説明

携帯端末

【課題】電池収容部を覆う電池カバーを筐体に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末10は、筐体11と、筐体11に設けられた電池収容部15と、電池収容部15を覆う電池カバー17と、電池カバー17に連結された筒部21とを備えている。電池カバー17は、筐体11の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより筐体11に着脱可能に形成されている。筒部21は、取付完了位置P1にあるときに、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13Cを収容するように形成されている。この筒部21は、電池カバー17の移動方向手前側の端部17Bに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に電池収容部を設け、電池収容部を覆う電池カバーを備え、電池カバーを筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより筐体に対して着脱可能な携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末は、通常、筐体に凹状の電池収容部が設けられ、この電池収容部に電池パックが収容され、電池収容部に収容された電池パックが電池カバーで覆われている。
この電池カバーは筐体に着脱自在に取り付けられている。よって、電池カバーを筐体から外すことにより、電池パックを電池収容部から取り出すことができる。
【0003】
筐体に電池カバーを着脱自在に取り付けることにより、携帯端末の落下時等で衝撃が加えられた場合に、重量物である電池パックが電池カバーを押し出しながら電池収容部から脱落する。
【0004】
ここで、筐体にカバーを取り付け構成とし、カバーを筒形状に形成し、筒形状のカバーを筐体に挿入し、カバーを筐体にねじ止めする構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
この構成を、携帯端末の電池カバーに採用すれば、携帯端末の落下時等で衝撃が加えられた場合に、電池パックが電池カバーを押し出しながら電池収容部から脱落することを防止可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−296026号公報(段落0033、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の構成は、筐体にカバーがねじ止めされているため、カバーの着脱に手間がかかる。
このため、特許文献1の構成を電池カバーに採用した場合、電池カバーの着脱が容易にできないため、電池カバーの取外しに手間がかかることが考えられる。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電池収容部を覆う電池カバーを筐体に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末は、ケースおよびカバーを有する筐体と、前記筐体に設けられた電池収容部と、前記電池収容部を覆うとともに、前記筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより前記筐体に対して着脱可能な電池カバーと、前記電池カバーに連結され、前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、前記ケースの一部および前記カバーの一部を収容する筒部と、を備え、前記筒部が、前記電池カバーの移動方向端部に設けられている。
【0009】
電池カバーの移動方向端部に筒部を設け、電池カバーが筐体に対して取付完了位置にあるときに、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容するようにした。
よって、ケースの一部およびカバーの一部(すなわち、筐体の一部)に筒部を嵌め込むだけで、筐体の一部を筒部で覆うことができる。
これにより、電池収容部を覆う電池カバーを筐体に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる。
【0010】
ここで、携帯端末を落下等させた場合、携帯端末の端部に衝撃が加えられる。そこで、電池カバーの移動方向端部に筒部を設けて、携帯端末の端部を筒部で収容するようにした。
これにより、例えば、携帯端末の落下時等で衝撃が加えられた場合に、電池パックが電池カバーを押し出しながら電池収容部から脱落することをより好適に防止可能である。
【0011】
さらに、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容することにより、例えば、携帯端末に捩れや曲げ等の負荷をかけた場合でも、筐体から電池カバーが離れることを防止できる。
加えて、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容することにより、ケースおよびカバーを筒部で強固に連結できるので携帯端末の剛性を高めることができる。
【0012】
また、本発明の携帯端末は、ケースおよびカバーを有する筐体と、前記筐体に設けられた電池収容部と、前記電池収容部を覆うとともに、前記筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより前記筐体に対して着脱可能な電池カバーと、前記電池カバーに連結され、前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、前記ケースの一部および前記カバーの一部を収容する筒部と、を備え、前記筒部が、前記電池カバーの移動方向手前側に設けられている。
【0013】
電池カバーの移動方向端部に筒部を設け、電池カバーが筐体に対して取付完了位置にあるときに、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容するようにした。
よって、ケースの一部およびカバーの一部(すなわち、筐体の一部)に筒部を嵌め込むだけで、筐体の一部を筒部で覆うことができる。
これにより、電池収容部を覆う電池カバーを筐体に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる。
【0014】
さらに、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容することにより、例えば、携帯端末に捩れや曲げ等の負荷をかけた場合でも、筐体から電池カバーが離れることを防止できる。
加えて、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容することにより、ケースおよびカバーを筒部で強固に連結できるので携帯端末の剛性を高めることができる。
【0015】
さらに、本発明の携帯端末は、前記筒部の外側面に対して前記筐体の側面が突出している。
【0016】
筒部の外側面に対して筐体の側面を突出させることにより、使用者が筐体を保持(把持)している指を、筐体から筒部に向けて移動させた場合に、指を移動する力が筒部に作用することがない。
これにより、筐体から筒部に向けて指を移動させた場合に、指を移動する力が筒部に作用して筒部が筐体から外れる虞がない。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、前記筒部の内面における移動方向手前側に設けられ、前記移動方向手前側よりも移動方向奥側が前記筐体から離れている斜面とを有する。
【0018】
筒部の内面に斜面を設け、この斜面を移動方向手前側よりも移動方向奥側において筐体から離すようにした。
これにより、筐体を筒部で収容する際に、斜面を筐体に沿って円滑に移動させることができるので、筒部を筐体の所定位置まで好適に案内できる。
【0019】
さらに、本発明の携帯端末は、前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、前記筐体に設けられて前記筒部における移動方向奥側の筒部端面が対面する壁部と、前記筒部端面および前記壁部のうちの一方に設けられた凸部と、前記筒部端面および前記壁部のうちの他方に設けられて前記凸部に係合する凹部とを有する。
【0020】
筐体の壁部および筒部端面の一方に凸部を設け、かつ他方に凹部を設け、電池カバーが筐体に対して取付完了位置にあるときに、凸部および凹部が係合するようにした。
これにより、筐体の壁部に筒部端面を確実に係止できるので、筐体の壁部から筒部端面が浮き上がることを防止して筐体を筒部で好適に保持できる。
【0021】
また、本発明の携帯端末は、前記筐体における前記筒部に覆われる箇所に設けられた音孔と、前記筒部に設けられ、前記音孔からの音声を当該筒部の外部に伝える貫通孔とを有する。
【0022】
ケースの一部およびカバーの一部を収容する筒部に貫通孔を設け、この貫通孔で音孔からの音声を筒部の外部に伝えるようにした。
このように、ケースの一部およびカバーの一部を筒部で収容することにより、ケースおよびカバーの合わせ面(境界線)から筐体外への音漏れを防止できる。
よって、スピーカ(受信部)やマイクロフォン(送信部)の音圧を好適に保つことができるスピーカやマイクロフォンの性能を高めることができる。
【0023】
加えて、筒部に貫通孔を設け、この貫通孔で音孔からの音声を筒部の外部に伝えるようにした。
これにより、スピーカから発生した音声を音孔および貫通孔を経て筒部の外部に好適に伝えることができ、さらに、通話者の音声を貫通孔および音孔を経てマイクロフォンに好適に伝えることができる。
【0024】
さらに、本発明の携帯端末は、前記音孔および前記貫通孔が同一線に沿って連通している。
【0025】
貫通孔を音孔に対して同一線に沿って連通することにより、マイクロフォンに通話者の音声を効率よく伝えることや、スピーカから発生した音を筐体の外部に効率よく伝えることができる。
これにより、マイクロフォンやスピーカの性能を一層高めることができる。
【0026】
また、本発明の携帯端末は、前記ケースおよび前記カバーの境界線が前記筒部の内面に対面している。
【0027】
ケースおよびカバーの境界線を筒部の内面に対面させることにより、境界線を筒部の内面で好適に塞ぐことができる。よって、ケースおよびカバーの境界線から筐体外への音漏れをさらに良好に防止できる。
これにより、スピーカやマイクロフォンの音圧を一層好適に保つことができるので、スピーカやマイクロフォンの性能をさらに高めることができる。
【0028】
さらに、本発明の携帯端末は、前記音孔が前記筐体の裏側に設けられている。
【0029】
また、本発明の携帯端末は、前記筒部における移動方向奥側の端部に隣接して設けられた操作部と、前記筒部の内面における前記移動方向奥側に設けられた隆起部とを備える。
【0030】
筒部における移動方向奥側の端部に隣接して操作部を設けた。よって、操作部を押圧した際に筒部を押圧することが考えられる。
そこで、筒部の内面における移動方向奥側、すなわち操作部に隣接させて隆起部を設けた。よって、操作部に隣接させた隆起部で筒部の内面を支えることができる。
これにより、操作者が筒部を押圧した際に、筒部を押圧しても筒部が凹むことを隆起部で防ぐことができる。
【0031】
さらに、本発明の携帯端末は、前記筒部の内面における移動方向奥側に設けられ、前記移動方向手前側よりも移動方向奥側が前記筐体から離れている筒部斜面と、前記筐体における前記操作部に隣接するとともに前記筒部に覆われる位置において、前記操作部から離れるにしたがって下り勾配となる筐体斜面とのうちの少なくとも一方を有する。
【0032】
筒部に筒部斜面を設け、筐体に筐体斜面を設けた。筒部斜面は、移動方向手前側よりも移動方向奥側が筐体から離れるように形成されている。また、筐体斜面は、操作部から離れるにしたがって下り勾配となるように形成されている。
よって、筒部斜面は、筐体斜面に沿うように傾斜状に形成されている。
【0033】
これにより、電池カバーの取付完了位置に向けて筒部を移動する際に、筒部斜面を筐体斜面に沿って円滑に移動できる。
さらに、筒部斜面が所定位置まで移動した際に、筒部斜面の移動を筐体斜面で抑えることができる。
従って、筒部を筐体の所定位置まで好適に案内して、電池カバーを取付完了位置まで容易に移動できる。
【0034】
ここで、筒部斜面および筐体斜面の少なくとも一方を設けるだけでも、電池カバーの取付完了位置に向けて筒部を移動する際に、筒部斜面を筐体斜面に沿って円滑に移動することが可能である。
これにより、筒部斜面および筐体斜面の少なくとも一方を設けるだけでも、筒部を筐体の所定位置まで好適に案内して、電池カバーを取付完了位置まで容易に移動できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の携帯端末によれば、電池カバーの移動方向端部に筒部を設け、電池カバーが取付完了位置に配置されたときに、ケースの一部およびカバーの一部(すなわち、筐体の一部)を筒部で収容するようにした。
これにより、筐体の一部に筒部を嵌め込むだけで筐体の一部を筒部で覆うことができるので、電池カバーを筐体に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る携帯端末を表面側から見た状態を示す斜視図
【図2】図1の携帯端末を裏面側から見た状態を示す斜視図
【図3】図1の携帯端末から電池カバーおよび筒部を外した状態を示す斜視図
【図4】図2の携帯端末から電池カバーおよび筒部を外した状態を示す斜視図
【図5】図1のI−I線断面図
【図6】本発明に係る筒部で収容可能なケースの一部を示す斜視図
【図7】図1のII−II線断面図
【図8】図1の携帯端末を示す平面図
【図9】図1のIII−III線断面図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態に係る携帯端末について図面を参照して説明する。
【0038】
図1、図2に示すように、本発明の実施形態である携帯端末10は、筐体11と、筐体11に設けられた電池収容部15と、電池収容部15を覆う電池カバー17と、電池カバー17に連結された筒部21とを備えている。
電池収容部15は、平面視略矩形状に形成され、電池パック16が収容されている。
電池パック16、略矩形体状に形成されている。
【0039】
図3、図4に示すように、筐体11は、ケース12およびカバー13を有し、ケース12にカバー13が着脱自在に設けられることにより略矩形体状に形成されている。
この筐体11は、ケース12の表面12Aに設けられた表示部31と、表示部31の下方に設けられた送信部(マイクロフォン)32と、表示部31の上方に設けられた複数の操作部33と、操作部33に隣接して設けられた複数の隆起部34とを備えている。
【0040】
図5に示すように、筐体11は、ケース12にカバー13が取り付けられた状態において、ケース12の上端部12Bにカバー13の上壁部13Aが当接され、上端部12Bおよび上壁部13Aで合わせ面(境界線)36が形成されている。
ケース12およびカバー13の境界線36は筒部21の内面21Aに対面している。
筒部21の内面21Aに境界線36を対面させることにより、境界線36を筒部21の内面21Aで塞ぐことができる。
【0041】
また、ケース12は、筒部21の端面(以下、筒部端面という)21Bに対面する壁部12Cを有している。さらに、ケース12の壁部12Cのうち両端部近傍に凹部37(図6も参照)がそれぞれ形成されている。
筒部端面21Bは、筒部21における移動方向(矢印A方向)奥側の端面である。
この筒部端面21Bは、壁部12Cの凹部37に係合可能な一対の凸部38を有する。
【0042】
図6、図7に示すように、ケース12の表面12A側に操作部33が設けられ、操作部33に隣接して隆起部34および筐体斜面39が設けられている。
操作部33は、筒部端面21Bに隣接した状態において、筐体11(図1参照)の幅方向に沿って複数個設けられている。
隆起部34は、筒部21の内面21Aにおける移動方向(矢印A方向)奥側で、かつ操作部33に隣接した位置からケース12の長手方向(矢印B方向)に沿って延出されている。
操作部33に隣接して隆起部34を設けた理由については後で詳しく説明する。
【0043】
筐体斜面39は、ケース12における操作部33に隣接するとともに筒部21に覆われる位置12Dにおいて、操作部33から離れるにしたがって下り勾配となるように形成されている。
操作部33に隣接して筐体斜面39を設けた理由については後で詳しく説明する。
【0044】
図4に示すように、筐体11は、カバー13の表面(すなわち、筐体11の裏側)13Bのうち下部に設けられたカメラ部42と、カバー13の裏側空間43のうち上部に設けられた通話用の受信部(スピーカ)45A(図7参照)とを備えている。
【0045】
図7に示すように、受信部45Aに対向するようにカバー13の表面13Bに音孔45が形成されている。すなわち、音孔45は、カバー13の表面13Bのうち上部に設けられている。
音孔45は、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1(図2参照)にあるときに、筒部21の貫通孔46に連通するように形成されている。
【0046】
すなわち、音孔45は、筐体11における筒部21に覆われる箇所に設けられている。
このように、音孔45を貫通孔46に連通するように形成することにより、受信部45Aから発生する音声を、音孔45および貫通孔46を経て筐体11の外部に伝えることができる。
【0047】
図1、図2に示すように、電池カバー17は、電池収容部15を覆うとともに、筐体11の厚み方向(矢印C方向)に対して直交する方向、すなわち筒部21の移動方向(印A方向)に沿って移動することにより筐体11に対して着脱可能なカバーである。
具体的には、電池カバー17は、矢印A方向に移動することにより電池カバー17の両側部17Aが筐体11の両側部11Aに係止する。
【0048】
図3、図4に示すように、筒部21は、電池カバー17の移動方向端部、すなわち移動方向手前側の端部17Bおよび移動方向奥側の端部17Cのうち、移動方向手前側の端部17Bに設けられている。
この筒部21は、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1(図2も参照)にあるときに、筐体11の一部11Bを収容可能に、筐体11の断面形状に沿って断面略矩形枠状の筒体に形成されている。
【0049】
筐体11の一部11Bは、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13Cで構成される。
すなわち、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1にあるときに、筐体11の一部11Bが筒部21で覆われる。
【0050】
図7に示すように、筐体11の一部11Bを筒部21で覆った状態において、筒部21の内面21Aにケース12およびカバー13の境界線36が対面する。
よって、境界線36を筒部21の内面21Aで好適に塞ぐことができ、ケース12およびカバー13の境界線36から筐体11外への音漏れを良好に防止できる。
これにより、受信部45Aや送信部32の音圧を好適に保つことができるので、受信部45Aや送信部32の性能を高めることができる。
【0051】
さらに、筒部21は、カバー13の表面13Bに対向する部位21Cに貫通孔46が形成されている。
貫通孔46は、音孔45からの音声を筒部21の外部に伝えるための孔である。
筒部21に貫通孔46を設けることにより、受信部45Aから発生した音声を音孔45および貫通孔46を経て筒部21の外部に好適に伝えることができる。
【0052】
この貫通孔46は、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1(図2参照)にあるときに、音孔45に対して同一線52に沿って連通される位置に形成されている。
これにより、受信部(スピーカ)45Aから発生した音を筐体11の外部に一層効率よく伝えることができる。
【0053】
また、図8に示すように、筒部21は、筐体11の幅寸法W1に対して筒部21の幅寸法W2が小さく形成されている。よって、筒部21の外側面21Dに対して筐体11の側面11Cを突出させるように両側面に段差54が形成されている。
【0054】
よって、使用者が筐体11を保持(把持)している指を、筐体11から筒部21に向けて移動させた場合に、指を移動する力が筒部21に作用することがない。
これにより、筐体11から筒部21に向けて指を移動させた場合に、指を移動する力が筒部21に作用して筒部21が筐体11から外れる虞がない。
【0055】
さらに、図9に示すように、筒部21の内面21Aにおける移動方向(矢印A方向)手前側の部位21Eに斜面56が設けられている。
この斜面56は、移動方向手前側の部位56Aよりも移動方向奥側の部位56Bが筐体11(具体的には、筐体11の一部11B)から離れるように傾斜されている。
【0056】
よって、筐体11の一部11Bを筒部21で収容する際に、斜面56を筐体11の一部11Bに沿って円滑に移動させることができる。
これにより、筒部21を筐体11の所定位置まで好適に案内して、電池カバー17を取付完了位置P1(図2参照)まで容易に移動できる。
【0057】
加えて、図5に示すように、筒部21は、前述したように、筒部端面21Bに凸部38を有する。
筒部端面21Bに凸部38は、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1(図2参照)に配置されたとき、凹部37に係合するように形成されている。
この凹部37は、ケース12の壁部12Cに設けられている。
【0058】
よって、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1(図2参照)に配置されたとき、凸部38および凹部37を係合させることができる。
これにより、筐体11の壁部12Cから筒部端面21Bが浮き上がることを防止して筐体11を筒部21で好適に保持できる。
【0059】
ここで、操作部33に隣接して隆起部34を設けた理由を図7に基づいて説明する。
すなわち、筒部21における移動方向奥側の端部(筒部端面)21Bに隣接して操作部33が設けられている。このため、操作部33を押圧した際に筒部21が押圧されることが考えられる。
【0060】
そこで、筒部21の内面21Aに対向するケース12の一部12Eおける、移動方向奥側の部位(すなわち、操作部33)に隣接させて複数の隆起部34を設けた。
複数の隆起部34は、ケース12の幅方向に所定間隔をおいて配置され、ケース12の長手方向に延長されている(図6参照)。
【0061】
よって、操作部33に隣接させた隆起部34で筒部21の内面21Aを支えることができる。
これにより、操作者が筒部21を押圧した際に、筒部21を押圧しても筒部21が凹むことを隆起部34で防ぐことができる。
【0062】
さらに、操作部33に隣接して筐体斜面39を設けた理由を図7に基づいて説明する。
筒部21は、筒部21の内面21Aにおいて筐体斜面39に対応する位置に筒部斜面57が設けられている。
具体的には、筒部斜面57は、筒部21の内面21Aにおいて筐体斜面39に対応する位置で、かつ筒部21の内面21Aにおける筒部端面21B側に設けられている。
【0063】
筒部斜面57は、移動方向手前側よりも移動方向奥側(すなわち、操作部33側)がケース12から離れるように傾斜状に設けられている。
一方、前述したように、筐体斜面39は、操作部33から離れるにしたがって下り勾配となるように形成されている。
よって、筒部斜面57は、筐体斜面39に沿うように傾斜状に形成されている。
【0064】
これにより、筒部21を矢印A方向に移動する際に、筒部斜面57が筐体斜面39に沿って円滑に移動でき、さらに、筒部斜面57が所定位置まで移動した際に、筒部斜面57の移動を筐体斜面39で抑えることができる。
従って、筒部21を筐体11の所定位置まで好適に案内して、電池カバー17を取付完了位置P1(図2参照)まで容易に移動できる。
【0065】
以上説明したように、携帯端末10によれば、図2、図3に示すように、電池カバー17の移動方向手前側の端部17Bに筒部21を設けた。
さらに、電池カバー17が筐体11に対して取付完了位置P1にあるときに、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13Cを筒部21で収容するようにした。
【0066】
よって、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13C(すなわち、筐体11の一部11B)に筒部21を嵌め込むだけで、筐体11の一部11Bを筒部21で覆うことができる。
これにより、電池収容部15を覆う電池カバー17を筐体11に対して確実に固定できるとともに、容易に着脱できる。
【0067】
ここで、携帯端末10を落下等させた場合、携帯端末10の端部に衝撃が加えられる。そこで、電池カバー17の移動方向手前側の端部17Bに筒部21を設けて、携帯端末10の端部を筒部21で収容するようにした。
これにより、例えば、携帯端末10の落下時等で衝撃が加えられた場合に、電池パック16が電池カバー17を押し出しながら電池収容部15から脱落することをより好適に防止可能である。
【0068】
さらに、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13Cを筒部21で収容することにより、例えば、携帯端末10に捩れや曲げ等の負荷をかけた場合でも、筐体11から電池カバー17が離れることを防止できる。
加えて、ケース12の一部12Eおよびカバー13の一部13Cを筒部21で収容することにより、ケース12およびカバー13を筒部21で強固に連結できるので携帯端末10の剛性を高めることができる。
【0069】
なお、本発明に係る携帯端末は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、実施形態では、電池カバー17の移動方向端部として移動方向手前側の端部17Bに筒部21を連結した例について説明したが、これに限らないで、電池カバー17の移動方向手前側に筒部21を設けることも可能である。
【0070】
また、実施形態では、ケース12の壁部12Cに凹部37を設け、筒部21の筒部端部 に凸部38を設けた例について説明したが、これに限らないで、壁部12Cに凸部38を設け、筒部端面21Bに凹部37を設けることも可能である。
【0071】
さらに、実施形態では、音孔45を受信部(スピーカ)45Aの孔として用いた場合を例に説明したが、これに限らないで、音孔45を送信部(マイクロフォン)32の孔として用いることも可能である。
【0072】
また、実施形態では、音孔45および貫通孔46を同一線52に沿って連通させた例について説明したが、これに限らないで、音孔45および貫通孔46を同一線52に沿って設けないように連通することも可能である。
【0073】
さらに、実施形態では、筒部21に筒部斜面57を設け、筐体11に筐体斜面39を設けた例について説明したが、これに限らないで、筒部斜面57および筐体斜面39の少なくとも一方を設けることも可能である。
【0074】
また、実施形態で使用した携帯端末、筐体、ケース、カバー、電池収容部、電池カバー、筒部、操作部、隆起部、凹部、凸部、筐体斜面、音孔、貫通孔、斜面および筒部斜面等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、筐体に電池収容部を覆う電池カバーを備え、電池カバーを筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより筐体に対して着脱可能に構成された携帯端末への適用に好適である。
【符号の説明】
【0076】
10 携帯端末
11 筐体
11B 筐体の一部
11C 筐体の側面
12 ケース
12C 壁部
12E ケースの一部
13 カバー
13B カバーの表面(筐体の裏側)
13C カバーの一部
15 電池収容部
17 電池カバー
17B 移動方向手前側の端部(移動方向端部)
17C 移動方向奥側の端部(移動方向端部)
21 筒部
21A 筒部の内面
21B 筒部端面
21D 筒部の外側面
33 操作部
34 隆起部
36 境界線
37 凹部
38 凸部
39 筐体斜面
45 音孔
46 貫通孔
52 同一線
56 斜面
57 筒部斜面
P1 取付完了位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースおよびカバーを有する筐体と、
前記筐体に設けられた電池収容部と、
前記電池収容部を覆うとともに、前記筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより前記筐体に対して着脱可能な電池カバーと、
前記電池カバーに連結され、前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、前記ケースの一部および前記カバーの一部を収容する筒部と、を備え、
前記筒部が、前記電池カバーの移動方向端部に設けられている携帯端末。
【請求項2】
ケースおよびカバーを有する筐体と、
前記筐体に設けられた電池収容部と、
前記電池収容部を覆うとともに、前記筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより前記筐体に対して着脱可能な電池カバーと、
前記電池カバーに連結され、前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、前記ケースの一部および前記カバーの一部を収容する筒部と、を備え、
前記筒部が、前記電池カバーの移動方向手前側に設けられている携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記筒部の外側面に対して前記筐体の側面が突出している携帯端末。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記筒部の内面における移動方向手前側に設けられ、前記移動方向手前側よりも移動方向奥側が前記筐体から離れている斜面とを有する携帯端末。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記電池カバーが前記筐体に対して取付完了位置にあるときに、
前記筐体に設けられて前記筒部における移動方向奥側の筒部端面が対面する壁部と、
前記筒部端面および前記壁部のうちの一方に設けられた凸部と、
前記筒部端面および前記壁部のうちの他方に設けられて前記凸部に係合する凹部とを有する携帯端末。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記筐体における前記筒部に覆われる箇所に設けられた音孔と、
前記筒部に設けられ、前記音孔からの音声を当該筒部の外部に伝える貫通孔とを有する携帯端末。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末において、
前記音孔および前記貫通孔が同一線に沿って連通している携帯端末。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の携帯端末において、
前記ケースおよび前記カバーの境界線が前記筒部の内面に対面している携帯端末。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のうちのいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記音孔が前記筐体の裏側に設けられている携帯端末。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記筒部における移動方向奥側の端部に隣接して設けられた操作部と、
前記筒部の内面における前記移動方向奥側に設けられた隆起部とを備える携帯端末。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯端末において、
前記筒部の内面における移動方向奥側に設けられ、前記移動方向手前側よりも移動方向奥側が前記筐体から離れている筒部斜面と、
前記筐体における前記操作部に隣接するとともに前記筒部に覆われる位置において、前記操作部から離れるにしたがって下り勾配となる筐体斜面とのうちの少なくとも一方を有する携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−85093(P2013−85093A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223173(P2011−223173)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】