説明

携帯端末装置、無線通信システム、及び無線通信方法

【課題】ユーザが煩わしい入力操作をすることなく、訪れた未知の場所の情報を容易に収集できるようにすること。
【解決手段】被写体を撮像する撮像部350と、撮像部350が撮像している被写体映像を表示する表示部330と、無線通信により外部のサーバと通信して、表示部330に表示されている被写体映像中の被写体の関連データを前記サーバより取得する通信部310と、表示部330に表示されている被写体映像に、前記サーバより取得した前記関連データをアドオンして、前記被写体映像中の被写体に情報を追加する映像処理部321と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話機などの携帯端末装置、この携帯端末装置を用いた無線通信システム、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の携帯端末装置の撮像機能を利用した技術として、特許文献1に記載の「映像・音声記録方法」、特許文献2に記載の「映像発信装置」、特許文献3に記載の「画像データの管理システム」などが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の「映像・音声記録方法」は、携帯端末装置に搭載されたカメラで撮影した被写体映像の特定箇所に関連付けてコメントを音声入力し、且つこれら映像情報と音声情報を関連させながら記録再生できるようにしている。この「映像・音声記録方法」では、例えば、住宅のキッチンの仕様に関し、顧客から「シンク横の壁をベージュに変えて欲しい」との要望があった場合に、業者が、カメラで撮影したキッチンの映像の中の「シンク横の壁部分」をタッチペンで指定し、マイクで「この壁はベージュに仕上げる」とのコメントを音声入力し、「シンク横の壁部分」の映像情報と、「この壁はベージュに仕上げる」との音声情報をデータリンクさせてICカードに記録(又は無線で送信)するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載の「映像発信装置」は、クライアント側で動作しているビューワから重畳合成させようとする画像の選択指示により、サーバに対して重畳画像を要求し格納するようにしている。また、カメラで撮影された映像は、デジタルデータに変換され、キャプチャした映像データを重畳画像として合成し、それを圧縮符号化してビューワに発信するようにしている。つまり、この「映像発信装置」では、ユーザがサーバに格納されている多数の映像データの中から好みの映像データや状況に応じて必要とされる映像データを選択し、選択した映像データと、カメラで撮影した映像をキャプチャした映像データとを合成するようにしている。
【0005】
特許文献3に記載の「画像データの管理システム」は、コンピュータ内で管理される地図又は図形情報等の位置データに、デジタルカメラ等によって撮像した実写画像を一義的にリンクさせて管理し、前記地図又は図形情報上で対象物を特定することで、該当する対象物の実写画像を登録したり呼び出したりするようにしている。この「画像データの管理システム」では、例えば、料理店の実写画像を地図データにリンクさせて管理し、ユーザが前記料理店の詳細を知りたいと思った場合に、画面に表示された地図の中から前記料理店を特定指示することで、前記料理店の詳細情報である料理のメニュー等を表示できるようにしている。
【0006】
ところで、ある人が未知の場所を訪れた場合には、通常、訪れた場所に関する地名や周辺の施設名などの情報を知りたいという要求が生じる。このような場合には、一般に、自分の居場所や行きたい施設までの順路を地域住民に尋ねたり、地域のガイドブックやガイドマップ等で現在地の地名や周辺の施設名などの情報収集を行ったりしている。
【0007】
しかしながら、このような情報収集の方法では、必要な情報の入手に手間が掛かったり、地理に明るくない人の場合には目的地に到達するまでに時間を要したりするという問題がある。
【0008】
このような問題を解消する方法として、前記従来の画像合成技術を利用して、ユーザが訪れた未知の場所を携帯端末装置の搭載カメラで写し、その被写体映像と、この被写体映像に関する情報とを、表示部に合成表示することが考えられる。
【特許文献1】特開平9−200682号公報
【特許文献2】特開平11−196404号公報
【特許文献3】特開2000−57302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の「映像・音声記録方法」では、カメラで撮影した被写体映像に関する情報を、ユーザが音声入力する必要がある。このため、この「映像・音声記録方法」では、カメラで撮影した被写体映像に関する情報、つまりユーザが訪れた場所に関する情報を予め知っていなければならず、上述した問題の解決方法とはなり得ない。また、この「映像・音声記録方法」では、カメラで撮影した被写体映像の情報を知りたい特定箇所を、ユーザが指定しなければならないため、被写体映像の特定箇所を指定するための新たな機能やユーザ操作が必要になってしまう。
【0010】
同様に、特許文献2に記載の「映像発信装置」では、サーバに格納されている多数の映像データの中から必要とされる映像データをユーザが選択する必要がある。このため、この「映像発信装置」では、サーバに格納されている多数の映像データの中の必要とされる映像データに関する情報、つまりユーザが訪れた場所に関する情報を予め知っている必要があり、上述した問題の解決方法とはなり得ない。また、この「映像発信装置」では、サーバから必要とされる映像データをユーザが選択するための新たな機能やユーザ操作が必要になってしまう。
【0011】
同様に、特許文献3に記載の「画像データの管理システム」では、画面に表示された地図又は図形情報上で、情報を得たい対象物をユーザが特定する必要がある。このため、この「画像データの管理システム」では、画面に表示された地図又は図形情報上の対象物の情報、つまりユーザが訪れた場所に関する情報を予め知っていなければならず、上述した問題の解決方法とはなり得ない。また、この「画像データの管理システム」では、情報を得たい対象物をユーザが特定するための新たな機能やユーザ操作が必要になってしまう。
【0012】
また、ある人が未知の場所を訪れた場合には、自分の現在位置や向いている方角を正しく認識できないと、仮にガイドブックやガイドマップを手にしていても、それを上手に活用することは難しい。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ユーザが煩わしい入力操作をすることなく、訪れた未知の場所の情報を容易に収集することができる携帯端末装置、無線通信システム、及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するため、本発明の携帯端末装置は、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像している被写体映像を表示する表示部と、無線通信により外部のサーバと通信して、前記表示部に表示されている被写体映像中の被写体に関連する関連データを前記サーバより取得する通信部と、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記サーバより取得した前記関連データに基づいた情報を追加する映像処理部と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前記撮像部で前記被写体を撮像して前記通信部が無線通信により外部のサーバと通信することにより、前記表示部に表示されている前記被写体映像中の被写体の前記関連データを前記サーバより取得することができる。そして、前記映像処理部により、前記サーバより取得した前記関連データを、前記表示部に表示されている前記被写体映像にアドオンして、前記被写体映像中の被写体に関連する情報を追加することができる。従って、本発明によれば、ユーザが煩わしい入力操作をすることなく、前記撮像部が撮像している被写体映像に追加された被写体の情報から、訪れた未知の場所の情報を容易に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一の構成または機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を用いる無線通信システムの構成を示す概略構成図である。無線通信システム100は、サーバ200、携帯端末装置300、基地局装置400、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)のGPS衛星500などで構成されている。
【0018】
図2は、無線通信システム100で用いるサーバ200の構成を示すブロック図である。本例のサーバ200は、通信部210、制御部220、ハードディスク230、検索エンジン240、メモリ250を備えている。通信部210は、受信部211と送信部212からなる。制御部220は、映像解析部221を備えている。ハードディスク230は、GIS(Geographical Information System)などのデータベースである地図データ231と、地図データ231上の地名や施設名などに関連する関連データ232を格納している。メモリ250は、携帯端末装置300の現在位置を示す端末現在位置データ251と、携帯端末装置300の所有者の公表データである端末所有者公表データ252を格納している。なお、ハードディスク230は、図1に示すような外付けタイプ、あるいは図2に示すような内蔵タイプの何れであってもよい。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置300の構成を示すブロック図である。本例の携帯端末装置300は、通信部310、制御部320、表示部330、操作部340、撮像部350を備えている。通信部310は、受信部311と送信部312からなる。制御部320は、映像処理部321を備えている。
【0020】
ところで、前述したように、ある人が未知の場所を訪れた場合、ガイドブックやガイドマップ等で現在地の地名や周辺の施設名などの情報収集を行うと、必要な情報の入手に手間が掛かったり、目的地に到達するまでに時間を要したりするという問題がある。
【0021】
そこで、このような未知の場所を訪れた場合、本例の無線通信システム100では、まず、図4に示すように、ユーザAは、携帯端末装置300の操作部340を操作して撮像部350を起動し、撮像部350のカメラ(CCDカメラ)351(図1参照)で、ユーザAが訪れた場所の光景Bを撮像する。
【0022】
撮像部350のカメラ351は、撮像した光景Bの映像データを制御部320の映像処理部321に送る。映像処理部321は、カメラ351から送られる映像データを、表示部330及び通信部310の送信部312に送る。表示部330は、映像処理部321から送られる映像データを画像信号に変換し、これを、図4及び図5に示すように、カメラ351が撮像している光景Bの被写体映像Cとして、携帯端末装置300の液晶パネル331(図1参照)上に表示する。ここで、カメラ351が撮像している被写体映像Cは、メモリに格納する必要はなく、液晶パネル331上に表示するだけでよい。
【0023】
一方、携帯端末装置300の送信部312は、映像処理部321から送られる映像データを無線信号に変調し、これを、基地局装置400に送信する(図1参照)。基地局装置400は、携帯端末装置300の送信部312から送信される無線信号を受信し、これをサーバ200に送信する。
【0024】
サーバ200は、基地局装置400を介して携帯端末装置300の送信部312から送信される無線信号を、通信部210の受信部211で受信する(図2参照)。受信部211は、基地局装置400を介して受信した前記無線信号を被写体映像Cの映像データに復調し、これを制御部220の映像解析部221に送る。
【0025】
サーバ200の映像解析部221は、受信部211で復調された被写体映像Cの映像データを解析して、被写体映像Cに映し出されている被写体(例えば、道路、ビルや店舗などの施設)の位置、方向、形状、及びそれらの相互位置関係などを認識して数値化する。また、映像解析部221は、数値化した映像データを、ハードディスク230に格納されている地図データ231と照合し、地図データ231の中から被写体映像Cに映し出されている被写体に該当する被写体データを、検索エンジン240により検索する。そして、映像解析部221は、検索エンジン240により検索された被写体データに関連付けられてハードディスク230に格納されている被写体の関連データ232の中から被写体映像Cに映し出されている被写体に該当する被写体関連データを抽出し、抽出した被写体関連データを送信部212に送る。送信部212は、映像解析部221から送られる被写体関連データを、被写体映像C中に映し出されている被写体データに関連付けて基地局装置400に送信する。
【0026】
基地局装置400は、サーバ200の送信部212から送られる被写体関連データを無線信号に変調し、これを無線通信により携帯端末装置300に送信する。携帯端末装置300は、基地局装置400から送信される無線信号を、通信部310の受信部311で受信する。受信部311は、基地局装置400から受信した無線信号を、被写体関連データに復調し、これを制御部320の映像処理部321に送る。
【0027】
携帯端末装置300の映像処理部321は、受信部311から送られる被写体関連データを文字データに変換し、これを、撮像部350のカメラ351から送られる被写体映像Cの映像データにアドオンして表示部330に送る。表示部330は、被写体映像Cの映像データに前記文字データがアドオンされて映像処理部321から送られる画像データを、携帯端末装置300の液晶パネル331上に表示する。
【0028】
これにより、本例の携帯端末装置300の液晶パネル331上には、図6に示すように、カメラ351が撮像している被写体映像C中の被写体に、該当する地名D1や施設名(店名等)D2,D3,D4,D5が追加された映像が表示される。
【0029】
上述のように、本例の携帯端末装置300は、ユーザAが未知の場所を訪れた場合に、カメラ351で訪れた場所の光景Bを撮像し(図4参照)、サーバ200と通信するだけで、その液晶パネル331上に表示されている被写体映像C中の被写体に該当する被写体関連データをサーバ200から取得することができる。そして、本例の携帯端末装置300は、その映像処理部321により、サーバ200から取得した被写体関連データを、液晶パネル331上に表示されている被写体映像Cにアドオンして、図6に示すように、被写体映像C中の被写体に関連情報を追加することができる。
【0030】
従って、本例の携帯端末装置300では、ユーザAが煩わしい入力操作をすることなく、その撮像部350を「虫眼鏡」的なツールとして使用して、カメラ351が撮像している被写体映像Cにアドオンされて液晶パネル331上に表示された被写体の関連情報から、訪れた未知の場所の情報を容易に収集することができる。
【0031】
また、本例の携帯端末装置300では、カメラ351が撮像している被写体映像Cをメモリに格納する必要はなく、液晶パネル331上に表示するだけでよいので、ユーザAは訪れた場所の光景Bをカメラ351で撮り続けながら、自分のいる場所や周辺の施設などの関連情報を随時確認することができる。
【0032】
このように、本例の携帯端末装置300では、ユーザAが未知の場所を訪れた場合でも、ユーザAは、液晶パネル331上に表示されている被写体映像Cにより自分の現在位置や向いている方角を、該当場所の案内図などを参照して正しく認識することができるので、訪れた場所の情報を容易且つ正確に収集でき、また、ガイドブックやガイドマップを持参している場合には、それを上手に活用できるようになる。
【0033】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置700の構成を示すブロック図である。本例の携帯端末装置700は、前述した携帯端末装置300の構成に加えて、GPS受信部710、ジャイロセンサ720を備えている。また、本例の携帯端末装置700の制御部320は、前述した映像処理部321の他に、測位処理部322、到達距離演算部323を備えている。その他の構成は、前述した携帯端末装置300の構成と同じであるので、その説明は省略する。
【0034】
本例の携帯端末装置700は、GPS受信部710で、GPS衛星500(図1参照)が発信する位置情報を無線通信により受信する。GPS受信部710は、GPS衛星500から受信した位置情報を、制御部320の測位処理部322に送る。測位処理部322は、GPS受信部710により受信したGPS衛星500が発信する位置情報に基づいて、携帯端末装置700の現在位置を測位し、測位した自端末の現在位置を示す測位データを制御部320の映像処理部321に送る。
【0035】
また、本例の携帯端末装置700は、カメラ351が撮像している被写体映像C中の被写体に対する自端末の向きを、ジャイロセンサ720で検出する。ジャイロセンサ720は、検出した自端末の向きの検出データを、制御部320の到達距離演算部323に送る。
【0036】
到達距離演算部323は、ジャイロセンサ720で検出した自端末の向きの検出データと、測位処理部322で測位した自端末の現在位置を示す測位データとに基づいて、自端末から前記被写体までの到達距離を算出する。この到達距離演算部323により算出された到達距離データは、制御部320の映像処理部321に送られる。
【0037】
本例の携帯端末装置700の映像処理部321は、到達距離演算部323で算出した前記到達距離の到達距離データを数値データに変換し、これを、撮像部350のカメラ351から送られる被写体映像Cの映像データにアドオンして表示部330に送る。表示部330は、被写体映像Cの映像データに前記数値データがアドオンされて映像処理部321から送られる画像データを、携帯端末装置300の液晶パネル331上に表示する。
【0038】
これにより、本例の携帯端末装置700の液晶パネル331上には、図8に示すように、カメラ351が撮像している被写体映像C中の被写体に、該当する地名D1や施設名(店名等)D2,D3,D4,D5とともに、自端末から各被写体までの到達距離を示す数値E1,E2,E3,E4,E5が追加された映像が表示される。
【0039】
上述のように、本例の携帯端末装置700は、前述の携帯端末装置300と同様、ユーザAが煩わしい入力操作をすることなく、カメラ351が撮像している被写体映像C中に被写体の情報をアドオンできるとともに、自端末から各被写体までの到達距離を示す数値E1,E2,E3,E4,E5が追加された映像を液晶パネル331上に表示できるので、訪れた未知の場所のより詳しい情報を容易に収集することができる。
【0040】
また、本例の携帯端末装置700では、例えば、ユーザAが訪れた未知の場所の名産品を購入する際に、被写体映像C中の被写体の情報から同じ名産品を扱っている商店が複数あるとわかった場合、各商店までの到達距離を容易に知ることができるので、ユーザAが名産品を購入する際の所要時間などを瞬時に判断することができる。
【0041】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置900の構成を示すブロック図である。本例の携帯端末装置900は、前述した携帯端末装置300の構成に加えて、到来波検出部910を備えている。その他の構成は、前述した携帯端末装置300の構成と同じであるので、その説明は省略する。
【0042】
本例の携帯端末装置900は、到来波検出部910で、サーバ200との交信を中継する基地局装置400からの到来波を検出する。到来波検出部910は、基地局装置400からの到来波を検出すると、検出した到来波の到来波データを制御部320の映像処理部321に送る。
【0043】
本例の携帯端末装置900の映像処理部321は、到来波検出部910で検出した前記到来波の到来波データを、前記到来波の到来方向を示す到来波情報マークデータに変換し、これを、液晶パネル331上に表示されている被写体映像Cにアドオンして、表示部330に送る。表示部330は、被写体映像Cの映像データに前記到来波情報マークデータがアドオンされて映像処理部321から入力される画像データを、携帯端末装置300の液晶パネル331上に表示する。
【0044】
これにより、本例の携帯端末装置900の液晶パネル331上には、図10に示すように、カメラ351が撮像している被写体映像C中の被写体に、該当する地名D1や施設名(店名等)D2,D3,D4,D5とともに、被写体映像Cに、基地局装置400から到来する到来波の到来方向を示す到来波情報マークFが表示される。
【0045】
上述のように、本例の携帯端末装置900は、前述の携帯端末装置300と同様、ユーザAが煩わしい入力操作をすることなく、カメラ351が撮像している被写体映像C中に被写体の情報をアドオンできるとともに、基地局装置400から到来する到来波の到来方向を示す到来波情報マークFを液晶パネル331上に表示できるので、ユーザAが良好に通信できる場所を容易に見つけだすことができる。
【0046】
ここで、本例の携帯端末装置900の液晶パネル331上に表示する到来波情報マークFは、前記到来波の到来順序を表す到来順序情報と、前記到来波の電波強度を表す電波強度情報を有していることが好ましい。これにより、本例の携帯端末装置900のユーザAは、液晶パネル331上に表示された到来波情報マークFから、基地局装置400から到来する到来波の到来順序情報及び電波強度を容易に知ることができるので、より良好に通信できる場所を容易に見つけだすことができる。
【0047】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4に係る携帯端末装置1100の構成を示すブロック図である。本例の携帯端末装置1100は、前述した携帯端末装置300,700,900の構成に加えて、記憶部1110を備えている。その他の構成は、前述した携帯端末装置300,700,900の構成と同じであるので、その説明は省略する。
【0048】
本例の携帯端末装置1100は、前述した携帯端末装置300,700,900の全ての構成を備えているので、例えば、携帯端末装置300と同様、その液晶パネル331上に、図12に示すように、カメラ351が撮像している被写体映像C中の被写体に、該当する地名D1や施設名(店名等)D2,D3,D4,D5が追加された映像を表示できる。
【0049】
また、本例の携帯端末装置1100は、携帯端末装置700と同様に、その液晶パネル331上に、図12に示すように、自端末から各被写体までの到達距離を示す数値E1,E2,E3,E4,E5が追加された映像を表示できる。
【0050】
また、本例の携帯端末装置1100は、携帯端末装置900と同様に、その液晶パネル331上に、図12に示すように、被写体映像Cに、基地局装置400から到来する到来波の到来方向を示す到来波情報マークFを表示できる。
【0051】
また、本例の携帯端末装置1100は、その記憶部1110に、所有者の公表データである端末所有者公表データを格納したり、これを制御部320で呼び出したりできる。そして、本例の携帯端末装置1100は、記憶部1110から制御部320で呼び出した端末所有者公表データを、通信部310の送信部312でサーバ200に送信して、サーバ200のメモリ250に端末所有者公表データ252として登録することができる。
【0052】
これにより、本例の携帯端末装置1100を用いた無線通信システムでは、サーバ200にアクセス可能な他端末が、サーバ200のメモリ250に登録してある携帯端末装置1100の端末所有者公表データ252を得ることができる。
【0053】
従って、本例の携帯端末装置1100では、例えば、ユーザAが、他端末の所有者と待ち合わせを行う場合などに、図12に示すように、自分の居場所や周囲の光景Bをカメラ351で撮像し、その被写体映像C中に「待ち合わせ場所」という公表情報Gをアドオンして他端末に送信することにより、ユーザAは他端末の所有者とより正確且つ迅速にコミュニケーションを取ることができる。
【0054】
本発明に係る携帯端末装置の1つの態様は、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像している被写体映像を表示する表示部と、無線通信により外部のサーバと通信して、前記表示部に表示されている被写体映像中の被写体に関連する関連データを前記サーバより取得する通信部と、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記サーバより取得した前記関連データに基づいた情報を追加する映像処理部と、を具備する構成を採る。
【0055】
この構成によれば、ユーザが煩わしい入力操作をすることなく、前記撮像部が撮像している被写体映像に追加された被写体の情報から、訪れた未知の場所の情報を容易に収集することができる。
【0056】
本発明に係る携帯端末装置の1つの態様は、GPS衛星が発信する位置情報を無線通信により受信するGPS受信部と、前記GPS受信部が受信した前記位置情報に基づいて自端末の現在位置を測位する測位処理部と、前記被写体に対する自端末の向きを検出するジャイロセンサと、前記ジャイロセンサで検出した自端末の向きと、前記測位処理部で測位した自端末の現在位置とに基づいて、自端末から前記被写体までの到達距離を算出する到達距離演算部と、をさらに備え、前記映像処理部は、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記到達距離演算部で算出した前記到達距離に基づいた情報を追加する構成を採る。
【0057】
この構成によれば、自端末から各被写体までの到達距離が追加された映像を前記表示部に表示できるので、訪れた未知の場所のより詳しい情報を容易に収集することができる。
【0058】
本発明に係る携帯端末装置の1つの態様は、前記通信部と前記サーバとの通信を中継する基地局装置からの到来波を検出する到来波検出部をさらに備え、前記映像処理部は、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記到来波検出部が検出した到来波に基づいて、前記到来波の到来方向を示す到来波情報を追加する構成を採る。
【0059】
この構成によれば、前記基地局装置から到来する到来波の到来方向を示す到来波情報を前記表示部に表示できるので、ユーザが良好に通信できる場所を容易に見つけだすことができる。
【0060】
本発明に係る携帯端末装置の1つの態様は、前記到来波情報は、前記到来波の到来順序を表す到来順序情報と、前記到来波の電波強度を表す電波強度情報を有している構成を採る。
【0061】
この構成によれば、前記表示部に表示された到来波情報から、前記基地局装置から到来する到来波の到来順序情報及び電波強度を容易に知ることができるので、より良好に通信できる場所を容易に見つけだすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る携帯端末装置、無線通信装置及び方法は、ユーザが煩わしい入力操作をすることなく、前記撮像部が撮像している被写体映像に追加された被写体の名称から、訪れた未知の場所の情報を容易に収集することができるので、カメラ付き携帯電話機などの携帯端末装置、この携帯端末装置を用いた無線通信システム、及び無線通信方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を用いる無線通信システムの構成を示す概略構成図
【図2】前記無線通信システムで用いるサーバの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置に搭載されたカメラで、ユーザが訪れた場所を撮像している状態を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の表示部に、前記カメラが撮像している被写体映像が表示されている状態を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の表示部に表示されている被写体映像に、前記サーバより取得した関連データをアドオンして、前記被写体映像中の被写体に名称を追加した状態を示す前記表示部の概略図
【図7】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の表示部に表示されている被写体映像に、前記関連データ、及び自端末から前記被写体までの到達距離データをアドオンして、前記被写体映像中の被写体に名称及び到達距離を追加した状態を示す前記表示部の概略図
【図9】本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置の表示部に表示されている被写体映像に、前記関連データ、及び前記サーバとの通信を中継する基地局装置からの到来波データをアドオンして、前記被写体映像中の被写体に情報を追加するとともに、前記被写体映像に前記到来波の到来方向を示す到来波情報マークを表示した状態を示す前記表示部の概略図
【図11】本発明の実施の形態4に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態4に係る携帯端末装置の表示部に表示されている被写体映像に、前記関連データ、前記到達距離データ、前記到来波データ、前記到来波データ、及び端末所有者公表データをアドオンして、前記被写体映像中の被写体に情報、到達距離、到来波情報マーク、及び端末所有者のメッセージを追加した状態を示す前記表示部の概略図
【符号の説明】
【0064】
100 無線通信システム
200 サーバ
210 通信部
211 受信部
212 送信部
220 制御部
221 映像解析部
230 ハードディスク
231 地図データ
232 関連データ
240 検索エンジン
250 メモリ
251 端末現在位置データ
252 端末所有者公表データ
300,700,900,110 携帯端末装置
310 通信部
311 受信部
312 送信部
320 制御部
321 映像処理部
330 表示部
331 液晶パネル
340 操作部
350 撮像部
351 カメラ
710 GPS受信部
720 ジャイロセンサ
910 到来波検出部
A ユーザ
B 光景
C 被写体映像
D1 地名
D2,D3,D4,D5 施設名
E2,E3,E4,E5 到達距離を示す数値
F 到来波情報マーク
G 公表情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像している被写体映像を表示する表示部と、
無線通信により外部のサーバと通信して、前記表示部に表示されている被写体映像中の被写体に関連する関連データを前記サーバより取得する通信部と、
前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記サーバより取得した前記関連データに基づいた情報を追加する映像処理部と、
を具備する携帯端末装置。
【請求項2】
GPS衛星が発信する位置情報を無線通信により受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部が受信した前記位置情報に基づいて自端末の現在位置を測位する測位処理部と、
前記被写体に対する自端末の向きを検出するジャイロセンサと、
前記ジャイロセンサで検出した自端末の向きと、前記測位処理部で測位した自端末の現在位置とに基づいて、自端末から前記被写体までの到達距離を算出する到達距離演算部と、をさらに備え、
前記映像処理部は、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記到達距離演算部で算出した前記到達距離に基づいた情報を追加する
請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記通信部と前記サーバとの通信を中継する基地局装置からの到来波を検出する到来波検出部をさらに備え、
前記映像処理部は、前記表示部に表示されている前記被写体映像に、前記到来波検出部が検出した到来波に基づいて、前記到来波の到来方向を示す到来波情報を追加する
請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記到来波情報は、前記到来波の到来順序を表す到来順序情報と、前記到来波の電波強度を表す電波強度情報を有している
請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
撮像部で撮像した被写体映像を表示部に表示するとともに、外部のサーバと通信部で通信して前記サーバから取得した前記被写体映像中の被写体に関連する関連データを、映像処理部で前記表示部に表示されている前記被写体映像に追加する携帯端末装置と、
前記携帯端末装置から送信される前記被写体映像を映像解析部で解析し、解析した被写体映像に該当する地図データに基づいて前記被写体映像中の前記関連データを検索エンジンで検索して抽出し、抽出した前記関連データを前記携帯端末装置に送信するサーバと、
を具備する無線通信システム。
【請求項6】
被写体を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像している前記被写体映像を表示する表示ステップと、
無線通信により外部のサーバと通信して、前記表示ステップで表示されている前記被写体映像中の被写体に関連する関連データを前記サーバより取得する通信ステップと、
前記表示ステップで表示されている前記被写体映像に、前記サーバより取得した前記関連データに基づく情報を追加する映像処理ステップと、
を具備する無線通信方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−182484(P2008−182484A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14240(P2007−14240)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】