説明

携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法

【課題】周辺機器が接続された場合に、通信コスト等を考慮して最適な入手先から最新のソフトウェアを取得し、これをインストールする処理を自動でおこなうことができる携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法を提供すること。
【解決手段】携帯端末装置100は、記憶媒体、外部装置200、ソフトウェア配信サーバ300等を監視し、どの周辺機器を利用するために必要なソフトがどこから取得可能であるかを記憶しておく。そして、周辺機器が接続された場合は、記憶された情報と、入手先ごとに設定された優先順位とに基づいてソフトウェアの取得先を選択し、自動的にインストールをおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、周辺機器を接続可能な携帯端末装置およびこの携帯端末装置におけるソフトウェアインストール方法に関し、特に、周辺機器が接続された場合に、通信コスト等を考慮して最適な入手先から最新のソフトウェアを取得し、これをインストールする処理を自動でおこなうことができる携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末の多機能化が大きく進み、ほとんどの携帯電話端末がインターネット接続機能やカメラ機能を備えるようになっている。また、一部の携帯電話端末は、GPS(Global Positioning System)機能やテレビ/ラジオの視聴機能を備えるようになっている。このような多機能化は、多くの利用者にとって有用なものであるが、その一方で、携帯電話端末の大型化・高価格化という問題を生じさせている。
【0003】
そこで、GPS機能等を周辺機器として実現し、必要に応じて携帯電話端末に接続して利用する方式が現在検討されている。基本的な機能を備えた小型で低価格な携帯電話端末本体と特定の機能を実現する各種周辺機器とを利用者に提供することにより、利用者は、自分の目的に応じて携帯電話端末と必要な周辺機器を自由に組み合わせて利用できるようになる。
【0004】
このように、携帯電話端末に周辺機器を接続して利用する場合、その周辺機器に応じたドライバやアプリケーション等のソフトウェアを携帯電話端末にインストールすることが必要になる。例えば、GPS機能を有した周辺機器を携帯電話端末に接続する場合、その周辺機器を制御するためのドライバや地図情報等を表示するためのアプリケーションを携帯電話端末にインストールしなければならない。
【0005】
かかるソフトウェアのインストールは自動的に実行されることが好ましい。携帯電話端末の利用者は、必ずしもソフトウェアの知識を豊富に備えている訳ではなく、必要な機能を簡単に利用したいと思っているからである。周辺機器を利用するためのソフトウェアは、携帯電話端末の機種ごとに用意され、さらに、不具合改修や機能追加のために複数の版が存在するため、適切なファイルを選択してインストールすることは容易ではない。
【0006】
パソコンのように従来から周辺機器を接続して機能を拡張することが一般的であった情報処理装置においては、機器構成に応じて適切なソフトウェアをネットワーク経由で取得し、自動的にインストールする技術が既に知られている(例えば、特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−141011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、携帯電話端末の場合、ネットワークに接続するためのコストが高く、また、通信速度も比較的遅いため、パソコン等の情報処理装置向けのソフトウェアインストール方式をそのまま携帯電話端末に適用することはできない。
【0009】
想定される周辺機器を利用するための汎用的なソフトウェアを携帯電話端末内の製造時にメモリに格納しておく方式も考えられるが、この方式では、想定される全ての周辺機器用のソフトウェアを格納するだけのメモリが必要となるためにコストの上昇を招く。また、想定されていなかった周辺機器への対応や、不具合のあったソフトウェアの改修への対応も困難である。
【0010】
かかる問題は、携帯電話端末のみならず、例えば、携帯ゲーム端末機のような多くの携帯端末装置に該当する問題である。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、周辺機器が接続された場合に、通信コスト等を考慮して最適な入手先から最新のソフトウェアを取得し、これをインストールする処理を自動でおこなうことができる携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、周辺機器を接続可能な携帯端末装置であって、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視手段と、周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視手段と、前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択手段と、前記入手先選択手段により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、周辺機器を接続可能な携帯端末装置におけるソフトウェアインストール方法であって、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視工程と、周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視工程と、前記周辺機器監視工程により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択工程と、前記入手先選択工程により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行工程とを含んだことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、ソフトウェアの入手先を監視して入手可能なソフトウェアの情報を予め取得しておき、携帯端末装置に周辺機器が接続された場合に、この情報に基づいてソフトウェアの取得先を選択し、インストールを実行するように構成したので、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを自動的かつ迅速に取得してインストールすることができる。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続解除が検出された場合に、該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアをアンインストールするアンインストール実行手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、携帯端末装置から周辺機器が接続解除された場合にその周辺機器を利用するためのソフトウェアを自動的に削除するように構成したので、記憶容量に限りがある携帯電話装置端末の記憶手段を効率的に利用することができる。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記取得先監視手段は、ソフトウェアの版情報を含む情報を記憶手段に記憶させ、前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先を選択することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ソフトウェアの入手先を監視して入手可能なソフトウェアの情報を予め取得する際にソフトウェアの版情報も取得しておき、この版情報を参照して入手先を選択するように構成したので、最新のソフトウェアを自動的に取得してインストールすることができる。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要な最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、予め定められた入手先の優先順位に基づいて入手先を選択することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、予め入手先ごとに設定した優先順位を参照してソフトウェアの取得先を選択するように構成したので、通信コスト等を考慮して設定された優先順位に基づいて最適な入手先からソフトウェアを自動的に取得してインストールすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ソフトウェアの入手先を監視して入手可能なソフトウェアの情報を予め取得しておき、携帯端末装置に周辺機器が接続された場合に、そのソフトウェアを利用するために必要なソフトウェアを自動的かつ迅速に取得してインストールすることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、携帯端末装置から周辺機器が接続解除された場合にその周辺機器を利用するためのソフトウェアを自動的に削除するように構成したので、記憶容量に限りがある携帯電話装置端末の記憶手段を効率的に利用することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、ソフトウェアの入手先を監視して入手可能なソフトウェアの情報を予め取得する際にソフトウェアの版情報も取得しておき、この版情報を参照して入手先を選択するように構成したので、最新のソフトウェアを自動的に取得してインストールすることができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、予め入手先ごとに設定した優先順位を参照してソフトウェアの取得先を選択するように構成したので、通信コスト等を考慮して設定された優先順位に基づいて最適な入手先からソフトウェアを自動的に取得してインストールすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において、単に「ソフトウェア」と言う場合、周辺機器を利用するためのソフトウェアを意味するものとする。
【実施例】
【0026】
まず、本実施例に係るソフトウェアインストール方式の概要について説明する。図1は、本実施例に係るソフトウェアインストール方式の概要を説明するための説明図である。同図に示すように、携帯端末装置100は、複数のソフトウェアの入手先の候補を有する。
【0027】
一つの入手先は、携帯端末装置100が読み取り可能なメモリカード等の記憶媒体である。この記憶媒体は、周辺機器の製造メーカ等から提供されたものでもよいし、利用者がネットワーク等を介して取得したソフトウェアを格納した市販の記憶媒体であってもよい。
【0028】
もう一つの入手先は、携帯端末装置100のインターネット接続機能を用いて接続可能なソフトウェア配信サーバ300である。このソフトウェア配信サーバ300は、携帯電話サービス会社や携帯電話の製造メーカによって運営され、携帯端末装置100に接続可能な周辺機器を利用するための最新のソフトウェアをもれなく保持している。
【0029】
もう一つの入手先は、有線通信もしくは無線通信により接続可能な外部装置200である。この外部装置は、パソコン等の情報処理装置であり、ソフトウェア取得支援プログラム292を稼動させる。ソフトウェア取得支援プログラム292は、CD−ROM等の記憶媒体や、インターネット等のネットワークにより接続されたソフトウェア配信サーバ300を監視し、携帯端末装置100で利用可能なソフトウェアを外部装置200内にキャッシュする機能をもつ。
【0030】
これらの入手先は、それぞれ、長所と短所を有している。メモリカード等の記憶媒体に格納されたソフトウェアは、通信によるダウンロードをおこなうことなくインストール可能であるため、ソフトウェアのインストールを極めて短時間にコストを必要とせずに実現することができる。しかし、利用する可能のある周辺機器のソフトウェアを全てメモリカード等に格納しておき、さらに、これらのソフトウェアの版が最新になるように維持するには大きな手間がかかる。
【0031】
ソフトウェア配信サーバ300は、全ての周辺機器の最新のソフトウェアを確実に入手することが可能であるが、携帯端末装置100のインターネット接続機能は通信速度が比較的低速で通信コストも高いため、ソフトウェアのダウンロードに時間とコストがかかる。
【0032】
外部装置200は、パソコン向けの低コストの通信回線を通じたダウンロード、もしくは、CD−ROM等の記憶媒体の読取りによってソフトウェアを取得するため、全ての周辺機器の最新のソフトウェアをコストをかけずに取得することが可能であるが、携帯端末装置100が外部装置200と接続された状態にあるときにしか利用することができない。
【0033】
本実施例に係るソフトウェアインストール方式では、これらの入手先の利用可否を常に監視し、携帯端末装置100に周辺機器が接続された場合に、利用可能な入手先の中から最適な入手先を自動で選択し、ソフトウェアのインストールを自動でおこなう。
【0034】
次に、本実施例に係る携帯端末装置100の構成について説明する。図2は、本実施例に係る携帯端末装置100の構成を示す機能ブロック図である。なお、同図では、ソフトウェアのインストールと関連のない機能(例えば、携帯電話端末における通話機能等)に関する構成の図示は省略している。
【0035】
同図に示すように、携帯端末装置100は、ネットワーク接続部110と、メモリカードインターフェース部120と、有線接続インターフェース部130と、無線接続インターフェース部140と、操作部150と、制御部160と、記憶部170とを有する。
【0036】
ネットワーク接続部110は、インターネット接続のための装置であり、メモリカードインターフェース部120は、メモリカードに対してデータの読み書きをおこなうためのインターフェース装置である。メモリカードインターフェース部120は、周辺機器の接続インターフェースも兼ねており、ここにGPS等の周辺機器を接続することができる。
【0037】
有線接続インターフェース部130は、携帯端末装置100と外部装置200の間をUSB(Universal Serial Bus)等で有線接続するためのインターフェース装置であり、無線接続インターフェース部140は、携帯端末装置100と外部装置200の間をBlueTooth等で無線接続するためのインターフェース装置である。有線接続インターフェース部130も、周辺機器の接続インターフェースも兼ねており、ここにも周辺機器を接続することができる。
【0038】
操作部150は、利用者に対して情報を表示する表示画面と、利用者の入力を受け付けるキーパッド等からなる装置である。制御部160は、携帯端末装置100を全体制御する制御部であり、入手先監視部161と、周辺機器監視部162と、入手先選択部163と、インストール実行部164と、アンインストール実行部165とを有する。
【0039】
入手先監視部161は、ソフトウェアの入手先を監視してその利用可否を判定し、判定結果を記憶部170の入手先管理テーブル171へ設定する処理部である。具体的には、ネットワーク接続部110が通信可能な状態であれば、ネットワーク接続部110がソフトウェアの入手先として利用可能であると判定する。また、メモリカードインターフェース部120にメモリカードが挿入されていれば、メモリカードインターフェース部120がソフトウェアの入手先として利用可能であると判定する。また、有線接続インターフェース部130もしくは無線接続インターフェース部140を介して携帯端末装置100が外部装置200と接続されていれば、有線接続インターフェース部130もしくは無線接続インターフェース部140がソフトウェアの入手先として利用可能であると判定する。
【0040】
図3は、入手先管理テーブル171の一例を示すデータ構成図である。入手先管理テーブル171は、ソフトウェアの入手先の利用可否と優先順位を管理するテーブルであり、図3に示すように、入手先ID、入手先名、優先順位、接続状態といった項目を有し、入手先ごとにデータが存在する。
【0041】
入手先IDは、ソフトウェアの入手先を識別するためのIDであり、入手先名は、入手先の名称である。優先順位は、同じ周辺機器用の同一版数のソフトウェアが複数の入手先から取得可能である場合に取得先を決定するための情報であり、値が小さいほど優先度が高いことを示す。接続状態は、入手先が利用可能な状態にあるか否かを表し、「接続」もしくは「未接続」のいずれかの値をとる。
【0042】
図3の例では、入手先管理テーブル171に4件のデータが登録されている。入手先管理テーブル171のデータ件数は、携帯端末装置100の構成によって変化する。例えば、携帯端末装置100がソフトウェアの入手先として無線接続インターフェース部140を備えていなければ、無線接続インターフェース部140に対応するデータが減り、データ件数は3件となる。
【0043】
1行目のデータは、入手先IDが「IN」、入手先名が「インターネット」となっており、ネットワーク接続部110に対応する。2行目のデータは、入手先IDが「WL」、入手先名が「ローカル接続(無線接続)」となっており、無線接続インターフェース部140に対応する。3行目のデータは、入手先IDが「WR」、入手先名が「ローカル接続(有線接続)」となっており、有線接続インターフェース部130に対応する。4行目のデータは、入手先IDが「MC」、入手先名が「メモリカード」となっており、メモリカードインターフェース部120に対応する。
【0044】
優先順位は、1行目から順に「4」、「3」、「2」、「1」と設定されており、メモリカードインターフェース部120、有線接続インターフェース部130、無線接続インターフェース部140、ネットワーク接続部110の順に優先度が高いことを示している。このように優先順位を設定しておくことにより、同一版数のソフトウェアが複数の入手先から取得可能である場合に、ソフトウェアの入手を迅速かつ低コストでおこなうことができる入手先が優先されて選択されることになる。
【0045】
接続状態は、1行目から順に「接続」、「接続」、「未接続」、「接続」と設定されており、ネットワーク接続部110と、無線接続インターフェース部140と、メモリカードインターフェース部120とがソフトウェアの入手先として利用可能な状態であり、有線接続インターフェース部130はソフトウェアの入手先として利用可能な状態ではないことを示している。
【0046】
また、入手先監視部161は、利用可能と判定した入手先から自装置で利用可能なソフトウェアの情報を取得し、記憶部170の版数管理テーブル172に反映させる。具体的には、メモリカードインターフェース部120がソフトウェアの入手先として利用可能であると判定した場合は、挿入されているメモリカード内を検索して自装置にインストール可能なソフトウェアを探し出し、その結果を版数管理テーブル172に反映させる。どのファイルが周辺機器を利用するためのソフトウェアであり、それが自装置に適応しているか否かは、例えば、ファイルの拡張子やファイル内の特定のデータから判断する。
【0047】
また、有線接続インターフェース部130もしくは無線接続インターフェース部140がソフトウェアの入手先として利用可能であると判定した場合は、接続されている外部装置200のソフトウェア取得支援プログラム292に対して保持しているソフトウェアについての問い合わせをおこない、その結果を版数管理テーブル172に反映させる。
【0048】
そして、ソフトウェアの入手先が利用不能な状態になった場合には、その入手先に対応する情報を版数管理テーブル172から削除する。このように、入手先から取得可能なソフトウェアの情報を版数管理テーブル172に登録しておくことにより、携帯端末装置100に周辺機器が接続された場合に、どの入手先からソフトウェアを取得するべきかを迅速に判断することができる。
【0049】
なお、本実施例では、ネットワーク接続部110がフトウェアの入手先として利用可能であると判定した場合であっても、ソフトウェア配信サーバ300に問い合わせをおこなってその結果を版数管理テーブル172に反映させる処理はおこなわないものとする。これは、問い合わせにより通信コストが発生することを回避するためであり、通信コストが問題とならない場合は、ネットワーク接続部110を介して利用可能なソフトウェアの情報を定期的にソフトウェア配信サーバ300から取得するように構成してもよい。
【0050】
図4は、版数管理テーブル172の一例を示すデータ構成図である。版数管理テーブル172は、入手先にて保持されているソフトウェアとその版数を管理するテーブルであり、図4に示すように、機器情報、入手先ID、ファイル名、版数といった項目を有し、一つの機種情報に対して入手先ID〜版数の組合せを複数保持することができる構成となっている。
【0051】
機種情報は、ソフトウェアが対応する周辺機器を識別するための情報であり、機器の種別と、メーカの識別名と、インターフェース名と、機器固有のIDを組み合わせたものである。入手先IDは、ソフトウェアの入手先を識別するためのIDであり、入手先管理テーブル171の入手先IDに対応する。ファイル名は、ソフトウェアのファイル名であり、版数は、ソフトウェアの版数である。
【0052】
図4の例では、「W−LAN/FUJI/SDIO/Wxxxx」という機種情報で識別される周辺機器の情報が登録されている。この機種情報は、対応する周辺機器が「FUJI」というメーカ製のワイヤレスLAN装置(W−LAN)であり、メモリカードインターフェースであるSDIOによって携帯端末装置100と接続され、携帯端末装置100からは「Wxxxx」というIDで認識される装置であることを示している。
【0053】
この機種情報に対しては、入手先ID〜版数の組合せが二つ登録されており、この機種情報に対応する周辺機器用のソフトウェアの入手先が二つあることを示している。一つの入手先は、「MC」すなわちメモリカードインターフェース部120であり、ここに接続されたメモリカードからファイル名が「xxx.drv」で版数が「1.5」のソフトウェアを取得可能であることを示している。もう一方の入手先は、「WL」すなわち無線接続インターフェース部140であり、無線接続された外部装置200からファイル名が「xxx.drv」で版数が「1.7」のソフトウェアを取得可能であることを示している。
【0054】
図4の例では、「GPS/DOMO/SDIO/Gxxxx」という機種情報で識別される周辺機器の情報も登録されている。この機種情報は、対応する周辺機器が「DOMO」というメーカ製のGPS装置であり、メモリカードインターフェースであるSDIOによって携帯端末装置100と接続され、携帯端末装置100からは「Gxxxx」というIDで認識される装置であることを示している。
【0055】
この機種情報に対しては、入手先ID〜版数の組合せが一つ登録されており、この機種情報に対応する周辺機器用のソフトウェアの入手先が一つあることを示している。その入手先は、「WL」すなわち無線接続インターフェース部140であり、無線接続された外部装置200からファイル名が「yyy.drv」で版数が「2.2」のソフトウェアを取得可能であることを示している。
【0056】
なお、ソフトウェア配信サーバ300には多数の周辺機器用のソフトウェアが格納されるため、携帯端末装置100に接続可能な周辺機器のソフトウェアの情報を外部装置200を経由する等してソフトウェア配信サーバ300から取得した場合、大量の情報が取得されて版数管理テーブル172の容量が不足する可能性がある。このような事態を回避するために、ソフトウェア配信サーバ300からは既に接続実績がある周辺機器のソフトウェアの情報のみを取得することとしてもよい。自装置において接続実績がある周辺機器の情報は、記憶部170の周辺機器管理テーブル173から取得することができる。
【0057】
周辺機器監視部162は、周辺機器の接続状態を監視し、その結果を記憶部170の周辺機器管理テーブル173へ設定する処理部である。具体的には、メモリカードインターフェース部120および有線接続インターフェース部130を監視し、ここに周辺機器が接続されたことが検出されたならば、その旨を周辺機器管理テーブル173へ設定する。同様に、周辺機器の接続が解除されたことが検出された場合も、その旨を周辺機器管理テーブル173へ設定する。
【0058】
また、周辺機器監視部162は、周辺機器が接続されたことが検出された場合に、その旨をインストール実行部164に通知し、必要であれば、ソフトウェアのインストールを実行させる。また、周辺機器が接続解除されたことが検出された場合は、その旨をアンインストール実行部165に通知し、必要であれば、ソフトウェアのアンインストールを実行させる。
【0059】
図5は、周辺機器管理テーブル173の一例を示すデータ構成図である。周辺機器管理テーブル173は、周辺機器およびそれを利用するためのソフトウェアの状態と、ソフトウェアの利用条件とを管理するテーブルであり、図5に示すように、機器種別、メーカ、IF種別、ID、接続状態、版数、インストール状態、ネットワーク接続、接続時動作、解除時動作といった項目を有し、周辺機器ごとにデータが存在する。
【0060】
機器種別、メーカ、IF種別およびIDは、それぞれ、周辺機器の種別と、メーカの識別名と、インターフェース名と、機器固有のIDを示す。接続状態は、周辺機器が接続されているか否かを表し、「接続」もしくは「未接続」のいずれかの値をとる。
【0061】
版数は、インストールされているソフトウェアの版数であり、周辺機器に対応するソフトウェアがインストールされていない場合は空欄となる。インストール状態は、周辺機器に対応するソフトウェアがインストールされているか否かを表し、「インストール済」もしくは「未インストール」のいずれかの値をとる。
【0062】
ネットワーク接続は、携帯端末装置100のインターネット接続機能を利用してソフトウェアを取得するか否かを表し、「なし」、「あり」もしくは「確認」のいずれかの値をとる。「確認」は、この項目の既定値であり、インターネット接続機能を利用してソフトウェアを取得することが必要になる度に利用者にインターネット接続の可否を確認することを意味する。利用者は、必要に応じて、この項目を「なし」もしくは「あり」に変更することもできる。このように、インターネット接続をおこなってソフトウェアを取得するか否かを選択可能にすることにより、通信コストを節約することができる。
【0063】
接続時動作は、携帯端末装置100に周辺機器が接続されたときの動作を表し、「現状優先」もしくは「最新優先」のいずれかの値をとる。「現状優先」は、ソフトウェアがインストール済であれば、そのソフトウェアをそのまま使用することを意味する。「最新優先」は、ソフトウェアがインストール済であっても、いずれかの入手先から版数の新しいソフトウェアが取得可能であれば、そちらを利用することを意味する。
【0064】
解除時動作は、携帯端末装置100から周辺機器が接続解除されたときの動作を表し、「保持」、「削除」もしくは「容量依存」のいずれかの値をとる。「保持」は、ソフトウェアをインストールした状態でそのまま保持することを意味する。「削除」は、ソフトウェアをアンインストールすることを意味する。「容量依存」は、記憶部170のソフトウェア格納部174の残容量が閾値以上であればソフトウェアを保持し、閾値よりも小さければソフトウェアをアンインストールすることを意味する。接続時動作と解除時動作は、利用者によって設定値が変更される。
【0065】
周辺機器監視部162は、周辺機器が接続されたことが検出された場合、周辺機器管理テーブル173にその周辺機器のデータが存在しなければデータを新規に登録する。周辺機器管理テーブル173にその周辺機器のデータが存在すれば、接続状態を「接続」に更新する。そして、周辺機器が接続解除されたことが検出された場合は、接続状態を「未接続」に更新する。周辺機器管理テーブル173のデータの削除は、利用者から指示があった場合にのみおこなわれる。
【0066】
入手先選択部163は、接続が検出された周辺機器に対応するソフトウェアをどの入手先から取得するべきかを判定する処理部である。具体的には、まず、ソフトウェアが既にインストールされており、周辺機器管理テーブル173において接続時動作が「現状優先」に設定されている場合には、ソフトウェアのインストールは不要であると判断する。
【0067】
いずれか一方でも該当しない場合は、版数管理テーブル172と入手先管理テーブル171を参照し、接続が検出された周辺機器に対応するソフトウェアのうち、版数が最も新しいソフトウェアを取得可能な入手先を選択する。同一版数のソフトウェアが複数の入手先から取得可能な場合は、入手先管理テーブル171にて優先順位が最も高く設定されている入手先を選択する。
【0068】
ただし、ここで選択した入手先のソフトウェアの版数が、既にインストールされているソフトウェアの版数よりも古い場合は、ソフトウェアのインストールは不要であると判断する。
【0069】
インストール実行部164は、ソフトウェアのインストールを実行する処理部である。インストール実行部164は、周辺機器監視部162から周辺機器が接続された旨の通知を受けると、入手先選択部163にソフトウェアの入手先を選択させ、選択された入手先からソフトウェアを取得してインストールをおこなう。なお、入手先選択部163がソフトウェアのインストールが不要であると判断した場合には、ソフトウェアのインストールはおこなわない。
【0070】
また、インストール実行部164は、入手先選択部163が入手先を選択することができなかった場合、ネットワーク経由でソフトウェア配信サーバ300からソフトウェアを取得してインストールをおこなう。このとき、携帯端末装置100が外部装置200と接続されていれば、通信コストを節約するため、携帯端末装置100のインターネット接続機能は使用せずに、外部装置200を経由してソフトウェアを取得する。
【0071】
インストール実行部164は、ソフトウェアのインストールをおこなった場合、周辺機器管理テーブル173のインストール状態を「インストール済」に設定し、インストールしたソフトウェアの版数を版数の項目に設定する。
【0072】
アンインストール実行部165は、ソフトウェアのアンインストールを実行する処理部である。アンインストール実行部165は、周辺機器監視部162から周辺機器が接続解除された旨の通知を受けると、周辺機器管理テーブル173の解除時動作を参照する。そして、この項目の値が「削除」である場合、もしくは、この項目の値が「容量依存」であり、かつ、ソフトウェア格納部174の残容量が閾値よりも小さい場合、ソフトウェアのアンインストールをおこなう。
【0073】
アンインストール実行部165は、ソフトウェアのアンインストールをおこなった場合、周辺機器管理テーブル173のインストール状態を「未インストール」に設定し、版数の項目を空白に設定する。
【0074】
記憶部170は、各種情報を記憶する記憶部であり、入手先管理テーブル171と、版数管理テーブル172と、周辺機器管理テーブル173と、ソフトウェア格納部174とを有する。入手先管理テーブル171、版数管理テーブル172および周辺機器管理テーブル173については既に説明済であるので説明を省略する。ソフトウェア格納部174は、インストール実行部164によってインストールされたソフトウェアが格納される領域である。
【0075】
次に、外部装置200の構成について説明する。図6は、外部装置200の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、外部装置200は、入力装置210と、モニタ220と、無線接続インターフェース装置230と、有線接続インターフェース装置240と、ネットワークインターフェース装置250と、媒体読取り装置260と、CPU(Central Processing Unit)270と、RAM(Random Access Memory)280と、HDD(Hard Disk Drive)290とを有する。
【0076】
入力装置210は、利用者からの入力を受け付ける装置であり、キーボードやマウスからなる。モニタ220は、利用者に対して各種情報を表示する放置であり、液晶表示装置等からなる。
【0077】
無線接続インターフェース装置230は、BlueTooth等によって他の情報処理装置等と無線接続をおこなうための装置であり、有線接続インターフェース装置240は、USB等によって他の情報処理装置等と有線接続をおこなうための装置である。ネットワークインターフェース装置250は、インターネット接続をおこなうための装置であり、媒体読取り装置260は、CD−ROM等の記憶媒体から情報を読み取るための装置である。
【0078】
CPU270は、プログラムを実行することで各種処理を実現する制御装置である。たとえば、HDD290に記憶されているソフトウェア取得支援プログラム292を読み出して、RAM280上にソフトウェア取得支援プロセス281として展開し、このソフトウェア取得支援プロセス281を実行状態とすることで、携帯端末装置100用のソフトウェアの取得支援処理を実現する。
【0079】
RAM280は、作業用のメモリであり、CPU270が必要に応じてここにプログラムやデータを展開して利用する。HDD290は、各種情報を記憶する記憶装置であり、機種情報291やソフトウェア取得支援プログラム292を記憶し、ソフトウェア格納部293を備える。
【0080】
機種情報291は、携帯端末装置100に対応したソフトウェアを選択するために必要な情報である。ソフトウェア取得支援プログラム292は、携帯端末装置100に接続可能なソフトウェアをCD−ROM等の記憶媒体やソフトウェア配信サーバ300から取得し、ソフトウェア格納部293にキャッシュする処理をおこなうためのプログラムである。
【0081】
ソフトウェア取得支援プログラム292は、外部装置200の起動時にCPU270によって読み出され、ソフトウェア取得支援プロセス281として活動を始める。ソフトウェア取得支援プロセス281は、他のプロセスが機能していない時間等を利用してソフトウェアの検索とキャッシュをおこない、無線接続もしくは有線接続された携帯端末装置100の要求に基づいて、キャッシュしているソフトウェアの情報の提供や、ソフトウェアの転送等の処理をおこなう。
【0082】
次に、携帯端末装置100の動作について説明する。図7は、入手先監視部161の動作を示すフローチャートである。
【0083】
同図に示すように、入手先監視部161は、ソフトウェアの入手先を監視し(ステップS101)、いずれかの入手先が利用可能な状態に変化したならば(ステップS102肯定)、その入手先から取得可能なソフトウェアの情報を取得し(ステップS103)、取得した情報を基にして版数管理テーブル172を更新する(ステップS104)。さらに、入手先管理テーブル171にその入手先が利用可能である旨を設定する(ステップS105)。
【0084】
また、いずれかの入手先が利用不要な状態に変化したならば(ステップS106肯定)、手先管理テーブル171にその入手先が利用不能である旨を設定し(ステップS107)、版数管理テーブル172からその入手先に対応する情報を削除する(ステップS108)。
【0085】
図8は、周辺機器接続時の動作を示すフローチャートである。携帯端末装置100に周辺機器が接続されると、周辺機器監視部162が接続された周辺機器の情報を取得する(ステップS201)。そして、この周辺装置の情報が、周辺機器管理テーブル173に登録されているかどうかを確認し、登録されていなければ(ステップS202否定)、新規に登録をおこなう(ステップS203)。既に登録されていれば(ステップS202肯定)、周辺機器管理テーブル173にその周辺機器が接続された旨を設定する(ステップS204)。
【0086】
続いて、入手先選択部163が周辺機器管理テーブル173からその周辺機器の情報を取得し、接続時動作の値が「現状優先」であり(ステップS205肯定)、かつ、インストール状態の値が「インストール済」であれば(ステップS206肯定)、ソフトウェアのインストールは不要であるとして処理を完了する。一方でも値が異なっている場合は(ステップS205否定、または、ステップS206否定)、後述するソフトウェア入手処理を実行する(ステップS207)。
【0087】
図9〜10は、ソフトウェア入手処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、入手先選択部163が、接続された周辺機器に該当する情報を版数管理テーブル172から取得し、これらを入手先の候補とする(ステップS301)。
【0088】
そして、これらの候補の中からソフトウェアの版数が最も大きい入手先を選択する(ステップS302)。ここで、同一版数のソフトウェアが複数の入手先から取得可能な場合は(ステップS303肯定)、入手先管理テーブル171を参照して優先順位が最も高い入手先を選択する(ステップS304)。
【0089】
こうして入手先が選択された場合は(ステップS305否定)、選択した入手先のソフトウェアの版数と、既にインストールされているソフトウェアの版数を比較する。そして、選択した入手先のソフトウェアの版数が既にインストールされているソフトウェアの版数以下の場合は(ステップS306肯定)、ソフトウェアのインストールを実行せずに処理を完了する。
【0090】
選択した入手先のソフトウェアの版数が既にインストールされているソフトウェアの版数よりも大きい場合、もしくは、ソフトウェアがインストールされていない場合は(ステップS306否定)、インストール実行部164が入手先からソフトウェアを取得してインストールを実行し(ステップS307)、インストールした旨を周辺機器管理テーブル173に設定する(ステップS308)。
【0091】
ソフトウェアを取得可能な入手先が存在しなかった場合は(ステップS305肯定)、ソフトウェア配信サーバ300からソフトウェアの取得を試みる。まず、接続された周辺機器の情報を周辺機器管理テーブル173から取得し、ネットワーク接続の項目の値を確認する。この値が「確認」の場合は(ステップS401確認)、利用者にネットワーク接続をおこなってソフトウェアを取得してよいかどうかの許可を求める(ステップS402)。
【0092】
ネットワーク接続の項目の値が「あり」の場合(ステップS401あり)、もしくは、利用者からネットワーク接続の許可を得た場合(ステップS403肯定)、ソフトウェア配信サーバ300から周辺機器に対応するソフトウェアの情報を取得する(ステップS404)。
【0093】
ここで、既に携帯端末装置100にソフトウェアがインストールされており、ソフトウェア配信サーバ300から取得可能なソフトウェアの版数がインストール済のソフトウェアの版数以下であった場合は(ステップS405肯定)、ソフトウェアのインストールを実行せずに処理を完了する。
【0094】
携帯端末装置100にソフトウェアがインストールされていない場合、もしくは、ソフトウェア配信サーバ300から取得可能なソフトウェアの版数がインストール済のソフトウェアの版数よりも大きかった場合は(ステップS405否定)、ソフトウェア配信サーバ300からソフトウェアを取得してインストールを実行し(ステップS406)、インストールした旨を周辺機器管理テーブル173に設定する(ステップS407)。
【0095】
ネットワーク接続の項目の値が「なし」の場合(ステップS401なし)、もしくは、利用者からネットワーク接続の許可を得られなかった場合(ステップS403否定)、ソフトウェアのインストールを実行せずに処理を完了する。このとき、ソフトウェアがインストールされていなければ(ステップS408否定)、ソフトウェアを取得できなかった旨を利用者に通知する(ステップS409)。
【0096】
図11は、周辺機器接続解除時の動作を示すフローチャートである。携帯端末装置100から周辺機器が接続解除されると、周辺機器監視部162が接続解除された周辺機器の情報を取得し(ステップS501)、周辺機器管理テーブル173にその周辺機器が接続解除された旨を設定する(ステップS502)。
【0097】
続いて、アンインストール実行部165が、接続された周辺機器の情報を周辺機器管理テーブル173から取得し、解除時動作の項目の値を確認する。この値が「容量依存」の場合は(ステップS503容量依存)、ソフトウェア格納部174の残容量を確認する(ステップS504)。
【0098】
解除時動作の項目の値が「保持」の場合(ステップS503保持)、もしくは、ソフトウェア格納部174の残容量が閾値以上の場合(ステップS505肯定)、ソフトウェアのアンインストールをおこなわずに処理を完了する。解除時動作の項目の値が「削除」の場合(ステップS503削除)、もしくは、ソフトウェア格納部174の残容量が閾値より少ない場合(ステップS505否定)、ソフトウェア格納部174からソフトウェアを削除し(ステップS506)、周辺機器管理テーブル173にソフトウェアをアンインストールした旨を設定する(ステップS507)。
【0099】
上述してきたように、本実施例では、ソフトウェアの入手先を監視して入手可能なソフトウェアの版情報等を予め取得しておき、携帯端末装置に周辺機器が接続された場合に、この版情報等と、予め入手先ごとに設定された優先順位とに基づいてソフトウェアの入手先を選択するように構成したので、周辺機器を利用するために必要な最新のソフトウェアを最適な入手先から自動的かつ迅速に取得してインストールすることができる。
【0100】
(付記1)周辺機器を接続可能な携帯端末装置であって、
周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視手段と、
周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視手段と、
前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択手段と、
前記入手先選択手段により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【0101】
(付記2)前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続解除が検出された場合に、該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアをアンインストールするアンインストール実行手段をさらに備えたことを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0102】
(付記3)前記アンインストール実行手段は、ソフトウェアを保持すべき設定がなされている場合には、前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続解除が検出された場合であってもソフトウェアのアンインストールをおこなわないことを特徴とする付記2に記載の携帯端末装置。
【0103】
(付記4)前記アンインストール実行手段は、インストールされたソフトウェアを保持する記憶領域の残量量が所定の値よりも大きい場合には、前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続解除が検出された場合であってもソフトウェアのアンインストールをおこなわないことを特徴とする付記2に記載の携帯端末装置。
【0104】
(付記5)前記取得先監視手段は、ソフトウェアの版情報を含む情報を記憶手段に記憶させ、前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先を選択することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0105】
(付記6)前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要な最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、予め定められた入手先の優先順位に基づいて入手先を選択することを特徴とする付記5に記載の携帯端末装置。
【0106】
(付記7)前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアが既にインストール済であり、かつ、インストール済のソフトウェアの版がいずれの入手先から取得可能な同ソフトウェアの版と比較しても新しい、もしくは、同一の場合は、ソフトウェアのインストールを中断させることを特徴とする付記5または6に記載の携帯端末装置。
【0107】
(付記8)前記インストール実行手段は、接続が検出された周辺機器を利用するためのソフトウェアの情報が前記記憶手段に存在しない場合に、携帯端末装置が備える通信機能を用いて該ソフトウェアを取得することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0108】
(付記9)前記インストール実行手段は、携帯端末装置が備える通信機能を用いてソフトウェアを取得する前に、該通信機能を用いてソフトウェアを取得することの可否の確認を利用者に求めることを特徴とする付記8に記載の携帯端末装置。
【0109】
(付記10)前記インストール実行手段は、接続が検出された周辺機器を利用するためのソフトウェアの情報が前記記憶手段に存在しない場合に、携帯端末装置と有線接続された情報処理装置が備える通信機能を用いて該ソフトウェアを取得することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0110】
(付記11)前記インストール実行手段は、接続が検出された周辺機器を利用するためのソフトウェアの情報が前記記憶手段に存在しない場合に、携帯端末装置と無線接続された情報処理装置が備える通信機能を用いて該ソフトウェアを取得することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0111】
(付記12)前記取得先監視手段は、携帯端末装置が備えるメモリカードインターフェースをソフトウェアの入手先の一つとして監視し、メモリカードインターフェースに接続されたメモリカード内を検索してソフトウェアの情報を取得することを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0112】
(付記13)前記取得先監視手段は、携帯端末装置が備える有線接続インターフェースをソフトウェアの入手先の一つとして監視し、有線接続インターフェースを介して接続された情報処理装置に保持されているソフトウェアの情報を取得することを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0113】
(付記14)前記取得先監視手段は、携帯端末装置が備える無線接続インターフェースをソフトウェアの入手先の一つとして監視し、無線接続インターフェースを介して接続された情報処理装置に保持されているソフトウェアの情報を取得することを特徴とする付記1〜13のいずれか一つに記載の携帯端末装置。
【0114】
(付記15)周辺機器を接続可能な携帯端末装置におけるソフトウェアインストール方法であって、
周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視工程と、
周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視工程と、
前記周辺機器監視工程により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択工程と、
前記入手先選択工程により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行工程と
を含んだことを特徴とするソフトウェアインストール方法。
【0115】
(付記16)周辺機器を接続可能な携帯端末装置が周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得する処理を支援するソフトウェア取得支援プログラムであって、
予め登録された携帯端末装置の機種情報に基づいて、携帯端末装置に適用可能なソフトウェアの情報を収集する情報収集手順と、
前記情報収集手段が収集した情報に基づいてソフトウェアを取得し、記憶手段に格納するソフトウェアキャッシュ手順と、
携帯端末装置からの要求に応じて、前記情報収集手段が収集した情報と、前記ソフトウェアキャッシュ手順が記憶手段に格納したソフトウェアとを携帯端末装置へ送信する送信手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするソフトウェア取得支援プログラム。
【0116】
(付記17)携帯端末装置からの要求に応じて、ネットワーク経由でのソフトウェアの取得を代行するソフトウェア取得代行手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記16に記載のソフトウェア取得支援プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上のように、本発明に係る携帯端末装置およびソフトウェアインストール方法は、携帯端末装置に接続されたソフトウェアのインストールの効率化に有用であり、特に、周辺機器が接続された場合に、通信コスト等を考慮して最適な入手先から最新のソフトウェアを取得し、これをインストールする処理を自動でおこなうことが必要な場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本実施例に係るソフトウェアインストール方式の概要を説明するための説明図である。
【図2】本実施例に係る携帯端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】入手先管理テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【図4】版数管理テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【図5】周辺機器管理テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【図6】外部装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】入手先監視部の動作を示すフローチャートである。
【図8】周辺機器接続時の動作を示すフローチャートである。
【図9】ソフトウェア入手処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ソフトウェア入手処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】周辺機器接続解除時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
100 携帯端末装置
110 ネットワーク接続部
120 メモリカードインターフェース部
130 有線接続インターフェース部
140 無線接続インターフェース部
150 操作部
160 制御部
161 入手先監視部
162 周辺機器監視部
163 入手先選択部
164 インストール実行部
165 アンインストール実行部
170 記憶部
171 入手先管理テーブル
172 版数管理テーブル
173 周辺機器管理テーブル
174 ソフトウェア格納部
200 外部装置
210 入力装置
220 モニタ
230 無線接続インターフェース装置
240 有線接続インターフェース装置
250 ネットワークインターフェース装置
260 媒体読取り装置
270 CPU
280 RAM
281 ソフトウェア取得支援プロセス
290 HDD
291 機種情報
292 ソフトウェア取得支援プログラム
293 ソフトウェア格納部
300 ソフトウェア配信サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺機器を接続可能な携帯端末装置であって、
周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視手段と、
周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視手段と、
前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択手段と、
前記入手先選択手段により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記周辺機器監視手段により周辺機器の接続解除が検出された場合に、該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアをアンインストールするアンインストール実行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記取得先監視手段は、ソフトウェアの版情報を含む情報を記憶手段に記憶させ、前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記入手先選択手段は、周辺機器を利用するために必要な最新の版のソフトウェアを取得可能な入手先が複数存在する場合に、予め定められた入手先の優先順位に基づいて入手先を選択することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
周辺機器を接続可能な携帯端末装置におけるソフトウェアインストール方法であって、
周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を監視し、入手可能な状態にあるソフトウェアの情報を入手先と関連付けて記憶手段に記憶させる取得先監視工程と、
周辺機器の接続状態を監視する周辺機器監視工程と、
前記周辺機器監視工程により周辺機器の接続が検出された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて該周辺機器を利用するために必要なソフトウェアの入手先を選択する入手先選択工程と、
前記入手先選択工程により選択された入手先から前記周辺機器を利用するために必要なソフトウェアを取得してインストールするインストール実行工程と
を含んだことを特徴とするソフトウェアインストール方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−148816(P2007−148816A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342667(P2005−342667)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】