説明

携帯端末、携帯端末制御プログラムおよびその記録媒体

【課題】受信感度が悪いときにユーザの手を煩わせることなく、アンテナの受信感度を向上させる。
【解決手段】アンテナ部11が設けられた第1筐体10と、第1筐体10と連結部40によって連結され、アンテナ部11を接地するための接地部29が設けられた第2筐体20とを備え、第1筐体10と第2筐体20とを重ね合わせて閉じた状態と、第1筐体と第2筐体とを展開させて開いた状態との間で状態変更可能に構成されている携帯端末において、両筐体は、開いた状態のときのほうが、閉じた状態のときよりもアンテナ部11と、接地部29とが離間するように構成され、アンテナ部11によりワンセグ放送波の受信データの記録を開始する時刻を設定する録画設定部43と、録画設定部43により設定された時刻までに、受信感度を判定して、受信感度が悪ければ、開いた状態に状態変更する開閉制御部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2つの筐体が連結されてなる携帯端末、携帯端末制御プログラムおよびその記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯通信端末において、アンテナの受信感度を向上させることが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1では、2つの筐体が折り畳み可能に構成された、いわゆる折り畳み式の携帯通信端末において、一方の筐体に第1アンテナを設け、他方の筐体に第1アンテナと偏波面が異なる第2アンテナを設けて筐体を開いたときに両者が離間するように配置することが提案されている。そして、この構成によれば、偏波及び空間ダイバーシチの効果を得て、屋内でも通信不能箇所を少なくすることができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001―230614(2001年8月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、折り畳み式の携帯通信端末は、ユーザが通話機能を使用する場合、2つの筐体が開いた状態にされ、ユーザが通話機能を使用しない場合、2つの筐体が折り畳まれた状態、すなわち閉じた状態にされる。
【0006】
近年、携帯通信端末には、ワンセグ放送波を受信するためのアンテナを備え、ワンセグ放送波を受信して録画・再生することができる、いわゆるテレビ機能を具備しているものもある。
【0007】
ワンセグ放送を予約して録画するときは、通話機能はもちろんのこと、そもそもユーザが携帯通信端末を使用していない場合も多く、この場合、携帯通信端末は閉じた状態であることが想定される。
【0008】
しかしながら、ワンセグ放送波の受信感度が低い場合、携帯通信端末が閉じた状態のままではワンセグ放送を適切に録画することができないときがある。とくに、携帯通信端末が閉じた状態であると、アンテナと、グランドとが接近し、受信感度が悪化するという問題が生じていた。
【0009】
従来技術では、このような場合において、何ら対応措置は提示されていなかった。よって、従来技術では、受信感度を向上させるには、ユーザ自らが携帯通信端末を開いた状態にしなければならず面倒であった。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信感度が悪いときにユーザの手を煩わせることなく、アンテナの受信感度を向上させることができる携帯端末、携帯端末制御プログラムおよびその記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る携帯端末は、上記の課題を解決するために、アンテナが設けられた第1筐体と、該第1筐体と連結され、該アンテナを接地するためのグランドが設けられた第2筐体とを備え、該第1筐体と該第2筐体とを重ね合わせて閉じた閉状態と、該第1筐体と該第2筐体とを展開させて開いた開状態との間で状態変更可能に構成されている携帯端末において、上記第1筐体および上記第2筐体は、上記開状態のときのほうが、上記閉状態のときよりも上記アンテナと上記グランドとが離間するように構成され、上記アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの記録または再生を開始する時刻を設定する設定手段と、上記設定手段により設定された時刻までに、上記アンテナで受信する電波の強度が受信データの記録または再生に十分であるか否かを判定する電波強度判定手段を備え、上記電波強度判定手段が電波の強度が十分でないと判定したとき、開状態に状態変更する状態変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの記録または再生を開始する時刻を設定して、設定した時刻になるまでに、受信感度が悪ければ、予め携帯端末の状態を、開状態に状態変更することができる。
【0013】
ここで、携帯端末は、電波を受信するアンテナを有するものであり、例えば、ワンセグ放送波を受信可能な携帯電話機等が挙げられる。
【0014】
また、アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの記録または再生を開始する時刻とは、例えば、上記ワンセグ放送波を録画予約する場合において、録画を開始する時刻のことや、視聴を開始する時刻のことを指す。また、受信データの再生を開始する時刻は、上記と同様に、上記ワンセグ放送波を録画予約する場合について例示すれば、視聴予約をした時刻のことを指す。
【0015】
また、携帯端末は、第1筐体と第2筐体とを重ね合わせて閉じた閉状態と、第1筐体と第2筐体とを展開させて開いた開状態との間で状態変更可能に構成である。
【0016】
このような構成の具体例としては、第1筐体と第2筐体とが1軸または2軸で回動可能となっているいわゆる折り畳み型(クラムシェル型、スイベル型)のものや、第1筐体と第2筐体とがスライド可能に構成されているスライド型のものや、第1筐体および第2筐体の重なり方向を回転軸とし、水平面上で回転させることができる水平回転型のものが挙げられる。
【0017】
また、状態変更は、電動モータの回転力を用いて行ってもよいし、バネの付勢力を用いておこなってもよい。例えば、折り畳み型の携帯端末の場合、次のように構成することができる。
【0018】
第1筐体と第2筐体とがバネで開くように構成して、フック状の留め具で両筐体を閉状態となるようにし、設定された時刻になるまでに、留め具を電気的に動作させて外し、バネの力で両筐体を開くようにすることができる。また、第1筐体と第2筐体とを連結する部位に電動モータを設けて、設定された時刻になるまでに、電動モータの駆動力により、両筐体を開くようにすることができる。
【0019】
このような携帯端末のアンテナの受信感度について説明すると次のとおりである。すなわち、電波を受信するためのアンテナが設けられた第1筐体と、該第1筐体と連結され、アンテナを接地するためのグランドが設けられた第2筐体とを備える受信機は、閉状態となっている場合よりも、開状態となっている場合のほうが、受信感度は向上する。
【0020】
その理由は、次のとおりである。まず、このような携帯端末のアンテナは、ダイポールアンテナとして動作するため、アンテナと、グランドとを離間したほうが、受信感度が改善される傾向がある。
【0021】
第1筐体と第2筐体とを展開させて開いた開状態となっている場合、両筐体が展開されている分、第1筐体のアンテナと、第2筐体のグランドとの距離は、第1筐体と第2筐体とを重ね合わせて閉じた閉状態となっている場合よりも大きくなる。従って、開状態のときのほうが、閉状態のときよりも受信感度は向上する。
【0022】
そして、上記構成によれば、設定された時刻になるまでに、アンテナで受信する電波の強度が弱いことが予め判明したときに、閉状態から開状態への状態変更を行うことができる。
【0023】
これにより、筐体が閉状態のままでは、受信データの記録または再生をするのに十分な受信感度が得られず、所望の受信データが得られない場合に、電波の受信状態を向上させることができる。逆に言えば、筐体が閉状態である場合においてアンテナの受信電波強度が十分に大きければ、閉状態のまま受信を開始すればよい。
【0024】
この結果、本発明に係る携帯端末は、受信感度が悪いときには、ユーザの手を煩わせること無く、携帯端末の状態変更の構成を活用することにより、録画を開始する時刻までにアンテナの受信感度を向上させることができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明に係る携帯端末では、該携帯端末を動作させるための充電池と、上記充電池が充電中であることを検知する充電検知手段とを備え、上記状態変更手段は、上記充電検知手段が充電中であることを検知しているとき、状態変更を行うことが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、携帯端末が充電中であった場合、状態変更を行うことができる。
【0027】
携帯端末が、周囲を遮蔽物により覆われているような状態である場合、例えば、かばんの中に収納されているような場合、そもそも携帯端末を開閉することができないことが考えられる。
【0028】
携帯端末が充電中である場合は、周囲にこのような遮蔽物がなく、携帯端末を開閉することができる状態であることが想定される。例えば、携帯端末が充電器に接続されて机の上等に安定して置かれている状態であることが想定される。
【0029】
つまり、上記構成によれば、携帯端末が開閉することが可能である状態であると想定されるときに、携帯端末を開状態に状態変更することができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明に係る携帯端末では、自端末が受ける加速度を検出し、検出した加速度に基づいて自端末が移動中であることを検知する移動検知手段と、上記状態変更手段は、上記移動検知手段が、自端末が移動中であることを検知しているとき、状態変更しないことが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、携帯端末が移動していることが検出されている場合には、状態変更しない。携帯端末が移動している場合、携帯端末は、かばんの中や、ユーザの衣服のポケット等に納められて、ユーザとともに移動している状態であることが想定される。このような状態で、携帯端末を開状態に状態変更すると次の点で不都合な場合が考えられる。
【0032】
まず、携帯端末がかばん等に収納されている場合、携帯端末は周囲を遮蔽物により覆われていることになるので、開状態に状態変更するための空間がないことが考えられる。
【0033】
そして、携帯端末がユーザの衣服のポケット等に納められている場合、ユーザをユーザが不意の出来事に驚いてしまうことが考えられる。ユーザが車等を運転していたときを考慮すれば、不用意に携帯端末を開状態にすると、安全上必ずしも好ましくない場合がある。
【0034】
よって、上記構成によれば、携帯端末が開閉できないときや、開閉することが必ずしも好ましくないときにおいて、携帯端末を不用意に開状態に状態変更することを防ぐことができる。
【0035】
また、本発明に係る携帯端末では、自端末周辺の明るさを検出し、検出した明るさが所定値以下であることを検知する明るさ検知手段と、現在時刻が、昼の時間帯か否かを判定する時間帯判定手段とを備え、上記状態変更手段は、上記時間帯判定手段が、現在時刻が昼の時間帯であると判定したとき、上記明るさ検知手段が、明るさが所定値以下であることを検知していれば、状態変更しないことが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、昼の時間帯であるにもかかわらず、携帯端末の周辺の明るさが所定値以下の場合(すなわち暗くなっている場合)、状態変更しない。
【0037】
昼の時間帯であるにもかかわらず、携帯端末の周辺が暗い場合、携帯端末が遮蔽物によって覆われている、例えば、かばんの中に収納されていることが考えられる。よって、このような状況下では、携帯端末を開閉することができないことが考えられる。
【0038】
このような場合に、状態変更を抑止することができるので、携帯端末を開閉することができない可能性が高いにもかかわらず、携帯端末を不用意に開状態に状態変更しようとすることを抑止することができる。
【0039】
また、本発明に係る携帯端末では、上記状態変更手段が開状態に状態変更する前に、状態変更することを報知する状態変更報知手段を備えることが好ましい。
【0040】
上記構成によれば、状態変更することを予めユーザに通知することができ、ユーザの不意をついて、状態変更してしまうことを防ぐことができる。
【0041】
また、本発明に係る携帯端末では、上記状態変更手段によって開状態に状態変更された後、上記アンテナの電波受信感度を測定する測定手段と、上記測定手段により測定された電波受信感度が、所定値以下であるとき、その旨の報知を行う電波受信感度報知手段とを備えることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、アンテナにより電波を受信する際、開状態に状態変更しても、電波受信感度が十分でない場合、その旨をユーザに報知することができるという効果を奏する。
【0043】
よって、例えば、この報知に対して、ユーザは、より受信感度のよい場所に携帯端末を移動させるなどの対応をとることができる。
【0044】
なお、上記携帯端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより携帯端末をコンピュータにて実現させる携帯端末制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係る携帯端末は、アンテナが設けられた第1筐体と、該第1筐体と連結され、該アンテナを接地するためのグランドが設けられた第2筐体とを備え、該第1筐体と該第2筐体とを重ね合わせて閉じた閉状態と、該第1筐体と該第2筐体とを展開させて開いた開状態との間で状態変更可能に構成されている携帯端末において、上記第1筐体および上記第2筐体は、上記開状態のときのほうが、上記閉状態のときよりも上記アンテナと上記グランドとが離間するように構成され、上記アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの記録または再生を開始する時刻を設定する設定手段と、上記設定手段により設定された時刻までに、上記アンテナで受信する電波の強度が受信データの記録または再生に十分であるか否かを判定する電波強度判定手段を備え、上記電波強度判定手段が電波の強度が十分でないと判定したとき、上記設定手段により設定された時刻までに、開状態に状態変更する状態変更手段と、を備える構成である。
【0046】
よって、受信感度が悪いときには、ユーザの手を煩わせること無く、携帯端末の状態変更の構成を活用することにより、アンテナの受信感度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯通信端末の概略的構成を示す機能ブロック図である。
【図2】上記携帯通信端末の外観を示す斜視図である。
【図3】上記携帯通信端末の内部構造について示した透過斜視図であり、(a)は、該携帯通信端末を折り畳んで閉じた状態を示しており、(b)は、該携帯通信端末を開いた状態を示している。
【図4】上記携帯通信端末における録画に関する処理の一例について示すフローチャートである。
【図5】上記携帯通信端末における録画に関する処理の別の例について示すフローチャートである。
【図6】上記携帯通信端末における録画に関する処理のさらに別の例について示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る携帯通信端末の外観を示す斜視図であり、(a)は、該携帯通信端末を折り畳んで閉じた状態を示しており、(b)は、該携帯通信端末を開いた状態を示している。
【図8】上記携帯通信端末の内部構造について示す透過模式図であり、(a)は、開いた状態の該携帯通信端末の斜視図を示しており、(b)は、該携帯通信端末の側面を示している。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る携帯通信端末の外観について示すものであり、携帯通信端末が閉じた状態を示す斜視図である。
【図10】上記携帯通信端末が開いた状態を示す斜視図である。
【図11】上記携帯通信端末の側面を模式的に表した図であり、(a)は、該携帯通信端末が閉じた状態を示しており、(b)は、該携帯通信端末が開いた状態を示している。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る携帯通信端末の外観を示す正面図である。
【図13】上記携帯通信端末の分解図であり、(a)は、一方の筐体の平面図であり、(b)は、該一方の筐体の正面図、(c)は、他方の筐体を表面からみた平面図、そして(d)は、該他方の筐体の正面図である。
【図14】上記携帯通信端末の側面図であり、(a)は、該携帯通信端末が閉じた状態を示しており、(b)は、該携帯通信端末が開いた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
〔実施形態1〕
本発明に係る携帯通信端末の一実施形態について図1〜6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0049】
(携帯通信端末の外観)
まず、図2を用いて、携帯通信端末(携帯端末)1の外観について説明する。図2は、携帯通信端末1の外観を示す斜視図である。
【0050】
図2に示すとおり、携帯通信端末1は、いわゆる折り畳み型のものである。図2の(a)は、携帯通信端末1を折り畳んで閉じた状態(閉状態)を示しており、図2の(b)は、携帯通信端末1を開いた状態(開状態)を示している。
【0051】
図2に示すように、携帯通信端末1は、第1筐体10と、第2筐体20と、連結部40とを備えており、第1筐体10および第2筐体20が、連結部40において、軸P1を回動軸として両矢印D10方向に回動可能に連結されている構成である。すなわち、携帯通信端末1は、軸P1を回動軸として第1筐体10および第2筐体20を開閉させることで、図2の(a)に示す開いた状態と、図2の(b)に示す閉じた状態との間で、状態を変更することができる。
【0052】
図2の(b)に示すように、第1筐体10の内面側(折り畳まれた際に第2筐体20と接する側)には、各種表示を行うための表示部12が設けられている。
【0053】
また、第2筐体20の内面側(折り畳まれた際に第1筐体10と接する側)には、各種入力操作を受け付けるためのボタンを有する入力部27が設けられている。
【0054】
なお、以下の説明において、第1筐体10と第2筐体20とを特定する必要が無い場合は、単に“筐体”と称する。
【0055】
(携帯通信端末の機能について)
次に、図1を用いて、携帯通信端末1の概略的構成について説明する。図1は、携帯通信端末1の概略的構成を示す機能ブロック図である。
【0056】
図1に示すように、携帯通信端末1は、第1筐体10と、第2筐体20と、連結部40とを備える構成である。以下、それぞれの構成の詳細について順に説明する。
【0057】
第1筐体10は、より詳細には、アンテナ部(アンテナ)11と、表示部12とを備える構成である。
【0058】
アンテナ部11は、外部からワンセグ放送波を受信するためのものである。アンテナ部11は、連結部40を介して第2筐体20が備えるテレビ受信部(測定手段)21と接続されている。また、アンテナ部11は、第2筐体20から電源供給を受けるように構成されており、電源供給に応じてワンセグ放送の周波数帯に共振するように構成されている。
【0059】
なお、携帯通信端末1では、例示的に、第1筐体10に収納されている電子回路基板や、補強版などをアンテナ部11として用いる構成としているが、これに限られず、アンテナエレメントを別途設ける構成としてもよい。また、アンテナ部11は、例示的に、ワンセグ放送波を受信可能に構成しているが、これに限られず、任意の電波を受信できるように構成することができる。
【0060】
表示部12は、連結部40を介して第2筐体が備える制御部30と接続されており、制御部30から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表示画面に画像を表示するものである。具体的には、表示部12は、LCD(liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置により構成することができる。
【0061】
第2筐体20は、より詳細には、テレビ受信部21、駆動モータ22、報知部23、加速度センサ部24、タイマー部25、電源部(充電池)26、入力部27、音声出力部28、接地部(グランド)29、制御部30および記録部50を備える構成である。
【0062】
テレビ受信部21は、第1筐体10が備えるアンテナ部11と接続されており、アンテナ部11を介してワンセグ放送波を受信し、画像・音声(および場合によっては、これらに付随する情報)および番組情報を含む放送データを復調するものである。テレビ受信部21は、復調した放送データを制御部30に転送する。
【0063】
駆動モータ22は、連結部40が有するヒンジ部41(図3)に駆動力を伝えて、携帯通信端末1を開閉させるものである。駆動モータ22の動作詳細については、後ほど説明する。
【0064】
報知部23は、制御部30からの指示に基づいて、ユーザへの報知を行うものである。報知部23は、例示的に、偏心モータなどの振動素子を用いて携帯通信端末1の筐体を振動させるとともに、アラーム音を鳴らす(以下、この動作をアラーム鳴動と称する)構成としている。
【0065】
しかしながら、これに限られず、報知部23による報知の例としては、他にもLED(light emitting diode)などの発光素子を用いて発光させたりすることが挙げられる。また、報知部23による報知は、表示部12での表示または音声出力部28における音声出力によるものでもよい。
【0066】
加速度センサ部24は、携帯通信端末1が受ける加速度の変化を測定するものである。
【0067】
タイマー部25は、現在時刻を計測するものである。タイマー部25は、一例として、計測時の“年”、“月”、“日”、“時”、および“分”の単位で「時間」を計測する構成としている。タイマー部25は、計測した時刻を制御部30に通知する。
【0068】
電源部26は、携帯通信端末1の各種構成が動作するための電力を供給するためのものであり、具体的に例示すると、リチウムイオン電池などの二次電池により実現することができる。また、電源部26は、外部電源(家庭用電源)と接続するための接続端子を設けて、外部から電源供給を受ける構成としてもよい。
【0069】
入力部27は、第2筐体20の表面に設けられたボタンなどの入力デバイスにおけるユーザの操作に応じて、操作データを作成して制御部30に送信するものである。これにより制御部30は、操作データに応じた各種処理を実行する。入力デバイスとしては、ボタンスイッチなどの他にタッチパネルなどを用いることができる。
【0070】
音声出力部28は、制御部30からの音声信号を音波に変換して外部に出力するものである。具体的には、音声出力部28は、レシーバ、スピーカ、音声出力用コネクタなどを備える構成である。なお、携帯通信端末1では、音声出力部28を、第2筐体20に設けているが、これに限られず、音声出力部28を、第1筐体10に設けてもよいし、レシーバの部材のみを、第1筐体10に設ける構成とすることも可能である。
【0071】
接地部29は、携帯通信端末1に内蔵されている回路を基準電位に接続して接地するためのものである。携帯通信端末1では、例示的に、第2筐体20に内蔵されている電子回路基板や、補強板などを接地部29として用いる構成としている。
【0072】
制御部30は、携帯通信端末1における各種構成を統括的に制御するものである。制御部30の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。
記録部50は、各種データや、制御部30が実行するためのプログラムを記録するものである。記録部50は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、RAM、などにより構成することができる。
【0073】
連結部40は、上述のとおり第1筐体10および第2筐体20を開閉可能に連結しているものである。また、第1筐体10および第2筐体20は、この連結部40を介して、電気的に接続される。連結部40の詳細については後述する。
【0074】
以下、記録部50、制御部30の詳細について説明する。
【0075】
(記録部)
次に、記録部50の詳細について説明する。記録部50は、予約設定記録部51と、録画データ記録部52とを含む構成である。
【0076】
予約設定記録部51は、テレビ機能部31が放送データを録画するための予約設定データを記録しておくものである。予約設定記録部51に記録されている予約設定データは、一例として、録画する番組の「チャンネル」、「放送日付」、「録画開始時間」、および「録画終了時間」を含むデータとしている。しかしながら、これに限られず、予約設定データのデータ構造は、公知のものを用いることができる。
【0077】
録画データ記録部52は、テレビ機能部31が記録・再生する録画データを記録しておくものである。
【0078】
(制御部)
次に、制御部30の詳細について説明する。制御部30は、テレビ機能部31、開閉制御部(状態変更手段、充電検知手段、移動検知手段、明るさ検知手段、時間帯判定手段、電波強度判定手段)32、および報知制御部(状態変更報知手段、電波受信感度報知手段)33を含む構成である。
【0079】
テレビ機能部31は、ワンセグ放送波を受信・録画・再生するための、いわゆるテレビ機能を提供するものであり、一例として、録画設定部(設定手段)34、録画部35、および再生制御部36の3つの部材により構成している。
【0080】
これら3つの部材について説明すると次のとおりである。
【0081】
まず、録画設定部34は、ユーザの録画設定操作に応じて、録画予約を行うものである。録画設定部34は、具体的には、入力部27がユーザの録画設定操作を受け付けると、その録画設定を予約設定データとして、予約設定記録部51に記録する。
【0082】
ここで、録画設定操作とは、ユーザが録画予約したい番組の、「チャンネル」、「放送日付」、「録画開始時間」、および「録画終了時間」を入力部27において設定する操作のことである。
【0083】
そして、録画部35は、予約設定記録部51に記録されている予約設定データに基づいて、テレビ受信部21から放送データを取得して、取得した放送データを録画データとして録画データ記録部52に記録するものである。
【0084】
最後に、再生制御部36は、ユーザの視聴操作に応じて、録画データを再生するものである。具体的には、再生制御部36は、入力部27がユーザの視聴操作を受け付けると、録画データ記録部52から指定された録画データを読み出して、録画データから映像データおよび音声データを取り出し、第1筐体10の表示部12に映像データを表示させるとともに、第2筐体20の音声出力部28に音声データを出力させる。
【0085】
ここで、視聴操作とは、ユーザが入力部27において、再生したい録画データを指定して、再生指示する操作のことである。この際、再生制御部36は、録画部35において記録されている録画データを一覧にしてユーザに提示し、この一覧からユーザに再生したい録画を選択させてもよい。以上が、テレビ機能部31の構成である。
【0086】
続いて、開閉制御部32は、携帯通信端末1の状態に応じて、駆動モータ22を駆動させることにより携帯通信端末1の開閉を制御するものである。具体的には、開閉制御部32は、テレビ受信部21におけるワンセグ放送波の受信感度が所定レベル以下であるか否かを判定する。判定の結果、受信感度が所定レベル以下である場合、開閉制御部32は、駆動モータ22を駆動させて携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にする。
【0087】
報知制御部33は、報知部23を制御してアラーム鳴動させるものである。
【0088】
(携帯通信端末の内部構造について)
次に、図3を用いて、携帯通信端末1の内部構造について説明する。図3は、携帯通信端末1の内部構造について示した透過斜視図である。図3の(a)は、携帯通信端末1を折り畳んで閉じた状態を示しており、図3の(b)は、携帯通信端末1を開いた状態を示している。
【0089】
図3の(a)および(b)に示すように、連結部40は、ヒンジ部41と、突設部42とを備える。
【0090】
ヒンジ部41は、駆動モータ22と接続されており、駆動モータ22の駆動力を受けて、矢印D11、D12方向に回転可能に構成されている。また、ヒンジ部41の高さ方向にわたって、突設部42が設けられている。そして、ヒンジ部41は、電源部26と電気的に接続されており、電源部26からの電力供給を受けることができるようになっている。
【0091】
電源部26は、接地部29に接続されており、接地されている。
【0092】
駆動モータ22は、電源部26と電気的に接続されており、電源部26からの電力供給に応じて、回転することにより駆動力を発生させる。
【0093】
突設部42は、第1筐体10に係合されており、駆動モータ22が回転すると、突設部42を介して第1筐体10に駆動力が伝わるようになっている。このように、駆動モータ22の駆動力が、突設部42から、第1筐体10に伝わることで、第1筐体10を両矢印D1方向に開閉させることができる。
【0094】
突設部42は、アンテナ部11と電気的に接続されている。このため、アンテナ部11は、ヒンジ部41および突設部42を介して、電源部26からの電力供給を受けることが可能になっている。
【0095】
携帯通信端末1は、図3の(a)に示す「閉じた状態」において、駆動モータ22が回転すると、第1筐体10が、P1を回転軸として矢印D11の方向に回転し、これにより図3の(b)に示す「開いた状態」となる。
【0096】
携帯通信端末1は、図3の(b)に示すように開いた状態では、表示部12および入力部27が、外部に露出した状態となる。また、接地部29と、アンテナ部11との間が離間した状態となる。
【0097】
(処理の流れ)
次に、図4を用いて、携帯通信端末1における録画に関する一連の処理の流れについて説明する。図4は、携帯通信端末1における録画に関する処理の一例について示すフローチャートである。
【0098】
まず、ユーザが携帯通信端末1を操作するために、手動により携帯通信端末1を開いた状態にする(S101)。録画設定部34は、ユーザの録画設定操作に応じて、予約設定データを予約設定記録部51に記録する(S102)。ユーザは、手動により携帯通信端末1を閉じた状態にする(S103)。
【0099】
開閉制御部32は、予約設定記録部51に記録されている予約設定データに指定されている「放送日付」、「録画開始時間」を監視し、タイマー部25が計測する現在時刻が「放送日付」の「録画開始時間」の数分前であるか否かを判定する(S104)。そして、開閉制御部32は、現在時刻が「放送日付」の「録画開始時間」の数分前になるのを待ち受ける(S104においてNO)。
【0100】
そして、開閉制御部32は、現在時刻が「放送日付」の「録画開始時間」の数分前であると判定すると(S104においてYES)、テレビ機能を起動して、予約設定記録部51に記録された「録画する番組」のチャンネルを受信する(S105)。その後、テレビ受信部21を制御して放送波の受信感度を測定する(S106)。
【0101】
測定の結果、テレビ受信部21における放送波の受信感度が、所定レベルよりも上であった場合(S107においてNO)、開閉制御部32が携帯通信端末1を開いた状態にすることなく、録画部35が、そのまま「放送日付」の「録画開始時間」が来るのを待ち受ける(S109においてNO)。
【0102】
一方、測定の結果、テレビ受信部21における放送波の受信感度が、所定レベル以下であった場合(S107においてYES)、開閉制御部32が、駆動モータ22を動作させて、携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にする(S108)。
【0103】
そして、「放送日付」の「録画開始時間」が来れば(S109においてYES)、録画部35は、受信した放送データを、録画データとして録画データ記録部52に記録する(S120)。その後、処理は終了する。
【0104】
なお、S104において、開閉制御部32が、現在時刻が、「放送日付」の「録画開始時間」の数分前であるか否かを判定するのは、S105〜S108を実行するための時間を確保するためである。言い換えれば、次の3つの時間を確保している。
【0105】
第1に、S105において、テレビ機能部31を起動し、録画部35が、テレビ受信部21を介して放送データを取得するための準備時間を確保している。
【0106】
S103から、S104までの間には、相当の時間経過があるものと考えられるので、携帯通信端末1が、省電力のためのスリープモードに移行したり、あるいは、電源がOFFとなっていたりする場合が想定される。
【0107】
このような場合、テレビ機能部31が起動され実行可能となるまでには、所定の時間を要することが多い。さらには、録画部35が、放送データを取得するには、テレビ受信部21を調整する時間が必要であるので、テレビ機能が稼働し放送データを取得することができる状態に移行するための準備時間を設けている。また、この準備時間には、筐体が閉じられた状態から、開かれた状態に移行するのにかかる時間も含まれている。
【0108】
第2に、S106、S107において、受信感度を測定し、測定した受信感度が所定レベル以下か否かを判定するための時間を確保している。
【0109】
第3に、S108において、開閉制御部32が、駆動モータ22を駆動させて携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にするのにかかる時間を確保している。
【0110】
よって、S104を、「放送日付」の「録画開始時間」のどのくらい前に実行するかは、それぞれの処理にかかる時間や、携帯通信端末1の状態に応じて任意に設定することができる。
【0111】
(作用効果)
以上のように、携帯通信端末1は、アンテナ部11が設けられた第1筐体10と、第1筐体10と連結部40によって連結され、アンテナ部11を接地するための接地部29が設けられた第2筐体20とを備え、第1筐体10と第2筐体20とを重ね合わせて閉じた状態と、第1筐体と第2筐体とを展開させて開いた状態との間で状態変更可能に構成されている携帯端末において、第1筐体10および第2筐体20は、開いた状態のときのほうが、閉じた状態のときよりもアンテナ部11と、接地部29とが離間するように構成され、アンテナ部11によりワンセグ放送波の受信データの記録を開始する時刻を設定する録画設定部34と、録画設定部34により設定された時刻までに、受信感度を判定して、受信感度が悪ければ、開いた状態に状態変更する開閉制御部32と、を備える構成である。
【0112】
上記構成によれば、ワンセグ放送波を受信する際、携帯通信端末1を開いた状態にすることができ、これにより、閉じた状態の場合より、アンテナ部11と、接地部29とが離間する。
【0113】
ダイポールアンテナの場合、グランドとの間の距離をとらないと受信感度が悪化してしまう。アンテナ部11は、ダイポールモードを形成するので、グランド、すなわち接地部29との距離をとらないと、アンテナ部11における受信感度が悪化してしまう。
【0114】
上記構成によれば、「放送日付」の「録画開始時間」になるまでに、ユーザの手を煩わすことなく携帯通信端末1を開いた状態にすることができる。これにより閉じた状態の場合よりも受信感度を向上させることができる。
【0115】
そして、録画データの一部が抜けてしまったり、再生できない録画データを記録してしまったりすることを防ぐことが可能になる。
【0116】
(変形例)
以下において、携帯通信端末1の好ましい変形例について説明する。
【0117】
[加速度センサ部による移動判定]
図4のS107と、S108との間において、携帯通信端末1が移動中かどうかを判定し、判定結果に応じてS108の処理を実行するかどうかを決定してもよい。
【0118】
具体的な構成例について挙げると次のとおりである。まず、加速度センサ部24において携帯通信端末1が受ける加速度の変化を測定する。そして、開閉制御部32が、測定した加速度の変化により携帯通信端末1が、移動中か否かを判定する。
【0119】
加速度の変化により携帯通信端末1が移動中か否かを判定する手法は、公知の技術を採用することができる。
【0120】
そして、開閉制御部32は、携帯通信端末1が移動中と判定した場合は、携帯通信端末1を開いた状態にしない。すなわち、S108の処理は実行しない。
【0121】
上記構成によれば、次の作用・効果を得られる。すなわち、開閉制御部32が、携帯通信端末1が移動中と判定した場合、携帯通信端末1がかばんの中や、ユーザの衣服のポケット等に納められて、ユーザとともに移動している状態であることが想定される。
【0122】
このような状態で、携帯通信端末1を開いた状態にするのは、次のような適当でない場合が考えられる。
【0123】
まず、携帯通信端末1が周囲を遮蔽物により覆われており、携帯通信端末1を開いた状態にするための空間が無いことが考えられる。
【0124】
そして、ユーザがポケットに携帯通信端末1を入れていた場合、ユーザが不意の出来事に驚いてしまうことが考えられる。ユーザが車等を運転していたときを考慮すれば、不用意に携帯通信端末1を開いた状態にすると、安全上必ずしも好ましくない場合がある。
【0125】
上記構成によれば、携帯通信端末1が移動中と判定した場合、携帯通信端末1を開いた状態しないので、携帯通信端末1が開閉できないときや、開閉することが必ずしも好ましくないときにおいて、携帯通信端末1を不用意に開いた状態にしてしまうことを防ぐことができる。
【0126】
[充電判定]
開閉制御部32では、携帯通信端末1の充電判定を行って、判定結果に応じて、携帯通信端末1を開いた状態にするかどうかを決定してもよい。
【0127】
具体的な構成例について挙げると次のとおりである。
【0128】
まず、開閉制御部32は、電源部26において外部電源から電力供給を受けている場合、携帯通信端末1が充電中であると判定する。そして、開閉制御部32は、携帯通信端末1が充電中であれば、携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にする。
【0129】
図5を用いて、開閉制御部32において充電判定する場合の処理の流れについて説明すると次のとおりである。なお、S201〜S207およびS211は、図4を用いて説明したS101〜S107およびS120と同様であるのでその説明を省略する。
【0130】
S208において、開閉制御部32は、電源部26が外部電源から電力供給を受けているか否かを確認することにより、携帯通信端末1が充電中であるか否かを判定する。
【0131】
判定の結果、携帯通信端末1が充電中でなかった場合(S208においてNO)、開閉制御部32が携帯通信端末1を開いた状態にすることなく、録画部35が、そのまま「放送日付」の「録画開始時間」が来るのを待ち受ける(S210においてNO)。
【0132】
一方、判定の結果、携帯通信端末1が充電中であった場合(S208においてYES)、開閉制御部32が、駆動モータ22を動作させて、携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にする(S209)。
【0133】
上記構成によれば、次の作用・効果が得られる。
【0134】
携帯通信端末1が、周囲を遮蔽物により覆われているような状態である場合、例えば、かばんの中に収納されているような場合、携帯通信端末1を開閉することができないことが考えられる。
【0135】
一方、携帯通信端末1が充電中である場合、携帯通信端末1は、携帯通信端末1を開閉することが可能である状態であることが想定される。例えば、携帯通信端末1が充電器に接続されて机の上等に安定して置かれている状態であり、携帯通信端末1の周囲には開閉の障害となる遮蔽物がないことが考えられる。
【0136】
上記構成によれば、携帯通信端末1が開閉することが可能であると想定されるときに、携帯通信端末1を開いた状態にすることができる。
【0137】
[ユーザに対する報知]
携帯通信端末1において、開閉制御部32が、携帯通信端末1を開いた状態にしたあと、さらに受信感度を測定し、測定結果に応じて報知制御部33が報知部23にアラーム鳴動させてもよい。
【0138】
図6を用いて、ユーザに対する報知を行う場合の処理の流れについて説明すると次のとおりである。なお、S301〜S308およびS312、S313は、図4を用いて説明したS101〜S108およびS109、S120と同様であるのでその説明を省略する。
【0139】
S308において携帯通信端末1を開いた状態にしたあと、S309では、開閉制御部32が、さらに受信感度を測定し、測定した受信感度が所定レベル以下か否かを判定する。
【0140】
判定の結果、受信感度が所定レベルよりも大きい場合(S309においてNO)、録画部35が、そのまま「放送日付」の「録画開始時間」が来るのを待ち受ける(S312においてNO)。
【0141】
一方、判定の結果、受信感度が所定レベル以下である場合(S309においてYES)、報知制御部33が報知部23にアラーム鳴動させる(S311)。なお、このとき、表示部12において、受信感度が低下していることを表示してもよい。
【0142】
上記構成によれば、次の作用効果が得られる。
【0143】
すなわち、携帯通信端末1が、受信感度が相当低い場所に置かれている場合、携帯通信端末1が開いた状態となっても、十分な受信感度が得られないことも想定される。この場合、ユーザが自ら、携帯通信端末1を受信感度がよい場所に移動させることにより、このような不都合を解消することも一案である。
【0144】
上記構成によれば、携帯通信端末1が開いた状態であっても、依然として受信感度が所定レベル以下であった場合、ユーザにそのことを報知することができる。これにより、ユーザに、携帯通信端末1を動かすよう促すことができる。
【0145】
なお、S308の前に、報知制御部33が報知部23による報知を行って、ユーザに携帯通信端末1が開く旨、注意を促してもよい。ただし、深夜等に録画予約設定されている場合は、ユーザが就寝していることも考えられるので、報知を控えてもよい。
【0146】
〔実施形態2〕
本発明の携帯通信端末に関する他の実施形態について、図7および図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0147】
(携帯通信端末の相違点について)
携帯通信端末1と、携帯通信端末(携帯端末)2との相違点について説明すると次のとおりである。
【0148】
第1に、携帯通信端末1が1軸回転の折り畳み型であったのに対して、携帯通信端末2は、2軸回転の折り畳み型(スイベル型)である。
【0149】
第2に、携帯通信端末1が、第2筐体20が備える電源部26から、第1筐体10が備えるアンテナ部11に対して直接的に給電するタイプであったのに対して、携帯通信端末2は、給電部からアンテナ部に対して間接的に給電するタイプである。
【0150】
その他の携帯通信端末2の概略構成については、図1〜図6を用いて示した携帯通信端末1の構成と同様であるので、その説明を省略する。携帯通信端末2の特徴的構成について、以下において詳細に説明する。
【0151】
(携帯通信端末の外観)
まず、図7を用いて、携帯通信端末2の外観について説明する。図7は、携帯通信端末2の外観を示す斜視図である。
【0152】
図7に示すとおり、携帯通信端末2は、連結部において、2つの回動軸を有する形状変形機構を採用しているものである。
【0153】
図7の(a)は、携帯通信端末2を折り畳んで閉じた状態を示しており、図7の(b)は、携帯通信端末2を開いた状態を示している。
【0154】
図7の(a)に示すように、携帯通信端末2は、P21を回動軸として、両矢印D21方向に回動可能である。
【0155】
また、図7の(b)に示すように、携帯通信端末2は、開いた状態において、さらに、P21に対して垂直なP22を回動軸として、両矢印D22方向に回動可能である。
【0156】
(携帯通信端末の連結部詳細について)
次に、図8を用いて、携帯通信端末2の連結部400の詳細について説明する。図8は、携帯通信端末2の内部構造について示す透過模式図である。
【0157】
図8の(a)は、開いた状態の携帯通信端末2の斜視図を示しており、図8の(b)は、携帯通信端末2を矢印A11の方向からみた側面を示している。
【0158】
図8に示すように、携帯通信端末2の連結部400は、駆動モータ22、ヒンジ部41、結合点61、および回転部63を備える構成である。
【0159】
結合点61は、ヒンジ部41と電気的に接続されている。また、携帯通信端末2の第2筐体20には、結合点62が、結合点61と対抗する位置に設けられており、なおかつ電源部26と電気的に接続されている。結合点61および結合点62は、結合点62が電源部26からの電力供給を受けると、結合点61とおよび結合点62が静電容量結合するように構成している。
【0160】
回転部63は、円柱形の導体の部材であり、一端がヒンジ部41に対して接続されており、なおかつ、ヒンジ部41の回動軸であるP21に対して垂直なP22を回動軸として回転可能に構成されている。回転部63の他端は、アンテナ部11と電気的に接続されている。
【0161】
よって、アンテナ部11への電力供給は、次のようにして行われる。すなわち、結合点62が電源部26からの電力供給を受けると、結合点61および結合点62が静電容量結合する。これにより、電源部26は、ヒンジ部41および回転部63を介して、アンテナ部11に対して電力供給を行う。
【0162】
(作用・効果)
本発明に係る携帯通信端末は、上記のように構成すれば、2軸回転型のものについても好適に適用することができ、また、静電容量結合による電力供給を行う間接給電型のタイプであっても適用可能である。
【0163】
つまり、携帯通信端末2は、携帯通信端末1と同様、現在時刻が「放送日付」の「録画開始時間」となるまでに、携帯通信端末2を閉じた状態から開いた状態にして、受信感度を向上させることができる。
【0164】
なお、携帯通信端末2において、回転部63を回転させるための電動モータを設けてもよい。そして、現在時刻が「放送日付」の「録画開始時間」となるまでに、携帯通信端末2を閉じた状態から開いた状態にして、さらに、矢印D22方向に第1筐体10を回転させるようにしてもかまわない。
【0165】
また、ヒンジ部41および回転部63の形状・構造については上記以外にも公知の技術を用いることができる。
【0166】
〔実施形態3〕
本発明の携帯通信端末に関するさらに他の実施形態について、図9〜図11に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0167】
(携帯通信端末について)
携帯通信端末(携帯端末)3は、概略的に説明すれば、携帯通信端末1のように駆動モータにより携帯通信端末1を開いた状態にするのではなく、バネの付勢力により携帯通信端末3を開いた状態にする構成である。
【0168】
図9および図10を用いて、携帯通信端末3の外観について説明すると次のとおりである。図9および図10は、携帯通信端末3の外観を示す斜視図である。図9は、携帯通信端末3が閉じた状態を示しており、図10は、携帯通信端末3が開いた状態を示している。
【0169】
図9に示すように、携帯通信端末3は、携帯通信端末1と同様、第1筐体10および第2筐体20が、連結部40において開閉可能となっている構成である。
【0170】
携帯通信端末3と、携帯通信端末1との相違点は以下の通りである。
【0171】
携帯通信端末3は、さらに、一端が第1筐体10に接続され、他端が第2筐体20に接続されているトーションバネ83を備える。トーションバネ83は、「<」の字型の中央部がコイル状になっているばねである。トーションバネ83は、その中央部がなす円の中心に引いた垂線が、回動軸P41と一致するような位置に設置される。
【0172】
これにより、トーションバネ83は、第1筐体10を、矢印D43方向に付勢する一方で、第2筐体20を、矢印D44方向に付勢する。この付勢力により、携帯通信端末1を矢印D41、D42方向に開くことができ、携帯通信端末1を閉じた状態から開いた状態にすることができる。
【0173】
また、第1筐体10には、先端が鉤形となっている突起部81が第1筐体10の上部側面(同図において紙面手前の面)に設けられている。
【0174】
そして、図10に示すように、第2筐体20には、携帯通信端末3が閉じた状態のときに、上記突起部81を係止するための係止部84が、突起部81に対向する位置に設けられている。係止部84は、携帯通信端末3に内蔵されている電動モータ85(図11)により矢印D51、D52方向に移動可能に構成されている。携帯通信端末3が閉じた状態のときに、係止部84が矢印D51方向に移動することにより、突起部81を係止する。また、携帯通信端末3が閉じた状態のときに、係止部84が矢印D52方向に移動すると、突起部81を係止しなくなるので、このときトーションバネ83の矢印D41方向への付勢力により、携帯通信端末3が図9に示す閉じた状態から、図10に示す開いた状態になる。
【0175】
(携帯通信端末を開く仕組み)
次に、図11を用いて、携帯通信端末3を開く仕組みについて、より詳細に説明すると以下のとおりである。図11は、携帯通信端末3の側面を模式的に表した図である。図11の(a)は、携帯通信端末3が閉じた状態を示しており、図11の(b)は、携帯通信端末3が開いた状態を示している。
【0176】
図11に示すように、第2筐体20には、係止部84を移動させるための電動モータ85が設けられている。電動モータ85には、モータの回転力を伝えるためのギアが取り付けられており、このギアによって、矢印D33、D34方向の回転力を、矢印D51、D52方向の水平移動の駆動力として係止部84に伝えることができる。
【0177】
図11の(a)に示すように、係止部84が矢印D51に移動していると、突起部81を係止するので、トーションバネ83の付勢力があっても、携帯通信端末3は、開いた状態にならない。
【0178】
電動モータ85のギアが矢印D33方向に回転すると、これに伴って係止部84が、矢印D52方向に移動する。これにより図11の(b)に示すように、係止部84が、突起部81を係止しなくなるので、トーションバネ83の付勢力により、携帯通信端末3が矢印D41方向に開く。これにより携帯通信端末3は、開いた状態となる。
【0179】
(処理の流れ)
ここで、再び図4を参照しながら、携帯通信端末3における録画に関する一連の処理について説明すると次のとおりである。
【0180】
携帯通信端末3における処理は、図4により示すフローチャートにおいて次のように構成すればよい。
【0181】
すなわち、S107において受信感度が一定レベル以下と判定された場合、開閉制御部32は、電動モータを動作させて係止部84を矢印D52の方向に移動させる。
【0182】
続くS108では、トーションバネ83の付勢力により、携帯通信端末3が開いた状態になる。
【0183】
(作用・効果)
本発明に係る携帯通信端末は、上記のように構成すれば、バネにより筐体を開閉させるものについても好適に適用することができ、携帯通信端末1と同様の効果を得ることができる。また、バネの付勢力を利用するので、携帯通信端末1を開いた状態にするために必要な消費電力を低減することも可能である。
【0184】
なお、携帯通信端末3では、電動モータの回転力を、水平方向の力に変換することにより係止部84を移動させる構成であったが、これに限られず、係止部84の移動には任意の技術を適用することができる。例えば、磁力によって係止部84を移動させてもよい。
【0185】
〔実施形態4〕
本発明の携帯通信端末に関するさらに他の実施形態について、図12〜図14に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0186】
(携帯通信端末の相違点について)
携帯通信端末1と、携帯通信端末(携帯端末)4との相違点について説明すると次のとおりである。
【0187】
第1に、携帯通信端末1が1軸回転の折り畳み型であったのに対して、携帯通信端末4は、いわゆるスライド型の構成である。
【0188】
第2に、携帯通信端末4は、自動的に筐体をスライドさせるための機能およびその機能を所定条件下において始動させるための手段を有している。
【0189】
その他の携帯通信端末4の概略構成については、図1〜図6を用いて示した携帯通信端末1の構成と同様であるので、その説明を省略する。携帯通信端末4の特徴的構成について、以下において詳細に説明する。
【0190】
(携帯通信端末の外観について)
まず、図12を用いて、携帯通信端末4の外観について説明する。図12は、携帯通信端末4の外観を示す正面図である。
【0191】
図12に示すように、携帯通信端末4は、第1筐体10と、第2筐体20とが、水平方向(矢印D31および矢印D32の方向)にスライド可能に構成されている。同図では、携帯通信端末4は、第1筐体10が、矢印D32の方向にスライドして開いた状態となっており、第2筐体20の表面に設けられた入力部27が外部に露出している。
【0192】
また、第1筐体10の矢印D32方向の端部には、明るさを測定するための照度センサ部73が設けられている。
【0193】
(スライド機構について)
次に、図13および図14を用いて、携帯通信端末4のスライド機構について説明する。
【0194】
図13は、携帯通信端末4の第1筐体10および第2筐体20の分解図である。図13の(a)は、第1筐体10を裏面(すなわち、第2筐体20と接する面)から見た平面図であり、(b)は、第1筐体10を図12の矢印D32の向きで見た正面図、(c)は、第2筐体20を表面からみた平面図、そして(d)は、第2筐体20を図12の矢印D32の向きで見た正面図である。
【0195】
図14は、携帯通信端末4を、図13の矢印A21の向きからみた場合の側面図であり、(a)は、携帯通信端末4が閉じた状態を示しており、(b)は、携帯通信端末4が開いた状態を示している。
【0196】
図13の(a)および図13の(b)に示すように、第1筐体10の裏面(すなわち、第2筐体20と接する面)の側面付近には、正面視L字型のガイド溝74が対向して設けられている。
【0197】
また、図13の(c)および図13の(d)に示すように、第2筐体20の表面(すなわち、第1筐体10と接する面)の側面付近には、上記ガイド溝74と係合して、スライド可能に構成された係合部75が設けられている。さらに付言しておけば、係合部75の長さ(矢印D31、32方向の長さ)は、ガイド溝74の長さよりも短く構成されおり、これにより、第1筐体10と第2筐体20を水平方向にスライドさせることができる。
【0198】
図14の(a)に示すように、携帯通信端末4は、閉じた状態では、第1筐体10と、第2筐体20とが重なり合った状態となる。この状態から、第1筐体10を矢印D32の方向にスライドさせるか、第2筐体20をD31にスライドさせることにより、携帯通信端末4を閉じた状態から開いた状態にすることができる。
【0199】
図14の(b)に示すように、携帯通信端末4は、開いた状態では、第1筐体10と、第2筐体20とが、移動することにより、第2筐体20の入力部27が外部に露出する。これにより入力部27において、ユーザが操作可能となる。また、この状態において、第1筐体10を矢印D31の方向にスライドさせるか、第2筐体20を矢印D32の方向にスライドさせることにより、携帯通信端末3を開いた状態から閉じた状態にすることができる。
【0200】
(自動スライド機能)
携帯通信端末4は、自動で筐体をスライドして開いた状態にできるように構成されている。携帯通信端末4では、例示的に、電動モータ(不図示)により水平方向に筐体を移動させる構成とする。すなわち、第2筐体20において電動モータを設けて、第1筐体10を矢印D31、D32方向に移動可能としている。
【0201】
なお、この構成に限られず、例えば、バネの付勢力により筐体を水平方向に移動させる構成であってもよいし、電動モータの設置場所も任意である。
【0202】
(処理の流れ)
ここで、再び図4を参照しながら、携帯通信端末4における録画に関する一連の処理について説明すると次のとおりである。
【0203】
携帯通信端末4における処理は、図4により示すフローチャートにおいて次のように構成すればよい。
【0204】
すなわち、S107において受信感度が一定レベル以下と判定された場合、S108において、開閉制御部32が、第2筐体20設けられている上記電動モータを動作させて、第1筐体10を矢印D32方向に移動させることにより、携帯通信端末4を、閉じた状態から開いた状態にする。
【0205】
(作用・効果)
本発明に係る携帯通信端末は、上記のように構成すれば、スライド型のものについても好適に適用することができる。
【0206】
(変形例)
携帯通信端末4に、明るさを計測するための照度センサを追加して、照度センサが計測する明るさに応じて、携帯通信端末1を開いた状態にするかどうかを決定する変形例について説明する。
【0207】
ここで、再び図4を参照しながら、上記変形例について説明すると次のとおりである。
【0208】
当該変形例では、S107と、S108との間に次の処理を実行する。
【0209】
まず、開閉制御部32は、タイマー部25が計測する時間から、現在時刻が昼の時間帯か夜の時間帯かを判定する。そして、判定の結果、現在時刻が昼の時間帯であった場合、開閉制御部32は、照度センサ(不図示)において計測された明るさが、所定値以上か否かを判定する。
【0210】
そして、判定の結果、明るさが所定値よりも小さかった場合、開閉制御部32は、携帯通信端末4を開いた状態にすることなく、録画部35は、そのまま「放送日付」の「録画開始時間」が来るのを待ち受ける(S109)。
【0211】
一方、判定の結果、明るさが所定値以上であった場合、開閉制御部32は、S108の処理を実行し、第2筐体20設けられている上記電動モータを動作させて、第1筐体10を矢印D32方向に移動させることにより、携帯通信端末4を、閉じた状態から開いた状態にする。
【0212】
上記構成によれば、次の作用・効果が得られる。
【0213】
すなわち、昼の時間帯であるにもかかわらず、携帯通信端末4の周辺の明るさが所定値よりも小さい場合(すなわち暗くなっている場合)、携帯通信端末4が、遮蔽物によって覆われている、例えば、かばんの中に収納されていることが考えられる。つまり、このような状況下では、携帯通信端末4を開閉することができないことが考えられる。
【0214】
上記構成によれば、現在時刻が、昼の時間帯であるか、夜の時間帯であるかを判定し、昼の時間帯であれば、照度センサにより携帯通信端末4の周辺が暗くなっているか否かを判定する。昼の時間帯は、例えば、日照時間により定めることが可能である。
【0215】
よって、携帯通信端末4が、携帯通信端末4を開閉することができない可能性が高いかどうかを判定することができる。
【0216】
この結果、携帯通信端末4を開閉することができない可能性が高いにもかかわらず、携帯通信端末4を不用意に開いた状態にしようとすることを抑止することができる。
【0217】
〔その他の変形例〕
携帯通信端末は、2つの筐体が回転軸により接続され、水平方向に回転する構成であってもかまわない(いわゆる水平回転型)。
【0218】
録画予約機能だけでなく、録画予約時間になったら設定しておいたチャンネルを自動で視聴する視聴予約機能にも適応可能である。すなわち、アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの再生を開始する時刻を携帯通信端末で設定し、設定した時刻になるまでに、筐体を開状態とし、設定した時刻になったとき、受信したデータを、表示部12において再生してもよい。
【0219】
また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0220】
上記では、携帯通信端末1〜4の各ブロック、特にテレビ機能部31、開閉制御部32、および報知制御部33を、CPUを用いてソフトウェアによって実現する例について説明した。
【0221】
すなわち、携帯通信端末1〜4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯通信端末1〜4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯通信端末1〜4に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0222】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0223】
また、携帯通信端末1〜4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。また、携帯通信端末1〜4の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0224】
本発明は、一方の筐体にアンテナが設けられており、他方の筐体にグランドが設けられ、開閉可能に構成されている携帯端末に適用することができる。従って、本発明は、携帯電話機をはじめ、ノートPC(Personal Computer)を始めとする様々な上記携帯端末に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0225】
1、2、3、4 携帯通信端末(携帯端末)
10 第1筐体
11 アンテナ部(アンテナ)
20 第2筐体
21 テレビ受信部(測定手段)
22 駆動モータ
23 報知部
24 加速度センサ部
25 タイマー部
26 電源部(充電池)
27 入力部
28 音声出力部
29 接地部(グランド)
30 制御部
31 テレビ機能部
32 開閉制御部(状態変更手段、充電検知手段、移動検知手段、明るさ検知手段、時間帯判定手段、電波強度判定手段)
33 報知制御部(状態変更報知手段、電波受信感度報知手段)
34 録画設定部(設定手段)
40、400 連結部
41 ヒンジ部
42 突設部
50 記録部
51 予約設定記録部
73 照度センサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナが設けられた第1筐体と、該第1筐体と連結され、該アンテナを接地するためのグランドが設けられた第2筐体とを備え、該第1筐体と該第2筐体とを重ね合わせて閉じた閉状態と、該第1筐体と該第2筐体とを展開させて開いた開状態との間で状態変更可能に構成されている携帯端末において、
上記第1筐体および上記第2筐体は、上記開状態のときのほうが、上記閉状態のときよりも上記アンテナと上記グランドとが離間するように構成され、
上記アンテナで受信した電波を復調して得られる受信データの記録または再生を開始する時刻を設定する設定手段と、
上記設定手段により設定された時刻までに、上記アンテナで受信する電波の強度が受信データの記録または再生に十分であるか否かを判定する電波強度判定手段を備え、
上記電波強度判定手段が電波の強度が十分でないと判定したとき、開状態に状態変更する状態変更手段と、を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
自端末を動作させるための充電池と、
上記充電池が充電中であることを検知する充電検知手段とを備え、
上記状態変更手段は、上記充電検知手段が充電中であることを検知しているとき、状態変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
自端末が受ける加速度を検出し、検出した加速度に基づいて自端末が移動中であることを検知する移動検知手段と、
上記状態変更手段は、上記移動検知手段が、自端末が移動中であることを検知しているとき、状態変更しないことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
自端末周辺の明るさを検出し、検出した明るさが所定値以下であることを検知する明るさ検知手段と、
現在時刻が、昼の時間帯か否かを判定する時間帯判定手段とを備え、
上記状態変更手段は、上記時間帯判定手段が、現在時刻が昼の時間帯であると判定したとき、上記明るさ検知手段が、明るさが所定値以下であることを検知していれば、状態変更しないことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
上記状態変更手段が開状態に状態変更する前に、状態変更することを報知する状態変更報知手段を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
上記状態変更手段によって開状態に状態変更された後、上記アンテナの電波受信感度を測定する測定手段と、
上記測定手段により測定された電波受信感度が、所定値以下であるとき、その旨の報知を行う電波受信感度報知手段とを備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯端末を動作させる携帯端末制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための携帯端末制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−188452(P2011−188452A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54694(P2010−54694)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】