説明

携帯端末

【課題】操作入力部におけるユーザの接触位置を、該操作入力部を直接視認することなく確認できる携帯端末を提供すること。
【解決手段】表示部と操作入力部とを有する携帯端末は、該操作入力部におけるユーザの接触部位を検出する検出部と、表示部に表示されている画面上に重畳するように、操作入力部と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する操作入力表示制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯端末は、操作部と表示部とを有し、操作部に設けられているキーを操作することにより文字や数字を入力することができる。携帯端末には、操作部と表示部とが一体であるものや、操作部と表示部とが分離したものがある。
【0003】
操作部と表示部とが一体である携帯端末は、操作部はキーパッドなどにより構成され、表示部は液晶ディスプレイなどにより構成される。該携帯端末は、表示部と操作部との位置が近くなるため、例えば、電車の中などの交通機関で使用する場合には、該携帯端末本体を顔の前に近づけて、表示部を見ながら操作する必要がある。携帯端末本体を顔の前に近づけて画面を見ながら操作する必要があるため、携帯端末を操作するために掌(てのひら)が一つ必要になる。
【0004】
操作部と表示部とが分離した携帯端末は、表示部は腕時計のように腕に装着したり、ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display; HUD)などを使用したりすることによって掌を使うことなく視認可能位置への保持が可能である。しかし、操作部については、操作部と表示部とが一体である携帯端末と同様に、操作部を見ながらのキーパッド入力を行ったり、若しくは表示部にタッチセンサーが設けられた携帯端末の場合には、該タッチセンサーを押下げたりすることにより入力する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-317201号公報
【特許文献2】特表2008-509476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
操作部を見ながらのキーパッド入力、タッチセンサーの押下げによる入力のどちらの場合でも、操作ミスを防ぐためには、該入力の際に、キーパッド入力を行う操作部や、タッチセンサーが設けられた表示部を視認可能位置までもってくる必要がある。操作部や表示部を視認可能位置までもってくる必要があるため、掌が必要になる。
【0007】
以上より、画面出力を確認しつつ押下げしようとするキーを確認するためには、操作部及び/又は表示部を目の前にもってくる必要がある。従って、荷物を抱えているユーザや電車の中でつり革を掴んでいるユーザは、操作部及び/又は表示部を目の前にもってくることができないため、著しく利便性が悪かった。
【0008】
ところで、仮想鍵盤をディスプレイに表示させることがPCなどで導入されている。マウスカーソルを操作することにより、仮想鍵盤の該当鍵盤を押下げることにより操作を行うことができる。しかし、マウスカーソルの移動は、キーパッドにより直接入力する場合と比較して、非効率的である。
【0009】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作入力部におけるユーザの接触位置を、該操作入力部を直接視認することなく確認できる携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本携帯端末は、
表示部と操作入力部とを有する携帯端末であって、
該操作入力部におけるユーザの接触部位を検出する検出部と、
前記表示部に表示されている画面上に重畳するように、前記操作入力部と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する操作入力表示制御部と
を有する。
【発明の効果】
【0011】
開示の携帯端末によれば、操作入力部におけるユーザの接触位置を、該操作入力部を直接視認することなく確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例に従った携帯端末を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施例に従った携帯端末における表示部を示す説明図(接触時)である。
【図3】本実施例に従った携帯端末における表示部を示す説明図(押下げ時)である。
【図4】本実施例に従った携帯端末における操作入力部を示す説明図である。
【図5】本実施例に従った携帯端末における操作入力部を示す説明図である。
【図6】本実施例に従った携帯端末における表示部を示す説明図(接触時)である。
【図7】本実施例に従った携帯端末における表示部を示す説明図(押下げ時)である。
【図8】本実施例に従った携帯端末における操作入力部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0014】
<携帯端末>
図1は、本実施例に従った携帯端末の機能ブロック図を示す。
【0015】
本携帯端末10は、無線部100と、表示部200と、操作入力部300とを有する。無線部100と、表示部200と、操作入力部300とは一体型でもよい。また、表示部200と操作入力部300とは分離するように構成されてもよい。無線部100は、表示部200及び操作入力部300と分離するように構成してもよいし、表示部200又は操作入力部300と一体型としてもよい。本実施例では、一例として、無線部100と、表示部200と、操作入力部300とが分離して構成される場合について説明する。
【0016】
本携帯端末10では、表示部200は、表示画面上に重畳するように、操作入力部300の操作入力面と同様の画像を半透明表示する。そして、表示部200は、該半透明表示された画像に、操作入力部300におけるユーザの接触部位を表示する。操作入力面と同様の画像を半透明表示することにより、編集作業中であっても、該編集作業には影響を与えずに、操作入力部300におけるユーザの接触部位を表示できる。
【0017】
無線部100は、遠距離無線部102と、通信制御部104と、アプリケーション部106と、近距離無線部108とを有する。
【0018】
遠距離無線部102は、当該携帯端末10とネットワークとの間の通信を実施する。該ネットワークには、移動通信網、インターネットなどが含まれてもよい。遠距離無線部102は、ネットワークと接続された基地局(図示なし)との間で、所定の通信方式により無線通信を行う。該所定の通信方式には、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)が含まれる。
【0019】
通信制御部104は、遠距離無線部102と接続される。通信制御部104は、遠距離無線部102の制御を行う。通信制御部104は、操作入力部300による操作に従って、上りリンクの信号を送信するように遠距離無線部102を制御する。また、通信制御部104は、遠距離無線部102により受信された下りリンクの信号をアプリケーション部106に入力する。
【0020】
アプリケーション部106は、通信制御部104と接続される。アプリケーション部106は、ウェブ(WEB)、メール、音声、及び画像のコーデック処理などを行う。アプリケーション部106は、近距離無線部108により入力された情報を上りリンクのデータとして送信するために、該データを圧縮するようにしてもよい。また、アプリケーション部106は、通信制御部104により入力された下りリンクのデータを伸張するようにしてもよい。
【0021】
近距離無線部108は、アプリケーション部108と接続される。近距離無線部108は、近距離無線通信技術により、下りリンクの信号を表示部200へ無線送信する。該下りリンクの信号には、当該携帯端末10が他の通信装置からダウンロードする情報(画像データ、音声データ)が含まれる。近距離無線通信技術には、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)や、赤外線通信(Infrared Data Association)などが含まれる。また、該下りリンクの信号には、メール、WEBが含まれてもよい。また、近距離無線部108は、アプリケーション部106に、表示部200により無線送信された入力情報及び/又は操作に従った情報を入力する。該入力情報は、表示部200において、ユーザにより入力された情報である。
【0022】
さらに、近距離無線部108は、近距離無線通信技術により、下りリンクの信号を操作入力部300へ無線送信する。該下りリンクの信号には、当該携帯端末10と通話中の他の携帯端末からの音声信号が含まれる。また、近距離無線部108は、アプリケーション部106に、操作入力部300により無線送信された入力情報及び/又は操作に従った情報を入力する。該入力情報は、操作入力部300において、ユーザにより入力された情報である。
【0023】
表示部200は、出力部202と、入力部204と、データ処理・制御部206と、近距離無線部208とを有する。
【0024】
出力部202は、ディスプレイ、スピーカなどを含む。ディスプレイには、液晶や無機EL、有機EL、発光ダイオードなどが適用できる。
【0025】
入力部204は、出力部202と接続される。入力部204は、ディスプレイ、音声マイクなどを含む。該ディスプレイは、出力部202と同一のディスプレイであってもよい。該ディスプレイには、タッチセンサーが設けられたキーが含まれてもよい。入力部202は、ユーザにより押下げられたキーに応じた処理を行う。例えば、ユーザは、画面上のキーを押し下げることにより、該キーに対応する入力及び/又は操作を行うことができる。ユーザによる入力情報は、データ処理・制御部206に入力される。
【0026】
図2には、表示部200における表示内容の一例が示される。
【0027】
データ処理・制御部206は、出力部202及び入力部204と接続される。データ処理・制御部206は、操作入力表示部2062を有する。データ処理・制御部206は、出力部202に文字や画像などを表示する。例えば、データ処理・制御部206は、メール、WEBなどのユーザが使用するアプリケーションに応じた情報を出力する。
【0028】
操作入力表示部2062は、出力部202に操作入力部300と同様の画像を表示する。好適には、データ処理・制御部206は、出力部202に操作入力部300の操作入力を行う面、換言すればキーが配列された面(以下、キー配列面と呼ぶ)と同様の画像(以下、操作入力表示画像と呼ぶ)を表示する。操作入力表示部2062は、操作入力表示画像を表示する場合に、出力部202に画像が表示されている場合には該画像に重畳するように、操作入力表示画像を半透明表示するようにしてもよい。図2には、出力部202に表示された「表題:テスト」に重畳するように、操作入力表示画像が半透明表示される例が示される。操作入力表示画像を半透明表示することにより、ユーザに対して、現在見ている画像の視認を妨げることなく、操作入力表示画像を表示できる。操作入力表示画像に含まれるキーには、各文字入力キー252、メニューの選択や機能を設定できるボタン254、例えばコマンドナビゲーションボタンが含まれてもよい。また、図示されていないが、出力部202の画面表示を直前の表示に戻すための「戻る」キーが含まれてもよいし、電源のオンオフを行う電源ボタン、メール機能を起動するメールボタンなどが含まれてもよい。
【0029】
さらに、操作入力表示部2062は、操作入力部300により送信された操作入力情報に従って、操作入力部300におけるユーザが触れている部位を操作入力表示画像に表示する。例えば、操作入力表示部2062は、操作入力部300のキー配列面におけるユーザが触れている部位を操作入力表示画像に表示する。該触れている部位をカーソルで示すようにしてもよい。該触れている部位は、押し下げられていない状態の部位が含まれる。図2に示される例では、三角形によりカーソルが示される。操作入力情報については後述される。ユーザが触れている部位を操作入力表示画像に表示することにより、ユーザは操作入力部300を見ることなく、操作入力部300における触れている部位を知ることができる。
【0030】
図3は、操作入力部300のキーが押下げられた場合の表示部200における表示の一例である。
【0031】
操作入力表示部2062は、操作入力部300により送信された操作入力情報に従って、該操作入力情報が操作入力部300のキーが押下げられたことを示す場合には、該押下げられたキーを操作入力表示画像に表示する。該押下げられたキーを点灯させるようにしてもよいし、点滅させるようにしてもよい。押下げられたキーと触れている部位とを異なるように表示することにより、ユーザは押下げたキーを認識できる。図3に示される例では、押下げられたキーがハッチングにより示される。
【0032】
また、データ処理・制御部206は、必要に応じて、無線部100により近距離無線技術により無線送信された下りリンクのデータを伸張し、出力部202に入力するようにしてもよい。該下りリンクのデータには、上述したような画像データ、音(声)データが含まれる。出力部202は、該画像及び/又は音(声)を出力する。また、データ処理・制御部206は、必要に応じて、入力部204からの入力情報を圧縮し、近距離無線部208に入力するようにしてもよい。
【0033】
近距離無線部208は、データ処理・制御部206と接続される。近距離無線部208は、無線部100からの下りリンクの信号を受信し、該下りリンクの信号をデータ処理・制御部206に入力する。該下りリンクの信号には、当該携帯端末10が他の通信装置からダウンロードする情報が含まれる。また、近距離無線部208は、操作入力部300からの操作入力情報を受信し、データ処理・制御部206に入力する。また、近距離無線部208は、近距離無線技術により、無線部100に、入力部204により入力され、データ処理・制御部206により処理された入力情報を無線送信する。近距離無線通信技術には、ブルートゥースや、赤外線通信などが含まれる。
【0034】
操作入力部300は、出力部302と、入力部304と、データ処理・制御部306と、近距離無線部308とを有する。
【0035】
出力部302は、スピーカ、キーライトなどを含む。出力部302は、音を出力する。該音には、通話相手の音声や、着呼に応じて呼び出しを行うための音が含まれる。また、該音には、キーが押下げされた際に出力される各種音が含まれてもよい。キーライトは、
操作入力部300の入力キーを明るく照らすためのものである。
【0036】
図4及び図5は、本実施例に従った携帯端末10の操作入力部300の一例を示す。
【0037】
入力部304は、出力部302と接続される。入力部304は、キーパッド、タッチセンサ、音声マイクなどを含む。入力部304は、各文字入力キー352、メニューの選択や機能を設定できるボタン354、例えばコマンドナビゲーションボタンが含まれてもよい。また、図示されていないが、出力部202の画面表示を直前の表示に戻すための「戻る」キーが含まれてもよいし、電源のオンオフを行う電源ボタン、メール機能を起動するメールボタンなどが含まれてもよい。例えば、入力部304は、静電容量センサ方式のキーパッドを有するようにしてもよい。静電容量センサ方式のキーパッドは、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する。なお、キーパッドは、静電容量センサ方式に限らず、他の方式、例えば抵抗膜方式、表面弾性波方式などが適用されてもよい。
【0038】
図5には、一例として、テンキー部分が示される。キー配列面には、導電膜350が形成される。具体的には、キーパッドの底面は、導電膜350が形成される。導電膜350の形成される領域を図4のハッチングにより示す。該導電膜350は、キーの配列と同様に区分されて、キー区分356を構成する。また、キーパッド以外の領域の底面にも、導電膜350が形成される。換言すれば、導電膜350は、キー配列面の全面に形成される。該導電膜350は、キーパッド以外の領域における接触部位を検出できる程度に区分されている。該区分された導電膜により感知電極が構成される。
【0039】
データ処理・制御部306は、出力部302と、入力部304と接続される。データ処理・制御部306は、静電容量測定部360n(nは、n>0の整数)と、接触部位検出部362とを有する。データ処理・制御部306は、出力部302により出力される音に関する制御を行う。また、データ処理・制御部306は、出力302におけるキーライトに関する制御を行う。また、データ処理・制御部306は、表示部200に、操作入力情報を送信するための制御を行う。操作入力情報により、表示部200に、操作入力部300のキー配列面におけるユーザが触れている部位を通知できる。
【0040】
入力部304の感知電極は、各静電容量測定部360n(360−36012)と接続される。図5には、一例としてキーパッドに対応する感知電極が静電容量測定部360nに接続される例が示される。他の部分に対応する感知電極ついても同様に対応する静電容量測定部360と接続される。
【0041】
静電容量測定部360は、感知電極と接地電位との間の静電容量結合を測定する。静電容量測定部360は、例えばRC回路により構成されてもよい。そして、静電容量測定部360は、静電容量対応する信号C1−C12を生成する。該信号C1−C12は、接触部位検出部362に入力される。
【0042】
接触部位検出部362は、信号C1−C12に基づいて、ユーザがキー配列面のいずれの部位に接触しているか、また、いずれのキーが押下げされたかを検出する。あるキーが押下げされた場合の感知電極と接地電位との間の静電容量結合と、あるキーに接触した場合の感知電極と接地電位との間の静電容量結合とは、その値が異なる。従って、あるキーが押下げされた場合に生成される信号とあるキーに接触した場合に生成される信号とは異なる。接触部位検出部362は、該信号に基づいて、押下げされたキー及び/又は接触した部位を検出する。接触部位検出部362は、操作入力情報として、ユーザがキー配列面のいずれの部位に接触しているか、また、いずれのキーが押下げされたかを示す情報を近距離無線部308に入力する。
【0043】
また、データ処理・制御部306は、無線部100により送信された下りリンクの信号を出力するための制御を行う。該下りリンクの信号には、音声データが含まれてもよい。
【0044】
また、データ処理・制御部306は、入力部304により入力された情報を無線部100に送信するための処理を行う。該処理には、圧縮処理が含まれてもよい。
【0045】
近距離無線部308は、データ処理・制御部306と接続される。近距離無線部308は、無線部100からの下りリンクの信号を受信し、該下りリンクの信号をデータ処理・制御部306に入力する。また、近距離無線部308は、近距離無線技術により、操作入力情報を表示部200に無線送信する。また、近距離無線部308は、近距離無線技術により、入力部304に入力された情報を無線部100に無線送信する。近距離無線通信技術には、ブルートゥースや、赤外線通信などが含まれる。
【0046】
本実施例において、操作入力部300における操作入力面におけるユーザの接触部位を検出する機能を起動する起動スイッチ370を有するようにしてもよい。該起動スイッチは操作入力部300が有するようにしてもよい。図4には、操作入力部300に起動スイッチ370を備えるようにした例が示される。該起動スイッチ370がオンにされると、該起動スイッチ370がオンにされたことを示す情報が表示部200に送信される。データ処理・制御部206は、起動スイッチがオンにされたことが通知されると、操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像にデータ処理・制御部306により検出されたユーザの接触部位を表示する。
【0047】
操作入力部300における操作入力面におけるユーザの接触部位を検出する機能を起動する起動スイッチ370を有することにより、必要に応じて、操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に接触部位検出部362としての検出部により検出されたユーザの接触部位を表示することができる。また、常に、操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する場合と比較して、消費電力を低減できる。
【0048】
本実施例によれば、表示部200と操作入力部300とを物理的に分離した携帯端末を実現できる。例えば、表示部200としてヘッドマウントディスプレイや、アームホルダなどを適用できる。表示部200としてヘッドマウントディスプレイや、アームホルダなどを適用した場合、該ヘッドマウントディスプレイや、アームホルダを装着した状態で、画面閲覧及び操作入力部300におけるユーザの接触位置を確認できる。従って、掌(てのひら)を必要とすることなく、接触部位を確認できる。
【0049】
また、操作入力部300を見なくても表示部200の操作入力面(仮想鍵盤)上により接触位置を把握できるため、操作習熟度が低いユーザであっても打ち間違いが少なくなる。
【0050】
表示部200をヘッドマウントディスプレイにより構成した場合、電車内でポケットに操作入力部300を入れたまま操作することができる。また、該操作の際の携帯端末10の操作間違いを低減できる。
【0051】
また、上述した実施例のように、携帯端末10を無線部100と、表示部200と、操作入力部300とに分離して構成した場合には、表示部200及び操作入力部300から、無線部100のための電源容量を分離できる。表示部200及び操作入力部300から無線部100のための電源容量を分離できるため、表示部200及び操作入力部300の小型化が可能である。
【0052】
また、無線部100、表示部200、及び操作入力300間は、近距離無線通信技術により通信が行われるため、既存の近距離無線のプロトコルを使用できる。また、暗号化を行うようにしてもよい。既存の近距離無線のプロトコルを使用できるため、部品の汎用化が可能となる。例えば、操作入力部300を他の機種と互換が取れるように構成できる。
【0053】
<変形例>
<携帯端末>
本変形例に係る携帯端末は、図1を参照して説明した携帯端末の機能ブロック図により説明できる。
【0054】
本携帯端末は、上述した実施例と表示部200及び操作入力部300の機能の一部が異なる。
【0055】
図6には、表示部200における表示内容の一例が示される。
【0056】
データ処理・制御部206は、出力部202に文字や画像などを表示する。データ処理・制御部206は、出力部202に操作入力部300の操作入力表示画像を表示する。データ処理・制御部206は、操作入力表示画像を表示する場合に、出力部202に画像が表示されている場合には該画像に重畳するように、操作入力表示画像を半透明表示する。図6には、出力部202に表示された「表題:テスト」に重畳するように、操作入力表示画像が半透明表示される例が示される。操作入力表示画像を半透明表示することにより、ユーザに対して、現在見ている画像の表示を妨げることなく、操作入力表示画像を表示できる。操作入力表示画像に含まれるキーには、各文字入力キー252、メニューの選択や機能を設定できるボタン254、例えばコマンドナビゲーションボタンが含まれてもよい。また、図示されていないが、出力部202の画面表示を直前の表示に戻すための「戻る」キーが含まれてもよいし、電源のオンオフを行う電源ボタン、メール機能を起動するメールボタンなどが含まれてもよい。
【0057】
さらに、データ処理・制御部206は、操作入力部300により送信された操作入力情報に従って、操作入力部300のキー配列面におけるユーザが触れているキーを操作入力表示画像に表示する。触れていないときとは異なるように、該触れているキーを表示する。
例えば、触れているキーと触れていないキーとは異なる色で表示してもよいし、さらに/又は明滅させてもよい。また、触れているキーをカーソルで示すようにしてもよい。図6には、ユーザが触れているキーをハッチングにより示す例が示される。ユーザが触れているキーを操作入力表示画像に表示することにより、操作入力部300を見ることなく、操作入力部300における触れているキーを知ることができる。
【0058】
図7は、操作入力部300のキーが押下げられた場合の表示部200における表示の一例である。
【0059】
データ処理・制御部206は、操作入力部300により送信された操作入力情報に従って、該操作入力情報が操作入力部300のキーが押下げられたことを示す場合には、操作入力表示画像に、該押下げられたキーを表示する。触れている場合の色とは異なる色で、該押下げられたキーを表示するようにしてもよいし、さらに/又は明滅させてもよい。図7には、ユーザが触れているキーとは異なるハッチングにより、押下げられたキーを示す例が示される。押下げられたキーと触れているキーとを異なるように表示することにより、ユーザは押下げたキーを認識できる。
【0060】
図8は、本実施例に従った携帯端末10の操作入力部300の一例を示す。
【0061】
入力部304は、出力部302と接続される。入力部304は、キーパッド、タッチセンサ、音声マイクなどを含む。入力部304は、各文字入力キー352、メニューの選択や機能を設定できるボタン354、例えばコマンドナビゲーションボタンが含まれてもよい。また、図示されていないが、出力部202の画面表示を直前の表示に戻すための「戻る」キーが含まれてもよいし、電源のオンオフを行う電源ボタン、メール機能を起動するメールボタンなどが含まれてもよい。例えば、入力部304は、静電容量センサ方式のキーパッドを有するようにしてもよい。静電容量センサ方式のキーパッドは、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する。
【0062】
キー配列面には、導電膜350が形成される。具体的には、キーパッドの底面は、導電膜350が形成される。該導電膜350は、キーの配列と同様に区分されて、キー区分356を構成する。本変形例では、キーパッド以外の領域の底面には、導電膜350は形成されない。換言すれば、キーパッドの領域の底面にのみ、導電膜350が形成される。該区分された導電膜により感知電極が構成される。感知電極は、各静電容量測定部360n(360−36012)と接続される。静電容量測定部360n及び接触部位検出部362については、上述した実施例と同様である。但し、接触部位検出部362は、操作入力情報として、ユーザがキー配列面のいずれのキーに接触しているか、また、いずれのキーが押下げされたかを示す情報を近距離無線部308に入力する。
【0063】
ユーザがキー配列面のいずれのキーに接触しているかを表示部200に表示することにより、操作入力部300におけるキー配列面の接触を検出する領域が減少するため、操作入力部300における処理負荷を低減できる。また、操作入力部300における回路規模を小さくできる。
【0064】
本実施例によれば、表示部200と操作入力部300とを有する携帯端末10が提供される。該携帯端末10は、該操作入力部300におけるユーザの接触部位を検出する検出部としての接触部位検出部362と、前記表示部200に表示されている画面上に重畳するように、前記操作入力部300と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する操作入力表示制御部としての操作入力表示部2062とを有する。
【0065】
操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示することにより、「キーを押下する前段階」での操作入力部への接触状況を視認することができる。
【0066】
さらに、前記表示部200と前記操作入力部300とは分離して構成される。該操作入力部300は、前記検出部により検出されたユーザの接触部位を示す情報を前記表示部200に無線送信する接触部位送信部としての近距離無線部308を有する。前記表示部200は、前記接触部位送信部により無線送信されたユーザの接触部位を示す情報を受信する接触部位受信部としての近距離無線部208を有し、前記操作入力表示制御部は、前記接触部位受信部により受信されたユーザの接触部位を示す情報に基づいて、ユーザの接触部位を表示する。
【0067】
前記表示部200と前記操作入力部300とを分離して構成することにより、「キーを押下する前段階」での操作入力部300への接触状況を、該操作入力部300とは分離した表示部200に表示できる。ユーザは、操作入力部300を直接視認することなく、操作入力部300への接触状況を確認することができる。
【0068】
さらに、前記接触部位送信部と前記接触部位受信部とは、近距離無線技術により無線通信を行う。近距離無線技術により無線通信を行うことにより、既存の近距離無線のプロトコルが使用できるため、部品の汎用化が可能となる。
【0069】
さらに、前記検出部は、該操作入力部における操作入力面に設けられたタッチセンサーにより、ユーザの接触部位を検出する。操作入力面にタッチセンサーを設けることにより、操作入力面における接触部位を検出できる。
【0070】
さらに、前記操作入力部300における操作入力面におけるユーザの接触部位を検出する機能を起動する起動スイッチ370を有する。前記操作入力表示制御部は、前記起動スイッチ370がオンにされた場合に、前記操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する。操作入力部300における操作入力面におけるユーザの接触部位を検出する機能を起動する起動スイッチ370を有することにより、必要に応じて、前記操作入力部300における操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示することができる。
【0071】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0072】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0073】
10 携帯端末
100 無線部
102 遠距離無線部
104 通信制御部
106 アプリケーション部
108 近距離無線部
200 表示部
202 出力部
204 入力部
206 データ処理・制御部
2062 操作入力表示部
208 近距離無線部
252 文字入力キー
254 ボタン(コマンドナビゲーションボタン)
300 操作入力部
302 出力部
304 入力部
306 データ処理・制御部
360n(nは、n>0の整数) 静電容量測定部
362 接触部位検出部
308 近距離無線部
350 導電膜
352 文字入力キー
354 ボタン(コマンドナビゲーションボタン)
356 キー区分
370 起動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と操作入力部とを有する携帯端末であって、
該操作入力部におけるユーザの接触部位を検出する検出部と、
前記表示部に表示されている画面上に重畳するように、前記操作入力部と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する操作入力表示制御部と
を有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記表示部と前記操作入力部とは分離して構成され、
該操作入力部は、
前記検出部により検出されたユーザの接触部位を示す情報を前記表示部に無線送信する接触部位送信部
を有し、
前記表示部は、
前記接触部位送信部により無線送信されたユーザの接触部位を示す情報を受信する接触部位受信部
を有し、
前記操作入力表示制御部は、前記接触部位受信部により受信されたユーザの接触部位を示す情報に基づいて、ユーザの接触部位を表示する端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末において、
前記接触部位送信部と前記接触部位受信部とは、近距離無線技術により通信を行う端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記検出部は、前記操作入力面に設けられたタッチセンサーにより、ユーザの接触部位を検出する端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記操作入力面におけるユーザの接触部位を検出する機能を起動する起動スイッチ
を有し、
前記操作入力表示制御部は、前記起動スイッチがオンにされた場合に、前記操作入力面と同様の画像を半透明表示し、該半透明表示された画像に前記検出部により検出されたユーザの接触部位を表示する端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−213244(P2010−213244A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60239(P2009−60239)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】