説明

携帯用口内洗浄剤

【課題】 携帯性に優れ、口内殺菌、口臭防止の効果はもとより、うがい洗浄後の口内の爽快感をも向上させることができる携帯用口内洗浄剤の提供。
【解決手段】 端部を切開可能な包装容器に口内洗浄剤を収納し必要に応じて包装用容器を開封して水を注ぎ口内洗浄を可能とした携帯用口内洗浄剤において、この口内洗浄剤を、重曹を主成分とする粉末状の製剤、あるいは、重曹を主成分とし、メントール,茶カテキン,葉緑素あるいはキシリトールの何れかあるいはこれらを組み合わせたものを従成分として配合される粉末状の製剤、からなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用口内洗浄剤に関し、特に、携帯性に優れ、口内殺菌、口臭防止の効果はもとより、うがい洗浄後の口内の爽快感をも向上させることができる携帯用口内洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電車・バス等の公共機関等を利用する場合には、限られたスペース内に人間が密集するため、人間同士の距離が比較的近くなり、他人の口臭が鼻につく場合もある。また、仕事上で会議・商談等を行う場合においても、その会話において人間同士の距離が比較的近距離で行われるため、口臭が強い場合にはそれが周辺に漂い、それによって気分が害されることが少なくない。
【0003】
このように、人間から発せられる口臭は周囲に不快感を与えるものであり、人間生活を営む上では避けて通ることのできない問題である。このため、口臭予防のガムを噛むことにより口臭の発生を防止したり、持ち歩き可能な口臭防止液を携帯して必要に応じてうがいをしたり、あるいは、自宅・会社・外出先等の場所の如何にかかわらず、歯磨きを行うことにより、口臭を防止するようにしているのが現状である。
【0004】
しかし、口臭防止用として、ガムを用いる場合には、ミント系以外に甘さを出すための甘味料が多分に用いられているため、口臭をある程度予防できても、別の結果として歯の健康に悪い影響を及ぼすという問題がある。一方、口臭防止液を携帯して用いる場合には、その容器がある程度の大きさであることから、携帯するには嵩張ってしまい、また、液体の場合は、空気に触れと酸化してしまうため、効能が劣化してしまうという問題がある。更に、歯磨きによる場合は、外出先等では予め歯磨きを備え付けておくことはできないため、携帯用の歯磨き歯ブラシ等を携帯することも考えられるが、この場合も、常に携帯するには嵩張り、また、歯磨きをするには、公衆の面前ではなかなか行えないという問題がある。
【0005】
このため、例えば、特許文献1に示すような携帯用口内洗浄剤が提案されている。これは、食塩とミント類とを調整して得られ、端部を切開可能なスティック状包装容器又は袋状包装容器に収納したものであり、うがい剤及び歯みがき剤の兼用として口中を洗浄できるようにしたものである。これによれば、口臭防止効果を得ることがきるのみならず、スティック状包装容器又は袋状包装容器に収納されているため携帯するにも嵩張ることないので、上記問題をおよそ解消することができる。
【特許文献1】特開平7−145028
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1による携帯用口中洗浄剤によれば、食塩とミント類とを調整して得られるものであり、これによれば、食塩による一定の口内殺菌効果と、ミント類による所定の爽快感に基づく口臭防止がもたらされるものの、食塩を用いるため、うがい洗浄後に口内に塩からさの味覚が残存するという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、携帯性に優れ、口内殺菌、口臭防止の効果はもとより、うがい洗浄後の口内の爽快感をも向上させることができる携帯用口内洗浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、端部を切開可能な包装容器に口内洗浄剤を収納し必要に応じて該包装用容器を開封して水を注ぎ口内洗浄を可能とした携帯用口内洗浄剤において、前記口内洗浄剤は、重曹を主成分とする粉末状の製剤からなることを特徴とする携帯用口内洗浄剤を提供するものである。
【0009】
この場合、前記口内洗浄剤は、重曹を主成分とし、メントール,茶カテキン,葉緑素あるいはキシリトールの何れかあるいはこれらを組み合わせたものを従成分として配合される粉末状の製剤からなるものであっても良い。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したとおり、本発明によれば、端部を切開可能な包装容器に口内洗浄剤を収納し必要に応じて包装用容器を開封して水を注ぎ口内洗浄を可能とした携帯用口内洗浄剤において、口内洗浄剤を重曹を主成分とする粉末状の製剤からなるようにしたので、あるいは、重曹を主成分とし、メントール,茶カテキン,葉緑素あるいはキシリトールの何れかあるいはこれらを組み合わせたものを従成分として配合される粉末状の製剤からなるようにしたので、携帯性に優れ、口内殺菌、口臭防止の効果はもとより、うがい洗浄後の口内の爽快感をも向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、この説明における例示は単に本発明を最も良く理解するための説明であり、発明の限定を意図するものではない。
【0012】
本発明による携帯用口内洗浄剤は、重曹を主成分とし、これに、メントール、茶カテキン及び葉緑素とを適宜の量配合した粉末状のものからなり、これを携帯用の袋状の容器に収納したものである。
【0013】
この携帯用口内洗浄剤を構成する成分のうち、主成分である重曹は、炭酸水素ナトリウム、または重炭酸ナトリウムとも呼ばれているものであり、弱アルカリの性質を有する。そもそも、臭いはモノが酸化するのが原因で発生するものであり、この弱アルカリの性質を持つ重曹はマイナス要因(酸化物)と結合し中和させるので、吸着脱臭の作用が働く。また、中和した時に、炭酸ガスの泡と超音波が発生するため、この超音波により汚れを落とすという効果もある。また、炭酸ガスの泡により、うがい洗浄の際に、この携帯用口内洗浄剤の他の成分を含めて、口内に行き渡らせるという効果もある。
【0014】
また、携帯用口内洗浄剤を構成する成分のうち、他の成分であるメントールは、ハッカに含まれる成分であり、主に清涼感と香を出す成分である。天然のハッカから取れるL−メントールと化学合成で作り出す合成−メントールがあるが、ここでは、L−メントールを用いることとする。天然のL−メントールには、深み・拡がりがあり、柔軟に味や香りをコントロールすることが可能であるからである。このメントールは、古くから医薬の分野でも利用されてきており、その作用・効果としては、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗菌効果、経皮吸収促進作用、血流亢進作用がある。
【0015】
また、茶カテキンは、ポリフェノールの一種で主に緑茶に含まれる渋味成分である。この茶カテキンには、強力な抗菌作用があり、これによって抗インフルエンザ作用、虫歯予防、口臭予防(脱臭作用)がある。
【0016】
また、葉緑素は、別名クロロフィルとも呼ばれ、植物の体のなかに含まれる緑色の色素でである。この葉緑素は、人間血液の血色素であるヘムと化学構造がほとんど同じであり、ポルフィリン骨格をもっていること近年発見されている。葉緑素の効能で良く知られているのは健胃健腸作用であるが、その他にも脱臭作用や殺菌効果、さらには身体の免疫を強くするインターフェロンを増やす作用がある。
【0017】
なお、これら以外にも、口腔保健の効果を期するために、例えば、キシリトールを更に配合しても良い。キシリトールは、白樺や樫などの木から作られる天然の甘味料であり、砂糖のように虫歯菌(ミュータンス菌)に分解されず、むしろ虫歯菌がキシリトールを吸収しようとして無駄なエネルギーを消耗するため、虫歯にならず、さらに虫歯菌の増殖を抑えることができる。また、唾液の働きをよくするため、歯の再石灰化を促進する働きもある。
【0018】
以上に述べた重曹を主成分とし、その他の成分(メントール、茶カテキン、葉緑素等)を従成分とした口内洗浄剤を所定の配合比で配合して粉末状にし、粉末状にしたものを携帯用の袋状の包装容器に収納する。なお、この主成分と従成分との配合については、主成分以外の従成分は、何れか1つ選択しても良く、あるいはそれらの組み合わせであっても良い。もちろん、従成分を全て主成分に配合しても良い。
【0019】
図1は、この粉末状にした口内洗浄剤を袋状の包装容器に収納した状態を示す図である。
図に示すように、粉末状にした口内洗浄剤1は、開口部2側に切り取り部3を有する袋状の包装容器10に収納され密封される。この包装容器10は、外部が紙製で形成され内部はアルミ箔で形成されている。この包装容器10は、名刺大の大きさに形成される。このため、バッグ類などに入れても嵩張らず携帯に非常に便利である。また、内部がアルミ箔で形成されているため、包装容器10本体内に水を注いでも外部に漏出することはない。
【0020】
この口内洗浄剤1を使用する際には、切り取り部3より上部を切り離して開口部2側を開口し、包装容器10内部に所定量の水を注ぎ服用する。この際、重曹には発砲作用があるので、水を入れたとき、他の成分(メントール、茶カテキン、葉緑素、キシリトール等)が均等に容器内で撹拌され、また、口に含んだときに、口内隅々までこれらの成分を行き渡らせ、これらの成分を効果的に作用させることができる。
【0021】
このため、上記成分によりもたらされる作用・効果、即ち、口内殺菌、口臭防止の効果はもとより、うがい洗浄後の口内の爽快感をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】口内洗浄剤を袋状の包装容器に収納した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 口内洗浄剤
2 開口部
3 切り取り部
10 包装容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を切開可能な包装容器に口内洗浄剤を収納し必要に応じて該包装用容器を開封して水を注ぎ口内洗浄を可能とした携帯用口内洗浄剤において、
前記口内洗浄剤は、重曹を主成分とする粉末状の製剤からなることを特徴とする携帯用口内洗浄剤。
【請求項2】
前記口内洗浄剤は、重曹を主成分とし、メントール,茶カテキン,葉緑素あるいはキシリトールの何れかあるいはこれらを組み合わせたものを従成分として配合される粉末状の製剤からなることを特徴とする請求項1に記載の携帯用口内洗浄剤。



【図1】
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【公開番号】特開2008−127284(P2008−127284A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310404(P2006−310404)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(306016800)
【Fターム(参考)】