説明

携帯端末

【課題】携帯端末を片手で操作しようとする場合に携帯端末を落下させてしまう危険性を抑えること。
【解決手段】本発明の携帯端末は、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルが一体に設けられた表示部を有する筐体と、前記筐体を前記ユーザの親指を除く片手で把持可能なように変形する把持部と、前記把持部の変形を検出する検出部と、前記検出部が前記把持部の変形を検出した場合には、前記ユーザの片手の親指で前記タッチパネルを操作可能な表示に前記表示部の表示を変更する変更部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを介して表示画面を操作する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている技術では、筐体の左右側面に備えられたタッチセンサの検出結果で判定された筐体の把持状態により、タッチパネル上に表示する操作キーの配置が変更される。片手操作の場合には、タッチパネル上に表示する操作キーの配置が片手で操作を行い易いように変更される。
【0003】
特許文献2に開示されている技術では、筐体の一側面に備えられたタッチセンサの検出結果で判定された筐体の把持状態により、操作キーが筐体を把持した片手の親指が届く範囲でディスプレイに円弧状に表示される。また、筐体の背面には指掛け部が設けられている。
【0004】
特許文献3に開示されている技術では、筐体の長手方向の側面と、筐体の短手方向の側面とに備えられたタッチセンサの検出結果で判定された筐体の把持状態により、ディスプレイの表示方向が変更される。また、特許文献3では、タッチセンサに加えて重力センサの検出結果も組み合わせて、ディスプレイの表示方向が変更される点も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−169820号公報
【特許文献2】特開2009−163278号公報
【特許文献3】特開2010−113503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1〜3に開示されている技術では、特に、携帯端末を横長に持ってタッチパネルを片手で操作する場合には、携帯端末を把持していた親指で片手操作用表示に切り替わったタッチパネルを操作する必要がある。そのため、ユーザがタッチパネルを操作するために携帯端末から親指を離すと、ユーザは携帯端末を落下させ易い。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザが携帯端末を片手で操作しようとする場合に携帯端末を落下させてしまう危険性を抑えることのできる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る携帯端末は、表示部と、ユーザの指示を受け付ける操作部と、前記筐体もしくは前記筐体の少なくとも一部を覆うカバーに設けられ、自身が変形していない場合よりも、自身が変形している場合において、前記操作部の設けられた面と略平行な面における所定の方向から加えられた力に対して大きな反力を発生する把持部と、前記把持部の変形を検出する検出部と、前記把持部が変形している場合と変形していない場合とで、前記操作部の操作体系を変更する変更部とを備えた携帯端末を提供する。
上記構成によれば、携帯端末の把持状態に応じて、操作部の操作体系を切り替えるので、把持部を変形させてより携帯端末を支えやすくなった状態において操作体系を片手持ち用に切り替えることができる。これにより片手操作時に誤って携帯端末を落下する危険性を減らすことができる。
【0009】
上記携帯端末の他の態様では、前記変更部は、前記把持部が変形している場合、前記操作部のうち、前記把持部が配置されている箇所に近い部分から受付可能な操作が、前記把持部の配置されている箇所から遠い部分から受付可能な操作よりも多くなるよう、前記操作体系を変更する。
上記構成によれば、特に携帯端末を把持部によって片手で支えて操作しようとする場合に、その手による携帯端末の操作を行い易くすることができる。
【0010】
上記携帯端末の他の態様では、前記携帯端末は、前記把持部を複数備えており、前記変更部は、複数の前記把持部の一つが変形しており、かつ、複数の前記把持部の他の一つが変形していない場合、前記操作部のうち、前記変形している把持部に近い部分から受付可能な操作が、前記変形していない把持部に近い部分から受付可能な操作よりも多くなるよう、前記操作体系を変更する。
上記構成によれば、携帯端末をどの把持部を用いて支えようとしているかに応じて、その把持部で携帯端末を支えている場合に操作しやすい操作体系を提供することができる。例えば、左手で携帯端末を支えようとしている場合と右手で携帯端末を支えようとしている場合とで、使用しようとしている手に応じた操作体系を提供することができる。
【0011】
上記携帯端末の他の態様では、前記携帯端末は、前記把持部を複数備えており、前記複数の把持部は、前記変形している状態において、それぞれ異なる方向からの力に対して、前記変形していない状態よりも大きな反力を発生させ、前記変更部は、前記変形している状態にある把持部が前記変形していない状態よりも大きな反力を発生させる方向が上向きである場合に対応するよう、前記操作体系を変更する。
上記構成によれば、どの把持部を利用しようとしているかによって、ユーザがどの向きで携帯端末を利用しようとしているかを精度良く検出することができる。
【0012】
上記携帯端末の他の態様では、前記変更部は、更に、前記把持部が変形している場合と変形していない場合とで、前記表示部に対して表示する画像の表示態様を変更する。
上記構成によれば、把持部の変形によって検出した手の方向に合わせて画像の表示態様も切り替えることができる。
【0013】
上記携帯端末の他の態様では、前記操作部は、前記表示部と一体として構成されたタッチパネルであり、前記変更部は、前記タッチパネルに表示される入力部の表示態様を変更することにより、前記操作体系を変更する。
上記構成によれば、操作部内のボタン等の形状や大きさ等を変更することができるので、よりユーザに対して利用しやすい操作体系を提供することができる。
【0014】
上記携帯端末の他の態様では、前記把持部は、前記変形していない状態では前記筐体を構成する面と略面一になるよう収納され、かつ、前記変形している状態では前記筐体を構成する面から突出する。
上記構成によれば、把持部を利用しない場合における筐体の外観に影響を抑えることができる。
【0015】
上記携帯端末の他の態様では、前記把持部は、前記筐体を構成する面に設けられた回動可能な基部と、前記基部によって回動可能に支持され、前記基部からその一端が延出する延出部と、を有する。
上記構成によれば、把持部を回動させる操作によって容易に把持部を変形することができる。
【0016】
上記携帯端末の他の態様では、前記把持部は、略紐形状を持ち、両端においては前記筐体もしくはカバーに取り付け可能な取付部を備え、前記検出部は、前記両端に設けられた取付部の両方が前記筐体もしくはカバーに取り付けられた場合、前記把持部が変形したと判断し、前記両端に設けられた取付部の少なくとも一方が前記筐体もしくはカバーから取り外されている場合、前記把持部が変形していないと判断する。
上記構成によれば、ストラップ等の従来の携帯端末でも用いられている構造を用いて把持部を実現できるので、既存の携帯端末と比べて把持部を設けたことによる外観への影響を抑えることができる。
【0017】
上記携帯端末の他の態様では、前記把持部は、前記筐体もしくは前記カバーの一部を構成し、かつ、前記筐体に対してスライドすることで変形する。
上記構成によれば、スライドによって把持部を変形することができるので、容易な操作で把持部の変形を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る携帯端末によれば、携帯端末を片手で操作しようとする場合における落下の危険を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)、(b)は、把持部12が回動する前後の実施の形態1の携帯端末1を背面から見た図
【図2】(a)把持部12が片手把持された携帯端末1を背面から見た図、(b)把持部12が片手把持された携帯端末1を正面から見た図
【図3】実施の形態1における表示部11の切り替え制御を行うための機能ブロック図
【図4】実施の形態1における表示部11の表示切り替えフロー
【図5】把持部12の他の使用例(1)
【図6】把持部12の他の使用例(2)
【図7】実施の形態2の携帯端末2における表示切り替えための機能ブロック図
【図8】実施の形態2における表示部11の表示切り替えフロー
【図9】実施の形態3の携帯端末3を背面から見た図
【図10】実施の形態4の携帯端末4を背面から見た図
【図11】(a)、(b)は、筐体10の他の構成(1)を説明するための図
【図12】(a)、(b)は、筐体10の他の構成(2)を説明するための図
【図13】(a)〜(c)は、筐体10の他の構成(3)を説明するための図
【図14】(a)、(b)は、筐体10の他の構成(4)を説明するための図
【図15】(a)、(b)は、筐体10の他の構成(5)を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1(a)〜図3を参照して、実施の形態1の携帯端末1の構成について説明する。図1(a)、(b)は、把持部12が回動する前後の携帯端末1を背面から見た図である。図2(a)は、把持部12が片手把持された携帯端末1を背面から見た図であり、図2(b)は、把持部12が片手把持された携帯端末1を正面から見た図である。携帯端末1は、筐体10と、筐体10の一方の面10Aにタッチパネルと一体に設けられた表示部11(図2(a)、(b)参照)を有し、一方の面10Aとは反対側の他方の面10Bの端部に把持部12を有する。また、把持部12を収容する部分には把持部12の回動を検出する検出部16が設けられている。
【0022】
<筐体10の構成>
筐体10は、その形状が略直方体であって筐体10の長い辺に沿った長手方向(Z方向)、筐体10の短い辺に沿った短手方向(X方向)、長手方向と短手方向とは略垂直な方向である奥行き方向(Y方向)とを有する。以下、各図において、筐体10の各方向をX、Y、Z方向に沿った軸で示す。
【0023】
表示部11(図2(b)参照)は、後述する変更部21の制御により、片手把持用表示と通常表示とに切り替え制御される。表示部11は、タッチパネルが一体に設けられているため、ユーザが表示部11を操作すると、表示部11はタッチパネルを介してユーザの入力操作を受け付ける。
【0024】
図1(a)に示すように、把持部12は、筐体10の他方の面10Bの端部に設けられている。把持部12は、第1延出部14の一端が回動可能に接続される基部13と、基部13により回動可能に支持される第1延出部14と、一端が第1延出部14と連続し、第1延出部14の延出方向とは略垂直な方向に延びる第2延出部15とを有する。第2延出部15の他端は自由端である。第1延出部14、第2延出部15は、板状に一体形成された部材であり、基部13により一体で略90度回動する。
【0025】
図1(b)に示すように、第1延出部14と対向する筐体10の把持部12を収容する部分に、把持部12の回動を検出する検出部16が設けられている。詳細は後述するが、検出部16は、検出デバイスによって、把持部12の変形を検出する。
【0026】
なお、検出部16が備える検出デバイスとしては、磁気センサに限らない。磁気式以外にも、光学センサ、機械式スイッチ、赤外線センサなどが考えられる。
【0027】
<把持部12の回動動作>
図1(a)に示すように、表示部11が通常表示の場合、把持部12は、その全体が筐体10に収容され一体となっている。また、表示部11が通常表示の場合、基部13、第1延出部14、第2延出部15の外面は、筐体10の表面と面一である。そのため、携帯端末1はその外観を把持部12により損ねることはない。
【0028】
そして、図1(b)に示すように把持部12が矢印A方向に回動すると、第1延出部14、第2延出部15が基部13に対して矢印A方向に略90度まで回動する。把持部12の第1延出部14、第2延出部15は、筐体10の他方の面10Bから突出する。詳細は後述するが、把持部12が矢印A方向に回動することで、第1延出部14、第2延出部15が他方の面10Bから突出すると、表示部11は変更部21の制御に基づき筐体10の長手方向に沿った片手把持用表示に切り替わる。
【0029】
<片手把持用表示>
表示部11の表示について説明する。図2(a)は、把持部12が片手で把持された携帯端末1を背面から見た図であり、図2(b)は把持部12が片手把持された携帯端末1を正面から見た図である。
【0030】
図2(a)に示すように、ユーザは、右手の親指以外の複数の指(図2(a)中、人差し指と中指)で、基部13に対して矢印A方向に略90度回動した把持部12の第1延出部14を把持するのと同時に、右手の親指以外の複数の指(図2(a)では、人差し指、中指、および薬指)の指先で、筐体10の他方の面10Bを支持する。そのため、ユーザは親指を使わずに片手で携帯端末1を把持することができる。さらに、本実施の形態では、把持部12の第2延出部15が右手の親指以外の指(図2(a)中、中指)を支持するので、把持部12の第2延出部15がない場合に比して、ユーザは親指を使わずに片手で携帯端末1をより確実に把持することができる。詳細は後述するが、ユーザは右手の親指で携帯端末1の表示部11を操作する。
【0031】
なお、図2(a)では、ユーザは右手の親指以外の複数の指(図2(a)中、人差し指、中指、および薬指)の指先で、筐体10の他方の面10Bを支持しているが、これに限らない。本実施の形態では、ユーザは、右手の親指以外の複数の指で、少なくとも把持部12の第1延出部14を把持できれば、ユーザは親指を使わずに片手で携帯端末1を把持することができる。
【0032】
図2(b)に示すように、携帯端末1は筐体10の他方の面10Bから右手の親指以外の複数の指で支持されているため、携帯端末1は右手の親指で表示部11を操作可能な状態となる。このとき表示部11は、後述する変更部21の制御に基づき、その表示が筐体10の長手方向に沿った片手把持用表示になる。片手把持用表示の場合、表示部11は、筐体10の一方の面10Aを正面に見ると、筐体10を支持するユーザの右手に近い右側半分にはユーザの操作を受け付ける操作画面11Aが表示され、筐体10を支持するユーザの右手から離れている左側半分には実行中のアプリケーション11Bが表示されている。言い換えると、片手把持用表示の場合、表示部11は、ユーザの右手の親指に近いエリアに操作画面11Aを表示する。
【0033】
したがって、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末1を落下する危険性を減らすことができる。
【0034】
なお、表示部11が片手把持用表示の場合には、表示部11の操作画面11Aが筐体10を支持するユーザの右手に近い右側半分に表示されているが、これに限らない。表示部11の操作画面11Aが、ユーザの右手の親指の可動域に表示されれば、操作画面11Aが表示部11のどの位置に表示されても良い。
【0035】
なお、表示部11が片手把持用表示の場合には、表示部11の操作画面11Aが、ユーザの親指の可動域に応じて筐体10の長手方向に伸張・短縮可能に変更部21によって制御されても良い。
【0036】
<機能ブロック>
図3を参照して、携帯端末1の表示切り替え制御について説明する。図3は、表示部11の切り替え制御を行うための機能ブロック図である。図3に示す携帯端末1は、表示部11と、把持部12と、検出部16と、変更部21と、を備える。
【0037】
検出部16は、たとえば磁気センサにより、(1)把持部12が矢印A方向に回動して筐体10に収容された状態から筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態に変形したこと(図1(b)参照)、又は(2)把持部12が矢印A方向とは反対方向に回動して筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態から筐体10に収容された状態に変形したこと(図1(b)参照)を検出する。このように、検出部16は、把持部12の変形、すなわち状態変化を検出することができる。そして、検出部16は、その検出結果を変更部21に出力する。
【0038】
変更部21は、検出部16の検出結果に基づき、表示部11の表示を片手把持用表示と通常表示とに切り替える。変更部21は、把持部12が矢印A方向に回動して筐体10に収容された状態から筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態へ変形したことが検出部16により検出された場合には、表示部11の表示を通常表示から片手把持用表示(図2(b)参照)に切り替える。
【0039】
また、変更部21は、把持部12が矢印A方向とは反対方向に回動して筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態から筐体10に収容された状態に変形したことが検出部16により検出された場合には、表示部11の表示を片手把持用表示(図2(b)参照)から通常表示に切り替える。つまり、変更部21は、検出部16の検出結果に基づき、把持部12の変形を検出する。
【0040】
上述のように、変更部21は、把持部12の状態変化を検出することで、表示部11の表示を片手把持用表示と通常表示とに切り替え制御する。したがって、本実施の形態に係る携帯端末1は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末1を把持する態様に依らず、携帯端末1の把持状態に応じた表示部11の表示に正確に切り替えることができる。特に、本実施の形態に係る携帯端末1は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末を把持する態様を携帯端末の特定の位置に設けたタッチセンサで検出する携帯端末に比して、ユーザが携帯端末を把持する態様に応じた表示画面に精度良く切り替えることができる。
【0041】
さらに、携帯端末1は、表示部11が片手把持用の場合には、把持部12が変形することで親指を使わずに片手で携帯端末1を把持できる状態に遷移しているので、本実施の形態に係る携帯端末1では、ユーザが片手の親指で表示部11を操作しても携帯端末1を落下する危険性を減らすことができる。
【0042】
<表示切り替え制御フロー>
図4を参照して、表示部11の表示切り替えフローについて説明する。図4は、表示部11の表示切り替えフローである。
【0043】
ステップST41では、変更部21は、検出部16が把持部12の変形を検出したかどうかを判定する。変更部21により把持部12の変形が検出されたと判定された場合(YES)、ステップST43へ遷移し、把持部12の変形が検出されていないと変更部21により判定された場合(NO)、ステップST41へ遷移する。
【0044】
ステップST43では、変更部21は、把持部12が筐体10の収容部分から離間した状態(図4中、片手把持用表示の変形状態)に遷移した場合(YES)には、ステップST45へ遷移し、把持部12が筐体10に収容された状態に遷移した場合(NO)には、ステップST47へ遷移する。
【0045】
ステップST45では、変更部21は、表示部11の表示を通常表示から片手把持用表示(図2(b)参照)に切り替える。
【0046】
ステップST47では、表示部11の表示を片手把持用表示(図2(b)参照)から通常表示に切り替える。
【0047】
なお、本実施の形態に係る携帯端末1において、把持部12の他の使用例(1)として、例えば、図5に示すように把持部12の第1延出部14、第2延出部15が、基部13に対して矢印A方向に略90度まで回動すると、把持部12は、筐体10を水平部501に対して支持するスタンドとして使用することも可能である。特に、携帯端末1で動画や写真を視聴したい場合に使用できる。
【0048】
なお、本実施の形態に係る携帯端末1において、把持部12の他の使用例(2)として、例えば、図6に示すように筐体10の把持部12を収容する収容部の側面にI/Oコネクタ601を設けることで、把持部12をI/Oコネクタ601の保護キャップとして使用することができる。
【0049】
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2の携帯端末2の表示切り替えための機能ブロック図である。実施の形態2の携帯端末2が実施の形態1の携帯端末1と異なる点は、変更部21Aの表示切り替え制御に、検出部16の検出結果に加えて、携帯端末2に対する重力方向を検出する重力検出部71の検出結果を用いる点である。この点以外は実施の形態1と同様であり、図7において、図3と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。図7に示す携帯端末2は、表示部11と、把持部12と、検出部16と、変更部21Aと、重力検出部71と、を備える。
【0050】
検出部16は、たとえば磁気センサにより、把持部12が矢印A方向に回動して筐体10の収容部分から離間した状態と、把持部12が矢印A方向とは逆方向に回動して筐体10に収容された状態とを検出する。そして、検出部16は、その検出結果を変更部21Aに出力する。
【0051】
重力検出部71は、携帯端末2に対する重力方向を検出し、その検出結果を変更部21Aに出力する。
【0052】
変更部21Aは、検出部16の検出結果及び重力検出部71の検出結果に基づき、表示部11の表示を片手把持用表示と重力方向に沿った表示とに切り替える。
【0053】
変更部21Aは、把持部12が矢印A方向に回動して筐体10に収容された状態から筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態に遷移したことが検出部16によって検出された場合には、表示部11の表示を通常表示から片手把持用表示(図2(b)参照)に切り替える。
【0054】
なお、変更部21Aは、あらかじめ重力検出部71から携帯端末2に対する重力方向を取得している。しかし、把持部12が矢印A方向に回動して筐体10に収容された状態から筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態に遷移したことが検出部16によって検出された場合には、変更部21Aは、重力検出部71の検出結果に依らず、表示部11の表示を通常表示から片手把持用表示(図2(b)参照)に切り替える。
【0055】
一方、変更部21Aは、把持部12が矢印A方向とは反対方向に回動して筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態から筐体10に収容された状態に遷移したことが検出部16によって検出された場合には、表示部11の表示を片手把持用表示(図2(b)参照)から、重力検出部71の検出結果に基づき、重力方向に沿った表示に切り替える。ここで、「重力方向に沿った表示」とは、表示部11の表示の上下方向を重力検出部71で検出された重力方向に一致させた表示のことを言う。
なお、実施の形態2においては、図8の表示切り替えフローで示された制御と同時に、図4の表示切り替えフローで示された制御も行う。
【0056】
上述のように、変更部21Aは、重力検出部71の検出結果、および検出部16の検出結果に基づき、把持部12の状態変化を検出することで、表示部11の表示を片手把持用表示と重力方向に沿った表示とに切り替え制御する。そのため、本実施の形態に係る携帯端末2は、変更部21Aの切り替え制御により、ユーザが携帯端末2を把持する態様に依らず、携帯端末2の把持状態に応じた表示部11の表示に正確に切り替えることができる。特に、本実施の形態に係る携帯端末2は、変更部21Aの切り替え制御により、ユーザが携帯端末を把持する態様を携帯端末の特定の位置に設けたタッチセンサで検出する携帯端末に比して、ユーザが携帯端末を把持する態様に応じた表示画面に精度良く切り替えることができる。
【0057】
したがって、本実施の形態では、変更部21Aが表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、本実施の形態では、変更部21Aが表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末2を落下する危険性を減らすことができる。
【0058】
<表示切り替え制御フロー>
図8を参照して、実施の形態2における表示部11の表示切り替えフローについて説明する。図8は、実施の形態2における表示部11の表示切り替えフローである。
【0059】
ステップST51では、変更部21Aが、重力検出部71の検出結果から、携帯端末2に対する重力方向を取得し、重力方向の変化を検出した場合(YES)には、ステップST53へ遷移する。重力方向の変化を検出しなかった場合(NO)には、ステップST51へ遷移する。
【0060】
ステップST53では、変更部21Aは、把持部12が筐体10の収容部分から離間した状態(図8中、片手把持用の変形状態)に遷移した場合(YES)には、ステップST57へ遷移し、把持部12が筐体10に収容された状態に遷移した場合(NO)には、ステップST55へ遷移する。
【0061】
ステップST55では、変更部21Aは、ステップST51で取得した携帯端末2に対する重力方向に沿った表示に表示部11の表示を切り替える。
【0062】
ステップST57では、変更部21Aは、片手把持用表示(図2(b)参照)に表示部11の表示を切り替える。
【0063】
(実施の形態3)
図9を参照して、実施の形態3の携帯端末3の構成について説明する。図9は、実施の形態3の携帯端末3を背面から見た図である。図9に示す携帯端末3が、図1(a)、(b)に示す実施の形態1の携帯端末1の構成と異なる点は、2つの把持部12が筐体10の左右の端部に設けられている点である。この点以外は実施の形態1と同様であり、図9において、図1(a)、(b)と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0064】
図9に示すように、筐体10の他方の面10Bの左端部には把持部12が設けられている。また、第1延出部14と対向する筐体10の把持部12の収容部分に、把持部12の回動を検出する検出部16が設けられている。
【0065】
検出部16は、たとえば磁気センサにより、把持部12が回動して筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態と、把持部12が回動して筐体10に収容された状態とを検出する。言い換えると、検出部16は、把持部12の回動する動きを検出することができる。なお、図9に示すように、筐体10の他方の面10Bの右端部にも、同様に、把持部12が設けられている。
【0066】
上述のように、実施の形態3の携帯端末3は、筐体10の左右両端に把持部を設ける構成としたので、左右いずれの手でも表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えることができる。さらに、本実施の形態では、変更部21は、2つの把持部12の状態変化を検出することで、表示部11の表示を片手把持用表示と通常表示とに切り替え制御する。したがって、本実施の形態に係る携帯端末3は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末3を把持する態様に依らず、携帯端末3の把持状態に応じた表示部11の表示に正確に切り替えることができる。特に、本実施の形態に係る携帯端末3は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末を把持する態様を携帯端末の特定の位置に設けたタッチセンサで検出する携帯端末に比して、ユーザが携帯端末を把持する態様に応じた表示画面に精度良く切り替えることができる。
【0067】
したがって、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末3を落下する危険性を減らすことができる。
【0068】
(実施の形態4)
図10を参照して、実施の形態4の携帯端末4の構成について説明する。図10は、実施の形態4の携帯端末4を背面から見た図である。図10に示す携帯端末4が、図1(a)、(b)に示す実施の形態1の携帯端末1の構成と異なる点は、2つの把持部12が筐体10の一方の端部に互いに回動方向が異なるように設けられている点である。この点以外は実施の形態1と同様であり、図10において、図1(a)、(b)と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0069】
図10に示すように、筐体10の他方の面10Bの左端下部には、変形(回動)方向が筐体10の短手方向と平行である把持部12が設けられている。また、第1延出部14と対向する筐体10の把持部12の収容部分に、把持部12の回動を検出する検出部16が設けられており、検出部16は、たとえば磁気センサにより、把持部12が回動して筐体10の把持部12の収容部分から離間した状態と、把持部12が回動して筐体10に収容された状態とを検出する。なお、筐体10の他方の面10Bの左上端部にも、回動方向が筐体10の長手方向と平行である把持部12と検出部16が設けられている。
【0070】
上述のように、実施の形態4の携帯端末4は、筐体10の一方の端部の上部と下部とに把持部12を設ける構成としたので、筐体10の短手方向を上下方向として携帯端末4を片手保持した場合に加えて、筐体10の長手方向を上下方向として携帯端末4を片手保持した場合でも、ユーザは親指を使わずに片手で携帯端末4を把持することができる。なお、筐体10の長手方向を上下方向として携帯端末4を片手保持した場合でも、保持する方向に応じて操作画面の表示方向は切り替えられる。
【0071】
さらに、本実施の形態では、変更部21は、2つの把持部12の状態変化を検出することで、表示部11の表示を片手把持用表示と通常表示とに切り替え制御する。したがって、本実施の形態に係る携帯端末4は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末4を把持する態様に依らず、携帯端末4の把持状態に応じた表示部11の表示に正確に切り替えることができる。特に、本実施の形態に係る携帯端末4は、変更部21の切り替え制御により、ユーザが携帯端末を把持する態様を携帯端末の特定の位置に設けたタッチセンサで検出する携帯端末に比して、ユーザが携帯端末を把持する態様に応じた表示画面に精度良く切り替えることができる。
【0072】
したがって、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、本実施の形態では、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した把持部12を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末4を落下する危険性を減らすことができる。
【0073】
なお、ユーザが親指を使わずに片手で携帯端末を支持し、その片手の親指で表示画面を操作可能な筐体10の構成は、上述した実施の形態1〜4で説明した構成に限らない。例えば図11(a)、(b)に示すように、携帯端末100の表示画面とは反対の面に把持部として機能する回転バー110を携帯端末100の長手方向に平行に設け、回転バー110が回転軸Pを中心にして図11(b)に示す矢印B方向に略90度回転可能な構成としても良い。
【0074】
図11(b)に示すように、回転バー110が変形(回転)すると、変更部21の制御により、表示部11の回転バー110に近い側に操作画面11Aが切り替え表示される。そして、ユーザは、携帯端末100の短手方向に平行になった回転バー110を片手の親指以外の複数の指で把持することで携帯端末100を支持し、その片手の親指で操作画面11Aを操作することができる。したがって、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した回転バー110を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形した回転バー110を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末100を落下する危険性を減らすことができる。
【0075】
また、図12(a)、(b)に示すように、携帯端末200の表示画面とは反対の面に把持部として機能するスライドカバー120を設け、スライドカバー120が携帯端末200に対して図12(b)に示す矢印C方向(筐体10の長手方向)に平行にスライドする構成としても良い。スライドカバー120が筐体10に対して変形(スライド)した状態になると、変更部21の制御により、スライドカバー120の移動方向側に表示部11の操作画面11Aが切り替え表示される。そして、ユーザは、携帯端末200に対してスライドしたスライドカバー120を片手の親指以外の複数の指で把持することで携帯端末200を支持し、その片手の親指で操作画面11Aを操作する。したがって、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形したスライドカバー120を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形したスライドカバー120を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末200を落下する危険性を減らすことができる。
【0076】
また、図13(a)〜(c)に示すように、携帯端末300に把持部として機能するストラップ130を設けても良い。ストラップ130は、本体部131と、本体部131の両端に設けられた取付部132A、Bを備える。図13(a)に示すように、ストラップ130の一方の取付部132Aは、筐体10の四隅のうちのひとつに取り付けられている。そして、取付部132Aが取り付けられた筐体10の隅に隣接する2つの隅301、303に、他方の取付部132Bが取り付け可能になっている。
【0077】
図13(b)に示すように、ストラップ130が、筐体10の短手方向と略平行になるように他方の取付部132Bを筐体10の一隅303に取り付けると、変更部21の制御により、表示部11のストラップ130に近い側に、操作画面11Aが切り替え表示される。したがって、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形したストラップ130を把持し、その片手の親指で表示部11を容易に操作することができる。さらに、変更部21が表示部11の表示を片手把持用表示に切り替えた場合には、ユーザは親指を除く片手で変形したストラップ130を把持し、その片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末300を落下する危険性を減らすことができる。なお、図13(c)に示すように、ストラップ130が、筐体10の長手方向と略平行になるように他方の取付部132Bを筐体10の一隅301に取り付ける。このとき、変更部21の制御により、表示部11の表示は通常表示に切り替えられる。
【0078】
また、図14(a)、(b)に示すように、携帯端末400において、筐体10の一方の端部140全体を把持部として機能させても良い。図14(a)に示すように、筐体10の一部を構成する端部140は、端部本体141と、端部本体141を回動可能に支持する基部142とを備える。
【0079】
端部本体141が、基部142に対して図14(b)に示す矢印D方向に略90度回転する。このとき、変更部21の制御により、表示部11の端部140に近い側に操作画面11Aが切り替え表示される。したがって、ユーザは、端部本体141を片手の親指以外の複数の指で把持することで携帯端末を保持し、その片手の親指で表示部11の操作画面11Aを操作することができる。さらに、ユーザが片手の親指で表示部11を操作しても、携帯端末を落下する危険性を減らすことができる。なお、端部本体141が、基部142に対して回転していない場合には、筐体10と一体になっており、変更部21の制御により、表示部11の表示は通常表示に切り替えられる。
【0080】
また、図15(a)、(b)に示すように、携帯端末500において、筐体10とは別体として把持部として機能するコネクタ150を設けても良い。コネクタ150は、コネクタ本体151と、コネクタ本体151を回動可能に支持する基部152と、基部152に対してコネクタ本体151とは反対側で基部152に取り付けられるコネクタ接続部153と、を備える。また、コネクタ本体151には、コネクタ150が携帯端末500と接続された時にI/Oコネクタとして機能するI/0コネクタ部151Aが設けられている。
【0081】
図15(a)に示すように、コネクタ150は、コネクタ接続部153を筐体10のI/Oコネクタ155に接続することにより、筐体10と一体となる。つまり、筐体10のI/Oコネクタ155は、把持部として機能するコネクタ150を脱着可能な脱着部として機能する。
【0082】
コネクタ接続部153が筐体10のI/Oコネクタ155に接続されている場合、コネクタ本体151が、基部152に対して図15(b)に示す矢印E方向に略90度回転すると、変更部21の制御により、表示部11の端部140に近い側に操作画面11Aが切り替え表示される。一方、コネクタ接続部153が筐体10のI/Oコネクタ155に接続されている場合であっても、コネクタ本体151が、基部152に対して回転していない場合には、筐体10と一体になっており、変更部21の制御により、表示部11の表示は通常表示に切り替えられる。
【0083】
なお、上記各実施の形態の携帯端末として、携帯電話機、PDAやゲーム機、PC等、表示部を備える電子機器が挙げられる。
【0084】
なお、上記各実施の形態において、表示部が通常表示である場合には、把持部として機能する部分が変形前であって、筐体の把持状態とは関係なく、操作画面や実行中のアプリケーションが表示されている。例えば、ユーザのタッチパネル操作を受け付ける操作画面が表示部の下部に、実行中のアプリケーションが表示部の上部に表示される。
【0085】
なお、 上記各実施の形態における表示部11の片手把持用表示としては、例えば以下のものが考えられる。
【0086】
表示部11のうち、把持部が存在する側にボタンやキー、アイコン、スクロールバーなどのユーザからの入力を受け付ける入力部を配置する場合には、表示部11は、片手把持中のユーザに対してタッチパネル操作を容易にすることができる。また、表示部11のうち、把持部が、片手での把持として携帯端末を横向きに持つ場合を想定した位置に配置されている場合には、表示部11の画面を左右で二分割したり、分割した一方の画面を上述した入力部の表示に用いたりしてもよい。
【0087】
なお、 上記各実施の形態においては表示部11として入力を受け付けることのできる操作部としても用いることのできるタッチパネルを例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、表示部11と上述した操作部を分離しても良い。この場合であっても画面の表示を片手把持用表示に切り替えることは可能である。また、操作部としてボタン等の入力部の配置を変更できない機械的なスイッチを用いてもよい。この場合、ボタンの配置自体は変更できないものの、各ボタンの果たす機能を切り替えることで、表示部11において、片手把持向けの操作体系を持つ操作部を実現することができる。
【0088】
例えば、片手把持を行う場合には、表示部11の端に配置されたボタンを複数回押下することで、携帯端末を保持している手では届かないボタンの機能と同等の機能を実行することができるようにすること等が考えられる。
【0089】
なお、本明細書では、このような各ボタン等の達成する機能の切り替え、もしくは、タッチパネル等における入力部の拡大、縮小、変形、配置の変更等を包括して操作体系を変更する、と呼ぶ。
【0090】
また、把持部の形状等は上述した各実施の形態にて例示したものには限られない。例えば、把持部が開く角度は90度未満もしくは90度以上であってもよいし、ストラップ130の取り付け位置も上述したものには限られない。その取り付け位置も変形可能であり、かつ、変形した状態において携帯端末の表示部と略平行な面における少なくとも1つの方向からかかる力に対して反力が働く形状であれば、どのようなものであっても構わない。
【0091】
例えば、図1および図13の場合は把持部は、変形した状態では図1の紙面上向き(図1中、Y軸方向とは反対の方向)の力に対する反力が働く。また、図13の場合、変形する前、すなわち、ストラップ130が1箇所でしか携帯端末300に取り付けられていない状態では、紙面上向き(図13中、Y軸方向とは反対の方向)の力が働いてもその力に対する反力が働かない。しかし、変形後であれば、ストラップ130の取付部132Bが携帯端末300の筐体に取り付けられる結果、ストラップ130自体が変形可能な形状が限定され、紙面上向きの力に対して反力が発生する。ユーザはこの反力を用いて携帯端末300を把持することができる。そのため、ユーザは容易に携帯端末300を把持することができる。なお、把持部の形状の例としては、変形前の状態においても把持部が斜面や凹凸を持っている場合等、特定の方向に対して反力を発生する形状となっている場合も想定されるが、このような場合も本発明に含まれる。すなわち、変形前よりも変形後において特定の方向の力に対して働く反力が大きくなるように変形するのであればよい。
【0092】
また、把持部の配置は上述した各実施の形態のものに限られるものではない。把持部がより筐体の中央寄りに設けられているとしても良い。また、カバーとして構成した把持部を筐体の一部として構成したり、筐体の一部として構成した把持部をカバーの一部として構成するなどとしても良い。カバーも筐体に対してスライドするものには限られない。例えば、筐体全面を覆うものであったり、タッチパネルを除いた他の部分を覆うものであったりしてもよい。
【0093】
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロック(把持部を除く)は、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0094】
なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0095】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0096】
また、上述した各機能ブロックを集積化せずに実現するとしても良いし、アンテナ等の集積化が困難な構造と一体として構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る携帯端末は、ユーザが携帯端末を片手で操作しようとする場合に携帯端末を落下させてしまう危険性を抑えることのできる効果を有し、携帯電話機等として有用である。
【符号の説明】
【0098】
1〜4 携帯端末
10 筐体
11 表示部
12 把持部
13 基部
14 第1延出部
15 第2延出部
16 検出部
21、21A 変更部
71 重力検出部
100、200、300、400 携帯端末
110 回転バー
120 スライドカバー
130 ストラップ
131 本体部
132A、132B 取付部
140 端部
141 端部本体
142 基部
150 コネクタ
151 コネクタ本体
151A I/Oコネクタ部
152 基部
153 コネクタ接続部
155、601 I/Oコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
ユーザの指示を受け付ける操作部と、
前記筐体もしくは前記筐体の少なくとも一部を覆うカバーに設けられ、自身が変形していない場合よりも、自身が変形している場合において、前記操作部の設けられた面と略平行な面における所定の方向から加えられた力に対して大きな反力を発生する把持部と、
前記把持部の変形を検出する検出部と、
前記把持部が変形している場合と変形していない場合とで、前記操作部の操作体系を変更する変更部と、
を備えた携帯端末。
【請求項2】
前記変更部は、前記把持部が変形している場合、前記操作部のうち、前記把持部が配置されている箇所に近い部分から受付可能な操作が、前記把持部の配置されている箇所から遠い部分から受付可能な操作よりも多くなるよう、前記操作体系を変更する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記把持部を複数備えており、
前記変更部は、複数の前記把持部の一つが変形しており、かつ、複数の前記把持部の他の一つが変形していない場合、前記操作部のうち、前記変形している把持部に近い部分から受付可能な操作が、前記変形していない把持部に近い部分から受付可能な操作よりも多くなるよう、前記操作体系を変更する請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記把持部を複数備えており、前記複数の把持部は、前記変形している状態において、それぞれ異なる方向からの力に対して、前記変形していない状態よりも大きな反力を発生させ、
前記変更部は、前記変形している状態にある把持部が前記変形していない状態よりも大きな反力を発生させる方向が上向きである場合に対応するよう、前記操作体系を変更する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記変更部は、更に、前記把持部が変形している場合と変形していない場合とで、前記表示部に対して表示する画像の表示態様を変更する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記操作部は、前記表示部と一体として構成されたタッチパネルであり、
前記変更部は、前記タッチパネルに表示される入力部の表示態様を変更することにより、前記操作体系を変更する、
請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記把持部は、前記変形していない状態では前記筐体を構成する面と略面一になるよう収納され、かつ、前記変形している状態では前記筐体を構成する面から突出する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記把持部は、
前記筐体を構成する面に設けられた回動可能な基部と、前記基部によって回動可能に支持され、前記基部からその一端が延出する延出部と、を有する、
請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記把持部は、略紐形状を持ち、両端においては前記筐体もしくはカバーに取り付け可能な取付部を備え、
前記検出部は、
前記両端に設けられた取付部の両方が前記筐体もしくはカバーに取り付けられた場合、前記把持部が変形したと判断し、
前記両端に設けられた取付部の少なくとも一方が前記筐体もしくはカバーから取り外されている場合、前記把持部が変形していないと判断する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記把持部は、前記筐体もしくは前記カバーの一部を構成し、かつ、前記筐体に対してスライドすることで変形する、
請求項1に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175147(P2012−175147A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32022(P2011−32022)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】