説明

携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】携帯端末内の情報を外部メモリへ容易にバックアップすることの可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】携帯端末内のタイマにて計測される時間が、ユーザが予め設定した時間になった場合に、携帯端末内のデータのうちユーザが選択したデータを、外部メモリへと自動的に記憶してバックアップ処理を行う。このとき、外部メモリが装着されていない場合や、外部メモリの空き容量が記憶するデータ量よりも少ない場合にはバックアップ処理を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリデータの自動バックアップ機能を搭載した携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯電話機などの携帯端末は多くの機能を搭載しており、一時的情報や常時登録情報を含め多くの情報を保有している。しかし、そのような情報も、携帯電話機の破損やユーザの誤操作などによって消失させてしまうことがあり、携帯電話機の情報が復活させることができない場合もある。
【0003】
そこで最近、特許文献1、特許文献2に記載された技術のように、各種情報をバックアップさせる処理機能を備えた発明が開示されている。特許文献1には、情報の所定の項目のみを処理対象としてバックアップ処理またはリストア処理をできるようにし、また、その実行指示を容易な操作で行えるようにする発明が記載されている。また、特許文献2には、携帯電話本体の中にある内部記憶部の容量の増加を抑えてメールデータの保存を可能とする記載が開示されている。
【特許文献1】特開2004−102465号公報
【特許文献2】特開2005−100129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術として、携帯電話機がメモリカードなどの外部記憶媒体に対応している場合にはバックアップをとることも可能であるが、多くのユーザは、外部記憶媒体にバックアップ用として利用することが極僅かである。ほとんどのユーザは外部記憶媒体の利用手段として、例えば、携帯電話機の付属機能であるカメラなどで撮影した撮影画像や、ネットワークを介してダウンロードした音楽データなどの保存に利用される。
【0005】
その理由としては、バックアップ処理を行うデータの転送に時間がかかることや、バックアップデータの転送方法が難しい点などが挙げられる。
【0006】
このような課題に鑑み、本発明は、タイマで計測した時間に基づいて、外部記憶手段に携帯端末の情報を記憶させることが可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外部記憶手段を有する携帯端末であって、携帯端末は、時間を計測するタイマと、タイマで計測された時間に基づいて、外部記憶手段に、携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶させる記憶制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の携帯端末において、記憶制御手段は、情報のうちユーザによって予め設定された情報のみを記憶させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の携帯端末において、外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定手段を有し、第1の判定手段にて外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された場合には、情報を記憶させないことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の携帯端末において、外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定手段を有し、第2の判定手段にて記憶容量の残容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、情報を記憶させないことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の携帯端末において、第1の判定手段にて、外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された後に、外部記憶媒体を携帯端末に接続した場合には、情報を記憶させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4記載の携帯端末において、第2の判定手段にて、外部記憶媒体の残記憶容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、残記憶容量を情報の記憶量よりも大きくした場合には、情報を記憶させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6記載の携帯端末において、情報の記憶を行うか否かを選択する選択手段をさらに有することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、外部記憶手段を有する携帯端末の制御方法であって、携帯端末が備えるタイマにて時間を計測する計時工程と、計時工程で計測された時間に基づいて、外部記憶手段に、携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶する記憶制御工程とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の携帯端末の制御方法において、記憶制御工程は、情報のうちユーザによって予め設定された情報のみを記憶することを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項8または9記載の携帯端末の制御方法において、外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定工程を有し、第1の判定工程にて外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された場合には、情報を記憶しないことを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項8または9記載の携帯端末の制御方法において、外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定工程を有し、第2の判定工程にて記憶容量の残容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、情報を記憶しないことを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項10記載の携帯端末の制御方法において、第1の判定工程にて、外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された後に、外部記憶媒体を携帯端末に接続した場合には、情報を記憶することを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項11記載の携帯端末の制御方法において、第2の判定工程にて、外部記憶媒体の残記憶容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、残記憶容量を情報の記憶量よりも大きくした場合には、情報を記憶することを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13記載の携帯端末の制御方法において、情報の記憶を行うか否かを選択する選択工程をさらに有することを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の発明は、外部記憶手段を有する携帯端末を制御するプログラムであって、携帯端末が備えるタイマにて時間を計測する計時処理と、計時工程で計測された時間に基づいて、外部記憶手段に、携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶する記憶制御処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、記憶制御処理は、情報のうちユーザによって予め設定された情報のみを記憶させることを特徴とする。
【0023】
請求項17に記載の発明は、請求項15または16記載のプログラムにおいて、外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定処理を実行させ、第1の判定処理にて外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された場合には、情報を記憶させないことを特徴とする。
【0024】
請求項18に記載の発明は、請求項15または16記載のプログラムにおいて、外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定処理を実行させ、第2の判定処理にて記憶容量の残容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、情報を記憶させないことを特徴とする。
【0025】
請求項19に記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、第1の判定処理にて、外部記憶媒体が携帯端末に接続されていないと判定された後に、外部記憶媒体を携帯端末に接続した場合には、情報を記憶させることを特徴とする。
【0026】
請求項20に記載の発明は、請求項18記載のプログラムにおいて、第2の判定処理にて、外部記憶媒体の残記憶容量が記憶される情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、残記憶容量を情報の記憶量よりも大きくした場合には、情報を記憶させることを特徴とする。
【0027】
請求項21に記載の発明は、請求項19または20記載のプログラムにおいて、情報の記憶を行うか否かを選択する選択処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項22に記載の発明は、請求項15から21のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
このように、本発明の携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、携帯端末内の情報を、外部記憶手段に容易に記憶させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本実施形態の携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。また、本実施形態では携帯端末として、携帯電話機を用いて説明する。
図1は、本実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態の携帯電話機1は、制御部11と、通信部12と、信号処理部13と、表示部14と、操作部15と、タイマ16と、ROM(Read Only Memory)17と、RAM(Random Access Memory)18と、外部インタフェース(I/F)19と、外部メモリ20と、を備えている。これらの各機能部は、バス等を介して相互に接続可能な状態となっている。
【0032】
制御部11は、携帯電話機1の全体を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。通信部12は、アンテナ21を介して通信ネットワークに接続して、外部からの情報の受信し、また、携帯電話機1内の各種情報を外部へ送信する。信号処理部13は、通信部12との間で送受信する各種情報に係る信号を処理する。この信号処理部13は、マイク22およびスピーカ23と接続され、マイク22から入力された外部の音声を音声信号として取得し、また、通信部12など外部から取得した音声信号をスピーカ23へ音声として出力する。
【0033】
表示部14は、電話帳や電子メール、通信部12を介してダウンロードした画像、音声データなど、携帯電話機1の各種画像データを表示させるものであり、制御部11からの制御信号に基づいて画像を表示する。なお、表示部14にVRAM(Video Random Access Memory)を搭載することによって、画像データを表示する際の処理の高速化を図ることも可能である。
【0034】
操作部15は、操作キーなどで構成され、各種機能の選択や、携帯電話機1の機能を操作するものであり、操作部15から制御部11に操作信号を送信する。タイマ16は、現在の日付および時刻を計時し、また、本実施形態においてバックアップ処理動作が行われてからの経過時間を計時する。
【0035】
ROM17およびRAM18は、制御部11と接続され携帯電話機1の各種データを記憶するものであり、ROM17は、携帯電話機1の制御を行うための制御プログラムや、文字フォントデータなどのアプリケーション等の情報を記録する。また、RAM18は、所定のアプリケーションプログラムを起動したとき、そのプログラムを実行する際に使用する画像信号や音声信号等の情報を一時的に記録し、情報の読み書きを行うための作業領域となる記憶部である。電話帳データや撮影した画像データ、音声データなどは、このRAM18に記憶される。
【0036】
外部I/F19は、携帯電話機1と外部メモリ20などの外部記憶媒体とを接続するインタフェースである。外部メモリ20は、外部I/F19を介して携帯電話機1に着脱可能な、メモリカードやSDカードなどの外部記憶媒体であり、RAM18に格納された各種情報を保存する。本実施形態において、バックアップデータは、この外部メモリ20に保存されることになる。
【0037】
次に、本実施形態のバックアップ処理機能の設定動作について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の携帯電話機1におけるバックアップ処理機能の設定動作を示すフローチャートである。
【0038】
まず、ユーザに自動バックアップ機能の設定の可否を選択させるために、設定可否の選択画面を表示部14に表示する(ステップS101)。ここでデータのバックアップを行わない場合には(ステップS101/No)、そのまま設定を終了する。データのバックアップを行う場合には(ステップS101/Yes)、自動バックアップ機能の詳細設定画面を起動させる(ステップS102)。このとき表示される設定画面の一例を図3に示す。
【0039】
次に、自動バックアップを開始する日付・時間を設定する(ステップS103)。この日時設定では、「○月×日△時」というように直接日付・時間を設定する。日時を設定した後、次に、自動バックアップを繰り返し行うか否かを設定する(ステップS104)。そして、自動バックアップを行う対象のデータを選択する(ステップS105)。バックアップの対象データとしては、ユーザデータに関連するデータの一覧画面などでユーザが選択する。このとき表示される設定後の画面の一例を図4に示す。
【0040】
なお、上記ステップS103からS105での各設定は、その設定順を変更してもよい。また、本実施形態では、上記ステップS103において直接日時を設定することとして説明したが、設定された日時内におけるバックアップ回数を設定したり、例えば何時間経過するごとにバックアップを行うというように、経過時間に基づいてバックアップを行うよう設定することとしてもよい。
【0041】
次に、本実施形態のバックアップ処理動作について説明する。
図5は、本実施形態の自動バックアップ動作を示すフローチャートである。なおここでは、日時(日付・時刻)が更新される際に自動バックアップが行われることとして説明する。
【0042】
まず、タイマ16で日時が更新されたことを検知すると(ステップS201)、自動バックアップ機能が設定されているかを判定する(ステップS202)。自動バックアップ機能が設定されている場合には(ステップS202/Yes)、次に、外部メモリ20が携帯電話機1に装着(接続)されているかを判定する(ステップS203)。なお、自動バックアップ機能が設定されていない場合には(ステップS202/No)、日時表示の更新のみが行われてバックアップ動作は行われない(ステップS208)。
【0043】
外部メモリ20が装着されている場合には(ステップS203/Yes)、当該外部メモリ20内の空き容量が十分かどうかを判定する(ステップS204)。ここでは、バックアップデータの総容量を計算して、バックアップ先である外部メモリ20の空き容量との比較を行う。この比較の結果、外部メモリ20の空き容量が勝っている、すなわち空き容量が十分ある場合には(ステップS204/Yes)、外部メモリ20への自動バックアップを実行する(ステップS205)。
【0044】
なお、バックアップ動作の完了後には処理を終了するが、例えば繰り返しアックアップ設定が成されている場合には、次回の起動タイミング時に再度バックアップ動作を実行することになる。
【0045】
一方、上記ステップ203にて外部メモリ20が装着されていない場合には(ステップS203/No)、外部メモリ20が装着されていない旨のエラー画面を表示部14に表示させて、バックアップ動作は実行されない(ステップS206)。なお、エラー画面の表示中に外部メモリ20を装着しても、自動バックアップのトリガとなる日時か過ぎているため、次回のトリガとなる日時まで自動バックアップは行われない。
【0046】
また、上記ステップ204にて外部メモリ20の空き容量がない場合には(ステップS204/No)、外部メモリ20の空き容量が不足している旨のエラー画面を表示部14に表示させて、バックアップ動作は実行されない(ステップS207)。
【0047】
このように、本実施形態によれば、外部メモリ内に所望のデータが自動的にバックアップされるので、バックアップのし忘れを無くし、突発的なアクシデントなどによってデータが消失することを極力回避して、従来よりも小さな被害、あるいは、全く被害を被らずに済むことができる。
【0048】
また、バックアップデータは外部メモリ内に保存され、ネットワークを介して外部の機器に送信するようなバックアップは行わないので、周囲の電波状況にも左右されることなく的確にバックアップが行われる。また、バックアップデータが保存された外部メモリは、PCなど外部メモリを接続して内部のデータを読み取り可能な他の装置にて管理することも可能である。
【0049】
さらに、本実施形態では、外部メモリが装着されていない場合や外部メモリの容量が不足している場合において、エラー画面の表示時に再度バックアップを行うようにすることも可能である。この場合について、図6を用いて説明する。
【0050】
図6は、本実施形態の自動バックアップ動作の他の一例を示すフローチャートである。なお図6においても図5の場合と同様に、日時(日付・時刻)が更新される際に自動バックアップが行われることとして説明する。
【0051】
まず、タイマ16で日時が更新されたことを検知すると(ステップS301)、自動バックアップ機能が設定されているかを判定する(ステップS302)。自動バックアップ機能が設定されている場合には(ステップS302/Yes)、次に、外部メモリ20が携帯電話機1に装着されているかを判定する(ステップS303)。なお、自動バックアップ機能が設定されていない場合には(ステップS302/No)、日時表示の更新のみが行われてバックアップ動作は行われない(ステップS312)。
【0052】
外部メモリ20が装着されている場合には(ステップS303/Yes)、当該外部メモリ20内の空き容量が十分かどうかを判定する(ステップS304)。ここでは、バックアップデータの総容量を計算して、バックアップ先である外部メモリ20の空き容量との比較を行う。この比較の結果、外部メモリ20の空き容量が勝っている、すなわち空き容量が十分ある場合には(ステップS304/Yes)、外部メモリ20への自動バックアップを実行する(ステップS305)。
【0053】
なお、バックアップ動作の完了後には処理を終了するが、例えば繰り返しアックアップ設定が成されている場合には、次回の起動タイミング時に再度バックアップ動作を実行することになる。ここまでの動作は、上述した図5における動作とほぼ同様である。
【0054】
一方、上記ステップ303にて外部メモリ20が装着されていないと判定した場合には(ステップS303/No)、まず、外部メモリ20が装着されていない旨のエラー画面を表示部14に表示させる(ステップS306)。そして、このエラー画面表示中に、外部メモリ20が装着されたかどうかを再度判定する(ステップS307)。
【0055】
外部メモリ20が装着された場合には(ステップS307/Yes)、エラー画面表示から外部メモリ20が装着された旨のメッセージ画面を表示して(ステップS308)、外部メモリ20の空き容量をチェックするステップS304へと移行する。また、外部メモリ20が装着されない場合には(ステップS307/No)、そのまま自動バックアップは行われず(ステップS312)、処理を終了することになる。なお、エラー画面の表示中に外部メモリ20が装着されない場合の判定としては、エラー画面が表示されてから所定の時間経過後に判定される場合や、エラー画面表示中に、ユーザが操作部15に対して何らかの操作を行うことにより判定される場合などが挙げられる。
【0056】
また、外部メモリ20の容量が不足している場合にも、同様の動作を行う。
すなわち、上記ステップ304にて外部メモリ20の空き容量がない場合には(ステップS304/No)、まず、外部メモリ20の空き容量が不足している旨のエラー画面を表示部14に表示させる(ステップS309)。そして、このエラー画面表示中に、外部メモリ20の空き容量の不足分が解消されたかどうかを再度判定する(ステップS310)。
【0057】
外部メモリ20の空き容量の不足分を解消する方法としては、例えば、容量の十分な他の外部メモリを装着することや、現在装着されている外部メモリ20内のデータの移動・消去などが考えられる。このようにして、外部メモリ20の容量不足が解消された場合には(ステップS310/Yes)、エラー画面表示から外部メモリ20の容量不足が解消された旨のメッセージ画面を表示して(ステップS311)、当該外部メモリ20へバックアップを行うステップS305へと移行する。一方、外部メモリ20の容量不足が解消されない場合には(ステップS310/No)、そのまま自動バックアップは行われず(ステップS312)、処理を終了することになる。
【0058】
このように本実施形態によれば、エラー画面表示中に当該エラーを解消させることでバックアップ処理が行われることとなり、より利便性が向上する。
【0059】
さらに、本実施形態では、エラー画面表示中に当該エラーを解消させたときに、バックアップを行うか否かをユーザに選択させることも可能である。この場合の動作について図面を用いて説明する。
【0060】
図7は、本実施形態の自動バックアップ動作のさらに他の一例を示すフローチャートである。なお図7においても、図5および図6の場合と同様に、日時(日付・時刻)が更新される際に自動バックアップが行われることとして説明する。
【0061】
まず、タイマ16で日時が更新されたことを検知すると(ステップS401)、自動バックアップ機能が設定されているかを判定する(ステップS402)。自動バックアップ機能が設定されている場合には(ステップS402/Yes)、次に、外部メモリ20が携帯電話機1に装着されているかを判定する(ステップS403)。なお、自動バックアップ機能が設定されていない場合には(ステップS402/No)、日時表示の更新のみが行われてバックアップ動作は行われない(ステップS412)。
【0062】
外部メモリ20が装着されている場合には(ステップS403/Yes)、当該外部メモリ20内の空き容量が十分かどうかを判定する(ステップS404)。ここでは、バックアップデータの総容量を計算して、バックアップ先である外部メモリ20の空き容量との比較を行う。この比較の結果、外部メモリ20の空き容量が勝っている、すなわち空き容量が十分ある場合には(ステップS404/Yes)、外部メモリ20への自動バックアップを実行する(ステップS405)。
【0063】
なお、バックアップ動作の完了後には処理を終了するが、例えば繰り返しアックアップ設定が成されている場合には、次回の起動タイミング時に再度バックアップ動作を実行することになる。
【0064】
一方、上記ステップ403にて外部メモリ20が装着されていないと判定した場合には(ステップS403/No)、まず、外部メモリ20が装着されていない旨のエラー画面を表示部14に表示させる(ステップS406)。そして、このエラー画面表示中に、外部メモリ20が装着されたかどうかを再度判定する(ステップS407)。
【0065】
外部メモリ20が装着された場合には(ステップS407/Yes)、エラー画面表示から外部メモリ20が装着された旨のメッセージ画面を表示して(ステップS408)、さらにバックアップ処理を行うか否かをユーザに選択させる(ステップS413)。この選択は、エラー解消時に選択することとしてもよいし、予めユーザにより設定されていることとしてもよい。
【0066】
バックアップ処理を行う場合には(ステップS413/Yes)、外部メモリ20の空き容量をチェックするステップS404へと移行する。また、外部メモリ20が装着されない場合(ステップS407/No)、あるいは、バックアップ処理を行わない場合には(ステップS413/No)、そのまま自動バックアップは行われず(ステップS412)、処理を終了することになる。
【0067】
また、上記ステップ404にて外部メモリ20の空き容量がない場合には(ステップS404/No)、まず、外部メモリ20の空き容量が不足している旨のエラー画面を表示部14に表示させる(ステップS409)。そして、このエラー画面表示中に、外部メモリ20の空き容量の不足分が解消されたかどうかを再度判定する(ステップS410)。
【0068】
外部メモリ20の容量不足が解消された場合には(ステップS410/Yes)、エラー画面表示から外部メモリ20の容量不足が解消された旨のメッセージ画面を表示して(ステップS411)、さらにバックアップ処理を行うか否かをユーザに選択させる(ステップS414)。この選択も上記ステップS413の場合と同様に、エラー解消時に選択することとしてもよいし、予めユーザにより設定されていることとしてもよい。
【0069】
バックアップ処理を行う場合には(ステップS414/Yes)、外部メモリ20へバックアップを行うステップS405へと移行する。一方、外部メモリ20の容量不足が解消されない場合(ステップS410/No)、あるいは、バックアップ処理を行わない場合には(ステップS414/No)、そのまま自動バックアップは行われず(ステップS412)、処理を終了することになる。
【0070】
このように本実施形態によれば、エラー画面表示中のエラー解消後にバックアップ処理を行うかどうかを選択させることで、さらに利便性が向上する。
【0071】
以上、本実施形態の携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、携帯電話機のタイマ機能と外部メモリとを利用して、事前にユーザが設定したタイミングをトリガとして、自動的に事前にユーザが選択したユーザデータを外部メモリへ退避することができる。本実施形態のように、容易な設定で、自動的に外部メモリへバックアップする機能が搭載されれば、ユーザも情報のバックアップを積極的に行い、重要な情報を安全に退避させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本実施形態における自動バックアップ方法は、最近のビデオデッキから置き換わりつつある、HDDレコーダやDVDレコーダにも適用が可能であり、例えば、HDDのメモリを自動的にDVD媒体にバックアップすることで、予期せぬHDDのメモリ消えなどが発生した場合にも、大事なユーザデータを消失せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のバックアップ処理機能の設定動作を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の自動バックアップ機能の設定画面の一例を示す図である。
【図4】本実施形態の自動バックアップ機能を設定した後の設定画面の一例を示す図である。
【図5】本実施形態の自動バックアップ動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の自動バックアップ動作の他の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の自動バックアップ動作のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 携帯電話機
11 制御部
12 通信部
13 信号処理部
14 表示部
15 操作部
16 タイマ
17 ROM
18 RAM
19 外部I/F
20 外部メモリ
21 アンテナ
22 マイク
23 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶手段を有する携帯端末であって、
前記携帯端末は、時間を計測するタイマと、
前記タイマで計測された前記時間に基づいて、前記外部記憶手段に、前記携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶させる記憶制御手段とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記情報のうちユーザによって予め設定された前記情報のみを記憶させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定手段を有し、前記第1の判定手段にて前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された場合には、前記情報を記憶させないことを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定手段を有し、前記第2の判定手段にて前記記憶容量の残容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、前記情報を記憶させないことを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1の判定手段にて、前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された後に、前記外部記憶媒体を前記携帯端末に接続した場合には、前記情報を記憶させることを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第2の判定手段にて、前記外部記憶媒体の前記残記憶容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、前記残記憶容量を前記情報の記憶量よりも大きくした場合には、前記情報を記憶させることを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
前記情報の記憶を行うか否かを選択する選択手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6記載の携帯端末。
【請求項8】
外部記憶手段を有する携帯端末の制御方法であって、
前記携帯端末が備えるタイマにて時間を計測する計時工程と、
前記計時工程で計測された前記時間に基づいて、前記外部記憶手段に、前記携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶する記憶制御工程とを有することを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項9】
前記記憶制御工程は、前記情報のうちユーザによって予め設定された前記情報のみを記憶することを特徴とする請求項8記載の携帯端末の制御方法。
【請求項10】
前記外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定工程を有し、前記第1の判定工程にて前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された場合には、前記情報を記憶しないことを特徴とする請求項8または9記載の携帯端末の制御方法。
【請求項11】
前記外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定工程を有し、前記第2の判定工程にて前記記憶容量の残容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、前記情報を記憶しないことを特徴とする請求項8または9記載の携帯端末の制御方法。
【請求項12】
前記第1の判定工程にて、前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された後に、前記外部記憶媒体を前記携帯端末に接続した場合には、前記情報を記憶することを特徴とする請求項10記載の携帯端末の制御方法。
【請求項13】
前記第2の判定工程にて、前記外部記憶媒体の前記残記憶容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、前記残記憶容量を前記情報の記憶量よりも大きくした場合には、前記情報を記憶することを特徴とする請求項11記載の携帯端末の制御方法。
【請求項14】
前記情報の記憶を行うか否かを選択する選択工程をさらに有することを特徴とする請求項12または13記載の携帯端末の制御方法。
【請求項15】
外部記憶手段を有する携帯端末を制御するプログラムであって、
前記携帯端末が備えるタイマにて時間を計測する計時処理と、
前記計時工程で計測された前記時間に基づいて、前記外部記憶手段に、前記携帯端末の内部に存在する内部記憶媒体に保存された少なくとも1以上の情報を記憶する記憶制御処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
前記記憶制御処理は、前記情報のうちユーザによって予め設定された前記情報のみを記憶させることを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記外部記憶媒体の接続状況を判定する第1の判定処理を実行させ、前記第1の判定処理にて前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された場合には、前記情報を記憶させないことを特徴とする請求項15または16記載のプログラム。
【請求項18】
前記外部記憶媒体の記憶容量を判定する第2の判定処理を実行させ、前記第2の判定処理にて前記記憶容量の残容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された場合には、前記情報を記憶させないことを特徴とする請求項15または16記載のプログラム。
【請求項19】
前記第1の判定処理にて、前記外部記憶媒体が前記携帯端末に接続されていないと判定された後に、前記外部記憶媒体を前記携帯端末に接続した場合には、前記情報を記憶させることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項20】
前記第2の判定処理にて、前記外部記憶媒体の前記残記憶容量が記憶される前記情報の記憶量よりも少ないと判定された後に、前記残記憶容量を前記情報の記憶量よりも大きくした場合には、前記情報を記憶させることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
【請求項21】
前記情報の記憶を行うか否かを選択する選択処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項19または20記載のプログラム。
【請求項22】
請求項15から21のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−258895(P2007−258895A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78632(P2006−78632)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】