説明

搬送車システム

【課題】複雑な処理を行うことなく搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる搬送車システムを提供する。
【解決手段】第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路を走行し物品の搬送を行う複数の搬送車200と、複数の搬送車200を制御する制御装置100とを備える搬送車システム10であって、制御装置100は、ステーション21への物品の搬出に向かう搬送車200であって、搬送経路内の所定区間を走行する搬送車200である対象搬送車の台数を計測する計測部110と、計測部110が計測した台数が所定の値を超えた場合に、対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、ステーション21への物品の搬出後に、ステーション22からの物品の搬入を行わせる搬出入指示部120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送を行う複数の搬送車と当該複数の搬送車を制御する制御装置とを備える搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品を搬送する搬送車を複数備え、当該複数の搬送車を制御装置で制御する搬送車システムが広く実用化されている。このような搬送車システムでは、当該複数の搬送車を効率良く運用することが求められている。
【0003】
そして、搬送車を効率良く運用するためには、搬送車の稼働率を高く維持することが必要である。しかし、搬送車の稼働率を高く維持することで、搬送頻度の高い搬送経路に搬送車が集中し、結果として搬送車を効率良く運用することができなくなる場合がある。
【0004】
このため、搬送経路ごとに必要な搬送車の台数を求め、搬送車が余剰している搬送経路から搬送車が不足している搬送経路へ搬送車を供給する搬送車システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−313767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の搬送車システムでは、複雑な処理を行う必要があるという問題がある。
【0007】
つまり、特許文献1に開示された従来の搬送車システムでは、搬送経路ごとに必要な搬送車の台数を求めるために、シミュレーションのような複雑な処理が必要である。また、搬送経路ごとに搬送車が余剰しているか不足しているかを判断するために、全ての搬送車の位置を把握する必要がある。このため、従来の搬送車システムでは、処理が非常に複雑である。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複雑な処理を行うことなく搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる搬送車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る搬送車システムは、複数のステーションを有する第一ステーションエリアと前記第一ステーションエリアと異なる第二ステーションエリアとの間の搬送経路を走行し物品の搬送を行う複数の搬送車と、前記複数の搬送車を制御する制御装置とを備える搬送車システムであって、前記制御装置は、前記第一ステーションエリア内の第一ステーションへの物品の搬出に向かう搬送車であって、前記搬送経路内の所定区間を走行する搬送車である対象搬送車の台数を計測する計測部と、前記計測部が計測した台数が所定の値を超えた場合に、前記対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、前記第一ステーションへの物品の搬出後に、前記第一ステーションとは異なる前記第一ステーションエリア内の第二ステーションからの物品の搬入を行わせる搬出入指示部とを備える。
【0010】
これによれば、第一ステーションへの物品の搬出に向かう搬送経路内の所定区間を走行する搬送車である対象搬送車の台数が所定の値を超えた場合に、当該対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、第一ステーションへの物品の搬出後に、第二ステーションからの物品の搬入を行わせる。つまり、対象搬送車の台数が所定の値を超えた場合に、少なくとも1台の対象搬送車に物品搬出後の目的位置を変更させて、搬送車の集中を防ぐ。このように、対象搬送車の台数が分かれば搬送車の集中を防ぐ制御を行うことができるので、シミュレーションのような複雑な処理を必要とせず、全ての搬送車の位置を把握する必要もない。したがって、複雑な処理を行うことなく搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる。
【0011】
また、好ましくは、前記計測部は、前記所定区間内の所定の位置を通過した搬送車を検出することで、前記対象搬送車の台数を計測する。
【0012】
これによれば、所定区間内の所定の位置を通過した搬送車を検出することで、所定区間を走行する対象搬送車の台数を計測する。このため、所定の位置を通過した搬送車を検出するという簡易な処理により搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記搬出入指示部は、前記対象搬送車のうちの先頭の搬送車に、前記第一ステーションへの物品の搬出後に前記第二ステーションからの物品の搬入を行わせる。
【0014】
これによれば、対象搬送車のうちの先頭の搬送車に、第一ステーションへの物品の搬出後に第二ステーションからの物品の搬入を行わせる。このため、先頭の搬送車に目的位置を変更させることで、迅速に搬送車の集中を解消させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る搬送車システムによれば、複雑な処理を行うことなく搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における搬送車システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における制御装置が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における計測部が対象搬送車の台数を計測する処理の一例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態における搬出入指示部が対象搬送車の台数が所定の値を超えていないと判断した場合の処理の一例を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態における搬出入指示部が対象搬送車の台数が所定の値を超えていると判断した場合の処理の一例を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態における搬出入指示部が対象搬送車の台数が所定の値を超えていると判断した場合の処理の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態における搬送車システム10の構成を示す図である。
【0019】
同図に示すように、搬送車システム10は、第一の領域である第一ステーションエリア20と、第二の領域である第二ステーションエリア30との間の搬送経路を走行し、物品の搬送を行うシステムである。そして、搬送車システム10は、制御装置100及び複数の搬送車200を備えている。
【0020】
制御装置100は、複数の搬送車200を制御する制御装置である。制御装置100の詳細な説明については、後述する。
【0021】
搬送車200は、第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路を走行し、物品の搬送を行う搬送台車である。
【0022】
ここで、第一ステーションエリア20は、第一の移載場所であるステーション21及び第二の移載場所であるステーション22を有している。また、それぞれのステーション21及びステーション22は、搬送車200から物品を搬出するための搬出スペースA、及び搬送車200に物品を搬入するための搬入スペースBを備えている。なお、第一ステーションエリア20が有するステーションは、ステーション21及びステーション22に限定されず、その他のステーションを有していても構わない。
【0023】
また、第二ステーションエリア30は、第一ステーションエリア20と異なるステーションエリアであり、例えばステーション31及びステーション32など多数のステーションを有している。また、それぞれのステーション31及びステーション32は、搬送車200から物品を搬出するための搬出スペースA、及び搬送車200に物品を搬入するための搬入スペースBを備えている。なお、第二ステーションエリア30は、1つのステーションしか有していなくても構わない。
【0024】
つまり、それぞれの搬送車200は、例えば第二ステーションエリア30のステーション31の搬入スペースBから物品を搬入し、第一ステーションエリア20のステーション21の搬出スペースAに物品を搬出する。また、それぞれの搬送車200は、第一ステーションエリア20のステーション21の搬入スペースBから物品を搬入し、第二ステーションエリア30のステーション31の搬出スペースAに物品を搬出する。
【0025】
次に、搬送車システム10が備える制御装置100の構成について、詳細に説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態における制御装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
制御装置100は、搬送車システム10が備える複数の搬送車200である、搬送車201、搬送車202、搬送車203などを制御する装置である。同図に示すように、制御装置100は、計測部110及び搬出入指示部120を備えている。
【0028】
計測部110は、対象搬送車の台数を計測する。ここで、対象搬送車とは、第一ステーションエリア20内の第一の移載場所である第一ステーションへの物品の搬出に向かう搬送車であって、第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路内の所定区間を走行する搬送車である。なお、第一ステーションとは、例えばステーション21である。
【0029】
具体的には、計測部110は、所定区間内の所定の位置を通過した搬送車を検出することで、対象搬送車の台数を計測する。
【0030】
搬出入指示部120は、計測部110が計測した台数が所定の値を超えた場合に、対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、第一ステーションへの物品の搬出後に、第一ステーションとは異なる第一ステーションエリア20内の第二の移載場所である第二ステーションからの物品の搬入を行わせる。なお、第二ステーションとは、例えばステーション22である。
【0031】
具体的には、搬出入指示部120は、対象搬送車のうちの先頭の搬送車に、第一ステーションへの物品の搬出後に第二ステーションからの物品の搬入を行わせる。
【0032】
次に、搬送車システム10が備える制御装置100が行う処理について、具体的に説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施の形態における制御装置100が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、計測部110は、対象搬送車の台数を計測する。ここで、対象搬送車とは、第一ステーションエリア20内のステーション21への物品の搬出に向かう搬送車であって、第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路内の所定区間を走行する搬送車であることとする。
【0035】
具体的には、同図に示すように、まず、計測部110は、ステーション21への物品の搬出に向かう搬送車を検出する(S102)。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態における計測部110が対象搬送車の台数を計測する処理の一例を説明する図である。
【0037】
同図において、搬送車201〜204の4台の搬送車が、第二ステーションエリア30の各ステーションから第一ステーションエリア20のステーション21に向けて、ステーション21の搬出スペースAで物品を搬出するために走行していることとする。
【0038】
このため、計測部110は、ステーション21への物品の搬出に向かう搬送車として、搬送車201〜204の4台の搬送車を検出する。ここで、この検出された搬送車201〜204を、第一搬送車とする。
【0039】
図3に戻り、計測部110は、搬送経路内における所定区間内の所定の位置を通過した搬送車を検出する(S104)。
【0040】
具体的には、図4に示すように、計測部110は、第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路内における所定区間R(同図に示す太線部分)内の所定の位置Pを通過した搬送車として、搬送車201〜204の4台の搬送車を検出する。ここで、この検出された搬送車201〜204を、第二搬送車とする。
【0041】
なお、所定区間Rは、搬送経路内の区間であればどのような区間であってもよく、所定の位置Pは、所定区間R内の位置であればどのような位置であってもよく、ユーザによって任意の区間及び位置が定められている。
【0042】
そして、計測部110は、第一搬送車であって第二搬送車である搬送車を対象搬送車として、対象搬送車の台数を計測する(S106)。
【0043】
具体的には、図4に示すように、第一搬送車は搬送車201〜204であり、第二搬送車も搬送車201〜204であるので、計測部110は、搬送車201〜204を対象搬送車として、対象搬送車の台数を4台と計測する。
【0044】
そして、搬出入指示部120は、計測部110が計測した対象搬送車の台数が所定の値を超えているか否かを判断する(S108)。ここで、所定の値とは、ユーザによって定められる任意の値であり、ここでは5台とする。なお、当該所定の値は、どのような値でもよく、またユーザによって定められるのではなく、搬出入指示部120によって、例えば、搬送車システム10が備える搬送車200の台数に応じて定められることにしてもよい。
【0045】
ここで、図4に示された対象搬送車の台数は4台であるので、搬出入指示部120は、計測部110が計測した対象搬送車の台数が所定の値を超えていないと判断し(S108でNO)、処理を終了する。
【0046】
図5は、本発明の実施の形態における搬出入指示部120が対象搬送車の台数が所定の値を超えていないと判断した場合の処理の一例を説明する図である。
【0047】
まず、搬出入指示部120が対象搬送車の台数が所定の値を超えていないと判断した場合は、搬送車201は、予定通り、ステーション21の搬出スペースAで物品を搬出する。そして、搬送車201は、ステーション21の搬出スペースAへの物品搬出後、いずれかのステーションの搬入スペースBで物品を搬入するように、最も近い搬入スペースBを探索する。
【0048】
ここで、ステーション21の搬入スペースBが最も近い搬入スペースであるので、同図に示すように、搬送車201は、ステーション21の搬入スペースBで物品を搬入する。そして、搬送車201は、物品を搬出するため、第二ステーションエリア30の例えばステーション31に向かう。そして、搬送車201は、ステーション31の搬出スペースAで物品を搬出し、ステーション31の搬入スペースBで物品を搬入する。
【0049】
このように、搬送車201は、搬出入指示部120が対象搬送車の台数が所定の値を超えていないと判断した場合は、第一ステーションエリア20のステーションと第二ステーションエリア30のステーションとの間の搬送経路を往復して、物品の搬入及び搬出を行う。
【0050】
次に、搬出入指示部120が対象搬送車の台数が所定の値を超えていると判断した場合について、説明する。
【0051】
図6及び図7は、本発明の実施の形態における搬出入指示部120が対象搬送車の台数が所定の値を超えていると判断した場合の処理の一例を説明する図である。
【0052】
図6において、搬送車201〜206の6台の搬送車が、第二ステーションエリア30の各ステーションから第一ステーションエリア20のステーション21に向けて、ステーション21の搬出スペースAで物品を搬出するために走行していることとする。
【0053】
このため、計測部110は、ステーション21への物品の搬出に向かう搬送車として、搬送車201〜206の6台の搬送車を検出する。ここで、この検出された搬送車201〜206を、第一搬送車とする。
【0054】
また、計測部110は、第一ステーションエリア20と第二ステーションエリア30との間の搬送経路内における所定区間R内の所定の位置Pを通過した搬送車として、搬送車201〜206の6台の搬送車を検出する。ここで、この検出された搬送車201〜206を、第二搬送車とする。
【0055】
そして、計測部110は、第一搬送車であって第二搬送車である搬送車201〜206を対象搬送車として、対象搬送車の台数を6台と計測する。
【0056】
そして、図3に戻り、搬出入指示部120は、計測部110が計測した対象搬送車の台数が所定の値である5台を超えているか否かを判断する(S108)。
【0057】
ここで、図6に示された対象搬送車の台数は6台であるので、搬出入指示部120は、計測部110が計測した対象搬送車の台数が所定の値を超えていると判断し(S108でYES)、対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、搬出入指示を与える(S110)。
【0058】
具体的には、図7に示すように、搬出入指示部120は、対象搬送車である搬送車201〜206のうちの先頭の搬送車201に、ステーション21への物品の搬出後に、例えばステーション22からの物品の搬入を行わせる搬出入指示を与える。つまり、搬出入指示部120は、搬送車201に、ステーション21の搬出スペースAで物品を搬出し、ステーション22の搬入スペースBで物品を搬入する。
【0059】
なお、搬出入指示が与えられる搬送車は、好ましくは対象搬送車の先頭の搬送車であるが、当該先頭の搬送車には限定されず、先頭から二台目または最後尾の搬送車などであってもよい。
【0060】
また、搬出入指示が与えられる搬送車は、搬送車201の1台に限定されず、搬出入指示部120は、搬送車201〜203に搬出入指示を与えるなど、何台の搬送車に搬出入指示を与えてもよい。
【0061】
これにより、例えば第二ステーションエリア30の各ステーションと第一ステーションエリア20のステーション21との間で多数の搬送すべき物品があり、多くの搬送車が当該物品を搬送するために使用されたとしても、少なくとも1台の搬送車が第一ステーションエリア20のステーション22の物品を搬送することができる。
【0062】
つまり、ステーション21が搬送頻度の高いステーションであり、ステーション22が搬送頻度の低いステーションである場合は、図5に示したように、搬送車200は、ステーション21の搬出スペースAで物品を搬出した後、稼働率を高く維持するために、すぐ隣にあるステーション21の搬入スペースBで物品を搬入する。このため、ステーション21の物品の搬送が優先されるので、一定の時間が経過するなどしないとステーション22の物品が搬送されない。
【0063】
そこで、ステーション21の物品の搬送を行っている少なくとも1台の搬送車を、ステーション22の物品を搬送させるように振り替えることで、ステーション22の物品が搬送されないということを防ぐことができる。
【0064】
このようにして、搬送車システム10が備える制御装置100が行う処理は、終了する。
【0065】
以上のように、本発明に係る搬送車システム10によれば、ステーション21への物品の搬出に向かう搬送経路内の所定区間Rを走行する搬送車200である対象搬送車の台数が所定の値を超えた場合に、当該対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、ステーション21への物品の搬出後に、ステーション22からの物品の搬入を行わせる。つまり、対象搬送車の台数が所定の値を超えた場合に、少なくとも1台の対象搬送車に物品搬出後の目的位置を変更させて、搬送車200の集中を防ぐ。このように、対象搬送車の台数が分かれば搬送車200の集中を防ぐ制御を行うことができるので、シミュレーションのような複雑な処理を必要とせず、全ての搬送車200の位置を把握する必要もない。したがって、複雑な処理を行うことなく搬送車200の集中を防ぎ、搬送車200を効率良く運用することができる。
【0066】
また、所定区間R内の所定の位置Pを通過した搬送車200を検出することで、所定区間Rを走行する対象搬送車の台数を計測する。このため、所定の位置Pを通過した搬送車200を検出するという簡易な処理により搬送車200の集中を防ぎ、搬送車200を効率良く運用することができる。
【0067】
また、対象搬送車のうちの先頭の搬送車に、ステーション21への物品の搬出後にステーション22からの物品の搬入を行わせる。このため、先頭の搬送車に目的位置を変更させることで、迅速に搬送車200の集中を解消させることができる。
【0068】
また、所定の位置Pを通過した搬送車であっても、ステーション21への物品の搬出に向かうのではない搬送車は検出されない。このため、多種多様な搬送パターンが乱立している状況であっても処理が単純となるため、複雑な処理を行うことなく搬送車200の集中を防ぎ、搬送車200を効率良く運用することができる。
【0069】
以上、本発明に係る搬送車システム10について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
また、本発明は、このような搬送車システム10として実現することができるだけではなく、搬送車システム10の制御装置100に含まれる特徴的な処理をステップとする制御方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、複雑な処理を行うことなく搬送車の集中を防ぎ、搬送車を効率良く運用することができる搬送車システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 搬送車システム
20 第一ステーションエリア
21、22 ステーション
30 第二ステーションエリア
31、32 ステーション
100 制御装置
110 計測部
120 搬出入指示部
200、201〜207 搬送車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステーションを有する第一ステーションエリアと前記第一ステーションエリアと異なる第二ステーションエリアとの間の搬送経路を走行し物品の搬送を行う複数の搬送車と、前記複数の搬送車を制御する制御装置とを備える搬送車システムであって、
前記制御装置は、
前記第一ステーションエリア内の第一ステーションへの物品の搬出に向かう搬送車であって、前記搬送経路内の所定区間を走行する搬送車である対象搬送車の台数を計測する計測部と、
前記計測部が計測した台数が所定の値を超えた場合に、前記対象搬送車に含まれる少なくとも1台の搬送車に、前記第一ステーションへの物品の搬出後に、前記第一ステーションとは異なる前記第一ステーションエリア内の第二ステーションからの物品の搬入を行わせる搬出入指示部とを備える
搬送車システム。
【請求項2】
前記計測部は、前記所定区間内の所定の位置を通過した搬送車を検出することで、前記対象搬送車の台数を計測する
請求項1に記載の搬送車システム。
【請求項3】
前記搬出入指示部は、前記対象搬送車のうちの先頭の搬送車に、前記第一ステーションへの物品の搬出後に前記第二ステーションからの物品の搬入を行わせる
請求項1または2に記載の搬送車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108715(P2012−108715A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256860(P2010−256860)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】