説明

搬送台車

【課題】始動時の負荷の軽減を簡単且つ効果的に行う。
【解決手段】底面の前後に固定車輪4,4と可動車輪5,5とを有する機台2と、その機台2の後端に立設されたハンドル3とを備えた搬送台車1において、ハンドル3を、鉛直方向に起立する前方位置と、その前方位置から後方へ所定角度傾倒した後方位置との間を任意に傾動可能に設けて、機台2に、ハンドル3の前後への傾動に連動して前後移動する作動ロッド17を設ける一方、機台2に、作動ロッド17の前進動作のみを固定車輪4,4の前進方向への回転付勢力に変換して伝達する始動負荷軽減機構30を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場や倉庫等において物品の運搬に使用される搬送台車に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送台車は、前後に夫々一対の車輪を備えた機台の後端に、ハンドルを立設してなり、ハンドルを把持して作業者が後方から押し操作することで前進が可能となり、物品の運搬が行える。しかし、物品の重量が大きいと、始動時の作業者の負荷が大きくなり、作業性を低下させてしまう。そこで、特許文献1には、後輪の車軸に、ラチェットを利用した初動用レバーを設けて、始動時には初動用レバーを操作することで、車軸の回転に初動力を与えて負荷を軽減しようとする手押し台車が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−66840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の手押し台車においては、初動用レバーが車軸に設けられているので、ハンドルを設けた場合、ハンドルを押す操作と初動用レバーの操作とが別々となって操作しづらい上、操作のタイミングも合わせにくく、使い勝手が悪いものとなっていた。また、車軸に対して直接初動力を与えるため、大きな初動力も得られない。
【0005】
そこで、本発明は、始動時の負荷の軽減を簡単且つ効果的に行うことができ、使い勝手に優れる搬送台車を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハンドルを、鉛直方向に起立する前方位置と、その前方位置から後方へ所定角度傾倒した後方位置との間を任意に傾動可能に設けて、機台に、ハンドルの前後への傾動に連動して前後移動する作動部材を設ける一方、機台に、作動部材の前進動作のみを車輪の前進方向への回転付勢力に変換して伝達する始動負荷軽減機構を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、好適な始動負荷軽減機構を得るために、始動負荷軽減機構を、作動部材の前端に設けられて一体に前後移動するラックと、そのラックの前進にギヤを介して連動して前進方向へ回転する駆動ロッドと、その駆動ロッドと車輪との間に張設されて駆動ロッドの回転を車輪に伝達する無端状体とから形成したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、作動部材の前進動作を簡単な構成で駆動ロッドの回転に変換するために、ラックを作動部材に上下方向へ揺動可能に設ける一方、ギヤを、ラックが噛合可能な第1ギヤと、駆動ロッドと一体に設けられて第1ギヤが噛合する第2ギヤとで形成し、第1ギヤと第2ギヤとを支持するギヤボックスに、作動部材の前進時にラックを第1ギヤと噛合する上方位置で支持し、作動部材の後退時にラックを第1ギヤから離間する下方位置へ移動させるレールと、作動部材の後退位置でラックを上方位置へ押し上げる押し上げ部材とを設けたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、ハンドルの傾動及び押し操作を楽に行うために、ハンドルの下端を機台の後端に左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、当該下端に回転中心と同軸の駆動ギヤを設けると共に、機台の後端に、揺動部材の上端を左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、当該上端に回転中心と同軸で且つ駆動ギヤと噛合する従動ギヤを設けて、揺動部材の下端を作動部材に連結し、ハンドルの傾動に伴う駆動ギヤの回転により、従動ギヤを介して揺動部材を前後に揺動させて作動部材を前後移動させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、作動部材と始動負荷軽減機構との採用により、始動時の負荷の軽減が簡単且つ効果的に行える。特に、ハンドルを前進側へ押すことで負荷の軽減が可能となるため、ハンドルの押し操作とそれに続く搬送台車の押し動作とが無理なく連続し、使い勝手に優れたものとなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、作動部材の前進を車輪の回転付勢力に効率良く変換可能となり、好適な始動負荷軽減機構が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、簡単な構成で作動部材の前進動作を駆動ロッドの回転に変換可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、ギヤを利用してハンドルの傾動及び押し操作が楽に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は、搬送台車の一例を示す斜視図で、搬送台車1は、平面視が矩形となるフレーム状の機台2の後端(図1の左側を後方とする。)に四角フレーム状のハンドル3を立設してなる。機台2の底面前方には、前後方向に向きが固定される固定車輪4,4が設けられ、底面後方には、回転自在な可動車輪5,5が設けられている。また、ハンドル3は、機台2の後端に立設された四角枠状のフレーム6に沿って設けられている。
一方、ハンドル3は、フレーム6の後面に位置し、上方部を後方へくの字状に折り曲げて取っ手8としたフレーム状で、下端両側には、左右方向の軸を中心とした駆動ギヤ9,9が夫々固着されて、その駆動ギヤ9の中心軸が、フレーム6内の左右に設けた取付板7,7の上方へ回転可能に連結されている。
【0009】
また、取付板7,7の下方には、揺動部材となる揺動リンク10の上端が連結されている。この揺動リンク10は、左右方向の横棒部11の両端に上連結板12,12を設け、その上連結板12の上端に、ハンドル3の駆動ギヤ9,9と噛み合う従動ギヤ13,13を固着して、従動ギヤ13,13の中心軸を取付板7,7の下へ回転可能に連結している。さらに、横棒部11の中央には、上連結板12と平行な一対のL字状の下連結板14,14が、左右方向へ所定間隔をおいて固着されて、下連結板14,14の下端前方間には、小リンク15の上端が連結軸16で回転可能に軸着されている。この小リンク15の下端には、作動部材となる作動ロッド17の後端が、ピン18によって上下へ回転可能に連結されており、作動ロッド17は、機台2に連結したU字状の受け金具19を貫通して前後方向へ移動可能に支持されている。
【0010】
よって、フレーム6に沿った鉛直方向に起立する前方位置からハンドル3の取っ手8を把持して後方へ傾けると、駆動ギヤ9,9が後方側へ回転して従動ギヤ13,13を前方側へ回転させ、揺動リンク10を後方へ揺動させる。すると、下連結板14,14及び小リンク15を介して作動ロッド17が後退することになる。
一方、傾倒した後方位置からハンドル3を前方位置に戻すと、逆に駆動ギヤ9,9が前方側へ回転して従動ギヤ13,13を後方側へ回転させ、揺動リンク10を前方へ揺動させる。すると、下連結板14,14及び小リンク15を介して作動ロッド17が前進することになる。
【0011】
なお、ハンドル3の側面中央には、前端に下向き鍵状の係止部21を備えたロックプレート20が、上下へ回転可能に連結され、ロックプレート20の後端とハンドル3の上方との間に張設された引張バネ22により、図1,2での左方向へ回転付勢されている。フレーム6の上端面には、ハンドル3の前方位置でロックプレート20の係止部21が係止可能なピン23が固着されて、係止部21の下面側には、ハンドル3が後方位置から前方位置へ戻る際にピン23の乗り越えを許容する傾斜面24が形成されている。
25は、ハンドル3の取っ手8に設けられたロック解除レバーで、このロック解除レバー25に一端が固定されるワイヤー26が、取っ手8及びハンドル3に沿って取り付けられたワイヤチューブ27を通ってロックプレート20の前端に連結されている。よって、ロック解除レバー25を握り操作すると、ワイヤー26がロックプレート20を引張バネ22の付勢に抗して右方向へ回転させることができる。
【0012】
そして、搬送台車1には、ハンドル3の後方位置から前方位置への移動に伴う作動ロッド17の前進動作を固定車輪4,4の前進方向への回転付勢力に変換して伝達する始動負荷軽減機構30が設けられている。以下、この始動負荷軽減機構30について詳述する。
まず作動ロッド17の先端には、上面に歯を形成した小幅板状のラック31が、ピン32によって上下動可能に連結されて、機台2の下面に設けたギヤボックス33に挿入されている。このギヤボックス33は、図4〜6に示すように、前後及び上面を開放した倒コ字状に形成され、両側板34,34の間には、第1ギヤ36を一体に備えたシャフト35が左右方向に架設されて、第1ギヤ36の下側にラック31が噛合可能となっている。
【0013】
また、第1ギヤ36の下方で側板34,34には、横断面がL字状で、側板34より前後方向の長さが短い一対のレール37,37が、ラック31が遊挿する間隔をおいて、ギヤボックス33の底面よりも上方位置で対向状に取り付けられている。ラック31の前端には、係合ピン38が貫通状態で設けられて、係合ピン38の両端がレール37,37の上面に載る状態では、ラック31は第1ギヤ36と噛合する上方位置で支持され、係合ピン38がレール37,37の上面から外れる状態では、ラック31は前端がギヤボックス33の底面に当接して第1ギヤ36から離間する下方位置で支持されるようになっている。さらに、ギヤボックス33の底面後端位置には、下方位置から後退したラック31が乗り上がって上方位置へ押し上げる押し上げ部材としての丸棒39が設けられている。よって、各レール37,37には、丸棒39に乗り上がったラック31の係合ピン38を通過させて上方位置への復帰を許容する切欠40,40が形成されている。
【0014】
41は、第1ギヤ36の前方で側板34,34を左右方向に貫通する駆動ロッドで、この駆動ロッド41は、中間部分が各側板34に設けたベアリング42,42によって、両端部分が機台2から垂下された支持板43,43に設けられたベアリング44,44によって回転可能に支持されている。ギヤボックス33内で駆動ロッド41の中央には、第1ギヤ36より小径の第2ギヤ45が、第1ギヤ36との噛合状態で駆動ロッド41と同軸且つ一体に設けられている。また、支持板43,43の内側で駆動ロッド41の両側には、一対のスプロケット46,46が一体に設けられて、各スプロケット46と、各固定車輪4の側面へ同軸で一体に設けられたスプロケット47との間には、無端状体となるチェーン48が夫々張設されている。
【0015】
以上の如く構成された搬送台車1においては、ハンドル3の前方位置では、図1〜3のようにロックプレート20はピン23に係止してハンドル3をフレーム6と一体化させており、揺動リンク10も図7に示すように前方への揺動位置にある。よって、作動ロッド17及びラック31も前進位置にある。このときラック31は、前端の係合ピン38がレール37,37を越える位置まで前進しているので、図7に二点鎖線で示すように、前端がレール37,37の下方へ落ちてギヤボックス33の底面に当接する下方位置となって、第1ギヤ36から離間している。
【0016】
ここからロック解除レバー25を握り操作してロックプレート20を回転させ、フレーム6側への係止を解除した状態で、ハンドル3を後方へ傾倒させると、駆動ギヤ9及び従動ギヤ13を介して揺動リンク10が後方へ揺動する。よって、小リンク15を介して作動ロッド17及びラック31が後退する。このときラック31は、図8に二点鎖線で示すように、前端がギヤボックス33の底面に当接した前傾姿勢のまま係合ピン38をレール37,37の下方を通らせながら後退するため、第1ギヤ36と噛み合うことはない。なお、ラック31が前傾姿勢のまま後退することで、後端が丸棒39と干渉して徐々に上昇することになるが、ピン32によって作動ロッド17に軸着されているので、作動ロッド17の上端が上昇してラック31に追従し、ラック31の後退を妨げない。
【0017】
そして、ハンドル3が図8の後方位置に達すると、作動ロッド17及びラック31も後退位置に達するが、このときラック31の中間部が丸棒39に乗り上がるため、図8に実線で示すように係合ピン38が切欠40,40を通ってレール37,37の上面に移動し、ラック31が第1ギヤ36の後方で上方位置に復帰する。なお、作動ロッド17の前端には、後退位置で受け金具19に当接してそれ以上の作動ロッド17の後退、すなわちハンドル3の傾倒を規制するストッパ49が設けられている。
【0018】
ここから取っ手8を前方へ押すようにしてハンドル3を前方位置へ回転させると、今度は駆動ギヤ9及び従動ギヤ13を介して揺動リンク10が前方へ揺動する。よって、小リンク15を介して作動ロッド17及びラック31が前進する。このときラック31は、係合ピン38がレール37,37上を摺動することで水平姿勢を保ったまま前進し、第1ギヤ36に噛合して図8で見て右回転させる。すると、第1ギヤ36に噛合する第2ギヤ45が左回転し、駆動ロッド41を同時に左回転させる。よって、駆動ロッド41両端のスプロケット46,46も左回転し、チェーン48を介して各固定車輪4の側面のスプロケット47を左回転させる。これにより、固定車輪4,4も左回転するため、搬送台車1には前進方向への付勢力が働き、小さい力でも容易に前方へ始動させることができる。
【0019】
そして、ハンドル3が図7の前方位置に到達すると、ロックプレート20が自動的にピン18に係止してハンドル3の傾動がロックされる。一方、前進したラック31は、同図に実線で示すように係合ピン38がレール37,37の前端を越えるため、レール37,37による保持が無くなり、再び同図の二点鎖線のようにラック31の前端がギヤボックス33の底面に落ちる下方位置となる。
【0020】
このように、上記形態の搬送台車1によれば、ハンドル3を、鉛直方向に起立する前方位置と、その前方位置から後方へ所定角度傾倒した後方位置との間を任意に傾動可能に設けて、機台2に、ハンドル3の前後への傾動に連動して前後移動する作動ロッド17を設ける一方、機台2に、作動ロッド17の前進動作のみを固定車輪4,4の前進方向への回転付勢力に変換して伝達する始動負荷軽減機構30を設けたことで、始動時の負荷の軽減が簡単且つ効果的に行える。特に、ハンドル3を前進側へ押すことで負荷の軽減が可能となるため、ハンドル3の押し操作とそれに続く搬送台車1の押し動作とが無理なく連続し、使い勝手に優れる。
【0021】
また、ここでは、始動負荷軽減機構30を、作動ロッド17の前端に設けられて一体に前後移動するラック31と、そのラック31の前進にギヤ(第1、第2ギヤ36,45)を介して連動して前進方向へ回転する駆動ロッド41と、その駆動ロッド41と固定車輪4,4との間に張設されて駆動ロッド41の回転を固定車輪4,4に伝達するチェーン48,48とから形成したことで、作動ロッド17の前進を固定車輪4,4の回転付勢力に効率良く変換可能となり、好適な始動負荷軽減機構30が得られる。
【0022】
さらに、ラック31を作動ロッド17に上下方向へ揺動可能に設ける一方、ギヤを、ラック31が噛合可能な第1ギヤ36と、駆動ロッド41と一体に設けられて第1ギヤ36が噛合する第2ギヤ45とで形成し、第1ギヤ36と第2ギヤ45とを支持するギヤボックス33に、作動ロッド17の前進時にラック31を第1ギヤ36と噛合する上方位置で支持し、作動ロッド17の後退時にラック31を第1ギヤ36から離間する下方位置へ移動させるレール37,37と、作動ロッド17の後退位置でラック31を上方位置へ押し上げる丸棒39とを設けたことで、簡単な構成で作動ロッド17の前進動作を駆動ロッド41の回転に変換可能となる。
【0023】
加えて、ハンドル3の下端を機台2の後端のフレーム6に左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、ハンドル3の下端に回転中心と同軸の駆動ギヤ9,9を設けると共に、機台2のフレーム6に、揺動リンク10の上端を左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、揺動リンク10の上端に回転中心と同軸で且つ駆動ギヤ9,9と噛合する従動ギヤ13,13を設けて、揺動リンク10の下端を作動ロッド17に連結し、ハンドル3の傾動に伴う駆動ギヤ9の回転により、従動ギヤ13を介して揺動リンク10を前後に揺動させて作動ロッド17を前後移動させることで、ギヤを利用してハンドル3の傾動及び押し操作が楽に行える。
【0024】
なお、本発明は上記形態に限定するものではなく、例えば、スプロケットに代えてプーリを採用したり、無端状体としてベルトを採用したり、固定車輪の側面側に無端状体を張設せず、固定車輪の周面に凹溝を周設して凹溝に対して無端状体を張設したり等の設計変更が考えられる。また、前方の固定車輪に限らず、後方が固定車輪であれば、ギヤの数を変える等することで後方の固定車輪側に駆動ロッドを設けて、駆動ロッドと後方の固定車輪との間に無端状体を張設して始動負荷の軽減を図ることも可能である。
さらに、上記形態ではラックを揺動させて前進時にのみ第1ギヤに噛合するようにしているが、ラックを常に第1ギヤに噛合させて、スプロケットにラチェット機構を組み込んで前進側でのみ駆動ロッドの回転がスプロケットに伝達するようにしてもよい。この場合、ラックを揺動させる必要がないので、作動ロッド等の作動部材に直接歯を形成することもできる。
【0025】
一方、ハンドルにおいても、ギヤを使用せず、1又は複数のリンクを用いて作動ロッドを前後動させるようにしてもよいし、ハンドル自体の形状もフレーム状に限らず、ハンドリフトのような一本のハンドルを傾動可能に設けて作動部材を連動させるようにすることも可能である。
その他、機台をフレーム状でなく板状にする等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】搬送台車を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】搬送台車を斜め後方から見た斜視図である。
【図3】搬送台車を下方から見た斜視図である。
【図4】搬送台車の説明図で、上が平面、下が側面、右が背面を夫々示す。
【図5】始動負荷軽減機構の説明図で、上が平面、右が側面、下が正面を夫々示す。
【図6】始動負荷軽減機構の斜視図である。
【図7】始動負荷軽減機構の動作状態を示す説明図である(ハンドルは前方位置)。
【図8】始動負荷軽減機構の動作状態を示す説明図である(ハンドルは後方位置)。
【符号の説明】
【0027】
1・・搬送台車、2・・機台、3・・ハンドル、4・・固定車輪、5・・可動車輪、6・・フレーム、8・・取っ手、9・・駆動ギヤ、10・・揺動リンク、13・・従動ギヤ、15・・小リンク、17・・作動ロッド、20・・ロックプレート、25・・ロック解除レバー、30・・始動負荷軽減機構、31・・ラック、33・・ギヤボックス、36・・第1ギヤ、37・・レール、38・・係合ピン、39・・丸棒、41・・駆動ロッド、45・・第2ギヤ、46,47・・スプロケット、48・・チェーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の前後に車輪を有する機台の後端に、押し操作用のハンドルを立設した搬送台車であって、
前記ハンドルを、鉛直方向に起立する前方位置と、その前方位置から後方へ所定角度傾倒した後方位置との間を任意に傾動可能に設けて、前記機台に、前記ハンドルの前後への傾動に連動して前後移動する作動部材を設ける一方、
前記機台に、前記作動部材の前進動作のみを前記車輪の前進方向への回転付勢力に変換して伝達する始動負荷軽減機構を設けたことを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
前記始動負荷軽減機構を、前記作動部材の前端に設けられて一体に前後移動するラックと、そのラックの前進にギヤを介して連動して前進方向へ回転する駆動ロッドと、その駆動ロッドと車輪との間に張設されて前記駆動ロッドの回転を前記車輪に伝達する無端状体とから形成したことを特徴とする請求項1に記載の搬送台車。
【請求項3】
前記ラックを前記作動部材に上下方向へ揺動可能に設ける一方、前記ギヤを、前記ラックが噛合可能な第1ギヤと、前記駆動ロッドと一体に設けられて前記第1ギヤが噛合する第2ギヤとで形成し、前記第1ギヤと第2ギヤとを支持するギヤボックスに、前記作動部材の前進時に前記ラックを前記第1ギヤと噛合する上方位置で支持し、前記作動部材の後退時に前記ラックを前記第1ギヤから離間する下方位置へ移動させるレールと、前記作動部材の後退位置で前記ラックを前記上方位置へ押し上げる押し上げ部材とを設けたことを特徴とする請求項2に記載の搬送台車。
【請求項4】
前記ハンドルの下端を前記機台の後端に左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、前記下端に回転中心と同軸の駆動ギヤを設けると共に、前記機台の後端に、揺動部材の上端を左右方向の軸を中心に回転可能に連結して、前記上端に回転中心と同軸で且つ前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤを設けて、前記揺動部材の下端を前記作動部材に連結し、前記ハンドルの傾動に伴う前記駆動ギヤの回転により、前記従動ギヤを介して前記揺動部材を前後に揺動させて前記作動部材を前後移動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の搬送台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−255693(P2009−255693A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106103(P2008−106103)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(392013305)キムラユニティー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】