説明

携帯端末、ネットワークサーバ、ネットワークシステム、ネットワーク通信方法及びプログラム

【課題】新たなプログラム等の外部データに応じて柔軟に携帯端末の操作キーを対応させることができ、かつ該外部データを操作する携帯端末の操作性を改善することのできる技術を提供する。
【解決手段】 ネットワークシステム300において、携帯端末100の操作入力部121,119に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報を含む送信情報を、サーバ200に送信し、サーバ200は該操作情報を含む情報を生成し、携帯端末100にネットワーク400を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の操作性を向上させるための技術に関し、特にこのような技術を実現する携帯端末、ネットワークサーバ、ネットワークシステム、ネットワーク通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の操作性を向上させるため、種々の技術が開発されている。例えば、特許文献1は、キー押下の強さによってカーソル移動速度を変化させる技術を開示している。
【0003】
また、特許文献2は、キータッチの強さによって複数の処理項目から最適な処理を選択することにより、タッチするキーを変更することなしに異なる処理を行えるようにする技術を提示している。
【0004】
さらに特許文献3は、操作装置のスクロール操作の速度や強さに応じてスクロール速度を変化させる技術を開示している。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−165791号公報
【特許文献2】特開平4−319719号公報
【特許文献3】特開2001−304880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の引例は、押下するキーを変更することなしに、キー操作の強さに応じて、所定の処理の種類を変換させるものである。例えば、特許文献1、2は、キー操作の強さに応じて、カーソル移動又はスクロールの速度を変化させるものである。また、特許文献3は、キー操作の強さに応じて、ページ送り処理又はスクロール処理の切換を行うものである。
【0007】
しかしながら、携帯端末の普及に伴い、キー操作性の向上がさらに求められている。特に、携帯端末によるプログラム、コンテンツ、アプリケーション等のダウンロードの普及に伴い、該プログラム等に応じた端末のキー操作が必要となる。
【0008】
従来技術は、それまでに複数のキーで行なっていた処理を1つのキーで操作可能とすることで操作性を向上することを目的としており、キー操作の強さに応じた新たな処理を追加することについては言及していない。従って、ネットワークサーバから新たにプログラム等をダウンロードしても、ダウンロードした端末が、該プログラム等を操作するための所定のキー操作に対応した情報を有していない場合、ダウンロードしたプログラム等を操作することは困難となる。
【0009】
本発明は、新たなプログラム等の外部データに応じて柔軟に携帯端末の操作キーを対応させることができ、かつ該外部データを操作する携帯端末の操作性を改善することのできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯端末は、ユーザによる操作を入力する操作入力部と、ユーザの前記操作入力部に対する操作を検知し、当該操作の物理的操作量を検出する検出装置と、前記物理的操作量に対応した操作情報を含む受信情報を外部から受信する受信部と、前記受信情報を解釈して、前記操作情報を表現する画像を生成する画像生成部と、前記画像を表示する表示部と、前記表示画像中の前記操作情報を参照したユーザにより指定される指定情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部と、前記送信情報を外部へ送信する送信部とを備え、前記指定情報は、前記操作入力部に対するユーザの操作の物理的操作量に対応し、前記検出装置によって検出されるものである。
【0011】
この構成によれば、操作入力部の操作情報を受信することができ、かつ表示部に操作情報が表示される。ユーザはこの表示を参照し、操作入力部の物理的操作量に応じて指定情報を指定し、外部に送信することができる。従って、携帯端末の操作処理を、操作情報に応じて柔軟に適合させることが可能となり、かつ携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0012】
前記受信情報を、前記操作情報に対応した付加的な記述を含む言語により構成することができる。また、前記表示部を、擬似3次元画面を表示する擬似3次元表示ディスプレイにより構成することができる。
【0013】
この構成により、ユーザの直感による操作性が向上する。
【0014】
更に、前記操作入力部をボタンより構成することができ、この場合、前記物理的操作量が該ボタンへの押し下げ力、該ボタンへの押し下げ速度、及び該ボタンへの押し下げ時間のいずれか少なくとも一つに対応する。
【0015】
この構成により、ユーザの直感による操作性が更に向上する。
【0016】
更に、前記表示部を擬似3次元画面を表示する擬似3次元表示ディスプレイより構成し、前記操作情報が3次元表示により表現されるものである場合、該擬似3次元表示ディスプレイは、前記ボタンの押下力に対応した擬似奥行き表示を表現することができる。
【0017】
この構成によっても、ユーザの直感による操作性が更に向上する。
【0018】
更に本発明のネットワークサーバは、携帯端末とネットワークを介して通信可能なネットワークサーバであって、当該携帯端末から受信情報を受信する受信部と、前記受信情報が、当該携帯端末の操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報の要求を含むか否かを判定する判定部と、前記受信情報が前記操作情報の要求を含むと判定された場合、前記操作情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部と、前記送信情報を前記携帯端末に送信する送信部とを備える。
【0019】
この構成によれば、携帯端末に操作情報を送信することが可能となる。したがって、携帯端末の操作処理を、操作情報に応じて柔軟に適合させることが可能となり、かつ携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0020】
上述のネットワークサーバは、前記操作情報を記憶する記憶装置を更に含むことができる。
【0021】
この構成によれば、操作情報を含む特定プログラム、マークアップ言語、スクリプト言語などを予め用意することができ、操作情報の送信が簡易なものとなる。
【0022】
更に本発明により、ユーザの操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報を含む送信情報、及び受信情報を送受信する携帯端末と、前記送信情報を受信し、前記操作情報を含む情報を生成し、前記携帯端末に送信するネットワークサーバと、前記携帯端末と前記ネットワークサーバを互いに通信可能に接続するネットワークと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0023】
このシステム下では、携帯端末の操作処理を、操作情報に応じて柔軟に適合させることが可能となり、かつ携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0024】
更に本発明により、携帯端末から受信情報を受信し、前記受信情報をもとに、当該携帯端末の操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報の送信が必要か否かを判定し、前記操作情報の送信が必要と判定された場合、前記操作情報を含む送信情報を生成し、前記送信情報を前記携帯端末に送信する、ネットワーク通信方法が提供される。
【0025】
この通信方法によっても、携帯端末の操作処理を、操作情報に応じて柔軟に適合させることが可能となり、かつ携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0026】
また、上述のネットワーク通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、新たなプログラム等の外部データに応じて柔軟に携帯端末の操作キーを対応させることができ、かつ該外部データを操作する携帯端末の操作性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1に示した本発明の一実施形態に係るネットワークシステム300は、携帯端末100と、ネットワークサーバ(サーバ)200と、及び両者を接続するネットワーク(通信回線)400より構築される。尚、携帯端末100は、基地局500を介してネットワーク400に無線接続されている。ネットワーク400は、電話回線網やインターネットから構成される。
【0029】
携帯端末100は、アンテナ101と、送受信部103と、通信プロトコル制御部105と、情報処理部107と、情報レイアウト処理部109と、操作制御部111と、を備える。更に、携帯端末100は、加速度検出部113と、加速度センサ115と、圧力検出部117と、圧力センサ118と、ボタン操作検出部119と、ボタン121と、画像制御部123と、液晶表示装置により構成されたディスプレイ125とを備える。
【0030】
サーバ200から、ネットワーク400、基地局500を介して送信された通信データは、アンテナ101、送受信部103により受信される。そして受信された通信データ(受信情報)は、通信プロトコル制御部105にて通信プロトコル制御に付され、情報処理部107にてその内容が解釈される。情報レイアウト処理部109は、解析された受信データをディスプレイ125に表示するための種々の処理を行う。情報処理部107と情報レイアウト処理部109は、受信データを解釈して、後述する受信データ中の操作情報を表現する画像を生成する画像生成部を構成する。また、情報処理部107は、後述するように、ディスプレイ125に表示された操作情報を参照したユーザにより指定される指定情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部をも構成する。
【0031】
操作制御部111は、ユーザによる携帯端末100への操作、具体的には操作入力部を構成するボタン121の操作に基づき、他の部分の制御を行う。すなわち、操作制御部は、ユーザと携帯端末100のインターフェース的な役割を担う。
【0032】
ボタン121は、携帯端末100の筐体、もしくは、携帯端末100の筐体に接続された外部装置に配置され、ユーザの入力を受け付ける部分であり、その形状、配置位置等は特に限定されない。また、ボタン操作検出部119は、ボタン121の操作を検出するものであり、ボタン操作検出部119とボタン121により、ユーザによる携帯端末100の操作を入力する操作入力部が構成される。
【0033】
加速度検出部113と加速度センサ115、または圧力検出部117と圧力センサ118は、ユーザのボタン121に対する操作を検知し、当該操作の物理的操作量(押し下げ力、押し下げ速度、押し下げ時間等)を検出する検出装置を構成する。各センサ115,117は、ピエゾ素子等、外部の物体より伸縮・屈曲等の力が印加されると変形し、所定の電圧を発生する(圧電効果)ものより構成することができる。このような圧電体の形状、素材等は特に限定されず、種々のものを利用することができる。もちろん、他の種類の検出装置を採用することもできる。
【0034】
尚、本実施形態では、加速度を検出する検出装置(加速度検出部113と加速度センサ115)と圧力を検出する検出装置(圧力検出部117と圧力センサ118)の二つが設けられているが、いずれか一方の検出装置のみを設けることができる。
【0035】
画像制御部123とディスプレイ125は画像を表示する表示部を構成する。画像制御部123はディスプレイ125を制御するドライバの役割を果たし、情報レイアウト処理部109によって処理された受信データをディスプレイ125に表示する。本実施形態では、ディスプレイ125は擬似3次元表示ディスプレイにより構成される。
【0036】
サーバ200は、送受信部201、通信プロトコル制御部203、制御部205、記憶装置207、情報生成部209、パラメータ処理部211を備える。
【0037】
携帯端末100から、基地局500、ネットワーク400を介して送信された通信データは、送受信部201により受信される。そして受信された通信データ(受信情報)は、通信プロトコル制御部203にて通信プロトコル制御に付される。
【0038】
そして、受信された通信データの内容に応じ、制御部205は、記憶装置207、データ生成部209、パラメータ処理部211を制御し、通信データを処理に付する。制御部205、パラメータ処理部211は、受信データをもとに、携帯端末100の操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報の送信が必要か否かを判定する判定部を構成する。また、データ生成部209は、操作情報の送信が必要と判定された場合、操作情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部を構成する。
【0039】
次に、携帯端末100とサーバ200の処理の流れを、処理フローを用いて説明する。
【0040】
図2は、携帯端末100の処理フローを示す。まず、ユーザにより、ネットワーク400を介した外部への、所定のプログラム、コンテンツ、アプリケーション等のデータ取得要求(ダウンロード)の操作入力がなされ、データ取得要求がサーバ200へ発行される(ステップS21)。その返答としてサーバ200からデータを受信すると、受信データの内容を、情報処理部107、レイアウト処理部109は解釈する(ステップS22)。そして、解釈されたデータから画像が生成され、画面制御部123は、当が画像をディスプレイ125に表示する(ステップS23)。その後、携帯端末100に対するユーザによる操作が検知されると(ステップS24)、その操作が、端末の終了操作か否かが判定される(ステップS25)。終了操作の場合は、処理を終了する(ステップS25;Yes)。
【0041】
終了操作でない場合(ステップS25;No)、当該操作は、その圧力または加速度のような物理的操作量に対応したものであるか否か(当該操作が指定情報を含むか否か)が判定される(ステップS26)。当該操作が物理的操作量に対応していないと判定された場合(ステップS26;No)、当該操作が外部データの取得操作(特定プログラムの要求)であるか否かが判定され(ステップS27)、外部データの取得操作である場合は(ステップS27;Yes)、ステップS22に戻って、データ取得要求が発行され、ステップS22移行の処理が再び行われる。外部データの取得操作でない場合は(ステップS27;No)、ステップS23に戻って、所定の画像表示がなされ、ステップS24以降の処理が再び行われる。
【0042】
一方、ユーザの操作が、物理的操作量に対応していると判定された場合(ステップS26;Yes)、物理的操作量をパラメータの一つとして有するユーザの操作内容(指定情報)が判定される(ステップS28)。そして当該操作が終了操作の場合は、処理を終了する(ステップS29;Yes)。終了操作でない場合(ステップS29;No)、当該操作が外部データの取得操作であるか否かが判定され(ステップS27)、外部データの取得操作である場合は(ステップS27;Yes)、ステップS21に戻って、データ取得要求が発行され、ステップS22移行の処理が再び行われる。外部データの取得操作でない場合は(ステップS27;No)、ステップS23に戻って、所定の画像表示がなされ、ステップS24以降の処理が再び行われる。
【0043】
図3は、サーバ200の処理フローを示す。まず、サーバ200は、携帯端末100からデータ取得要求(ダウンロード)を待つ(ステップS31)。当該要求(受信情報)を受信すると、その内容を解釈する(ステップS32)。そして、解釈された要求が端末100との通信の終了である場合は(ステップS33;Yes)、ステップS31に戻り、再び要求待ちの状態に入る。
【0044】
一方、解釈された要求が端末100との通信の終了でない場合は(ステップS33;No)、当該要求が物理的操作量に関する操作情報(パラメータ)の要求(特定プログラムの要求)であるか否かが判定される(ステップS34)。そして、該要求が操作情報の要求である場合(ステップS34;Yes)、操作情報の取得処理がなされ(ステップS35)、端末100へのメッセージ(送信情報)が生成される(ステップS36)。一方、該要求が物理的操作量に関する操作情報の要求でない場合(ステップS34;No)、直接端末100へのメッセージが生成される(ステップS36)。生成されたメッセージの送信後(ステップS37)、ステップS31に戻り、再び要求待ちの状態に入る。
【0045】
尚、ステップS35における処理は、端末からの取得要求中の操作情報に依存する。例えば、パラメータ処理部211にて、操作情報を処理し、情報生成部209にて、操作情報に対応した、または操作情報を含む特定プログラム、メッセージを生成することが可能である。また、特定プログラムが記憶装置207に記憶されている場合は、記憶装置207から対応するプログラムを抽出し、情報生成部209にてメッセージを作成することができる。
【0046】
上述した通り、図2のステップS27において、物理的操作量に対応した操作情報の要求を含む送信情報がサーバ200に送られる。言い換えると、携帯端末100の操作結果をサーバ200に通知する際のメッセージを拡張し、物理的操作量(強さ、速度、時間等)の情報をサーバ200に通知可能とする。この処理により、サーバ200側で携帯端末100のユーザの物理的操作量に応じた処理が可能となる(ステップS35〜S37)。
【0047】
図4は、携帯端末100と、サーバ200との間の通信の手順を示すシーケンス図であり、図2、3で示された処理フローを時間経過に沿って示したものである。ユーザ、携帯端末100、サーバ200の間でのデータ、メッセージ等の送受信手順が示されている。 尚、(S21)等の表示は、図2、図3中の対応するステップを意味する。
【0048】
図5は、本実施形態の携帯端末100のディスプレイ125における表示の例である。 本実施形態では、ディスプレイ125による表示は、擬似3次元(擬似3D)表示方式を採用している。ディスプレイ125に表示されたホテルの検索画面において、ホテルの宿泊希望料金に応じて選択項目が、1)10000円以下、2)10000−20000円、3)20000円超の三つ用意されている。そして、擬似3次元表示において、手前から1)、2)、3)の順に項目が配置されている。すなわち、擬似3次元表示ディスプレイにおいて、擬似奥行き表示が実現されている。
【0049】
この擬似奥行きは、ボタンの押し下げ力に対応している。ユーザのボタン押下力が弱い場合、最も手前の「10000円以下」の項目が選択される。ボタン押し下げ力を更に強めると、「10000−20000円」の項目が選択される。更にボタン押し下げ力を強めると、「20000円超」の項目が選択される。このように、キー押し下げの強さによって、選択項目が変化する。尚、選択項目がハイライト表示される。この例において、選択対象である項目1)が指定情報に対応している。指定情報はユーザの物理的操作量に対応し、検出装置によって検出される対象物である。
【0050】
このように操作画面を擬似3次元で表現した場合、キー操作の物理的操作量(強さ、速度、時間等)に応じて画面表示を更新することができ、より直感的な操作を実現することが可能となる。
【0051】
尚、上述の例において、項目3)の選択後、そのまま、項目3)の選択を維持したい場合と、項目2)又は項目1)に選択対象を変えたい場合がある。このような場面を想定し、例えば押し下げをゆっくりと戻した場合、項目2)又は項目1)に選択が戻り、押し下げをすばやく離した場合、項目3)の選択が維持されるよう、予め決めておくことができる。
【0052】
図6は、圧力センサを用いた場合の、項目選択の判定例を示す。押し下げ過程における所定時間に、圧力が所定値を超えた場合、擬似3次元表示上のより奥にある項目が選択される。具体的には以下のようになされる。
【0053】
時点A)圧力値が境界値を超過したので、項目選択が開始される。
時点B)圧力値が項目境界値を超えたので、選択項目が変更される(項目1→項目2)。
時点C)圧力値が項目境界値を超えたので、選択項目が変更される(項目2→項目1)。
時点D)単位時間あたりの圧力変化ΔPが所定量を超過したので、項目選択を終了する。
【0054】
尚、上記の手順は、圧力センサを用いた項目選択処理の一つの例であり、最大の圧力値をもとに選択項目を決定するといった他の方法を用いることができる。
【0055】
図7は、ネットワークサーバからダウンロードされるプロトコルステートメント(記述言語の仕様等)の拡張の例を示す。この拡張部分により、携帯端末上で擬似3次元操作画面が表現可能となる。この例では基礎となる記述言語はHTML(Hyper Text Markup Language)である。図7(a)は、従来技術下の記述言語の例である。一方、本発明下の記述言語は、図7(b)に示すようにキー押し下げの強さに応じた複数の選択項目の記述(拡張部分)を含む。この記述が上述した操作情報に対応する。
【0056】
この記述の中で、<option value>= “1” strength min= ”1” max=”20”>の部分は、図5における上述の項目1)の選択に対応し、ボタンの押し下げ力が1から20の範囲(単位は任意)の場合、項目1)が選択される。
【0057】
本発明で使用される携帯端末は、ネットワークを介してサーバと通信可能なものであれば何でも良く、特に限定はされない。携帯端末の例としては、携帯電話、PHS、PDA、携帯テレビ電話、パーソナルコンピュータ等があるが、本発明の適用範囲はこれらにも限定はされない。
【0058】
また、携帯端末中の操作入力部は、種々の形態が考えられる。押し下げ式のボタンのみならず、スティック、スライドボタン、十字キー等を採用することができ、形状に対応して、検出装置を携帯端末に組み込むことができる。
【0059】
また、上述の実施形態では、検出装置の検出対象である物理的操作量は、ボタンの押し下げ力(圧力)、ボタンの押し下げ時間であったが、その他の操作量を検出対象とすることができる。例えばボタンの押し下げ速度が検出対象であっても良い。ユーザの操作入力部に対する操作にかかわる何らかの物理的、機械的な指標であれば、あらゆる操作量を物理的操作量に採用することができる。例えば、操作入力部の変形量を物理的操作量に採用することができる。
【0060】
さらに、上述の実施形態では、基本的に通常の2次元液晶ディスプレイで構成された擬似3次元表示ディスプレイが使用されているが、3次元液晶ディスプレイを用いることもできる。その他、有機EL、電子ペーパ等、物理的操作量に対応した操作情報を表現し、かつユーザが指定情報を指定できるものであれば、その種類は限定されない。また、操作情報を表現する画像は必ずしも3次元表示されるものでもなく、2次元表示であってもよい。例えば、ボタンの押し下げ力に応じて棒グラフが延びるような画像表示は2次元表示にて達成することができる。操作情報を表現する画像であれば、種々の形態を採用することができ、その種類は限定されない。
【0061】
また、携帯端末から要求される外部データは、種々のプログラム、コンテンツ、アプリケーション等であり、その中に操作情報を含むものであれば特に限定はされない。
【0062】
さらに、操作情報が盛り込まれる記述言語の種類もHTMLには限定されず、WML(Wireless Markup Language)、SVG(Scalable Vector Graphics)、VRML(Virtual Reality Modeling Language)等、種々の言語を採用することができる。
【0063】
さらに、本発明には、上述したネットワーク通信方法も含まれる。そして、この通信方法の各ステップを、ネットワークサーバを構成するコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明に含まれる。このようなプログラムは、種々の形式で全体のシステムに組み込まれる。例えばネットワークサーバ内又はネットワークサーバの外部の装置内の所定のメモリにプログラムを記録することができる。また、ハードディスクのような情報記録装置や、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカードのような情報記録媒体にプログラムを記録してもよい。
【0064】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書及び図面の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、新たなプログラム等の外部データに応じて柔軟に携帯端末の操作キーを対応させることができ、かつ該外部データを操作する携帯端末の操作性を改善することのできる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ネットワークシステムのブロック図。
【図2】携帯端末の処理フロー。
【図3】サーバの処理フロー。
【図4】携帯端末とサーバ間の通信手順を示すシーケンス図。
【図5】携帯端末のディスプレイにおける項目選択表示の例。
【図6】圧力センサを用いた場合の項目選択の判定例。
【図7】プロトコルステートメントの拡張の例。
【符号の説明】
【0067】
100 携帯端末
101 アンテナ
105 通信プロトコル制御部
107 情報処理部
109 情報レイアウト処理部
111 操作制御部
113 加速度検出部113
115 加速度センサ
117 圧力検出部117
118 圧力センサ
119 ボタン操作検出部
121 ボタン
123 画面制御部
125 ディスプレイ
200 サーバ
201 送受信部
203 通信プロトコル制御部
205 制御部
207 記憶装置
209 データ生成部
211 パラメータ処理部
300 ネットワークシステム
400 ネットワーク
500 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を入力する操作入力部と、
ユーザの前記操作入力部に対する操作を検知し、当該操作の物理的操作量を検出する検出装置と、
前記物理的操作量に対応した操作情報を含む受信情報を外部から受信する受信部と、
前記受信情報を解釈して、前記操作情報を表現する画像を生成する画像生成部と、
前記画像を表示する表示部と、
前記表示画像中の前記操作情報を参照したユーザにより指定される指定情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部と、
前記送信情報を外部へ送信する送信部とを備え、
前記指定情報は、前記操作入力部に対するユーザの操作の物理的操作量に対応し、前記検出装置によって検出されるものである、携帯端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末であって、
前記受信情報が、前記操作情報に対応した付加的な記述を含む言語により構成される、携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は2記載の携帯端末であって、
前記表示部が、擬似3次元画面を表示する、携帯端末。
【請求項4】
請求項1記載の携帯端末であって、
前記操作入力部がボタンより構成され、
前記物理的操作量が該ボタンへの押し下げ力、該ボタンへの押し下げ速度、及び該ボタンへの押し下げ時間のいずれか少なくとも一つに対応する、携帯端末。
【請求項5】
請求項4記載の携帯端末であって、
前記表示部が擬似3次元画面を表示し、
前記操作情報が3次元表示により表現されるものである場合、該擬似3次元画面は、前記ボタンの押下力、押下速度、押下時間の少なくともいずれか一つに対応した擬似奥行き表示を表現する、携帯端末。
【請求項6】
携帯端末とネットワークを介して通信可能なネットワークサーバであって、
当該携帯端末から受信情報を受信する受信部と、
前記受信情報が、当該携帯端末の操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報の要求を含むか否かを判定する判定部と、
前記受信情報が前記操作情報の要求を含むと判定された場合、前記操作情報を含む送信情報を生成する送信情報生成部と、
前記送信情報を前記携帯端末に送信する送信部と、を備えるネットワークサーバ。
【請求項7】
請求項6記載のネットワークサーバであって、
前記操作情報を記憶する記憶装置を更に含む、ネットワークサーバ。
【請求項8】
ユーザの操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報を含む送信情報、及び受信情報を送受信する携帯端末と、
前記送信情報を受信し、前記操作情報を含む情報を生成し、前記携帯端末に送信するネットワークサーバと、
前記携帯端末と前記ネットワークサーバを互いに通信可能に接続するネットワークと、を備えるネットワークシステム。
【請求項9】
携帯端末から受信情報を受信し、
前記受信情報をもとに、当該携帯端末の操作入力部に対する操作の物理的操作量に対応した操作情報の送信が必要か否かを判定し、
前記操作情報の送信が必要と判定された場合、前記操作情報を含む送信情報を生成し、
前記送信情報を前記携帯端末に送信する、ネットワーク通信方法。
【請求項10】
請求項9記載の各ステップを、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−209340(P2006−209340A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18522(P2005−18522)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】