説明

携帯端末、情報通知方法、プログラム及び通信システム

【課題】携帯端末が現在地の位置情報をサーバ装置へ送信することを規制することにより、サーバ装置の処理負荷を低減する。
【解決手段】携帯端末1の制御部130は、GPS測位部105から取得した現在地の位置情報及びサーバ装置2から受信して記憶したエリア情報により、エリア情報の示すエリアの範囲内に携帯端末1が存在するか否かの判定を行う。携帯端末1がエリア内に存在すると判定した場合、サーバ装置2への位置情報の送信を停止し、所定時間待機した後、新たな位置情報をGPS測位部105から取得し、携帯端末1がエリアの範囲内に存在するか否かの判定を再度行う。一方、携帯端末1がエリア外に存在すると判定した場合、サーバ装置2への位置情報の送信を行い、新たなエリア情報を受信し記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末が存在する地域等の領域(エリア)に応じたサービスを提供する通信システムに用いられ、現在地の位置情報を取得し、その現在地の位置情報をサーバ装置へ通知する携帯端末、位置情報を通知する方法、プログラム及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末が存在する現在地を判定し、その現在地を含むエリアに応じたサービス(例えば、広告配信サービス)を提供する通信システムが知られている。この通信システムは、携帯端末が、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いて定期的に自らの現在地の位置情報を取得し、その位置情報をサービスセンターに設置されたサーバ装置へ送信し、サーバ装置が、その位置情報に基づいて携帯端末が存在するエリア(携帯端末の現在地の位置情報を含むエリア)を判断するようになっている。
【0003】
また、携帯端末の現在地を含むエリアに応じたサービスを提供する通信システムにおいて、携帯端末の現在地を含むエリアを判断する手法として、特許文献1に記載のものがある。この通信システムは、複数の位置情報送信装置が自らの位置情報をそれぞれ送信し、携帯端末が、複数の位置情報送信装置から送信された位置情報のうち、実際に受信できた位置情報に基づいて携帯端末のエリアを判断するようになっている。
【特許文献1】特開2006−20180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前者の通信システムでは、サーバ装置が携帯端末の存在するエリアを判断することから、携帯端末は、GPSを用いて位置情報を取得する毎にその位置情報をサーバ装置へ送信する。このため、携帯端末からサーバ装置への位置情報の送信量が多くなり、それに伴ってサーバ装置の処理負荷が高くなってしまう。
【0005】
また、後者の特許文献1の通信システムでは、携帯端末が自らのエリアを判断することから、携帯端末は、受信した位置情報に基づいてエリアを判断するための各種情報を保有する必要がある。このため、携帯端末は、各種情報を保有するためのメモリが必要になり、そのメモリ量が大きくなってしまう。仮に、前者の通信システムと同様に、携帯端末が位置情報をサーバ装置へ送信し、サーバ装置がその位置情報に基づいて携帯端末の存在するエリアを判断するように構成した場合であっても、携帯端末は位置情報送信装置から位置情報を受信する毎にその位置情報をサーバ装置へ送信することになるから、それに伴ってサーバ装置の処理負荷が高くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、携帯端末が現在地の位置情報をサーバ装置へ送信し、サーバ装置がその位置情報に基づいて携帯端末が存在するエリアを特定する通信システムにおいて、携帯端末が現在地の位置情報をサーバ装置へ送信することを規制することにより、サーバ装置の処理負荷を低減可能な携帯端末、情報通知方法、プログラム及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、携帯端末の現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する前記携帯端末において、現在地の位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信されたエリアの情報を記憶するエリア情報記憶手段と、前記取得手段により取得した現在地の位置情報が、前記エリア情報記憶手段に記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定する位置判定手段と、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制する規制手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記送信手段による位置情報の送信後、前記サーバ装置から前記現在地を含むエリアの情報を受信する受信手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末において、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定したときに、前記送信手段は、前記サーバ装置へ前記位置情報を送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3までのいずれか1項に記載の携帯端末において、前記携帯端末の移動速度を算出する算出手段と、前記算出手段により算出した移動速度が、所定速度以上であるか否かを判定する速度判定手段と、を備え、前記規制手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定され、かつ、前記速度判定手段により前記算出した移動速度が前記所定速度以上であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1〜4までのいずれか1項に記載の携帯端末において、前記取得手段により取得した現在地の位置情報と前記受信手段により受信したエリアの情報とに基づいて、前記携帯端末の現在地を前記エリア内で特定する特定手段と、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による位置情報の送信の規制内容を、前記特定手段により特定した位置に応じて変更する規制内容変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1項〜5までのいずれか1項に記載の携帯端末において、前記取得手段により現在地の位置情報を取得した時点または前記位置判定手段により判定した時点から、前記取得手段により次に現在地の位置情報を取得するまでの時間を所定時間として設定する設定手段を備え、前記設定手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記所定時間を設定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の携帯端末において、前記設定手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定され、かつ、前記速度判定手段により前記算出した移動速度が前記所定速度以上であると判定されると、前記所定時間よりも長い時間を所定時間として設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項6に記載の携帯端末において、前記設定手段は、前記特定手段により特定した前記エリア内における前記携帯端末の現在地に応じて、所定時間を設定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、コンピュータを、請求項1〜8のいずれか1項に記載の携帯端末の各手段として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0016】
また、請求項10の発明は、現在地の位置情報を取得し、当該位置情報をサーバ装置へ送信する携帯端末による情報通信方法において、前記サーバ装置から送信されたエリアの情報を記憶するステップと、前記取得した現在地の位置情報が、記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定するステップと、前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定すると、前記位置情報の送信を規制するステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11の発明は、携帯端末の現在地の位置情報を、前記携帯端末からサーバ装置へ送信する通信システムにおいて、前記サーバ装置は、前記携帯端末から受信した前記位置情報に応じて、前記携帯端末の前記現在地を含むエリアの情報を前記携帯端末へ送信するエリア情報送信手段を備え、前記携帯端末は、前記現在地の位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信された前記エリアの情報を記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得した現在地の位置情報が、前記記憶手段に記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定する位置判定手段と、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制する規制手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、サーバ装置から受信したエリア情報の示すエリア内に携帯端末が存在する場合等の所定の場合に、携帯端末が現在地の位置情報をサーバ装置へ送信することを規制するようにした。これにより、サーバ装置は、携帯端末から位置情報を受信する回数を減らすことができるから、その受信に伴う処理負荷を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。本発明の実施形態は、携帯端末の現在地を含むエリアに応じたサービスの提供を実現する通信システムに適用するものであり、携帯端末の現在地の位置情報を取得してサーバ装置へ送信する複数の携帯端末と、その現在地の位置情報を受信して現在地を含むエリアを特定し、エリア情報として携帯端末へ送信するサーバ装置とを備えて構成される通信システムにおいて、携帯端末が位置情報の送信を規制することにより、サーバ装置の処理負荷を軽減するものである。携帯端末が送信規制を行うのは、サーバ装置から受信したエリア情報の示すエリア内に携帯端末が存在するとき、または、サーバ装置から受信したエリア情報の示すエリア外に携帯端末が存在し、かつ、携帯端末の移動速度が所定速度以上であるときである。また、このときに、携帯端末が位置情報の取得を規制することにより、位置情報の取得に伴う携帯端末の電池の消耗を抑える。以下、通信システム、携帯端末及びサーバ装置の構成について説明し、その後に、携帯端末による位置情報送信処理及びサーバ装置によるエリア情報送信処理について説明することにより、携帯端末による位置情報の送信規制及び取得規制の内容について明らかにする。
【0020】
[1.通信システム、携帯端末及びサーバ装置の構成]
まず始めに、本発明の実施形態における通信システム、携帯端末及びサーバ装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態における通信システムの概略構成を示す図である。図2は、図1の通信システムにおける携帯端末の構成を示す図である。図3は、図1の通信システムにおけるサーバ装置の構成を示す図である。
【0021】
[1.1 通信システム]
まず、通信システムの構成について説明する。図1を参照して、この通信システムは、ネットワーク3を介して接続される複数の携帯端末1A,1B,1C,・・・(以下、携帯端末を総称する場合及び個々の携帯端末を示す場合は、単に「携帯端末1」という。)及び1台のサーバ装置2とから構成される。携帯端末1は、例えば携帯電話であり、電話回線網のネットワーク3を介して所望の相手(固定電話、携帯電話等)と通話することができ、また、インターネット等のネットワーク3を介してサーバ装置2との間で情報の送受信を行う。サーバ装置2は、サービスセンター20に設置され、携帯端末1に対して、携帯端末1の現在地を含むエリアに応じた各種情報を提供するサービスを行う。
【0022】
携帯端末1は、現在地の位置情報をGPSにより取得し、その位置情報を、ネットワーク3を介してサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2は、携帯端末1の現在地の位置情報を受信すると、記憶装置203に記憶されたエリア情報DBを用いてその現在地を含むエリアを特定し、そのエリア情報を、位置情報を送信してきた携帯端末1へ送信する。これにより、携帯端末1は、現在地を含むエリアを認識することができる。そして、携帯端末1を所持するユーザの移動に伴い、現在地の位置情報をGPSにより再度取得し、携帯端末1が、サーバ装置2から受信した(サーバ装置2が認識している)エリア内に存在するか否かを判定する。また、サーバ装置2は、携帯端末1の現在地を含むエリアに応じた各種情報を、所定のタイミングにて携帯端末1へ送信する。これにより、携帯端末1のユーザは、自分が存在するエリアに関する情報を得ることができる。
【0023】
[1.2 携帯端末]
次に、携帯端末1の構成について説明する。図2を参照して、この携帯端末1は、CPU(Central Processing Unit)101と、各種プログラムやテーブル等を記憶する書き換え可能な記憶部102と、自携帯端末1の端末IDや個人情報等の各種データを記憶する記憶装置103と、ネットワーク3を介して通信を行うための通信部104と、GPS衛星との間の通信により自携帯端末1の現在地の位置情報(緯度及び経度)を検出するGPS測位部105と、ユーザによる数字キー、電源キー等のボタンキーの操作に伴い、所定のデータを入力制御する操作・入力部106、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により実現され、ユーザが携帯端末1を操作するためのメニュー画面、携帯端末1の現在地を含むエリアに応じた各種情報等を表示する表示部107と、充電可能が電池を備え、携帯端末1として機能させるための電源を供給する電源部108とを備えて構成され、これらの各構成要素はシステムバス109を介して相互に接続されている。また、CPU101及び記憶部102により制御部130を構成している。
【0024】
(記憶部102について)
記憶部102には、携帯端末1の基本的な機能を提供するためのOS(オペレーティングシステム)プログラム120、通信部104を介してサーバ装置2との間で通信を行う通信プログラム121、GPS測位部105により自携帯端末1の現在地の位置情報を取得し、サーバ装置2から受信したエリア情報を記憶し、所得した現在地の位置情報が、記憶したエリア情報の示すエリア内の位置情報であるか否かを判定する等の各種処理を行い、位置情報をサーバ装置2へ送信し、所定の場合にサーバ装置2への送信を規制する位置情報送信プログラム122等が記憶されている。
【0025】
ここで、OSプログラム120は、CPU101によって読み出されて実行されることにより、携帯端末1の基本的な機能として、ボタンキーの操作入力に関する機能、記憶部102や記憶装置103のメモリ管理に関する機能等を実現する。そして、このOSプログラム120がCPU101によって実行された状態で、前述の通信プログラム121、位置情報送信プログラム122等が実行される。
【0026】
(制御部130について)
制御部130は、前述のようにCPU101及び記憶部102から構成され、CPU101が記憶部102に記憶された各種プログラム120〜122等を読み出して実行することにより、携帯端末1全体を統括制御する。
【0027】
ここで、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリアの範囲内に携帯端末1が存在するときに、サーバ装置2への位置情報の送信を規制する。具体的には、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、自携帯端末1の現在地の位置情報をGPS測位部105から取得する取得手段として機能し、その現在地の位置情報をサーバ装置2へ送信する送信手段として機能し、送信した現在地の位置情報に対し、その現在地を含むエリアのエリア情報を受信する受信手段として機能し、受信したエリア情報を記憶するエリア情報記憶手段として機能する。また、現在地の位置情報とエリア情報とを用いて、携帯端末1がそのエリア内に存在するか否かを判定する位置判定手段として機能し、携帯端末1がそのエリア内に存在すると判定した場合に、送信手段による位置情報の送信を規制する規制手段として機能する。ここで、規制手段は、位置判定手段により携帯端末1がそのエリア内に存在すると判定した場合に、送信規制の指示を送信手段に出力する。送信手段は、送信規制の指示を規制手段から入力すると、サーバ装置2への位置情報の送信を停止する。一方、規制手段は、位置判定手段により携帯端末1がそのエリア外に存在すると判定した場合に、送信規制の解除を送信手段に出力する。送信手段は、送信規制の解除を規制手段から入力すると、サーバ装置2への位置情報の送信の停止を解除する。
【0028】
また、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリアの範囲外に携帯端末1が存在し、かつ、携帯端末1の移動速度が所定速度以上であるときに、サーバ装置2への位置情報の送信を規制する。具体的には、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、携帯端末1の移動速度を算出する算出手段として機能し、その移動速度が所定速度以上であるか否かを判定する速度判定手段として機能し、携帯端末1がそのエリア内に存在し、かつ、移動速度が所定速度以上であると判定した場合に、送信手段による位置情報の送信を規制する規制手段として機能する。
【0029】
また、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリア内における携帯端末1の現在地に応じて、サーバ装置2への位置情報送信の規制内容を変更する。具体的には、制御部130は、位置情報送信プログラム122により、そのエリア内で携帯端末1の現在地を特定する特定手段として機能し、携帯端末1がそのエリア内に存在すると判定した場合に、エリア内において特定した現在地に応じて、規制内容を変更する規制内容変更手段として機能する。また、取得手段により現在地の位置情報を取得した時点または位置判定手段により携帯端末1がエリア内に存在するか否かを判定した時点から、取得手段により次に現在地の位置情報を取得するまでの所定時間を設定する設定手段として機能する。
【0030】
[1.3 サーバ装置]
次に、サーバ装置2の構成について説明する。図3を参照して、このサーバ装置2は、CPU201と、各種プログラムやテーブル等を記憶する書き換え可能な記憶部202と、エリアを特定するための緯度及び経度の位置情報からなるエリア情報DB等の各種データを記憶する記憶装置(HDD)203と、ネットワーク3を介して携帯端末1との間で通信を行うための通信部204と、ユーザの操作により所定のデータを入力可能なキーボードやマウス等の入力手段を制御する操作・入力部205と、CPU201からイメージデータを受け取り表示器に表示する表示部206とを備えて構成され、これらの各構成要素はシステムバス207を介して相互に接続されている。また、CPU201及び記憶部202により制御部230を構成している。
【0031】
(記憶部202について)
記憶部202には、サーバ装置2のコンピュータとしての基本的な機能を提供するためのOSプログラム220、通信部204を介して携帯端末1との間で通信を行う通信プログラム221、携帯端末1から現在地の位置情報を受信すると、記憶装置203から読み出したエリア情報DBを用いて、その現在地の位置情報を含むエリアを特定し、そのエリア情報を、現在地の位置情報を送信してきた携帯端末1へ送信するエリア情報送信プログラム222等が記憶されている。
【0032】
ここで、OSプログラム220は、CPU201によって読み出されて実行されることにより、コンピュータの基本的な機能として、キーボードやマウスの入出力に関する機能、記憶部202や記憶装置203のメモリ管理に関する機能等を実現する。そして、このOSプログラム220がCPU201によって実行された状態で、前述の通信プログラム221、エリア情報送信プログラム222等が実行される。
【0033】
尚、OSプログラム220、通信プログラム221、エリア情報送信プログラム222等は、例えば、ネットワーク3に接続されたサーバ等(図示せず)から記憶部202にダウンロードされるようにしてもよく、また、CD−ROM等の記憶媒体に記録されてから当該記憶媒体を介して、記憶部202に読み込まれるようにしてもよい。
【0034】
(制御部230について)
制御部230は、前述のようにCPU201及び記憶部202から構成され、CPU201が記憶部202に記憶された各種プログラム220〜222等を読み出して実行することにより、サーバ装置2全体を統括制御する。
【0035】
ここで、制御部230は、エリア情報送信プログラム222により、携帯端末1から受信した現在地の位置情報に応じて、エリア情報DBによりその現在地の位置情報を含むエリアを特定し、そのエリア情報を、現在地の位置情報を送信してきた携帯端末1へ送信するエリア情報送信手段として機能する。
【0036】
[4.携帯端末の処理]
次に、携帯端末1の処理について説明する。まず、携帯端末1の処理として、第1の位置情報送信処理について説明する。図4は、図2に示した携帯端末1による第1の位置情報送信処理のフローを示す図である。この位置情報送信処理は、位置情報送信プログラム122により実現され、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリアの範囲内に携帯端末1が存在するときに、サーバ装置2への位置情報の送信を規制するものである。
【0037】
図4において、ユーザによる携帯端末1の電源のON操作または所定のボタンキー操作によりこの位置情報送信処理が開始すると、携帯端末1の制御部130は、サーバ装置2から受信したエリア情報を保有しているか否かを判定する(ステップS401)。エリア情報を保有していると判定した場合(ステップS401:Y)、ステップS404へ移行する。一方、エリア情報を保有していないと判定した場合(ステップS401:N)、GPS測位部105に対して位置情報の検出指示を出力し、GPS測位部105から携帯端末1の現在地の位置情報を入力する(ステップS402)。ここで、GPS測位部105は、制御部130から位置情報の検出指示を入力すると、実際にGPS衛星との間で通信を行って携帯端末1の緯度及び経度を検出し、この検出した情報を現在地の位置情報として制御部130に出力する。このようにして、制御部130は携帯端末1の現在地の位置情報を取得する。
【0038】
そして、制御部130は、サーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、サーバ装置2からエリア情報を受信して記憶する(ステップS403)。ここで、サーバ装置2は、携帯端末1から現在地の位置情報を受信すると、その現在地の位置情報を含むエリアを特定し、エリア情報を携帯端末1へ送信する。このようにして、制御部130はエリア情報を取得する。
【0039】
そして、制御部130は、ステップS402と同様に、現在地の位置情報を取得し(ステップS404)、その現在地の位置情報が、ステップS403において記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内であるか否かを判定する(ステップS405)。ここで、エリア情報は、エリアの範囲における北西点の緯度及び経度並びに南東点の緯度及び経度により構成されている(図9を参照。詳細については後述する。)。すなわち、制御部130は、このエリア情報の北西点及び南東点の位置情報から正方形または長方形のエリアを特定し、携帯端末1の現在地の位置情報が、特定したエリア内の位置情報に含まれるか否かを判定する。
【0040】
制御部130は、ステップS405において、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にあると判定した場合(ステップS405:Y)、所定時間待機し(ステップS406)、ステップS404へ移行する。つまり、携帯端末1が記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内に存在する場合は、ステップS406において所定時間待機した後、ステップS404において新たな現在地の位置情報を取得する。ここで、所定時間とは、ステップS405の判定処理を行ってから、ステップS404の新たな現在地の位置情報の取得処理を開始するまでの間の時間、または、ステップS404の現在地の位置情報を取得してから、ステップS405の判定処理を経てステップS404の新たな現在地の位置情報の取得処理を開始するまでの間の時間をいう。一方、ステップS405において、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にない(範囲外にある)と判定した場合(ステップS405:N)、ステップS403へ移行する。つまり、携帯端末1が記憶したエリア情報の示すエリアの範囲外に存在する場合は、ステップS403においてサーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、サーバ装置2から新たなエリア情報を取得し、その新たなエリア情報を記憶する。
【0041】
尚、この位置情報送信処理は、ユーザによる携帯端末1の電源のOFF操作または所定のボタンキー操作により終了する。
【0042】
このように、制御部130は、取得した現在地の位置情報が、記憶したエリア情報の示すエリアの範囲外にあると判定した場合、すなわち、携帯端末1がエリアの範囲外に存在する場合、サーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、新たなエリア情報を取得して記憶し、新たな位置情報を取得し、エリアの範囲内にあるか否かの判定を再度行う。一方、現在地の位置情報が、記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内にあると判定した場合、すなわち、携帯端末1がエリア情報の示すエリアの範囲内に存在する場合、所定時間待機した後、新たな位置情報を取得し、エリアの範囲内にあるか否かの判定を再度行う。つまり、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にある場合に限り、サーバ装置2へ現在地の位置情報を送信しないようにして送信を規制する。したがって、サーバ装置2は現在地の位置情報の受信回数を減らすことができるから、現在地の位置情報を受信してからエリアを特定しエリア情報を送信するまでの一連の処理を行う必要がなく、処理負荷を低減することができる。また、現在地の位置情報がエリアの範囲内にある場合に限り、位置情報の取得を制限する。これにより、GPS測位部105による検出頻度が低くなり、電源部108における電池の消耗を抑えることができる。
【0043】
次に、第2の位置情報送信処理について説明する。図5は、図2に示した携帯端末1による第2の位置情報送信処理のフローを示す図である。この位置情報送信処理は、位置情報送信プログラム122により実現され、図4に示した送信規制に加えて、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリアの範囲外に携帯端末1が存在し、かつ、携帯端末1の移動速度が所定速度以上であるときに、サーバ装置2への位置情報の送信を規制するものである。また、携帯端末1の移動速度が所定速度以上でないときに、すなわち携帯端末1が低速度で移動しているときに、GPSによる位置情報の取得を規制するものである。
【0044】
図5のステップS501〜ステップS504は、図4に示したステップS401〜ステップS404と同様であるので、説明を省略する。また、第2の位置情報送信処理の開始条件及び終了条件は、第1のものと同様である。
【0045】
携帯端末1の制御部130は、ステップS504においてGPS測位部105から現在地の位置情報を取得した後、ステップS502及びステップS504において取得した位置情報及び時刻情報を用いて、前回取得した位置情報と今回取得した位置情報との間の差分を計算し、その差分から携帯端末1の移動速度を計算する(ステップS505)。そして、移動速度と所定速度とを比較する(ステップS506)。
【0046】
制御部130は、ステップS506において、移動速度が所定速度以上でないと判定した場合(ステップS506:N)、所定時間を第1の所定時間に設定する(ステップS507)。一方、移動速度が所定速度以上であると判定した場合(ステップS506:Y)、所定時間を第2の所定時間に設定する(ステップS508)。ここで、第2の所定時間は、第1の所定時間よりも長い時間とする。具体的には、携帯端末1の移動速度が高速の場合に新たな現在地の位置情報を取得するまでの第2の所定時間は、携帯端末1の移動速度が低速の場合に新たな現在地の位置情報を取得するまでの第1の所定時間よりも長い時間とする。
【0047】
そして、制御部130は、ステップS504において取得した現在地の位置情報が、ステップS503において記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内であるか否かを判定する(ステップS509)。携帯端末1の現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にあると判定した場合(ステップS509:Y)、ステップS507またはステップS508において設定した所定時間の間待機し(ステップS510)、ステップS504へ移行する。つまり、携帯端末1がエリア情報の示すエリアの範囲内に存在する場合、携帯端末1が所定速度以上の高速で移動しているときは、低速で移動しているときよりも長い第2の所定時間の間待機した後、ステップS504において新たな現在地の位置情報を取得する。
【0048】
一方、制御部130は、ステップS509において、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にない(範囲外にある)と判定した場合(ステップS509:N)、ステップS505において計算した移動速度と所定速度とを比較する(ステップS511)。
【0049】
制御部130は、ステップS511において、移動速度が所定速度以上であると判定した場合(ステップS511:Y)、ステップS508において設定した第2の所定時間の間待機し(ステップS510)、ステップS504へ移行する。つまり、制御部130は、記憶しているエリア情報の示す範囲外に携帯端末1が存在し、かつ、移動速度が高速の場合は、第2の所定時間の間待機した後、ステップS504において新たな現在地の位置情報を取得する。
【0050】
一方、制御部130は、ステップS511において、移動速度が所定速度以上でないと判定した場合(ステップS511:N)、ステップS503へ移行する。つまり、記憶しているエリア情報の示す範囲外に携帯端末1が存在し、かつ、移動速度が低速の場合は、ステップS503においてサーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、サーバ装置2から新たなエリア情報を取得し、その新たなエリア情報を記憶する。
【0051】
このように、制御部130は、取得した現在地の位置情報が、ステップS503において記憶したエリア情報の示すエリアの範囲外にあると判定し、すなわち、携帯端末1がエリア情報の示すエリアの範囲外に存在し、携帯端末1の移動速度が所定速度以上でないと判定した場合、サーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、新たなエリア情報を取得して記憶し、ステップS509の判定を再度行う。一方、携帯端末1がエリア情報の示すエリアの範囲外に存在し、携帯端末1の移動速度が所定速度以上であると判定した場合、所定時間待機した後、新たな位置情報を取得し、ステップS505の判定を再度行う。つまり、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にある場合、または、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲外にあり、かつ、携帯端末1の移動速度が所定速度以上である場合に限り、サーバ装置2へ現在地の位置情報を送信しないようにして送信を規制する。したがって、サーバ装置2は現在地の位置情報の受信回数を減らすことができるから、現在地の位置情報を受信してからエリアを特定しエリア情報を送信するまでの一連の処理を行う必要がなく、処理負荷を低減することができる。
【0052】
また、制御部130は、移動速度が低速の場合、所定時間を第1の所定時間に設定し、移動速度が高速の場合、所定時間を第1の所定時間よりも長い第2の所定時間に設定するようにした。そして、取得した現在地の位置情報がエリアの範囲内にあるか否かを問わず、移動速度が高速の場合には、移動速度が低速の場合の第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得するようにした。これにより、移動速度が高速の場合、新たな現在地の位置情報を取得するタイミングが遅くなるから、GPS測位部105による検出頻度が低くなり、電源部108の電池の消耗を一層抑えることができる。
【0053】
次に、第3の位置情報送信処理について説明する。図6は、図2に示した携帯端末1による第3の位置情報送信処理のフローを示す図である。この位置情報送信処理は、位置情報送信プログラム122により実現され、図4に示した送信規制を行うと共に、サーバ装置2から受信したエリア情報の示すエリアの範囲内に携帯端末1が存在するときに、エリア内における携帯端末1の現在地に応じて、次に新たな現在地の位置情報を取得するまでの待機時間を変更するものである。
【0054】
図6のステップS601〜ステップS605及びステップS609は、図4に示したステップS401〜ステップS406と同様であるので、説明を省略する。図6の第3の位置情報送信処理は、図4に示した位置情報送信処理に加えて、ステップS606〜ステップS608を有している。また、第3の位置情報送信処理の開始条件及び終了条件は、第1のものと同様である。
【0055】
携帯端末1の制御部130は、ステップS605において、携帯端末1の現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にあると判定した場合(ステップS605:Y)、携帯端末1がエリアの中心から所定距離内に存在するか否かを判定する(ステップS606)。制御部130は、ステップS606において、携帯端末1がエリアの中心から所定距離内に存在すると判定した場合(ステップS606:Y)、後述するステップS609の所定時間として初期値を設定し(ステップS607)、その所定時間待機し(ステップS506)、ステップS604へ移行する。一方、ステップS606において、携帯端末1がエリアの中心から所定距離内に存在しないと判定した場合(ステップS606:N)、ステップS607の初期値よりも短い時間を所定時間として設定し(ステップS608)、その所定時間待機し(ステップS609)、ステップS604へ移行する。
【0056】
図7を参照して、例えば、制御部130は、ステップS606において、携帯端末1の現在地の位置情報が、エリア情報から求めたエリアの中心(中心の位置情報)から所定距離内(点線内部(1)の範囲内)の位置情報であるか、または、所定距離外(点線外部(2)の範囲内)であるかを判定する。そして、携帯端末1がエリアの中心から近くの領域(1)に存在すると判定した場合(ステップS606:Y)、ステップS609において初期値の所定時間待機した後、ステップS604において新たな現在地の位置情報を取得する。一方、携帯端末1がエリアの中心から遠くの領域(2)に存在すると判定した場合(ステップS606:N)、ステップS609において初期値よりも短い所定時間待機した後、ステップS604において新たな現在地の位置情報を取得する。
【0057】
一方、制御部130は、ステップS605において、現在地の位置情報がエリア情報の示すエリアの範囲内にない(範囲外にある)と判定した場合(ステップS605:N)、ステップS603へ移行する。つまり、記憶しているエリア情報の示す範囲外に携帯端末1が存在する場合は、ステップS603においてサーバ装置2へ現在地の位置情報を送信し、サーバ装置2から新たなエリア情報を取得し、その新たなエリア情報を記憶する。
【0058】
このように、制御部130は、エリア情報の示すエリアの範囲内に携帯端末1が存在し、ステップS606において携帯端末1がエリアの中心から近くの領域に存在すると判定した場合、初期値を所定時間として設定しその所定時間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得する。一方、ステップS606において携帯端末1がエリアの中心から遠くの領域に存在すると判定した場合、初期値よりも短い時間を所定時間として設定しその所定時間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得する。つまり、現在地の位置情報を取得するタイミングは、携帯端末1がエリアの中心から近くの領域に存在する場合よりも、中心から遠くの領域に存在する場合の方が早くなるようにした。これにより、携帯端末1がエリアの中心から遠い領域に存在する場合、すなわち、携帯端末1が他のエリアに近い場合、ステップS605において携帯端末1がエリアの範囲外に存在することを判定するタイミングが早くなる。
【0059】
[5.サーバ装置の処理]
次に、サーバ装置2の処理について説明する。図8は、図3に示したサーバ装置2によるエリア情報送信処理のフローを示す図である。このエリア情報送信処理は、エリア情報送信プログラム222により実現される。図8において、ユーザによるサーバ装置2の電源のON操作または所定のボタンキー操作によりこのエリア情報送信処理が開始すると、サーバ装置2の制御部230は、携帯端末1から現在地の位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS801)。携帯端末1から現在地の位置情報を受信していないと判定した場合(ステップS801:N)、受信するまで待つ。
【0060】
一方、制御部230は、ステップS801において、携帯端末1から現在地の位置情報を受信したと判定した場合(ステップS801:Y)、エリア情報DBにより、携帯端末1の現在地の位置情報を含むエリアを特定する(ステップS802)。図9は、エリア情報DBの構成を示す図である。エリア情報DBは、エリアID及びエリアの範囲の情報により構成され、エリアの範囲は、北西点の緯度及び経度の位置情報、並びに南東点の緯度及び経度の位置情報からなる。つまり、エリアの範囲は、北西点と南東点を頂点とした正方形または長方形の領域となり、その領域内の位置情報の集まりとなる。したがって、ステップS802では、制御部230は、携帯端末1の現在地の位置情報が、エリア情報DBにおけるエリアの範囲に含まれるか否かをエリアID毎に判定し、その範囲に含まれるエリアを特定する。
【0061】
そして、制御部230は、特定したエリアにおける北西点の緯度及び経度の位置情報並びに南東点の緯度及び経度の位置情報をエリア情報として、現在地の位置情報を送信してきた携帯端末1へ送信する(ステップS803)。
【0062】
尚、このエリア情報送信処理は、ユーザによるサーバ装置2の電源のOFF操作または所定のボタンキー操作により終了する。
【0063】
このように、サーバ装置2の制御部230は、携帯端末1の現在地の位置情報が含まれるエリアをエリア情報DBを用いて特定し、現在地の位置情報を含む北西点及び北東点の位置情報をエリア情報として携帯端末1へ送信する。これにより、携帯端末1は、自携帯端末1が存在するエリアを認識することができる。
【0064】
以上のように、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130は、サーバ装置2から受信して記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内に、GPSにより取得した当該携帯端末1の位置情報が存在すると判定した場合、現在地の位置情報をサーバ装置2へ送信しても以前受信した同じエリア情報を受信することになるから、サーバ装置2への位置情報の送信を停止するようにした。これにより、携帯端末1はサーバ装置2への位置情報の送信を行わないから、サーバ装置2は、携帯端末1からの位置情報の受信回数を減らすことができる。したがって、サーバ装置は、位置情報を受信してからエリアを特定しエリア情報を送信するまでの一連の処理を行う必要がなく、処理負荷を低減することができる。また、ユーザは通信料を安価に抑えることができる。
【0065】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130は、サーバ装置2から受信して記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内に、GPSにより取得した当該携帯端末1の位置情報が存在するか否かを判定し、エリアの範囲内に存在すると判定した場合、所定時間待機した後、新たな位置情報を取得してエリア内の存在の判定を再度行うようにした。これにより、GPS測位部105は、所定時間経過後に動作するから頻繁に動作することはない。したがって、携帯端末1は、電源部108においてGPS測位部105の動作に伴う電池の消耗を抑えることができ、ユーザは携帯端末1を長時間使用することができるようになる。
【0066】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130が、サーバ装置2から受信して記憶したエリア情報の示すエリアの範囲外に、GPSにより取得した当該携帯端末1の位置情報が存在すると判定した場合、かつ、携帯端末1の移動速度が所定速度以上であると判定した場合、携帯端末1が存在するエリアは短時間で変更されることになる可能性が高く、ユーザはそのエリアのサービスの提供を受ける必要性が低いから、サーバ装置2への位置情報の送信を停止するようにした。これにより、携帯端末1はサーバ装置2への位置情報の送信を行わないから、サーバ装置2は、携帯端末1からの位置情報の受信回数を減らすことができる。したがって、サーバ装置は、位置情報を受信してからエリアを特定しエリア情報を送信するまでの一連の処理を行う必要がなく、処理負荷を低減することができる。また、ユーザは通信料を安価に抑えることができる。
【0067】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130が、サーバ装置2から受信して記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内に、GPSにより取得した当該携帯端末1の位置情報が存在するか否かを判定し、エリアの範囲外に存在すると判定した場合、かつ、携帯端末1の移動速度が所定速度以上であると判定した場合、所定時間待機した後、新たな位置情報を取得してエリア内の存在の判定を再度行うようにした。これにより、GPS測位部105は、所定時間経過後に動作するから頻繁に動作することはない。したがって、携帯端末1は、電源部108においてGPS測位部105の動作に伴う電池の消耗を抑えることができ、ユーザは携帯端末1を長時間使用することができるようになる。
【0068】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130は、移動速度が所定速度以上でないと判定した場合、所定時間を第1の所定時間に設定し、移動速度が所定速度以上であると判定した場合、所定時間を第1の所定時間よりも長い第2の所定時間に設定するようにした。そして、制御部130は、取得した現在地の位置情報がエリアの範囲内にあるか否かを問わず、移動速度が高速の場合には、移動速度が低速の場合の第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得するようにした。これにより、エリアの内外を問わず、携帯端末1が高速に移動している場合には、GPS測位部105の動作する頻度は低い。したがって、携帯端末1が高速に移動している場合は、携帯端末1は電源部108における電池の消耗を一層抑えることができ、ユーザは携帯端末1をさらに長時間使用することができるようになる。
【0069】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130が、サーバ装置2から受信して記憶したエリア情報の示すエリアの範囲内に、GPSにより取得した当該携帯端末1の位置情報が存在すると判定した場合、携帯端末1がエリアの中心から近い領域に存在するときの所定時間よりも、遠くの領域に存在するときの所定時間を短く設定し、その所定時間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得するようにした。これにより、制御部130は、携帯端末1がエリアの中心に近い領域に存在するときよりも遠い領域に存在するときの方が、新たな現在地の位置情報を早期に取得し、エリアの範囲内に存在するか否かの判定を早期に行うことができる。したがって、携帯端末1は、エリアの範囲外に存在することを判定するタイミングが早くなり、結果として、ユーザはエリアに応じたサービスの提供を迅速に受けることができる。一方、GPS測位部105は、携帯端末1がエリアの中心に遠い領域に存在するときよりも近い領域に存在するときの方が、動作する頻度は低い。したがって、携帯端末1がエリアの中心に近い領域に存在しているときは、携帯端末1は電源部108における電池の消耗を一層抑えることができ、ユーザは携帯端末1をさらに長時間使用することができるようになる。
【0070】
また、本発明の実施形態によれば、携帯端末1の制御部130が、GPSにより取得した現在地の位置情報をサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2が、受信した現在地の位置情報に基づいて、エリア情報DBを用いて携帯端末1が存在するエリアを特定し、そのエリアをエリア情報として携帯端末1へ送信するようにした。これにより、携帯端末1は、自らが存在する現在地を含むエリアを認識することができる。また、従来の通信システム(特許文献1)では、携帯端末がエリアを特定するための各種情報を保有していたが、本発明の実施形態による携帯端末1では、サーバ装置2が、エリアを特定する各種情報であるエリア情報DBを保有するようにしたから、携帯端末1のメモリ量が少なくて済む。また、エリアに関する情報を変更するには、サーバ装置2の記憶装置203に記憶したエリア情報DBを一括して変更すればよく、個々の携帯端末1に対して何ら変更処理を施す必要がない。したがって、エリア情報を変更する際のコストが少なくて済む。
【0071】
以上、本発明の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。例えば、本発明は、広告配信サービスに適用することができるだけでなく、携帯端末1が存在するエリアに応じて各種情報を提供するサービスにも適用することができる。
【0072】
また、前記実施形態では、携帯端末1の制御部130が、図7に示したように、携帯端末1がエリアの中心から近い領域(1)に存在するときの所定時間よりも、遠くの領域(2)に存在するときの所定時間を短く設定し、その所定時間待機した後、新たな現在地の位置情報を取得するようにしたが、領域は2つである必要はなく、3以上の複数の領域であってもよい。また、その領域毎に所定時間を予め設定しておいてもよいし、領域毎に所定時間を設定するのではなく、例えば、エリアの中心からの距離に反比例するようにその距離に応じて所定時間を連続的に設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態における通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】携帯端末の構成を示す図である。
【図3】サーバ装置の構成を示す図である。
【図4】携帯端末による第1の位置情報送信処理(エリア内送信規制を含む)のフローを示す図である。
【図5】携帯端末による第2の位置情報送信処理(エリア外送信規制を含む)のフローを示す図である。
【図6】携帯端末による第3の位置情報送信処理(エリア内位置に応じた位置情報取得規制を含む)のフローを示す図である。
【図7】エリア内の位置に応じて待機時間を設定することの説明を補助する図である。
【図8】サーバ装置によるエリア情報送信処理のフローを示す図である。
【図9】サーバ装置に記憶されたエリア情報DBの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 携帯端末
2 サーバ装置
101,201 CPU
102,202 記憶部
105 GPS測位部
122 位置情報送信プログラム
222 エリア情報送信プログラム
130,230 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する前記携帯端末において、
現在地の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信されたエリアの情報を記憶するエリア情報記憶手段と、
前記取得手段により取得した現在地の位置情報が、前記エリア情報記憶手段に記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制する規制手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記送信手段による位置情報の送信後、前記サーバ装置から前記現在地を含むエリアの情報を受信する受信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定したときに、前記送信手段は、前記サーバ装置へ前記位置情報を送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末の移動速度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出した移動速度が、所定速度以上であるか否かを判定する速度判定手段と、を備え、
前記規制手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定され、かつ、前記速度判定手段により前記算出した移動速度が前記所定速度以上であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制することを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記取得手段により取得した現在地の位置情報と前記受信手段により受信したエリアの情報とに基づいて、前記携帯端末の現在地を前記エリア内で特定する特定手段と、
前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による位置情報の送信の規制内容を、前記特定手段により特定した位置に応じて変更する規制内容変更手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4までのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記取得手段により現在地の位置情報を取得した時点または前記位置判定手段により判定した時点から、前記取得手段により次に現在地の位置情報を取得するまでの時間を所定時間として設定する設定手段を備え、
前記設定手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記所定時間を設定することを特徴とする請求項1項〜5までのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記設定手段は、前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア外の位置情報であると判定され、かつ、前記速度判定手段により前記算出した移動速度が前記所定速度以上であると判定されると、前記所定時間よりも長い時間を所定時間として設定することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記設定手段は、前記特定手段により特定した前記エリア内における前記携帯端末の現在地に応じて、所定時間を設定することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜8のいずれか1項に記載の携帯端末の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
現在地の位置情報を取得し、当該位置情報をサーバ装置へ送信する携帯端末による情報通信方法において、
前記サーバ装置から送信されたエリアの情報を記憶するステップと、
前記取得した現在地の位置情報が、記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定するステップと、
前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定すると、前記位置情報の送信を規制するステップと、
を有することを特徴とする情報通知方法。
【請求項11】
携帯端末の現在地の位置情報を、前記携帯端末からサーバ装置へ送信する通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末から受信した前記位置情報に応じて、前記携帯端末の前記現在地を含むエリアの情報を前記携帯端末へ送信するエリア情報送信手段を備え、
前記携帯端末は、
前記現在地の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した現在地の位置情報をサーバ装置へ送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信された前記エリアの情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得した現在地の位置情報が、前記記憶手段に記憶された前記エリア内の位置情報であるか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段により前記取得した現在地の位置情報が前記エリア内の位置情報であると判定されると、前記送信手段による前記位置情報の送信を規制する規制手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−89092(P2009−89092A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256847(P2007−256847)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】