説明

携帯端末

【課題】本発明は、少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、そのコンテンツを送信する機能を備え、ファイル転送中にファイル転送の進捗状況やファイル転送結果を音声効果で表現することによって、ユーザが画面に注目しなくても聴覚からファイル転送状況等を把握できる携帯端末を提供する。
【解決手段】少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、コンテンツを送信する送信手段(S107)を備えた通信端末であって、コンテンツが送信されている間、効果音を鳴動させる第1の鳴動手段(S109)と、コンテンツの送信が終了したとき、送信に成功したか失敗したかを示す効果音を鳴動させる第2の鳴動手段(S113、S115)と、コンテンツの送信が終了したことに基づいて、コンテンツを送信した送信相手に対して発信する発信手段(S105)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、そのコンテンツを送信する機能を備えるとともに、ユーザがこの送信の進捗状況を耳で確認することができる携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な携帯電話機等の携帯端末は、着信があった場合に、ユーザにより予め設定された着信メロディを再生させて、ユーザに対してこの着信を通知する機能を備えている。例えば特許文献1には、ユーザが自分の好きな着信メロディを使用しながら、かつ着信の有無を確実に知ることができる携帯電話機が記載されている。この携帯電話機は、着信があれば着信メロディをROMから読み出し、エンベロープ検出部で着信メロディの音量が小さいか否かを判断し、音量が小さいと判断した時は、LUTを参照してVCAの増幅度を上げるものである。
【特許文献1】特開2006−148527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方で、近年、音声通話の際に、発信側がマルチメディアコンテンツを着信コンテンツとして着信側へ送信し、着信側がそのコンテンツを受信して既存の着信メロディの代わりに再生する機能を備えた携帯電話機が増えてきている。このような携帯電話機では、通常の音声通話と異なり、音声通話の処理が開始される前に、発信側のユーザはファイル転送が終了するまで待機しなければならない時間帯が発生してしまうという問題があった。
【0004】
現状、このユーザの待機時間において、ファイル転送の進捗状況を示すプログレスバーやポップアップ画面がディスプレイに表示されるが、ユーザがこの表示を確認するためには、携帯電話機を耳に当てた状態ではなく顔の前に掲げた状態で保持する必要があった。ファイル転送の所要時間はファイルサイズと通信状況によるが、最悪の場合には30秒以上かかってしまう場合もあり、この間にファイル転送の過程を目視で確認するのはユーザにとっては負担となっていた。また、ファイル転送の待ち動作は「ダイヤルしてから耳に当てて通話の開始を待つ」という音声通話の慣習と異なるため、初めてこの機能を使用するユーザが不便さを感じる恐れがある
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、そのコンテンツを送信する機能を備え、ファイル転送中にファイル転送の進捗状況やファイル転送結果を音声効果で表現することによって、ユーザが画面に注目しなくても聴覚からファイル転送状況等を把握できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、前記コンテンツを送信する送信手段を備えた通信端末であって、前記送信手段により前記コンテンツが送信されている間、効果音を鳴動させる第1の鳴動手段と、前記送信手段による前記コンテンツの送信が終了したとき、送信に成功したか失敗したかを示す効果音を鳴動させる第2の鳴動手段と、前記送信手段による前記コンテンツの送信が終了したことに基づいて、前記コンテンツを送信した送信相手に対して発信する発信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る携帯端末によると、少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、そのコンテンツを送信する機能を備え、ファイル転送中にファイル転送の進捗状況やファイル転送結果を音声効果で表現することによって、ユーザが画面に注目しなくても聴覚からファイル転送状況等を把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る携帯端末の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る携帯端末として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるクラムシェル型の携帯電話機1を例に挙げて説明する。図1(A)は、携帯電話機1の開いた状態を示す正面図、図1(B)は、本発明に係る携帯電話機1の開いた状態を示す側面図、図2(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す正面図、図2(B)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す側面図である。
【0008】
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10及び下筐体11は、ヒンジ部12を挟むようにヒンジ結合されていて、上筐体10は下筐体11に対して、ヒンジ部12を軸にして、図1及び図2のX方向に所定角度だけ回転自在なように形成されている。携帯電話機1は、上筐体10を下筐体11に対して回転させることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0009】
上筐体10の内面(下筐体11に対面する側の面)には、文字や画像等を含んだ表示情報を表示するためのディスプレイ13が設けられている。ディスプレイ13は、例えば液晶パネルで形成された液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)パネルで形成された有機ELディスプレイなどである。また、上筐体10の内面には、音声を出力するスピーカ14が設けられている。これらのディスプレイ13、スピーカ14は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、下筐体11により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには外部に露出される。
【0010】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、例えば、電源のON/OFFを切り替えるための電源キーや発呼処理を行うための発呼キー、数字や文字を入力するためのテンキー、メール機能や、Web閲覧機能等を起動するためのショートカットキー等からなる操作キー15が設けられている。また下筐体11の内面には、音声を集音するためのマイクロフォン16が設けられている。これらの操作キー15及びマイクロフォン16は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには外部に露出される。
【0011】
次に、携帯電話機1の機能について、図3に示すブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図3に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、及び記憶部26が、バスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0012】
主制御部20は、様々なデータ処理や演算を行うCPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する画面表示処理や画面更新処理や、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、ユーザによる操作キー15を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合には電力供給源(バッテリ等)から各部に対して電力を供給して、携帯端末1を動作可能にする。
【0013】
操作入力制御部22は、操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15が押下された際、この押下されたキーを示す信号を生成して主制御部20に伝送する。表示制御部23は、ディスプレイ13に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書データや静止画像データ、動画像データ等からなる画面をディスプレイ13に表示する。
【0014】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ14から音声として出力する。
【0015】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ14から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ13に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや操作キー15を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0016】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述する転送監視処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0017】
携帯電話機1は、音声通話を行う際に、発信側で少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信コンテンツとして着信側へ送信し、着信側がこの着信コンテンツを受信して既存の着信メロディのかわりに再生する機能を備えている。携帯電話機1における音声発信の際に、着信コンテンツを送信して着信側の携帯電話機で着信メロディとして再生させる方法は、着信側の携帯電話機の既存の着信メロディを用いる方法とは異なり、音声通話の処理が開始される前に、発信側の携帯電話機1のユーザにはファイル転送が終了するまで待機しなければならない時間帯が発生してしまう。
【0018】
そこで携帯電話機1は、ファイル転送の過程において、スピーカ14からファイル転送の進捗状況を示す音声効果、ファイル転送結果を示す音声効果を再生させる機能を備えている。図4は、携帯電話機1が音声ファイルの転送を伴う音声発信処理を行う際の手順を示す概略図である。
【0019】
携帯電話機1が音声発信する場合、発信側の携帯電話機1のユーザが例えば操作キー15を用いて着信側の携帯電話機1Aに着信メロディとして再生させるための音声ファイルなどの着信コンテンツを指定する(S1)。そして発信側の携帯電話機1は着信側の携帯電話機1Aに対して通信を開始し、着信側の携帯電話機1Aとのセッションネゴシエーションを完了する(S2)。発信側の携帯電話機1はパケットサービスを利用して指定された着信コンテンツを着信側の携帯電話機1Aに送信する(S3)。
【0020】
この送信中に、発信側の携帯電話機1の画面上にはファイル転送の進捗状況を示すプログレスバーが表示されるのと同時に、スピーカ14からファイル送信中状態、あるいはファイル転送進捗状況を示すトーンを鳴動させる(S4)。この際のトーンの音を、その後で鳴動される音声通話のトーンの音と近似させることによって、通常の音声通話の状態を模擬することができ、ユーザに違和感を与えないように音声ファイルを送信することができる。またトーンの音程(ピッチ)やテンポをファイル転送の進捗状況に応じて変化させることも可能とする。これによって、発信側の携帯電話機1のユーザが聴覚を介してファイル転送状況を把握できる。ファイル転送が終了したとき、ファイル転送に成功したか失敗したかの転送結果についても、それぞれ異なる効果音をスピーカ14から鳴動させることにより、ユーザに対して通知する(S5)。
【0021】
そしてその後、発信側の携帯電話機1は着信側の携帯電話機1Aに対して通常の音声発信を行う(S6)。着信側の携帯電話機1Aは、この着信を受けて、着信コンテンツの受信に成功した場合には、この受信した着信コンテンツを着信メロディとして再生する(S7)。
【0022】
携帯電話機1が、このファイル転送を伴った音声発信処理を行う手順について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、発信側の携帯電話機1が着信側の携帯電話機1Aに対して、着信コンテンツとして音声ファイルを送信する例について説明するが、送信されるコンテンツは少なくともメロディデータを含んでいれば良く、動画データを含んだ映像ファイルであっても良い。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0023】
まず主制御部20は、電話発信が開始されたか否かを判断する(S101)。電話発信が開始されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。電話発信が開始された場合は(S101のYes)、主制御部20は、着信コンテンツの転送を行うか否かを判断する(S103)。
【0024】
すなわち、電話発信を行う際、相手の携帯電話機の設定に従って着信メロディを再生するか、送信側の携帯電話機1から着信側の携帯電話機1Aに音声ファイルを送信して、着信側の携帯電話機1Aで受信した音声ファイルを再生するかにより、着信メロディの再生が行われる。ユーザは、通話相手に音声ファイルを送信したい場合には、操作キー15を介して、発呼が開始される前に複数の音声ファイルの中から送信対象の音声ファイルを選択する。
【0025】
着信コンテンツの転送を行わない場合(S103のNo)は、主制御部20は、通常の音声通話の処理を開始する(S105)。着信コンテンツの転送を行う場合(S103のYes)は、主制御部20は、着信コンテンツの転送を開始する(S107)。この際、主制御部20は、ユーザにより選択された音声ファイルや予め指定された音声ファイルを送信する。
【0026】
また主制御部20は、ファイル転送の進捗状況に応じて、スピーカ14から効果音(トーン)を鳴動させる(S109)。このとき、図6に示すように、例えば音声ファイルの転送を開始したときに転送中である旨を示す効果音を鳴動させ始め、ファイル転送の経過とともにこの効果音の鳴動間隔(テンポ)を上げていく(あるいは下げていく)と良い。または、音声ファイルの転送を開始したときに転送中である旨を示す効果音を小さい音量(あるいは大きい音量)で鳴動させ、ファイル転送の経過とともにこの効果音の音量を上げていっても(あるいは下げていっても)良い。または、または、音声ファイルの転送を開始したときに転送中である旨を示す効果音を低い音程(あるいは高い音程)で鳴動させ、ファイル転送の経過とともにこの効果音の音程を上げていっても(あるいは下げていっても)良い。
【0027】
主制御部20は、ファイル転送に成功したか否かを判断する(S111)。例えばネゴシエーションで失敗した場合や、発信側の携帯電話機1または着信側の携帯電話機1Aの電波状態が弱い場合には、転送に失敗し、着信側の携帯電話機1Aに音声ファイルが転送されないため、着信側の携帯電話機1Aでこの音声ファイルを着信メロディとして使用することができない。
【0028】
ファイル転送に成功した場合(S111のYes)は、主制御部20は、転送中である旨を示す効果音の鳴動を停止して、ファイル転送に成功した旨を示す効果音を鳴動させる(S113)。このときの効果音は、例えば図6に示すように、転送中である旨を示す効果音とは異なった音にすると良い。
【0029】
ファイル転送に失敗した場合(S111のNo)は、主制御部20は、転送中である旨を示す効果音の鳴動を停止して、ファイル転送に失敗した旨を示す効果音を鳴動させる(S115)。このときの効果音は、例えば図6に示すように、転送中である旨を示す効果音とは異なった音にすると良い。
【0030】
そして主制御部20は、電話相手に対して音声発信して、音声通話を開始する(S105)。このとき、ステップS111にてファイル転送に成功した場合には、着信側の携帯電話機1Aは、ステップS105乃至S111にて転送された音声ファイルを着信メロディとして再生する。
【0031】
このようにして発信側の携帯電話機1は、着信側の携帯電話機1Aに対して音声発信をするときに、着信側の携帯電話機1Aにおいて着信音として再生される着信コンテンツ(例えば音声ファイル)を送信する場合、この着信コンテンツの送信中に送信の進捗状況を表す効果音を鳴動させることにより、ユーザに対して送信の進捗情報を音で通知する。これにより発信側の携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を耳に当てた状態で、送信の進捗状況を確認することができる。
【0032】
また、着信側の携帯電話機1Aに対して音声発信をするときに、着信側の携帯電話機1Aにおいて着信音として再生される着信コンテンツ(例えば音声ファイル)を送信する場合、この着信コンテンツの送信終了時に、送信結果(送信に成功したか否か)を表す効果音を鳴動させることにより、ユーザに対して送信結果を音で通知する。これにより発信側の携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を耳に当てた状態で、送信結果を確認することができる。
【0033】
ここで、携帯電話機1は、ファイルの転送中である旨を示す効果音、転送に成功または失敗した旨を示す効果音を鳴動させる時に、ユーザにより予め指定されて記憶部26に記憶されている音声ファイルや、通話相手に送信している音声ファイルを再生させるようにしても良い。携帯電話機1がこのときのファイル転送を伴った音声発信処理を行う手順について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
なお、例えばユーザが前もって操作キー15を介して、記憶部26に記憶されている複数の音声ファイルの中から、ファイル転送中である旨を示す音声ファイル、転送に成功した旨を示す音声ファイル、転送に失敗した旨を示す音声ファイルを指定しておくことにより、これらの音声ファイルは予め設定されているものとする。
【0035】
まず主制御部20は、電話発信が開始されたか否かを判断する(S201)。電話発信が開始されていない場合(S201のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。電話発信が開始された場合は(S201のYes)、主制御部20は、着信コンテンツの転送を行うか否かを判断する(S203)。
【0036】
着信コンテンツの転送を行わない場合(S203のNo)は、主制御部20は、通常の音声通話の処理を開始する(S205)。着信コンテンツの転送を行う場合(S203のYes)は、主制御部20は、設定に基づいて、ファイル転送中である旨を示す音声ファイル、転送に成功した旨を示す音声ファイル、転送に失敗した旨を示す音声ファイルを記憶部26から取得する(S207)。
【0037】
そして主制御部20は、着信コンテンツの転送を開始する(S209)。この際、主制御部20は、ユーザにより選択された音声ファイルや予め指定された音声ファイルを送信する。また主制御部20は、ファイル転送の進捗状況に応じて、スピーカ14からステップS207にて取得したファイル転送中である旨を示す音声ファイルを再生する(S211)。このとき、例えば音声ファイルの転送を開始したときに転送中である旨を示す音声ファイルを再生し始め、ファイル転送の経過とともにこの音楽のテンポを上げていく(あるいは下げていく)と良い。または、音声ファイルの転送を開始したときに転送中である旨を示す音楽を小さい音量(あるいは大きい音量)で再生し始め、ファイル転送の経過とともにこの音楽の音量を上げていっても(あるいは下げていっても)良い。
【0038】
主制御部20は、ファイル転送に成功したか否かを判断する(S213)。ファイル転送に成功した場合(S213のYes)は、主制御部20は、転送中である旨を示す音声ファイルの再生を停止して、ステップS207にて取得したファイル転送に成功した旨を示す音声ファイルを再生する(S215)。
【0039】
ファイル転送に失敗した場合(S213のNo)は、主制御部20は、転送中である旨を示す音声ファイルの再生を停止して、ステップS207にて取得したファイル転送に失敗した旨を示す音声ファイルを再生する(S217)。
【0040】
そして主制御部20は、電話相手に対して音声発信して、音声通話を開始する(S205)。このとき、ステップS213にてファイル転送に成功した場合には、着信側の携帯電話機1Aは、ステップS207乃至S213にて転送された音声ファイルを着信メロディとして再生する。
【0041】
このようにして発信側の携帯電話機1は、着信側の携帯電話機1Aに対して音声発信をするときに、着信側の携帯電話機1Aにおいて着信音として再生される着信コンテンツ(例えば音声ファイル)を送信する場合、この着信コンテンツの送信中に送信の進捗状況を表す音声ファイルを再生することにより、ユーザに対して送信の進捗情報を音で通知する。これにより発信側の携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を耳に当てた状態で、送信の進捗状況を確認することができる。
【0042】
また、着信側の携帯電話機1Aに対して音声発信をするときに、着信側の携帯電話機1Aにおいて着信音として再生される着信コンテンツ(例えば音声ファイル)を送信する場合、この着信コンテンツの送信終了時に、送信結果(送信に成功したか否か)を表す音声ファイルを再生することにより、ユーザに対して送信結果を音で通知する。これにより発信側の携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を耳に当てた状態で、送信結果を確認することができる。
【0043】
なお、ファイル転送中である旨を示す音声ファイルとして、実際に着信側の携帯電話機1Aに対して転送する音声ファイルが再生されることで、ユーザは、転送を行う音声ファイルが正しく選択されているかどうかを耳で確認することができる。このとき、転送されるコンテンツが動画データを含んでいる場合には、この動画データが再生されると良い。
【0044】
また、転送結果を示す効果音を発生させるのと並行させて、もしくはその代替で、携帯電話機1を振動させるようにしても良い。この場合には、振動のテンポや強弱を、転送の進捗状況に応じて変動させることにより、ユーザに対して転送の進捗状況を通知することができる。これにより発信側の携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を耳に当てた状態で、着信コンテンツの転送の進捗状況を確認することができる。
【0045】
さらに発信側の携帯電話機1において、ファイル転送中である旨を示す音声ファイル、転送に成功した旨を示す音声ファイル、転送に失敗した旨を示す音声ファイルをユーザが指定できるようにすることで、着信側の携帯電話機1Aにおいて着信音として再生される着信コンテンツ(例えば音声ファイル)を送信している間、ユーザにより指定された音声ファイルが再生されるため、ユーザは待機時間を快適に過ごすことができる。
【0046】
本発明に係る携帯端末(携帯電話機1)によると、発信側がマルチメディアコンテンツを着信コンテンツとして着信側へ送信し、着信側がそのコンテンツを既存の着信メロディのかわりに再生する機能を備え、ファイル転送中にファイル転送の進捗状況やファイル転送結果を音声効果で表現することによって、ユーザが画面に注目しなくても聴覚からファイル転送状況等を把握することが可能となる。
【0047】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、小型テレビ機器、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯オーディオ機器、携帯ビデオ機器等、通話機能及びデータ通信機能を備えた携帯端末であれば、任意の携帯端末であって良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(A)は、本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の開いた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る携帯電話機の開いた状態を示す側面図。
【図2】(A)は、本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の閉じた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る携帯電話機の閉じた状態を示す側面図。
【図3】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)のブロック図。
【図4】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)がファイル転送を伴う電話発信処理を行う際の手順を説明するための概略図。
【図5】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)がファイル転送を伴う電話発信処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図6】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)がファイル転送処理を行う際の効果音の再生方法を示す概略図。
【図7】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)がファイル転送を伴う電話発信処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
1、1A…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ヒンジ部,13…ディスプレイ,14…スピーカ,15…操作キー,16…マイクロフォン,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、前記コンテンツを送信する送信手段を備えた通信端末であって、
前記送信手段により前記コンテンツが送信されている間、効果音を鳴動させる第1の鳴動手段と、
前記送信手段による前記コンテンツの送信が終了したとき、送信に成功したか失敗したかを示す効果音を鳴動させる第2の鳴動手段と、
前記送信手段による前記コンテンツの送信が終了したことに基づいて、前記コンテンツを送信した送信相手に対して発信する発信手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記送信手段により送信されたコンテンツを受信する受信手段と、
前記発信手段からの発信を受け付ける着信手段と、
前記着信手段が発信を受け付けた場合、前記受信手段により受信されたコンテンツを再生する再生手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第1の鳴動手段は、前記送信手段による送信の進捗状況に応じて、効果音のテンポを変動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1の音声手段は、前記送信手段による送信の進捗状況に応じて、効果音の音量を変動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1の音声手段は、前記送信手段による送信の進捗状況に応じて、効果音のピッチを変動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第1の音声手段は、音声ファイルを再生することにより効果音を鳴動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項7】
前記第1の音声手段は、前記送信手段により送信されるコンテンツを再生することにより効果音を鳴動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第1の音声手段は、前記送信手段により送信されるコンテンツが動画データを含む場合に、この動画データを再生することにより効果音を鳴動させることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項9】
少なくともメロディデータを含むコンテンツを着信メロディとして再生する通信端末に対して、前記コンテンツを送信する送信手段を備えた通信端末であって、
前記コンテンツを送信する送信手段と、
前記送信手段により前記コンテンツが送信されている間、前記送信手段により送信されるコンテンツを再生する第1の鳴動手段と、
前記送信手段によるコンテンツの送信が終了した際、送信に成功したか失敗したかを示す効果音を鳴動させる第2の鳴動手段と、
前記送信手段による着信コンテンツの送信が終了したことに基づいて、前記コンテンツを送信した送信相手に対して発信する発信手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−87839(P2010−87839A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254631(P2008−254631)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】