14側のカウンターMの値が所定値T4に達した場合には(S48でYES)、主制御部20はICタグ3がタグ位置Dにあるものとして(S49)、その結果信号を外部機器に出力したのち識別処理を終了する。また、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T3に達した場合には(S43でYES)、ICタグ3との通信を確立できないので、主制御部20はタグ位置A〜Dのいずれでもない状態、すなわちICタグ3が搬送体1に装着されていない状態であると判定して(S51)、その判定結果を外部機器に出力したのち、識別処理を終了する。
【0040】
上記の各状態における両アンテナの受信状態を図7の図表にまとめて示している。ICタグ3がタグ位置A、およびタグ位置Bにある場合は、図3で説明した受信状態と同じである。ICタグ3がタグ位置Cにある場合には、カウンターNの値がT4になるまでの間に、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できる(S46でYES、S50:図6)。ICタグ3がタグ位置Dにある場合には、第1アンテナ13はICタグ3と通信を確立できるが、第2アンテナ14は通信を確立できない。ICタグ3がタグ位置Cあるいはタグ位置Dのいずれでもない場合には、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T3になってしまうので、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できないこととなる(S48でYES、S49:図6)。以上の通信結果から、搬送されてきた搬送体1のICタグ3が、タグ位置A〜Dのどこに位置しているかを明確に識別でき、さらにICタグ3が搬送体1に装着されていない異常状態であることを識別できる。
【0041】
(実施例2) 実施例2に係る姿勢判定装置を図8および図9に示す。そこでは、タグ本体8に第1・第2の二組のタグアンテナ25・26と、各タグアンテナ25・26に個別に接続される第1・第2のICチップ27・28を実装して、ICタグ3を電磁誘導方式のタグとして構成する。両ICチップ27・28には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。図8に示すように、各タグアンテナ25・26は、タグリーダー4に対してそれぞれ異なる通信距離でICタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。
【0042】
詳しくは、図9に示すように、第1タグアンテナ(タグアンテナ)25を縦横寸法a1が大きな四角形の渦巻き形状に形成して、その通信距離Dを大きくした。また第2タグアンテナ26は、第1タグアンテナ25に比べて縦横寸法a2が小さな四角形の渦巻き形状に形成して、その通信距離dを第1タグアンテナ25の通信距離Dより充分に小さく設定している。タグリーダー4には、先の各タグアンテナ25・26と通信するアンテナ30とアンテナ制御部とが設けてある。アンテナ30は四角形の渦巻き形状に形成するが、その縦横寸法a3が第1タグアンテナ25の縦横寸法a1と、第2タグアンテナ26の縦横寸法a2の中間の値に設定してある。3個の各アンテナ25・26・30の縦横寸法の関係は、a1>a3>a2となる。
【0043】
この実施例では、搬送体1をベルトコンベア2で間欠搬送し、搬送体1がタグリーダー4の真下に位置する静止状態において、搬送体1の姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別する。例えば、ICタグ3が搬送体1の上面(表面)側に位置している場合に、搬送体の姿勢が正常であると判定し、ICタグ3が搬送体1の下面(裏面)側に位置している場合に、搬送体の姿勢が異常であると判定する。
【0044】
搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近してくると、そのことをタイミングセンサー(図示していない)が検知して、検知信号をベルトコンベア2の駆動機構と、アンテナ制御部へ出力する。ベルトコンベア2の駆動機構は、タイミングセンサーの検知信号を受けて一定時間後にベルトコンベア2を停止させて、搬送体1のICタグ3をタグリーダー4の真下に位置させる。アンテナ制御部は、ベルトコンベア2が停止するのと同時に、タグリーダー4のアンテナ30を起動して通信波を発信させる。このとき、図8(a)に示すように、ICタグ3が搬送体1の上面側にある場合には、第2タグアンテナ26からの反射波がアンテナ30に受信されるので、搬送体1の搬送姿勢が正常であると識別する。このとき、タグリーダー4のアンテナ30は、図9に示すように、第1タグアンテナ25の中央に位置しており、第1タグアンテナ25がアンテナ30の通信可能な領域から外れた位置にあるので、第1タグアンテナ25が反射波を発信することはない。
【0045】
また、図8(b)に示すように、ICタグ3が搬送体1の下面側にある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波がアンテナ30に受信されるので、搬送体1の搬送姿勢が異常であると識別する。このときの第2タグアンテナ26の通信距離dは、第1タグアンテナ25の通信距離Dに比べて充分に小さい。そのため、第2タグアンテナ26からの反射波がアンテナ30に受信されることはない。以上により、搬送体1の搬送姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別できることとなる。ICタグ3が搬送体1の右側面と左側面のどちらの側に位置しているかを識別することもできる。
【0046】
なお、搬送体1は間欠搬送する必要はなく、連続搬送する間にその搬送姿勢を識別することができる。その場合には、ICタグ3がタグリーダー4の真下に位置したことをセンサーなどで検知して、アンテナ30を起動するとよい。また、ICチップ27・28をアンチコリジョン対応のICチップとすることにより個別に通信を行なって、各反射波が閾値を越えたか否かで搬送体1の搬送姿勢を特定することができる。
【0047】
以上のように構成した姿勢判定装置は、図10に示す使用形態で使用できる。そこでは、上面にICタグ3が装着された搬送体1をベルトコンベア2によって一定速度で搬送する。搬送経路に臨んでタグリーダー4が配置してあり、そのアンテナ30からは常時通信波が発信されている。図10(a)に示すように、搬送体1がタグリーダー4に接近してくると、まず通信距離が大きな第1タグアンテナ25がタグリーダー4のアンテナ30と通信を確立して、反射波をアンテナ30へ返す。搬送体1がさらに接近すると、第1タグアンテナ25がアンテナ30の通信可能な領域から外れるので、両者25・30間の通信は一時的に途絶する。図10(b)に示すように、第2タグアンテナ26がタグリーダー4のアンテナ30の真下近傍に位置する状態では、第2タグアンテナ26がタグリーダー4のアンテナ30と通信を確立して、反射波をアンテナ30へ返す。なお、第1タグアンテナ25は、その後側の辺部がアンテナ30の真下を通過する間に、再びアンテナ30との通信を確立できる。
【0048】
このことから、タグリーダー4が装着された搬送体1の位置を検出することができる。また、ICタグ3に実装されたICチップ27・28のいずれかに、搬送体1に関するデータが記録してある場合には、このデータをタグリーダー4で読み込むことにより、ベルトコンベア2上のタグリーダー4の位置まで到達した搬送体1の詳細な内容を知ることができる。例えば、同じ外観形状の搬送体1の表面の着色状態や、内部の仕様が異なるような場合に、その違いを知ることができる。
【0049】
図8および図9で説明した姿勢判定装置は図11に示す実施態様で使用することができる。そこでは、上側の第1スロット31と下側の第2スロット32が上下2段に配置してあるスロット構造において、第1スロット31の上方にタグリーダー4が配置してある。また、識別対象物33にはICタグ3が装着してある。タグリーダー4は、識別対象物33が両スロット31・32のどちら側に装填されているかを識別する。さらに、識別対象物33が第1スロット31に装填されている場合と、識別対象物33が第2スロット32に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なう。このように、図8および図9で説明した姿勢判定装置は、識別対象33の位置識別装置として使用することができる。
【0050】
この実施態様によれば、例えば銀行カードが第1スロット31に装填された状態では、普通預金口座用の銀行カードとして決済処理を行ない、銀行カードが第2スロット32に装填された状態では、貯蓄預金口座用の銀行カードとして決済処理を行なう等の使い分けを実現できる。その場合の識別対象物33は、銀行カードを構成するカード本体に相当し、その内部にICタグ3を埋設しておくとよい。つまり、識別対象物33は一般的なICカードと同様に構成することができる。
【0051】
実線で示すように、識別対象物33が第1スロット31に装填してある場合には、タグリーダー4のアンテナ30と正対する第2タグアンテナ26からの反射波のみがアンテナ30に受信される。先に説明したように、このときの第1タグアンテナ25は、アンテナ30の通信可能な領域から外れた位置にあるので、第1タグアンテナ25が反射波を発信することはない。また、想像線で示すように、識別対象物33が第2スロット32に装填してある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波のみがアンテナ30に受信される。このことから、識別対象物33が装填されているスロットを識別することができる。さらに、識別対象物33が第1・第2の両スロット31・32のどちら側に装填されているかに応じて、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なう。
【0052】
図8および図9で説明した姿勢判定装置は図12および図13に示す形態で使用することができる。そこでは、図9のICタグ3と同様に、ICタグ3を、タグ本体8に第1・第2の二組のタグアンテナ25・26と第1・第2のICチップ27・28を実装して電磁誘導方式のタグとして構成する。両ICチップ27・28には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。図12に示すように、各タグアンテナ25・26はアンテナ仕様が異ならせてあり、第1タグアンテナ(タグアンテナ)25の通信距離を、第2タグアンテナ(タグアンテナ)26の通信距離より充分に大きく設定している。そのために、図12に示すように、第1タグアンテナ25を縦横寸法a1が大きな四角形の渦巻き形状に形成して通信可能な距離を大きくした。また第2タグアンテナ26は、第1タグアンテナ25に比べて縦横寸法a2が小さな四角形の渦巻き形状に形成して通信可能な距離を小さくした。
【0053】
タグリーダー4には、先の各タグアンテナ25・26と通信する第1アンテナ41と、第2アンテナ42と、アンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ41・42は四角形の渦巻き形状に形成するが、第1アンテナ41の縦横寸法a3を、第2タグアンテナ26の縦横寸法a2より大きく設定し、第2アンテナ42縦横寸法a4を第1アンテナ41の縦横寸法a3より大きく設定する。4個の各アンテナ25・26・41・42の縦横寸法の関係は、a1>a4>a3>a2となる。これにより各タグアンテナ25・26と、タグリーダー4側の各アンテナ41・42との通信可能な距離は、図13に示すようにf1・f2・F1・F2となり、第1アンテナ41はf1・f2のいずれかで各タグアンテナ25・26と通信でき、第2アンテナ42はF1・F2のいずれかで各タグアンテナ25・26と通信できる。
【0054】
スロット構造は、第1スロット31と、第2スロット32と、第3スロット34と、第4スロット35を上から順に配置して構成してあり、識別対象物33が各スロット31・32・34・35のどこに装填されているかをタグリーダー4で識別する。識別対象物33の上面にはICタグ3が装着してあり、第1スロット31の上方にはタグリーダー4が配置してある。
【0055】
タグリーダー4は、例えば第1アンテナ41を起動して通信波を発信し、各タグアンテナ25・26からの反射波の受信状態から識別対象物33が第1スロット31と、第2スロット32のどちらに装填してあるかを識別する。次に、第1アンテナ41を停止したのち、第2アンテナ42を起動して通信波を発信し、各タグアンテナ25・26からの反射波の受信状態から識別対象物33が第3スロット34と、第4スロット35のどちらに装填してあるかを識別する。
【0056】
識別対象物33が第1スロット31に装填してある場合には、タグリーダー4の第1アンテナ41と正対する第2タグアンテナ26からの反射波のみが、第1アンテナ41に受信される。識別対象物33が第2スロット32に装填してある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波のみが、第1アンテナ41に受信される。識別対象物33が第3スロット34に装填してある場合には、第2タグアンテナ25からの反射波のみが第2アンテナ42に受信される。識別対象物33が第4スロット35に装填してある場合には、第2タグアンテナ25からの反射波のみが第2アンテナ42に受信される。
【0057】
これらの違いから、識別対象物33が装填されているスロットを識別でき、さらに識別対象物33が装填されていないスロットの位置を知ることができ、識別対象物33の場所管理に利用することができる。また、識別対象物33が第1スロット31に装填されている場合と、識別対象物33が第2スロット32に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。さらに、識別対象物33が第3スロット34に装填されている場合と、識別対象物33が第4スロット35に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。
【0058】
上記の実施例では、タグリーダー4に2個のアンテナ13・14を設ける場合について説明したが、アンテナは2個以上設けることができる。その場合でも、アンテナの個数が増えるだけで、アンテナ以外の構造は共通して使用することができるので、タグリーダー4の構造が複雑になることはない。RFIDタグ3の通信周波数は、電磁誘導方式のRFIDタグに適用される通信周波数であれば、自由に使用する通信周波数を選定でき、実施例で説明した通信周波数には限らない。
【0059】
上記の実施例では、第1アンテナ13と第2アンテナ14を上下平行に配置したがその必要はなく、同一平面上に第1アンテナ13と第2アンテナ14とを同心状に配置することができる。第1アンテナ13と第2アンテナ14は、必ずしも同心状に配置する必要はない。例えば、第2アンテナ14をその仮想中心が、第1アンテナ13の仮想中心より搬送方向下手側に偏心した状態で配置することができる。その場合には、第1アンテナ13がICタグ3と通信を確立したのち、第2アンテナ14がICタグ3と通信を確立するまでの時間を長引かせることができる。第1アンテナ13と第2アンテナ14は、搬送体1の搬送経路の側方や下方に臨んで配置することができる。
【0060】
さらに、タグリーダー4の各アンテナ13・14・30・41・42は、それぞれ搬送体1やICタグ3の上面と平行に配置する必要はなく、搬送体1やICタグ3の上面と直交する姿勢や、斜めに傾斜する姿勢で配置することができる。要は、各アンテナ13・14・30・41・42とICタグ3との通信距離が大小に異なっておればよい。
【0061】
また、近距離用の第2アンテナ14の共振周波数を、通信周波数から僅かにずらして、その通信距離を短くすることができる。必要があれば、搬送体1に2個以上のICタグ3を装着しておいて、四面体や直方体あるいは多面体として形成された搬送体1の搬送姿勢を、明確に特定できるようにすることができる。例えば、立方体からなる搬送体1の6個の周面のうち、どの面が前向きになっているかを、搬送過程で知ることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 搬送体
3 RFICタグ(ICタグ)
4 タグリーダー
5 タイミングセンサー
13 第1アンテナ(アンテナ)
14 第2アンテナ(アンテナ)
18 アンテナ切換え部
19 信号判定部
E1 第1アンテナの通信領域
E2 第2アンテナの通信領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが装着してある搬送体の姿勢を識別する姿勢判定装置と、姿勢判定方法に関する。搬送体の姿勢はRFIDタグとタグリーダを用いて識別する。
【背景技術】
【0002】
この種の姿勢判定装置は、例えば特許文献1に公知である。そこでは、立方体状の搬送対象の左右側面に通信周波数が異なる2種のRFIDタグを貼付しておき、各タグに対応して設けた2種のリーダライタと各RFIDタグとの間で送受信を行なって、搬送体の搬送姿勢が適正であるか否かを識別している。詳しくは、通信距離が大きな第2タグと第2リーダライタとの通信を電波方式で確立し、さらに通信距離が小さな第1タグと第1リーダライタとの通信を電磁誘導方式で確立して、各通信を確立できた状態でのみ搬送体の搬送姿勢が適正であると判断している。搬送体の搬送姿勢が適正でないことは、第1タグと第1リーダライタとの通信を確立できないことから知ることができる。
【0003】
因みに、電磁誘導方式のRFIDタグの場合には、タグ側のアンテナとリーダライター側のアンテナを直接磁束結合させて電力およびデータの伝達を行なうので、その通信距離は近距離に限られる。また、電波方式のRFIDタグの場合には、タグ側のアンテナとリーダライター側のアンテナとの間で電磁波を送受信して、電力およびデータの伝達を行なうので、その通信距離は電磁誘導方式のRFIDタグに比べて遠距離となる。
【0004】
特許文献2には、搬送体の位置を特定する装置が開示されている。そこでは、一方向へ搬送される搬送体に電磁誘導方式のRFIDタグが装着してあり、搬送経路に沿ってリーダライタの第1アンテナと第2アンテナとが隣接配置してある。各アンテナはそれぞれの交信領域の一部が重なり合うように配置してあり、両アンテナは常に電磁波を発信している。搬送体とともに一方向へ移動するRFIDタグは、例えば第1アンテナと通信を確立したのち、交信領域が重なる部分では第1・第2アンテナの双方と通信を確立し、最後に第2アンテナと通信を確立して、両アンテナの交信領域の外へ出る。これにより、両アンテナの交信領域内における搬送体の位置を特定できる。なお、両アンテナのアンテナサイズ(アンテナ仕様)は同じであり、したがって両アンテナの交信範囲に差はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2008−56473号公報(段落番号0045〜0046、図4)
【特許文献2】特許2009−33517号公報(段落番号0032、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の姿勢判定装置によれば、搬送体の搬送姿勢が適正であるか否かを識別できる。しかし、搬送姿勢の識別を行なうために、2個のRFIDタグを個々の搬送体に貼付する必要があり、さらに、搬送経路に沿って2個のリーダライタを設置する必要があるため、搬送体の姿勢の識別に多くの手間とコストが掛かる。
【0007】
また、特許文献2の位置を特定する装置によれば、一方向へ搬送される搬送体の位置を特定することができる。しかし、第1アンテナと第2アンテナの交信距離に差がないため、RFIDタグと両アンテナとは、僅かな時間差で通信を確立しているに過ぎず、特許文献1の姿勢判定装置のように搬送体の姿勢を特定することができない。例えば、搬送体が表向きであるか、裏向きであるか、あるいは前後の向きが正しいか否かを特定することはできない。
【0008】
本発明の目的は、より簡単な構造で搬送体の姿勢を識別できる搬送体の姿勢判定装置と、姿勢判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の搬送体の姿勢判定装置においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送路に臨んで、RFIDタグ3と通信を行なうタグリーダー4と、搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー5とが配置してある。タグリーダー4には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のアンテナ13・14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ13・14は、それぞれ異なる通信距離でRFIDタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。アンテナ制御部は、各アンテナ13・14を択一的に作動させるアンテナ切換部18と、各アンテナ13・14が受信したRFIDタグ3の反射波の信号強度を判定する信号判定部19と、主制御部20を含む。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させ、各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定し、信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定して、搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。本発明におけるタグリーダー4とは、RFIDタグ3に格納された情報を単に読み込むリーダーと、RFIDタグ3に対して情報を読み書きするリーダライタを含む概念である。
【0010】
タグリーダー4に通信距離が大きな第1アンテナ13と、通信距離が小さな第2アンテナ14とを設ける。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ13と第2アンテナ14を記載順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別できるようにする。
【0011】
タグリーダー4に通信距離が大きな第1アンテナ13と、通信距離が小さな第2アンテナ14とを設ける。タイミングセンサー5が搬送体1を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ13と第2アンテナ14を記載順に作動させて、搬送されてきた搬送体1のICタグ3の装着位置を特定した状態で搬送体1の搬送姿勢を識別できるようにする。
【0012】
アンテナ13・14のインダクタンスと、アンテナ13・14に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ13・14の通信距離を異ならせる。各アンテナ13・14の仮想中心位置を一致させて、各アンテナ13・14を同心状に配置する。
【0013】
本発明に係る搬送体の姿勢判定装置においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送路に臨んで、RFIDタグ3と通信を行なうタグリーダー4が配置してある。RFIDタグ3には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のタグアンテナ25・26と、各タグアンテナ25・26に個別に接続されるICチップ27・28とが設けてある。各タグアンテナ25・26は、それぞれ異なる通信距離でタグリーダー4と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。RFIDタグ3がタグリーダー4のアンテナ30と正対する状態において、各タグアンテナ25・26とアンテナ30との間で通信を行なって、いずれか一方のタグアンテナ25・26との通信を確立し、通信を確立できたタグアンテナによって搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。
【0014】
本発明の搬送体の姿勢判定方法においては、一方向へ搬送される搬送体1に電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してある。搬送体1の搬送経路に臨んで配置したタグリーダー4と、前記RFIDタグ3との間で通信を行なって、搬送体1の姿勢を識別する。タグリーダー4には、同じ周波数の通信波を送受でき、かつ通信距離の異なる複数個のアンテナ13・14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことをタイミングセンサー5で検知し、タイミングセンサー5の検知信号に基づきアンテナ制御部のアンテナ切換部19から出力される指令信号に基づき、各アンテナ13・14を通信距離が大きなアンテナから順に作動させる。各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の信号強度を信号判定部19で判定する。信号判定部19の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部20で判定して搬送体1の搬送姿勢を識別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、通信距離が大小に異なる複数のアンテナ13・14をタグリーダー4に設けておき、タイミングセンサー5の出力信号に基づいて、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ13・14を作動させて、搬送体1に装着した電磁誘導方式のRFIDタグ3との間で通信を行なうようにした。このとき、例えば搬送体1の搬送姿勢が正常である場合には、各アンテナ13・14とRFIDタグ3との間で通信を確立できるが、搬送体1の搬送姿勢が正常でない場合には、各アンテナ13・14とRFIDタグ3との間で通信を確立できなくなる。このような、各アンテナ13・14における受信状態を信号判定部19で判定し、信号判定部19の判定結果の組み合わせを主制御部20で判定することにより、搬送体1の搬送姿勢を知ることができる。
【0016】
したがって、本発明の姿勢判定装置によれば、搬送体に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3を装着しておくだけで、搬送体1の搬送姿勢を識別することができ、従来のこの種の装置に比べて、より簡単な構造で搬送体1の姿勢を識別できる。また、タグリーダー4に、同じ周波数の通信波を送受する複数のアンテナ13・14を設け、各アンテナ13・14を順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢を識別するので、1個のタグリーダー4を設けるだけでよく、従来装置に比べて、さらに簡単な構造で搬送体1の姿勢判定を行なうことができる。電磁誘導方式のRFIDタグ3を通信対象とするので、搬送体1の外形が小さい場合でも、隣接する複数の搬送体1に設けたRFIDタグ3が反応するのを避けて、確実に搬送体1の搬送姿勢を識別できる利点もある。
【0017】
第1アンテナ13と第2アンテナ14を順に作動させて、搬送体1の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する姿勢判定装置によれば、搬送体1が正常な搬送姿勢で搬送されていることを明確に識別できる。したがって、識別結果に応じて、例えば搬送体1の搬送姿勢を修正し、あるいは搬送姿勢が異常な搬送体1を搬送路から排除するなどの、以後の搬送体1の処理を的確に行なえる。
【0018】
第1アンテナ13と第2アンテナ14を順に作動させて、ICタグ3の装着位置を特定した状態で搬送体1の搬送姿勢を識別する姿勢判定装置によれば、搬送体1の搬送姿勢をさらに正確に識別できるので、以後の搬送体1の処理をさらに的確に行なうことができる。例えば、搬送体1の搬送姿勢を自動装置で特定の方向に揃えるような場合に、搬送体1をどのように動かすのが合理的であるかを判定して、より少ない動作で姿勢変更を行なえる。また、RFIDタグ3やアンテナ13・14の使用個数を増加する必要もなく、アンテナ制御部の動作プログラムを変更するだけで、搬送体1の搬送姿勢をさらに正確に識別できるので、姿勢判定装置の全体コストを抑えたままで識別機能を拡充できる。
【0019】
同じ通信周波数のアンテナ13・14のインダクタンスと、静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ13・14の通信距離を異ならせると、各アンテナ13・14の通信距離を厳密に設定できる。したがって、常に一定の搬送位置でRFIDタグ3と通信を確立して、搬送体1の搬送姿勢の識別を常に安定した状態で行なえる。搬送体1の搬送速度が大きい場合でも、支障なく通信を確立できる。通信距離が異なる各アンテナ13・14を同心状に配置すると、各アンテナ13・14が占める空間を小さくして、タグリーダー4を小形化できる。
【0020】
本発明に係る搬送体の姿勢判定装置においては、通信距離が大小に異なる複数のタグアンテナ25・26をRFIDタグ3に設けておき、RFIDタグ3がタグリーダー4のアンテナ30と正対する状態で通信を行なうようにした。さらに、通信を確立できたタグアンテナを特定することにより、搬送体1の搬送姿勢を識別できるようにした。例えば、搬送体1の搬送姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別できるようにした。したがって、本発明の姿勢判定装置によれば、搬送体に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してあればよく、しかも1個のタグリーダー4を設けるだけでよく、従来装置に比べて簡単な構造で搬送体1の姿勢判定を行なうことができる。また、本発明に係る搬送体の姿勢判定装置の別の使用形態においては、タグリーダー4で通信を確立できたタグアンテナを特定することにより、識別対象物33の位置を認識し、さらに、識別対象物33の位置の違いに応じて、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。
【0021】
本発明の姿勢判定方法では、通信距離が異なる通信波を各アンテナ13・14から発信して、各アンテナ13・14におけるRFIDタグ3の反射波の有無を信号判定部19で判定する。さらに、信号判定部19の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部20で判定して搬送体1の搬送姿勢を識別する。このように、本発明の姿勢判定方法によれば、搬送体1に1個の電磁誘導方式のRFIDタグ3が装着してあればよく、さらに1個のタグリーダー4を用意すればよいので、従来の姿勢判定方法に比べて、より簡単な機材のみで搬送体1の姿勢を識別できる。電磁誘導方式のRFIDタグ3を通信対象とするので、搬送体1の外形が小さい場合でも、隣接する複数の搬送体1に設けたRFIDタグ3が反応するのを避けて、確実に搬送体1の搬送姿勢を識別できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る姿勢判定装置、および姿勢判定方法の原理構造を示す概略正面図である。
【図2】ICタグおよびタグリーダーのアンテナの配置形態を示す平面図である。
【図3】ICタグの位置の違いによるアンテナの通信結果を示す図表である。
【図4】搬送姿勢を識別するときの識別処理を示すフローチャートである。
【図5】別の実施形態に係る識別処理を示すフローチャートである。
【図6】図5における識別処理の要部を示すフローチャートである。
【図7】ICタグの位置の違いによるアンテナの通信結果を示す図表である。
【図8】実施例2に係る姿勢判定装置の原理構造を示す概略正面図である。
【図9】実施例2に係るICタグのアンテナの配置形態を示す平面図である。
【図10】実施例2に係る姿勢判定装置の使用例を示す概略正面図である。
【図11】実施例2に係る姿勢判定装置の別の使用例を示す断面図である。
【図12】実施例2に係る姿勢判定装置のICタグの別実施例を示す平面図である。
【図13】図12に係る姿勢判定装置の使用例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施例1) 本発明に係る姿勢判定装置の実施例1を図1ないし図4に基づき説明する。図1において、符号1は搬送体、符号2はベルトコンベアであり、搬送体1が搬送される方向を矢印で示している。搬送体1は扁平な直方体状のブロックからなり、その上面の前部(搬送方向下手側)の所定位置には、RFIDタグ(以下、単にICタグという。)3が装着してある。また、搬送体1の搬送路に臨む上方空間には、ICタグ3と通信を行なうタグ用のリーダライタ(以下、タグリーダーという。)4と、搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー5とが配置してある。タイミングセンサー5は、光センサー、超音波センサー、マイクロスイッチなど、非接触式センサーと接触式センサーのいずれであってもよい。
【0024】
ICタグ3はシート状のタグ本体8に、ICチップ9と渦巻状のアンテナ10とを実装して電磁誘導方式のタグとして構成してあり、その通信周波数は例えば13.56MHzである。ICチップ9には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。なお、実際のICタグ3においては、ICチップ9およびアンテナ10の外面が保護フィルムで覆われているので、図2に示すようにICチップ9やアンテナ10の配置パターンを見ることはできない。
【0025】
タグリーダー4には、先の通信周波数の通信波を送受する第1アンテナ(アンテナ)13、および第2アンテナ(アンテナ)14と、各アンテナ13・14の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ13・14は、それぞれ搬送体1の上面と平行に配置されて、それぞれ異なる通信距離でICタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。詳しくは、第1アンテナ13の通信距離が大きく設定してあるのに対して、第2アンテナ14の通信距離は第1アンテナ13の通信距離の約半分程度に小さく設定してある。なお、第1アンテナ13の仮想中心と、第2アンテナ14の仮想中心とは、同じ垂直線上に位置させてあり、このように両アンテナ13・14の仮想中心位置を一致させることにより、両アンテナ13・14を同心状に配置することができる(図2参照)。
【0026】
各アンテナ13・14の通信距離の差は、各アンテナ13・14のインダクタンスと、アンテナ13・14に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせることで大小に設定することができる。図2に示すように、この実施例では、第1アンテナ13を縦横寸法が大きな四角形の渦巻き形状に形成して、その面積(インダクタンス)を大きくすることで通信可能な距離を大きくした。第2アンテナ14は、第1アンテナ13に比べて縦横寸法が小さな四角形の渦巻き形状に形成して、その面積を小さくすることで通信可能な距離を小さくした。
【0027】
上記のように、通信可能な距離を大小に異ならせることにより、図1に示すように、第1アンテナ13の通信領域E1の垂直方向の下端位置は、ベルトコンベア2の搬送面より下方にまで達している。また、第2アンテナ14の通信領域E2の垂直方向の下端位置は、ベルトコンベア2の搬送面より上方で、搬送体1の上面よりやや下方に位置している。なお、これらの通信領域E1・E2は、アンテナ13・14を四角形の渦巻き形状とする関係で複雑な形状になるが、図1では理解を容易化するために、各通信領域E1・E2を単純な半球状の空間として示している。
【0028】
アンテナ制御部は、各アンテナ13・14を択一的に作動させるアンテナ切換部18と、各アンテナ13・14が受信したICタグ3の反射波の信号強度を判定する信号判定部19と、主制御部20などで構成する。アンテナ切換部18は、通信距離が大きな第1アンテナ13、第2アンテナ14の順に各アンテナ13・14を作動させて、各アンテナ13・14とICタグ3との間で通信を行なわせる。信号判定部19は、各アンテナ13・14が受信するICタグ3の反射波の信号強度を判定する。
【0029】
先に説明したように、搬送体1は、その上面の前部にICタグ3が位置する姿勢を正常としている。図3に示すように、搬送体1の搬送姿勢が異常である場合は、搬送体1の下面前部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置B)と、搬送体1の上面後部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置C)と、搬送体1の下面後部にICタグ3が位置する姿勢(タグ位置D)となる。本発明では、タグリーダー4の両アンテナ13・14とICタグ3との間で通信を行なって、搬送体1の搬送姿勢が適正であるか否かを主制御部20で判定する。以下のその詳細を、図4のフローチャートに従って説明する。
【0030】
(識別処理) タイミングセンサー5により搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近したことが検知され(S1)、該タイミングセンサー5からの検知信号を受けると、主制御部20は、カウンタN、Mの値を0にリセットして(S2)、第1アンテナ13を起動させて通信波を発信する(S3)。通信が成立しなかった場合には(S4でNO)、第1アンテナ13用のカウンタNの値をN+1にして(S5)、カウンターNの値が所定値T1に達したか否かを判断したうえで(S6でNO)、再度第1アンテナ13の受信状態を確認する(S4)。
【0031】
図1に示すように、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に進入すると、第1アンテナ13がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する(S4でYES)。これにより、搬送体1が所定距離まで接近してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、第1アンテナ13の作動を停止したのち(S7)、第2アンテナ14を起動させて通信波を発信する(S8)。通信が成立しなかった場合には(S9でNO)、カウンタMの値をM+1にして(S10)、カウンターMの値が所定値T2に達したか否かを判断したうえで(S11でNO)、再度第2アンテナ14の受信状態を確認する(S9)。
【0032】
ICタグ3が第2アンテナ13の通信領域E2に進入すると、第2アンテナ14がICタグ3からの反射波を受信する(S9でYES)。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する。これにより、搬送体1が第2アンテナ14の概ね真下にまで移動してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、搬送体1が正常な姿勢で送られてきたものと判定して(S13)、その判定結果を外部機器に出力したのち、第2アンテナ14の作動を停止して待機状態に戻る。
【0033】
タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1に達した場合には(S6でYES)、ICタグ3がタグ位置Cあるいはタグ位置Dにあるものとして(S14)、その判定結果を外部機器に出力したのち、識別処理を終了する。なお、搬送体1は一定の速度で搬送されているので、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点から、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に完全に進入するまでの時間は予め決めておくことができる。この時間に合わせて所定値T1を設定しておくことにより、主制御部20はカウンターNの値が所定値T1になった時点で、搬送体1が異常な姿勢で送られてきたものと判定できる。同様に、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第2アンテナ14側のカウンターMの値が所定値T2に達した場合には(S11でYES)、ICタグ3がタグ位置Bにあるものとして(S12)、その結果信号を外部機器に出力したのち識別処理を終了する。
【0034】
上記の各状態における両アンテナの受信状態を図3の図表にまとめて示している。ICタグ3がタグ位置A(正常な位置)にある場合には、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できる。ICタグ3がタグ位置B(異常な位置)にある場合には、第1アンテナ13はICタグ3と通信を確立できるが、第2アンテナ14は通信を確立できない。ICタグ3がタグ位置C(異常な位置)、あるいはタグ位置D(異常な位置)にある場合には、ICタグ3が第1アンテナ13の通信領域に進入する前に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になってしまうので、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できないことになる。以上の通信結果から、搬送体1が正常な姿勢で搬送されているか、異常な姿勢で搬送されているかを明確に識別できることとなる。
【0035】
以上のように構成した姿勢判定装置は、以下の態様で実施することができ、その詳細を図5および図6にのフローチャートに従って説明する。そこでは、搬送されてきた搬送体1のICタグ3が、タグ位置A〜Dのどこに位置しているかを明確に識別するために、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になったのちに図6に示す処理を行なう。すなわち、図5のS21〜S33の処理は図4のS1〜S13の処理と共通しており、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になったときに(S26でYES→(×))、図6の処理を行なう。
【0036】
先に説明したように、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T1になった状態では、ICタグ3がタグ位置C、あるいはタグ位置Dのいずれかの位置にある。この状態で図6に示すように、第1アンテナ13を作動させて通信波を発信する。通信が成立しなかった場合には(S41でNO)、図6におけるカウンタNの値をN+1にして(S42)、カウンターNの値が所定値T3に達したか否かを判断したうえで(S43でNO)、再度第1アンテナ13の受信状態を確認する(S41)。なお、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点から、搬送体1の後部に位置するICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に完全に進入するまでの時間は予め決めておくことができる。この時間に合わせて所定値T3を設定しておく。
【0037】
搬送体1の後部上面に位置するICタグ3が第1アンテナ13の通信領域E1に進入すると、第1アンテナ13がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する(S41でYES)。これにより、搬送体1の後部が所定距離まで接近してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、第1アンテナ13の作動を停止したのち(S44)、第2アンテナ14を起動させて通信波を発信する(S45)。第2アンテナ14の通信が成立しなかった場合には(S46でNO)、カウンタMの値をM+1にして(S47)、カウンターMの値が所定値T4に達したか否かを判断したうえで(S48でNO)、再度第2アンテナ14の受信状態を確認する(S46)。
【0038】
ICタグ3が第2アンテナ13の通信領域E2に進入すると、第2アンテナ14がICタグ3からの反射波を受信する。この反射波が閾値を越えたことを信号判定部19で判定した場合には(S46でYES)、信号判定部19が結果信号を主制御部20に出力する。これにより、搬送体1が第2アンテナ14の概ね真下にまで移動してきたことが判る。結果信号を受けた主制御部20は、ICタグ3がタグ位置Cにある状態で送られてきたものと判定して(S50)、その判定結果を外部機器に出力したのち、第2アンテナ14の作動を停止して待機状態に戻る。
【0039】
タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第2アンテナ14側のカウンターMの値が所定値T4に達した場合には(S48でYES)、主制御部20はICタグ3がタグ位置Dにあるものとして(S49)、その結果信号を外部機器に出力したのち識別処理を終了する。また、タイミングセンサー5が検知信号を出力した時点以降に、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T3に達した場合には(S43でYES)、ICタグ3との通信を確立できないので、主制御部20はタグ位置A〜Dのいずれでもない状態、すなわちICタグ3が搬送体1に装着されていない状態であると判定して(S51)、その判定結果を外部機器に出力したのち、識別処理を終了する。
【0040】
上記の各状態における両アンテナの受信状態を図7の図表にまとめて示している。ICタグ3がタグ位置A、およびタグ位置Bにある場合は、図3で説明した受信状態と同じである。ICタグ3がタグ位置Cにある場合には、カウンターNの値がT4になるまでの間に、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できる(S46でYES、S50:図6)。ICタグ3がタグ位置Dにある場合には、第1アンテナ13はICタグ3と通信を確立できるが、第2アンテナ14は通信を確立できない。ICタグ3がタグ位置Cあるいはタグ位置Dのいずれでもない場合には、第1アンテナ13側のカウンターNの値が所定値T3になってしまうので、第1アンテナ13および第2アンテナ14のいずれもが通信を確立できないこととなる(S48でYES、S49:図6)。以上の通信結果から、搬送されてきた搬送体1のICタグ3が、タグ位置A〜Dのどこに位置しているかを明確に識別でき、さらにICタグ3が搬送体1に装着されていない異常状態であることを識別できる。
【0041】
(実施例2) 実施例2に係る姿勢判定装置を図8および図9に示す。そこでは、タグ本体8に第1・第2の二組のタグアンテナ25・26と、各タグアンテナ25・26に個別に接続される第1・第2のICチップ27・28を実装して、ICタグ3を電磁誘導方式のタグとして構成する。両ICチップ27・28には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。図8に示すように、各タグアンテナ25・26は、タグリーダー4に対してそれぞれ異なる通信距離でICタグ3と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてある。
【0042】
詳しくは、図9に示すように、第1タグアンテナ(タグアンテナ)25を縦横寸法a1が大きな四角形の渦巻き形状に形成して、その通信距離Dを大きくした。また第2タグアンテナ26は、第1タグアンテナ25に比べて縦横寸法a2が小さな四角形の渦巻き形状に形成して、その通信距離dを第1タグアンテナ25の通信距離Dより充分に小さく設定している。タグリーダー4には、先の各タグアンテナ25・26と通信するアンテナ30とアンテナ制御部とが設けてある。アンテナ30は四角形の渦巻き形状に形成するが、その縦横寸法a3が第1タグアンテナ25の縦横寸法a1と、第2タグアンテナ26の縦横寸法a2の中間の値に設定してある。3個の各アンテナ25・26・30の縦横寸法の関係は、a1>a3>a2となる。
【0043】
この実施例では、搬送体1をベルトコンベア2で間欠搬送し、搬送体1がタグリーダー4の真下に位置する静止状態において、搬送体1の姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別する。例えば、ICタグ3が搬送体1の上面(表面)側に位置している場合に、搬送体の姿勢が正常であると判定し、ICタグ3が搬送体1の下面(裏面)側に位置している場合に、搬送体の姿勢が異常であると判定する。
【0044】
搬送体1がタグリーダー4の通信領域に接近してくると、そのことをタイミングセンサー(図示していない)が検知して、検知信号をベルトコンベア2の駆動機構と、アンテナ制御部へ出力する。ベルトコンベア2の駆動機構は、タイミングセンサーの検知信号を受けて一定時間後にベルトコンベア2を停止させて、搬送体1のICタグ3をタグリーダー4の真下に位置させる。アンテナ制御部は、ベルトコンベア2が停止するのと同時に、タグリーダー4のアンテナ30を起動して通信波を発信させる。このとき、図8(a)に示すように、ICタグ3が搬送体1の上面側にある場合には、第2タグアンテナ26からの反射波がアンテナ30に受信されるので、搬送体1の搬送姿勢が正常であると識別する。このとき、タグリーダー4のアンテナ30は、図9に示すように、第1タグアンテナ25の中央に位置しており、第1タグアンテナ25がアンテナ30の通信可能な領域から外れた位置にあるので、第1タグアンテナ25が反射波を発信することはない。
【0045】
また、図8(b)に示すように、ICタグ3が搬送体1の下面側にある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波がアンテナ30に受信されるので、搬送体1の搬送姿勢が異常であると識別する。このときの第2タグアンテナ26の通信距離dは、第1タグアンテナ25の通信距離Dに比べて充分に小さい。そのため、第2タグアンテナ26からの反射波がアンテナ30に受信されることはない。以上により、搬送体1の搬送姿勢が表であるか裏であるかを姿勢判定装置で識別できることとなる。ICタグ3が搬送体1の右側面と左側面のどちらの側に位置しているかを識別することもできる。
【0046】
なお、搬送体1は間欠搬送する必要はなく、連続搬送する間にその搬送姿勢を識別することができる。その場合には、ICタグ3がタグリーダー4の真下に位置したことをセンサーなどで検知して、アンテナ30を起動するとよい。また、ICチップ27・28をアンチコリジョン対応のICチップとすることにより個別に通信を行なって、各反射波が閾値を越えたか否かで搬送体1の搬送姿勢を特定することができる。
【0047】
以上のように構成した姿勢判定装置は、図10に示す使用形態で使用できる。そこでは、上面にICタグ3が装着された搬送体1をベルトコンベア2によって一定速度で搬送する。搬送経路に臨んでタグリーダー4が配置してあり、そのアンテナ30からは常時通信波が発信されている。図10(a)に示すように、搬送体1がタグリーダー4に接近してくると、まず通信距離が大きな第1タグアンテナ25がタグリーダー4のアンテナ30と通信を確立して、反射波をアンテナ30へ返す。搬送体1がさらに接近すると、第1タグアンテナ25がアンテナ30の通信可能な領域から外れるので、両者25・30間の通信は一時的に途絶する。図10(b)に示すように、第2タグアンテナ26がタグリーダー4のアンテナ30の真下近傍に位置する状態では、第2タグアンテナ26がタグリーダー4のアンテナ30と通信を確立して、反射波をアンテナ30へ返す。なお、第1タグアンテナ25は、その後側の辺部がアンテナ30の真下を通過する間に、再びアンテナ30との通信を確立できる。
【0048】
このことから、タグリーダー4が装着された搬送体1の位置を検出することができる。また、ICタグ3に実装されたICチップ27・28のいずれかに、搬送体1に関するデータが記録してある場合には、このデータをタグリーダー4で読み込むことにより、ベルトコンベア2上のタグリーダー4の位置まで到達した搬送体1の詳細な内容を知ることができる。例えば、同じ外観形状の搬送体1の表面の着色状態や、内部の仕様が異なるような場合に、その違いを知ることができる。
【0049】
図8および図9で説明した姿勢判定装置は図11に示す実施態様で使用することができる。そこでは、上側の第1スロット31と下側の第2スロット32が上下2段に配置してあるスロット構造において、第1スロット31の上方にタグリーダー4が配置してある。また、識別対象物33にはICタグ3が装着してある。タグリーダー4は、識別対象物33が両スロット31・32のどちら側に装填されているかを識別する。さらに、識別対象物33が第1スロット31に装填されている場合と、識別対象物33が第2スロット32に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なう。このように、図8および図9で説明した姿勢判定装置は、識別対象33の位置識別装置として使用することができる。
【0050】
この実施態様によれば、例えば銀行カードが第1スロット31に装填された状態では、普通預金口座用の銀行カードとして決済処理を行ない、銀行カードが第2スロット32に装填された状態では、貯蓄預金口座用の銀行カードとして決済処理を行なう等の使い分けを実現できる。その場合の識別対象物33は、銀行カードを構成するカード本体に相当し、その内部にICタグ3を埋設しておくとよい。つまり、識別対象物33は一般的なICカードと同様に構成することができる。
【0051】
実線で示すように、識別対象物33が第1スロット31に装填してある場合には、タグリーダー4のアンテナ30と正対する第2タグアンテナ26からの反射波のみがアンテナ30に受信される。先に説明したように、このときの第1タグアンテナ25は、アンテナ30の通信可能な領域から外れた位置にあるので、第1タグアンテナ25が反射波を発信することはない。また、想像線で示すように、識別対象物33が第2スロット32に装填してある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波のみがアンテナ30に受信される。このことから、識別対象物33が装填されているスロットを識別することができる。さらに、識別対象物33が第1・第2の両スロット31・32のどちら側に装填されているかに応じて、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なう。
【0052】
図8および図9で説明した姿勢判定装置は図12および図13に示す形態で使用することができる。そこでは、図9のICタグ3と同様に、ICタグ3を、タグ本体8に第1・第2の二組のタグアンテナ25・26と第1・第2のICチップ27・28を実装して電磁誘導方式のタグとして構成する。両ICチップ27・28には各種のデータを格納するメモリー領域が設けてある。図12に示すように、各タグアンテナ25・26はアンテナ仕様が異ならせてあり、第1タグアンテナ(タグアンテナ)25の通信距離を、第2タグアンテナ(タグアンテナ)26の通信距離より充分に大きく設定している。そのために、図12に示すように、第1タグアンテナ25を縦横寸法a1が大きな四角形の渦巻き形状に形成して通信可能な距離を大きくした。また第2タグアンテナ26は、第1タグアンテナ25に比べて縦横寸法a2が小さな四角形の渦巻き形状に形成して通信可能な距離を小さくした。
【0053】
タグリーダー4には、先の各タグアンテナ25・26と通信する第1アンテナ41と、第2アンテナ42と、アンテナ制御部とが設けてある。各アンテナ41・42は四角形の渦巻き形状に形成するが、第1アンテナ41の縦横寸法a3を、第2タグアンテナ26の縦横寸法a2より大きく設定し、第2アンテナ42縦横寸法a4を第1アンテナ41の縦横寸法a3より大きく設定する。4個の各アンテナ25・26・41・42の縦横寸法の関係は、a1>a4>a3>a2となる。これにより各タグアンテナ25・26と、タグリーダー4側の各アンテナ41・42との通信可能な距離は、図13に示すようにf1・f2・F1・F2となり、第1アンテナ41はf1・f2のいずれかで各タグアンテナ25・26と通信でき、第2アンテナ42はF1・F2のいずれかで各タグアンテナ25・26と通信できる。
【0054】
スロット構造は、第1スロット31と、第2スロット32と、第3スロット34と、第4スロット35を上から順に配置して構成してあり、識別対象物33が各スロット31・32・34・35のどこに装填されているかをタグリーダー4で識別する。識別対象物33の上面にはICタグ3が装着してあり、第1スロット31の上方にはタグリーダー4が配置してある。
【0055】
タグリーダー4は、例えば第1アンテナ41を起動して通信波を発信し、各タグアンテナ25・26からの反射波の受信状態から識別対象物33が第1スロット31と、第2スロット32のどちらに装填してあるかを識別する。次に、第1アンテナ41を停止したのち、第2アンテナ42を起動して通信波を発信し、各タグアンテナ25・26からの反射波の受信状態から識別対象物33が第3スロット34と、第4スロット35のどちらに装填してあるかを識別する。
【0056】
識別対象物33が第1スロット31に装填してある場合には、タグリーダー4の第1アンテナ41と正対する第2タグアンテナ26からの反射波のみが、第1アンテナ41に受信される。識別対象物33が第2スロット32に装填してある場合には、第1タグアンテナ25からの反射波のみが、第1アンテナ41に受信される。識別対象物33が第3スロット34に装填してある場合には、第2タグアンテナ25からの反射波のみが第2アンテナ42に受信される。識別対象物33が第4スロット35に装填してある場合には、第2タグアンテナ25からの反射波のみが第2アンテナ42に受信される。
【0057】
これらの違いから、識別対象物33が装填されているスロットを識別でき、さらに識別対象物33が装填されていないスロットの位置を知ることができ、識別対象物33の場所管理に利用することができる。また、識別対象物33が第1スロット31に装填されている場合と、識別対象物33が第2スロット32に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。さらに、識別対象物33が第3スロット34に装填されている場合と、識別対象物33が第4スロット35に装填されている場合とで、使用するアプリケーションを異ならせて、タグリーダー4で各ICチップ27・28ごとに異なるリードライト処理を行なうことができる。
【0058】
上記の実施例では、タグリーダー4に2個のアンテナ13・14を設ける場合について説明したが、アンテナは2個以上設けることができる。その場合でも、アンテナの個数が増えるだけで、アンテナ以外の構造は共通して使用することができるので、タグリーダー4の構造が複雑になることはない。RFIDタグ3の通信周波数は、電磁誘導方式のRFIDタグに適用される通信周波数であれば、自由に使用する通信周波数を選定でき、実施例で説明した通信周波数には限らない。
【0059】
上記の実施例では、第1アンテナ13と第2アンテナ14を上下平行に配置したがその必要はなく、同一平面上に第1アンテナ13と第2アンテナ14とを同心状に配置することができる。第1アンテナ13と第2アンテナ14は、必ずしも同心状に配置する必要はない。例えば、第2アンテナ14をその仮想中心が、第1アンテナ13の仮想中心より搬送方向下手側に偏心した状態で配置することができる。その場合には、第1アンテナ13がICタグ3と通信を確立したのち、第2アンテナ14がICタグ3と通信を確立するまでの時間を長引かせることができる。第1アンテナ13と第2アンテナ14は、搬送体1の搬送経路の側方や下方に臨んで配置することができる。
【0060】
さらに、タグリーダー4の各アンテナ13・14・30・41・42は、それぞれ搬送体1やICタグ3の上面と平行に配置する必要はなく、搬送体1やICタグ3の上面と直交する姿勢や、斜めに傾斜する姿勢で配置することができる。要は、各アンテナ13・14・30・41・42とICタグ3との通信距離が大小に異なっておればよい。
【0061】
また、近距離用の第2アンテナ14の共振周波数を、通信周波数から僅かにずらして、その通信距離を短くすることができる。必要があれば、搬送体1に2個以上のICタグ3を装着しておいて、四面体や直方体あるいは多面体として形成された搬送体1の搬送姿勢を、明確に特定できるようにすることができる。例えば、立方体からなる搬送体1の6個の周面のうち、どの面が前向きになっているかを、搬送過程で知ることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 搬送体
3 RFICタグ(ICタグ)
4 タグリーダー
5 タイミングセンサー
13 第1アンテナ(アンテナ)
14 第2アンテナ(アンテナ)
18 アンテナ切換え部
19 信号判定部
E1 第1アンテナの通信領域
E2 第2アンテナの通信領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送路に臨んで、RFIDタグ(3)と通信を行なうタグリーダー(4)と、搬送体(1)がタグリーダー(4)の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー(5)とが配置されており、
タグリーダー(4)には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のアンテナ(13・14)と、各アンテナ(13・14)の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けられており、
各アンテナ(13・14)は、それぞれ異なる通信距離でRFIDタグ(3)と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてあり、
アンテナ制御部は、各アンテナ(13・14)を択一的に作動させるアンテナ切換部(18)と、各アンテナ(13・14)が受信したRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を判定する信号判定部(19)と、主制御部(20)を含み、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ(13・14)を作動させ、各アンテナ(13・14)におけるRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を信号判定部(19)で判定し、信号判定部(19)の判定結果の組み合わせを主制御部(20)で判定して、搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定装置。
【請求項2】
タグリーダー(4)に通信距離が大きな第1アンテナ(13)と、通信距離が小さな第2アンテナ(14)とが設けられており、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ(13)と第2アンテナ(14)を記載順に作動させて、搬送体(1)の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する請求項1に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項3】
タグリーダー(4)に通信距離が大きな第1アンテナ(13)と、通信距離が小さな第2アンテナ(14)とが設けられており、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ(13)と第2アンテナ(14)を記載順に作動させて、搬送されてきた搬送体(1)のICタグ(3)の装着位置を特定した状態で搬送体(1)の搬送姿勢を識別できる請求項1に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項4】
アンテナ(13・14)のインダクタンスと、アンテナ(13・14)に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ(13・14)の通信距離が異ならせてあり、
各アンテナ(13・14)の仮想中心位置を一致させて、各アンテナ(13・14)が同心状に配置してある請求項1または2に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項5】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送路に臨んで、RFIDタグ(3)と通信を行なうタグリーダー(4)が配置されており、
RFIDタグ(3)には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のタグアンテナ(25・26)と、各タグアンテナ(25・26)に個別に接続されるICチップ(27・28)とが設けられており、
各タグアンテナ(25・26)は、それぞれ異なる通信距離でタグリーダー(4)と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてあり、
RFIDタグ(3)がタグリーダー(4)のアンテナ(30)と正対する状態において、各タグアンテナ(25・26)とアンテナ(30)との間で通信を行なって、いずれか一方のタグアンテナ(25・26)との通信を確立し、通信を確立できたタグアンテナによって搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定装置。
【請求項6】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送経路に臨んで配置したタグリーダー(4)と、前記RFIDタグ(3)との間で通信を行なって、搬送体(1)の姿勢を識別する搬送体の姿勢判定方法であって、
タグリーダー(4)には、同じ周波数の通信波を送受でき、かつ通信距離の異なる複数個のアンテナ(13・14)と、各アンテナ(13・14)の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けられており、
搬送体(1)がタグリーダー(4)の通信領域に接近したことをタイミングセンサー(5)で検知し、
タイミングセンサー(5)の検知信号に基づきアンテナ制御部のアンテナ切換部(19)から出力される指令信号に基づき、各アンテナ(13・14)を通信距離が大きなアンテナから順に作動させ、
各アンテナ(13・14)におけるRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を信号判定部(19)で判定し、
信号判定部(19)の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部(20)で判定して搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定方法。
【請求項1】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送路に臨んで、RFIDタグ(3)と通信を行なうタグリーダー(4)と、搬送体(1)がタグリーダー(4)の通信領域に接近したことを検知するタイミングセンサー(5)とが配置されており、
タグリーダー(4)には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のアンテナ(13・14)と、各アンテナ(13・14)の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けられており、
各アンテナ(13・14)は、それぞれ異なる通信距離でRFIDタグ(3)と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてあり、
アンテナ制御部は、各アンテナ(13・14)を択一的に作動させるアンテナ切換部(18)と、各アンテナ(13・14)が受信したRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を判定する信号判定部(19)と、主制御部(20)を含み、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、通信距離が大きなアンテナから順に各アンテナ(13・14)を作動させ、各アンテナ(13・14)におけるRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を信号判定部(19)で判定し、信号判定部(19)の判定結果の組み合わせを主制御部(20)で判定して、搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定装置。
【請求項2】
タグリーダー(4)に通信距離が大きな第1アンテナ(13)と、通信距離が小さな第2アンテナ(14)とが設けられており、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ(13)と第2アンテナ(14)を記載順に作動させて、搬送体(1)の搬送姿勢が正常であるか否かを識別する請求項1に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項3】
タグリーダー(4)に通信距離が大きな第1アンテナ(13)と、通信距離が小さな第2アンテナ(14)とが設けられており、
タイミングセンサー(5)が搬送体(1)を検知したときの検知信号に基づき、第1アンテナ(13)と第2アンテナ(14)を記載順に作動させて、搬送されてきた搬送体(1)のICタグ(3)の装着位置を特定した状態で搬送体(1)の搬送姿勢を識別できる請求項1に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項4】
アンテナ(13・14)のインダクタンスと、アンテナ(13・14)に接続されたコンデンサの静電容量との少なくともいずれかひとつを異ならせて、各アンテナ(13・14)の通信距離が異ならせてあり、
各アンテナ(13・14)の仮想中心位置を一致させて、各アンテナ(13・14)が同心状に配置してある請求項1または2に記載の搬送体の姿勢判定装置。
【請求項5】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送路に臨んで、RFIDタグ(3)と通信を行なうタグリーダー(4)が配置されており、
RFIDタグ(3)には、同じ周波数の通信波を送受する複数個のタグアンテナ(25・26)と、各タグアンテナ(25・26)に個別に接続されるICチップ(27・28)とが設けられており、
各タグアンテナ(25・26)は、それぞれ異なる通信距離でタグリーダー(4)と通信できるようにアンテナ仕様が異ならせてあり、
RFIDタグ(3)がタグリーダー(4)のアンテナ(30)と正対する状態において、各タグアンテナ(25・26)とアンテナ(30)との間で通信を行なって、いずれか一方のタグアンテナ(25・26)との通信を確立し、通信を確立できたタグアンテナによって搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定装置。
【請求項6】
一方向へ搬送される搬送体(1)に電磁誘導方式のRFIDタグ(3)が装着されており、
搬送体(1)の搬送経路に臨んで配置したタグリーダー(4)と、前記RFIDタグ(3)との間で通信を行なって、搬送体(1)の姿勢を識別する搬送体の姿勢判定方法であって、
タグリーダー(4)には、同じ周波数の通信波を送受でき、かつ通信距離の異なる複数個のアンテナ(13・14)と、各アンテナ(13・14)の作動状態を制御するアンテナ制御部とが設けられており、
搬送体(1)がタグリーダー(4)の通信領域に接近したことをタイミングセンサー(5)で検知し、
タイミングセンサー(5)の検知信号に基づきアンテナ制御部のアンテナ切換部(19)から出力される指令信号に基づき、各アンテナ(13・14)を通信距離が大きなアンテナから順に作動させ、
各アンテナ(13・14)におけるRFIDタグ(3)の反射波の信号強度を信号判定部(19)で判定し、
信号判定部(19)の判定結果の組み合わせをアンテナ制御部の主制御部(20)で判定して搬送体(1)の搬送姿勢を識別することを特徴とする搬送体の姿勢判定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−132016(P2011−132016A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294758(P2009−294758)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(591009093)マクセル精器株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(591009093)マクセル精器株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
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