説明

携帯端末装置とその消費電力制御方法

【課題】消費電力を抑制しつつ直交復調器内のミキサーの歪み特性を向上させ、かつ受信電界強度のずれを補正する。
【解決手段】RFIC2の受信部2−RXは、受信RF信号を増幅するLNA3と、RF信号をベースバンド帯域の信号に変換するミキサー4−I,4−Qと、ベースバンド帯域に変換されたIQ信号を増幅するRXAGCアンプ5−I,5−Qと、ローカル信号を生成するVCO8と、ローカル信号をミキサ4−I,4−Qに出力する90°位相分配器9と、送信電力の大きさに応じてミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替えるモード切替部12と、電流モードに応じた値の電流をミキサー4−I,4−Qへ供給する電流供給部13と、電流モードに応じてLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲインを補正するゲイン補正部14とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの携帯端末装置に係り、特に消費電力を抑制しつつ直交復調器内のミキサーの歪み特性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機などの携帯端末装置では、複数の通信システムを有するマルチモード化が進んでおり、今後もこの傾向は続くと考えられる。このような複数の通信システムを有するマルチモードの例としては、GSM(Global System for Mobile Communications)やWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)のデュアルモード等がある。携帯端末装置のような限られたスペースで複数の通信システムを実現するためには、それぞれの通信システム回路の小面積化が必須である。
【0003】
このため、RF回路の周辺部品を削除する検討が行われている。RF受信部においては、RFIC内に取り込むことが困難な受信部内のRXBPFを取り外し、LNAをRFICへ内蔵化することによる小面積化が進められている。以下、本発明に関連する携帯端末装置における受信部の構成を、図9を用いて説明する。
【0004】
RFIC104の内部には、大きく分けて送信部104−TXと受信部104−RXとがあり、受信部104−RXではダイレクトコンバージョン方式がとられている。受信部104−RXは、RF信号をベースバンド帯域の信号に変換するミキサー105−I,105−Qと、ベースバンド帯域に変換されたIQ信号を所望の信号電力に増幅するRXAGC(Automatic Gain Control)アンプ106−I,106−Q,108−I,108−Qと、不要信号を減衰させるBB(BaseBand)フィルタ107−I,107−Qと、ローカル信号を生成するVCO(Voltage Controlled Oscillator)109と、ローカル信号をミキサ105−Iに出力する共にローカル信号を90°位相をずらしてミキサ105−Qに出力する90°位相分配器110とから構成されている。なお、ミキサー105−IとRXAGCアンプ106−I,108−IとBBフィルタ107−Iとは同相成分であるI信号を扱う回路であり、ミキサー105−QとRXAGCアンプ106−Q,108−QとBBフィルタ107−Qとは直交成分であるQ信号を扱う回路である。
【0005】
RFIC104以外の受信部の外部部品としては、送信RF信号と受信RF信号を分離するDUP(Duplexer)101と、DUP101から出力された受信RF信号を低雑音で増幅するLNA(Low Noise Amp )102と、不要RF信号を減衰させるRXBPF103とがある。
【0006】
図9を用いて信号の流れを説明する。DUP101のTRXポートは、図示しないアンテナに接続されている。RFIC104の送信部104−TXからDUP101のTXポートに入力された送信RF信号は、DUP101のTRXポートから出力され、TRXポートに入力された受信RF信号は、RXポートから出力される。
LNA102は、DUP101から出力された受信RF信号を増幅し、RXBPF103は、不要RF信号を減衰させる。
【0007】
RFIC104に入力された受信RF信号は、ミキサー105−Iでローカル信号と混合されてRF帯域からベースバンド帯域の信号であるI信号に変換され、同様にミキサー105−Qでローカル信号と混合されてベースバンド帯域の信号であるQ信号に変換される。RXAGCアンプ106−I,106−QはIQ信号を増幅し、BBフィルタ107−I,107−QはIQ信号に含まれる不要信号を取り除き、RXAGCアンプ108−I,108−QはIQ信号を所望の受信レベルに増幅する。
【0008】
TDMA(Time Division Multiple Access)のように時間で送信と受信の動作が分かれているようなシステムでは、送信RF信号が受信部に影響を及ぼす現象は発生しない。しかし、CDMA(Code Division Multiple Access)のように送信と受信の動作が同時に行われる可能性があるシステムでは、自装置の送信部で生成された送信RF信号が受信部に及ぼす影響を考慮する必要がある。また、上記のとおり携帯端末装置では複数の通信システムを有するマルチモード化が進んでおり、実装面積の削減が要求されている。
【0009】
このような状況の中、RF回路のRXBPF103を削除して、LNA102をRFIC104の内部に取り込むような構成が検討されている。RXBPF103は、高周波のRF帯域を通過帯域としている。このため、RXBPF103をRFIC104の内部に搭載することは困難であり、RXBPF103を削除しても特性的に問題がないような構成が求められている。
【0010】
RXBPF103を削除した構成の場合、送信と受信が同時に動作しているシステムにおいては、自装置の送信部で生成された送信RF信号が十分に減衰されずに受信部のミキサー105−I,105−Qに直接入力されてしまい、歪として直流付近に落ちてくるため、ミキサー105−I,105−Qには高い歪み特性が必要となる。ミキサー105−I,105−Qで発生した歪みは、BBフィルタ107−I,107−Qでは排除できないため、そのまま劣化分として受信信号に残ってしまう。
【0011】
そこで、送信電力が大きい場合にミキサーへの供給電流を増加させる携帯電話機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】特開2003−069440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
携帯端末装置では、通信システム以外で地上波デジタルTV、GPS(Global Positioning System)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、音楽再生等の様々なアプリケーションの搭載が進み、低消費電力化が求められている。携帯端末装置の受信部は基本的には常時動作しているため、ミキサーへの供給電流を増加させると、消費電力が増加し、携帯端末装置の待ち受け時間の減少に繋がってしまう。
【0014】
これに対して、特許文献1に開示された携帯電話機では、送信電力が小さい場合にはミキサーへの供給電流を少なくすることで消費電力を抑え、送信電力が大きい場合にはミキサーへの供給電流を増加させることでミキサーの歪特性を向上させることが可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された携帯電話機では、送信電力が大きい場合にミキサーへの供給電流を増加させると、ミキサーのゲインが増加するため、受信電界強度が所望の値からずれてしまうという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、消費電力を抑制しつつ直交復調器内のミキサーの歪み特性を向上させることができ、かつミキサーの電流を増減することによる受信電界強度のずれを補正することができる携帯端末装置とその消費電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の携帯端末装置は、RFIC内に設けられ、受信RF信号を増幅する低雑音アンプと、前記RFIC内に設けられ、前記低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器と、前記RFIC内に設けられ、前記直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプと、前記RFIC内に設けられ、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手段と、前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手段と、前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じて前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインを補正するゲイン補正手段とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の携帯端末装置は、RFIC内に設けられ、受信RF信号を増幅する低雑音アンプと、前記RFIC内に設けられ、前記低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器と、前記RFIC内に設けられ、前記直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプと、前記RFIC内に設けられ、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手段と、前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手段と、前記RFICから出力される受信信号の強度である受信電界強度を前記電流モードに応じて補正する受信電界強度補正手段とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の携帯端末装置の1構成例において、前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替えることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の携帯端末装置の1構成例において、前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替え、前記ゲイン補正手段は、前記モード切替手段が前記第1の電流モードから前記第2の電流モードに切り替えた場合に、前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインをあらかじめ設定された補正量だけ減少させることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の携帯端末装置の1構成例において、前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替え、前記受信電界強度補正手段は、前記モード切替手段が前記第1の電流モードから前記第2の電流モードに切り替えた場合に、前記受信電界強度をあらかじめ設定された補正量だけ減少させることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の携帯端末装置の1構成例において、前記モード切替手段は、前記第1の電流モードの場合は、所定の閾値THと現在の送信電力値とを比較して、前記第2の電流モードに切り替えるかどうかを判定し、前記第2の電流モードの場合は、所定の閾値TL(TH>TL)と現在の送信電力値とを比較して、前記第1の電流モードに切り替えるかどうかを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の携帯端末装置の1構成例は、さらに、前記RFICの外部に設けられ、現在の送信電力値を前記モード切替手段に通知する送信電力検出手段を備えることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明は、受信RF信号を増幅する低雑音アンプとこの低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器とこの直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプとをRFIC内に備えた携帯端末装置において、消費電力を制御する消費電力制御方法であって、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手順と、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手順と、前記電流モードに応じて前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインを補正するゲイン補正手順とを備えることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の携帯端末装置の消費電力制御方法は、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手順と、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手順と、前記RFICから出力される受信信号の強度である受信電界強度を前記電流モードに応じて補正する受信電界強度補正手順とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、送信電力の大きさに応じて直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手段を設けることにより、送信中であり、かつ送信電力が大きいときのみ、ミキサーへの供給電流を増加させることができるので、効率的に電力を使用することが可能となり、消費電力を抑制しつつミキサーの歪み特性を向上させることができる。その結果、本発明では、消費電力の増大による待ち受け時間の減少を抑制することができる。また、本発明では、ミキサーの電流モードの切り替え制御がRFIC内部で閉じているため、電流モードの切替時の制御信号を外部から送る必要はない。また、本発明では、ミキサーへの供給電流を増加させることによるゲインの増分を補正するゲイン補正手段を設けることにより、モードによらない受信電界強度を実現することができ、電流モードの円滑な切り替えを実現することができる。また、本発明では、低消費電力化が可能なため、RXBPFを削除する構成において、LNAのRFICへの内蔵化が容易に可能となる。
【0025】
また、本発明では、ゲイン補正手段の代わりに、RFICから出力される受信信号の強度である受信電界強度を電流モードに応じて補正する受信電界強度補正手段を設けることにより、ミキサーへの供給電流を増加させることによるゲインの増分を補正することができるので、モードによらない受信電界強度を実現することができ、電流モードの円滑な切り替えを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末装置のRFICの構成を示すブロック図である。図1の携帯端末装置は、図9の構成よりRXBPFを削除して、LNAをRFIC2に内蔵させるRXBPFレスの構成をとっている。
【0027】
携帯端末装置のRFIC2の内部には、大きく分けて送信部2−TXと受信部2−RXとがある。図1では、送信部2−TXの構成を省略している。受信部2−RXは、受信RF信号を増幅するLNA3と、RF信号をベースバンド帯域の信号に変換するミキサー4−I,4−Qと、ベースバンド帯域に変換されたIQ信号を所望の信号電力に増幅するRXAGCアンプ5−I,5−Qと、ローカル信号を生成するVCO8と、ローカル信号をミキサ4−Iに出力する共にローカル信号を90°位相をずらしてミキサ4−Qに出力する90°位相分配器9と、送信電力の大きさに応じてミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替えるモード切替部12と、電流モードに応じた値の電流をミキサー4−I,4−Qへ供給する電流供給部13と、電流モードに応じてLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲインを補正するゲイン補正部14とから構成されている。
【0028】
ミキサー4−I,4−QとVCO8と90°位相分配器9とは、直交復調器を構成している。
なお、ミキサー4−IとRXAGCアンプ5−IとはI信号を扱う回路であり、ミキサー4−QとRXAGCアンプ5−QとはQ信号を扱う回路である。
【0029】
図1を用いて信号の流れを説明する。LNA3は、受信RF信号を増幅する。LNA3で増幅された受信RF信号は、ミキサー4−Iでローカル信号と混合されてRF帯域からベースバンド帯域の信号であるI信号に変換される。同様に、受信RF信号は、ミキサー4−Qでローカル信号と混合されてベースバンド帯域の信号であるQ信号に変換される。RXAGCアンプ5−I,5−Qは、IQ信号を所望の受信レベルに増幅する。
【0030】
モード切替部12は、切替閾値と現在の送信電力値とを比較して、ミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替える。電流供給部13は、モード切替部12が決定した電流モードに応じた電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。ミキサー4−I,4−Qの電流モードには、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させる電流モードHと供給電流を減少させる電流モードLの2種類がある。携帯端末装置の送信電力が小さく増減した場合に、電流モードHと電流モードLとの間でモードの切り替えが頻繁に起きないようにするヒステリシス機能を実現する必要がある。このため、切替閾値には、電流モードをLからHに切り替えるときの切替閾値THと、電流モードをHからLに切り替えるときの切替閾値TL(TH>TL)の2種類がある。切替閾値THとTLの差分がヒステリシスとなっている。
【0031】
ゲイン補正部14は、モード切替部12が決定した電流モードに応じてLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲインを切り替える。
【0032】
本実施の形態の携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を図2を用いて説明する。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをHとLの2種類で説明するが、2段階のモードに限定するものではない。
まず、RFIC2が起動したとき(図2ステップS20)、ミキサー4−I,4−Qの電流モードのデフォルトはLモードである。そこで、モード切替部12は、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをLに設定する(ステップS22)。これにより、電流供給部13は、電流モードLに対応した所定の値ILの電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。
【0033】
次に、モード切替部12は、RFIC2の送信部2−TXが送信動作を行っている場合(ステップS23においてYES)、外部から通知される現在の送信電力値と切替閾値THとを比較し(ステップS24)、送信電力値が切替閾値TH以下の場合はステップS23に戻る。
【0034】
モード切替部12は、現在の送信電力値が切替閾値THより大きい場合、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをHに設定する(ステップS25)。これにより、電流供給部13は、電流モードHに対応した所定の値IH(IH>IL)の電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。こうして、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させることにより、ミキサー4−I,4−Qの歪み特性を向上させることができる。ただし、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させたことにより、ミキサー4−I,4−Qのゲインが増加するため、受信電界強度にずれが発生してしまう。
【0035】
そこで、ゲイン補正部14は、モード切替部12がミキサー4−I,4−Qの電流モードをHに設定した場合、LNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲインを初期の値から所定の補正量だけ減少させるゲイン補正を行う(ステップS26)。このように、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流の増加で生じたゲインのずれ分をLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲイン調整で自動的に補正することにより、電流モードによらないゲイン値を実現することが可能となり、円滑な電流モードの切り替えを実現することができる。
【0036】
次に、モード切替部12は、外部から通知される現在の送信電力値と切替閾値TLとを比較する(ステップS27)。モード切替部12は、現在の送信電力値が切替閾値TLより小さくなった場合のみ、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをLに戻す(ステップS28)。これにより、電流供給部13は、電流モードLに対応した所定の値ILの電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。
【0037】
そして、ゲイン補正部14は、ステップS26で行ったゲイン補正をオフにし、LNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Qのゲインを初期の値に戻す(ステップS29)。その後、モード切替部12は、ステップS23に戻る。以上で、ミキサー4−I,4−Qの電流モード切り替えに関する動作の説明を終える。
【0038】
ミキサー4−I,4−Qの歪特性の改善は、自装置の送信RF信号の回り込みが大きいとき、つまり自装置の送信電力が大きいときのみ必要であり、歪み特性を常に改善する必要があるという訳ではない。RFICは送受信で1チップ化されているため、現在送信中であり、かつどの程度の送信電力が出力されているかは既知である。そこで、送信中であり、かつ送信電力が大きいときのみ、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させる手段を実現すれば、より効率的に電力を使用することが可能となる。本実施の形態では、ミキサー4−I,4−Qの電流モードHは図2のステップS25〜S27の範囲のみとなり、ミキサー4−I,4−Qの歪み特性を向上させる必要がある場合のみ、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させるため、消費電力を抑制しつつミキサー4−I,4−Qの歪み特性を向上させることができる。その結果、本実施の形態では、消費電力の増大による待ち受け時間の減少を抑制することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、ミキサー4−I,4−Qの電流モードの切り替え制御がRFIC内部で閉じているため、電流モードの切替時の制御信号を外部から送る必要はない。
また、本実施の形態では、ミキサー4−I,4−Qへの供給電流を増加させることによるRXAGCゲインの増分を補正する手段を設けることで、モードによらない受信電界強度を実現することができ、電流モードの円滑な切り替えを実現することができる。
また、本実施の形態では、低消費電力化が可能なため、RXBPFを削除する構成において、LNAのRFICへの内蔵化が容易に可能となる。
【0040】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ミキサーへの供給電流が増減することによるゲインの増減をRFIC内部で補正するようにしたが、ミキサーへの供給電流が増減することによる受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)の差分を補正するようにしてもよい。図3は本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【0041】
受信電界強度補正手段となるDBB(Digital BaseBand)15は、ベースバンド帯域の送信信号をデジタル処理してRFIC2aの送信部2a−TXに出力し、RFIC2aから出力されたベースバンド帯域の受信信号をデジタル処理する。そして、DBB15は、RFIC2aの受信部2a−RXから出力される受信信号の強度である受信電界強度をミキサー4−I,4−Qの電流モードに応じて補正する。
【0042】
本実施の形態の携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を図4を用いて説明する。ステップS20,S22〜S25,S27,S28の処理は第1の実施の形態と同じである。
【0043】
DBB15は、ミキサー4−I,4−Qの電流モードがLからHに切り替わった場合、現在の受信電界強度が所定の補正量だけ減少するように受信電界強度の補正を行う(図4ステップS30)。具体的には、受信電界強度が補正量だけ減少するように受信信号のレベルを減少させればよい。
また、DBB15は、ミキサー4−I,4−Qの電流モードがHからLに切り替わった場合、ステップS30で行った受信電界強度の補正をオフにする(ステップS31)。
【0044】
こうして、本実施の形態では、受信電界強度そのものを補正することで、ミキサーへの供給電流が増減することによる受信電界強度への影響を無くすことができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態をより具体的に説明するものである。図5は本発明の第3の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
携帯端末装置のRF回路は、DUP1と、RFIC2と、デジタルの処理を行うDBB(Digital BaseBand)15と、CPU16と、不揮発メモリ17とを有する。
【0046】
RFIC2の内部には、大きく分けて送信部2−TXと受信部2−RXとがある。図5では、送信部2−TXの構成を省略している。受信部2−RXは、LNA3と、ミキサー4−I,4−Qと、RXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qと、不要信号を減衰させるBBフィルタ6−I,6−Qと、VCO8と、90°位相分配器9と、IQ信号をアナログからデジタルに変換するA/D変換器10と、ミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替えるための切替閾値を保持するレジスタ11と、モード切替部12と、電流供給部13と、電流モードに応じてLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qのゲインを補正するゲイン補正部14とから構成されている。
【0047】
なお、ミキサー4−IとRXAGCアンプ5−I,7−IとBBフィルタ6−IとはI信号を扱う回路であり、ミキサー4−QとRXAGCアンプ5−Q,7−QとBBフィルタ6−QとはQ信号を扱う回路である。
【0048】
図5を用いて信号の流れを説明する。DUP1のTRXポートは、図示しないアンテナに接続されている。RFIC2の送信部2−TXからDUP1のTXポートに入力された送信RF信号は、DUP1のTRXポートから出力され、TRXポートに入力された受信RF信号は、RXポートから出力される。
【0049】
RFIC2のLNA3で増幅された受信RF信号は、ミキサー4−Iでローカル信号と混合されてRF帯域からベースバンド帯域の信号であるI信号に変換される。同様に、受信RF信号は、ミキサー4−Qでローカル信号と混合されてベースバンド帯域の信号であるQ信号に変換される。RXAGCアンプ5−I,5−QはIQ信号を増幅し、BBフィルタ6−I,6−QはIQ信号に含まれる不要信号を取り除き、RXAGCアンプ7−I,7−QはIQ信号を所望の受信レベルに増幅する。
A/D変換器10は、RXAGCアンプ7−I,7−Qから出力されたIQ信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0050】
また、RFIC2内部には、ミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替えるための切替閾値を保持するレジスタ11が設けられている。この切替閾値は、書き換え可能な不揮発メモリ17にあらかじめ設定されており、任意に設定可能である。CPU16は、不揮発メモリ17に設定されている切替閾値をレジスタ11に書き込む。第1の実施の形態で説明したとおり、切替閾値には、電流モードをLからHに切り替えるときの切替閾値THと、電流モードをHからLに切り替えるときの切替閾値TL(TH>TL)の2種類がある。
【0051】
DBB15は、ベースバンド帯域の送信信号をデジタル処理してRFIC2の送信部2−TXに出力し、RFIC2のA/D変換器10から出力されたベースバンド帯域の受信信号をデジタル処理する。
CPU16は、初期設定時に不揮発メモリ17に設定されている切替閾値をレジスタ11に書き込むと共に、RFIC2の送信部2−TXにおける送信電力の大きさを示す値を例えば一定時間ごとにレジスタ11に書き込む。CPU16は、例えばDBB15から現在の送信電力値の報告を受ける。
【0052】
RFIC2のモード切替部12は、レジスタ11に設定されている切替閾値と送信電力値とを比較して、ミキサー4−I,4−Qの電流モードを切り替える。電流供給部13は、モード切替部12が決定した電流モードに応じた電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。
ゲイン補正部14は、モード切替部12が決定した電流モードに応じてLNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qのゲインを切り替える。
【0053】
本実施の形態の携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を図6を用いて説明する。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをHとLの2種類で説明するが、2段階のモードに限定するものではない。
まず、RFIC2の起動(図6ステップS20)に応じて、CPU16は、切替閾値TL,THを不揮発メモリ17から読み出し、RFIC2のレジスタ11に書き込む(ステップS21)。
【0054】
ステップS22の処理は第1の実施の形態と同じである。次に、モード切替部12は、RFIC2の送信部2−TXが送信動作を行っている場合(ステップS23においてYES)、レジスタ11に書き込まれている現在の送信電力値と同じくレジスタ11に書き込まれている切替閾値THとを比較し(ステップS24a)、送信電力値が切替閾値TH以下の場合はステップS23に戻る。
【0055】
モード切替部12は、現在の送信電力値が切替閾値THより大きい場合、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをHに設定する(ステップS25)。電流供給部13は、電流モードHに対応した所定の値IHの電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。
ゲイン補正部14は、モード切替部12がミキサー4−I,4−Qの電流モードをHに設定した場合、LNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qのゲインを初期の値から所定の補正量だけ減少させるゲイン補正を行う(ステップS26a)。
【0056】
次に、モード切替部12は、レジスタ11に書き込まれている現在の送信電力値とレジスタ11に書き込まれている切替閾値TLとを比較する(ステップS27a)。モード切替部12は、現在の送信電力値が切替閾値TLより小さくなった場合のみ、ミキサー4−I,4−Qの電流モードをLに戻す(ステップS28)。電流供給部13は、電流モードLに対応した所定の値ILの電流をミキサー4−I,4−Qに供給する。
【0057】
そして、ゲイン補正部14は、ステップS26aで行ったゲイン補正をオフにし、LNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qのゲインを初期の値に戻す(ステップS29a)。その後、モード切替部12は、ステップS23に戻る。
【0058】
以上のようにして、本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した効果を得ることができる。
なお、第1、第3の実施の形態では、LNA3およびRXAGCアンプ5−I,5−Q,7−I,7−Qのゲインを補正しているが、これら全てのゲインを補正することは必須ではなく、これらのいずれかのゲインを補正するようにしてもよい。
【0059】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第2の実施の形態をより具体的に説明するものである。図7は本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【0060】
本実施の形態のDBB15は、RFIC2aの受信部2a−RXにおける現在の受信電界強度を検出し、検出した受信電界強度の値をCPU16に通知する。
不揮発メモリ17には、ミキサー4−I,4−Qの電流モードに応じた受信電界強度の補正量があらかじめ保存されている。受信電界強度の補正量を求めるには、ミキサー4−I,4−Qの電流モードの切り替えによって変化した受信電界強度値が所望の電界強度値と一致するようにあらかじめ個別調整を実施すればよい。そして、求めた補正量を不揮発メモリ17に設定しておけばよい。
【0061】
本実施の形態の携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を図8を用いて説明する。ステップS20〜S23,S24a,S25,S27a,S28の処理は第3の実施の形態と同じである。
CPU16は、切替閾値TL,THおよび現在の送信電力値を知っているため、ミキサー4−I,4−Qの電流モードを知ることが可能であり、ゲイン補正をかけることが可能である。
【0062】
すなわち、CPU16は、ミキサー4−I,4−Qの電流モードがLからHに切り替わった場合、受信電界強度の補正量を不揮発メモリ17から取得して、この補正量をDBB15に出力する(図8ステップS30a)。DBB15は、現在の受信電界強度が補正量だけ減少するように受信電界強度の補正を行う。具体的には、受信電界強度が補正量だけ減少するように受信信号のレベルを減少させればよい。
【0063】
また、CPU16は、ミキサー4−I,4−Qの電流モードがHからLに切り替わった場合、ステップS30aで行った受信電界強度の補正をオフにする(ステップS31a)。CPU16からの指示に応じて、DBB15は、受信電界強度の補正をオフにする。
以上のようにして、本実施の形態では、第2の実施の形態で説明した効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、携帯端末装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末装置のRFICの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末装置の電流モード切り替えに関する動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に関連する携帯端末装置のRF回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
1…DUP、2,2a…RFIC、2−TX,2a−TX…送信部、2−RX,2a−RX…受信部、3…LNA、4−I,4−Q…ミキサー、5−I,5−Q,7−I,7−Q…RXAGCアンプ、6−I,6−Q…BBフィルタ、8…VCO、9…90°位相分配器、10…A/D変換器、11…レジスタ、12…モード切替部、13…電流供給部、14…ゲイン補正部、15…DBB、16…CPU、17…不揮発メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIC内に設けられ、受信RF信号を増幅する低雑音アンプと、
前記RFIC内に設けられ、前記低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器と、
前記RFIC内に設けられ、前記直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプと、
前記RFIC内に設けられ、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手段と、
前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手段と、
前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じて前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインを補正するゲイン補正手段とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
RFIC内に設けられ、受信RF信号を増幅する低雑音アンプと、
前記RFIC内に設けられ、前記低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器と、
前記RFIC内に設けられ、前記直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプと、
前記RFIC内に設けられ、送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手段と、
前記RFIC内に設けられ、前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手段と、
前記RFICから出力される受信信号の強度である受信電界強度を前記電流モードに応じて補正する受信電界強度補正手段とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の携帯端末装置において、
前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1記載の携帯端末装置において、
前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替え、
前記ゲイン補正手段は、前記モード切替手段が前記第1の電流モードから前記第2の電流モードに切り替えた場合に、前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインをあらかじめ設定された補正量だけ減少させることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項2記載の携帯端末装置において、
前記モード切替手段は、現在の送信電力が閾値より小さい場合に、第1の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第1の電流モードに切り替え、現在の送信電力が閾値より大きい場合に、前記第1の電流値より大きい第2の電流値の電流を前記ミキサーに供給する第2の電流モードに切り替え、
前記受信電界強度補正手段は、前記モード切替手段が前記第1の電流モードから前記第2の電流モードに切り替えた場合に、前記受信電界強度をあらかじめ設定された補正量だけ減少させることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、
前記モード切替手段は、前記第1の電流モードの場合は、所定の閾値THと現在の送信電力値とを比較して、前記第2の電流モードに切り替えるかどうかを判定し、前記第2の電流モードの場合は、所定の閾値TL(TH>TL)と現在の送信電力値とを比較して、前記第1の電流モードに切り替えるかどうかを判定することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、
さらに、前記RFICの外部に設けられ、現在の送信電力値を前記モード切替手段に通知する送信電力検出手段を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
受信RF信号を増幅する低雑音アンプとこの低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器とこの直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプとをRFIC内に備えた携帯端末装置において、消費電力を制御する消費電力制御方法であって、
送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手順と、
前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手順と、
前記電流モードに応じて前記低雑音アンプおよびAGCアンプのうち少なくとも一方のゲインを補正するゲイン補正手順とを備えることを特徴とする携帯端末装置の消費電力制御方法。
【請求項9】
受信RF信号を増幅する低雑音アンプとこの低雑音アンプで増幅された受信RF信号を復調する直交復調器とこの直交復調器から出力されたベースバンド信号を増幅するAGCアンプとをRFIC内に備えた携帯端末装置において、消費電力を制御する消費電力制御方法であって、
送信電力の大きさに応じて前記直交復調器内のミキサーの電流モードを切り替えるモード切替手順と、
前記電流モードに応じた値の電流を前記直交復調器内のミキサーへ供給する電流供給手順と、
前記RFICから出力される受信信号の強度である受信電界強度を前記電流モードに応じて補正する受信電界強度補正手順とを備えることを特徴とする携帯端末装置の消費電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−290276(P2009−290276A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137809(P2008−137809)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】