説明

携帯端末

【課題】筐体の薄型化、小型化を妨げない携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末10は、キー本体27および押し子28を有するキー26と、スイッチ部材29との間に防水部材31が配置されている。防水部材31は、底部32Bおよび筒部32Aを有する第1部材32と、筒部32Aの外側面32Cに設けられて第2貫通孔24の内面24Aに密着する止水部33と、第1部材32に連結されて第2壁部14の表面14Aに面当接する第2部材34と、第2部材34に連結されてキー本体27の裏面27Aに対して弾性的に接触する第3部材35と、第1部材32に連結されて押し子28に係合する第4部材36とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の外側に備えた第1壁部と内側に備えた第2壁部とにキーが支持され、第2壁部の内側にスイッチ部材が配置され、キーとスイッチ部材との間に防水部材が配置された携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末のなかには、筐体の第1壁部に設けられた第1貫通孔にキーが配置され、第2壁部に設けられた第2貫通孔に有底筒状の防水部材が配置され、防水部材にキーの押し子が当接され、第1壁部と第2壁部との間にゴムシートが配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の携帯端末によれば、キーを操作して押圧することによりゴムシートが弾性変形し、キーから操作力を解除することによりゴムシートの復元力でキーが初期位置に押し戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-344528号公報(要約、段落0026、0029、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1のゴムシートは、ゴムシートの周縁に設けられた孔が筐体に設けられた突起に差し込まれることにより固定される。
このゴムシートは、キーの押し方向に対してキーの平面形状より大きく形成されている。
従って、キーを設置するために必要なスペースが実質的に大きくならざるを得ず、そのことが筐体を薄型化や小型化する上での妨げになっていた。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、筐体の薄型化、小型化を妨げない携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末は、筐体と、前記筐体の外側に配置され、第1貫通孔が設けられた第1壁部と、前記筐体の内側に配置され、第2貫通孔が設けられた第2壁部と、前記第1貫通孔にキー本体が収容されるとともに、前記キー本体に連結されて前記第2貫通孔に押し子が配置されるキーと、前記第2壁部の内側に配置されたスイッチ部材と、前記キーと、前記スイッチ部材との間に配置された防水部材と、を備え、前記防水部材が、有底筒状に形成され、底部が前記押し子の先端に接触するとともに筒部が前記第2貫通孔および前記押し子間に配置される第1部材と、前記第1部材の前記筒部の外側面に設けられ、前記第2貫通孔の内面に密着する止水部と、前記第1部材に連結され、前記キー本体の裏面および前記第2壁部の表面のうちの一方に面当接する第2部材と、前記第2部材に連結され、前記キー本体の裏面および前記第2壁部の表面のうちの他方に対して弾性的に接触する第3部材と、前記第1部材に連結され、前記押し子に係合する第4部材とを有する。
【0007】
キーとスイッチ部材との間に防水部材を配置し、防水部材の第4部材をキーの押し子に係合させることにより防水部材をキーに位置保持できる。キーの押し子はキー本体の平面形状内に設けられている。
よって、第4部材をキー本体の平面形状内に配置できるので、キー本体の平面形状内で
防水部材の位置保持を行うことができる。
【0008】
さらに、防水部材の第3部材を、キー本体の裏面および第2壁部の表面のうちの他方に対して弾性的に接触させるようにした。
よって、第3部材をキー本体の平面形状内に配置でき、この第3部材の復元力を利用してキーを初期位置に戻すことができる。
【0009】
このように、防水部材の位置保持を行う第4部材や、キーを初期位置に戻す第3部材をキー本体の平面形状内に配置できる。
これにより、筐体にキーを設置するためのスペースを従来に比較して小さく抑えることができ、筐体の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0010】
また、本発明の携帯端末は、前記第4部材が、前記押し子の周囲を囲む筒状である。
【0011】
第4部材を押し子の周囲を囲む筒状に形成することにより、押し子に第4部材をより好適に係合させて防水部材にキーを一層確実に位置保持(位置決め)できる。
【0012】
さらに、本発明の携帯端末は、前記第2部材が前記第2壁部の表面に面当接している。
【0013】
ここで、キーはキー操作により筐体に対して移動可能な部材であり、第2壁部の表面はキー操作により移動不能な部材である。
これにより、第2壁部の表面に防水部材の第2部材を面当接させることにより、キー本体の裏面に第2部材を面当接させる場合と比較して、筐体に防水部材を一層確実に固定できる。
【0014】
また、本発明の携帯端末は、前記第3部材が前記第2部材の端部に連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも離れている。
【0015】
第3部材の先端を押し子に対して基端よりも離すことにより、第3部材をキーの押し方向に対して傾斜させることができる。
これにより、第3部材を直立させた場合と比較して、第3部材の弾性変形がキー操作に対応させて得やすくなる。
【0016】
さらに、本発明の携帯端末は、前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも近い。
【0017】
第3部材の先端を押し子に対して基端よりも近づけることにより、第3部材をキーの押し方向に対して傾斜させることができる。
これにより、第3部材を直立させた場合と比較して、第3部材の弾性変形がキー操作に対応させて得やすくなる。
【0018】
また、本発明の携帯端末は、前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも離れている。
【0019】
第3部材の先端を押し子に対して基端よりも離すことにより、第3部材をキーの押し方向に対して傾斜させることができる。
これにより、第3部材を直立させた場合と比較して、第3部材の弾性変形がキー操作に対応させて得やすくなる。
【0020】
さらに、本発明の携帯端末は、前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、前記第3部材が前記キーの押し方向に対して略平行であるとともに、前記第2壁部の表面における前記第3部材に対応する位置に凹部が設けられている。
【0021】
第3部材をキーの押し方向に対して略平行に配置することにより直立させた。さらに、第2壁部の表面における第3部材に対応する位置に凹部を設けた。
よって、キーを押し込む際に、第3部材で第2部材を凹部に入り込ませるように弾性変形させることができる。
これにより、第3部材を直立させた場合でも、第2部材の弾性変形がキー操作に対応させて得やすくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の携帯端末によれば、防水部材の第4部材をキーの押し子に係合させて防水部材をキーに位置保持可能とし、押し子をキー本体の平面形状内に設けた。
これにより、キー本体の平面形状内で防水部材の位置保持を行うことができるので、筐体の薄型化、小型化を妨げないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態の携帯端末を示す斜視図
【図2】図1の携帯端末の要部を示す分解斜視図
【図3】図1のI−I線断面図
【図4】第2実施形態の携帯端末の要部を示す断面図
【図5】第3実施形態の携帯端末の要部を示す断面図
【図6】第4実施形態の携帯端末の要部を示す断面図
【図7】図6の携帯端末の要部を示す分解斜視図
【図8】第5実施形態の携帯端末の要部を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る携帯端末について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である携帯端末10は、所定厚みを有する平面略矩形状の筐体12と、筐体12に収納された表示部16と、表示部16を覆う透明な板状部材17とを備えている。
筐体12の表面には、上端部12Aに通話用受信部18が設けられ、下端部12Bに操作部19および通話用送信部21が設けられている。
【0026】
図2に示すように、筐体12の外側に第1壁部13が配置され、筐体12の内側に第2壁部14が配置されている(図1も参照)。
第1壁部13および第2壁部14は筐体12の端面を構成する壁部である。
第1壁部13に第1貫通孔23が設けられている。第1貫通孔23は、後述するキー本体27が嵌入可能に略矩形状に形成されている。
第1壁部13の裏面において、第1貫通孔23の周囲に段部23Aが形成されている。
また、第2壁部14に第2貫通孔24が設けられている。第2貫通孔24は、後述する防水部材31の第1部材32が嵌入可能に円形状に形成されている。
【0027】
加えて、携帯端末10は、図3に示すように、第1貫通孔23および第2貫通孔24に配置されたキー26と、第2壁部14の内側に配置されたスイッチ部材29と、キー26
およびスイッチ部材29間に配置された防水部材31とを備えている。
スイッチ部材29はフレキシブル回路基板39に設けられている。
【0028】
キー26は、第1貫通孔23に収容されたキー本体27と、キー本体27に連結されて第2貫通孔24に配置された押し子28とを備えている。
このキー26は、第1壁部13および第2壁部14に設けられたサイドキーである。
キー本体27は、第1貫通孔23に突没自在に収容可能に略矩形体状に形成され、裏面27Aの周囲にリブ27Bを有する。
【0029】
リブ27Bは、キー本体27の裏面27Aの周囲から押し子28の径方向外側に向けて張り出されている。
リブ27Bが第1貫通孔23の段部23Aに当接することにより、キー本体27の表面27Cが第1壁部13の外側に僅かに突出した状態に保たれる。
【0030】
キー本体27の裏面27Aの中央に押し子28が設けられている。
押し子28は、キー本体27の裏面27A中央から第2貫通孔24向けて突出された小径部28Aと、小径部28Aの先端部に設けられた大径部28Bとを有する。
大径部28Bが第2貫通孔24に同軸上に配置されている。
【0031】
防水部材31は、弾性変形可能な部材で形成されている。
この防水部材31は、第2貫通孔24に嵌入された第1部材32と、第1部材32から膨出された止水部33と、第1部材32に連結された第2部材34と、第2部材34に連結された第3部材35と、第1部材32に連結された第4部材36とを有する。
【0032】
第1部材32は、筒部32Aおよび底部32Bで有底筒状に形成されている。
筒部32Aは、筒状に形成され、第2貫通孔24および押し子28(大径部28B)間に配置されている。
【0033】
底部32Bは、筒部32Aの底端に設けられ、内面が押し子28の先端28Cに接触され、かつ、外面がスイッチ部材29に接触されている。
すなわち、第1部材32の内部に押し子28の大径部28Bが嵌入され、押し子28の先端28Cが底部32Bを介してスイッチ部材29に接触されている。
【0034】
筒部32Aの外側面32Cに止水部33が設けられている。
止水部33は、筒部32Aの外側面32Cから径方向外方に向けて膨出されることにより、第2貫通孔24の内面24Aに密着されている。
これにより、止水部33および第1部材32で第2貫通孔24が塞がれ、第2壁部14の外側と内側とが止水状態に保たれる。
【0035】
第1部材32の上端32Dに第2部材34が連結されている。
第2部材34は、第2壁部14の表面14Aに沿って略矩形状に形成されることにより(図2も参照)、第2壁部14の表面14Aに面当接されている。
【0036】
ここで、キー26はキー操作により筐体12に対して移動可能な部材である。一方、第2壁部14の表面14Aはキー操作により移動不能な部材である。
よって、第2壁部14の表面14Aに防水部材31の第2部材34を面当接させることにより、第2壁部14の表面14A(すなわち、筐体12)に防水部材31を確実に固定できる。
【0037】
第2部材34の一対の先端34Aに第3部材35がそれぞれ連結されている。
第3部材35は、第2部材34の先端(端部)34Aに基端35Aが設けられ、先端35Bがキー本体27の裏面27Aに移動自在に接触されている。
第3部材35は、キー26の操作を許容するように弾性変形可能に設けられている。
【0038】
第3部材35の先端35Bをキー本体27の裏面27Aに接触させることにより、第3部材35をキー本体27の平面形状内に配置できる。
第3部材35を弾性変形可能に設けることにより、キー26を操作した後、第3部材35の復元力を利用してキー26を初期位置P1に戻すことができる。
【0039】
ここで、第3部材35の先端35Bは第3部材35の基端35Aよりも押し子28に対して離れている。
よって、第3部材35を押し子28の軸方向(すなわち、キー26の押し方向)に対して傾斜させることができる。
【0040】
第3部材35を傾斜させることにより、第3部材35をキー26の押し方向に直立させた場合と比較して、キー26の操作に対応させて第3部材35の弾性変形が得やすくなる。
具体的には、キー26が矢印A方向に押し込まれる際に、キー本体27の裏面27Aに沿って先端35Bが矢印B方向に移動する。
先端35Bが移動することにより、第3部材35が基端35Aを支点にして矢印C方向に円滑に弾性変形させることができる。
【0041】
第1部材32に第4部材36が連結され、押し子28の小径部28Aに向けて張り出されている。
第4部材36は、押し子28に係合するように、小径部28Aの周囲を囲む筒状(円盤状)に形成されている。
第4部材36の内径寸法が、小径部28Aの外径寸法に対して略一致するように形成されている。
【0042】
このように、キー26とスイッチ部材29との間に防水部材31を配置し、防水部材31の第4部材36をキー26の押し子28に係合させることにより防水部材31をキー26に位置保持(位置決め)できる。
ここで、キー26の押し子28はキー本体27の平面形状内に設けられている。
よって、第4部材36をキー本体27の平面形状内に配置できるので、キー本体27の平面形状内で防水部材31の位置保持を行うことができる。
【0043】
さらに、第4部材36を押し子28の周囲を囲む筒状に形成することにより、押し子28の全周に対して第4部材36を好適に係合させることができる。
これにより、キー26に防水部材31を一層確実に位置保持できる。
【0044】
加えて、第4部材36の内径寸法が小径部28Aの外径寸法に対して略一致するように形成されている。
これにより、キー26の位置決め(具体的には、押し子28の径方向に沿った方向へのズレ防止)の効果が一層確実に得られる。
【0045】
このように、防水部材31の位置保持を行う第4部材36や、キー26を初期位置P1に戻す第3部材35をキー本体27の平面形状内に配置できる。
これにより、筐体12にキー26を設置するためのスペースを従来に比較して小さく抑えることができ、筐体12の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0046】
次に、第2実施形態〜第5実施形態を図4〜図8に基づいて説明する。
なお、第2実施形態〜第5実施形態において第1実施形態の携帯端末10と同一類・似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
(第2実施形態)
図4に示す第2実施形態の防水部材50は、第1実施形態の第2部材34および第3部材35を、第2部材52および第3部材53に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の防水部材31と同様である。
【0048】
第2部材52は、第2壁部14の表面14Aに沿って略矩形状に形成され、先端52Aがキー本体27のリブ27Bまで張り出されている。
よって、第2部材52は、第1実施形態の第2部材34より外形が大きく形成されている。
これにより、第2壁部14の表面14Aに第2部材52を面当接させることにより、第2壁部14の表面14A(すなわち、筐体12)に防水部材50を一層確実に固定できる。
【0049】
第2部材52の基端52Bと先端52Aとの間の中央部52Cに第3部材53が連結されている。
第3部材53は、第2部材52の中央部52Cに基端53Aが設けられ、先端53Bがキー本体27の裏面27Aに移動自在に接触されている。
第3部材53は、キー26の操作を許容するように弾性変形可能に設けられている。
【0050】
この第3部材53は、先端53Bが押し子28に対して基端53Aよりも近い位置に配置されることにより、キー26の押し方向(矢印A方向)に対して傾斜されている。
これにより、第3部材53を直立させた場合と比較して、キー26の操作に対応させて第3部材53の弾性変形が得やすくなる。
【0051】
さらに、第2実施形態の防水部材50によれば、第1実施形態の防水部材31と同様に、第3部材53や第4部材36をキー本体27の平面形状内に配置でき、筐体12の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0052】
(第3実施形態)
図5に示す第3実施形態の防水部材60は、第2実施形態の第3部材53を第3部材63に代えたもので、その他の構成は第2実施形態の防水部材50と同様である。
【0053】
第2部材52の基端52Bと先端52Aとの間の中央部52Cに第3部材63が連結されている。
第3部材63は、第2部材52の中央部52Cに基端63Aが設けられ、先端63Bがキー本体27の裏面27Aに移動自在に接触されている。
第3部材63は、キー26の操作を許容するように弾性変形可能に設けられている。
【0054】
この第3部材63は、押し子28に対して先端63Bが基端63Aよりも離れた位置に配置されることにより、キー26の押し方向(矢印A方向)に対して傾斜されている。
これにより、第2実施形態の防水部材50と同様に、キー26の操作に対応させて第3部材63の弾性変形が得やすくなる。
【0055】
さらに、第3実施形態の防水部材60によれば、第1実施形態の防水部材31と同様に、第3部材63や第4部材36をキー本体27の平面形状内に配置でき、筐体12の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0056】
(第4実施形態)
図6、図7に示す第4実施形態の防水部材70は、第2実施形態の第3部材53を第3部材73に代えたもので、その他の構成は第2実施形態の防水部材50と同様である。
【0057】
第2部材52の基端52Bと先端52Aとの間の中央部52Cに第3部材73が連結されている。
第3部材73は、第2部材52の中央部52Cに基端73Aが設けられ、先端73Bがキー本体27の裏面27Aに移動自在に接触されている。
この第3部材73は、キー26の押し方向(押し子28の軸方向)に対して略平行に配置され、キー本体27の裏面27Aに向けて直立されている。
【0058】
ここで、第2壁部14の表面14Aにおける第3部材73に対応する位置に凹部74が設けられている。
凹部74は、底部に対して開口が大きく形成されることにより第2部材52が入り込みやすく形成されている。
よって、キー26を矢印A方向に押し込む際に、第3部材73で第2部材52を凹部74に入り込ませるように弾性変形させることができる。
第2部材52を弾性変形させた状態を想像線で示す。
【0059】
これにより、第3部材73を直立させた場合でも、キー26の操作に対応させて第2部材52の弾性変形が得やすくなる。
すなわち、第4実施形態の防水部材70によれば第2実施形態の防水部材50と同様の効果が得られる。
【0060】
さらに、第4実施形態の防水部材70によれば、第1実施形態の防水部材31と同様に、第3部材73や第4部材36をキー本体27の平面形状内に配置でき、筐体12の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0061】
(第5実施形態)
図8に示す第5実施形態の防水部材90は、第1実施形態の第3部材35を第3部材93に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の防水部材31と同様である。
【0062】
第3部材93は、略U字状に形成され、第2部材34の先端34Aに基端93Aが連結され、キー本体27の裏面27Aに移動自在に先端93Bが接触されている。
第3部材93は、キー26の操作を許容するように弾性変形可能に設けられている。
【0063】
このように、第3部材93を略U字状に形成することにより、キー26を矢印A方向に押し込む際に、第1実施形態の防水部材31と同様に、キー26の操作に対応させて第3部材93の弾性変形が得やすくなる。
【0064】
さらに、第5実施形態の防水部材90によれば、第1実施形態の防水部材31と同様に、第3部材93や第4部材36をキー本体27の平面形状内に配置でき、筐体12の薄型化、小型化を妨げないようにできる。
【0065】
なお、本発明に係る携帯端末は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、第1実施形態〜第5実施形態では、キー26を筐体12の端部(第1壁部13および第2壁部14)に設けたサイドキーとして説明したが、キー26を筐体12の他の部位に設けることも可能である。
但し、本発明はキー26をサイドキーに適用することが特に好ましい。
【0066】
また、第1実施形態〜第5実施形態で使用した携帯端末、筐体、第1壁部、第2壁部、第1貫通孔、第2貫通孔、キー、スイッチ部材、防水部材、第1部材、止水部、第2部材、第3部材、第4部材および凹部等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、筐体の外側の第1壁部と内側の第2壁部とにキーが支持され、第2壁部の内側にスイッチ部材が配置され、キーとスイッチ部材との間に防水部材が配置された携帯端末への適用に好適である。
【符号の説明】
【0068】
10 携帯端末
12 筐体
13 第1壁部
14 第2壁部
14A 第2壁部の表面
23 第1貫通孔
24 第2貫通孔
24A 第2貫通孔の内面
26 キー
27 キー本体
27A キー本体の裏面
28 押し子
28C 押し子の先端
29 スイッチ部材
31,50,60,70,90 防水部材
32 第1部材
32A 筒部
32B 底部
32C 筒部の外側面
33 止水部
34,52 第2部材
34A 第2部材の先端(端部)
35,53,63,73,93 第3部材
35A 第3部材の基端
35B 第3部材の先端
36 第4部材
52A 第2部材の先端
52B 第2部材の基端
52C 第2部材の中央部
53A,63A,73A,93A 第3部材の基端
53B,63B,73B,93B 第3部材の先端
74,84 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外側に配置され、第1貫通孔が設けられた第1壁部と、
前記筐体の内側に配置され、第2貫通孔が設けられた第2壁部と、
前記第1貫通孔にキー本体が収容されるとともに、前記キー本体に連結されて前記第2貫通孔に押し子が配置されるキーと、
前記第2壁部の内側に配置されたスイッチ部材と、
前記キーと、前記スイッチ部材との間に配置された防水部材と、を備え、
前記防水部材が、
有底筒状に形成され、底部が前記押し子の先端に接触するとともに筒部が前記第2貫通孔および前記押し子間に配置される第1部材と、
前記第1部材の前記筒部の外側面に設けられ、前記第2貫通孔の内面に密着する止水部と、
前記第1部材に連結され、前記キー本体の裏面および前記第2壁部の表面のうちの一方に面当接する第2部材と、
前記第2部材に連結され、前記キー本体の裏面および前記第2壁部の表面のうちの他方に対して弾性的に接触する第3部材と、
前記第1部材に連結され、前記押し子に係合する第4部材とを有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記第4部材が、前記押し子の周囲を囲む筒状である携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記第2部材が前記第2壁部の表面に面当接している携帯端末。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の携帯端末において、
前記第3部材が前記第2部材の端部に連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも離れている携帯端末。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の携帯端末において、
前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも近い携帯端末。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載の携帯端末において、
前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、かつ、前記押し子に対して前記第3部材の先端が基端よりも離れている携帯端末。
【請求項7】
請求項2または請求項3に記載の携帯端末において、
前記第1部材に連結された前記第2部材の基端と先端との間の中央部に前記第3部材が連結され、
前記第3部材が前記キーの押し方向に対して略平行であるとともに、前記第2壁部の表面における前記第3部材に対応する位置に凹部が設けられている携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54994(P2013−54994A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193890(P2011−193890)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】