説明

携帯システム

【課題】子供等が犯罪に巻き込まれるのを防止、及び犯罪の立証が迅速に行える携帯システムを提供する。
【解決手段】耳掛けアダプタ410は耳に装着可能なようになっている。耳掛けアダプタ410は有線若しくは無線を介して携帯電話300と電気的につながっている。この耳掛けアダプタ410のケース327の耳の外耳道に位置する周囲には開口413が設けられており、装着時においても外部の音がこの開口413を通じて聞こえるようになっている。保持部材415は、嵌合固定部材417との間で着脱自在に止められている。更に、緊急通報スイッチ352が耳掛けアダプタ410のケース327の底面に配設されている。アダプタカメラ324は耳に装着時に人の目線である前方を撮像可能なようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯システムに係わり、特に子供等が犯罪に巻き込まれるのを防止、及び犯罪の立証が迅速に行える携帯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、安全システムにおいて、特許文献1に記載した発明が知られている。この安全システムでは、通常時には耳掛けアダプタにより再生のされた音楽等を聞いたり、自分の目線でカメラによりとらえた画像を相手側にも送り、情報を共有しつつ会話することが出来る一方で、緊急時にはこの耳掛けアダプタに搭載されたカメラ及びマイクにより現場の様子等をセンター側で即時に把握したりデータ保存することができる。また、緊急時の通報もスイッチにより簡単に出来るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した安全システムでは耳掛けアダプタにより耳が密封状態になるため、外界の音が一部遮断され、注意力に乏しい子供が帰宅途中に利用するような場合には、車や自転車等の警笛や人の声等が聞きにくくなる恐れがあった。
また、耳掛けアダプタをずっと着用することは子供によっては耳に負担がかかったり趣味の問題から装着されないおそれもある。
【0005】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、子供等が犯罪に巻き込まれるのを防止、及び犯罪の立証が迅速に行える携帯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明(請求項1)は、犯罪の遭遇時に使用者が身につけつつ撮像した映像をセンターや緊急連絡先等の送信先に送信し保存することで犯罪の遭遇時の様子を記録する携帯システムであって、取り付け角度調整のための回動機構若しくは広角レンズを有するカメラと、該カメラが配設されたアダプタと、前記カメラで撮影された映像データを送信する送信手段を有する携帯電話と、該送信手段で送信された映像データを送信先で保存する保存手段と、前記アダプタを前記使用者に装着するアダプタ装着手段とを備え、前記アダプタが使用者に対して装着されているときに前記カメラで撮像された映像を前記携帯電話に伝送する伝送手段と、該伝送手段で伝送された映像を前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立したケースに配設された画面に表示する表示手段を備え、該表示手段で表示された映像を基に前記使用者が前記カメラの取り付け角度調整又は前記アダプタの前記使用者に対する取り付け位置の調整が可能で、前記使用者の前方方向の映像が撮像可能であることを特徴とする。
また、本発明(請求項2)は、前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースには該ケースを前記使用者に対し装着自在とするケース装着手段を備え、前記アダプタは、前記ケース内に収納及び取り外し自在であり、前記カメラは該ケース内にアダプタが収納されたときに該ケースより露出された位置に配設され、前記アダプタが前記ケース内に収納された状態で前記ケース装着手段により該ケースが使用者に装着されたときに前記カメラは該使用者の前方方向の映像を撮像可能であることを特徴とする。
更に、本発明(請求項3)は、前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立したケースに配設されたケーススピーカ及びマイクを備え、該ケーススピーカには耳を当てることなく前記ケースが前記使用者に対し装着された位置から該ケーススピーカを通じて通常の会話ができる程度の音量で相手の声を聞くことができ、前記マイクには直接口元を近づけることなく該マイクを通じて通常の会話ができることを特徴とする。
更に、本発明(請求項4)は、前記アダプタ及び/又は前記ケースに配設された緊急通報用のスイッチを備え、該緊急通報用のスイッチが操作されたとき前記ケーススピーカより警報音が発せられることを特徴とする。
更に、本発明(請求項5)は、前記アダプタ装着手段は前記アダプタの外側面に配設され、該アダプタの内側面にアダプタスピーカを有し、前記携帯電話のケースと前記アダプタとは接続及び取り外しが自在であり、接続したときに前記アダプタスピーカを受話用スピーカとして一つの一体化された携帯電話として機能することを特徴とする。
更に、本発明(請求項6)は、緊急通報用のスイッチを前記アダプタ又は前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースに備え、該緊急通報用のスイッチは、前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段の上方で前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段がポケットに装着されたときに該ポケットより露出される位置に配設され、前記緊急通報用のスイッチが操作されたときに警報音を発するケーススピーカを前記ケースに有し、かつ、該ケーススピーカが前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段の上方で前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段がポケットに装着されたときに該ポケットより露出される位置に配設されたことを特徴とする。
更に、本発明(請求項7)は、緊急通報用のスイッチを前記アダプタ又は前携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースに備え、該緊急通報用のスイッチが動作されたときに映像データの新たな更新がされないようにすると共に該映像データの保存時間が延長されることを特徴とする。
また、本発明は、撮影するカメラと、該カメラが配設されたアダプタと、前記カメラで撮影された画像を送信する送信手段と、前記アダプタを耳に装着する耳装着手段とを備え、前記アダプタの外耳道に位置する部分は開放され、外部の音が遮音されないことを特徴とされてもよい。
【0007】
アダプタの外耳道に位置する部分は開放されているため、装着時においても車の音、人の声等、アダプタの外部の音が遮音されずに聞こえる。従って、安全である。
【0008】
更に、本発明は、撮影するカメラと、該カメラが配設されたアダプタと、前記カメラで撮影された画像を送信する送信手段と、前記アダプタをポケット、衣服、又は鞄に装着するアダプタ装着手段を備えて構成されてもよい。
【0009】
以上により、簡単にアダプタを衣服、ポケット、鞄等に装着できるため学童等にとって持ち運びされ易い。従って、学童等の安全を確保できる。
更に、本発明は、撮影するカメラと、該カメラが配設されたアダプタと、前記カメラで撮影された画像を送信する送信手段と、警報音を鳴らすスピーカを有するケースとを備えて構成されてもよい。
学童等が緊急の場合には、スピーカから警報音を鳴らす。このことにより、学童等の安全を一層確保できる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、アダプタの外耳道に位置する部分は開放して構成したので、装着時においても車の音、人の声等、アダプタの外部の音が遮音されずに聞こえる。従って、安全である。
【0011】
また、アダプタは衣服、ポケット、鞄等に装着自在としたので、学童等にとって持ち運びされ易い。従って、学童等の安全を一層確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】マスクユニットの側面図
【図2】マスクユニットの正面図
【図3】アイカバー展開図
【図4】マスク正面図
【図5】マスク展開図
【図6】携帯電話の図
【図7】携帯電話へのマスク装着図
【図8】図7中のAーA矢視線断面図
【図9】通報システムのブロック図
【図10】携帯電話を装着したマスクユニットの使用図
【図11】空気口付き携帯電話の表面図
【図12】空気口付き携帯電話の裏面図
【図13】スペア付きマスクユニットの側面図
【図14】マスク及びフィルターカートリッジの携帯電話への装着図
【図15】第2実施形態の装着図
【図16】第3実施形態の側面図
【図17】立体マスクと携帯電話の組みたて及び装着図
【図18】ケーブルによってつながれた、マスクと携帯電話の図
【図19】ボタン型電池と通信器を内蔵したマスクユニットの側面図
【図20】無線交信時の概念図
【図21】第5実施形態の側面図
【図22】第6実施形態のシステムブロック図
【図23】センターの処理ステップのフローチャート図
【図24】災害現場の周辺地図表示例
【図25】建物内で火災が発生したときの現場状況表示例
【図26】第7実施形態のシステムブロック図
【図27】第8実施形態の全体図
【図28】マスクに耳掛けアダプタを装着した側面図
【図29】アダプタ装着用フィルター箱の図
【図30】耳掛けアダプタをアダプタ装着用フィルター箱に装着したときの断面図
【図31】耳掛けアダプタの通信機能のブロック図
【図32】耳掛けアダプタが外部端子を介して携帯電話と接続される例
【図33】アダプタの上面図
【図34】同上右側面図
【図35】同上正面図
【図36】同上左側面図
【図37】携帯電話の画面例
【図38】円板状部材を開口に収納自在とした例
【図39】板状部材をスライドさせることで開口を覆うようにした例
【図40】保持部材を外したときの耳掛けアダプタの外観図
【図41】保持部材の端部に胸ポケット装着用クリップを取り付けた例(側面図)
【図42】同上(正面図)
【図43】同上(背面図)
【図44】保持部材に安全ピンを取り付けた例(背面図)
【図45】同上(正面図)
【図46】同上(上面図)
【図47】保持部材にベルト固定具を取り付けた例(背面図)
【図48】同上(正面図)
【図49】同上(上面図)
【図50】本発明の第10実施形態であるアダプタ収納ケースの構成図(正面図)
【図51】係止部材回りの簡略構造図
【図52】同上(背面図)
【図53】同上(上面図)
【図54】同上(側面図)
【図55】耳掛けアダプタとアダプタ収納ケース及び携帯電話との関係を示す図
【図56】耳掛けアダプタが収納された携帯電話の正面図
【図57】同上(側面図)
【図58】携帯電話を開いたときの様子
【図59】本発明の実施形態の別例
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるマスクユニット1の側面図であり、図2はその正面図である。マスクユニット1は、折り畳まれたマスク3をアイカバー5が覆うように構成されており、展開したアイカバー5の様子を図3に、マスク3の様子を図4に示す。
【0014】
図3に示すように、アイカバー5は一部材からなるめがね状であり、装着時に顔に密着する平面部5Aと、図1に示すように平面部5Aに対して外側に凸に湾曲した、皿状の眼周部5Bからなっている。更に、アイカバー5の眼周部5Bを囲うように粘着部15が配設されている。
【0015】
アイカバー5の両端部には、開封片10が配設されており、使用時に引っ張ることでアイカバー5を展開し、マスク3と分離することができるようになっている。
【0016】
なお、アイカバー5とマスク3を分離するまでは、アイカバー5によってマスク3は密封された状態となっており、フィルター8が外気と触れて吸湿することを防止できるようにもなっている。
【0017】
アイカバー5の中央下部は切り欠かれており、ここに使用者の鼻を当て、眼部周囲に粘着部15を押し当てることによって装着できるようになっている。
【0018】
図1及び図4に示すように、マスク3は、マスク本体6と、フィルター箱7から構成されている。フィルター箱7にはフィルター8が収納されており、通気口としてフィルター開口部9A、9B、9Cが設けられている。
【0019】
開口部9Cによって外部より空気を取り入れ、フィルター8を介した空気を開口部9A、9Bより、鼻及び口へと供給できるようになっている。
【0020】
フィルター8は、活性炭の多層構造となっており、火災等の災害時における防塵及び防毒の機能を有している。
【0021】
開封片10を引っ張り、アイカバー5を分離しただけでは、マスク本体6は折り畳まれてフィルター箱7に付設している状態となっている。このとき、マスク本体6の外部には装着ひも21が折り畳まれている。
【0022】
マスク3を使用するときには、この装着ひも21をマスク本体6よりはがして広げ、耳に掛けて使用するようになっている。装着ひも21は、部分的にアイカバー5の粘着部15と仮止めされており、アイカバー5とマスク3が分離されるときにマスク本体6より引きはがされ、装着し易くなるようになっている。
【0023】
図4の破線で示すように、装着ひも21を広げることで、マスク本体6を展開することができるようになっている。図5はそのときの様子である。なお、装着ひもは細いゴム状でもよいし、幅広のバンド状でもよい。
【0024】
展開したマスク本体6には、鼻及び口を囲むように、口部粘着部27が配設されている。口部粘着部27を使用者の顔に押しつけることで、鼻及び口周囲とマスク3を密着させることが可能となっている。
【0025】
フィルター箱7の開口部9のうち、外部より空気を取り入れる開口部9Cは、マスク本体6と接触しない位置に開口しているが、供給口である開口部9A、9Bはマスク本体6の、口部粘着部27によって囲まれた部分とのみ連通するようになっている。フィルター8を通った空気のみが供給されるように、マスク本体6の素材は外気を透過しない気密性シートが用いられている。
【0026】
しかしながら、マスク本体6にもフィルター機能を持たせることで、通気性を有する素材を用いることも可能である。
【0027】
また、マスク本体6に水分を供給するための水袋等を配設し、使用時にマスク本体6を湿らせるような機構を設けることで、機密性やフィルター機能を有しない素材を用いることも可能となる。
【0028】
本実施形態において、マスクユニット1はアイカバー5及びマスク3のみでの使用も可能であるが、図6に示すような、携帯電話30と連動して使用することも可能となっている。携帯電話30と連動させることで、緊急時の通報及び通話が、自動で素早くかつハンドフリーで行えるようになっている。なお、携帯電話30は、折りたたみ式に限ったものではない。
【0029】
図6(a)は携帯電話30の側面図であり、図6(b)は正面図である。そして、マスクユニット1に配設されたフィルター箱7が、携帯電話30と連結するようになっている。携帯電話30にマスク3が装着された状態を図7に示す。
【0030】
携帯電話30の上面両端部には、フィルター箱7と嵌合するための嵌合溝31が刻設されている。図8は、図7中のA−A矢視線断面図であり、携帯電話30とフィルター箱7が嵌合した状態を示している。
【0031】
嵌合溝31の図6中下端部には中央に向けて凸状の板バネ33が配設されている。また、携帯電話30の図6中下端部にはスイッチ穴35が開口している。
【0032】
図5において、フィルター箱7の図中下方両側部には、切り欠き23が形成されている。フィルター箱7は、図6中上方より下方に向けて携帯電話30に挿入されるようになっており、切り欠き23には携帯電話30の板バネ33が嵌合できるようになっている。
【0033】
図9に、携帯電話30にマスク3が装着されたときの、通報システムのブロック図を示す。図5においてフィルター箱7の図中下端部には突設棒25が配設されており、フィルター箱7が完全に挿入されると、携帯電話30のスイッチ穴35に嵌入し、図9に示す通報スイッチ37が入るようになっている。
【0034】
通報スイッチ37が入ると特定のセンターや消防署といった、指定の電話番号の呼出回路に通電し、通信回路に接続するようになっている。通信回路からは音声のみでなく図7に示すように、携帯電話30に内蔵された携帯電話カメラ39によって現場の様子を映像で送ることも可能となっている。また、同時に、携帯電話30よりフラッシュ及び間欠音を発生する回路にも通電するようになっている。
【0035】
なお、マスク3におけるフィルター8の取り付け位置は、マスク本体6の内側にしてもよい。その場合、口、鼻等の形状に合わせた形とし、隙間から外気の進入を防ぐことが望ましい。
【0036】
次に、本実施形態の作用について説明する。マスクユニット1は、折り畳まれた状態で、軽いコンパクトな箱型であり、鞄やポケット等に収納可能である。また、今日、携帯電話30も各人が常に携帯しているものの一つである。従って、常備することが負担にならず、常に持ち歩くことが可能である。
【0037】
図10は、アイカバー5及び携帯電話と連動させたマスク3を装着したときの様子を示す。
【0038】
使用者は図1の矢印で示すように、開封片10を両側へと引っ張りアイカバー5を展開し、マスクユニット1を開封する。アイカバー5の中心部の切り欠きによって使用者はその中心を容易に判断できるため、その部分を各人の鼻部の中央に合わせてアイカバー5を顔へと押し当て、粘着部15によって接着させる。アイカバー5の眼周部5Bは突設しているため、眼部に触れて邪魔になることはない。
【0039】
次に、マスク3を携帯電話30に装着させる。フィルター箱7を、携帯電話30に挿入すると、フィルター箱7の切り欠き23に携帯電話30の板バネ33が嵌合し、固定される。同時に、フィルター箱7の下端に突設した突設棒25は携帯電話30に開口したスイッチ穴35へと嵌入し、通報スイッチ37が通電する。
【0040】
フィルター8は、空気を透過し、かつ粉塵を吸着するために、多孔質である活性炭を用いる。更に、一酸化炭素酸化触媒であるホプカライトを担持した層を介在させ、一酸化炭素を無毒化する。また、金属酸化物担持層により、各種有毒ガスを吸着する。
【0041】
なお、粉塵の吸着には、多孔質セラミックス粉末や、多孔質高分子膜を用いてもよい。有毒ガスの吸着には、金属酸化物担持活性炭の他、ゼオライト等を用いてもよいし、ゼオライトを活性炭に担持してもよい。
【0042】
通報スイッチ37が通電すると、自動で、図9に示すように呼出回路が作動して所定機関への通報が行われる。また、携帯電話30に内蔵された、携帯電話カメラ39によって現場の周辺を撮影し、送信することで、センター側で現場の様子を把握することができる。更に、GPS機能等により、自動で現場の位置検出を素早く確実に行うこともできる。更に、検出した位置情報を住所表示に変換し、迅速な救助が可能となる。
【0043】
また、使用者の装着した携帯電話30からフラッシュや間欠音を発生させることで、煙等で視界の悪い現場であったり、本人が倒れてしまっていて助けを求めることができないといった場合であっても、被災者の発見を容易にできる。
【0044】
フィルター箱7を携帯電話30へ挿入した後に、マスク本体6を展開する。マスク本体6内に収納されている装着ひも21は、マスクユニット1の展開時に、アイカバー5の粘着部15によってその一部が引き出されているため、容易にマスク本体6より引き出すことができる。
【0045】
図5に示す状態まで展開した後に、装着ひも21を耳に掛け、使用者は各人の適当な位置において、鼻及び口周辺を密封するように、マスク本体6を顔へと押し当て、口部粘着部27によって接着させる。なお、携帯電話30を使用せず、マスク3単体で使用することも可能である。
【0046】
以上により、使用者は有毒ガスや有毒物質等から眼及び呼吸器を保護しつつ避難等行うことが可能となる。更に、携帯電話30と連動させることで、非常時においても確実かつ速やかに所定機関への通報が行え、迅速な救助が可能となる。
【0047】
通報が自動で行われるため、通報時間が短縮され、また、両手があくことで、素早い避難の他、現場の消火活動や救助活動を行うことも可能になる。
【0048】
また、被災者がパニック状態であり、正確な状況判断の行えない場合や、土地勘がない場合であっても、現場の特定を正確に行うことが可能である。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図11は、本実施形態で用いる空気口付き携帯電話40の表面図であり、図12はその裏面図である。空気口付き携帯電話40の両面、40A面、40B面には空気口41が設けられている。
【0050】
携帯電話40の内部は一部空洞となっており、表面空気口41Aと、裏面空気口41Bは、ヒンジ部42を介して連通している。
【0051】
図13は、本実施形態における、スペア付きマスクユニット43の側面図であり、マスク3とともにフィルターカートリッジ45が内包されている様子を示す。フィルターカートリッジ45の内部には、フィルター8が収納されている。なお、フィルターカートリッジ45は1枚に限らず複数枚収納することも可能となっている。
【0052】
スペア付きマスクユニット43の展開方法は、第1実施形態と同様とするが、フィルターカートリッジ45はマスク3に仮止めされており、開封時の衝撃によって飛び出すことがないが、開封後はわずかな力で簡単に引きはがせるようになっている。
【0053】
図14は、空気口付き携帯電話40にマスク3及びフィルターカートリッジ45を装着するときの様子を示す。フィルターカートリッジ45は、図11に示す空気口付き携帯電話40の40A面に、マスク3のフィルター箱7は図12に示す40B面に、図14中矢印のように、それぞれ挿入されるようになっている。
【0054】
フィルターカートリッジ45及びマスク3のフィルター箱7の装着方法は第1実施形態と同様とし説明は省略する。
【0055】
フィルターカートリッジ45の下部にはカートリッジ開口部47が設けられており、そこから外気を取り入れるようになっている。フィルターカートリッジ45は適宜交換可能とし、図11に示すように、装着した空気口付き携帯電話40のアンテナ49を図中矢印のように押し込むことで板バネ33がはずれ、フィルターカートリッジ45をはずすことができるようになっている。
【0056】
次に、本実施形態の作用について説明する。スペア付きマスクユニット43を展開し、アイカバー5を装着した後にマスク3とフィルターカートリッジ45を図14中矢印で示すように挿入する。
【0057】
完全に挿入し、板バネ33によって係止されたら、装着ひも21を広げてマスク3を展開する。このときの様子を図15に示す。
【0058】
図15において、使用者の呼吸によって、フィルターカートリッジ45のカートリッジ開口部47より取り入れられた外気は、図中矢印で示すように、フィルターカートリッジ45内を通り、空気口付き携帯電話40の空気口41Aから、空気口付き携帯電話40の内部空洞を介し、空気口41Bへと吸引される。
【0059】
フィルター8の開口部9A、9Bから、密封されたマスク本体6内へと供給される空気は、空気口41Bから流れてきた外気とフィルター8の開口部9Cから取り入れられた外気が、フィルター8で濾過されたものである。
【0060】
携帯電話カメラ39は、フィルターカートリッジ45によって、空気口付き携帯電話40の表面40A面に配設できない場合には、ヒンジ部42やアンテナ49等に配設してもよい。また、空気口付き携帯電話40の側部に配設するのでもよい。
【0061】
なお、フィルター箱7及びフィルターカートリッジ45の大きさは、空気口付き携帯電話40と一致しているとは限らず、必要に応じてフィルター8及びフィルターカートリッジ45の大きさを大きくもしくは小さくしてもよいし、携帯電話カメラ39等の邪魔にならない位置にずらして配置をしてもよい。
【0062】
スペア付きマスクユニット43内に、フィルターカートリッジ45が複数個内包されている場合には、フィルターカートリッジ45を取り替えることで、更に長時間の使用が可能となる。アンテナ49を押し込むことでフィルターカートリッジ45は容易にはずすことが可能であるから、新たなフィルターカートリッジ45を挿入すればよい。
【0063】
以上により、空気口付き携帯電話40の両面にフィルター8を配設することで、片面のみの場合よりもより確実に、かつ長時間の使用が可能となる。加えて、カートリッジ式にして交換可能としたことで、更に使用時間を延ばすことができる。
【0064】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図16は本実施形態の側面図であり、空気口付き携帯電話40に、フィルターセット50が装着されている状態を示す。
【0065】
フィルターセット50は、フィルター8を内包したフィルターカートリッジ45を、アイカバー5が覆うように構成されており、開封片10を引っ張ることで、アイカバー5を展開し、アイカバー5とフィルターカートリッジ45を分離することが可能となっている。
【0066】
アイカバー5を展開しても、フィルターカートリッジ45は空気口付き携帯電話40の表面に嵌合した状態で残っている。なお、フィルターカートリッジ45は、空気口付き携帯電話40の片面のみに装着させれてもよく、その場合には、使用者側である40A面に装着されるようになっている。
【0067】
40A面に装着されるフィルターカートリッジ45は今までに述べたような平面状のマスク3を用いてもよいが、図17に示すような立体マスク52を使用してもよい。立体マスク52は、例えばゴム材等でできており、携帯時には圧縮されてコンパクトな形状となっている。これを、使用時に展開することで顔の形状に密着するような立体形を形成するようになっている。
【0068】
立体マスク52は、図17中矢印で示すように、フィルターカートリッジ45に挿入できるようになっている。立体マスク52は、図に示すようにバンド53によって頭部に装着されてもよいし、片手で顔に押し当てる状態で使用してもよい。
【0069】
なお、図9における通報スイッチ37を作動させるためのスイッチ穴35は、空気口付き携帯電話40の40A面に装着されたフィルターカートリッジ45の下部に配設されており、突設棒25は、立体マスク52の下部に配設されている。
【0070】
次に、本発明の作用について説明する。開封片10を引っ張ると、フィルターセット50は開封され、アイカバー5が分離される。アイカバー5を展開して装着した後、立体マスク52を開封し、立体マスク52を図17中矢印のように、空気口付き携帯電話40に装着されているフィルターカートリッジ45に挿入する。立体マスク52が最後まで挿入されると、図9に示す通報スイッチ37に通電し、自動通報される。
【0071】
開封した立体マスク52の形状は立体的であるため、隙間から外気が侵入することを防止できる。従って、立体マスク52内へと供給されるのは、フィルター8を通った空気のみとなる。
【0072】
なお、空気口付き携帯電話40とフィルターセット50は取り外し可能となっている。そのため、フィルターカートリッジ45、46は交換可能であり、一度使用してしまったり、使用中にフィルター機能が低下してしまったり、もしくは長期間使用しなかった場合にも、常に新しいものと取り替えることができる。
【0073】
以上により、フィルターカートリッジ45、46が予め空気口付き携帯電話40に装着されていることで、緊急時にあわててしまい、細かな作業を行いづらい環境であっても、すぐに、そして確実に装着できるため、迅速な通報及び避難が可能となる。また、マスク形状も立体的であるため、高い気密性が保たれる。
【0074】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図18は、マスク3と、携帯電話60がケーブル62によって接続されている状態を示す。マスク3は、マスク本体6に通信器等内蔵フィルター箱55が配設されたものであり、第1実施形態と同様に、アイカバー5によってマスク3が内包され、マスクユニット形状になっているものを展開して使用する。
【0075】
通信器等内蔵フィルター箱55は、フィルター8の他に、マスクスピーカ56、マスクカメラ57、マスクマイク58を内蔵している。
【0076】
通信器等内蔵フィルター箱55からはケーブル62が伸びており、ケーブル62の先端には、携帯電話60の接続端子61に接続可能な端子63が配設されている。接続端子61に端子63が挿入されると、図9に示す通報スイッチ37が通電し、自動で所定機関等への通報が行われるようになっている。
【0077】
通報スイッチ37は、ケーブル62が携帯電話60に接続されることで通電する。ケーブル62の端子63又は携帯電話60の接続端子61の周辺に機械接点を配設してもよいが、接続の際のインピーダンス等の変化をとらえてスイッチが入るようにしてもよい。
【0078】
従って、使用者は、初めにマスクユニット形状を開封し、図示しないアイカバー5を装着する。その後、マスク3を展開して装着し、ケーブル62の先端の端子63を携帯電話60の接続端子61に挿入する。
【0079】
マスク3に配設された通信器等内蔵フィルター箱55に内蔵された、マスクカメラ57、マスクマイク58からの情報は、ケーブル62を通して携帯電話60に伝えられ、携帯電話60によってダイヤルされた所定機関等へと送信される。
【0080】
また、各機関等からの情報も、携帯電話60からケーブル62を通してマスク3へと送られ、マスクスピーカ56によって出力される。通信器等内蔵フィルター箱55の電源もまた、ケーブル62を介して携帯電話60より供給される。
【0081】
なお、ケーブル62を用いずに、無線によってマスク3と携帯電話60の通信を行ってもよい。その場合、図19に示すように、電源として小型のボタン型電池65と、携帯電話と交信するための通信器66を内蔵した、無線用通信器内蔵フィルター箱64を用いる。図19において、開封片10を引っ張ると、マスクユニット1が開封されると同時に、絶縁材67が引き出され、ボタン型電池65が通電状態となり、通報スイッチ37が通電される。
【0082】
また、図20に無線交信をしたときの一例を示す。携帯電話60には、通信器66と交信するための通信器68が内蔵されている。通信器66と通信器68はそれぞれ固有の周波数によって交信しており、他の周波数を有するマスク3とは交信できないようになっている。
【0083】
従って、図20に示すように、複数のマスク3をセットとし、同一周波数の通信器66を配設することで、各マスク3使用者の間での無線通話が可能となる。
【0084】
更に、携帯電話60を介することで電話回線を使用することもできるため、各マスク3使用者から、センターへの通報及び交信が行える。
【0085】
例えば、家族等で同一周波数のマスク3を備えていれば、携帯電話等を持っていない子供でも親との交信や、所定機関等への通報を行うことができる。
【0086】
なお、通信器68は、常に待機状態として電源の入った状態であってもよいが、携帯電話60に受信器スイッチボタン69を配設し、押したときのみ作動するようにしてもよい。
【0087】
以上により、携帯電話60は、ポケットや鞄等に入れたままでも使用でき、使用者の使用感を向上させることが可能となる。更に、ケーブル62を使用せずに無線交信とすれば、携帯電話の回線を使用した通報のみでなく、無線によって携帯電話等を使用しなくとも、マスク3のみで会話を行うことも可能である。
【0088】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図21は、本実施形態の側面図である。使用するマスクは折り畳み可能な携帯用簡易型に限ったものではなく、図21に示すように、長時間高濃度でも使用可能な従来型の防毒マスク70を用いてもよい。
【0089】
防毒マスク70の側部には、携帯電話設置部72が配設されており、そこに通報機能付き携帯電話75が挿入されるようになっている。携帯電話設置部72の底部には突設棒25が配設されており、通報機能付き携帯電話75の先端にはスイッチ穴35が設けられている。
【0090】
従って、通報機能付き携帯電話75を、携帯電話設置部72に挿入すると、携帯電話設置部72の突設棒25が、通報機能付き携帯電話75のスイッチ穴35に嵌入し、図9に示す通報スイッチ37が通電状態となる。
【0091】
以上により、例えば救助に向かう人や、危険な現場であり、防毒マスク70を常備しているような職場等においても、一連の通報システムを効果的に使用することが可能となる。
【0092】
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図22は本実施形態のシステムブロック図であり、同一災害現場にいる被災者間通話を、センターを介して行える状態を表わしている。
【0093】
第6実施形態において、センターへと通報した被災者の回線は、センターの送受信回路110へとつながれるようになっている。送受信回路110からは、受話及び送話回線へとつながれ、オペレータを介しての、一対一の通話が行われる。更に、マスクカメラ57等により撮影された画像情報も送受信回路110を介して画像処理回路118へと送信されるようになっている。
【0094】
更に、使用者の位置情報も通報スイッチ37と連動して発信され、GPSや、電波基地を用いた位置測定等によりセンターで把握できるようになっている。 このとき、例えば火災検知装置(特開2002−100484)等と連動させることも可能である。この火災検知装置では、火災等災害発生時にそれを検知し、所定のセンターに自動連絡が可能である。
【0095】
その通報より、センターに登録がしてあれば、住所や現場の状況、家族構成、病歴等細かな情報を取得することができる。また、センターに各種情報の登録がされていなくても、ナンバーディスプレイ機能で取得された電話番号をもとに住所や位置検索、電話機の登録者情報等を検索することも可能である。
【0096】
各種位置情報や画像情報は、画像処理されてオペレータの画面へと表示され、現場状況の把握や、避難回路のガイド等に利用できるようになっている。
【0097】
また、このような通話、画像記録は、データとして記憶されており、センターにおいて通報が真実であると確認されたときに、消防署をはじめとした各種機関へと通報及びデータの転送が行われるようになっている。
【0098】
センターに複数の通報が届いた場合、同一災害判定回路112が設置されており、各通報の位置情報から、同時期の通報が同一災害に属するか否かを判定できるようになっている。即ち、各通報元の位置が所定の限られたエリア内に存在し、かつ同時期に発生している場合に同一災害と判定される。
【0099】
同一災害であると判定された場合、センターにおいてオペレータは、スイッチ114を切り替えることで、個別であった各受話回線をミキシング回路116へとつなげることができるようになっている。また、スイッチ115を切り替えることで各送話回線をミキシング回路117へとつなげることができるようになっている。
【0100】
ミキシング回路116、117は、各使用者の通話信号を混合させ、複数人の同時通話を行えるようにしている。
【0101】
次に、本実施形態の作用について説明する。図23は、通報時のセンターでの各処理ステップのフローチャートである。
【0102】
通報があると、回線はオペレータへとつながり、音声はそのまま届けられる。位置情報は画像処理されて表示されるが、そのときの処理ステップは以下の通りである。
【0103】
図23のステップ1(以下S1と略す。以下同様)において、受信した位置信号に基づきステップ3で緯度及び経度等の位置情報の検出が行われる。これより更にステップ5で住所等の判定を行ってもよいし、そのままステップ7で画像のデータベース検索を行ってもよい。
【0104】
ステップ7でその住所等を含む適当な画像が検索され、その結果、ステップ9で画像がデータベースより抽出される。なお、センターには現場よりマスクカメラ57や携帯電話カメラ39からも、画像が撮影されて送られてきている。そして、ステップ11で受信した画像情報をもとにステップ13で画像作成が行われ、ステップ9で抽出された画像とともに、ステップ15において合成され、ステップ17で画面表示される。
【0105】
更に、同一災害に遭っている、他の使用者からの画像も同様に送信されてきているが、それらを同時表示することで、より現場の状況を把握し易くすることもできる。
【0106】
図24、図25は、センターでの表示画面の例である。図24は災害現場の周辺地図であり、通報現場付近の詳細な地図とともに、住所表示や、被災者のカメラから送られてきた現場映像等を同一画面にウィンドウ表示をすることもできる。
【0107】
図25は建物内で火災が発生した場合の表示例である。データベースより建物内のフロア図等を表示させ、ビル等複数階の建物においては階数情報とともに、階段や出口といった避難経路を案内することができる。
【0108】
なお、火災検知装置からの通報があった場合には、図25の火点を示す図のように、詳細な火災発生位置を特定し、表示することも可能である。
【0109】
更に、同一災害現場より複数通報があった場合には、各画像情報をウィンドウ表示し、画面上で切り替えながら、適切な避難経路等を案内することができる。
【0110】
図24、図25のどちらの例の場合にも、GPSや電波基地情報を合わせることで、詳細な情報収集及び照合が可能である。
【0111】
以上により、センターにおいて適切な避難経路等を指示可能とするとともに、現場での被災者間会話等を可能とすることで、迅速な救助活動や避難、情報の確保が行える。
【0112】
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図26は、本実施形態のシステムブロック図であり、携帯電話200とセンターとの通話及び通信の流れを示す。
【0113】
携帯電話200において、操作部201は、入力インターフェイス202を介して、制御演算回路203へと接続されている。制御演算回路203には、送受信回路218、記憶部205、表示回路214、画像処理回路207、送受話回路212、インターフェイス216が接続されている。
【0114】
制御演算回路203は、電話機能、通信機能、時計機能、カレンダー機能、アドレス帳機能及びカメラ機能等の処理を行うようになっている。
【0115】
記憶部205は、RAMやROMから構成され、各種履歴、アドレス帳、画像の他、システムの基本データ等も保存されるようになっている。表示回路214は、液晶画面等のユーザーインターフェイスである。画像処理回路207は、携帯電話カメラ39に接続し、画像の撮影及びデータ処理を行うようになっており、送受話回路212は、マイク209、スピーカ210と接続し、通話及び各種メロディ等の入出力が行われるようになっている。
【0116】
音声及びデータは、送受信回路218によって送信され、無線局を介して、センター側の送受信回路230と通信し、オペレータとの通話や、画像等の送信が行えるようになっている。
【0117】
携帯電話200には、アダプタ221が取り付け可能となっている。アダプタ221に配設された外付け端子220は、携帯電話200に設けられた接続端子223と接続自在なようになっている。インターフェイス216は、この接続端子223と接続され、外部との信号の授受等を行うようになっている。
【0118】
アダプタ221を使用することによって、無線用通信器内蔵フィルター箱64を装着した、マスク3の使用者は、携帯電話200と無線交信を行えるようになっている。
【0119】
アダプタ221が携帯電話200に接続されたことを検知するには、これまでに説明したような機械接点を、接続端子223又は外付け端子220に設けるようにしてもよいし、無電圧検知回路や、インピーダンス等の変化を検知する回路によってもよい。この検知により、通報スイッチ37が通電し、自動で通報が行われたり、通話が可能となる。機械接点を外付け端子220に設けたり、無電圧検知回路等を設けることとすれば、携帯電話200側に構造的な改造を行わずにすむ。但し、自動での通報等を行わず、手動によるボタン操作で通報等が可能とされてもよい。
【0120】
アダプタ221には、外付け端子220と接続した、アダプタ送受信回路222が内蔵されている。アダプタ送受信回路222は、外付け端子220が携帯電話200の接続端子223に接続されることにより機能し、無線用通信器内蔵フィルター箱64の、マスク送受信回路225と無線交信可能となる。この間の交信は、例えば、AM、FMなどの、特定周波数の電波を用いることで、同一周波数同士での交信が行えるようになっている。特定周波数を異ならせれば、異なる周波数同士の間では交信されない。
【0121】
次に、センターにおける処理について説明する。センターでは、携帯電話200の送受信回路218から送受信された情報を、送受信回路230で送受信し、オペレータと使用者の、送話及び受話が行えるようになっている。
【0122】
同時に、送受信回路230で受信した、画像情報、位置情報は、画像処理回路232へと送られ、データベースを参照し、住所等必要情報と合成して表示されるようになっている。なお、第6実施形態で説明した火災検知装置の火点情報を取得し、画像処理を行ってもよい。
【0123】
画像情報は、使用者の携帯電話カメラ39もしくはマスクカメラ57から送信される。通報スイッチ37の通電と連動して携帯電話カメラ39からマスクカメラ57へと送信元が切り替わるようになっている。また、位置情報は、GPSや無線基地局等の情報から解析可能となっている。但し、位置情報は別途提供されるサービスにより取得するようにしてもよい。
【0124】
このときの、通話内容、画像情報、位置情報は通話・画像等記憶部234に記憶されるようになっている。記憶された各情報は、編集及び表示可能であり、また、センターにおいて通報が真実であると確認されたとき、転送ボタン236を押すことで、各機関へ記憶された各情報を転送することができるようになっている。
【0125】
但し、転送ボタン236は、常に接続された状態でもよく、センターでの処理を介さずに、通報と同時に転送するようにしてもよい。
【0126】
以上のように、外付けのアダプタ221を用いたことで、従来の携帯電話200に対しても、大幅な改造を加えることなく、一部のソフトウェア的な機能の追加等で本発明の利用が可能である。
【0127】
また、無線用通信器内蔵フィルター箱64は、特定周波数で通信可能となっているので、一台の携帯電話200を同一周波数の通信器66を持つ複数人が使用することが可能となる。更に、携帯電話200を介さずに、各使用者間での無線通話も行うことができる。
【0128】
従って、同周波数の通信器66を内蔵した無線用通信器内蔵フィルター箱64を家族等で所持することにより、例えば、携帯電話を所持していない子供であっても、保護者の携帯電話200を介して、センターへの通報を行うことでき、また、無線機能によって、家族と通話を行うこともできるため、家族単位等での救出及び迅速な保護を行える。
【0129】
更に、予めセンターにデータベースとして家族構成や各人の健康状態等を登録しておけば、通報のあった携帯電話200の電話番号から情報を検索し、より、確実かつ安全な救助活動を行うことができる。
【0130】
なお、アダプタ送受信回路222は、携帯電話に内蔵させることも可能である。
【0131】
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図27は、本実施形態の全体構成図である。耳掛けアダプタ310には、アダプタスピーカ320、アダプタマイク322、アダプタカメラ324が配設されており、また、耳掛けアダプタ電池314及び無線器312が内蔵されている。携帯電話300には、無線器315が内蔵されており、耳掛けアダプタ310と無線通信が行えるようになっている。
【0132】
耳掛けアダプタ310には耳掛け318が配設されており、耳に装着して使用できるようになっている。アダプタスピーカ320、アダプタマイク322によって、携帯電話300を介した通話が可能である。
【0133】
また、ICやカード、ミニディスク等の記録媒体やインターネットのダウンロードを利用可能なようになっている。そして、ポータブルプレイヤーのように、携帯電話300に保存されている音楽等を受信したり、音楽等を携帯電話300を介してリアルタイムに受信しつつ楽しむことも可能となっている。
【0134】
また、耳掛けアダプタ310は、マスクユニット1とともに使用できるようになっている。図28は、マスク3に耳掛けアダプタ310を装着したときの側面図である。
【0135】
マスク3には、アダプタ装着用フィルター箱330が取り付けられている。図29に、アダプタ装着用フィルター箱330の全体構成図を示す。図29(a)は、正面図であり、図29(b)は、図29(a)中のB−B矢視線断面図である。
【0136】
アダプタ装着用フィルター箱330には、凹部319が形成され、この凹部319の内壁面には、伝導性材の板バネ326と、弾性材の係止爪327が配設されている。
【0137】
耳掛けアダプタ310の後方端部の、表面側部2カ所、裏面側部2カ所には、爪用穴317が形成されている。アダプタ装着用フィルター箱に形成された係止爪327の先端は鍵状に曲げられており、その先端部が爪用穴317に嵌合されるようになっている。
【0138】
耳掛けアダプタ310の後方側面には上下に2つの電極部328が配設されている。耳掛けアダプタ310をアダプタ装着用フィルター箱330の凹部に装着すると、板バネ326が一度に上下2つの電極部328へと接触するようになっているため、電極部328は通電状態となる。このときの状態を図30に示す。
【0139】
耳掛けアダプタ310を耳からはずし、マスク3に装着して使用する場合には、電極部328への通電がスイッチとなり、耳掛け時に使用するアダプタスピーカ320から、上面スピーカ332へと切り替わるようになっている。
【0140】
耳掛けアダプタ310をマスク3に装着した場合には緊急時の場合である。従って、電極部328の通電を感知して、装着行為がスイッチとなり、センターや所定機関等へと自動通報されるようになっている。
【0141】
なお、マスク3に装着しなくても緊急時の通報が行えるように、耳掛けアダプタ310には緊急通報スイッチ352が配設されている。緊急通報スイッチ352は、誤動作防止のために、カバー等で保護されてもよいし、携帯電話300に同様のボタンを配設して、2つを同時に操作することでスイッチが入るようにしてもよい。又は、携帯電話300にのみ配設する等されてもよい。
【0142】
また、耳掛けアダプタ310には耳掛けアダプタ通話ボタン341が配設され、通話に切り替えられるようになっている。更に、操作スイッチ343により早送り、巻き戻し、再生、停止、カメラ操作等の操作が可能なようになっている。掛かってきた相手先の電話番号や選択されたモード等は液晶画面340に表示されるようになっている。
【0143】
次に、本実施形態の作用について説明する。耳掛けアダプタ310をアダプタ装着用フィルター箱330の凹部319に押し込むと、係止爪327は外側へと変形する。耳掛けアダプタ310が凹部319に最後まで挿入されると、係止爪327は復元して耳掛けアダプタ310に開口した爪用穴317へと嵌入し、固定する。
【0144】
図31は、耳掛けアダプタ310の通信機能のブロック図である。通信通話回路337には、アダプタスピーカ320、アダプタマイク322、アダプタカメラ324の各回路がつながれており、各回路からの入力、出力情報は、通信通話回路337と無線器312によって携帯電話300と交信される。
【0145】
携帯電話300に配設された、図示しないスピーカ、マイク、カメラ等と、耳掛けアダプタ310のアダプタスピーカ320、アダプタマイク322、アダプタカメラ324は適宜切り替える、もしくは同時に使用することも可能である。従って、携帯電話300のカメラ機能と、耳掛けアダプタ310の通話機能によって、テレビ電話として使用することもできる。
【0146】
また、アダプタカメラ324を使用すれば、使用者の目線での撮影が可能であり、使用者の好みと用途に合わせた使用が可能である。更に、火災時に使用された場合には、使用者の目線における火災の状況をセンター側で把握できる。なお、アダプタマイク322は口元に近づけ感度を上げるため引き出し自在とされたり、図示しないマイク保持部材を別途配してその先端部に配設するようにしてもよい。
【0147】
また、アダプタマイク322を耳孔に挿入することで、耳の骨伝導される声を拾うようにしてもよい。このとき、アダプタスピーカ320は、アダプタマイク322の外側周囲に位置するように配設されるのが望ましい。
【0148】
耳掛けアダプタ310には、アダプタスピーカ320、アダプタマイク322、アダプタカメラ324のすべてを必ずしも備える必要はなく、例えばアダプタスピーカ320のみを備える等されてもよい。この場合には、耳掛けアダプタ310では、音や音声を聞くことのみに特化される。このとき、送話は携帯電話300側のマイクに向かって話し、携帯電話300側のカメラで撮像を行い、通話の相手方に送る。相手方の声はアダプタスピーカ320で聞くことができる。
【0149】
なお、耳掛けアダプタ310で音楽を聞いている最中に電話の掛かってきた場合には、電話の掛かってきたことを割り込みの音声により知らせる。このとき、ユーザーは耳掛けアダプタ310に配設された耳掛けアダプタ通話ボタン341を押すことで通話可能である。通話の終了に伴い、再び音楽に切り替わる。相手の電話番号は液晶画面340に表示される。
【0150】
耳掛けアダプタ310に配設された、緊急通報スイッチ352を押すと、緊急送信回路345が動作し、通信通話回路337、無線器312を介して携帯電話300と接続される。そして、所定の緊急連絡先へと自動接続が行われる。所定の緊急連絡先の登録及び呼び出し機能は携帯電話300側に設けられてもよいし、耳掛けアダプタ310側に設けられてもよい。
【0151】
緊急通報スイッチ352と並列に、電極部328により構成されるリミットスイッチ回路349が配設される。そして、このリミットスイッチ回路349は、上下の電極部328が通電することによりスイッチが入るようになっている。
【0152】
従って、緊急通報スイッチ352が操作されなくても、耳掛けアダプタ310をマスク3に装着することでリミットスイッチ回路349が動作して、自動で通報が行われる。また、この際には、このリミットスイッチ回路349により音量の小さなアダプタスピーカ320から音量の大きな上面スピーカ332へと切り替えられる。
【0153】
以上により、耳掛けアダプタ310をマスク3に装着するだけで自動通報が行われ、緊急時の時間の節約になる。電話機を手に持つ必要もないので、同時平行して通話しつつ他の作業を行うことができる。また、緊急通報スイッチ352を押すことで、耳掛けアダプタ310をマスク3と独立させた状態でも使用可能である。この場合であっても電話機を手に持つ必要はない。
【0154】
以上のような通報システムは、火災等災害に限ったものではなく、使用者の健康状態の変化や、事故、犯罪の遭遇時に利用されてもよい。
【0155】
なお、図32に示すように、耳掛けアダプタ310に外部端子354を配設し、携帯電話300の接続端子356にて接続自在とされてもよい。この際には、耳掛けアダプタ310をマスク3に装着したときのリミットスイッチ回路349の動作と、耳掛けアダプタ310が携帯電話300の接続端子356からはずされたときの無電圧状態の検知(もしくは端子回りに配設されたリミットスイッチの動作)の双方が働くことで自動通報を行う。耳掛けアダプタ310のバッテリーは充電式として、外部端子354を介して携帯電話300側より給電されるのが望ましい。
【0156】
次に、本発明の第9実施形態について説明する。本発明の第9実施形態であるアダプタの構成図を図33〜図36に示す。ここに、図33はアダプタの上面図、図34は右側面図、図35は正面図、図36は左側面図を示す。本発明の第9実施形態は、学童の学校への行き帰りの際に装着され易く、かつ外部の音を遮断しないことでより一層の安全を確保したものである。
なお、図27〜図32と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。また、各実施形態で説明した機能については説明を省略するが、本実施形態でも同様に適用可能である。
【0157】
図33〜図36において、耳掛けアダプタ410は耳に装着可能なようになっている。耳掛けアダプタ410は有線若しくは無線を介して携帯電話300と電気的につながっている。但し、耳掛けアダプタ410自体で携帯電話の機能を有するようにされてもよい。また、この耳掛けアダプタ410を耳の左右用に一対配設し、この一対で携帯電話の機能も内蔵するようにされてもよい。
この耳掛けアダプタ410のケース327の耳の外耳道に位置する周囲には開口413が設けられており、装着時においても外部の音がこの開口413を通じて聞こえるようになっている。耳掛けアダプタ410のケース327の前方は角状に突設されており、一方後方は半円状に形成されている。しかしながら、この形状は丸形若しくは角形等自由である。
【0158】
また、開口413も形状は自由であり、耳の外耳道付近が塞がれなければよく、後方の半円状の部分の一部若しくは全体を省略した形で構成することも可能である。開口は複数個配設するようにされてもよい。耳掛けアダプタ410のケース327の耳と接する面には耳当てクッション411が取り付けられ、装着時に耳が痛くならないようになっている。耳掛け318の一端は、保持部材415により保持されている。そして、この保持部材415は、後に詳述するように嵌合固定部材417との間で着脱自在に止められている。更に、緊急通報スイッチ352が耳掛けアダプタ410のケース327の底面に配設されている。但し、緊急通報スイッチ352は紐等により引かれるようにされてもよい。
【0159】
アダプタカメラ324は耳に装着時に人の目線である前方を撮像可能なようになっている。そして、このアダプタカメラ324は図33中に点線で示すように人の目線方向である前方を中心として左方向及び右方向にそれぞれ所定角度までの範囲内を回動かつ停止可能なようになっている。所定角度は例えば90度から180度位が望ましい。アダプタカメラ324で撮像された画像は図37の携帯電話300の画面361に表示されるので、この画面361を見ながら自分で最も適当なアダプタカメラ324の位置及び角度調整が可能なようになっている。なお、アダプタカメラ324は、360度立体方向に回動自在とされてもよい。また、アダプタカメラ324には広角レンズが用いられても良い。
【0160】
更に、アダプタカメラ324は、耳掛けアダプタ410の前方では無く、ケース327の外面を外方(耳から遠くなる方向)に向けて膨出させ、その中に前方を向くように露出又は埋設する等されてもよい。更に、耳掛けアダプタ410を耳の左右用に一対配設した場合には、アダプタカメラ324をそれぞれのアダプタ410に備えるのが望ましい。この場合には、人の頭による撮像の死角が無くなる。また、このようにアダプタカメラ324を一対備えた場合には、光の位相差を利用して画像処理することで、立体画像としての映像も可能となる。
【0161】
開口413の周囲(例えば後方)にはスピーカ420が配設され、また耳掛けアダプタ410の前方にアダプタマイク322が配設されており、このスピーカ420とアダプタマイク322を用いて他の子供や保護者、又はセンターとの間で通話が可能なようになっている。携帯電話300側の携帯電話カメラ363で自分を撮像すれば、テレビ電話として機能するようになっている。このとき、携帯電話カメラ363は、自分を撮像可能なように配設されているのが望ましい。また、画面361には通話の相手側の携帯電話カメラで撮影された相手の姿が映し出されるのが望ましい。
【0162】
更に、この画面361には通話の相手側のアダプタカメラ324で撮影された景色が映し出されるようにされるのが望ましい。そして、このテレビ電話モード、景色表示モードを相手側及び/又は本人側で切り換えできるのが望ましい。更に、GPS機能等により、自動で現場の位置検出を素早く確実に行うこともできる。更に、検出した位置情報を住所表示に変換可能なようになっている。
【0163】
次に、本発明の第9実施形態の動作を説明する。
ケース327の耳の外耳道に位置する周囲には開口413を設けたため、装着時においても車の音、人の声等外部の音がこの開口413を通じて聞こえる。従って、安全である。
耳掛け318を耳に装着した状態では、アダプタカメラ324は人の前方を向く。この前方に向けた位置でよいかどうか、アダプタカメラ324で撮像された画像を携帯電話300の画面361で確認しつつ、最も撮像効果が得られるように耳掛け318の位置やアダプタカメラ324の位置を調整する。
【0164】
図37の画面361の例に示すように、通話したい相手を事前に予め登録する。通話の相手を複数選択可能とした場合には、図22に示すようなこの選択された複数者との間で通話のミキシングが行われる。このミキシング選択は電話会社側にて機能を設け処理されるのが望ましい。このミキシング選択の登録及び登録者の中から選択した人の情報は事前に電話会社側に送られ、ミキシングが準備される。例えば、図37の画面361の例の場合には、Aさん、Bさん、Cさんの電話番号が電話会社に対し予め届けられ登録されている。そして、ユーザはこの中から同時会話したい人であるAさん、Cさんを選択する。
【0165】
通話に際しては選択されたミキシング信号(Aさん、Cさんの選択信号)を基に、電話会社側でこのユーザとAさん、Cさんの携帯電話間がミキシング通話可能となるようにミキシング回路に回線を切り替える。このことにより、複数者間の同時会話が可能である。なお、このミキシングにおいて、ハウリングの問題を生ずる場合には、送話中の携帯電話に対しては受話をしないように自動処理されてもよい。送話中であるか否かは、音声の振幅の大きさや音声信号が発せられているか否かで判断する。
【0166】
または、図26のように無線通信機同士の間で同時会話されてもよい。
しかしながら、ミキシングによらず通話の相手は一人だけ選択可能とされてもよい。このように一人だけを選択とした場合には、選択した相手との1対1の通話となる。
【0167】
携帯電話300の安全システム作動ボタン365を押すと、同時会話モードが開始され、センター側と携帯電話300とにおいて、アダプタカメラ324で撮像された画像及びアダプタマイク322で抽出した音声とが保存される。但し、1対1通話の場合には、電話会社側に事前登録した電話番号であり、かつ安全システム作動ボタン365の押されたときにはこの電話番号の画像信号及び音声信号を電話会社側で保存する。あるいは、この信号を所定のセンターに向けて送信してもよい。センター側ではこの信号を受けて保存する。または、1対1通話の場合には、通話の相手側の携帯電話機において画像情報及び音声情報を保存するようにしてもよい。
【0168】
このとき、まず、自らの携帯電話において相手先を登録しておき、これらの登録者の中から一人を選択する。但し、事前に相手先の登録や選択を完了させておくことでこの作業は省略されてもよい。その後、安全システム作動ボタン365を押すことで相手との電話が可能となる。同時にアダプタカメラ324で撮像された画像及びアダプタマイク322で抽出した音声は互いの相手側に送られ、その相手側の携帯電話に備えられたメモリやハードディスク等の記憶部に保存される。この保存は、例えば数時間から数日分が随時新しいデータに自動更新される等であればよい。この相手は友人、家族、センター等である。但し、相手側の携帯電話の保存に代えて、電話会社側でこの保存の代行がされてもよい。
【0169】
また、緊急スイッチ等の操作や通報のあった場合には、この操作信号に基づきデータの新たな更新がされないようにすると共に、更に保存時間を自動延長若しくは無制限とするのが望ましい。操作信号による処理は、相手側からの信号と自分で発した信号の双方での適用が望ましい。延長時間分のメモリー容量が無い場合、あるいは緊急スイッチ等の操作と同時にセンター側に送信を切り換え、センター側で保存を継続するようにされてもよい。緊急スイッチ等の操作前数時間〜操作後数時間がメモリーに保存されるようにしてもよい。また、常にセンター側でも保存をするようにしてもよい。このときのセンター側の保存時間は携帯電話側の保存時間より長いことが望ましい。また、動画は連続したものが望ましいが、メモリー容量を抑えるためには、圧縮されたり、サンプリング的に時間間隔をおいて静止画像を撮像する等とされてもよい。
【0170】
例えば、学童が下校する際には途中まで数人で一緒に帰宅するように学校側で指導されている。その後、自宅までの間に一人ずつに分かれる訳であるが、分かれる際に耳に耳掛けアダプタ410を装着した後、安全システム作動ボタン365を押す。一人になった後に不審者により声をかけられた場合には、この音声はアダプタマイク322で抽出されセンター等に送信される。また、この不審者の画像はアダプタカメラ324で撮像されセンター等に送信される。学童に万一の事件が起こった場合には、この音声を声紋分析可能であり、また画像により不審者の姿の特定が可能である。
【0171】
一方、同時会話若しくは1対1通話されているので、被害に遭った学童の声は会話中の他の学童に聞こえる。このとき、この声を聞いた学童は近所の大人に知らせに走ることが可能である。あるいは、緊急通報スイッチ352を操作してセンターに知らせることができる。もちろん、緊急通報スイッチ352は被害に遭った学童自身が操作することも可能である。
【0172】
このとき、センター側より「どうしました」というように問い合わせが行われる。これに対する答えがあった場合で学童の安全が確認された場合には、一応安全であると判断することができる。しかしながら、万一のこともあるので、センター側より保護者に対しこの事実を電話で報告することが望ましい。また、この場合であっても万一の場合を考慮すると画像データ、音声データの保存のされることが望ましい。テレビ電話による確認のされることが望ましい。
一方、学童からの返事が無い場合には、事件に遭遇した可能性が高いので、警察や警備会社、学童の通学路付近の住民、学校等に連絡が取られる。この際には、センター側での映像分析、音声分析等が行われる。
【0173】
学童が下校途中に一人になった場合の自宅までのわずかの距離及び時間の死角をつかれて事件に遭遇することが多いが、このことにより、早期の捜査及び解決等が可能である。また、耳掛けアダプタ410を装着していることが認識されれば不審者自身が学童に対し近づけなくなるので、犯罪を未然に防止することができる。耳掛けアダプタ410を装着する時間も自宅までの距離であればわずかであるので学童の負担も少ないと思われる。全員がそれぞれの家に到着したことを確認できたときには、安全システム作動ボタン365を解除する。
なお、アダプタカメラ324は高感度カメラや赤外線カメラ等とし、夜にも撮像可能とすれば、夜道を帰宅する女性等が犯罪に巻き込まれるのを未然に防止できる。なお、この場合に、アダプタ410にフラッシュやライトを備えるようにされてもよい。また、本システムは学童についての用途を主に説明したが、学童に限らず、お年寄りや出勤、帰宅途中の会社員等、安全の求められるすべての場合に有効である。
【0174】
次に、本発明の実施形態の別例を図38に示す。図38では、耳掛けアダプタ410の開口413を覆えるようにすることで、第8実施形態の図27から図32に述べたような耳掛けアダプタ310のように使用可能とするものである。
図38において、耳掛けアダプタ510の外側には、円柱状の凹部421が形成されている。そして、この凹部421には円板状部材423が収納自在になっている。円板状部材423はヒンジ425の一端に固定されている。このヒンジ425の他端は、耳掛けアダプタ510のケース427に対し固定されている。
【0175】
円板状部材423は丁度開口413の中に隙間無く納まるようになっている。
円板状部材423の図38における表面には、アダプタスピーカ429が配設され、この円板状部材423を引き出すためのツマミ431が配設されている。アダプタスピーカ429の図示しないコードはヒンジ425の内部を通りケース427内の回路に接続されている。円板状部材423の外周縁には遮音性のあるクッションの配設されるのが望ましい。開口413の内側にはリミットスイッチ433が備えられている。なお、円板状部材423は、耳掛けアダプタ510の内側に配設されてもよい。この場合には、アダプタスピーカ429は、凹部421に面する側に設けられることが望ましい。
【0176】
かかる構成において、通常は開口413により障害なく外部の音が直接耳に聞こえる。一方、音楽や英会話等の教材を聞きたい場合には、ツマミ431を引き上げ、凹部421から円板状部材423を引き出す。ヒンジ425を介して折り返すことで、円板状部材423は開口413に収納される。このとき、円板状部材423は開口413に対する蓋状態となり、円板状部材423の外周縁にクッションが配設されていれば一層音が外部に漏れ難い。円板状部材423が開口413に収納される際には、円板状部材423がリミットスイッチ433に当接する。このとき、リミットスイッチ433が作動し内部回路はスピーカ420の接続からアダプタスピーカ429の接続へと切り替えられる。但し、スピーカ420の配設位置を内側に向けた場合には、アダプタスピーカ429を省略することもできる。
【0177】
また、これとは逆に円板状部材423が開口413より凹部421に戻される場合には、リミットスイッチ433がオフし、内部回路は再びアダプタスピーカ429の接続からスピーカ420へと切り替えられる。
【0178】
このことにより、帰宅途中等においては外部からの音を聞くことができるため安全である。一方、帰宅後において、あるいは電車の中等において音楽等を楽しみたい、あるいは通話をしたい場合には、円板状部材423を開口413に収納するだけで、外部に音漏れさせずに音楽等を聞いたり、通話をすることができる。
【0179】
また、旅行時等に用いられた場合には、相手に対しほぼ自らの目の高さであるアダプタカメラ324で撮影した画像を送信できるため、相手側に景色等の雰囲気を伝え易い。手放しでアダプタマイク322を通じて会話もできるので楽である。更に、ショッピングに用いられた場合には、相手に対し商品を手に取り撮影しつつ説明をすることができるので、相手側が購入希望者の場合に商品購入の依頼がされ易い。
【0180】
なお、図38では、円板状部材423を開口413に収納するとして説明したが、図39のように、板状部材432をスライドさせることで開口413を覆うようにしてもよい。図39において、板状部材432の上下にはスライドのための図示しないレールが配設されている。通常時には開口413を開放状態におく。一方、開口413を覆いたい場合には、爪孔434に爪を掛けて板状部材432をスライドさせ、開口413を覆う。このときスピーカ420は省略し、アダプタスピーカ429一つだけを備えるとすることもできる。通常時には、このアダプタスピーカ429から漏れる音を拾うことができるからである。
【0181】
次に、このアダプタを胸ポケット、衣服、又は鞄に装着可能とする例について説明する。
図35においては、耳掛けアダプタ410のケース327に配設された嵌合固定部材417に対し保持部材415は着脱自在に止められている。この保持部材415を外したときの耳掛けアダプタ410の外観図及びこの外観図中の点線枠で囲った範囲の拡大図を図40に示す。但し、この拡大図中には理解を容易にするため保持部材415との嵌合時の様子(水平断面図)を示している。また、図41には嵌合固定部材417に対し保持部材415が嵌合されているときの縦断面図を示す。なお、図41は、保持部材415には胸ポケット装着用クリップ451が取付られた例を示している。
【0182】
図40及び図41において、嵌合固定部材417は、その縦断面図に示すように、嵌合固定部材417の下端中央には基部417aより支柱417bが立設されている。この支柱417bは、左右が凹部453A、453Bに挟まれ、かつ支柱417bの下端部には角柱部417cが配設されている。この角柱部417cに設けられた空洞455には、バネ457が収納され、このバネ457の左右端にはそれぞれフック459A、459Bが取り付けられている。そして、このフック459A、459Bは角柱部417cに設けられた図示しない穴より所定高さ分外方に向けて突設するようになっている。また、このフック459A、459Bは図40に示すように、図中下方かつ内側に向けた傾斜面459a、459bを有している。
【0183】
一方、保持部材415には、図41に示すように、上端中央に長孔461が形成され、かつこの長孔461と連設して空洞463が配設されている。長孔461には、支柱417bが通るようになっており、また、空洞463には角柱部417cが通るようになっている。
【0184】
かかる構成において、保持部材415の空洞463に対し嵌合固定部材417の角柱部417cを通す。このとき、フック459A、459Bは空洞455内に押し込まれる。図40に示すように、完全に保持部材415を嵌合固定部材417に対し通し終わると、フック459A、459Bはバネ457の作用により外方に向けて突設する。このことにより、保持部材415は嵌合固定部材417から抜けなくなる。
【0185】
一方、逆に、保持部材415を嵌合固定部材417から引き抜く場合には、フック459A、459Bをバネ457に抗して内側に押しながら、保持部材415を引く。
【0186】
以上により、嵌合固定部材417に対し保持部材415を着脱自在とすることができる。図41〜図43は保持部材415の端部に胸ポケット装着用クリップ451を取り付けた例である。図41は、ケース327の側面図、図42は、正面図、図43は背面図を示す。
【0187】
この胸ポケット装着用クリップ451を用いて胸のポケットにケース327を収納する。このとき、アダプタカメラ324は回動させることで人の前方に向くように設定する。嵌合固定部材417の取付位置より上方にアダプタカメラ324、アダプタマイク322及び緊急通報スイッチ352を配設したので、これらの素子はポケットの外部に露出されており、撮像や音声の抽出に支障が無い。また、緊急時の操作もし易い。
【0188】
次に、図44〜図46に保持部材415に安全ピン521を取り付けた例を示す。図44は、ケース327の背面図、図45は正面図、図46は上面図を示す。図44〜図46において、保持部材415には安全ピン521が取り付けられている。そして、この保持部材415を嵌合固定部材417に装着する。この安全ピン521により、衣服や学童の帽子に対しケース327を取り付けることができる。帽子では、帽子の前面に取り付けられる他、ケース327を90度回転させれば側方にも取り付け可能である。このとき、アダプタカメラ324は回動させることで人の前方に向くように設定する。
【0189】
次に、図47〜図49に保持部材415にベルト固定具523を取り付けた例を示す。図47は、ケース327の背面図、図48は、正面図、図49は上面図を示す。図47〜図49において、保持部材415にはベルト固定具523が取り付けられている。そして、この保持部材415を嵌合固定部材417に装着する。ベルト固定具523には、ベルト525の一端が固着されている。そして、このベルト525の他端には内側にマジックテープ(登録商標)527Aが配設されている。ベルト525の他端はランドセル等の肩ヒモに対し巻かれた後、ベルト525の一端側に配設されたマジックテープ527Bと接着される。
【0190】
このことにより、ランドセル等の肩ヒモにケース327を取り付けることができる。このとき、アダプタカメラ324は回動させることで人の前方に向くように設定する。
なお、ベルト525に代えて紐を備え、首等から吊るすようにされてもよい。
以上により、簡単にケース327を耳、衣服、ポケット、鞄等に装着できるため学童等にとって持ち運びされ易い。従って、学童等の安全を確保できる。なお、耳掛けアダプタ310、410、510を単独で用いる場合には、左用、若しくは右用のいずれの構成とされてもよい。
【0191】
次に、本発明の第10実施形態について説明する。本発明の第10実施形態であるアダプタ収納ケースの構成図を図50〜図55に示す。ここに、図50はアダプタの正面図、図52は背面図、図53は上面図、図54は側面図を示す。また、図55には、耳掛けアダプタ410とアダプタ収納ケース601及び携帯電話300との関係を示す。本発明の第10実施形態は、学童の安全を一層確保するためにアダプタ収納ケースに警報音を発生させる機能を備えたものである。
【0192】
なお、図27〜図49と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。アダプタ収納ケース601は直方体形状であり、内部には上端が開口603に連なる凹部が設けられており、この開口603より耳掛けアダプタ410を凹部の内部に収納自在なようになっている。図50、図52、図53及び図54は耳掛けアダプタ410をアダプタ収納ケース601の凹部に収納した様子を示している。
【0193】
アダプタ収納ケース601の正面壁はU字状の切欠き605を有している。側部には緊急スイッチ607及びスピーカ609を備えている。また、底面にはコードを自動で巻き取るための巻取用スイッチ611が配設されている。そして、アダプタ収納ケース601と耳掛けアダプタ410間のコード613を巻き取る図示しないリールがアダプタ収納ケース601内に内装されている。アダプタ収納ケース601の上端にはマイク614が配設されている。
【0194】
嵌合固定部材617、保持部材615、胸ポケット装着用クリップ651は、それぞれ嵌合固定部材417、保持部材415、胸ポケット装着用クリップ451と同一の機能なので説明を省略する。胸ポケット装着用クリップ651により、アダプタ収納ケース601を胸のポケットに収納自在なようになっている。また、この胸ポケット装着用クリップ651は,他の安全ピンやベルト固定具に取り替えることが可能なようになっている。
【0195】
アダプタ収納ケース601の切欠き605の下端縁には、係止部材619がアダプタ収納ケース601に対しヒンジ621回りに回動自在になっている。係止部材619の内側は上端にかけてゆるやかな傾斜面を有し、かつ下端には段差部623を有している。図51に係止部材回りの簡略構造図を示す。係止部材619の底面は、モード切替スイッチ625の頭部に当接自在なようになっている。そして、このモード切替スイッチ625の底面が導電部629を押し下げると、この導電部629は板バネ状で支点631に当接後は湾曲するようになっている。導電部629の一端は導電保持材633により保持されている。そして、この導電保持材633と支点631間が接触することで導電保持材633と支点631間に電気が流れるようになっている。
【0196】
なお、係止部材619が倒れると導電部629は元通りの平板状に復帰するため、導電保持材633と支点631間の接触は解除されるようになっている。また、アダプタ収納ケース601と携帯電話300間にはコード635が配設されている。但し、アダプタ収納ケース601と携帯電話300間、及びアダプタ収納ケース601と耳掛けアダプタ410間のいずれか少なくとも一方は無線とされてもよい。
【0197】
次に、本発明の第10実施形態の動作を説明する。
耳掛けアダプタ410をアダプタ収納ケース601の凹部に収納する場合、巻取用スイッチ611を押してコードを巻き戻す。そのとき、係止部材619を上に引き上げつつ耳掛けアダプタ410を凹部に収納する。その後、係止部材619を離すと導電部629のバネ作用により係止部材619は耳掛けアダプタ410の開口413内に倒される。このことにより、耳掛けアダプタ410はアダプタ収納ケース601より抜けなくなる。また、このときには、モード切替スイッチ625がONされ、導電保持材633と支点631間が接触することで電気が流れている。
【0198】
この状態で、アダプタ収納ケース601を胸のポケットに収納する。アダプタカメラ324は前方に向ける。モード切替スイッチ625がONされることで、マイク614とスピーカ609とが生かされる。このマイク614とスピーカ609とを使って相手と会話ができる。また、学童が危険を感じたときに緊急スイッチ607を押すと、警報音が生成されスピーカ609より吹鳴される。このとき、会話中の相手側に対しても緊急信号が送信され、相手側のアダプタ収納ケース601に配設されたスピーカ609からもこの緊急信号を受け、緊急を知らせる警報音かアナウンスの発せられることが望ましい。また、この緊急事態であることを相手側の携帯電話300の画面361で表示されるようにしてもよい。この画面361には、緊急事態中の学童の氏名とこの学童の現在いる位置がGPS機能により表示されるようにしてもよい。保護者の電話番号等が表示されてもよい。あるいは、緊急事態の連絡先の電話番号が表示されてもよい。また、同様の内容がセンター側に送信されるようにしてもよい。なお、センター側では、常時この間の情報を取得していることが望ましい。
【0199】
もしマイクが動作していない状態の場合にはここで動作する。但し、緊急スイッチ607は紐を引くように構成されてもよい。一方、安全システム作動ボタン365を事前に押していれば、マイク614若しくはマイク322が既に動作しているため、そのまま継続してマイクが動作する。アダプタカメラ324の動作及び操作方法等は各実施形態と同様であり、特に耳掛けアダプタ410を胸ポケット等に付けた場合と同様なので説明を省略する。
【0200】
耳掛けアダプタ410をアダプタ収納ケース601から外し、耳に装着する場合には、係止部材619を上に引き上げつつ耳掛けアダプタ410を凹部より抜き出す。このとき、コード613はリールより引き出される。モード切替スイッチ625はOFFとなり、このことにより、マイク614及びスピーカ609は停止され、スピーカ420とアダプタマイク322とが動作状態となる。但し、緊急通報スイッチ352又は緊急スイッチ607を操作した場合には、警報音が生成されスピーカ609より吹鳴される。
【0201】
このことにより、学童は、不審者に声をかけられたときに緊急通報スイッチ352又は緊急スイッチ607を操作して警報音により不審者を撃退できる。従って、学童等の安全を一層確保できる。
【0202】
次に、本発明の実施形態の別例を図56〜図58に示す。本別例は、アダプタ収納ケース自体を携帯電話にしたものである。なお、図50〜図55と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図56には耳掛けアダプタ410が収納された携帯電話600の正面図、図57には側面図を示し、図58には、この携帯電話600を開いたときの様子を示す。
【0203】
携帯電話600はケース671とケース661とがヒンジ663により回動自在に連結されている。ケース671にはスピーカと画面361とが配設され、ケース661にはカメラ324用のスイッチ665等の操作スイッチ関係が配設されている。ケース661の下端には、アダプタ収納ケース601と同様に開口603より耳掛けアダプタ410を凹部の内部に収納自在なようになっている。耳掛けアダプタ410を凹部に収納する際には、巻取用スイッチ611を押してコードを巻き戻す。一方、耳掛けアダプタ410をケース661の凹部より抜き出す際にはコード613はリールより引き出される。カメラ324を手前に向けてスイッチ665を操作すれば自分を撮像できる。一方、カメラ324を外側に向けて撮像することも可能である。相手と会話をするには、スピーカ666に耳を当て音声を聞きながらマイク322に向けて話をする。但し、携帯電話カメラ363を備えればテレビ電話も可能である。なお、胸ポケット装着用クリップ651が邪魔な場合にはこれを外しても良い。
【0204】
また、携帯電話600は折り畳み式とせずにアダプタ収納ケース601に対し画面と操作部、スピーカ等を配設するようにされてもよい。この場合、アダプタ収納ケース601の正面壁にはU字状の切欠き605を有さずにこの面に画面と操作部、スピーカ等を配設することが望ましい。
このことにより、学童は、不審者に声をかけられたときに緊急通報スイッチ352又は緊急スイッチ607を操作して警報音により不審者を撃退できる。従って、学童等の安全を一層確保できる。また、携帯電話600と耳掛けアダプタ410の2部品となり持ち運び安い。一つにまとめて持ち運ぶことも可能なので便利である。
【0205】
次に、本発明の実施形態の更なる別例を図59に示す。本別例は、耳掛けアダプタ510を携帯電話の蓋体とし、かつ携帯電話本体である底体670とは分離自在としたものである。耳掛け318は耳掛けアダプタ510より分離自在である。嵌合固定部材417は、ケース427の外側に配設されるのが望ましい。
なお、図50〜図58と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。ヒンジ673に取り付けられた雄コネクタ672Aを耳掛けアダプタ510に配設した雌コネクタ672Bに対し嵌合すると一つの携帯電話として利用できる。耳掛け318は一旦後ろ側に押した状態でコネクタ同士の嵌合を行う。但し、この時点で耳掛け318を耳掛けアダプタ510から外してもよい。
【0206】
会話をする際には、マイク675に対し話し、アダプタスピーカ429から相手の音声を聞く。カメラ324での撮像も可能である。カメラ324では自らの撮像もできるし、耳掛け318に代えて、胸ポケット装着用クリップ651を装着すれば携帯電話を折り畳んだ状態で胸ポケット等に挟み、カメラ324を前方に向けて撮像できる。ケーブル677は底体670において図示しないリールを巻き戻すことで収納可能である。
【0207】
耳掛けアダプタ510と底体670とを分離した状態でマイク322に対し話し、アダプタスピーカ429から相手の音声を聞くことも可能である。この状態で耳掛けアダプタ510を胸等に装着されてもよい。底体670側にも携帯電話カメラ363を設ければテレビ電話も可能となる。カメラ324による景色撮像と携帯電話カメラ363による本人撮像との切り換えを可能とするのが望ましい。あるいは、2つの画面を同時に入れ子状に表示できるように構成してもよい。また、ケーブル677の引き出し距離に応じてマイク322とマイク675との切り換えが行われるのが望ましい。この場合には、引き出し距離が短いときにはマイク675を生かし、一方、引き出し距離が長いときにはマイク322を生かす。但し、ボタン操作でマイクを適宜切り換えられるようにされてもよい。緊急通報スイッチ352を押したり、あるいは引いたり等すれば、スピーカ609より警報音が鳴り響く。なお、ケーブル677を用いずに無線とされてもよい。なお、第9、第10実施形態では開口413を有するものとして説明したが、開口を有さない場合についても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0208】
300、600 携帯電話
310、410、510 アダプタ
318 耳掛け
322 アダプタマイク
324 アダプタカメラ
327、427 ケース
352 緊急通報スイッチ
361 画面
363 携帯電話カメラ
365 安全システム作動ボタン
411 クッション
413 開口
415、615 保持部材
417、617 嵌合固定部材
420、609 スピーカ
421 凹部
423 円板状部材
425 ヒンジ
429 アダプタスピーカ
431 ツマミ
432 板状部材
433 リミットスイッチ
434 爪孔
451、651 胸ポケット装着用クリップ
455、463 空洞
457 バネ
459 フック
461 長孔
521 安全ピン
523 ベルト固定具
525 ベルト
527 マジックテープ
601 アダプタ収納ケース
607 緊急スイッチ
611 巻取用スイッチ
614、675 マイク
619 係止部材
621、663、673 ヒンジ
625 モード切替スイッチ
665 スイッチ
672A、672B コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
犯罪の遭遇時に使用者が身につけつつ撮像した映像をセンターや緊急連絡先等の送信先に送信し保存することで犯罪の遭遇時の様子を記録する携帯システムであって、
取り付け角度調整のための回動機構若しくは広角レンズを有するカメラと、
該カメラが配設されたアダプタと、
前記カメラで撮影された映像データを送信する送信手段を有する携帯電話と、
該送信手段で送信された映像データを送信先で保存する保存手段と、
前記アダプタを前記使用者に装着するアダプタ装着手段とを備え、
前記アダプタが使用者に対して装着されているときに前記カメラで撮像された映像を前記携帯電話に伝送する伝送手段と、
該伝送手段で伝送された映像を前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立したケースに配設された画面に表示する表示手段を備え、
該表示手段で表示された映像を基に前記使用者が前記カメラの取り付け角度調整又は前記アダプタの前記使用者に対する取り付け位置の調整が可能で、前記使用者の前方方向の映像が撮像可能であることを特徴とする携帯システム。
【請求項2】
前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースには該ケースを前記使用者に対し装着自在とするケース装着手段を備え、
前記アダプタは、前記ケース内に収納及び取り外し自在であり、前記カメラは該ケース内にアダプタが収納されたときに該ケースより露出された位置に配設され、前記アダプタが前記ケース内に収納された状態で前記ケース装着手段により該ケースが使用者に装着されたときに前記カメラは該使用者の前方方向の映像を撮像可能であることを特徴とする請求項1記載の携帯システム。
【請求項3】
前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立したケースに配設されたケーススピーカ及びマイクを備え、
該ケーススピーカには耳を当てることなく前記ケースが前記使用者に対し装着された位置から該ケーススピーカを通じて通常の会話ができる程度の音量で相手の声を聞くことができ、
前記マイクには直接口元を近づけることなく該マイクを通じて通常の会話ができることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の携帯システム。
【請求項4】
前記アダプタ及び/又は前記ケースに配設された緊急通報用のスイッチを備え、
該緊急通報用のスイッチが操作されたとき前記ケーススピーカより警報音が発せられることを特徴とする請求項3記載の携帯システム。
【請求項5】
前記アダプタ装着手段は前記アダプタの外側面に配設され、該アダプタの内側面にアダプタスピーカを有し、
前記携帯電話のケースと前記アダプタとは接続及び取り外しが自在であり、接続したときに前記アダプタスピーカを受話用スピーカとして一つの一体化された携帯電話として機能することを特徴とする請求項1記載の携帯システム。
【請求項6】
緊急通報用のスイッチを前記アダプタ又は前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースに備え、
該緊急通報用のスイッチは、前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段の上方で前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段がポケットに装着されたときに該ポケットより露出される位置に配設され、
前記緊急通報用のスイッチが操作されたときに警報音を発するケーススピーカを前記ケースに有し、かつ、該ケーススピーカが前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段の上方で前記アダプタ装着手段又は前記ケース装着手段がポケットに装着されたときに該ポケットより露出される位置に配設されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯システム。
【請求項7】
緊急通報用のスイッチを前記アダプタ又は前記携帯電話のケース又は前記携帯電話とは独立して配設されたケースに備え、
該緊急通報用のスイッチが動作されたときに映像データの新たな更新がされないようにすると共に該映像データの保存時間が延長されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate


【公開番号】特開2012−138910(P2012−138910A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−13569(P2012−13569)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【分割の表示】特願2006−152830(P2006−152830)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(500132579)
【Fターム(参考)】