説明

搬送装置

【課題】 被処理物の搬送速度とガスカーテンのガス流速とを制御して、被処理物に付着している不純物を搬送中に除去する処理能力が高く、低コストな搬送装置を提供する。
【解決手段】 基板4は、搬送手段によって開口部3から基板処理手段2に搬送される。基板搬送方向は、開口部3の厚み方向であり、かつ基板4の厚み方向の垂直方向である。基板処理手段2の外側の開口部3付近に固定されているガスノズル5から、ガスを開口部3の長手方向に噴射されて、ガスカーテン7を形成する。ガス噴射方向8は、基板搬送方向9と垂直である。制御手段によって、開口部の長手方向のガス流速vに対する、開口部の厚み方向の被処理物の搬送速度Vである無次元速度V/vが、開口部の長手方向の被処理物の長さWに対する、開口部の厚み方向のガスカーテンの平均長さwである無次元長さw/Wの略0.5倍になるように、搬送速度Vとガス流速vとを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスカーテンを通過して被処理物を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板等の被処理物への表面処理は、減圧下で行うこともあるが、大気圧下で行うこともある。大気圧下で表面処理を行う装置としては、たとえば、大気圧下で安定な大気圧プラズマを用いることによって基板に表面処理を施す大気圧プラズマ気相成長装置および大気圧プラズマクリーニング装置がある。さらに、坩堝炉、熱処理炉および液相成長装置等の処理装置も、大気圧下で被処理物を処理する場合がある。このような大気圧下で処理する処理装置は、減圧下で表面処理を行う場合と異なり、真空装置等を必要としない。したがって、大気圧下で処理する処理装置は、処理装置の内外で気圧が変化しないので、被処理物を装置内部に搬入したり装置内部から搬出したりする被処理物を搬送するための開口部を有する開放系の処理装置を用いることができる。よって被処理物を搬送しながら処理することができ、スループット(処理量)を向上させることができる。
【0003】
しかしながら、表面処理に用いる処理ガス等の装置内部のガスが外部に流出したり、装置外部のガスが装置内に流入したりする問題が発生する。したがって、装置内部の処理ガス濃度を一定にするためには、処理ガスを装置内部に流入させ続けなければならず、処理ガスの使用量が増大してしまう。
【0004】
そこで、このような問題を解決させるために、開口部を覆うように、ガスカーテンを形成させ、ガスカーテンを通過させて被処理物を搬送する搬送装置を用いる。
【0005】
ガスカーテンが設けられている開口部を通じて装置の内部空間へ所定の被処理物を搬送する従来の方法として、たとえば半導体材料をオゾン雰囲気で処理するために、試料の搬入口および搬出口に窒素ガスカーテンを設置することで外部からの大気成分の巻き込みやオゾンの外部への流出を抑えて閉塞された空間を作り出し、その内部へある程度厚みのある板状体である試料1をベルトコンベアで搬入および搬出する方法がある(特許文献1参照)。
【0006】
また何らかの真空装置の開口部に被処理物である半導体ウエハの搬送方向と交差する方向で複数段の窒素ガスカーテンを設置し、かつガスカーテンによるガスの流れを半導体ウエハの表面に平行した方向に設定することで、半導体ウエハの通過時にも窒素ガスの流れが乱されることが少なく、大気の巻き込みを略完全に阻止できるとしている方法がある(特許文献2参照)。
【0007】
またガスを上下から同時に吹き出し、中央部で合流させることでガスカーテンを形成し、被処理物のガスカーテン通過時にもガスカーテンが大きく遮られることがないようになっているため、チャンバ内への酸素の巻き込みを確実に防止するとしている方法がある(特許文献3参照)。
【0008】
また炉内に多数枚のウエハを搬送するにあたり、ウエハおよびそれを固定する冶具を支持するためのカンチレバーが窒素ガスカーテンを大きく遮らないよう、カンチレバーに通気孔を設けてガスの流れを確保している方法がある(特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】特開昭59−75629号公報
【特許文献2】特開平5−275382号公報
【特許文献3】特開平6−168950号公報
【特許文献4】特開平3−250625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来はガスカーテンを設ける開口部を通じて装置の内部空間へ所定の被処理物を搬送するとき、装置利用者が勘と経験に基づいて基板等の被処理物の搬送速度とガスカーテンのガス流速とを決定していたので、搬送速度がガス流速と比較して速すぎる場合、基板等の表面に付着している、たとえば大気成分の場合、酸素分子、窒素分子、二酸化炭素分子等の不純ガス分子が十分に除去されないままに、基板等が処理装置内に持ち込まれるので、処理装置内部の不純物濃度が上昇して歩留まりが低下するという問題点がある。また搬送速度がガス流速と比較して遅すぎる場合、基板等の表面に付着している不純ガス分子は十分に除去されるが、処理装置の処理能力が低下するという問題点が発生し、さらにガス流量が過剰なのでガスのコストが増大するという問題点がある。
【0011】
本発明の目的は、従来の問題を解決して、被処理物の搬送速度とガスカーテンのガス流速とを制御して、被処理物に付着している不純物を搬送中に除去する処理能力が高く、低コストな搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、開口部を通過させて、被処理物を搬送する搬送手段と、
前記開口部の近傍にガスカーテンを構成するガスを前記開口部の長手方向へ噴射する噴射手段と、
前記開口部の長手方向の前記ガスの流速に対する、前記開口部の厚み方向の前記被処理物の搬送速度である無次元速度が、
前記開口部の長手方向の前記被処理物の長さに対する、前記開口部の厚み方向の前記ガスカーテンの平均長さである無次元長さの略0.5倍になるように、前記搬送手段および前記噴射手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする搬送装置である。
【0013】
また本発明は、前記開口部の長手方向端面の延長面上に、前記噴射手段のガス噴射口が設けられ、
前記開口部から前記ガス噴射口までの距離は、前記開口部の長手方向の長さの略0.2倍であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記開口部の長手方向の長さが、前記開口部の長手方向の前記被処理物の長さの略1.1倍であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記開口部の幅方向の長さが、前記開口部の幅方向の前記被処理物の長さの略1.1倍であることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記被処理物の形状が、板状で、かつ厚み方向に垂直な面が長方形状、正方形状、楕円形状または円形状であり、
前記被処理物の厚み方向と、前記開口部の幅方向が一致していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬送装置は、搬送手段によって被処理物を開口部を通過させて搬送する。開口部近傍に設けられている噴射手段によって、ガスカーテンを構成するガスを開口部の長手方向へ噴射してガスカーテンを形成している。ガスカーテンによって、開口部の両側の空間を遮断する障壁が形成されるので、たとえば不活性ガスから成る基板処理装置等の内部空間に、外部の大気中の酸素等が流入することを防ぐ。また被処理物が開口部を通過する際、ガスカーテンを通過する。ガスカーテンのガスの流れによって、被処理物の表面に付着しているたとえば酸素等の不純ガスから成る不純ガス層を除去することが可能になるので、酸素等の不純ガスが基板処理装置等の内部に混入するのを防ぐことができる。よって基板処理装置等の内部を不活性ガスで満たし内部雰囲気を安定させることができる。
【0018】
また搬送装置は制御手段を有し、制御手段は、開口部の長手方向のガス流速に対する、開口部の厚み方向の被処理物の搬送速度である無次元速度が、開口部の長手方向の被処理物の長さに対する、開口部の厚み方向のガスカーテンの平均長さである無次元長さの略0.5倍になるように、搬送速度とガス流速とを制御する。無次元速度が大きくて無次元長さとの差が小さいほど、基板処理能力は向上するが、一方で残留する不純ガス濃度が増加するので、歩留まりが低下するという問題点が生じる。逆に無次元速度が小さくて無次元長さとの差が大きいほど、不純ガス除去率が向上するが、一方で処理能力は低下するという問題点が生じる。よって無次元速度は無次元長さの略0.5倍になるように制御することによって、基板処理装置等の内部の酸素等の不純物濃度が上昇することを防ぎ、かつ処理能力を向上させることができる。
【0019】
無次元速度が無次元長さの略0.5倍を超えると、搬送速度が大きくなるか、またはガス流速が小さくなるので、処理能力は向上するが、一方で残留する不純ガスが増加する。無次元速度が無次元長さの略0.5倍未満では、搬送速度が小さくなるか、またはガス流速が大きくなるので、不純ガスの除去率が向上するが、一方で過剰のガスが必要となりコストがかかり、また処理能力は低下する。
【0020】
また本発明によれば、基板処理装置等の開口部の長手方向端面の延長面上に、ガスカーテンのガスを噴射するガス噴射口が設けられており、開口部からガス噴射口までの距離は、開口部の長手方向の長さの略0.2倍である。ガスの噴射によって形成されるガスカーテンは、ガス噴射口からの噴射距離に比例して、開口部の厚み方向のガスカーテンの長さであるガスカーテン幅は大きくなる。開口部からガス噴射口までの距離を、開口部の長手方向の長さの略0.2倍にすることによって、ガスカーテンのガスの流れが開口部から内部へ流入することを防ぎ、内部雰囲気を安定させることができる。
【0021】
開口部からガス噴射口までの距離が、開口部の長手方向の長さの略0.2倍よりも小さいと、開口部の厚み方向に幅広になったガスカーテンのガスの流れが、ガス噴射口が設けられている空間と、開口部をはさんで反対側の内部空間へ到達してしまい、ガスカーテンを構成するガスが内部空間へ流入し、外部雰囲気と内部雰囲気とを確実に遮断することができなくなってしまう。また内部雰囲気にガスの流れが流入するので、内部雰囲気が不安定になる。
【0022】
また開口部からガス噴射口までの距離が、開口部からガス噴射口までの距離が開口部の長手方向の長さの略0.2倍よりも大きくなると、ガスカーテンのガスの流れが開口部から内部へ流入するのを防ぐことはできるが、開口部からガスカーテンまでの距離が過度に大きくなるので、開口部とガスカーテンの間の隙間から外気が内部へ流入してしまい、外部雰囲気と内部雰囲気とを確実に遮断することができなくなってしまう。
【0023】
また本発明によれば、開口部の長手方向の長さが、開口部の長手方向の被処理物の長さの略1.1倍である。開口部と被処理物との間の空間を最小限におさえることによって、大気等の不純ガスが開口部から内部に流入することを防ぐ。また開口部と被処理物との間に適度な空間を設けることによって、搬送時に被処理物が屈曲または振動等する場合、あるいは熱処理後の被処理物に熱応力によって反りが発生する場合に、被処理物が開口部の周辺部と接触して引っ掛かることを防ぎ、搬送不良が発生することを防ぐ。
【0024】
また本発明によれば、開口部の幅方向の長さが、開口部の幅方向の被処理物の長さの略1.1倍である。開口部と被処理物との間の空間を最小限におさえることによって、大気等の不純ガスが開口部から内部に流入することを防ぐ。また開口部と被処理物との間に適度な空間を設けることによって、搬送時に被処理物が屈曲または振動等する場合、あるいは熱処理後の被処理物に熱応力によって反りが発生する場合に、被処理物が開口部の周辺部と接触して引っ掛かることを防ぎ、搬送不良が発生することを防ぐ。
【0025】
また本発明によれば、被処理物の形状が板状で、かつ厚み方向に垂直な面が長方形状、正方形状、楕円形状または円形状である。また被処理物の厚み方向と、開口部の幅方向とが一致している。これによって様々な形状の被処理物の最も広い面に付着している酸素分子等の不純ガスから成る不純ガス層を効率的に処理して、内部雰囲気を安定させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明の実施の第1形態である搬送装置1を示す上面図、図2は本発明の実施の第1形態である搬送装置1を示す正面図である。被処理物である板状の正方形の基板4がその内部で処理される基板処理手段2は、開口部3を有する開放系の基板処理装置である。開口部3から基板4が搬送手段(不図示)によって、基板搬送方向9へ搬送される。基板搬送方向9は、開口部3の厚み方向であり、かつ基板4の端面の垂直方向である。
【0027】
基板処理手段2の外側の開口部3付近に、ガスカーテン7を形成するガスを噴射するガスノズル5が固定冶具6によって固定されている。ガスノズル5のガス噴射口は、開口部3の長手方向端面の延長面上に設けられている。基板4が搬送状態にあるとき、ガスをガス噴射方向8へ噴射して、ガスカーテン7を形成する。ガス噴射方向8は、開口部3の長手方向であり、かつ基板搬送方向9と垂直である。
【0028】
基板4の基板搬送方向9に垂直な端面のうち、基板処理手段2に先に搬入される端面を、前方側端面、前方側端面に対向する端面を、後方側端面という。また基板4の基板搬送方向9に平行な端面のうち、ガスカーテン7の上流側の端面を、上流側端面、上流側端面に対向する端面を、下流側端面という。
【0029】
基板処理手段2としては、被処理物である基板4等を搬送するための開口部3が設けられていればよく、たとえば、坩堝炉、熱処理炉、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、液相成長装置等が挙げられる。これらの基板処理手段2は、本発明に係る搬送装置1と併せることによって、基板処理手段2の開口部3付近にガスカーテン7が設けられ、基板処理手段2の内部と外部とのガスの移動のない閉塞された空間を、安価な装置構成で実現でき、不純物との反応や不純物の混入を防ぐことができる。さらに被処理物を搬送しながら処理することができるので、スループットを向上させることができる。
【0030】
たとえば基板処理手段2が坩堝炉の場合は、純度の高い溶湯を得ることができる。熱処理炉の場合は、清浄な条件下で熱処理を行うことができる。常圧CVD装置の場合は、良好な薄膜を得ることができる。また液相成長装置の場合は、良好な結晶や薄膜を得ることができる。
【0031】
また搬送装置1は、基板処理手段2に基板4を搬送する場合に限らず、たとえば、クリーンルームに、被搬送体を搬送するための搬送装置としても用いることができる。
【0032】
搬送装置1の搬送手段(不図示)は、たとえば回転する搬送ローラ上に基板4が自重で乗って搬送される方式がある。そのほかに搬送手段としては、たとえば、ベルトコンベア、ローラコンベア、スライダ、シュータおよびアーム等が挙げられる。スライダおよびシュータは、重力等を利用して基板4を滑らせて搬送する搬送手段であり、アームは、基板4を載置して押し込んだり、引き出したりして搬送する搬送手段である。
【0033】
ガスカーテン7は、アルゴン、ヘリウム、ネオンまたは窒素等の不活性ガスから成る。ガスカーテン7は、基板処理手段2内のアルゴン、ヘリウム、ネオンまたは窒素等の内部雰囲気と、大気等の外部雰囲気とを分離するので、基板処理手段2内部の酸素等の不純ガス濃度が上昇することを防ぐ。さらに基板4が搬入される場合、基板4が基板処理手段2に搬入される直前に、ガスカーテン7の内部を通過する。その際にガスカーテン7のガスが、基板4の厚み方向に垂直な2つの面(以下「基板面」という)上を流れ、基板面に付着している酸素分子等の不純ガス分子から成る不純ガス層がガスカーテン7のガスの流れによって除去される。その後、基板4が基板処理手段2の内部に搬入されるので、基板処理手段2の内部雰囲気の酸素等の不純ガス濃度は上昇しない。
【0034】
図3は、カーテン作用時間について簡略化して説明する側面図である。カーテン作用時間とは、ガスカーテン7の先端が基板面を通過する時間をいう。図3(a)〜図3(c)は、基板4の基板面に付着している酸素分子等から成る不純ガス層12がガスカーテン7のガスの流れによって除去される様子を段階的に示している。ガスノズル5(不図示)は基板4の幅方向に設置され、ガスカーテン7を構成するガスが基板4の幅方向へ噴射される。図3では、特にガスカーテン7の先端11を簡略化して示す。実際には基板4の両基板面に対称にカーテン先端11が形成されているが、一方の基板面にのみ簡略化して表示する。基板面には、たとえば大気中の酸素等の不純ガス層12が形成されている。実際には基板4の両基板面に対称に不純ガス層12が形成されているが、一方の基板面にのみ簡略化して表示する。
【0035】
図3(a)はカーテン先端11が基板4の幅方向一端部(以下「上流側端」という)に到達する瞬間を示しており、この瞬間をカーテン作用開始時と呼ぶ。この時点では、まだ不純ガス層12は除去されておらず、不純ガス層12の厚さはカーテン作用前と同じである。
【0036】
図3(b)はカーテン先端11が基板4の幅方向中央部まで到達する瞬間を示しており、ガスカーテン7が基板4に作用を開始する時刻と作用を終了する時刻の真中をカーテン作用中盤時と呼ぶ。この時点では、カーテン先端11が通過した部分の不純ガス層12はガスカーテン7によって除去されて薄くなっているが、まだカーテン先端11が通過していない部分の不純ガス層12は厚いままで残っている。
【0037】
図3(c)はカーテン先端11が基板4の幅方向他端部(以下「下流側端」という)に到達する瞬間を示しており、この瞬間をカーテン作用終了時と呼ぶ。この時点では、基板4の一面全体の不純ガス層12が非常に薄くなっており、基板面に付着している不純ガス層12は実用上問題のないレベルまで除去される。
【0038】
基板面に付着した不純ガス層12を除去するためには、基板4がガスカーテン7を通過してしまう前に、ガスカーテン7が基板面の上流側端から下流側端まで到達する必要があるので、基板4がガスカーテン7の内部を通過するまでに要する時間であるカーテン通過時間Tと、カーテン作用開始時からカーテン作用終了時までに要する時間であるカーテン作用時間tとの関係は、下記の式(1)で表される。
T>t …(1)
【0039】
式(1)のように、カーテン作用時間tが、カーテン通過時間Tよりも短ければ、不純ガス層12は十分に除去される。
【0040】
ここで、式(1)の左辺に関して、カーテン通過時間Tは、開口部3の長手方向中央におけるガスカーテン7の開口部厚み方向の平均長さであるカーテン平均幅wと、開口部3の厚み方向の基板搬送速度Vとによって、下記の式(2)で表される。
T=w/V …(2)
【0041】
また式(1)の右辺に関して、カーテン作用時間tは、開口部3の長手方向の基板4の長さである基板幅Wと、開口部3の長手方向のガス流速vとによって、下記の式(3)で表される。
t=W/v …(3)
【0042】
よって式(2)および式(3)を式(1)に代入してすると、下記の式(4)が成立する。
w/V>W/v …(4)
【0043】
式(4)を整理すると、下記の式(5)が成立する。
V/v<w/W …(5)
【0044】
ここで式(5)の左辺V/vは速度の次元を持つ物理量(基板搬送速度Vおよびガス流速v)を無次元化した数値(以下「無次元速度」という)を表す。また式(5)の右辺w/Wは長さの次元を持つ物理量(カーテン平均幅wおよび基板幅W)を無次元化した数値(以下「無次元長さ」という)を表す。よって式(5)の無次元速度Aおよび無次元長さBの関係は、下記の式(6)で表される。
A<B …(6)
【0045】
したがって基板面に付着した不純ガス層12を除去するための条件は式(6)に帰着される。式(6)は2種類の無次元数で表されているので、装置等の各部の長さである基板幅Wおよびカーテン平均幅w、ならびに速度である基板搬送速度Vおよびガス流速vの値に関わらず、式(6)を満たしていれば、本発明の効果が得られ、汎用性が高い。
【0046】
次に式(6)について説明する。式(6)において、左辺の無次元速度Aが大きくて右辺の無次元長さBに近いほど、基板処理能力は向上するが、一方で残留する不純ガス層12が増加するので、歩留まりが低下するという問題点がある。逆に、左辺の無次元速度Aが小さくて右辺の無次元長さBから遠いほど、不純ガス層12の除去率が向上するが、一方で基板処理能力は低下するという問題点がある。
【0047】
実用的には、基板処理手段2内の酸素濃度が上昇しないためには、無次元速度は無次元長さの0.45倍以上0.55倍以下であることが望ましい。特に下記の式(7)で表すように、0.5倍であることが望ましいが、0.5倍の±10%の範囲では、基板処理手段2内における酸素濃度の上昇が小さいことがわかっている。酸素濃度の上昇許容値は適用するプロセスによって変化するので、数値範囲に幅がある。
【0048】
無次元速度が無次元長さの0.55倍を超えると、基板搬送速度Vが大きくなるか、またはガス流速vが小さくなるので、基板処理能力は向上するが、一方で残留する不純ガス層12が増加する。無次元速度が無次元長さの0.45倍未満では、基板搬送速度Vが小さくなるか、またはガス流速vが大きくなるので、不純ガス層12の除去率が向上するが、一方で過剰のガスが必要となりコストがかかり、また基板処理能力は低下する。
A=0.5×B …(7)
【0049】
無次元速度は無次元長さの略0.5倍になるように、制御手段(不図示)によって基板搬送速度Vおよびガス流速vのうち少なくともいずれか1つが制御される。
【0050】
また流体工学の噴流理論によれば、一般にカーテン平均幅aはガスノズル5の先端からの噴射距離bに比例し、その比例定数は略0.2で、下記の式(8)で表される(日本機械工学会編 機械工学便覧 A5 流体工学(新版)、第10章 噴流と後流、65頁参照)。
a=0.2×b …(8)
【0051】
ここでカーテン平均幅wは基板幅Wの中央位置でのカーテン平均幅aなので、この位置において、カーテン平均幅wは基板幅Wによって以下の式(9)で表される。
w=0.1×W …(9)
【0052】
たとえば基板幅Wが200mm、ガス流速vが10m/sの場合、式(9)よりカーテン平均幅wは20mmである。よって無次元長さBは0.1である。無次元速度Aは、式(7)より、0.05である。ここで、ガス流速vは10m/sであるので、基板搬送速度Vは0.5m/sである。
【0053】
したがって基板幅Wが200mm、ガス流速vが10m/sの場合、基板搬送速度Vは0.5m/sに設定することが望ましい。
【0054】
また搬送装置1の各部の大きさについて説明する。ガスカーテン7の幅cは開口部3の終端で開口部3の長手方向の長さの0.4倍なので(日本機械工学会編 機械工学便覧
A5 流体工学(新版)、第10章 噴流と後流、65頁参照)、ガスノズル5のガス噴射口と開口部3との距離dは、ガスノズル5のガス噴射口が、開口部3の長手方向端面の延長面上に設けられている場合、開口部3の長手方向の長さbの0.18倍以上0.22倍以下であることが望ましい。特に0.2倍であることが望ましいが、0.2倍の±10%の範囲では、基板処理手段2内における酸素濃度の上昇が小さいことがわかっている。酸素濃度の上昇許容値は適用するプロセスにより変化するので、数値範囲に幅がある。
【0055】
dがbの0.18倍未満では、開口部3の厚み方向に幅広になったガスカーテン7のガスの流れが、開口部3から基板処理手段2の内部へ到達してしまい、ガスカーテン7を構成するガスが基板処理手段2の内部へ流入する。これによって基板処理手段2の内部を、大気等から確実に遮断することができなくなり、基板処理手段2内部の不純ガス濃度が上昇する。またdがbの0.22倍を超えると、ガスカーテン7のガスの流れが開口部3から基板処理手段2の内部へ流入するのを防ぐことはできるが、開口部3からガスカーテン7までの距離が過度に大きくなるので、開口部3とガスカーテン7との間の隙間から大気等が内部へ流入する。これによって基板処理手段2の内部を、大気等から確実に遮断することができなくなり、基板処理手段2内部の不純ガス濃度が上昇する。
【0056】
また開口部3の長手方向の長さbは、基板幅Wの1.05倍以上1.15倍以下であることが望ましい。特に1.1倍であることが望ましい。これによって搬送不良はほとんど発生しない。
【0057】
また開口部3の幅方向の長さfは、基板4の厚み方向の長さhの1.05倍以上1.15倍以下であることが望ましい。特に1.1倍であることが望ましい。これによって搬送不良はほとんど発生しない。
【0058】
たとえば、基板幅Wが200mmの場合、開口部3の長手方向の長さbはその1.1倍の220mmであることが望ましいので、ガスノズル5のガス噴射口と開口部3との距離dは、44mmであることが望ましい。
【0059】
本発明に係るガスカーテンが有効に作用するためには、ガスカーテンのガスの流れが層流であることが望ましい。層流とは、渦や乱れがない定常的な流れである。対して乱流があり、乱流は渦や乱れがある非定常的な流れである。乱流が発生すると、ガスカーテンの遮断効果が実用に適する程度に機能しなくなり、基板処理手段2内の酸素濃度が上昇してしまう。
【0060】
層流と乱流とを区別する指標として、レイノルズ数がある。レイノルズ数Reは、ガス流速v(単位m/s)と、ガス噴射口幅L{4×開口部面積/開口部の周長(単位m)}と、ガス動粘性係数ν(単位m/s)とによって、以下の式(10)によって表される。
Re=v×L/ν …(10)
【0061】
レイノルズ数とは、慣性力と、粘性による摩擦力との比で定義される無次元数で、流体力学分野、特に粘性流体を扱う場合において、相似則が成り立つかどうかなど流れの性質を調べるために利用される重要な値である。したがって、レイノルズ数が小さいということは相対的に粘性作用が強い流れであるということになり、レイノルズ数が大きいということは相対的に慣性作用が強い流れであるということになる。乱流と層流とを区別する指標としても用いられることがある。一般的にレイノルズ数が2000程度以下の流れを層流、2000〜4000程度を遷移領域、つまり層流と乱流とが変化する領域、4000程度以上の流れを乱流という。
【0062】
無次元速度が無次元長さの略0.5倍になるという式(7)が成立し、さらにガスカーテンのガスの流れが層流域であること、つまりレイノルズ数Reが2000以下であることが望ましい。
【0063】
たとえばガス流速vが10m/s、基板搬送速度Vは0.1m/sの場合、ガス流速は基板搬送速度よりも大きく、レイノルズ数Reの計算において、基板搬送速度Vの影響は無視してよい。さらにガス噴射口幅Lが0.1mm、気体の動粘性係数が10×10−6/sの場合、レイノルズ数Reは100となり、2000以下であるので、ガスカーテンのガスの流れは層流である。
【0064】
たとえばガス噴射口幅Lが0.1mm、気体の動粘性係数が10×10−6/sの場合、レイノルズ数Reが2000以下となり層流が発生するためには、ガス流速vが200m/s以下であればよい。ガス流速が200m/sを超えることは、使用ガス流量を考慮すると非実用的であり、現実的ではない。
【0065】
ガス流速vが10m/s、気体の動粘性係数が10×10−6/sの場合、レイノルズ数Reが2000以下となり層流が発生するためには、ガス噴射口幅Lが2mm以下であればよい。ガス噴射口幅Lが2mmを超えることは、ノズル内部の圧力損失を考慮すると非実用的であり、現実的ではない。したがって実用的なガス流速v、気体の動粘性係数、ガス噴射口幅Lの範囲においては、層流が発生していると考えてよい。
【0066】
基板処理手段2に設けられている開口部3を通過させて、基板4を基板処理手段2に搬入または搬出する搬送手段(不図示)は、たとえば回転する搬送ローラの上に基板4が自重で乗って運ばれる方式の搬送手段である。この搬送手段によれば、ガスカーテン7のガスの流れと基板4との接触面積を最大にすることができる。基板搬送速度Vが非常に高速になると、基板4が搬送ローラの上でスリップして、搬送不良が発生するので、基板搬送速度Vの上限は、正常に搬送可能な搬送ローラの回転速度によって決まる。またガス流速vが非常に高速になると、基板4に揚力が作用して搬送ローラから基板4が浮上し、搬送不良が発生する。たとえば基板4は厚さ10mm以上であれば、ICウエハと比較して自重が非常に大きいので、正常に搬送される。したがってガス流速vの上限は、正常に搬送可能な搬送ローラの回転速度によって決まる。
【0067】
図4は本発明の実施の第2形態である搬送装置1を示す上面図である。実施の第1形態では基板面は正方形としたが、本発明は基板面が長方形の基板4に対しても適用可能である。この場合、基板幅は短辺長さとする。その理由は、前方側端面を小さくして開口幅を極力小さくすることによって、大気等の不純ガスが基板処理装置2の内部に流入しにくくするためである。これ以降の説明は実施の第1形態と同様なので省略する。
【0068】
図5は本発明の実施の第3形態である搬送装置1を示す上面図である。実施の第1形態では基板面は正方形、また実施例2では基板面は長方形としたが、本発明はICチップ用のシリコン基板のような基板面が円形の基板4に対しても適用可能である。この場合、基板幅は円の直径とする。これ以降の説明は実施の第1形態と同様なので省略する。
【0069】
図6は本発明の実施の第4形態である搬送装置1を示す上面図である。実施例3では基板面は円形としたが、本発明は基板面が楕円形の基板4に対しても適用可能である。この場合、基板幅は楕円の短径とする。その理由は開口幅を極力小さくすることによって、大気等の不純ガスが基板処理装置2の内部に流入しにくくするためである。これ以降の説明は実施の第1形態と同様なので省略する。
【0070】
図7(a)〜図7(j)は基板4の端面の形状を示す断面図である。実施の第1形態〜実施の第4形態においては、被処理物である基板4は厚みが均一であるとしたが、本発明は厚さが不均一の基板4に対しても適用可能である。上流側端面および下流側端面に向かって基板の厚みが徐々に薄くなっている場合、ガスカーテンのガス噴射方向8は基板面に沿っているので、肉厚な基板4の上流側端面および下流側端面で境界層の剥離や渦の発生が起こりにくく、不純ガス成分の除去率が向上する。また前方側端面および後方側端面がガスカーテンを通過する際、ガス流れがより乱れやすくなるが、前方側端面および後方側端面に向かって基板の厚みが徐々に薄くなっている場合、ガスの乱れが発生しにくいので、大気等が基板処理手段2内部に流入してくることを避けて、酸素等の不純ガスの混入を防ぐことができる。
【0071】
これらの形状は、基板に限られたものではなく、上記の形状に加工した被処理物であればいずれであっても構わない。
【0072】
図7(a)に示す基板4は、端面が一方向に傾斜して、基板面と鋭角をなしているので、基板面に垂直な端面を有する基板の場合と比較して、ガスの分離部分およびガスの合流部分に渦やよどみが生じにくく、ガスの乱れが発生しにくいので、ガスカーテンによる閉塞効果が高く、ガスカーテンを超えてガスが移動しない。
【0073】
基板面と端面とのなす角は、ガス流速vが小さければ、角が大きくてもガスの乱れを低減するという効果を発揮することができる。しかしガス流速vが大きければ、ガスの乱れを低減するという効果を発揮するためには角が小さい必要がある。また基板面と端面とのなす角は、5度以上60度以下であることが望ましい。そうすることによって、ガス流速vにかかわらず、ガスの流れの乱れを低減するという効果を発揮することができ、さらに搬送手段(不図示)によって基板4を安定して搬送することができる。5度より小さいと、ガスの流れの乱れを低減するという効果は高いが、底面が狭くなるので、搬送手段によって基板4を安定して搬送しにくい。60度より大きいと、ガス流速vによっては、基板4の端面が傾斜していることによるガスの乱れを低減するという効果を充分に発揮できなくなる。
【0074】
図7(b)に示す基板4は、中心からそれぞれの端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、それぞれの端面が一方向に傾斜している形状である。この基板4は、中心から連続的に徐々に薄くなり、一方の基板面がなく、基板面と端面とのなす角が最も鋭角になる形状である。よってガスを分離または合流しやすく、ガスの流れがより乱れにくい。このような基板4は、たとえば、円錐、四角錐および三角錐等が挙げられ、特に円錐が望ましい。基板面と端面とのなす角は、5度以上60度以下であることが望ましい。
【0075】
図7(c)に示す基板4は、端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、2つの基板面の面積が同一となるように、端面が端面の厚み方向中心を境に二方向に傾斜している形状である。この基板4は、端面の中心で、ガスを上方側と下方側に分離するので、ガスを分離または合流しやすく、ガスの流れがより乱れにくい。
【0076】
図7(d)に示す基板4は、端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、一方の基板面の面積がもう一方の基板面の面積よりも広くなるように端面が二方向に傾斜している形状である。この基板4は、表面処理を施す場合、表面処理を施すことができる一方の基板面の面積を広く確保しつつ、上記図7(c)に示す基板4と同様の効果を発揮することができる。
【0077】
また図7(c)および図7(d)に示す形状の場合、二方向に傾斜している端面のなす角は、10度以上120度以下であることが望ましい。
【0078】
図7(e)に示す基板4は、端部に向かって断続的に徐々に薄くなっており、一方の基板面の面積がもう一方の基板面の面積よりも広くなるように端面が一方向に少なくとも一段以上の階段状に傾斜している形状である。この基板4は、搬送手段に保持されやすい。もちろん端面が二方向に傾斜していてもよい。
【0079】
図7(f)に示す基板4は、端部に向かって徐々に薄くなっており、一方の基板面の面積がもう一方の基板面の面積よりも広くなるように端面が一方向に傾斜しており、傾斜面の途中で、基板面に平行な面を有する形状である。この基板4は、基板面に平行な面で搬送手段に保持されることができるので、よりガスの流れが乱れにくい。
【0080】
図7(g)に示す基板4は、中心から端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、端面に沿ってガスが流れやすいように端面が湾曲している形状であるので、ガスの流れがより乱れにくい。
【0081】
図7(h)に示す基板4は、中心から端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、断面形状が楕円形であり、ガスの流れがより乱れにくくするという効果を発揮することができる。
【0082】
図7(i)に示す基板4は、端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、一方の基板面の面積がもう一方の基板面の面積よりも広くなるように端面が一方向に傾斜している部分と、基板面に垂直な部分とを有する形状である。この基板4は、端面に基板面に垂直な部分を有していても、傾斜の部分を有するので、ガスの流れを乱れにくくするという効果を発揮することができる。
【0083】
図7(j)に示す基板4は、端部に向かって連続的に徐々に薄くなっており、一方の基板面の面積がもう一方の基板面の面積よりも広くなるように端面が二方向に傾斜している部分と、基板面に垂直な部分とを有する形状である。この基板4は、端面に基板面に垂直な部分を有していても、傾斜の部分を有するので、ガスの流れを乱れにくくするという効果を発揮することができる。
【0084】
基板4は、図7(a)〜図7(j)に示すように、上流側端面と下流側端面との形状が中心を通る線で線対称である場合であってもよいし、前方側端面と後方側端面との形状が中心を通る線で線対称である場合であってもよい。また、基板4の形状は、端面の形状が線対称でなくてもよく、以下に示すように決定してもよい。
【0085】
まず、基板4の上流側端面、下流側端面、前方側端面および後方側端面のそれぞれを加工する必要があるか否かを決定する。加工する場合、加工する端面が、基板面のいずれかの面が、あるいは両面であるかを決定する。それぞれの端面を、連続的に加工するか、断続的に加工するか、端部で連続的に加工するかを決定し、その加工する寸法を決定する。そうすることによって、基板4の形状を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の第1形態である搬送装置1を示す上面図である。
【図2】本発明の実施の第1形態である搬送装置1を示す正面図である。
【図3】カーテン作用時間について簡略化して説明する側面図である。
【図4】本発明の実施の第2形態である搬送装置1を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の第3形態である搬送装置1を示す上面図である。
【図6】本発明の実施の第4形態である搬送装置1を示す上面図である。
【図7】基板の端面の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1 搬送装置
2 基板処理手段
3 開口部
4 基板
5 ガスノズル
6 固定冶具
7 ガスカーテン
8 ガス噴射方向
9 基板搬送方向
11 カーテン先端
12 不純ガス層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を通過させて、被処理物を搬送する搬送手段と、
前記開口部の近傍にガスカーテンを構成するガスを前記開口部の長手方向へ噴射する噴射手段と、
前記開口部の長手方向の前記ガスの流速に対する、前記開口部の厚み方向の前記被処理物の搬送速度である無次元速度が、
前記開口部の長手方向の前記被処理物の長さに対する、前記開口部の厚み方向の前記ガスカーテンの平均長さである無次元長さの略0.5倍になるように、前記搬送手段および前記噴射手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記開口部の長手方向端面の延長面上に、前記噴射手段のガス噴射口が設けられ、
前記開口部から前記ガス噴射口までの距離は、前記開口部の長手方向の長さの略0.2倍であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記開口部の長手方向の長さが、前記開口部の長手方向の前記被処理物の長さの略1.1倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記開口部の幅方向の長さが、前記開口部の幅方向の前記被処理物の長さの略1.1倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記被処理物の形状が、板状で、かつ厚み方向に垂直な面が長方形状、正方形状、楕円形状または円形状であり、
前記被処理物の厚み方向と、前記開口部の幅方向が一致していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−192699(P2008−192699A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23375(P2007−23375)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】