携帯情報端末、その制御方法、制御用プログラムおよび記録媒体
【課題】携帯情報端末のユーザが、表示部に設けられたタッチパネル上で、確実に所望の位置で操作をできるようにする。
【解決手段】携帯電話機100において、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、表示部30の表示内容は、全体的に、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新され、さらに、全体的に、上方にシフトされるように更新される。これにより、枠301A内の表示内容は、枠301Bで示すように拡大された後、枠301Cに示すようにシフトされる。
【解決手段】携帯電話機100において、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、表示部30の表示内容は、全体的に、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新され、さらに、全体的に、上方にシフトされるように更新される。これにより、枠301A内の表示内容は、枠301Bで示すように拡大された後、枠301Cに示すようにシフトされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に関し、特に、表示部に設けられたタッチパネルに対して操作を行なう携帯情報端末、その制御方法、制御用プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報端末において、表示部にタッチパネルを設け、表示部に映像を表示させるとともに、操作部に相当するボタン等の画像を表示させ、ユーザに、タッチパネルに対して操作をさせることにより操作情報の入力を受付ける技術が種々活用されている。
【0003】
このような技術の中には、たとえば、非特許文献1に開示されるように、ユーザが対応機器のタッチスクリーンに指を触れると、指に隠された領域の画像を見えるようにずらして表示するものがあった。具体的には、図29を参照して、タッチスクリーン900に、ユーザの指800が触れると、指800に隠された領域の画像が、指800に隠された領域からずらされて、新たに、枠901内に表示されている。
【非特許文献1】“Microsoft,ペン用タッチ・スクリーンを指だけで操作できるUI技術「Shift」を発表”、[online]、平成19年5月17日、日経BP社、[平成20年5月15日検索]、インターネット <http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070517/271307/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図29を参照して説明したように、指で隠された領域が部分的にのみ示されても、ユーザが、かえって指が位置する位置とその近傍の位置との位置関係の把握が困難となる。したがって、図29を参照して説明したような従来技術は、ユーザの指が、当該ユーザの所望する操作位置にあるときには問題はないが、所望の操作位置になく、その周囲にユーザが所望する操作位置があるかどうかを探すような場合には、今ひとつユーザが確実に、所望する操作位置に対してタッチ操作を行なえるようにするものとは言い難かった。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、携帯情報端末のユーザが、表示部に設けられたタッチパネル上で、確実に所望の位置で操作をできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従った携帯情報端末は、表示部と、前記表示部の前面に設けられたタッチパネルと、前記タッチパネルに対する操作態様に応じて前記表示部の表示態様を制御する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示内容を全体的にシフトさせることにより前記表示内容の変換を実現することが好ましい。
【0008】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示内容を、少なくとも人の指の幅と想定される寸法だけシフトさせることが好ましい。
【0009】
また、本発明の携帯情報端末は、前記タッチパネルに対して操作がなされた位置を判断する判断部をさらに備え、前記表示制御部は、前記タッチパネルにおいて、所定の方向の一方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の他方側にシフトさせ、前記所定の方向の他方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の一方側にシフトさせることが好ましい。
【0010】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置に所定の情報を表示させた状態で、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0011】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0012】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示内容をシフトさせた後、前記表示部の表示倍率を上昇させることが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示倍率を上昇させることにより前記表示内容の変換を実現することが好ましい。
【0014】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容の表示倍率を上昇させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示部の表示倍率を上昇させた後、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0016】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻すことが好ましい。
【0017】
また、本発明の携帯情報端末は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が、前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応するか否かを判定する判定部をさらに備え、前記表示制御部は、前記判定部が、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応しないと判定した場合に、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻すことが好ましい。
【0018】
本発明に従った携帯情報端末の制御方法は、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に従った携帯情報端末の制御用プログラムは、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムであって、携帯情報端末に、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明に従った記録媒体は、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムを記録した記録媒体であって、前記制御用プログラムは、携帯情報端末に、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザがタッチパネルに対して特別の操作態様で操作を行なうことにより、携帯情報端末の表示部の、タッチパネル上の操作部位に対応する箇所の表示態様が変化するように、その全体の表示が変換される。
【0022】
これにより、ユーザの操作部位に対応した表示部の表示態様が変化し、かつ、表示部の表示内容が全体的に変化するため、図29を参照して説明したように、ユーザによって操作された箇所の近傍の部分のみが枠901内に示されるように別途表示される場合よりも、ユーザによる操作部位の近傍をもその表示態様を変化させることができる。したがって、ユーザが確実にタッチパネル上の所望の箇所を操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の携帯情報端末は、携帯電話機に限定されない。つまり、本発明の携帯情報端末は、タッチパネルを備える端末であれば、たとえば通信機能等の携帯電話機に特有の機能を備えることは必要とされない。
【0024】
[1.携帯情報端末の構成]
図1は、本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機の正面図である。
【0025】
まず、図1(A)を参照して、携帯電話機100は、液晶ディスプレイ等からなる表示部30が設けられている。表示部30には、ウェブページ等のネットワーク上の文書や、携帯電話機100内に格納されているアドレス帳やメーラー(電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行なうソフトウェア)によるメール作成画面等の種々の情報を表示することができる。
【0026】
携帯電話機100では、表示部30の前面に、タッチパネル40が設けられている。携帯電話機100は、図1(A)に示すように、横長の状態で利用でき、また、図1(B)に示されるように、縦長の状態で使用することもできる。
【0027】
図2は、携帯電話機100のハードウェア構成を模式的に示す図である。
図2を参照して、携帯電話機100は、当該携帯電話機100の動作を全体的に制御する制御部50、当該携帯電話機100の動作を全体的に制御する制御部50、データの送受信を行なうためのアンテナ81、アンテナ81によるデータの送受信の際の信号の処理等を行なう通信制御部80、携帯電話機の姿勢を検出する姿勢検出部90、フラッシュメモリ等からなる記憶部60、タッチパネル40、表示部30、表示部30における表示内容を制御する表示制御部51、主に通話機能に利用されるレシーバ56およびマイク58、アラーム音等を出力するスピーカ57、レシーバ56やスピーカ57から出力させる音声を制御する音声出力制御部53,54、マイク58に入力された音声を処理する音声入力制御部55、ならびに、カメラ91を含む。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、制御部50には、タイマ50Aが内蔵されている。表示部50は、表示制御部51を介して表示部30の表示内容を制御する。
【0028】
姿勢検出部90は、携帯電話機100の向きや移動方向や当該携帯電話機100に対して与えられた加速度を検出するためのものであり、たとえば、複数のジャイロスコープや加速度センサや地磁気センサを含む。携帯電話機100の向きとは、たとえば、図1(A)に示されるような横長状態でユーザに把持されているか、図1(B)に示されるような縦長状態でユーザに把持されているか等を意味する。姿勢検出部90を用いて携帯電話機100の本体の向きや移動方向や移動速度を検出する技術については、周知の技術を採用することができるため、ここでは説明を繰返さない。
【0029】
記憶部60には、制御部50のCPUが実行するプログラムを記憶するプログラム記憶部61と、アドレス帳等の携帯電話機100に対する設定内容を記憶する設定内容記憶部62と、後述する種々のテーブルやプログラム記憶部61に記憶されるプログラムが実行されるために必要な種々のデータを記憶するデータ記憶部63が含まれる。
【0030】
なお、制御部50のCPUが実行するプログラムは、予め記憶部60に記憶されていても良いし、ネットワークを通じてダウンロードされることにより後発的にインストールされることもできる。また、制御部50のCPUが実行するプログラムは、携帯電話機100に内蔵されている記憶装置(記憶部50)に記憶される代わりに、携帯電話機100に対して着脱可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0031】
[2.携帯情報端末において実行される処理の内容(ズーム)]
次に、携帯電話機100において実行される処理の内容について説明する。
【0032】
携帯電話機100では、タッチパネル40が特定の時間(後述する「閾値Tmax」)以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより、そのタッチ操作された箇所を中心として、表示倍率を上昇(ズーム)させるように、表示部30の表示内容が変換される。以下、このような表示の変換を含む、制御部50の表示制御に関する処理(表示制御処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図3および図4を参照して説明する。
【0033】
まず、図3を参照して、携帯電話機100においてアプリケーションが立上げられる等して、ステップS101において表示部30に或る画面が表示されると、制御部50は、ステップS102で、タッチパネル40上でタッチダウンがあったか否かを判断する。タッチダウンとは、タッチパネル40に対するタッチ操作が開始される状態、つまり、タッチパネル40に対するタッチ操作がなかった状態からタッチ操作が開始された状態に切り替わることをいう。そして、制御部50は、タッチダウンがあったと判断すると、ステップS103へ処理を進める。
【0034】
ステップS103では、制御部50は、ステップS102においてタッチダウンを検出した時刻(タッチ開始時刻T0)と、タッチパネル40上でタッチ操作が開始された位置を特定する情報(タッチ開始位置P0)を取得し、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS104へ処理を進める。
【0035】
ステップS104では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。タッチアップとは、タッチパネル40上のユーザの指がタッチパネル40から離れる状態をいう。そして、制御部50は、タッチアップがあったと判断するとステップS121へ処理を進め、ないと判断するとステップS105へ処理を進める。
【0036】
ステップS105では、制御部50は、現在時刻Tnと現在のタッチ位置Pnを、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS106へ処理を進める。
【0037】
ステップS106では、制御部50は、ステップS103で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS105で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断する。そして、超えていると判断するとステップS107へ処理を進め、まだ閾値Tmaxを超えていないと判断するとステップS118へ処理を進める。
【0038】
ステップS118では、制御部50は、タッチパネル40に対するタッチ操作が継続されている間の操作位置の移動距離(P0−Pn間の距離)が閾値Pmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップS119へ処理を進め、超えていないと判断するとステップS104へ処理を戻す。
【0039】
ステップS119では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断すると処理を終了させる。一方、まだタッチアップがないと判断するとステップS120へ処理を進める。
【0040】
ステップS120では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作がなされていると判断し、当該ドラッグ操作に対応させて表示部30における表示をスクロールさせて、ステップS119へ処理を戻す。ここで、ドラッグ操作に対応とは、たとえば、表示のスクロールの方向を、ドラッグ操作における操作位置の移動方向とすることを意味する。
【0041】
ステップS121では、制御部50は、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0042】
ステップS122では、制御部50は、ステップS121でタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0043】
図4を参照して、ステップS107では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS114へ処理を進め、まだタッチアップがないと判断するとステップS108へ処理を進める。
【0044】
ステップS108では、制御部50は、一定時間待機して、ステップS109へ処理を進める。
【0045】
ステップS109では、制御部50は、現在の表示部30における表示のズーム倍率Znがズーム率に関する閾値Zmaxにまだ達していないかどうかを判断し、まだ達していないと判断するとステップS110へ処理を進め、既に閾値Zmaxに達していると判断するとステップS113へ処理を進める。
【0046】
ここで、ズーム倍率とは、アプリケーションに基づき表示部30に表示させるために作成した画像に対する表示の拡大または縮小の倍率である。制御部50は、後述するステップS110およびステップS117において、表示部30における表示内容を、当該表示部30の全体の表示の倍率が変更されるように、更新される。制御部50は、現時点で表示部30に表示させている画像の倍率を、データ記憶部63等に適宜しておく。
【0047】
ステップS110では、制御部50は、表示部30における表示のズーム倍率をA倍(A>1)となるように表示部30の表示内容を更新して、ステップS111へ処理を進める。
【0048】
ステップS111では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS112で、ポインタ31(図6参照)を表示させている場合に、当該ポインタ31の表示位置をドラッグ操作によるタッチ位置の移動に対応させて移動させ、ステップS111へ処理を戻す。ドラッグ操作があったか否かは、たとえばタッチパネル40上の操作位置の移動距離が上記した閾値Pmaxを越えたか否かによって判断される。
【0049】
一方、ステップS111でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS107へ処理を戻す。
【0050】
ステップS109で現在のズーム倍率Znが閾値Zmaxに達していると判断すると、ステップS113へ処理が進められる。ステップS113では、制御部50は、タッチパネル40上でタッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS114へ処理を進める。
【0051】
ステップS114では、制御部50は、ステップS113でタッチアップがあったと判断した位置が、表示部30において選択項目が表示されている位置に対応する位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0052】
ステップS122(図3参照)では、上述したように、選択された項目に基づいた処理が実行され、また、当該処理が実行されたことに基づいて表示部30の表示内容が更新されて、処理が終了される。
【0053】
図4に戻って、ステップS115では、制御部50は、所定時間待機して、ステップS116へ処理を進める。なお、ステップS115における「所定時間」は、ステップS108における「一定時間」と同じ長さであっても良いし、異なる長さであっても良い。
【0054】
ステップS116では、制御部50は、現在の表示部30における表示のズーム率Znが閾値Zminより大きい状態であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS117へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0055】
ステップS117では、表示部30におけるズーム倍率をB倍(0<B<1)するように表示部30の表示内容を更新して、ステップS115へ処理を戻す。
【0056】
以上、図3および図4を参照して説明した処理によれば、閾値Tmaxよりも長い時間タッチパネル40に対して継続して(タッチパネル40上の操作位置の移動距離が閾値Pmaxとなるような範囲内で)タッチ操作がなされると(S106でYES)、タッチアップがなされるまで、また、表示部30の表示のズーム率Znが閾値Zmaxに達するまで、表示部30におけるズーム率がA倍ずつズームアップされるように、一定時間(ステップS108)ごとに更新される(S107〜S112)。このような、表示部30の表示のズームアップについて、図5を参照してより詳細に説明する。
【0057】
図5では、図5(A)〜図5(D)として、表示部30における表示のズーム率が順に上昇している状態が示されている。具体的には、図5(A)において枠30Aで示された表示内容が、図5(B)ではズーム率が上げられて枠30Bに対応するものとなり、さらに、図5(C)では枠30Cに対応するものとなり、さらに、図5(D)ではズーム率が上げられて、枠30D内の表示内容に対応している。
【0058】
このような、表示部30における表示内容の、ズーム率を上げるような変換は、たとえば、制御部50が、アプリケーションの実行に応じて表示部30に表示させるためにVRAM(Video Random Access Memory)に格納させた画像を、ズーム率が上昇して表示されるように変換することによって実現される。携帯電話機100では、VRAMは、たとえば表示制御部51に含まれる。
【0059】
また、表示部30における表示をズームアップする際には、タッチパネル40に対するユーザがタッチ操作しているポイントを中心として、行なわれるのが好ましい。図5(A)〜図5(D)では、タッチパネル40に対して操作を行なうユーザの指が一点鎖線で模式的に示されている。そして、実際にタッチパネル40に触れている当該指のほぼ先端部を中心として、図5(A)〜図5(D)では、表示部30における表示内容のズームアップが行なわれている。
【0060】
また、ステップS107〜S112に示されるようなズームアップは、ステップS102においてタッチダウンがあったと判断されてから、ステップS104およびステップS107においてタッチアップがあると判断されるまで継続され、タッチアップがあったと判断されると終了する。つまり、タッチアップが継続される時間の長さによっては、図5(A)に示された状態から図5(D)に示された状態までズームアップがなされる場合があれば、図5(A)に示された状態から図5(B)に示された状態まででズームアップが終了する場合もある。
【0061】
なお、以上説明した表示制御処理では、表示部30内の表示内容は、一定時間ごとに、図5(A)から図5(B)に、図5(B)から図5(C)に、そして、図5(C)から図5(D)に、それぞれ示されるように、順にズームアップされるように更新されるが、この場合の一定時間は、たとえば、図5(A)、図5(B)、図5(C)、図5(D)の順に行なわれる表示内容のズームアップが人間が見たときに連続的に行なわれるように見える時間とされる。
【0062】
一方、ステップS115〜S117では、上記のようにズームアップされた表示部30の表示内容が、その表示倍率が閾値Zminになるまで、ズームダウンされて表示倍率が戻される。なお、以上説明した表示制御処理では、選択項目位置以外でタッチアップされたことをきっかけとして(ステップS113でYES、かつ、ステップS114でNO)、ズームダウンが開始されたが、他の特別な種類のタッチ操作(たとえば、ダブルクリック)をきっかけとして開始されても良い。また、閾値Zminを1とすれば、ステップS115〜S117を元の(ステップS110でズーム倍率を最初に上げる前の)表示倍率まで戻すことができる。選択項目位置とは、たとえばアンカーテキストやボタン等が配置されているような、選択する操作がなされることにより携帯電話機100が当該操作に応じてなんらかの処理を実行する位置である。
【0063】
また、ステップS107〜S112の処理によって表示部30における表示倍率(ズーム率)が閾値Zmaxまでズームアップされれば、その後すぐに(特にタッチ操作等がなされなくとも)、ステップS115〜S117における元の表示倍率に向けて表示倍率を戻す処理(ズームダウンする処理)が開始されても良い。
【0064】
また、このようなズームダウンする処理は省略されても良い。つまり、一度ズームアップされた場合には、ズームアップ後の表示倍率で表示部30における表示が継続されても良い。
【0065】
以上説明した表示制御処理では、ステップS118において、タッチパネル40上のユーザの操作位置の移動距離が閾値Pmaxを越えた場合、ドラッグ操作と判断して、タッチアップがあるまで(ステップS119でNO判断時)、ステップS120において、ドラッグ操作に基づいたスクロール移動が行なわれる。
【0066】
また、以上説明した表示制御処理では、ステップS122において、タッチアップ位置に選択項目があったと判断した場合、当該選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新する。具体的には、たとえば、図6(A)に示されるように、「端末の納入を開始」というニュースの項目にジャンプするアンカーテキスト上でタッチアップが行なわれた場合には、制御部50は、図6(B)に示されるように、当該アンカーテキストにリンクされているURL(Uniform Resource Locator)に対応するファイルを取得し、当該ファイルを表示部30に表示する。
【0067】
なお、図6(A)には、表示部30内にポインタ31が表示されている。制御部50は、図6(A)に示されるように、表示部30の中の、ユーザによるタッチ操作の対象となっている位置(または、タッチ操作の対象となっている位置に含まれるアンカーテキストの中の特定の位置)に、ポインタ31を表示することが好ましい。ポインタ31により、タッチパネルにおいて特定の操作態様による操作が開始された位置に表示される所定の情報が構成される。
【0068】
[3.表示制御処理の第1の変形例(シフト処理)]
上記した表示制御処理の第1の変形例について説明する。
【0069】
この変形例では、タッチパネル40が特定の時間(後述する「閾値Tmax」)以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより、そのタッチ操作された箇所の表示内容が、タッチ操作をしていると考えられる指で隠れることのない、表示部30内で移動して別の場所に表示されるように、表示部30全体の表示内容が変換される。以下、このような表示の変換を含む、制御部50の表示制御に関する処理(表示制御処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図7および図8を参照して説明する。
【0070】
まず、図7を参照して、携帯電話機100においてアプリケーションが立上げられる等して、ステップS201において表示部30に或る画面が表示されると、制御部50は、ステップS202で、タッチパネル40上でタッチダウンがあったか否かを判断する。そして、制御部50は、タッチダウンがあったと判断すると、ステップS203へ処理を進める。
【0071】
ステップS203では、制御部50は、ステップS202においてタッチダウンを検出した時刻(タッチ開始時刻T0)と、タッチパネル40上でタッチ操作が開始された位置を特定する情報(タッチ開始位置P0)を取得し、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS204へ処理を進める。
【0072】
ステップS204では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。そして、制御部50は、タッチアップがあったと判断するとステップS221へ処理を進め、ないと判断するとステップS205へ処理を進める。
【0073】
ステップS205では、制御部50は、現在時刻Tnと現在のタッチ位置Pnを、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS206へ処理を進める。
【0074】
ステップS206では、制御部50は、ステップS203で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS205で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断する。そして、超えていると判断するとステップS207へ処理を進め、まだ閾値Tmaxを超えていないと判断するとステップS218へ処理を進める。
【0075】
ステップS218では、制御部50は、タッチパネル40に対するタッチ操作が継続されている間の操作位置の移動距離(P0−Pn間の距離)が閾値Pmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップS219へ処理を進め、超えていないと判断するとステップS204へ処理を戻す。
【0076】
ステップS219では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断すると処理を終了させる。一方、まだタッチアップがないと判断するとステップS220へ処理を進める。
【0077】
ステップS220では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作がなされていると判断し、当該ドラッグ操作に対応させて表示部30における表示をスクロールさせて、ステップS219へ処理を戻す。ここで、ドラッグ操作に対応とは、たとえば、表示のスクロールの方向を、ドラッグ操作における操作位置の移動方向とすることを意味する。
【0078】
ステップS221では、制御部50は、ステップS204で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS222へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0079】
ステップS222では、制御部50は、ステップS221でタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。ここでの表示内容の更新は、たとえば図6(A)および図6(B)を参照して説明したようなものである。
【0080】
図8を参照して、ステップS207では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS214へ処理を進め、まだタッチアップがないと判断するとステップS208へ処理を進める。
【0081】
ステップS208では、制御部50は、一定時間待機して、ステップS209へ処理を進める。
【0082】
ステップS209では、制御部50は、現在の表示部30における表示のシフト量Snがシフト量に関する閾値Smaxにまだ達していないかどうかを判断し、まだ達していないと判断するとステップS210へ処理を進め、既に閾値Smaxに達していると判断するとステップS213へ処理を進める。
【0083】
ここで、シフト量とは、アプリケーションに基づき表示部30に表示させるために作成した画像に対して後述するステップS210の処理によってシフトさせた距離である。図7および図8を参照して説明する表示制御処理では、ステップS210およびステップS217において、表示部30における表示内容が、当該表示部30の全体の表示がシフトされるように、更新される。制御部50は、表示をシフトさせた量(距離)を、シフトさせた方向とともに、データ記憶部63等に適宜記憶しておく。
【0084】
図9を参照して、全体コンテンツG10から、アプリケーションに基づいて表示部30に表示させるための初期画像として部分画像G11が切り出されて表示部30に表示される場合、後述するステップS210によってシフトされると、切り出されて表示部30に表示される画像は部分画像G12へと変化する場合であれば、切り出し位置が変化した距離Snがシフト量となる。なお、図9では、部分画像G11は一点鎖線で記載され、部分画像G12は破線で記載されている。
【0085】
また、図9に示されるように、切り出し位置が部分画像G11から部分画像G12へと下方に変化した場合、両部分画像に含まれるP点は、部分画像G11が切り出された場合には表示部30の下部に表示されるが、部分画像12が切り出された場合には表示部30の上部に表示される。つまり、表示部30における表示内容が上方へシフトするということは、切り出される部分画像の切り出し位置が下方へシフトすることに対応する。
【0086】
図8へ戻って、ステップS210では、制御部50は、表示部30における表示内容が上方または下方にXの距離だけシフトするように表示部30の表示内容を更新して、ステップS211へ処理を進める。なお、制御部50は、タッチ開始位置P0が、図10において表示部30内に模式的に示される破線40Xより下方であれば表示内容を上方にシフトさせ、破線40Xより上方であれば表示内容を下方にシフトさせる。破線40Xは、たとえば表示部30の上端からW(図13を参照して後述する指の幅程度)の距離の位置とすることができるが、ユーザの設定等に応じて適宜変更されても良い。
【0087】
ステップS211では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS212で、図6を参照して後述するポインタ31を表示させている場合に、当該ポインタ31の表示位置をドラッグ操作によるタッチ位置の移動に対応させて移動させ、ステップS211へ処理を戻す。ドラッグ操作があったか否かは、たとえばタッチパネル40上の操作位置の移動距離が上記した閾値Pmaxを越えたか否かによって判断される。
【0088】
一方、ステップS211でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS207へ処理を戻す。
【0089】
ステップS209で現在のシフト量Snが閾値Smaxに達していると判断すると、ステップS213へ処理が進められる。ステップS213では、制御部50は、タッチパネル40上でタッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS214へ処理を進める。
【0090】
なお、ステップS213では、タッチアップがあるまで待機する状態となるが、この状態において、ステップS211〜ステップS212として説明したように、ドラッグ操作に基づいてポインタ31の表示位置を移動させる処理が実行されても良い。ポインタ31の表示位置の移動については、図21〜図25を参照して後述する。
【0091】
ステップS214では、制御部50は、ステップS213でタッチアップがあったと判断した位置が、表示部30において選択項目が表示されている位置に対応する位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS222へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS215へ処理を進める。
【0092】
ステップS222(図7参照)では、上述したように、選択された項目に基づいた処理が実行され、また、当該処理が実行されたことに基づいて表示部30の表示内容が更新されて、処理が終了される。
【0093】
図8に戻って、ステップS215では、制御部50は、所定時間待機して、ステップS216へ処理を進める。
【0094】
ステップS216では、制御部50は、現在の表示部30における表示のシフト量Snが閾値Sminより大きい状態であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS217へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0095】
ステップS217では、表示部30における表示内容を、ステップS210でシフトした方向とは逆の方向(下方または上方)に距離Yだけシフトするように更新して、ステップS215へ処理を戻す。
【0096】
以上、図7および図8を参照して説明した処理によれば、閾値Tmaxよりも長い時間タッチパネル40に対して継続して(タッチパネル40上の操作位置の移動距離が閾値Pmaxとなるような範囲内で)タッチ操作がなされると(S206でYES)、タッチアップがなされるまで、また、表示部30の表示のシフト量Snが閾値Smaxに達するまで、表示部30における表示内容が上方または下方に全体的にシフトするように、一定時間(ステップS208)ごとに更新される(S207〜S212)。
【0097】
表示内容のシフトについて、図11および図12を参照して、具体的に説明する。なお、図11では表示内容が上方にシフトする状態が示され、図12では表示内容が下方にシフトする状態が示されている。
【0098】
図11を参照して、図11(A)および図11(B)では、タッチパネル40に対してタッチ操作をするユーザの指が一点鎖線で示されている。図11(B)は、図11(A)に対して、表示部30における表示内容が上方にシフトされた状態を示している。図11(A)では、枠30Eとして、ユーザがタッチ操作した部分の近傍の領域が模式的に示されている。図11(B)では、図11(A)において枠30Eに対応する領域に表示されていた内容が、枠30F内に、つまり、図11(A)に対して表示部30内の上方にシフトした位置に、表示されている。
【0099】
図12を参照して、図12(A)および図12(B)では、タッチパネル40に対してタッチ操作をするユーザの指が一点鎖線で示されている。図12(B)は、図12(A)に対して、表示部30における表示内容が下方にシフトされた状態を示している。図12(A)では、枠30Gとして、ユーザがタッチ操作した部分の近傍の領域が模式的に示されている。図12(B)では、図12(A)において枠30Gに対応する領域に表示されていた内容が、枠30H内に、つまり、図12(A)に対して表示部30内の下方にシフトした位置に、表示されている。
【0100】
このような、表示部30における表示内容の、表示をシフトするような変換は、たとえば、制御部50が、表示部30に表示させるために切り出してVRAMに格納させた画像の切り出し位置を、図9を参照して説明したように変更するように変換することによって実現される。
【0101】
また、ステップS207〜S212におけるシフトは、そのシフト量がSmaxとなるまで継続される。シフト量Smaxは、たとえば、少なくとも、図13に示されるような指の幅程度の距離(距離W)とされる。タッチ操作した指自身によって隠された、タッチ操作した場所に表示されている画像を、表示内容をシフトさせることによってユーザに視認可能にするためである。
【0102】
なお、上記の距離Wは、予め設定しておくこともできるし、制御部50が、ユーザのタッチ操作に基づいて決定することもできる。つまり、制御部50は、タッチパネル40上に対してタッチ操作があった場合に、当該タッチ操作をされた領域を特定する情報を抽出し、当該抽出した領域の情報を利用して、たとえば図13に示すようなパターン化によって距離Wを算出し、表示制御に利用することもできる。
【0103】
また、ステップS207〜S212に示されるような表示内容のシフトは、ステップS202においてタッチダウンがあったと判断されてから、ステップS204およびステップS207においてタッチアップがあると判断されるまで継続され、タッチアップがあったと判断されると終了する。つまり、タッチアップが継続される時間の長さによっては、シフト量がSmaxとなる前に、表示内容のシフトが終了する場合もある。
【0104】
なお、以上説明した表示制御処理では、表示部30内の表示内容は、一定時間ごとに、距離Xずつシフトするように更新される。この場合の一定時間は、たとえば、表示内容のシフトが人間が見たときに連続的に行なわれるように見える時間とされる。
【0105】
一方、ステップS215〜S217では、上記のようにズームアップされた表示部30の表示内容が、そのシフト量が閾値Sminになるまで、ステップS210とは逆方向にシフトされて表示位置が戻される。なお、図7および図8を参照して説明した表示制御処理では、選択項目位置以外でタッチアップされたことをきっかけとして(ステップS213でYES、かつ、ステップS214でNO)、逆方向のシフトが開始されたが、他の特別な種類のタッチ操作(たとえば、ダブルクリック)をきっかけとして開始されても良い。また、閾値Sminを0とすれば、ステップS215〜S217を元の(ステップS210で表示内容を最初にシフトする前の)表示位置まで戻すことができる。
【0106】
また、ステップS207〜S212の処理によって表示部30の表示内容が閾値Smaxまでシフトされたら、その後すぐに(特にタッチ操作等がなされなくとも)、ステップS215〜S217における元の表示位置に向けて表示位置を戻す処理(表示位置を戻す処理)が開始されても良い。
【0107】
また、このような表示位置を戻す処理は省略されても良い。つまり、一度表示内容をシフトされた場合には、当該表示位置で表示部30における表示が継続されても良い。
【0108】
また、図7および図8を参照して説明した、表示部30における表示内容をシフトさせるような表示の更新に際し、図6(A)と同様にポインタ31を表示させた場合、図14に示すように、ポインタ31の表示位置もシフトさせることが好ましい。図14(A),図14(B)は、図11(A),図11(B)に対して表示部30内にポインタ31を追加して表示させた状態を示す図である。
【0109】
図14を参照して、表示部30における表示内容が図14(A)に示されるものから図14(B)に示されるものに更新されると、図14(A)において枠30Gに示される位置に、つまり、表示部30の上部に表示されていた情報は、図14(B)では枠30Hに示される位置に、つまり、表示部30の中央部に表示されている。そして、図14(A)においてユーザによるタッチパネル40への操作位置に表示されていたカーソル31が、図14(B)では、当該操作位置を離れて、表示部30における表示内容とともにシフトされた位置に表示されている。
【0110】
さらに、図14(B)に示された表示部30には、実際のタッチパネル40上でタッチ操作をされている位置にカーソル32が表示され、また、カーソル31とカーソル32とを関連付けるように、線33が表示されている。携帯電話機100では、表示内容がシフト表示されることにより、ユーザの操作対象となっている箇所が、ユーザが操作を行なっている指によって隠されることがない。また、ポインタ31とポインタ32が表示され、さらに、これらが線33で関連付けられて表示されているため、ユーザは、実際のタッチ操作位置と操作対象となっているポイントとが異なることを容易に認識することができる。
【0111】
なお、カーソル32は、図7および図8を参照して説明した、表示部30における表示内容のシフトが開始される時点から表示され、そして、表示内容のシフトとともに、徐々にカーソル31から離れるように表示されることが好ましい。これにより、カーソル32が、表示内容のシフトの開始時点におけるタッチパネル40上の操作位置に対応して表示されているものであることを、より直感的にかつ確実に、ユーザに理解させることができる。
【0112】
[4.表示制御処理の第2の変形例(ズーム・シフト処理)]
上記した表示制御処理の第2の変形例について説明する。
【0113】
図3および図4を参照して説明した表示制御処理では、タッチパネル40が特定の時間以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることによりタッチ操作された箇所およびその近傍がズーム倍率Zmaxまでズームアップされるように、表示部30の表示内容が更新された。この変形例では、上記タッチ操作がなされることにより、ズーム倍率Zmaxまでズームアップの後、さらに、表示内容が所定の距離(Smax)シフトされる。
【0114】
図15および図16は、図3および図4を参照して説明した表示制御処理のフローチャートについての、図4に示された部分の変更部分を示している。つまり、本変形例の処理のフローチャートは、図3と図15と図16によって構成される。
【0115】
本変形例では、ステップS106(図3参照)において、制御部50が、ステップS103で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS105で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断すると、処理は、ステップS107(図15参照)へ進められる。
【0116】
図15を参照して、ステップS107へ処理が進められると、図4を参照して説明したのと同様に、ステップS107〜ステップS112において、表示部30における表示をズームアップする処理が実行される。
【0117】
そして、ステップS109で、ズーム率が閾値Zmaxに達したと判断されると(ステップS109においてNO判断時)、ステップS207に処理が進められる。
【0118】
そして、ステップS207〜ステップS212では、制御部50は、図8を用いて説明したステップS207〜ステップS212と同様に、タッチアップがなされるまで、そして、シフト量がSmaxとなるまで、表示部30の表示内容をシフトさせる。
【0119】
なお、シフトをしている間にタッチアップが有ったと判断すると、制御部50は、ステップS121Aへ処理を進める。
【0120】
また、シフト量がSmaxとなると(ステップS209でNO判断時)、ステップS313へ処理が進められる。
【0121】
図16を参照して、ステップS313では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS121Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS314へ処理を進める。
【0122】
ステップS314では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS315で、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS313へ処理を戻す。ステップS314でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS313へ処理を戻す。
【0123】
ステップS121Aでは、制御部50は、図3のステップS121と同様に、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0124】
ステップS122Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0125】
ステップS115〜ステップS117では、制御部50は、表示部30におけるズーム率を元のズーム率に向けて戻した後、ステップS215へ処理を進める。
【0126】
ステップS215〜ステップS217では、制御部50は、制御部30における表示内容を、ステップS207〜ステップS212におけるシフト方向とは反対方向にシフトさせることにより、元の表示位置に戻すように、シフトさせる処理をし、そして、シフト量が閾値Smin以下となったと判断すると(ステップS216でNO判断時)、表示制御処理を終了させる。
【0127】
以上説明した本変形例の表示制御処理によれば、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、表示部30の表示内容がタッチ位置またはその近傍を中心としてズームアップされ(ステップS107〜ステップS112)、その後、最大Smaxだけシフトされる。つまり、図17(A)に示される表示内容が表示部30に表示されているときにタッチパネル40に対してドラッグ操作することなくタッチ操作が継続されると、表示部30の表示内容は、図17(B)に示されるように、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新され、さらに、図17(C)に示されるように、上方(または下方)にシフトされるように更新される。そして、この場合、タッチ位置またはその近傍に対応する位置が、表示部30の、タッチパネル40に対する操作位置についての対応箇所に相当する。
【0128】
これにより、図17(A)の枠301A内の表示内容は、図17(B)の枠301Bで示すように拡大された後、図17(C)枠301Cに示すようにシフトされる。
【0129】
[5.表示制御処理の第3の変形例(シフト・ズーム処理)]
上記した表示制御処理の第3の変形例について説明する。
【0130】
図7および図8を参照して説明した表示制御処理では、タッチパネル40が特定の時間以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより表示部30の表示内容が全体的に最大Smaxの距離だけシフトされるように、表示部30の表示内容が更新された。この変形例では、上記タッチ操作がなされることにより、表示内容のシフトの後、さらに、ズーム倍率Zmaxまでズームアップされる。
【0131】
図18および図19は、図7および図8を参照して説明した表示制御処理のフローチャートについての、図8に示された部分の変更部分を示している。つまり、本変形例の処理のフローチャートは、図7と図15と図16によって構成される。
【0132】
本変形例では、ステップS206(図7参照)において、制御部50が、ステップS203で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS205で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断すると、処理は、ステップS207(図18参照)へ進められる。
【0133】
図18を参照して、ステップS207へ処理が進められると、図8を参照して説明したのと同様に、ステップS207〜ステップS212において、表示部30における表示をシフトさせる処理が実行される。
【0134】
そして、ステップS209で、シフト量が閾値Smaxに達したと判断されると(ステップS209においてNO判断時)、ステップS107に処理が進められる。
【0135】
そして、ステップS107〜ステップS112では、制御部50は、図4を用いて説明したステップS107〜ステップS112と同様に、タッチアップがなされるまで、そして、ズーム率がZmaxとなるまで、表示部30の表示内容をズームアップさせる。
【0136】
なお、ズームアップをしている間にタッチアップが有ったと判断すると(ステップS107でYES判断時)、制御部50は、ステップS121Aへ処理を進める。
【0137】
また、ズーム率がZmaxとなると(ステップS109でNO判断時)、ステップS413へ処理が進められる。
【0138】
図19を参照して、ステップS413では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS221Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS414へ処理を進める。
【0139】
ステップS414では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS415で、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS413へ処理を戻す。ステップS414でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS413へ処理を戻す。
【0140】
ステップS221Aでは、制御部50は、図7のステップS221と同様に、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0141】
ステップS222Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0142】
ステップS115〜ステップS117では、制御部50は、表示部30におけるズーム率を元のズーム率に向けて戻した後、ステップS215へ処理を進める。
【0143】
ステップS215〜ステップS217では、制御部50は、制御部30における表示内容を、ステップS207〜ステップS212におけるシフト方向とは反対方向にシフトさせることにより、元の表示位置に戻すように、シフトさせる処理をし、そして、シフト量が閾値Smin以下となったと判断すると(ステップS216でNO判断時)、表示制御処理を終了させる。
【0144】
以上説明した本変形例の表示制御処理によれば、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、最大Smaxだけシフトされ、その後、表示部30の表示内容がタッチ位置またはその近傍を中心としてズームアップされ(ステップS107〜ステップS112)る。つまり、図20(A)に示される表示内容が表示部30に表示されているときにタッチパネル40に対してドラッグ操作することなくタッチ操作が継続されると、表示部30の表示内容は、図20(B)に示されるように、上方(または下方)にシフトされるように更新され、その後、図20(C)に示されるように、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新される。
【0145】
これにより、図20(A)の枠302A内の表示内容は、図20(B)の枠302Bで示すように上方にシフトされた後、図20(C)枠302Cに示すようにシフトされる。
【0146】
[6.表示制御についての説明]
以下、携帯電話機100における表示部30の表示制御において、特に言及すべきであると考えられる点について説明を行なう。
【0147】
(1)タッチアップに対する待機中の表示制御について
表示制御処理の第1の変形例において説明したように、ステップS213では、タッチアップがあるまで携帯電話機100は待機する状態となり、また、この状態において、ドラッグ操作に基づいてポインタ31の表示位置を移動させる処理(ステップS211〜ステップS212)が実行されても良い。
【0148】
ここで、ステップS213のように、閾値までのシフトが完了してタッチアップを待っている状態における、制御部50による表示部30の表示制御について、図21〜図25を参照して説明する。なお、この例では、表示部30の表示内容が閾値のシフト量になるまでシフトされた後、閾値のズーム率になるまでズームされ、その状態でタッチアップを待つ例を示す。
【0149】
まず、図21を参照して、表示部30には、ユーザのタッチ操作の位置を示すポインタ31が表示されている。この状態でタッチ操作が閾値Tmax以上継続されると、表示部30の表示内容が図22に示されるものに移行する。なお、ポインタ31の表示は、タッチ操作が開始されるとともに開始されても良いし、タッチ操作が閾値Tmax以上継続されたことを条件として開始されても良い。
【0150】
図22を参照して、表示部30では、その表示内容が上方向にシフトし、これに伴って、ポインタ31の上方にポインタ32が表示されている。また、表示部30には、ポインタ31とポインタ32を連結する線33が表示されている。この後、表示部30の表示内容は、図23に示されるものに移行する。なお、ここでは、実際のタッチ操作がなされている位置を示すポインタ31は必ずしも表示されていなくてもいい。つまり、表示部30において、少なくともポインタ32と線33とが表示されれば良い。
【0151】
次に、図23を参照して、表示部30では、その表示内容が図22に示されたものに対して拡大されても、ポインタ32は、図22(および図21)において対応して表示されていた内容(「端末の納入を開始」というメニュー(アンカーテキスト))に対応するように表示されている。なお、本実施の形態では、メニュー上にポインタ32を表示させることにより、対応するような表示が実現されている。ステップS213における待機状態は、図23に示されたようにシフトやズームの表示が完了した状態に相当する。
【0152】
図24に示すように、図23に示された状態からユーザの指が右方向にスライドされ、タッチパネル40上のタッチ操作される位置も右方向にスライドされると、ポインタ31の表示される位置がタッチ操作される位置に従って移動し、そして、ポインタ32の表示位置も同様の移動する。なお、ステップS211およびステップS212の処理により、図24に示したようにタッチ操作の位置に応じてポインタ31およびポインタ32の表示位置が移動される。また、ステップS111,112、ステップS314,315、ステップS414,415によっても、同様の表示制御がなされる。
【0153】
図24では、アンカーテキスト外までドラッグ操作がなされ、ポインタ32が、表示部30における選択項目位置(アンカーテキスト等)が表示されていない領域に表示されている。この状態で、タッチパネル40に対するタッチ操作が解除されると、図25に示されるように、ポインタ31,32および線33の表示が終了する。なお、図25では、参考として、ポインタ32の直前の表示位置が、点線31Aとして示されている。なお、ステップS213における待機中であれば、図25に示されるように選択項目位置以外でタッチアップがなされると、ステップS215へ処理が進められる。
【0154】
(2)スクロールについて
以上説明した本実施の形態では、制御部50は、ステップS209〜ステップS210(図15参照)における表示部30の表示内容のシフトによって、または、ステップS314〜ステップS315(図16参照)における表示部30の表示内容の更新によって、ポインタ32が表示部30内に表示できなくなったと判断した場合には、画面の表示内容を連続的にシフトさせることが好ましい。
【0155】
たとえば、図26(A)に示された状態から、さらに、ユーザが上方向にドラッグ操作を行なった場合を考える。なお、図26(A)に示される状態では、ユーザによる継続したタッチ操作によって、表示部30における表示内容のシフトおよび/またはズームが閾値までなされているものとする。表示部30には、ポインタ31,32および線33が表示されている。
【0156】
この状態から、図26(B)に示されるように、ユーザが上に向けて指をタッチパネル40上で移動させることによりドラッグ操作をした場合、ポインタ32は、図26(B)に示されるように、表示部30の外に表示されることになる。なお、図26(B)において、ポインタ32および線33の点線で示された部分は、実際には表示部30に表示されていないことが示されている。
【0157】
そして、図26(B)に示されるように、ポインタ32が表示部30の上端より外に位置し表示部30内において表示されない場合、制御部50は、表示部30の表示内容を下方向に連続的にスクロールさせることが好ましい。下方向へのスクロールは、ユーザのタッチ操作がそのまま続き、ポインタ32が表示部30の外にある間中、連続して行なわれる。
【0158】
スクロール中にユーザがドラッグ操作を行なうと、それに伴ってポインタ32の表示される位置が変更される。そして、このようなドラッグ操作によって、ポインタ32の表示位置が移動され、その結果として、ポインタ32が表示部30内に表示されるようになる。
【0159】
図26(C)には、図26(B)に示した状態から、ユーザが下方に向けてドラッグ操作を行なうことによって、ポインタ32が表示部30内に表示されている状態が示されている。
【0160】
そして、図26(C)に示されるように、ユーザのドラッグ操作によってポインタ32の全体が表示部30内に表示されるようになると、スクロール表示が停止される。なお、図26(C)では、点線でドラッグ操作前の指の位置が示され、一点鎖線でドラッグ操作後の指の位置が示されている。
【0161】
なお、図26(A)、図26(B)および図26(C)を参照して説明したような表示部30についての一連の表示制御が実現される場合とは、このような表示がなされている期間において、ユーザは、一度もタッチアップをすることなく、連続してタッチパネル40に対してタッチ操作をし続けている場合である。
【0162】
また、スクロールの最中に、ポインタ32の上端がコンテンツの上端(図9の全体コンテンツG10全体における上端)に到達した場合にも、スクロール表示を停止するようにしても良い。
【0163】
また、ここでは、図26(A)に示された状態からさらに上方向にドラッグ操作を行なった場合を説明したが、ユーザが、図26(B)において一点鎖線で示された位置からタッチ操作を開始した場合も、上記したスクロールと同様に、ポインタ32の位置が図26(C)に示される位置となるまで、スクロール表示が行なわれる。つまり、図26(B)で示されるような位置からタッチ操作が開始されると、表示部30の表示内容を上方向にシフトする処理がなされる。そして、このとき、ポインタ32が表示部30外となる。そこで、表示部30の表示内容が、下方に連続的にスクロールされる。
【0164】
このように表示部30の表示内容がスクロールされることは、携帯電話機100のような小型の表示部を持つ機器においてサイズの大きなページ(コンテンツ)を閲覧している際に、特に有効である。このようなスクロール処理がなされなければ、表示部30の画面内で、現在の表示位置とは大きく距離が離れたコンテンツの上方部を表示させるためには表示部30の画面内でスクロールのためのドラッグ操作(ステップS220(図7参照)における、ドラッグ操作にもとづくスクロール)が繰り返し必要とされ、また、そのような操作に代わって画面をスクロールさせるために特別なボタンを設ける必要が生じる場合もある。スクロールボタンを設けた場合、固定位置にあるボタンを選択しなければならない。一方、図26を参照して説明したようにスクロールがなされると、ページ(コンテンツ)内のどの位置でも、指の届く位置でスクロール操作を行なうことができる。また、本実施の形態では、表示部30の画面全体について、シフト表示が行なわれることから、シフト表示を行なう操作と同様の操作でスクロールも行なうことができ、ユーザとしては、操作を複数覚えることなく、直感的な操作が可能となる。
【0165】
図27は、以上図26を参照して説明した処理のフローチャートであり、図3と図15と図16を参照して説明した「4.ズーム・シフト処理」の中の、ステップS313〜S315およびステップS121A,S122Aの処理(図16参照)に入れ替わる処理のフローチャートである。
【0166】
図27を参照して、シフト量がSmaxとなると(ステップS209でNO判断時)、ステップS313へ処理が進められ、ステップS313では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。そして、あったと判断するとステップS121Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS314へ処理を進める。
【0167】
ステップS314では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS315Aで、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS330へ処理を進める。一方、ステップS314でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS330へ処理を進める。
【0168】
ステップS121Aでは、制御部50は、ステップS104(図3参照)で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115(図16参照)へ処理を進める。
【0169】
ステップS122Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0170】
一方、ステップS330では、制御部50は、ポインタ32が表示部30内に表示されているか否かを判断し、表示されていると判断するとステップS332へ処理を進め、ポインタ32が図26(B)に示されるように表示部30内に表示されていないと判断するとステップS331へ処理を進める。ステップS331では、制御部50は、それまで行なっていた表示内容のシフト処理(ステップS209〜ステップS212(図15参照))の際のシフト方向とは逆の方向に、表示部50の表示内容を一定の距離だけスクロール表示させ、ステップS313へ処理を戻す。
【0171】
ステップS332では、制御部50は、ポインタ31が、表示部30において、表示部30の下端から図28に示す破線41Xまでの位置に表示されているか否かを判断する。なお、図28を参照して、破線41Xは、表示部30の下端から予め決められた任意の距離の位置とすることができるが、ユーザの設定等に応じて適宜変更されても良い。
【0172】
図27に戻って、そして、制御部50は、そのような位置にポインタ31が表示されていると判断すると、ステップS333へ処理を進め、そのような位置にポインタ31が表示されていないと判断するとステップS313へ処理を戻す。
【0173】
ステップS333では、制御部50は、表示内容のシフト処理(ステップS209〜ステップS212(図15参照))の際のシフト方向と同じ方向に、表示部50の表示内容を一定の距離だけスクロール表示させ、ステップS313へ処理を戻す。
【0174】
図27を参照して説明した処理により、ポインタ31が、表示部30の下側に表示されている場合には、制御部50は、表示部30の表示内容を上方向にスクロールされる。上方向のスクロールは、ユーザがドラッグ操作を行なったことに基づき、ポインタ31の位置が表示部30上である閾値よりも上部の位置に変更されるまで続けて行なわれる。スクロール中、ポインタ32の位置は、ドラッグ操作があるまで、シフト処理後の位置で止まる。
【0175】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態および変形例に記載した事項は、可能な限り組み合わされて実施されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機の正面図である。
【図2】図1の携帯電話機のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図3】図1の携帯電話機において実行される表示制御処理のフローチャートである。
【図4】図1の携帯電話機において実行される表示制御処理のフローチャートである。
【図5】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図6】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図7】図3および図4に示された表示制御処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図8】図3および図4に示された表示制御処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図9】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図10】表示制御処理の第2の変形例における、携帯電話機の表示部における表示内容の制御方法を説明するための図である。
【図11】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図12】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図13】表示制御処理の第2の変形例における、携帯電話機の表示部における表示内容の制御方法を説明するための図である。
【図14】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図15】図3および図4に示された表示制御処理の第2の変形例のフローチャートであって、図4に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図16】図3および図4に示された表示制御処理の第2の変形例のフローチャートであって、図4に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図17】表示制御処理の第3の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図18】図3および図4に示された表示制御処理の第3の変形例のフローチャートであって、図8に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図19】図3および図4に示された表示制御処理の第3の変形例のフローチャートであって、図8に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図20】表示制御処理の第3の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図21】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図22】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図23】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図24】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図25】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図26】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図27】図16に示された処理内容の一部の変形例を示すフローチャートである。
【図28】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図29】従来の情報端末においてタッチスクリーンにユーザの指が触れたときの表示内容の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0177】
30 表示部、31,32 ポインタ、40 タッチパネル、50 制御部、50A タイマ、51 表示制御部、53,54 音声出力制御部、55 音声入力制御部、56 レシーバ、57 スピーカ、58 マイク、60 記憶部、61 プログラム記憶部、62 設定内容記憶部、63 データ記憶部、80 通信制御部、81 アンテナ、90 姿勢検出部、91 カメラ、100 携帯電話機。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に関し、特に、表示部に設けられたタッチパネルに対して操作を行なう携帯情報端末、その制御方法、制御用プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報端末において、表示部にタッチパネルを設け、表示部に映像を表示させるとともに、操作部に相当するボタン等の画像を表示させ、ユーザに、タッチパネルに対して操作をさせることにより操作情報の入力を受付ける技術が種々活用されている。
【0003】
このような技術の中には、たとえば、非特許文献1に開示されるように、ユーザが対応機器のタッチスクリーンに指を触れると、指に隠された領域の画像を見えるようにずらして表示するものがあった。具体的には、図29を参照して、タッチスクリーン900に、ユーザの指800が触れると、指800に隠された領域の画像が、指800に隠された領域からずらされて、新たに、枠901内に表示されている。
【非特許文献1】“Microsoft,ペン用タッチ・スクリーンを指だけで操作できるUI技術「Shift」を発表”、[online]、平成19年5月17日、日経BP社、[平成20年5月15日検索]、インターネット <http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070517/271307/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図29を参照して説明したように、指で隠された領域が部分的にのみ示されても、ユーザが、かえって指が位置する位置とその近傍の位置との位置関係の把握が困難となる。したがって、図29を参照して説明したような従来技術は、ユーザの指が、当該ユーザの所望する操作位置にあるときには問題はないが、所望の操作位置になく、その周囲にユーザが所望する操作位置があるかどうかを探すような場合には、今ひとつユーザが確実に、所望する操作位置に対してタッチ操作を行なえるようにするものとは言い難かった。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、携帯情報端末のユーザが、表示部に設けられたタッチパネル上で、確実に所望の位置で操作をできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従った携帯情報端末は、表示部と、前記表示部の前面に設けられたタッチパネルと、前記タッチパネルに対する操作態様に応じて前記表示部の表示態様を制御する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示内容を全体的にシフトさせることにより前記表示内容の変換を実現することが好ましい。
【0008】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示内容を、少なくとも人の指の幅と想定される寸法だけシフトさせることが好ましい。
【0009】
また、本発明の携帯情報端末は、前記タッチパネルに対して操作がなされた位置を判断する判断部をさらに備え、前記表示制御部は、前記タッチパネルにおいて、所定の方向の一方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の他方側にシフトさせ、前記所定の方向の他方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の一方側にシフトさせることが好ましい。
【0010】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置に所定の情報を表示させた状態で、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0011】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0012】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示内容をシフトさせた後、前記表示部の表示倍率を上昇させることが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示倍率を上昇させることにより前記表示内容の変換を実現することが好ましい。
【0014】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容の表示倍率を上昇させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記表示部の表示倍率を上昇させた後、前記表示内容をシフトさせることが好ましい。
【0016】
また、本発明の携帯情報端末では、前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻すことが好ましい。
【0017】
また、本発明の携帯情報端末は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が、前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応するか否かを判定する判定部をさらに備え、前記表示制御部は、前記判定部が、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応しないと判定した場合に、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻すことが好ましい。
【0018】
本発明に従った携帯情報端末の制御方法は、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に従った携帯情報端末の制御用プログラムは、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムであって、携帯情報端末に、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明に従った記録媒体は、表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムを記録した記録媒体であって、前記制御用プログラムは、携帯情報端末に、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザがタッチパネルに対して特別の操作態様で操作を行なうことにより、携帯情報端末の表示部の、タッチパネル上の操作部位に対応する箇所の表示態様が変化するように、その全体の表示が変換される。
【0022】
これにより、ユーザの操作部位に対応した表示部の表示態様が変化し、かつ、表示部の表示内容が全体的に変化するため、図29を参照して説明したように、ユーザによって操作された箇所の近傍の部分のみが枠901内に示されるように別途表示される場合よりも、ユーザによる操作部位の近傍をもその表示態様を変化させることができる。したがって、ユーザが確実にタッチパネル上の所望の箇所を操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の携帯情報端末は、携帯電話機に限定されない。つまり、本発明の携帯情報端末は、タッチパネルを備える端末であれば、たとえば通信機能等の携帯電話機に特有の機能を備えることは必要とされない。
【0024】
[1.携帯情報端末の構成]
図1は、本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機の正面図である。
【0025】
まず、図1(A)を参照して、携帯電話機100は、液晶ディスプレイ等からなる表示部30が設けられている。表示部30には、ウェブページ等のネットワーク上の文書や、携帯電話機100内に格納されているアドレス帳やメーラー(電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行なうソフトウェア)によるメール作成画面等の種々の情報を表示することができる。
【0026】
携帯電話機100では、表示部30の前面に、タッチパネル40が設けられている。携帯電話機100は、図1(A)に示すように、横長の状態で利用でき、また、図1(B)に示されるように、縦長の状態で使用することもできる。
【0027】
図2は、携帯電話機100のハードウェア構成を模式的に示す図である。
図2を参照して、携帯電話機100は、当該携帯電話機100の動作を全体的に制御する制御部50、当該携帯電話機100の動作を全体的に制御する制御部50、データの送受信を行なうためのアンテナ81、アンテナ81によるデータの送受信の際の信号の処理等を行なう通信制御部80、携帯電話機の姿勢を検出する姿勢検出部90、フラッシュメモリ等からなる記憶部60、タッチパネル40、表示部30、表示部30における表示内容を制御する表示制御部51、主に通話機能に利用されるレシーバ56およびマイク58、アラーム音等を出力するスピーカ57、レシーバ56やスピーカ57から出力させる音声を制御する音声出力制御部53,54、マイク58に入力された音声を処理する音声入力制御部55、ならびに、カメラ91を含む。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、制御部50には、タイマ50Aが内蔵されている。表示部50は、表示制御部51を介して表示部30の表示内容を制御する。
【0028】
姿勢検出部90は、携帯電話機100の向きや移動方向や当該携帯電話機100に対して与えられた加速度を検出するためのものであり、たとえば、複数のジャイロスコープや加速度センサや地磁気センサを含む。携帯電話機100の向きとは、たとえば、図1(A)に示されるような横長状態でユーザに把持されているか、図1(B)に示されるような縦長状態でユーザに把持されているか等を意味する。姿勢検出部90を用いて携帯電話機100の本体の向きや移動方向や移動速度を検出する技術については、周知の技術を採用することができるため、ここでは説明を繰返さない。
【0029】
記憶部60には、制御部50のCPUが実行するプログラムを記憶するプログラム記憶部61と、アドレス帳等の携帯電話機100に対する設定内容を記憶する設定内容記憶部62と、後述する種々のテーブルやプログラム記憶部61に記憶されるプログラムが実行されるために必要な種々のデータを記憶するデータ記憶部63が含まれる。
【0030】
なお、制御部50のCPUが実行するプログラムは、予め記憶部60に記憶されていても良いし、ネットワークを通じてダウンロードされることにより後発的にインストールされることもできる。また、制御部50のCPUが実行するプログラムは、携帯電話機100に内蔵されている記憶装置(記憶部50)に記憶される代わりに、携帯電話機100に対して着脱可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0031】
[2.携帯情報端末において実行される処理の内容(ズーム)]
次に、携帯電話機100において実行される処理の内容について説明する。
【0032】
携帯電話機100では、タッチパネル40が特定の時間(後述する「閾値Tmax」)以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより、そのタッチ操作された箇所を中心として、表示倍率を上昇(ズーム)させるように、表示部30の表示内容が変換される。以下、このような表示の変換を含む、制御部50の表示制御に関する処理(表示制御処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図3および図4を参照して説明する。
【0033】
まず、図3を参照して、携帯電話機100においてアプリケーションが立上げられる等して、ステップS101において表示部30に或る画面が表示されると、制御部50は、ステップS102で、タッチパネル40上でタッチダウンがあったか否かを判断する。タッチダウンとは、タッチパネル40に対するタッチ操作が開始される状態、つまり、タッチパネル40に対するタッチ操作がなかった状態からタッチ操作が開始された状態に切り替わることをいう。そして、制御部50は、タッチダウンがあったと判断すると、ステップS103へ処理を進める。
【0034】
ステップS103では、制御部50は、ステップS102においてタッチダウンを検出した時刻(タッチ開始時刻T0)と、タッチパネル40上でタッチ操作が開始された位置を特定する情報(タッチ開始位置P0)を取得し、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS104へ処理を進める。
【0035】
ステップS104では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。タッチアップとは、タッチパネル40上のユーザの指がタッチパネル40から離れる状態をいう。そして、制御部50は、タッチアップがあったと判断するとステップS121へ処理を進め、ないと判断するとステップS105へ処理を進める。
【0036】
ステップS105では、制御部50は、現在時刻Tnと現在のタッチ位置Pnを、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS106へ処理を進める。
【0037】
ステップS106では、制御部50は、ステップS103で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS105で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断する。そして、超えていると判断するとステップS107へ処理を進め、まだ閾値Tmaxを超えていないと判断するとステップS118へ処理を進める。
【0038】
ステップS118では、制御部50は、タッチパネル40に対するタッチ操作が継続されている間の操作位置の移動距離(P0−Pn間の距離)が閾値Pmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップS119へ処理を進め、超えていないと判断するとステップS104へ処理を戻す。
【0039】
ステップS119では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断すると処理を終了させる。一方、まだタッチアップがないと判断するとステップS120へ処理を進める。
【0040】
ステップS120では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作がなされていると判断し、当該ドラッグ操作に対応させて表示部30における表示をスクロールさせて、ステップS119へ処理を戻す。ここで、ドラッグ操作に対応とは、たとえば、表示のスクロールの方向を、ドラッグ操作における操作位置の移動方向とすることを意味する。
【0041】
ステップS121では、制御部50は、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0042】
ステップS122では、制御部50は、ステップS121でタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0043】
図4を参照して、ステップS107では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS114へ処理を進め、まだタッチアップがないと判断するとステップS108へ処理を進める。
【0044】
ステップS108では、制御部50は、一定時間待機して、ステップS109へ処理を進める。
【0045】
ステップS109では、制御部50は、現在の表示部30における表示のズーム倍率Znがズーム率に関する閾値Zmaxにまだ達していないかどうかを判断し、まだ達していないと判断するとステップS110へ処理を進め、既に閾値Zmaxに達していると判断するとステップS113へ処理を進める。
【0046】
ここで、ズーム倍率とは、アプリケーションに基づき表示部30に表示させるために作成した画像に対する表示の拡大または縮小の倍率である。制御部50は、後述するステップS110およびステップS117において、表示部30における表示内容を、当該表示部30の全体の表示の倍率が変更されるように、更新される。制御部50は、現時点で表示部30に表示させている画像の倍率を、データ記憶部63等に適宜しておく。
【0047】
ステップS110では、制御部50は、表示部30における表示のズーム倍率をA倍(A>1)となるように表示部30の表示内容を更新して、ステップS111へ処理を進める。
【0048】
ステップS111では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS112で、ポインタ31(図6参照)を表示させている場合に、当該ポインタ31の表示位置をドラッグ操作によるタッチ位置の移動に対応させて移動させ、ステップS111へ処理を戻す。ドラッグ操作があったか否かは、たとえばタッチパネル40上の操作位置の移動距離が上記した閾値Pmaxを越えたか否かによって判断される。
【0049】
一方、ステップS111でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS107へ処理を戻す。
【0050】
ステップS109で現在のズーム倍率Znが閾値Zmaxに達していると判断すると、ステップS113へ処理が進められる。ステップS113では、制御部50は、タッチパネル40上でタッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS114へ処理を進める。
【0051】
ステップS114では、制御部50は、ステップS113でタッチアップがあったと判断した位置が、表示部30において選択項目が表示されている位置に対応する位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0052】
ステップS122(図3参照)では、上述したように、選択された項目に基づいた処理が実行され、また、当該処理が実行されたことに基づいて表示部30の表示内容が更新されて、処理が終了される。
【0053】
図4に戻って、ステップS115では、制御部50は、所定時間待機して、ステップS116へ処理を進める。なお、ステップS115における「所定時間」は、ステップS108における「一定時間」と同じ長さであっても良いし、異なる長さであっても良い。
【0054】
ステップS116では、制御部50は、現在の表示部30における表示のズーム率Znが閾値Zminより大きい状態であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS117へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0055】
ステップS117では、表示部30におけるズーム倍率をB倍(0<B<1)するように表示部30の表示内容を更新して、ステップS115へ処理を戻す。
【0056】
以上、図3および図4を参照して説明した処理によれば、閾値Tmaxよりも長い時間タッチパネル40に対して継続して(タッチパネル40上の操作位置の移動距離が閾値Pmaxとなるような範囲内で)タッチ操作がなされると(S106でYES)、タッチアップがなされるまで、また、表示部30の表示のズーム率Znが閾値Zmaxに達するまで、表示部30におけるズーム率がA倍ずつズームアップされるように、一定時間(ステップS108)ごとに更新される(S107〜S112)。このような、表示部30の表示のズームアップについて、図5を参照してより詳細に説明する。
【0057】
図5では、図5(A)〜図5(D)として、表示部30における表示のズーム率が順に上昇している状態が示されている。具体的には、図5(A)において枠30Aで示された表示内容が、図5(B)ではズーム率が上げられて枠30Bに対応するものとなり、さらに、図5(C)では枠30Cに対応するものとなり、さらに、図5(D)ではズーム率が上げられて、枠30D内の表示内容に対応している。
【0058】
このような、表示部30における表示内容の、ズーム率を上げるような変換は、たとえば、制御部50が、アプリケーションの実行に応じて表示部30に表示させるためにVRAM(Video Random Access Memory)に格納させた画像を、ズーム率が上昇して表示されるように変換することによって実現される。携帯電話機100では、VRAMは、たとえば表示制御部51に含まれる。
【0059】
また、表示部30における表示をズームアップする際には、タッチパネル40に対するユーザがタッチ操作しているポイントを中心として、行なわれるのが好ましい。図5(A)〜図5(D)では、タッチパネル40に対して操作を行なうユーザの指が一点鎖線で模式的に示されている。そして、実際にタッチパネル40に触れている当該指のほぼ先端部を中心として、図5(A)〜図5(D)では、表示部30における表示内容のズームアップが行なわれている。
【0060】
また、ステップS107〜S112に示されるようなズームアップは、ステップS102においてタッチダウンがあったと判断されてから、ステップS104およびステップS107においてタッチアップがあると判断されるまで継続され、タッチアップがあったと判断されると終了する。つまり、タッチアップが継続される時間の長さによっては、図5(A)に示された状態から図5(D)に示された状態までズームアップがなされる場合があれば、図5(A)に示された状態から図5(B)に示された状態まででズームアップが終了する場合もある。
【0061】
なお、以上説明した表示制御処理では、表示部30内の表示内容は、一定時間ごとに、図5(A)から図5(B)に、図5(B)から図5(C)に、そして、図5(C)から図5(D)に、それぞれ示されるように、順にズームアップされるように更新されるが、この場合の一定時間は、たとえば、図5(A)、図5(B)、図5(C)、図5(D)の順に行なわれる表示内容のズームアップが人間が見たときに連続的に行なわれるように見える時間とされる。
【0062】
一方、ステップS115〜S117では、上記のようにズームアップされた表示部30の表示内容が、その表示倍率が閾値Zminになるまで、ズームダウンされて表示倍率が戻される。なお、以上説明した表示制御処理では、選択項目位置以外でタッチアップされたことをきっかけとして(ステップS113でYES、かつ、ステップS114でNO)、ズームダウンが開始されたが、他の特別な種類のタッチ操作(たとえば、ダブルクリック)をきっかけとして開始されても良い。また、閾値Zminを1とすれば、ステップS115〜S117を元の(ステップS110でズーム倍率を最初に上げる前の)表示倍率まで戻すことができる。選択項目位置とは、たとえばアンカーテキストやボタン等が配置されているような、選択する操作がなされることにより携帯電話機100が当該操作に応じてなんらかの処理を実行する位置である。
【0063】
また、ステップS107〜S112の処理によって表示部30における表示倍率(ズーム率)が閾値Zmaxまでズームアップされれば、その後すぐに(特にタッチ操作等がなされなくとも)、ステップS115〜S117における元の表示倍率に向けて表示倍率を戻す処理(ズームダウンする処理)が開始されても良い。
【0064】
また、このようなズームダウンする処理は省略されても良い。つまり、一度ズームアップされた場合には、ズームアップ後の表示倍率で表示部30における表示が継続されても良い。
【0065】
以上説明した表示制御処理では、ステップS118において、タッチパネル40上のユーザの操作位置の移動距離が閾値Pmaxを越えた場合、ドラッグ操作と判断して、タッチアップがあるまで(ステップS119でNO判断時)、ステップS120において、ドラッグ操作に基づいたスクロール移動が行なわれる。
【0066】
また、以上説明した表示制御処理では、ステップS122において、タッチアップ位置に選択項目があったと判断した場合、当該選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新する。具体的には、たとえば、図6(A)に示されるように、「端末の納入を開始」というニュースの項目にジャンプするアンカーテキスト上でタッチアップが行なわれた場合には、制御部50は、図6(B)に示されるように、当該アンカーテキストにリンクされているURL(Uniform Resource Locator)に対応するファイルを取得し、当該ファイルを表示部30に表示する。
【0067】
なお、図6(A)には、表示部30内にポインタ31が表示されている。制御部50は、図6(A)に示されるように、表示部30の中の、ユーザによるタッチ操作の対象となっている位置(または、タッチ操作の対象となっている位置に含まれるアンカーテキストの中の特定の位置)に、ポインタ31を表示することが好ましい。ポインタ31により、タッチパネルにおいて特定の操作態様による操作が開始された位置に表示される所定の情報が構成される。
【0068】
[3.表示制御処理の第1の変形例(シフト処理)]
上記した表示制御処理の第1の変形例について説明する。
【0069】
この変形例では、タッチパネル40が特定の時間(後述する「閾値Tmax」)以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより、そのタッチ操作された箇所の表示内容が、タッチ操作をしていると考えられる指で隠れることのない、表示部30内で移動して別の場所に表示されるように、表示部30全体の表示内容が変換される。以下、このような表示の変換を含む、制御部50の表示制御に関する処理(表示制御処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図7および図8を参照して説明する。
【0070】
まず、図7を参照して、携帯電話機100においてアプリケーションが立上げられる等して、ステップS201において表示部30に或る画面が表示されると、制御部50は、ステップS202で、タッチパネル40上でタッチダウンがあったか否かを判断する。そして、制御部50は、タッチダウンがあったと判断すると、ステップS203へ処理を進める。
【0071】
ステップS203では、制御部50は、ステップS202においてタッチダウンを検出した時刻(タッチ開始時刻T0)と、タッチパネル40上でタッチ操作が開始された位置を特定する情報(タッチ開始位置P0)を取得し、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS204へ処理を進める。
【0072】
ステップS204では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。そして、制御部50は、タッチアップがあったと判断するとステップS221へ処理を進め、ないと判断するとステップS205へ処理を進める。
【0073】
ステップS205では、制御部50は、現在時刻Tnと現在のタッチ位置Pnを、たとえばデータ記憶部63に記憶させて、ステップS206へ処理を進める。
【0074】
ステップS206では、制御部50は、ステップS203で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS205で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断する。そして、超えていると判断するとステップS207へ処理を進め、まだ閾値Tmaxを超えていないと判断するとステップS218へ処理を進める。
【0075】
ステップS218では、制御部50は、タッチパネル40に対するタッチ操作が継続されている間の操作位置の移動距離(P0−Pn間の距離)が閾値Pmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップS219へ処理を進め、超えていないと判断するとステップS204へ処理を戻す。
【0076】
ステップS219では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断すると処理を終了させる。一方、まだタッチアップがないと判断するとステップS220へ処理を進める。
【0077】
ステップS220では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作がなされていると判断し、当該ドラッグ操作に対応させて表示部30における表示をスクロールさせて、ステップS219へ処理を戻す。ここで、ドラッグ操作に対応とは、たとえば、表示のスクロールの方向を、ドラッグ操作における操作位置の移動方向とすることを意味する。
【0078】
ステップS221では、制御部50は、ステップS204で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS222へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0079】
ステップS222では、制御部50は、ステップS221でタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。ここでの表示内容の更新は、たとえば図6(A)および図6(B)を参照して説明したようなものである。
【0080】
図8を参照して、ステップS207では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS214へ処理を進め、まだタッチアップがないと判断するとステップS208へ処理を進める。
【0081】
ステップS208では、制御部50は、一定時間待機して、ステップS209へ処理を進める。
【0082】
ステップS209では、制御部50は、現在の表示部30における表示のシフト量Snがシフト量に関する閾値Smaxにまだ達していないかどうかを判断し、まだ達していないと判断するとステップS210へ処理を進め、既に閾値Smaxに達していると判断するとステップS213へ処理を進める。
【0083】
ここで、シフト量とは、アプリケーションに基づき表示部30に表示させるために作成した画像に対して後述するステップS210の処理によってシフトさせた距離である。図7および図8を参照して説明する表示制御処理では、ステップS210およびステップS217において、表示部30における表示内容が、当該表示部30の全体の表示がシフトされるように、更新される。制御部50は、表示をシフトさせた量(距離)を、シフトさせた方向とともに、データ記憶部63等に適宜記憶しておく。
【0084】
図9を参照して、全体コンテンツG10から、アプリケーションに基づいて表示部30に表示させるための初期画像として部分画像G11が切り出されて表示部30に表示される場合、後述するステップS210によってシフトされると、切り出されて表示部30に表示される画像は部分画像G12へと変化する場合であれば、切り出し位置が変化した距離Snがシフト量となる。なお、図9では、部分画像G11は一点鎖線で記載され、部分画像G12は破線で記載されている。
【0085】
また、図9に示されるように、切り出し位置が部分画像G11から部分画像G12へと下方に変化した場合、両部分画像に含まれるP点は、部分画像G11が切り出された場合には表示部30の下部に表示されるが、部分画像12が切り出された場合には表示部30の上部に表示される。つまり、表示部30における表示内容が上方へシフトするということは、切り出される部分画像の切り出し位置が下方へシフトすることに対応する。
【0086】
図8へ戻って、ステップS210では、制御部50は、表示部30における表示内容が上方または下方にXの距離だけシフトするように表示部30の表示内容を更新して、ステップS211へ処理を進める。なお、制御部50は、タッチ開始位置P0が、図10において表示部30内に模式的に示される破線40Xより下方であれば表示内容を上方にシフトさせ、破線40Xより上方であれば表示内容を下方にシフトさせる。破線40Xは、たとえば表示部30の上端からW(図13を参照して後述する指の幅程度)の距離の位置とすることができるが、ユーザの設定等に応じて適宜変更されても良い。
【0087】
ステップS211では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS212で、図6を参照して後述するポインタ31を表示させている場合に、当該ポインタ31の表示位置をドラッグ操作によるタッチ位置の移動に対応させて移動させ、ステップS211へ処理を戻す。ドラッグ操作があったか否かは、たとえばタッチパネル40上の操作位置の移動距離が上記した閾値Pmaxを越えたか否かによって判断される。
【0088】
一方、ステップS211でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS207へ処理を戻す。
【0089】
ステップS209で現在のシフト量Snが閾値Smaxに達していると判断すると、ステップS213へ処理が進められる。ステップS213では、制御部50は、タッチパネル40上でタッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS214へ処理を進める。
【0090】
なお、ステップS213では、タッチアップがあるまで待機する状態となるが、この状態において、ステップS211〜ステップS212として説明したように、ドラッグ操作に基づいてポインタ31の表示位置を移動させる処理が実行されても良い。ポインタ31の表示位置の移動については、図21〜図25を参照して後述する。
【0091】
ステップS214では、制御部50は、ステップS213でタッチアップがあったと判断した位置が、表示部30において選択項目が表示されている位置に対応する位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS222へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS215へ処理を進める。
【0092】
ステップS222(図7参照)では、上述したように、選択された項目に基づいた処理が実行され、また、当該処理が実行されたことに基づいて表示部30の表示内容が更新されて、処理が終了される。
【0093】
図8に戻って、ステップS215では、制御部50は、所定時間待機して、ステップS216へ処理を進める。
【0094】
ステップS216では、制御部50は、現在の表示部30における表示のシフト量Snが閾値Sminより大きい状態であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS217へ処理を進め、そうではないと判断するとそのまま処理を終了させる。
【0095】
ステップS217では、表示部30における表示内容を、ステップS210でシフトした方向とは逆の方向(下方または上方)に距離Yだけシフトするように更新して、ステップS215へ処理を戻す。
【0096】
以上、図7および図8を参照して説明した処理によれば、閾値Tmaxよりも長い時間タッチパネル40に対して継続して(タッチパネル40上の操作位置の移動距離が閾値Pmaxとなるような範囲内で)タッチ操作がなされると(S206でYES)、タッチアップがなされるまで、また、表示部30の表示のシフト量Snが閾値Smaxに達するまで、表示部30における表示内容が上方または下方に全体的にシフトするように、一定時間(ステップS208)ごとに更新される(S207〜S212)。
【0097】
表示内容のシフトについて、図11および図12を参照して、具体的に説明する。なお、図11では表示内容が上方にシフトする状態が示され、図12では表示内容が下方にシフトする状態が示されている。
【0098】
図11を参照して、図11(A)および図11(B)では、タッチパネル40に対してタッチ操作をするユーザの指が一点鎖線で示されている。図11(B)は、図11(A)に対して、表示部30における表示内容が上方にシフトされた状態を示している。図11(A)では、枠30Eとして、ユーザがタッチ操作した部分の近傍の領域が模式的に示されている。図11(B)では、図11(A)において枠30Eに対応する領域に表示されていた内容が、枠30F内に、つまり、図11(A)に対して表示部30内の上方にシフトした位置に、表示されている。
【0099】
図12を参照して、図12(A)および図12(B)では、タッチパネル40に対してタッチ操作をするユーザの指が一点鎖線で示されている。図12(B)は、図12(A)に対して、表示部30における表示内容が下方にシフトされた状態を示している。図12(A)では、枠30Gとして、ユーザがタッチ操作した部分の近傍の領域が模式的に示されている。図12(B)では、図12(A)において枠30Gに対応する領域に表示されていた内容が、枠30H内に、つまり、図12(A)に対して表示部30内の下方にシフトした位置に、表示されている。
【0100】
このような、表示部30における表示内容の、表示をシフトするような変換は、たとえば、制御部50が、表示部30に表示させるために切り出してVRAMに格納させた画像の切り出し位置を、図9を参照して説明したように変更するように変換することによって実現される。
【0101】
また、ステップS207〜S212におけるシフトは、そのシフト量がSmaxとなるまで継続される。シフト量Smaxは、たとえば、少なくとも、図13に示されるような指の幅程度の距離(距離W)とされる。タッチ操作した指自身によって隠された、タッチ操作した場所に表示されている画像を、表示内容をシフトさせることによってユーザに視認可能にするためである。
【0102】
なお、上記の距離Wは、予め設定しておくこともできるし、制御部50が、ユーザのタッチ操作に基づいて決定することもできる。つまり、制御部50は、タッチパネル40上に対してタッチ操作があった場合に、当該タッチ操作をされた領域を特定する情報を抽出し、当該抽出した領域の情報を利用して、たとえば図13に示すようなパターン化によって距離Wを算出し、表示制御に利用することもできる。
【0103】
また、ステップS207〜S212に示されるような表示内容のシフトは、ステップS202においてタッチダウンがあったと判断されてから、ステップS204およびステップS207においてタッチアップがあると判断されるまで継続され、タッチアップがあったと判断されると終了する。つまり、タッチアップが継続される時間の長さによっては、シフト量がSmaxとなる前に、表示内容のシフトが終了する場合もある。
【0104】
なお、以上説明した表示制御処理では、表示部30内の表示内容は、一定時間ごとに、距離Xずつシフトするように更新される。この場合の一定時間は、たとえば、表示内容のシフトが人間が見たときに連続的に行なわれるように見える時間とされる。
【0105】
一方、ステップS215〜S217では、上記のようにズームアップされた表示部30の表示内容が、そのシフト量が閾値Sminになるまで、ステップS210とは逆方向にシフトされて表示位置が戻される。なお、図7および図8を参照して説明した表示制御処理では、選択項目位置以外でタッチアップされたことをきっかけとして(ステップS213でYES、かつ、ステップS214でNO)、逆方向のシフトが開始されたが、他の特別な種類のタッチ操作(たとえば、ダブルクリック)をきっかけとして開始されても良い。また、閾値Sminを0とすれば、ステップS215〜S217を元の(ステップS210で表示内容を最初にシフトする前の)表示位置まで戻すことができる。
【0106】
また、ステップS207〜S212の処理によって表示部30の表示内容が閾値Smaxまでシフトされたら、その後すぐに(特にタッチ操作等がなされなくとも)、ステップS215〜S217における元の表示位置に向けて表示位置を戻す処理(表示位置を戻す処理)が開始されても良い。
【0107】
また、このような表示位置を戻す処理は省略されても良い。つまり、一度表示内容をシフトされた場合には、当該表示位置で表示部30における表示が継続されても良い。
【0108】
また、図7および図8を参照して説明した、表示部30における表示内容をシフトさせるような表示の更新に際し、図6(A)と同様にポインタ31を表示させた場合、図14に示すように、ポインタ31の表示位置もシフトさせることが好ましい。図14(A),図14(B)は、図11(A),図11(B)に対して表示部30内にポインタ31を追加して表示させた状態を示す図である。
【0109】
図14を参照して、表示部30における表示内容が図14(A)に示されるものから図14(B)に示されるものに更新されると、図14(A)において枠30Gに示される位置に、つまり、表示部30の上部に表示されていた情報は、図14(B)では枠30Hに示される位置に、つまり、表示部30の中央部に表示されている。そして、図14(A)においてユーザによるタッチパネル40への操作位置に表示されていたカーソル31が、図14(B)では、当該操作位置を離れて、表示部30における表示内容とともにシフトされた位置に表示されている。
【0110】
さらに、図14(B)に示された表示部30には、実際のタッチパネル40上でタッチ操作をされている位置にカーソル32が表示され、また、カーソル31とカーソル32とを関連付けるように、線33が表示されている。携帯電話機100では、表示内容がシフト表示されることにより、ユーザの操作対象となっている箇所が、ユーザが操作を行なっている指によって隠されることがない。また、ポインタ31とポインタ32が表示され、さらに、これらが線33で関連付けられて表示されているため、ユーザは、実際のタッチ操作位置と操作対象となっているポイントとが異なることを容易に認識することができる。
【0111】
なお、カーソル32は、図7および図8を参照して説明した、表示部30における表示内容のシフトが開始される時点から表示され、そして、表示内容のシフトとともに、徐々にカーソル31から離れるように表示されることが好ましい。これにより、カーソル32が、表示内容のシフトの開始時点におけるタッチパネル40上の操作位置に対応して表示されているものであることを、より直感的にかつ確実に、ユーザに理解させることができる。
【0112】
[4.表示制御処理の第2の変形例(ズーム・シフト処理)]
上記した表示制御処理の第2の変形例について説明する。
【0113】
図3および図4を参照して説明した表示制御処理では、タッチパネル40が特定の時間以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることによりタッチ操作された箇所およびその近傍がズーム倍率Zmaxまでズームアップされるように、表示部30の表示内容が更新された。この変形例では、上記タッチ操作がなされることにより、ズーム倍率Zmaxまでズームアップの後、さらに、表示内容が所定の距離(Smax)シフトされる。
【0114】
図15および図16は、図3および図4を参照して説明した表示制御処理のフローチャートについての、図4に示された部分の変更部分を示している。つまり、本変形例の処理のフローチャートは、図3と図15と図16によって構成される。
【0115】
本変形例では、ステップS106(図3参照)において、制御部50が、ステップS103で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS105で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断すると、処理は、ステップS107(図15参照)へ進められる。
【0116】
図15を参照して、ステップS107へ処理が進められると、図4を参照して説明したのと同様に、ステップS107〜ステップS112において、表示部30における表示をズームアップする処理が実行される。
【0117】
そして、ステップS109で、ズーム率が閾値Zmaxに達したと判断されると(ステップS109においてNO判断時)、ステップS207に処理が進められる。
【0118】
そして、ステップS207〜ステップS212では、制御部50は、図8を用いて説明したステップS207〜ステップS212と同様に、タッチアップがなされるまで、そして、シフト量がSmaxとなるまで、表示部30の表示内容をシフトさせる。
【0119】
なお、シフトをしている間にタッチアップが有ったと判断すると、制御部50は、ステップS121Aへ処理を進める。
【0120】
また、シフト量がSmaxとなると(ステップS209でNO判断時)、ステップS313へ処理が進められる。
【0121】
図16を参照して、ステップS313では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS121Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS314へ処理を進める。
【0122】
ステップS314では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS315で、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS313へ処理を戻す。ステップS314でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS313へ処理を戻す。
【0123】
ステップS121Aでは、制御部50は、図3のステップS121と同様に、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0124】
ステップS122Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0125】
ステップS115〜ステップS117では、制御部50は、表示部30におけるズーム率を元のズーム率に向けて戻した後、ステップS215へ処理を進める。
【0126】
ステップS215〜ステップS217では、制御部50は、制御部30における表示内容を、ステップS207〜ステップS212におけるシフト方向とは反対方向にシフトさせることにより、元の表示位置に戻すように、シフトさせる処理をし、そして、シフト量が閾値Smin以下となったと判断すると(ステップS216でNO判断時)、表示制御処理を終了させる。
【0127】
以上説明した本変形例の表示制御処理によれば、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、表示部30の表示内容がタッチ位置またはその近傍を中心としてズームアップされ(ステップS107〜ステップS112)、その後、最大Smaxだけシフトされる。つまり、図17(A)に示される表示内容が表示部30に表示されているときにタッチパネル40に対してドラッグ操作することなくタッチ操作が継続されると、表示部30の表示内容は、図17(B)に示されるように、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新され、さらに、図17(C)に示されるように、上方(または下方)にシフトされるように更新される。そして、この場合、タッチ位置またはその近傍に対応する位置が、表示部30の、タッチパネル40に対する操作位置についての対応箇所に相当する。
【0128】
これにより、図17(A)の枠301A内の表示内容は、図17(B)の枠301Bで示すように拡大された後、図17(C)枠301Cに示すようにシフトされる。
【0129】
[5.表示制御処理の第3の変形例(シフト・ズーム処理)]
上記した表示制御処理の第3の変形例について説明する。
【0130】
図7および図8を参照して説明した表示制御処理では、タッチパネル40が特定の時間以上継続して1ヶ所をタッチ操作されることにより表示部30の表示内容が全体的に最大Smaxの距離だけシフトされるように、表示部30の表示内容が更新された。この変形例では、上記タッチ操作がなされることにより、表示内容のシフトの後、さらに、ズーム倍率Zmaxまでズームアップされる。
【0131】
図18および図19は、図7および図8を参照して説明した表示制御処理のフローチャートについての、図8に示された部分の変更部分を示している。つまり、本変形例の処理のフローチャートは、図7と図15と図16によって構成される。
【0132】
本変形例では、ステップS206(図7参照)において、制御部50が、ステップS203で記憶したタッチ開始時刻T0とステップS205で記憶した現在時刻Tnの差、つまり、タッチパネル40上でタッチ操作が継続された時間が閾値Tmaxを超えているか否かを判断し、超えていると判断すると、処理は、ステップS207(図18参照)へ進められる。
【0133】
図18を参照して、ステップS207へ処理が進められると、図8を参照して説明したのと同様に、ステップS207〜ステップS212において、表示部30における表示をシフトさせる処理が実行される。
【0134】
そして、ステップS209で、シフト量が閾値Smaxに達したと判断されると(ステップS209においてNO判断時)、ステップS107に処理が進められる。
【0135】
そして、ステップS107〜ステップS112では、制御部50は、図4を用いて説明したステップS107〜ステップS112と同様に、タッチアップがなされるまで、そして、ズーム率がZmaxとなるまで、表示部30の表示内容をズームアップさせる。
【0136】
なお、ズームアップをしている間にタッチアップが有ったと判断すると(ステップS107でYES判断時)、制御部50は、ステップS121Aへ処理を進める。
【0137】
また、ズーム率がZmaxとなると(ステップS109でNO判断時)、ステップS413へ処理が進められる。
【0138】
図19を参照して、ステップS413では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断し、あったと判断するとステップS221Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS414へ処理を進める。
【0139】
ステップS414では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS415で、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS413へ処理を戻す。ステップS414でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS413へ処理を戻す。
【0140】
ステップS221Aでは、制御部50は、図7のステップS221と同様に、ステップS104で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115へ処理を進める。
【0141】
ステップS222Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0142】
ステップS115〜ステップS117では、制御部50は、表示部30におけるズーム率を元のズーム率に向けて戻した後、ステップS215へ処理を進める。
【0143】
ステップS215〜ステップS217では、制御部50は、制御部30における表示内容を、ステップS207〜ステップS212におけるシフト方向とは反対方向にシフトさせることにより、元の表示位置に戻すように、シフトさせる処理をし、そして、シフト量が閾値Smin以下となったと判断すると(ステップS216でNO判断時)、表示制御処理を終了させる。
【0144】
以上説明した本変形例の表示制御処理によれば、ユーザがドラッグ操作することなくタッチパネル40をタッチし続けると、最大Smaxだけシフトされ、その後、表示部30の表示内容がタッチ位置またはその近傍を中心としてズームアップされ(ステップS107〜ステップS112)る。つまり、図20(A)に示される表示内容が表示部30に表示されているときにタッチパネル40に対してドラッグ操作することなくタッチ操作が継続されると、表示部30の表示内容は、図20(B)に示されるように、上方(または下方)にシフトされるように更新され、その後、図20(C)に示されるように、タッチ操作された位置またはその近傍を中心として拡大されるように更新される。
【0145】
これにより、図20(A)の枠302A内の表示内容は、図20(B)の枠302Bで示すように上方にシフトされた後、図20(C)枠302Cに示すようにシフトされる。
【0146】
[6.表示制御についての説明]
以下、携帯電話機100における表示部30の表示制御において、特に言及すべきであると考えられる点について説明を行なう。
【0147】
(1)タッチアップに対する待機中の表示制御について
表示制御処理の第1の変形例において説明したように、ステップS213では、タッチアップがあるまで携帯電話機100は待機する状態となり、また、この状態において、ドラッグ操作に基づいてポインタ31の表示位置を移動させる処理(ステップS211〜ステップS212)が実行されても良い。
【0148】
ここで、ステップS213のように、閾値までのシフトが完了してタッチアップを待っている状態における、制御部50による表示部30の表示制御について、図21〜図25を参照して説明する。なお、この例では、表示部30の表示内容が閾値のシフト量になるまでシフトされた後、閾値のズーム率になるまでズームされ、その状態でタッチアップを待つ例を示す。
【0149】
まず、図21を参照して、表示部30には、ユーザのタッチ操作の位置を示すポインタ31が表示されている。この状態でタッチ操作が閾値Tmax以上継続されると、表示部30の表示内容が図22に示されるものに移行する。なお、ポインタ31の表示は、タッチ操作が開始されるとともに開始されても良いし、タッチ操作が閾値Tmax以上継続されたことを条件として開始されても良い。
【0150】
図22を参照して、表示部30では、その表示内容が上方向にシフトし、これに伴って、ポインタ31の上方にポインタ32が表示されている。また、表示部30には、ポインタ31とポインタ32を連結する線33が表示されている。この後、表示部30の表示内容は、図23に示されるものに移行する。なお、ここでは、実際のタッチ操作がなされている位置を示すポインタ31は必ずしも表示されていなくてもいい。つまり、表示部30において、少なくともポインタ32と線33とが表示されれば良い。
【0151】
次に、図23を参照して、表示部30では、その表示内容が図22に示されたものに対して拡大されても、ポインタ32は、図22(および図21)において対応して表示されていた内容(「端末の納入を開始」というメニュー(アンカーテキスト))に対応するように表示されている。なお、本実施の形態では、メニュー上にポインタ32を表示させることにより、対応するような表示が実現されている。ステップS213における待機状態は、図23に示されたようにシフトやズームの表示が完了した状態に相当する。
【0152】
図24に示すように、図23に示された状態からユーザの指が右方向にスライドされ、タッチパネル40上のタッチ操作される位置も右方向にスライドされると、ポインタ31の表示される位置がタッチ操作される位置に従って移動し、そして、ポインタ32の表示位置も同様の移動する。なお、ステップS211およびステップS212の処理により、図24に示したようにタッチ操作の位置に応じてポインタ31およびポインタ32の表示位置が移動される。また、ステップS111,112、ステップS314,315、ステップS414,415によっても、同様の表示制御がなされる。
【0153】
図24では、アンカーテキスト外までドラッグ操作がなされ、ポインタ32が、表示部30における選択項目位置(アンカーテキスト等)が表示されていない領域に表示されている。この状態で、タッチパネル40に対するタッチ操作が解除されると、図25に示されるように、ポインタ31,32および線33の表示が終了する。なお、図25では、参考として、ポインタ32の直前の表示位置が、点線31Aとして示されている。なお、ステップS213における待機中であれば、図25に示されるように選択項目位置以外でタッチアップがなされると、ステップS215へ処理が進められる。
【0154】
(2)スクロールについて
以上説明した本実施の形態では、制御部50は、ステップS209〜ステップS210(図15参照)における表示部30の表示内容のシフトによって、または、ステップS314〜ステップS315(図16参照)における表示部30の表示内容の更新によって、ポインタ32が表示部30内に表示できなくなったと判断した場合には、画面の表示内容を連続的にシフトさせることが好ましい。
【0155】
たとえば、図26(A)に示された状態から、さらに、ユーザが上方向にドラッグ操作を行なった場合を考える。なお、図26(A)に示される状態では、ユーザによる継続したタッチ操作によって、表示部30における表示内容のシフトおよび/またはズームが閾値までなされているものとする。表示部30には、ポインタ31,32および線33が表示されている。
【0156】
この状態から、図26(B)に示されるように、ユーザが上に向けて指をタッチパネル40上で移動させることによりドラッグ操作をした場合、ポインタ32は、図26(B)に示されるように、表示部30の外に表示されることになる。なお、図26(B)において、ポインタ32および線33の点線で示された部分は、実際には表示部30に表示されていないことが示されている。
【0157】
そして、図26(B)に示されるように、ポインタ32が表示部30の上端より外に位置し表示部30内において表示されない場合、制御部50は、表示部30の表示内容を下方向に連続的にスクロールさせることが好ましい。下方向へのスクロールは、ユーザのタッチ操作がそのまま続き、ポインタ32が表示部30の外にある間中、連続して行なわれる。
【0158】
スクロール中にユーザがドラッグ操作を行なうと、それに伴ってポインタ32の表示される位置が変更される。そして、このようなドラッグ操作によって、ポインタ32の表示位置が移動され、その結果として、ポインタ32が表示部30内に表示されるようになる。
【0159】
図26(C)には、図26(B)に示した状態から、ユーザが下方に向けてドラッグ操作を行なうことによって、ポインタ32が表示部30内に表示されている状態が示されている。
【0160】
そして、図26(C)に示されるように、ユーザのドラッグ操作によってポインタ32の全体が表示部30内に表示されるようになると、スクロール表示が停止される。なお、図26(C)では、点線でドラッグ操作前の指の位置が示され、一点鎖線でドラッグ操作後の指の位置が示されている。
【0161】
なお、図26(A)、図26(B)および図26(C)を参照して説明したような表示部30についての一連の表示制御が実現される場合とは、このような表示がなされている期間において、ユーザは、一度もタッチアップをすることなく、連続してタッチパネル40に対してタッチ操作をし続けている場合である。
【0162】
また、スクロールの最中に、ポインタ32の上端がコンテンツの上端(図9の全体コンテンツG10全体における上端)に到達した場合にも、スクロール表示を停止するようにしても良い。
【0163】
また、ここでは、図26(A)に示された状態からさらに上方向にドラッグ操作を行なった場合を説明したが、ユーザが、図26(B)において一点鎖線で示された位置からタッチ操作を開始した場合も、上記したスクロールと同様に、ポインタ32の位置が図26(C)に示される位置となるまで、スクロール表示が行なわれる。つまり、図26(B)で示されるような位置からタッチ操作が開始されると、表示部30の表示内容を上方向にシフトする処理がなされる。そして、このとき、ポインタ32が表示部30外となる。そこで、表示部30の表示内容が、下方に連続的にスクロールされる。
【0164】
このように表示部30の表示内容がスクロールされることは、携帯電話機100のような小型の表示部を持つ機器においてサイズの大きなページ(コンテンツ)を閲覧している際に、特に有効である。このようなスクロール処理がなされなければ、表示部30の画面内で、現在の表示位置とは大きく距離が離れたコンテンツの上方部を表示させるためには表示部30の画面内でスクロールのためのドラッグ操作(ステップS220(図7参照)における、ドラッグ操作にもとづくスクロール)が繰り返し必要とされ、また、そのような操作に代わって画面をスクロールさせるために特別なボタンを設ける必要が生じる場合もある。スクロールボタンを設けた場合、固定位置にあるボタンを選択しなければならない。一方、図26を参照して説明したようにスクロールがなされると、ページ(コンテンツ)内のどの位置でも、指の届く位置でスクロール操作を行なうことができる。また、本実施の形態では、表示部30の画面全体について、シフト表示が行なわれることから、シフト表示を行なう操作と同様の操作でスクロールも行なうことができ、ユーザとしては、操作を複数覚えることなく、直感的な操作が可能となる。
【0165】
図27は、以上図26を参照して説明した処理のフローチャートであり、図3と図15と図16を参照して説明した「4.ズーム・シフト処理」の中の、ステップS313〜S315およびステップS121A,S122Aの処理(図16参照)に入れ替わる処理のフローチャートである。
【0166】
図27を参照して、シフト量がSmaxとなると(ステップS209でNO判断時)、ステップS313へ処理が進められ、ステップS313では、制御部50は、タッチアップがあったか否かを判断する。そして、あったと判断するとステップS121Aへ処理を進め、無いと判断するとステップS314へ処理を進める。
【0167】
ステップS314では、制御部50は、タッチパネル40に対してドラッグ操作があったか否かを判断し、あったと判断するとステップS315Aで、当該ドラッグ操作に基づいて表示部30における表示内容を更新して、ステップS330へ処理を進める。一方、ステップS314でドラッグ操作がなかったと判断すると、制御部50は、そのままステップS330へ処理を進める。
【0168】
ステップS121Aでは、制御部50は、ステップS104(図3参照)で検出したタッチアップのあった位置が、選択項目が表示されている位置であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS122Aへ処理を進め、そうではないと判断するとステップS115(図16参照)へ処理を進める。
【0169】
ステップS122Aでは、制御部50は、図3のステップS122Aと同様に、ステップS121Aでタッチアップ位置にあると判断した選択項目の内容に基づいた処理を実行するとともに、当該処理の実行に基づいて表示部30の表示内容を更新して、表示制御処理を終了させる。
【0170】
一方、ステップS330では、制御部50は、ポインタ32が表示部30内に表示されているか否かを判断し、表示されていると判断するとステップS332へ処理を進め、ポインタ32が図26(B)に示されるように表示部30内に表示されていないと判断するとステップS331へ処理を進める。ステップS331では、制御部50は、それまで行なっていた表示内容のシフト処理(ステップS209〜ステップS212(図15参照))の際のシフト方向とは逆の方向に、表示部50の表示内容を一定の距離だけスクロール表示させ、ステップS313へ処理を戻す。
【0171】
ステップS332では、制御部50は、ポインタ31が、表示部30において、表示部30の下端から図28に示す破線41Xまでの位置に表示されているか否かを判断する。なお、図28を参照して、破線41Xは、表示部30の下端から予め決められた任意の距離の位置とすることができるが、ユーザの設定等に応じて適宜変更されても良い。
【0172】
図27に戻って、そして、制御部50は、そのような位置にポインタ31が表示されていると判断すると、ステップS333へ処理を進め、そのような位置にポインタ31が表示されていないと判断するとステップS313へ処理を戻す。
【0173】
ステップS333では、制御部50は、表示内容のシフト処理(ステップS209〜ステップS212(図15参照))の際のシフト方向と同じ方向に、表示部50の表示内容を一定の距離だけスクロール表示させ、ステップS313へ処理を戻す。
【0174】
図27を参照して説明した処理により、ポインタ31が、表示部30の下側に表示されている場合には、制御部50は、表示部30の表示内容を上方向にスクロールされる。上方向のスクロールは、ユーザがドラッグ操作を行なったことに基づき、ポインタ31の位置が表示部30上である閾値よりも上部の位置に変更されるまで続けて行なわれる。スクロール中、ポインタ32の位置は、ドラッグ操作があるまで、シフト処理後の位置で止まる。
【0175】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態および変形例に記載した事項は、可能な限り組み合わされて実施されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機の正面図である。
【図2】図1の携帯電話機のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図3】図1の携帯電話機において実行される表示制御処理のフローチャートである。
【図4】図1の携帯電話機において実行される表示制御処理のフローチャートである。
【図5】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図6】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図7】図3および図4に示された表示制御処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図8】図3および図4に示された表示制御処理の第1の変形例のフローチャートである。
【図9】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図10】表示制御処理の第2の変形例における、携帯電話機の表示部における表示内容の制御方法を説明するための図である。
【図11】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図12】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図13】表示制御処理の第2の変形例における、携帯電話機の表示部における表示内容の制御方法を説明するための図である。
【図14】表示制御処理の第2の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図15】図3および図4に示された表示制御処理の第2の変形例のフローチャートであって、図4に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図16】図3および図4に示された表示制御処理の第2の変形例のフローチャートであって、図4に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図17】表示制御処理の第3の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図18】図3および図4に示された表示制御処理の第3の変形例のフローチャートであって、図8に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図19】図3および図4に示された表示制御処理の第3の変形例のフローチャートであって、図8に示されたフローチャートの変更部分を示す図である。
【図20】表示制御処理の第3の変形例において携帯電話機の表示部における表示内容の変化を説明するための図である。
【図21】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図22】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図23】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図24】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図25】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図26】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図27】図16に示された処理内容の一部の変形例を示すフローチャートである。
【図28】図1の携帯電話機の表示部における表示内容の一例を示す図である。
【図29】従来の情報端末においてタッチスクリーンにユーザの指が触れたときの表示内容の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0177】
30 表示部、31,32 ポインタ、40 タッチパネル、50 制御部、50A タイマ、51 表示制御部、53,54 音声出力制御部、55 音声入力制御部、56 レシーバ、57 スピーカ、58 マイク、60 記憶部、61 プログラム記憶部、62 設定内容記憶部、63 データ記憶部、80 通信制御部、81 アンテナ、90 姿勢検出部、91 カメラ、100 携帯電話機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の前面に設けられたタッチパネルと、
前記タッチパネルに対する操作態様に応じて前記表示部の表示態様を制御する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換する、携帯情報端末。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示内容を全体的にシフトさせることにより前記表示内容の変換を実現する、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示内容を、少なくとも人の指の幅と想定される寸法だけシフトさせる、請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記タッチパネルに対して操作がなされた位置を判断する判断部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記タッチパネルにおいて、所定の方向の一方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の他方側にシフトさせ、前記所定の方向の他方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の一方側にシフトさせる、請求項2または請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置に所定の情報を表示させた状態で、前記表示内容をシフトさせる、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容をシフトさせる、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記表示内容をシフトさせた後、前記表示部の表示倍率を上昇させる、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示倍率を上昇させることにより前記表示内容の変換を実現する、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容の表示倍率を上昇させる、請求項8に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記表示部の表示倍率を上昇させた後、前記表示内容をシフトさせる、請求項8または請求項9に記載の携帯情報端末。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻す、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項12】
前記特別の操作態様による操作が開始された位置が、前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記判定部が、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応しないと判定した場合に、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻す、請求項10に記載の携帯情報端末。
【請求項13】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを備える、携帯情報端末の制御方法。
【請求項14】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムであって、
携帯情報端末に、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させる、制御用プログラム。
【請求項15】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムを記録した記録媒体であって、
前記制御用プログラムは、携帯情報端末に、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させる、記録媒体。
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の前面に設けられたタッチパネルと、
前記タッチパネルに対する操作態様に応じて前記表示部の表示態様を制御する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換する、携帯情報端末。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示内容を全体的にシフトさせることにより前記表示内容の変換を実現する、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示内容を、少なくとも人の指の幅と想定される寸法だけシフトさせる、請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記タッチパネルに対して操作がなされた位置を判断する判断部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記タッチパネルにおいて、所定の方向の一方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の他方側にシフトさせ、前記所定の方向の他方側の領域に対して操作がなされたと判断すると、前記表示内容を前記所定の方向の一方側にシフトさせる、請求項2または請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が開始された位置に所定の情報を表示させた状態で、前記表示内容をシフトさせる、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容をシフトさせる、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記表示内容をシフトさせた後、前記表示部の表示倍率を上昇させる、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作された場合には、前記表示部の表示倍率を上昇させることにより前記表示内容の変換を実現する、請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作の継続時間に応じた量だけ、前記表示内容の表示倍率を上昇させる、請求項8に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記表示部の表示倍率を上昇させた後、前記表示内容をシフトさせる、請求項8または請求項9に記載の携帯情報端末。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻す、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項12】
前記特別の操作態様による操作が開始された位置が、前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記判定部が、前記特別の操作態様による操作が開始された位置が前記表示部においてアンカーテキストが表示された位置に対応しないと判定した場合に、前記特別の操作態様による操作が解消された後、変換した前記表示部の全体の表示を変換前のものに戻す、請求項10に記載の携帯情報端末。
【請求項13】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを備える、携帯情報端末の制御方法。
【請求項14】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムであって、
携帯情報端末に、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させる、制御用プログラム。
【請求項15】
表示部の前面に設けられたタッチパネルを備えた携帯情報端末の制御するための制御用プログラムを記録した記録媒体であって、
前記制御用プログラムは、携帯情報端末に、
前記タッチパネルに対して特別の操作態様で操作されたか否かを判断するステップと、
前記タッチパネルに対して操作がなされた部位を特定するステップと、
前記特別の操作態様で操作された場合に、前記タッチパネルに対する操作部位に対応する前記表示部の箇所の表示態様が変化するように、前記表示部の全体に対応する表示内容を変換するステップとを実行させる、記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2009−301282(P2009−301282A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154385(P2008−154385)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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