説明

携帯型電子機器

【課題】 被写体の画像を容易に確認して撮影することができ、電話をかけてきた相手あるいは電子メールを送信してきた相手を即座に認識することができる携帯型電子機器を提供する。
【解決手段】 携帯電話機100のユーザが撮像部2を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像部2の光軸上に位置するようにした場合、ユーザが撮影した画像は、第1および第2表示部9,10の各表示面にそれぞれ表示される。撮像部2および第1表示部9は同一の面に配置されているので、第1表示部9の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。したがって、ユーザは自分自身を撮像部2の光軸上に置きつつ、第1メモリ6に取り込まれる自分自身の画像を、第1表示部9で確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるカメラ付携帯電話機のように、入射光を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像手段を備え、無線電波を介して基地局と無線通信を行う携帯型電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機は、単に通話だけではなく、電子的な電話帳およびスケジュール帳、電子メールの送受信、インターネット接続など様々な用途に使用されるようになってきている。最近の携帯電話機の中には、撮像レンズ、および入力光を電気信号に変換する撮像素子を備えるカメラが搭載されたいわゆるカメラ付携帯電話機もあり、このカメラ付携帯電話機では、記憶容量、画像の表示サイズ、カメラの解像度および処理能力などが一段と向上されている。また、携帯電話機には、折りたたむことができ、コンパクトで持ち運びに便利な折りたたみ式の携帯電話機がある。
【0003】カメラ付携帯電話機には、自分自身を被写体として撮影する際に被写体を映す凸面鏡などの反射鏡が撮像レンズの近傍に配置されており、撮像レンズおよび反射鏡は、撮像レンズの光軸方向と反射鏡の光軸方向とが略平行になるように配置されている。カメラ付携帯電話機に関連する従来の技術として、実開昭64−45826号公報には、撮像レンズと反射鏡とを前記カメラ付携帯電話機と同じように配置して被写体を撮影する「カメラ」が開示されている。前記カメラ付携帯電話機および前記公報に記載の「カメラ」は、撮像レンズの光軸方向と反射鏡の光軸方向とが略平行になるように配置されているので、撮像レンズの光軸上に自分自身が位置するようにして、ユーザが被写体として自分自身を撮影する場合、反射鏡に映った自分自身の画像を確認しながら撮影することができる。
【0004】また、折りたたみ式の携帯電話機の中には、携帯電話機が折りたたまれたときの外側にも表示面が配置されている機種もある。この外側の表示面には、予め携帯電話機のメモリに記憶させている相手先の電話番号、名前および電子メールのメールアドレスなどの文字データを、通話要求の着信後および電子メールの受信要求の着信後に表示させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のカメラ付携帯電話機を使用してユーザが自分自身を被写体として撮影する場合、ユーザはカメラを自分自身に向け、かつ自分自身をカメラの近傍に配置された反射鏡の光軸上に位置するようにし、反射鏡に映った自分自身の画像を確認している。このように従来のカメラ付携帯電話機は、被写体である自分自身を反射鏡の光軸上に置いて撮影するように構成されているので、被写体はカメラの光軸から若干ずれてしまう。すなわち、カメラの光軸と反射鏡の光軸とのずれによって、被写体を確認するための反射鏡に映った画像と、実際にユーザが撮影して携帯電話機に取り込まれる画像とにずれが生じてしまう。そのため、再度撮影をし直さなければならない場合があり、非常に手間がかかるという問題がある。また、暗い場所で自分自身を被写体として撮影する場合、反射鏡に映った自分自身の画像を確認することは非常に困難である。
【0006】また、折りたたまれたときの内側にのみ表示面が配置されている従来の折りたたみ式の携帯電話機では、発信してきた相手の電話番号、名前および電子メールのメールアドレスなどの文字データを確認する場合、折りたたまれている携帯電話機を開く操作が必要となる。したがって、発信してきた相手を即座に認識することが困難である。
【0007】また、折りたたまれたときの外側にも表示面が配置されている従来の折りたたみ式の携帯電話機では、外側に配置されている表示面に、発信してきた相手の電話番号、名前および電子メールのメールアドレスなどの文字データを表示させて確認することができる。しかし、外側に配置されている表示面は内側に配置されている表示面に比べて小さいので、非常に見ずらく、相手を即座に認識することが困難である。
【0008】本発明の目的は、被写体の画像を容易に確認して撮影することができ、電話をかけてきた相手あるいは電子メールを送信してきた相手を即座に認識することができる携帯型電子機器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、入射光を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像手段と、画像を予め定める表示方向に表示する表示面をそれぞれ有する第1および第2表示手段と、前記撮像手段から出力される画像データに基づいて、前記第1および第2表示手段の各表示面に画像を表示させる制御手段とを備え、前記第1および第2表示手段は、互いに反対側になるように配置されるとともに、それぞれが有する表示面による画像の表示方向が逆向きとなるように配置され、前記撮像手段は、その光軸方向に沿う光の入射方向が前記第1表示手段の表示面による画像の表示方向とは逆向きとなるように配置されていることを特徴とする携帯型電子機器である。
【0010】本発明に従えば、撮像手段によって撮像された画像は、第1および第2表示手段が有する表示面にそれぞれ表示される。したがって、電子機器を携帯するユーザが撮像手段を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像手段の光軸上に位置するようにした場合、ユーザが撮影した画像は、第1および第2表示手段の各表示面にそれぞれ表示される。撮像手段の光軸方向に沿う光の入射方向と第1表示手段の表示面による画像の表示方向とは逆向きになるように配置されているので、第1表示手段の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、ユーザは自分自身を撮像手段の光軸上に置きつつ、携帯型電子機器に取り込まれる自分自身の画像を確認することができる。したがって、自分自身を確認するための画像と、ユーザが撮影して携帯型電子機器に取り込まれる画像とにずれは生じない。これによって、撮り直しの回数が減り、ユーザの手間を省くことができる。
【0011】また、電子機器を携帯するユーザが撮像手段を自分自身とは反対側に向けた場合も、ユーザが撮影した被写体の画像は、第1および第2表示手段の各表示面にそれぞれ表示される。このとき、第2表示手段は、その表示面による画像の表示方向と撮像手段の光軸方向に沿う光の入射方向とが同じ向きになるように配置されているので、第2表示手段の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、撮像手段を自分自身とは反対側に向けた場合でも、ユーザは撮影した被写体の画像を確認することができる。
【0012】したがって、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯型電子機器の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0013】また本発明は、前記携帯型電子機器は、折りたたみ可能に構成され、前記第1および第2表示手段のうち、一方の表示手段は前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの内側に位置するように配置され、他方の表示手段は前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、携帯型電子機器は折りたたみ可能に構成されており、第1および第2表示手段のうち、一方の表示手段は折りたたまれたときの内側に、他方の表示手段は折りたたまれたときの外側に位置するようにそれぞれ配置される。
【0015】したがって、携帯型電子機器を開いた状態で使用すれば、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯型電子機器の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0016】また本発明は、前記画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データの記憶を指示するシャッタボタンとをさらに備え、前記制御手段は、前記シャッタボタンからの指示に応答して画像データを前記記憶手段に記憶させ、前記第1表示手段、前記撮像手段および前記シャッタボタンは、前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、撮像手段および第1表示手段は、携帯電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されるとともに、撮像手段の光軸方向に沿う光の入射方向と第1表示手段の表示面による画像の表示方向とは逆向きになるように配置される。電子機器を携帯するユーザが電子機器を閉じた状態で撮像手段を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像手段の光軸上に位置するようにした場合、第1表示手段の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、ユーザは自分自身を撮像手段の光軸上に置きつつ、携帯型電子機器に取り込まれる自分自身の画像を確認することができる。またシャッタボタンも、携帯電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されるので、携帯型電子機器を閉じたままでも、ユーザはシャッタボタンを操作することができる。これらによって、ユーザは、携帯型電子機器を閉じたままでも容易に被写体の画像を確認して撮影することができ、利便性が向上する。
【0018】また本発明は、相手先からの通信要求を着信した後に相手先を識別する識別情報が送信されてくる通信プロトコルに従って無線通信を行う通信手段をさらに備え、前記制御手段は、前記識別情報と前記画像データとを前記記憶手段に関連付けて予め記憶しておき、着信後に、受信された識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とを照合し、一致したときには、前記識別情報と関連付けて記憶されている画像データを、外側に配置されている第1表示手段に表示させることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、携帯型電子機器は、相手先からの通信要求を着信した後に送信される情報で、かつ相手先を識別できる識別情報と、画像データとを関連付けて予め記憶手段に記憶している。通信要求の着信後に、受信された識別情報と、記憶手段に記憶されている識別情報とを照合して一致したときには、識別情報と関連付けて記憶されている画像データが、携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に配置されている第1表示手段に表示される。したがって、携帯型電子機器が折りたたまれて閉じている場合でも、通信要求の着信後に、第1表示手段に相手先を示す画像データが表示される。第1表示手段に表示される画像データは、従来の携帯電話機において表示される文字データに比べて情報量が多いので、発信してきた相手の認識がし易くなる。たとえば、画像データとして顔写真を表示することによって、発信してきた相手を即座に認識することができる。
【0020】また本発明は、前記通信要求が通話を要求している場合、前記識別情報は、電話番号であることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、相手先の電話番号と画像データとが関連付けて予め記憶手段に記憶されている。通話要求の着信後に、受信された電話番号と、記憶手段に記憶されている電話番号とを照合して一致したときには、電話番号と関連付けて記憶されている画像データが、携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に配置されている第1表示手段に表示される。したがって、ユーザは電話をかけてきた相手を即座に認識することができる。
【0022】また本発明は、前記通信要求が電子メールの受信を要求している場合、前記識別情報は、電話番号あるいは電子メールのメールアドレスの少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、相手先の電話番号あるいはメールアドレスの少なくともいずれか一方と、画像データとが関連付けて予め記憶手段に記憶されている。電子メールの受信要求の着信後に、受信された電話番号あるいはメールアドレスと、記憶手段に記憶されている電話番号あるいはメールアドレスとを照合して一致したときには、電話番号あるいはメールアドレスと関連付けて記憶されている画像データが、携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に配置されている第1表示手段に表示される。したがって、ユーザは電子メールを送信してきた相手を即座に認識することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態である携帯電話機100の構成を示すブロック図である。携帯電話機100は、無線電波を介して基地局と無線通信を行い、音声データだけでなく、文字データおよび画像データなどを送受信する。携帯電話機100は、制御部1、撮像部2、増幅部3、A/D(アナログ/デジタル)変換部4、信号処理部5、第1メモリ6、第1表示ドライバ部7、第2表示ドライバ部8、第1表示部9、第2表示部10、発光部11,12、キー操作部13、シャッタボタン14、第2メモリ15、アンテナ16、無線部17および通信制御部18を備えて構成される。
【0025】制御部1は、携帯電話機100を構成する各部位の動作を制御する制御手段である。撮像部2は、撮像レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子と、カラーフィルタとを備える。撮像部2は、被写体で反射されて撮像レンズに入射した光をRGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)の3色のカラーフィルタを通してRGBの3色光にし、RGBの3色光をそれぞれ前記撮像素子によって電気信号に変換する。
【0026】増幅部3は、撮像部2から送られてくるRGBに対応した電気信号を増幅し、A/D変換部4に送る。A/D変換部4は、増幅部3で増幅されたRGBに対応した電気信号をデジタル信号に変換して画像データを出力し、信号処理部5に送る。信号処理部5は、A/D変換部4から送られてくる画像データに対して、画素の補間処理などの信号処理を行う。また信号処理部5は、制御部1から送られてくる制御信号に基づいて、信号処理を施した画像データを第1メモリ6に送る。第1メモリ6は、信号処理部5から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶しており、時間的に古い画像データは消去、あるいは時間的に新しい画像データが上書きされる。上記の撮像部2、増幅部3、A/D変換部4および信号処理部5は、入射光を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像手段である。
【0027】制御部1は、第1および第2表示ドライバ部7,8に制御信号を送信するとともに、第1メモリ6に記憶された画像データを、第1および第2表示ドライバ部7,8に送る。第1および第2表示ドライバ部7,8は、第1および第2表示部9,10に表示する画像データに従って、第1および第2表示部9,10の各画素電極に対して駆動電圧を印加する。第1および第2表示部9,10は、液晶ディスプレイおよびEL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルで構成される。また、第1および第2表示部9,10は、第1および第2表示ドライバ部7,8から送られてくる画像データを表示する表示手段である。発光部11,12は、発光素子である発光ダイオードなどから構成され、第1および第2表示部9,10の表示面と反対側の面から光を当てて、明るさを補うためのバックライトとして機能する。発光部11,12のオン状態、オフ状態の制御および輝度調整などの制御は、制御部1によって行われる。また、発光部11,12は、各々独立して制御することが可能であり、これによって、消費電流を軽減することが可能である。
【0028】また、キー操作部13は、数字および文字を入力するためのキーなどから構成される。シャッタボタン14は、第1メモリ6に連続的に送られ、一時的に記憶されている画像データの中からユーザが希望する画像データを第2メモリ15に移すときに、ユーザによって操作され、指示信号を制御部1に出力する。制御部1は、シャッタボタン14からの指示信号に応答して、第1メモリ6に記憶されている画像データを第2メモリ15に記憶させる。第2メモリ15は、第1メモリ6に記憶されている画像データ、およびアンテナ16を介して受信した各種受信データを記憶する記憶手段である。
【0029】アンテナ16は、無線電波を介して基地局と無線通信を行うときに、音声データ、文字データおよび画像データなどを送受信する。無線部17は、受信時は、基地局からアンテナ16を介して受信したデータを復調し、送信時は、通信制御部18から送られてくる文字データおよび画像データなどを変調して増幅し、アンテナ16を介して基地局に送信する。通信制御部18は、無線部17が復調した文字データおよび画像データなどの受信データを所定の通信プロトコルに基づいて制御部1に送る。無線部17、通信制御部18を介して入力される相手先からの受信データは、第2のメモリ15に記憶される。上述したアンテナ16、無線部17および通信制御部18は、通信プロトコルにしたがって無線通信を行う通信手段である。
【0030】図2は、携帯電話機100の外観を示す斜視図である。図2(a)は、第2表示部10が配置されている側の携帯電話機100の外観を示す斜視図であり、図2(b)は、第1表示部9が配置されている側の携帯電話機100の外観を示す斜視図である。
【0031】本実施形態において、第1および第2表示部9,10として、たとえば液晶ディスプレイを用いた場合、ディスプレイの表示面に表示されている画像は、所定の視野角の範囲内であれば目視することができる。本実施形態では、目視できる範囲の中でも、特に視認性が良い表示面に対して垂直な方向を「表示方向」と呼ぶことにする。
【0032】携帯電話機100において、第2表示部10は、図2(a)に示すように、キー操作部13が配置されている面と同一の面に配置され、第1表示部9は、図2(b)に示すように、キー操作部13が配置されている面とは反対側の面に配置される。すなわち、第1および第2表示部9,10は、互いに反対側に配置されるとともに、それぞれが有する表示面による画像の表示方向が逆向きとなるように配置される。また撮像部2は、図2(b)に示すように、第1表示部9が配置されている面と同一の面に配置される。すなわち、撮像部2の光軸方向に沿う光の入射方向が第1表示部9の表示面による画像の表示方向とは逆向きとなるように配置される。
【0033】携帯電話機100において、撮像部2によって撮像された画像は、第1および第2表示部9,10が有する各表示面にそれぞれ表示される。したがって、携帯電話機100を携帯するユーザが撮像部2を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像部2の光軸上に位置するようにした場合、ユーザが撮影した画像は、第1および第2表示部9,10の各表示面にそれぞれ表示される。撮像部2および第1表示部9は同一の面に配置されているので、自分自身を被写体として撮影した場合、第1表示部9の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、ユーザは自分自身を撮像部2の光軸上に置きつつ、第1メモリ6に取り込まれる自分自身の画像を、第1表示部9で確認することができる。したがって、自分自身を確認するための画像と、撮影して第1メモリ6に取り込まれる画像とにずれは生じない。これによって、撮り直しの回数が減り、ユーザの手間を省くことができる。
【0034】また、携帯電話機100を携帯するユーザが撮像部2を自分自身とは反対側に向けた場合も、ユーザが撮影した被写体の画像は、第1および第2表示部9,10の各表示面にそれぞれ表示される。このとき、第2表示部10は、撮像部2とは反対側の面に配置されており、その表示面による画像の表示方向と撮像部2の光軸方向に沿う光の入射方向とは同じ向きになるように配置されているので、第2表示部10の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、撮像部2を自分自身とは反対側に向けた場合でも、ユーザは撮影した被写体の画像を、第2表示部10で確認することができる。
【0035】以上のように本実施形態によれば、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯電話機100の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0036】また、第1および第2表示部9,10の表示面の近傍には、発光部11,12が配置されており、発光部11,12が光ることによって第1および第2表示部9,10の表示面が明るくなる。したがって、第1および第2表示部9,10の表示面に表示される画像が見やすくなる。これによって、ユーザは、暗い場所でも被写体の画像を第1および第2表示部9,10で確認して撮影することができる。
【0037】図3は、本発明の実施の他の形態である携帯電話機101の外観を示す斜視図である。携帯電話機101の構成および機能は、携帯電話機100とほぼ同様であり、折りたたみ可能に構成されている点のみが異なっている。したがって、折りたたみ部分の構成を説明し、他の構成および機能の説明は省略する。携帯電話機101は、撮像部2、第1および第2表示部9,10およびシャッタボタン14を有する第1筐体30、キー操作部13を有する第2筐体31およびヒンジ32などを備えて構成される。第1および第2筐体30,31は、ヒンジ32を介して連結され、ヒンジ32を軸として角変位自在に動き、折りたたむことができる。
【0038】本実施形態において、第1および第2表示部9,10として、たとえば液晶ディスプレイを用いた場合、ディスプレイの表示面に表示されている画像は、所定の視野角の範囲内であれば目視することができる。本実施形態では、目視できる範囲の中でも、特に視認性が良い表示面に対して垂直な方向を「表示方向」と呼ぶことにする。
【0039】第1表示部9は、図3に示すように、携帯電話機101が折りたたまれたときの第1筐体30の外側に配置される。第2表示部10は、図示していないが、携帯電話機101が折りたたまれたときの第1筐体30の内側、すなわち筐体30に配置される第1表示部9と反対側に配置される。したがって、第1および第2表示部9,10は、それぞれが有する表示面による画像の表示方向が逆向きとなるように配置される。また撮像部2は、筐体30に配置される第1表示部9と同一の面に配置される。すなわち、撮像部2は、その光軸方向に沿う光の入射方向が第1表示部9の表示面による画像の表示方向とは逆向きとなるように配置される。さらに、シャッタボタン14は、筐体30に配置される撮像部2および第1表示部9と同一の面に配置される。なお、シャッタボタン14は、携帯電話機101が折りたたまれたときの外側に配置されていればよい。すなわち、シャッタボタン14は、筐体31あるいは第1表示部9およびキー操作部13が配置される面の側面に配置されてもよい。
【0040】携帯電話機101において、撮像部2によって撮像された画像は、第1および第2表示部9,10が有する各表示面にそれぞれ表示される。したがって、電子機器を携帯するユーザが撮像部2を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像部2の光軸上に位置するようにした場合、ユーザが撮影した画像は、第1および第2表示部9,10の各表示面にそれぞれ表示される。上述したように、撮像部2の光軸方向に沿う光の入射方向と第1表示部9の表示面による画像の表示方向とは逆向きになるように配置されているので、携帯電話機101が折りたたまれたときの外側に配置される第1表示部9の表示面による画像の表示方向は、ユーザ側を向くことになる。すなわち、自分自身を撮像部2の光軸上に置きつつ、ユーザは撮影して第1メモリ6に取り込まれる自分自身の画像を確認することができる。したがって、自分自身を確認するための画像と、撮影して第1メモリ6に取り込まれる画像とにずれは生じない。これによって、折りたたみ式の携帯電話機101であっても、撮り直しの回数が減り、ユーザの手間を省くことができる。
【0041】また、携帯電話機101を開いた状態において、携帯電話機101を携帯するユーザが撮像部2を自分自身とは反対側に向けた場合も、ユーザが撮影した被写体の画像は、第1および第2表示部9,10の各表示面にそれぞれ表示される。このとき、第2表示部10は、撮像部2とは反対側に配置されており、その表示面による画像の表示方向と撮像部2の光軸方向に沿う光の入射方向とは同じ向きになるように配置されているので、第2表示部10の表示面による画像の表示方向はユーザ側を向くことになる。すなわち、撮像部2を自分自身とは反対側に向けた場合でも、ユーザは撮影した被写体の画像を第2表示部10で確認することができる。
【0042】以上のように本実施形態によれば、携帯電話機101を開いた状態で使用すれば、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯電話機101の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0043】また、ユーザが、折りたたまれて閉じた状態の携帯電話機101の撮像部2を自分自身に向け、かつ被写体である自分自身を撮像部2の光軸上に位置するようにした場合、ユーザが撮影した画像は、携帯電話機101の第1表示部9の表示面に表示される。すなわち、自分自身を撮像部2の光軸上に置きつつ、ユーザは第1メモリ6に取り込まれる自分自身の画像を確認することができる。シャッタボタン14は、筐体30に配置される撮像部2および表示部9と同一の面に配置されるので、携帯電話機101を閉じたままでも、ユーザはシャッタボタン14を操作することができる。これによって、ユーザは、携帯電話機101を閉じたままで被写体の画像を容易に確認して撮影することができ、利便性が向上する。
【0044】従来の技術で説明した折りたたみ式の携帯電話機では、相手先からの通話の要求および電子メールの受信要求を着信したときに、相手先の電話番号および名前などの文字が外側の表示面に表示され、ユーザは、表示された文字を見て電話をかけてきた相手あるいは電子メールを送信してきた相手を識別している。これに対し、携帯電話機101では、自分自身を被写体として撮影する場合、図3に示す第1表示部9で被写体の画像を確認することができる上、さらに、相手先からの通話の要求および電子メールの受信要求を着信した場合、図3に示す第1表示部9に相手先を示す画像データを表示して、相手先を認識することができる。
【0045】図4は、携帯電話機101において、第1表示部9に画像データを表示するための関連ファイルの構成を示す図である。図4(a)、図4(b)および図4R>4(c)は、それぞれ画像ファイル21、電話帳ファイル22および着信設定ファイル23の構成を示す図である。
【0046】画像ファイル21には、図4(a)に示すように、撮像部2から出力される電気信号に基づく画像データ、あるいはネットワークを介してダウンロードした電子メールの添付画像データなどが記憶されている。各画像データは、画像番号毎にレコードの単位で記憶され、各レコードは、画像番号および画像の各データフィールド(これらは以下、画像番号フィールドおよび画像フィールドとする)から構成されている。
【0047】電話帳ファイル22は、図4(b)に示すように、相手先を識別する複数の識別情報を記憶している。各識別情報は、画像番号毎にレコードの単位で記憶され、各レコードは、登録番号、電話番号、電子メールのメールアドレス、画像番号、名前およびその他の情報メモの各データフィールド(これらは以下、登録番号フィールド、電話番号フィールド、メールアドレスフィールド、画像番号フィールド、名前フィールド、その他の情報フィールドとする)から構成されている。また、電話帳ファイル22の画像番号フィールドには、通話要求の着信後および電子メールの受信要求の着信後に表示させる画像データを特定する画像番号が記憶されている。なお、電話帳ファイル22の画像番号フィールドに、画像ファイル21の画像番号が記憶されている場合は、画像番号が記憶されているレコードに顔写真が登録されていることを意味し、画像番号が記憶されていない場合は、顔写真が登録されていないことを意味している。
【0048】着信設定ファイル23は、図4(c)に示すように、特定の相手からの通話要求の着信に対して、着信音、音量、着信音の鳴る時間、バイブレータ動作および各種着信表示などを特別に設定する複数の設定データを記憶している。個々の設定データは、レコードの単位で記憶され、各レコードは登録番号、電話番号、電子メールのメールアドレス、画像番号およびその他の着信設定データの各データフィールド(これらは以下、登録番号フィールド、電話番号フィールド、メールアドレスフィールド、画像番号フィールドおよび着信設定フィールドとする)から構成されている。なお、着信設定ファイル23の画像番号フィールドに、画像ファイル21の画像番号が記憶されている場合は、画像番号が記憶されているレコードに、画像ファイル21内の画像データが登録されていることを意味し、画像番号が記憶されていない場合は、所定の文字データおよび固定表示画面などの画像データが登録されていることを意味している。
【0049】次に、相手先からの通信要求が通話を要求している場合、および電子メールの受信を要求している場合に、電話をかけてきた相手あるいは電子メールを送信してきた相手を示す画像データを、第1表示部9に表示する処理について説明する。初めに、相手先からの通信要求が通話を要求している場合に電話をかけてきた相手を示す画像データを、第1表示部9に表示する処理について、図5を用いて説明する。
【0050】図5は、携帯電話機101において、通話要求の着信後の動作を示すフローチャートである。
【0051】ステップS1では、相手先からの通信要求の着信の有無を判断する。ステップS1において、通信要求の着信があると判断した場合には、ステップS2に進む。ステップS2では、着信の種類を判断し、通話要求の着信であれば、ステップS3に進む。また、ステップS2において、通話要求以外の着信であれば、ステップS20に進む。
【0052】ステップS3では、通話要求の着信において、相手先の電話番号が通知されてきたか否かを判断する。ステップS3において、相手先の電話番号が通知された場合には、ステップS4に進む。ステップS4では、受信された相手先の電話番号と、着信設定ファイル23の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とを照合する。また、ステップS3において、相手先の電話番号が通知されなかった場合には、ステップS12に進み、通話要求の着信中であることを示す着信表示を行い、折りたたまれた携帯電話機101を開くまで、着信表示の動作を継続する。続いてステップS5では、受信された相手先の電話番号と、着信設定ファイル23の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とが一致しているか否かを判断する。ステップS5において、受信された相手先の電話番号と、着信設定ファイル23の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とが一致していると判断した場合には、ステップS8に進む。また、ステップS5において、着信設定ファイル23の中に受信された相手先の電話番号と一致する電話番号がないと判断した場合には、ステップS6に進む。
【0053】ステップS6では、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とを照合する。たとえば、電話帳ファイル22の電話番号フィールド「T002」に記憶されている電話番号の相手から電話がかかってきた場合を想定する。この場合、ステップS6において、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とを照合する。続いてステップS7では、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とが一致しているか否かを判断する。ステップS7において、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の電話番号フィールド「T002」に記憶されている電話番号とが一致していると判断した場合には、ステップS8に進む。ステップS8では、受信された相手先の電話番号と照合して一致した電話番号と同じレコードの画像番号フィールド「F002」に記憶されている画像番号「3」を読み出し、画像番号「3」と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とを照合する。
【0054】また、ステップS7において、電話帳ファイル22の中に受信された相手先の電話番号と一致する電話番号がないと判断した場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、相手先の電話番号の表示を行い、折りたたまれた携帯電話機101を開くまで、着信表示の動作を継続する。
【0055】ステップS8に続いてステップS9では、電話帳ファイル22の画像番号フィールド「F002」に記憶されている画像番号「3」と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とが一致しているか否かを判断する。ステップS9において、電話帳ファイル22の画像番号フィールド「F002」に記憶されている画像番号「3」と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とが一致していると判断した場合には、ステップS10に進む。なお、画像番号として予め設定した所定の種別コードが登録されている場合は、種別コードに対応した設定文字データなどの相手に特定した表示を行うことも可能である。
【0056】ステップS10では、電話帳ファイル22の画像番号フィールド「F002」に記憶されている画像番号「3」に対応する画像データを、画像ファイル21の画像フィールドから呼び出し、携帯電話機101の第1表示部9に表示する。また、ステップS9において、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに、電話帳ファイル22の画像番号フィールド「F002」に記憶されている画像番号「3」と一致する画像番号がないと判断した場合には、ステップS14に進む。ステップS14では、受信された相手先の電話番号と一致し、電話帳ファイル22の電話番号フィールド「T002」に記憶されている電話番号と同じレコードの名前フィールド「N002」に記憶されている名前を、第1表示部9に表示する。電話をかけてきた相手の名前を第1表示部9に表示した後は、折りたたまれた携帯電話機101を開くまで、着信表示の動作を継続する。
【0057】続いてステップS11では、折りたたみ式の携帯電話機101の開閉状態を検知するセンサ(図示しない)に基づいて、携帯電話機101の開閉状態を判断する。ステップS11において、携帯電話機101が開かれた状態であるとセンサが判断した場合は、着信表示の動作を終了する。また、ステップS11において、携帯電話機101が閉じられた状態であるとセンサが判断した場合には、折りたたまれた携帯電話機101を開くまで、着信表示の動作を継続する。
【0058】携帯電話機101において、通話要求の着信後には、受信された相手先の電話番号と、第2メモリ15に記憶されている電話番号との照合を行う。照合を行った結果、受信された相手先の電話番号と、第2メモリ15に記憶されている電話番号とが一致したときには、電話番号と関連付けて第2メモリ15に記憶されている画像データを、第1表示部9に表示する。したがって、携帯電話機101が折りたたまれて閉じている状態であっても、通話要求の着信後に、第1表示部9に画像データが表示される。第1表示部9に表示される画像データは、従来の携帯電話機において表示される文字データに比べて情報量が多いので、電話をかけてきた相手の認識がし易くなる。たとえば、画像データとして顔写真を表示することによって、ユーザは電話をかけてきた相手を即座に認識することができる。
【0059】次に、相手先からの通信要求が電子メールの受信を要求している場合に、電子メールを送信してきた相手を示す画像データを、第1表示部9に表示する処理について、図6を用いて説明する。
【0060】図6は、携帯電話機101において、電子メールの受信要求の着信後の動作を示すフローャートである。
【0061】ステップS20では、相手先からの通信要求の着信の種類を判断し、電子メールの受信要求の着信であれば、ステップS21に進む。またステップS20において、電子メールの受信要求の着信以外のその他の着信であれば、ステップS28に進む。ステップS28では、着信の種別に応じた着信表示を行った後、着信表示の動作を終了する。
【0062】次に、ステップS21では、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とを照合する。続いてステップS22では、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の各レコードの電話番号フィールドに記憶されている電話番号とが一致しているか否かを判断する。ステップS22において、受信された相手先の電話番号と、電話帳ファイル22の電話番号フィールドに記憶されている電話番号とが一致していると判断した場合には、ステップS25に進む。また、ステップS22において、電話帳ファイル22の中に、受信された相手先の電話番号と一致する電話番号がないと判断した場合には、ステップS23に進む。
【0063】ステップS23では、受信された相手先のメールアドレスと、電話帳ファイル22の各レコードのメールアドレスフィールドに記憶されているメールアドレスとを照合する。続いてステップS24では、受信された相手先のメールアドレスと、電話帳ファイル22の各レコードのメールアドレスフィールドに記憶されているメールアドレスとが一致しているか否かを判断する。ステップS24において、受信された相手先のメールアドレスと、電話帳ファイル22のメールアドレスフィールドに記憶されているメールアドレスとが一致していると判断した場合には、ステップS25に進む。
【0064】ステップS25では、受信された相手先の電話番号と照合して一致した電話番号と同じレコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号を読み出すか、あるいは受信された相手先のメールアドレスと照合して一致したメールアドレスと同じレコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号を読み出して、前記画像番号と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とを照合する。また、ステップS24において、電話帳ファイル22の中に受信された相手先のメールアドレスと一致するメールアドレスがないと判断した場合には、ステップS29に進む。ステップS29では、電子メールの受信要求の着信表示を行った後、着信表示の動作を終了する。
【0065】ステップS25に続いてステップS26では、電話帳ファイル22の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とが一致しているか否かを判断する。ステップS26において、電話帳ファイル22の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号と、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドに記憶されている画像番号とが一致していると判断した場合には、ステップS27に進む。なお、画像番号として予め設定した所定の種別コードが登録されている場合は、種別コードに対応した設定文字データなどの相手に特定した表示、および電子メールの着信画面の表示を行うことが可能である。
【0066】ステップS27では、受信された相手先の電話番号と照合一致し、電話帳ファイル22の電話番号フィールドに記憶されている電話番号と同じレコードに記憶されている画像番号フィールドの画像番号に対応する画像データを、画像ファイル21の画像フィールドから呼び出し、第1表示部9に表示する。あるいは、ステップS27では、受信された相手先のメールアドレスと照合一致し、電話帳ファイル22のメールアドレスフィールドに記憶されているメールアドレスと同じレコードに記憶されている画像番号フィールドの画像番号に対応する画像データを、画像ファイル21の画像フィールドから呼び出し、第1表示部9に表示する。電子メールを送信してきた相手を示す画像データを第1表示部9に表示した後は、着信表示の動作を終了する。
【0067】また、ステップS26において、電話帳ファイル22の画像番号フィールドに記憶されている画像番号と一致する画像番号が、画像ファイル21の各レコードの画像番号フィールドにないと判断した場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、受信された相手先の電話番号と一致し、かつ電話帳ファイル22の電話番号フィールドに記憶されている電話番号と同じレコードの名前フィールドに記憶されている名前を、第1表示部9に表示する。電子メールを送信してきた相手の名前を第1表示部9に表示した後は、着信表示の動作を終了する。
【0068】携帯電話機101において、電子メールの受信要求の着信後には、受信された相手先の電話番号あるいはメールアドレスと、第2メモリ15に記憶されている電話番号あるいはメールアドレスとの照合を行う。照合を行った結果、受信された相手先の電話番号あるいはメールアドレスと、第2メモリ15に記憶されている電話番号あるいはメールアドレスとが一致したときには、電話番号あるいはメールアドレスと関連付けて第2メモリ15に記憶されている画像データを、第1表示部9に表示する。したがって、携帯電話機101が折りたたまれて閉じている状態であっても、電子メールの受信要求の着信後に、第1表示部9に画像データが表示される。第1表示部9に表示される画像データは、従来の携帯電話機において表示される文字データに比べて情報量が多いので、電子メールを送信してきた相手の認識がし易くなる。たとえば、画像データとして顔写真を表示することによって、ユーザは電子メールを送信してきた相手を即座に認識することができる。
【0069】本発明は、携帯電話機に限らず、被写体を撮影するための撮像手段、撮影した画像を表示するための複数の表示手段、および通信プロトコルにしたがって無線通信を行うための通信手段を備える携帯型電子機器であれば、実施可能である。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮り直しの回数が減り、ユーザの手間を省くことができる。また、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯型電子機器の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0071】また本発明によれば、暗い場所でも、被写体の画像を第1および第2表示手段で確認して撮影することができる。
【0072】また本発明によれば、折りたたみ式の携帯型電子機器であっても、撮り直しの回数が減り、ユーザの手間を省くことができる。また、携帯型電子機器を開いた状態で使用すれば、自分自身を被写体とする場合、および自分自身以外を被写体とする場合のどちらの場合でも、携帯型電子機器の向きを変えるだけで、ユーザは被写体の画像を容易に確認して撮影することができる。
【0073】また本発明によれば、ユーザは、携帯型電子機器を閉じたままで被写体の画像を容易に確認して撮影することができ、利便性が向上する。
【0074】また本発明によれば、第1表示手段に表示される画像データは、従来の携帯型電子機器において表示される文字データに比べて情報量が多いので、発信してきた相手を認識し易くなる。たとえば、画像データとして顔写真を表示することによって、ユーザは発信してきた相手を即座に認識することができる。
【0075】また本発明によれば、ユーザは電話をかけてきた相手を即座に認識することができる。
【0076】また本発明によれば、ユーザは電子メールを送信してきた相手を即座に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である携帯電話機100の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機100の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の他の形態である携帯電話機101の外観を示す斜視図である。
【図4】携帯電話機101において、第1表示部9に画像データを表示するための関連ファイルの構成を示す図である。
【図5】携帯電話機101において、通話要求の着信後の動作を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話機101において、電子メールの受信要求の着信後の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御部
2 撮像部
3 増幅部
4 A/D(アナログ/デジタル)変換部
5 信号処理部
6 第1メモリ
7 第1表示ドライバ部
8 第2表示ドライバ部
9 第1表示部
10 第2表示部
11,12 発光部
13 キー操作部
14 シャッタボタン
15 第2メモリ
16 アンテナ
17 無線部
18 通信制御部
100,101 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入射光を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像手段と、画像を予め定める表示方向に表示する表示面をそれぞれ有する第1および第2表示手段と、前記撮像手段から出力される画像データに基づいて、前記第1および第2表示手段の各表示面に画像を表示させる制御手段とを備え、前記第1および第2表示手段は、互いに反対側になるように配置されるとともに、それぞれが有する表示面による画像の表示方向が逆向きとなるように配置され、前記撮像手段は、その光軸方向に沿う光の入射方向が前記第1表示手段の表示面による画像の表示方向とは逆向きとなるように配置されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】 前記携帯型電子機器は、折りたたみ可能に構成され、前記第1および第2表示手段のうち、一方の表示手段は前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの内側に位置するように配置され、他方の表示手段は前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されることを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器。
【請求項3】 前記画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データの記憶を指示するシャッタボタンとをさらに備え、前記制御手段は、前記シャッタボタンからの指示に応答して画像データを前記記憶手段に記憶させ、前記第1表示手段、前記撮像手段および前記シャッタボタンは、前記携帯型電子機器が折りたたまれたときの外側に位置するように配置されることを特徴とする請求項2記載の携帯型電子機器。
【請求項4】 相手先からの通信要求を着信した後に相手先を識別する識別情報が送信されてくる通信プロトコルに従って無線通信を行う通信手段をさらに備え、前記制御手段は、前記識別情報と前記画像データとを前記記憶手段に関連付けて予め記憶しておき、着信後に、受信された識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とを照合し、一致したときには、前記識別情報と関連付けて記憶されている画像データを、外側に配置されている第1表示手段に表示させることを特徴とする請求項3記載の携帯型電子機器。
【請求項5】 前記通信要求が通話を要求している場合、前記識別情報は、電話番号であることを特徴とする請求項4記載の携帯型電子機器。
【請求項6】 前記通信要求が電子メールの受信を要求している場合、前記識別情報は、電話番号あるいは電子メールのメールアドレスの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項4または5記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−224634(P2003−224634A)
【公開日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−23852(P2002−23852)
【出願日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】