説明

携帯通信機器

【課題】
電池残量に関する情報を望ましい時間帯に送信することのできる携帯通信機器を提供する。
【解決手段】
バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出部170と、無線通信部150と、イベント発生時刻より所定時間前に、無線通信部150によってバッテリ残量に関する情報を予め設定された宛先に送信させる制御部110と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信機器に関し、特に、携帯通信機器の電池残量に関する情報を通知する携帯通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、親は、子供の現在位置等を子供の携帯端末から送信される情報を基に把握することができた。しかしながら、そのような従来の子供の携帯端末において、圏外等のネットワークにつながらない状況においては、現在位置等の情報を送信することができないという問題が生じた。このような問題を解決するために、特許文献1の発明が提案されている。
【0003】
特に、特許文献1には、被保護者(子供)の携帯電話の電池残量が設定されたしきい値より少なくなったら、警告メールを保護者(親)の携帯電話に通知して充電を促す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−98744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1における被保護者(子供)の携帯電話は、電池残量がしきい値以下になったことのみを契機として、保護者(親)の携帯電話に通知する。そのため、例えば、被保護者が保護者と離れている時間帯に警告メールが保護者の携帯電話に通知された場合、保護者は、被保護者の携帯電話を充電することができずに、電池切れになってしまい、緊急の際等に被保護者との通信ができなくなってしまうという恐れがあった。このように、保護者にとって望ましい時間帯に、必ずしも電池残量が通知されるわけではない。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、電池残量に関する情報を望ましい時間帯に送信することのできる携帯通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、電池残量を検出する電池残量検出手段と、通信手段と、第1の時刻を設定する時刻設定手段と、前記第1の時刻より所定時間前の第2の時刻に、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報を予め設定された宛先に送信させる制御手段と、を備える携帯通信機器である。
【0008】
また、好適には、時刻を計測する時刻計測手段を備え、前記電池残量検出手段によって前記第1の閾値以下の電池残量が検出された際に計測される時刻を第3の時刻とし、前記制御手段は、前記第3の時刻が前記第2の時刻より後である場合、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報の前記宛先への送信を前記第1の閾値以下の電池残量が検出された直後に実行させる。
【0009】
また、好適には、前記制御手段は、前記第1の閾値以下の電池残量が検出された後に、前記電池残量が所定の閾値以上に回復した場合、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報を予め設定された宛先に送信させる。
【0010】
また、好適には、所定のイベントを時刻とともに登録可能とするスケジュールを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記時刻設定手段に前記スケジュールに登録された前記所定のイベントに対応する時刻を前記第1の時刻として設定される。
【0011】
また、好適には、前記電池残量に関する情報は、予め保存されているメッセージである。
【0012】
また、好適には、緊急呼出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記緊急呼出手段の起動が要求されると、前記通信手段によって前記宛先に対する通信を行う。
【0013】
また、好適には、表示手段をさらに備え、前記制御手段は、前記電池残量に関する情報を前記宛先に送信させた場合、前記表示手段に前記電池残量に関する情報及び前記宛先に送信した旨を表示させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電池残量に関する情報を望ましい時間帯に送信することのできる携帯通信機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る携帯通信機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る携帯通信機器の外観を示す図である。
【図3】本実施形態に係る携帯通信機器の使用状況を示す図である。
【図4】本実施形態に係る携帯通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る携帯通信機器の動作の一例における電池残量の推移を表す図である。
【図6】本実施形態に係る携帯通信機器の動作の一例における各時刻を時系列に表す図である。
【図7】本実施形態に係る携帯通信機器の動作の他の例における電池残量の推移を表す図である。
【図8】本実施形態に係る携帯通信機器の動作の他の例における各時刻を時系列に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
ここで、以下の説明において現れる保護者と被保護者について、一例として、保護者は親を意味し、被保護者は子供のことを意味する。
<構成>
以下、図1及び図2より、本実施形態に係る携帯通信機器100の構成を説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る携帯通信機器の構成を示すブロック図である。携帯通信機器100は、制御部110、表示部120、操作部130、記憶部140、無線通信部150、バッテリ部160、バッテリ残量検出部170、音声出力部180、時間計測部190、防犯ブザー200を備える。図2は、本実施形態に係る携帯通信機器の外観を示す図である。
【0019】
制御部110は、携帯通信機器100を構成する各部を制御する。この制御部110は、図示しないCPU(中央処理装置)と、このCPUを動作させる制御プログラムを含んでいる。なお、制御プログラムは、後述する記憶部140に記憶される。
【0020】
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescent)等の表示デバイスを有し、電話帳データ、テキストデータ、画像データ等を表示する。また、表示部120は、バッテリ残量検出部170から制御部110を通じて通知されたバッテリ160の残量、充電が必要である旨等のバッテリに関する情報を表示する。また、表示部120には、バッテリに関する情報が保護者へ送信された際には、その旨も表示する。
【0021】
操作部130は、図2に示されるように、ワンタッチキー131、十字キー132、発呼キー133を含んで構成される。ワンタッチキー131は、各キーに電話番号やメールアドレス等の宛先を対応付けて登録されている。例えば、待ち受け状態において、ユーザによりワンタッチキー131のいずれかが押下されると、そのキーに対応付けられた宛先が入力された状態での発呼やメール等のアプリケーションを起動される。
【0022】
また、十字キー132により、選択するためのカーソルを左右上下に移動させることができる。また、発呼キー133により、発呼アプリを起動することができる。なお、本実施形態において、操作部130はこのようなキー構成に限定されず、さらに他の機能を持ったキーやテンキー等を含んでもよい。
【0023】
記憶部140は、RAMやEPROM等の記憶手段を有し、電話帳データ、テキストデータ、画像データを含む各種データを記憶する。
【0024】
また、記憶部140は、指定された宛先に送信するための電池残量に関する情報を含むメッセージや緊急を知らせる情報を含むメッセージを予め記憶する。例として、電池残量に関するメッセージには、「電池残量は十分です。」や「電池残量が足りません。充電が必要です。」、「充電されました。」等のテキストが含まれる。さらに、緊急を知らせるメッセージには、「・・・さんから緊急通知がされました。」、「お子さんが危険にさらされています。」、「警察を呼んでください。」等のテキストが含まれる。このようなメッセージは、予め記憶されているものに加えて、新たにユーザによって作成されたものも登録したものでもよい。
【0025】
また、記憶部140には、被保護者が保護者のもとを離れるイベントが発生するイベント発生時刻(第1の時刻)がスケジューラ等のアプリケーションによって保存されている。ここで、イベント発生時刻の例として、外出時刻や登校時刻等がある。ここで、制御部110は、記憶部140に保存されているイベント発生時刻より所定時間前に、バッテリ残量に関する情報を保護者へ送信する。
【0026】
無線通信部150は、電話帳、テキスト、画像等の各種データを、通信ネットワークを介して送受信することが可能である。ここで、各種データには、電池残量に関する情報や緊急を知らせる情報等も含まれる。
【0027】
バッテリ160は、制御部110を通じて、携帯通信機器100の各部に電力を供給する二次電池からなる。また、バッテリ160は、図示しない充電端子から外部電源を接続することにより充電可能である。
【0028】
バッテリ残量検出部170は、バッテリ160の残量を検出する。具体的には、バッテリ160の残量とは、満充電時のバッテリの電圧に対するバッテリ160の電圧の大きさから検出される相対的な値である。例えば、バッテリ残量は、バッテリ160の満充電時を100%として、現在のバッテリ残量が60%ならば、60%と表される。
【0029】
また、バッテリ残量検出部170は、検出したバッテリ160の残量を制御部110へ伝達する。そこで、制御部110は、バッテリ検出部170によって伝達されたバッテリ残量が第1の閾値以下であるかを判定する。次に、制御部110は、バッテリ残量が第1の閾値以下であると判定すると、保護者の携帯通信機器300へイベント発生時刻(第1の時刻)より所定時間前に、記憶部140に保存されたメッセージを無線通信部150から送信させる。さらに、バッテリ160が第1の閾値以下から充電によって第2の閾値以上のバッテリ残量に回復した際にも、制御部110は、充電が回復した旨のメッセージを無線通信部150から送信させる。なお、制御部110は、バッテリ160の残量が第1の閾値以上である場合でも、イベント発生時刻より所定時間前に、充電が十分である旨のメッセージを無線通信部150から送信させる。ここで、第1の閾値とは、1日の間、待ち受け状態等の最小限の電力しか使用しない状態で消費されるバッテリ残量を示し、第2の閾値とは、通話等の機能を十分に使用することが可能なバッテリ残量を示す。第1の閾値及び第2の閾値は、任意に設定可能であり、記憶部140に保存される。
【0030】
音声処理部180は、音声処理回路を有し、通話及び防犯ブザー200の起動による鳴動による音声出力を行うスピーカー181と、通話による音声入力を行うマイク182を有する。
【0031】
時間計測部190は、現在の時刻を計測する。制御部110は、待ち受け状態において、その計測された現在の時刻を表示させる。また、制御部110は、バッテリ残量検出部170によって第1の閾値以下のバッテリ残量を検出すると、時刻計測部190によって計測された現在の時刻を閾値検出時刻(第3の時刻)として記憶部140に保存する。
【0032】
防犯ブザー200は、指を挿入することが可能な孔を有するフック201と、そのフック201が携帯通信機器100とは逆の方向に引かれたことを検出する引っ張り検出部202と、そのフック201と引っ張り検出部202とを結ぶストリングからなる。
【0033】
ここで、ユーザがフック201を携帯通信機器100とは逆の方向へ引っ張ると、引っ張り検出部202は、ストリングを介してフック201が引っ張られたことを検出する。次に、引っ張り検出部202から防犯ブザー200を起動する旨の信号を受けた制御部110は、警告音出力を指示する信号を音声処理部180に伝達し、それを受信した音声処理部180から警告音を出力させる。
【0034】
また、それと共に、制御部110は、警告報知を指示する信号を無線通信部150にも伝達し、無線通信部150によって、保護者に緊急を知らせる情報を含むメッセージを送信させる。
【0035】
すなわち、制御部110は、防犯ブザー200と協働することにより緊急呼出手段として作用する。
<動作>
以下、図3から図6より本実施形態に係る携帯通信機器100の動作について説明する。
【0036】
図3は、本実施形態に係る携帯通信機器100の使用状況を示す図である。
【0037】
ここでは、被保護者は、本実施形態に係る携帯通信機器100を所持しており、保護者は、通信部等を有する携帯通信機器300を所持している。ここで、携帯通信機器100及び携帯通信機器300は、互いに通信ネットワークを介して各種データの送受信を行う。
【0038】
また、保護者の携帯通信機器300は、無線通信部やそれを制御する制御部や無線通信部によって送受信するデータを保存する記憶部等を含んでいれば、どのような機器でもよく、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ等であってもよい。
【0039】
以下、図4から図6において、バッテリ残量検出部170によって第1の閾値以下のバッテリ残量を検出した場合における携帯通信機器100の動作の説明をする。
【0040】
図4は、本実施形態に係る携帯通信機器100の動作を示すフローチャートである。
【0041】
まず、被保護者は、事前に携帯通信機器100のバッテリ残量が第1の閾値以下であると判定された場合にその旨を通知する相手の宛先を登録する(ステップS1)。ここで、ワンタッチキー131に予め登録されている宛先(例として、保護者)がある場合には、自動的にその宛先を通知相手として登録してもよい。
【0042】
次に、被保護者は、イベント発生時刻(第1の時刻)を設定する(ステップS2)。ここで、ステップS1及びステップS2は順序が逆であってもよい。また、予め登録されている場合には、ステップS1及びステップS2は飛ばしてもよい。
【0043】
ステップS1及びステップS2が完了すると、制御部110は、バッテリ残量検出部170によるバッテリ160の残量の検出を開始させる(ステップS3)。
【0044】
次に、バッテリ残量検出部170によって、バッテリ残量が第1の閾値以下であると検出された場合(ステップS4:YES)には、S5へ移動する。ここで、一方で、第1の閾値以上のバッテリ残量が検出された場合(ステップS4:NO)には、バッテリ残量監視を継続する。
【0045】
次に、ステップS5において、制御部110は、第1の閾値以下のバッテリ残量が検出された時刻を閾値検出時刻(第3の時刻)として記憶部140に保存させる。
【0046】
次に、ステップS6において、制御部110は、現在のバッテリ残量が第2の閾値以上になるまでに要する時間(充電時間という)を算出する。ここで、制御部110は、算出した充電時間を表示部120に表示させてもよい。
【0047】
さらに、ステップS7において、制御部110は、イベント発生時刻から充電時間分を遡った充電開始時刻(第2の時刻)を算出する。つまり、イベント発生時刻の段階で、第2の閾値分の残量を確保するためには、何時に充電開始するのかを示す時刻を割り出す。
【0048】
次に、ステップS8において、制御部110は、充電開始時刻が閾値検出時刻より後であるかを判定する。ここで、充電開始時刻が閾値検出時刻より後であると判定された場合(ステップS8:YES)に、制御部110は、充電開始時刻に保護者の携帯通信機器300に充電が必要である旨を無線通信部150によって通知させる(ステップS9)。イベント発生時刻までに被保護者の携帯通信機器100が第2の閾値以上の残量までバッテリを充電することができる。
【0049】
一方で、充電開始時刻が閾値検出時刻より前であると判定された場合(ステップS8:NO)に、制御部110は、閾値検出時刻の直後にメッセージを送信する(ステップS10)。ここで、充電開始時刻が閾値検出時刻より前であるということは、イベント発生時刻までに閾値検出時刻から充電しても第2の閾値まで到達しない場合である。この場合に、閾値検出時刻直後にメッセージが送信されることで、保護者は、被保護者の携帯通信機器100の充電が必要であることに気づき、第2の閾値に達しないまでもできるだけ長時間使用できるように充電することができる。また、制御部110は、閾値検出時刻からイベント発生時刻まで充電する場合にバッテリ残量がどのくらいの量になるかを同時に親の携帯通信機器300に通知してもよい。
【0050】
また、図5から図8において、図4における動作の具体例を説明する。
【0051】
これらは、第1の閾値と第2の閾値との関係を大きく左右されるので、この関係を逆なせた例として、図5、6及び図7、8のそれぞれの例を示す。
【0052】
図5及び図6を用いて、図4における具体例の一例を説明する。
【0053】
図7及び図8を用いて、図4における具体例の他の例を説明する。
【0054】
特に、これらを用いて、ステップS8の判定にかかる動作説明を行う。
〈動作の一例〉
図5は、本実施形態に係る携帯通信機器の動作の一例における電池残量の推移を表す図である。
【0055】
図6は、本実施形態に係る携帯通信機器の動作の一例における各時刻を時系列に表す図である。理解を容易にするために、以下、具体的な値を例示して説明を行う。
【0056】
バッテリ残量は、満充電時においては100%である(図5:(1))。また、イベント発生時刻は午前8時として登録されている。満充電時から充電をすることなく、時間が経過するとバッテリ残量は減少していき、バッテリ残量検出部170によって第1の閾値である30%以下のバッテリ残量が検出される(図5:(2))。この時の閾値検出時刻は午前7時である(図6:(2))。
【0057】
ここで、制御部110は、バッテリ残量が第2の閾値である45%に至るまでに要する充電時間は30分であると算出する。ちなみに、〈動作の一例〉及び〈動作の他の例〉においても15%充電するのに要する充電時間は30分であると仮定する。よって、イベント発生時刻である午前8時から充電時間である30分を遡った午前7時30分が算出される(図6:(3))。この時刻が、充電開始時刻であり、この時刻から充電を開始すればイベント発生時刻である午前8時までには、第2の閾値であるバッテリ残量45%までにバッテリを充電することができる(図5:(4))。なお、充電開始時刻におけるバッテリ残量は、閾値検出時刻におけるバッテリ残量からほとんど減少しないと考えられるため、30%とする(図5:(3))。
【0058】
また、制御部110は、充電開始時刻が閾値検出時刻より後であるかを判定し、午前7時30分である充電開始時刻の方が後であるので、午前7時30分に保護者へバッテリ残量を通知する。
〈動作の他の例〉
図7は、本実施形態に係る携帯通信機器の動作の他の例における電池残量の推移を表す図である。
【0059】
図8は、本実施形態に係る携帯通信機器の動作の他の例における各時刻を時系列に表す図である。
〈動作の一例〉とは異なり、第2の閾値は75%に設定されている。この閾値は前述の通り、任意の値に設定ができる。〈動作の一例〉と同様に、バッテリ残量検出部170によって第1の閾値である30%以下のバッテリ残量が検出される(図7:(2))。この時の閾値検出時刻は(動作の一例)と同様に午前7時である(図8:(2))。
【0060】
ここで、制御部110は、バッテリ残量が第2の閾値である75%に至るまでに要する充電時間は1時間30分であると算出される。よって、イベントの発生時刻である午前8時から充電時間である1時間30分を遡った午前6時30分が算出される(図8:(3))。しかし、充電開始時刻である午前6時30分は、現在時刻である閾値検出時刻の午前7時を過ぎてしまっている。よって、充電開始時刻に通知する代わりに、現在時刻である閾値検出時刻の午前7時の直後に保護者へバッテリ残量を通知する。この通知を確認した保護者は、充電を開始することによりバッテリ残量60%まで充電することができる(図7:(4))。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態における携帯通信機器100は、予め設定されているイベント発生時刻より所定時間前にバッテリ残量に関する通知を予め設定された宛先に送信することで、保護者が被保護者の携帯通信機器100を充電することができる。
【0062】
また、携帯通信機器100は、所定の閾値以下のバッテリ残量が検出された場合、イベント発生時刻より充電時間前の充電開始時刻に保護者へ通知することで、被保護者が保護者から離れるまでに1日の使用に要するバッテリ残量に達するように、携帯通信機器100を充電することができる。
【0063】
また、携帯通信機器100は、閾値検出時刻からイベント発生時刻までに1日の使用に要するバッテリ充電には時間が足りない場合に、即座に電池残量に関する通知を行われるため、保護者が最低限のバッテリを確保するための充電をすることができる。
【0064】
また、携帯通信機器100は、イベント発生時刻をスケジュールから抽出することで、定期的な被保護者の外出の度に、イベント発生時刻を設定する操作を不要とする。
【0065】
また、携帯通信機器100は、防犯ブザーをさらに備え、防犯ブザーが起動された際に、通知する相手を電池残量に関する情報を送信する相手と同一とすることにより、より優先度の高い相手に緊急を知らせる通知を送信することができる。
【0066】
また、携帯通信機器100は、予め保存しておいたメッセージを電池残量に関する情報を保護者へ送信することで、電池残量に関する情報を文章で確認することができ、保護者がその文章に基づいて適切な対応をすることができる。
【0067】
また、携帯通信機器100は、表示部120に電池残量に関する情報及び保護者に電池残量に関する情報を送信した旨を表示させることにより、被保護者が保護者に対して電池残量に関する情報が送信されていることを認識することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して説明した。もちろん、本発明の構成は、この実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。
【0069】
以上、動作について説明したのは、閾値以下のバッテリ残量が検出された場合について説明した。しかしながら、制御部110は、イベント発生時刻より所定時間前に必ずバッテリ残量を確認するように構成しても良い。この場合、検出された電池残量が閾値以上であっても、その旨を表すメッセージを無線通信部150によって携帯通信機器300へ送信する。従って、保護者は、閾値以上であっても被保護者のバッテリ残量をイベント発生前に知ることができるため、安心して被保護者に携帯通信機器100を所持させることができる。
【0070】
なお、本発明は、保護者及び被保護者の間で通信される場合に限られず、恋人同士等の親しい関係の間で通信される場合もよいと解する。
【符号の説明】
【0071】
100 携帯通信機器
110 制御部(制御手段)
120 表示部(表示手段)
140 記憶部(記憶手段)
150 無線通信部(通信手段)
160 バッテリ(電池)
170 バッテリ残量検出手段(電池残量検出手段)
180 音声制御部(音声出力手段)
190 時刻計測部(時刻計測手段)
200 防犯ブザー
300 携帯通信機器(保護者)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池残量を検出する電池残量検出手段と、
通信手段と、
第1の時刻を設定する時刻設定手段と、
前記第1の時刻より所定時間前の第2の時刻に、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報を予め設定された宛先に送信させる制御手段と、を備える携帯通信機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電池残量検出手段によって第1の閾値以下の電池残量が検出された場合、当該電池残量が第2の閾値以上になるまでに要する充電時間を算出し、当該充電時間を前記所定時間とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信機器。
【請求項3】
時刻を計測する時刻計測手段を備え、
前記電池残量検出手段によって前記第1の閾値以下の電池残量が検出された際に計測される時刻を第3の時刻とし、
前記制御手段は、前記第3の時刻が前記第2の時刻より後である場合、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報を前記第3の時刻の直後に送信させることを特徴とする請求項2に記載の携帯通信機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の閾値以下の電池残量が検出された後に、前記電池残量が閾値以上に回復した場合、前記通信手段によって前記電池残量に関する情報を予め設定された宛先に送信させることを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項5】
所定のイベントを時刻とともに登録可能とするスケジュールを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記時刻設定手段に前記スケジュールに登録された前記所定のイベントに対応する時刻を前記第1の時刻として設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項6】
前記電池残量に関する情報は、予め保存されているメッセージであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項7】
緊急呼出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記緊急呼出手段の起動が要求されると、前記通信手段によって前記宛先に対する通信を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項8】
表示手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記電池残量に関する情報を前記宛先に送信させた場合、前記表示手段に前記電池残量に関する情報及び前記電池残量に関する情報を前記宛先に送信した旨を表示させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯通信機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−234005(P2011−234005A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100746(P2010−100746)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】