説明

携帯電子機器

【課題】必要に応じムービーのように使用できるようにする。
【解決手段】第1筐体1と、第2筐体2と、その両筐体1・2を重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて第1方向に開放させる第1回転軸(11)と、同じく前記第1方向と異なる第2方向に移動させて開放させる第2回転軸(12)と、両回転軸(11・12)を収納するとともに、入力部7を収納する第3筐体3と、を備える。そして、第1筐体1と第2筐体2を前記第1方向に開放させた場合は、第3筐体3が第2筐体2とともに移動し、第1筐体1と第2筐体2を前記第2方向に開放させた場合には、第3筐体3が第1筐体1とともに移動する。具体的には、入力部7は撮影部であり、第1筐体1に操作部(4)を備えて、第2筐体2に表示部(5)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸ヒンジによる筐体構造と、その筐体構造を備える携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
操作部を有する本体部と、表示部を有する蓋部と、カメラを内蔵した連結部とからなり、本体部と蓋部とを連結部で連結するとともに、本体部と蓋部とを相対的にスライドさせることで連結部を回転するようにした携帯機器が特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−143000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、動画の撮影時などには、ムービーの使用形態と同様に、表示画面を横長で見ながら撮影をしたいが、特許文献1の表示部では縦長画面のため、その縦長画面の中で横長表示に切替制御すると表示が小さくなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、必要に応じムービーのように使用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて第1方向に開放させる第1回転軸と、前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて前記第1方向と異なる第2方向に移動させて開放させる第2回転軸と、前記第1回転軸と第2回転軸とを収納するとともに、入力部を収納する第3筐体と、を備え、前記第1筐体と第2筐体を前記第1方向に開放させた場合は、前記第3筐体が前記第2筐体とともに移動し、前記第1筐体と第2筐体を前記第2方向に開放させた場合には、前記第3筐体が前記第1筐体とともに移動する筐体構造を特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筐体構造であって、前記第1方向は縦方向で、前記第2方向は横方向であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体を前記横方向に開放させた場合には、前記第2筐体だけを回転させて前記第3筐体は前記第1筐体側に重ねて折り畳んだ状態のままとすることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記入力部は撮影部であることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の筐体構造であって、前記第1筐体に操作部を備えて、前記第2筐体に表示部を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1回転軸及び第2回転軸は前記第3筐体のフレームに組み付けられ、前記第1回転軸に一体の第1取付部材は前記第1筐体に組み付けられて、前記第2回転軸に一体の第2取付部材は前記第2筐体に組み付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の筐体構造であって、前記第1回転軸は前記フレームの左右に一対備えられることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1筐体内に一端を固定されて前記第3筐体内に他端が固定される第1配線を前記第1回転軸の中空部内に通し、前記第1筐体内に一端を固定されて前記第2筐体内に他端が固定される第2配線を前記第1回転軸の中空部内に通して前記第2回転軸の中空部内に通したことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1回転軸及び第2回転軸の一方の回転軸の回転に対応して他方の回転軸の回転を規制する規制部を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1筐体と第2筐体及び第3筐体とを開閉する際の衝撃を緩衝する緩衝材を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の筐体構造であって、前記第1筐体に対し第2筐体及び第3筐体を縦方向に開放した際の前記緩衝材が前記第3筐体に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第2筐体の第3筐体側の端部に発光部を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の筐体構造であって、前記発光部の近傍にロゴピースを設け、このロゴピースの下側にLED光源を配置し、このLED光源から前記発光部まで光を導く導光部材を設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項5から13のいずれか一項に記載の筐体構造であって、前記第1筐体の第3筐体と反対側で前記操作部の近傍に発光部を設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の筐体構造であって、前記操作部のキーの近傍の下側にLED光源を配置し、このLED光源から前記発光部まで光を導く導光部材を設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項1から15のいずれか一項に記載の筐体構造を備える携帯機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、必要に応じムービーのように使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話の折り畳み状態を示した斜視図である。
【図2】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図3】図1の携帯電話を横方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図4】図1の携帯電話のムービースタイル状態を示した斜視図である。
【図5】図1の折り畳み状態でのヒンジユニットを示した図である。
【図6】図1の折り畳み状態での配線の仕方を示した図である。
【図7】図5のヒンジユニットと図6の配線を組み合わせた拡大斜視図である。
【図8】図7のヒンジユニットの折り畳み状態に対応した斜視図である。
【図9】図8のヒンジユニットの規制部の拡大図である。
【図10】図8のヒンジユニットの規制部を反対側から見た図である。
【図11】図10の規制部の規制解除時を示した拡大図である。
【図12】図10の規制部の規制作動時を示した拡大図である。
【図13】図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見た拡大図である。
【図14】図13の第3筐体及びバンパーの分解斜視図である。
【図15】図14のバンパー組み付け部の側面に組み込まれるスイッチ等の分解斜視図である。
【図16】図2の縦方向開放状態での画面とカメラの方向を示した図である。
【図17】図16と反対側から見た図である。
【図18】図16と反対側でバンパー部も示した図である。
【図19】図18のバンパー部の拡大図である。
【図20】図13の第1筐体側にバンパーを設ける例を示した図である。
【図21】図8のヒンジユニットの縦方向開放状態に対応した図である。
【図22】図21の規制部の拡大図である。
【図23】図3の横方向開放状態でのブックスタイルを示した図である。
【図24】図8のヒンジユニットのブックスタイルに対応した図である。
【図25】図24の規制部の拡大図である。
【図26】図4のムービースタイルでの画面とカメラの方向を示した図である。
【図27】図26の上方向から見た平面図である。
【図28】図26のムービースタイルでの反対側から見た持ち方を示した図である。
【図29】図8のヒンジユニットのムービースタイルに対応した図である。
【図30】図29の規制部の拡大図である。
【図31】図1の折り畳み状態の着信ランプ及びロゴピースを示した図である。
【図32】図31の矢印C−C線に沿った拡大断面図である。
【図33】図32の導光ピースの光の道筋を示した図である。
【図34】図31の着信ランプ及びロゴピースの照光共有例を示した図である。
【図35】図31の着信ランプ及びケース前面の照光共有例を示した図である。
【図36】図31の着信ランプ及びフラッシュライトの照光共有例を示した図である。
【図37】図2の通常オープンスタイルの充電ランプを示した図である。
【図38】図37の矢印D−D線に沿った拡大断面図である。
【図39】図38の導光ピースの光の道筋を示した図である。
【図40】図37の導光ピース及びその近傍の照光共有例を示した図である。
【図41】変形例の携帯電話を示すもので、ムービースタイル状態を示した斜視図である。
【図42】図41のムービースタイルでのハイアングル状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1から図4は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を示したもので、1は第1筐体、2は第2筐体、3は第3筐体、4は操作部、5は表示部、6はアンテナ、7は入力部(撮影部)、8は照明部である。
【0025】
携帯電話は、図示のように、第1筐体1と第2筐体2と第3筐体3は後述する2軸ヒンジユニット10を介して結合されている。第1筐体1には操作部4が設けられ、第2筐体2には表示部5及びアンテナ6が設けられ、第3筐体3には入力部としてのムービー撮影用の撮影部7及び照明部8が設けられている。
【0026】
図5及び図8は第3筐体3の内部に組み込まれる2軸ヒンジユニット10を示したもので、11は第1回転軸、12は第2回転軸、13は第3筐体3のフレーム、21は第1取付部材、22は第2取付部材である。
【0027】
2軸ヒンジユニット10は、図示のように、左右一対の第1回転軸11と、右側の第2回転軸12と、中央の第3筐体3のフレーム13と、第1回転軸11の各々に設けた左右一対の第1取付部材21と、第2回転軸12に設けた第2取付部材22とから構成される。
【0028】
すなわち、第1回転軸11は、軸線を左右方向に向けた中空状のもので、フレーム13の左右両側面にネジ止め固定したブラケット14の下部に軸受部材を介して各々回転自在に一体化されている。この第1回転軸11には、その軸線に対し直交方向に延びて第1筐体1の内部にネジ止め固定されるアーム状の第1取付部材21が各々圧入嵌合して一体化されている。この第1取付部材21の回転角度は、第1回転軸11の軸受部材との係合構造により約180度等に制限される。なお、図示左側の第1回転軸11は、90度等の所定角度に対応するクリック感が得られる軸受部材15を介してフレーム13に組み付けられている。
【0029】
そして、第2回転軸12は、軸線を前後方向に向けた中空状のもので、フレーム13の図示右側面のブラケット14の上部に一体に形成した突出部16に軸受部材を介して回転自在に一体化されている。この第2回転軸12には、その軸線に対し直交方向に延びて第2筐体2の内部にネジ止め固定されるアーム状の第2取付部材22が圧入嵌合して一体化されている。この第2取付部材22の回転角度は、第2回転軸12の外周に形成された溝12aに突出部16に設けられた係合片16aが係合することで制限される。
【0030】
図6は第1配線31及び第2配線32を示し、図7は2軸ヒンジユニット10と第1配線31及び第2配線32を組み合わせた図である。
【0031】
すなわち、第1配線31は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ31aを一端に備えて第3筐体3内の基板に接続されるコネクタ31cを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通されている。
【0032】
そして、第2配線32は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ32aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続されるコネクタ32bを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0033】
また、第1筐体1内の基板に接続される端子33aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続される端子33bを他端に備えるアンテナ線33も、第2配線32と同様に、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0034】
図9は2軸ヒンジユニット10の規制部を拡大したもので、図10は図8の2軸ヒンジユニット10の規制部を反対側から見た図であり、17は規制プレート、18はピン、19はカムである。
【0035】
図示のように、規制プレート17は、ブラケット14の上部で突出部16の側面に、第2回転軸12と平行するピン18により揺動可能に組み付けられたベルクランク状のものである。この規制プレート17、その下端部が第1回転軸11の端部外周に形成したカム19に当接して、側方端部が第2回転軸12の端部外周に形成したカム29に当接している。
【0036】
第1回転軸11の端部外周のカム19は、図11及び図12にも示すように、第1回転軸11の半周強に形成した小径部19aと、同じく半周弱に形成した大径部19bと、その大径部19bの中間部に形成した切り欠き部19cとから構成されている。
【0037】
第2回転軸12の端部外周のカム29は、第2回転軸12の端部外周に形成した凹凸部により構成されている。
【0038】
規制プレート17は、その側方端部が第2回転軸12の端部外周の凹凸部によるカム29に当接している間は、図11に示すように、下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19から側方に離間して、第1回転軸11の回転を許容する。
【0039】
また、規制プレート17は、側方端部が第2回転軸12の端部外周に当接している間であって、下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の小径部19aと大径部19bとの段差部に突き当たっている状態と、図12に示すように、切り欠き部19cに嵌まり込んだ状態では、第1回転軸11の回転を規制する。
【0040】
図13は図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見て拡大したもので、第3筐体3は下ケース34及び上ケース35から構成されていて、上ケース35より幅狭の下ケース34は第1筐体1の端部に形成した凹所1aに位置している。この下ケース34と第1筐体1の凹所1aの両側に位置する突出部1bとの間に第1回転軸11が貫通して、これにより、第3筐体3は第1筐体1に対し第1回転軸11を中心に縦方向に開閉可能である。
【0041】
また、図示のように、折り畳み状態において、上ケース35は第2筐体2の延長上に位置している。この上ケース35と第2筐体2との一側部の間に第2回転軸12が貫通して、これにより、第2筐体2は第3筐体3に対し一側部の第2回転軸12を中心に横方向に開閉可能である。
【0042】
そして、下ケース34の上部左右には、図14に示すように、上ケース35の開放部を閉じる突出部34aが形成されており、この突出部34aの下面にゴム等の柔らかい材質の緩衝材によるバンパー23が設けられている。なお、下ケース34の側面には第1回転軸11が突出する穴34bが形成されている。また、バンパー23は、突出部34aに形成された貫通穴34cの目隠しも兼ねている。
【0043】
さらに、下ケース34の突出部34aと上ケース35の側面との間に、ロック解除ボタン24が組み付けられている。このロック解除ボタン24は、図15に示すように、突出部34aの上にスライド自在に組み付けられるロック爪25と係合している。このロック爪25は、コイルバネ26により第3筐体3の端面から突出する方向に付勢されて、第2筐体2の端面に形成された凹部(不図示)に係合する。なお、前記貫通穴34cは、コイルバネ26を組み込むためのスリット34dを、下ケース34の樹脂成形時に下金型に設けた突起部により形成するために残るものである。
【0044】
先ず、図1及び図13は第1筐体1上に第1筐体2及び第3筐体3を重ねて折り畳んだ状態を示したもので、図8はその折り畳み状態に対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22は同一方向に平行に向いている。
【0045】
このとき、規制プレート17は、その側方端部が第2回転軸12の端部外周の凹凸部によるカム29に当接して、図9に示すように、下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bから側方に離間していて、第1回転軸11の回転は許容される。また、第2回転軸12の回転も許容される。
【0046】
次に、図2及び図16から図18は第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開放した通常オープンスタイルを示したもので、図16及び図17において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図21はその通常オープンスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13に対し第1取付部材21と第2取付部材22が互いに反対方向に向いている。
【0047】
このとき、規制プレート17は、図22に示すように、その下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bから側方に離間していて、図10に示したように、側方端部が第2回転軸12の端部外周の凹凸部によるカム29に当接していることから、第2回転軸12の回転は規制される。
【0048】
以上の通常オープンスタイルにおいて、第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開く際に、図19に拡大して示したように、バンパー23は、第1筐体1の突出部1bの背面に当接して衝撃を緩衝する。
このように、通常オープンスタイルで緩衝するバンパー23は、デザイン性を考慮し、折り畳み状態において第3筐体3の内側面に設けられて外観から見えない位置に配置されており、且つ、第3筐体3の下ケース34の突出部34aにある、成形金型の構造上必要ない貫通穴34cの目隠しも兼用している。
【0049】
なお、図20に示すように、第1筐体1の突出部1bの背面にバンパー(緩衝材)27を設けてもよい。このバンパー27は、携帯電話を縦方向に開く際に第3筐体3に当接して衝撃を緩衝したり、携帯電話を机等に置く際に衝撃を緩衝するもので、さらに、第1筐体1を構成する下ケース及び上ケースを合体固定するネジを隠すネジ隠しも兼用する。
【0050】
次に、図3及び図23は第1筐体1及び第3筐体3に対し第2筐体2を、第2回転軸12を中心に横方向に開放して表示部5を横長としたブックスタイルを示したもので、図24はそのブックスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第1取付部材21に対し第2取付部材22が一側方に向いている。
【0051】
このとき、規制プレート17は、その側方端部が第2回転軸12の端部外周に当接していて、図25に示すように、下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の小径部19aと大径部19bとの段差部に当接していることから、第1回転軸11の回転は規制される。
【0052】
次に、図4及び図26から図28は第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に90度回転して表示部5を横長としたムービースタイルを示したもので、図26及び図27において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図29はそのムービースタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第2取付部材22に対し第1取付部材21が直角方向に向いている。
【0053】
このとき、規制プレート17は、図30に示すように、その下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bの切り欠き部19cから離間していることから、第2回転軸12の回転は許容される。従って、第3筐体3に対し第2筐体2の表示部5の角度が変化できる。
【0054】
そして、ムービースタイル時においては、図26から図28に示すように、第1筐体1の上面で第3筐体3に近い部分に設けたシャッターキー41及びズームキー42と、同じく第1筐体1の内側面で操作部4の上側に並んだサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49が使用される。
【0055】
なお、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分には、その旨印刷表示されている。
【0056】
また、第1筐体1の内側面で操作部4の前後には上下方向に沿ってバンパー51・52が設けられている。このバンパー51・52は、第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を折り畳む際の衝撃を緩衝するもので、さらに、第1筐体1を構成する下ケース及び上ケースを合体固定するネジを隠すネジ隠しも兼用する。
【0057】
以上のムービースタイルにおいて、図28に仮想線で示したように、親指をバンパー51に沿わせて、ズームキー42に人差し指を、さらにシャッターキー41に中指をそれぞれ沿わせて右手で持つことができ、すなわち、右手で持ち易いグリップ感を具備したムービースタイルを実現できる。この場合、第3筐体3に近い側のバンパー51の表面には、親指に対し滑り止めとして機能するシボ加工が施されている。
【0058】
なお、第1筐体1のホワイトバランスキー48の上方に離間した部分にマイク穴53が設けられている。また、第2筐体2の表示部5と反対側の前面部の上部には左右一対のマイク穴54が設けられている。
【0059】
次に、以上のムービースタイル時において、撮像部7を有する第3筐体3に対し表示部5を有する第2筐体2を、上部の第2回転軸12を中心に向こう側に回転すると、表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルでムービー撮影時のファインダーとして見ることができる。また、第2筐体2を手前側に若干回転すると、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルでファインダーとして見ることができる。
【0060】
そして、第2筐体2を第3筐体3に対し上部の第2回転軸12を中心に手前側に回転すると、図12に示すように、規制プレート17の下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bの切り欠き部19cに入り込む。これにより、第1回転軸11の回転が規制される。
【0061】
以上において、ブックスタイル時には、図3及び図23に示したように、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分に設けられる印刷表示は第2筐体2により覆われて見辛くなっている。このため、その表示部5の下部に沿ってサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49に対応した表示がなされる。
【0062】
また、折り畳み状態では、図8に示したように、2軸ヒンジユニット10のフレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22が同一方向に平行に向いており、第1筐体1と第2筐体2に対するネジ止め部が上下に位置するため、初期の重ねた際の両筐体1・2のズレを、組立工程の最後にチューニング(あるいはリペア)しやすいように工夫がなされている。
【0063】
次に、図31は図1の折り畳み状態の着信ランプ55及びロゴピース56を示したもので、第2筐体2には、折り畳み状態で上面に位置する着信ランプ55と図示では長円形に略したロゴピース56が設けられている。
【0064】
図32は図31の矢印C−C線に沿った拡大断面を示したもので、着信ランプ55は第2筐体2の上ケース端部に設けるカバー57との間にスリット状に形成される。すなわち、遮光部材によるロゴピース56の下方に3色LED光源58が配置され、この3色LED光源58の近傍からカバー57の下方にかけて導光ピース59が配置されている。この導光ピース59の上ケース端部とカバー57との間に形成されるスリットに位置する部分が着信ランプ55となる。
【0065】
図33は図32の導光ピース59の光の道筋を示したもので、着信時に3色LED光源58の発光は導光ピース59を通り着信ランプ55として外部に視認性良く照光される。
【0066】
図34は図31の着信ランプ55及びロゴピース56の照光共有例を示したもので、ロゴピース56を透光部材により形成することで、着信時に着信ランプ55とともにロゴピース56も視認性良く照光できる。
【0067】
図35は図31の着信ランプ55及びケース前面の照光共有例を示したもので、上ケースの前面部を透光部材により形成することで、着信時に着信ランプ55とともに上ケース前面部も視認性良く照光できる。
【0068】
図36は図31の着信ランプ55及びフラッシュライト61の照光共有例を示したもので、カバー57の中央に着信ランプ55と隣接してLED光源によるフラッシュライト61を設けることで、着信時に着信ランプ55の照光と撮影部7のフラッシュライト61も視認性良く発光でき、また、フラッシュライト61の発光時に着信ランプも視認性良く照光できる。
【0069】
次に、図37は図2の通常オープンスタイルの充電ランプ62を示したもので、図示のように、第1筐体1には、秒撮キー49の近傍の上ケースに充電ランプ62が設けられている。
【0070】
図38は図37の矢印D−D線に沿った拡大断面を示したもので、第1筐体1の秒撮キー49の近傍部内に3色LED光源63が配置され、この3色LED光源63の近傍から上方及び側方にかけて導光ピース64が配置されている。すなわち、この導光ピース64の上ケース上面及び側面に形成されるスリットに位置する部分が充電ランプ62となる。
【0071】
図39は図38の導光ピース64の光の道筋を示したもので、充電時に3色LED光源63の発光は導光ピース64を通り充電ランプ62として外部に視認性良く照光され、また、特殊キーである秒撮キー49の使用時も充電ランプ62が外部に視認性良く照光される。これにより、秒撮キー49が使用中であることが報知される。
【0072】
また、充電ランプ62と秒撮キー49の照光を共用してもよく、そうすれば、充電時に充電ランプ62とともに秒撮キー49も視認性良く発光でき、また、秒撮キー49の使用時に充電ランプ62とともに秒撮キー49も視認性良く発光できる。
【0073】
図40は図37の導光ピース64及びその近傍の照光共有例を示したもので、上ケースの充電ランプ62の近傍部を透光部材により形成することで、充電時及び秒撮キー49の使用時に充電ランプ62及びその近傍部を視認性良く発光できる。
【0074】
以上、実施形態の携帯電話によれば、操作部4を有する第1筐体1と表示部5を有する第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて縦方向に開放させる第1回転軸11と、同様に横方向に開放させる第2回転軸12とを、撮影部7とともに第3筐体3に収納した筐体構造で、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放させた場合は、第3筐体3が第2筐体2とともに移動し、また、横方向に開放させた場合には、第3筐体3が第1筐体1とともに移動する構成としたことで、必要に応じムービースタイルにして、表示部5の画面を横長で見ながら撮影部7でムービー撮影することができる。
【0075】
さらに、ムービースタイル時において、撮影部7を有する第3筐体3に対し表示部5を有する第2筐体2を、中央部の第2回転軸12を中心に回転して、ムービー撮影時のファインダーとしての表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルとしたり、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルとすることもできる。
【0076】
また、2軸ヒンジユニット10は、第1回転軸11及び第2回転軸12が第3筐体3のフレーム13に組み付けられ、第1回転軸11に一体の第1取付部材21が第1筐体1に組み付けられて、第2回転軸12に一体の第2取付部材22が第2筐体2に組み付けられる構成なので、強度的に優れている。
【0077】
そして、第1筐体1内に一端を固定されて第3筐体3内に他端が固定される第1配線31を第1回転軸11の中空部内に通して、第1筐体1内に一端を固定されて第2筐体2内に他端が固定される第2配線32を第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通すことで、3つの筐体内の配線をすることができる。
【0078】
また、第2筐体2の第3筐体3側の端部に着信ランプ55を設けるとともに、その着信ランプ55の近傍に設けたロゴピース56の下側に3色LED光源58を配置し、この3色LED光源58から着信ランプ55まで光を導く導光ピース59を設けることで、着信時に3色LED光源58からの発光で着信ランプ55を視認性良く照光できる。
【0079】
また、第1筐体1の第3筐体3と反対側で操作部4の秒撮キー49の近傍に充電ランプ62を設けて、秒撮キー49の近傍の下側に3色LED光源63を配置し、この3色LED光源63から充電ランプ62まで光を導く導光ピース64を設けることで、特殊な秒撮キー49の使用時に3色LED光源63からの発光で充電ランプ62を視認性良く照光できる。
【0080】
(変形例)
図41及び図42は変形例を示したもので、2軸ヒンジユニット10について、前述した実施形態では、第2回転軸12を一側部に設けたが、この変形例では、図示のように、第2回転軸12を中央部に設けて、操作部4を有する第1筐体1に対し第1回転軸11を中心に直角に撮影部7を向けた第3筐体3に対して、表示部5を有する第2筐体2を中央部の第2回転軸12を中心に回転自在としたものである。
【0081】
このような第2回転軸12を中央部に設けた2軸ヒンジユニット10としても、図示のように、前述した実施形態と同様のムービースタイルにすることができて、さらに、モニターとしての表示部5の向きをハイアングルやローアングルとすることができる。
【0082】
(他の変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などで、カメラを有するもの全ての機器に用いることができる。
また、第3筐体の入力部は撮影部以外にタッチキー、指紋認証部、その他の入力装置であってもよい。
また、筐体の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
1 第1筐体
2 第2筐体
3 第3筐体
4 操作部
5 表示部
6 アンテナ
7 入力部(撮影部)
8 照明部
10 2軸ヒンジユニット
11 第1回転軸
12 第2回転軸
13 フレーム
14 ブラケット
15 軸受部材
16 突出部
17 規制プレート
18 ピン
19 カム
21 第1取付部材
22 第2取付部材
23 緩衝材
24 ロック解除ボタン
25 ロック爪
26 バネ
27 緩衝材
29 カム
31 第1配線
32 第2配線
33 アンテナ線
34 下ケース
35 上ケース
41 シャッターキー
42 ズームキー
43 サブメニューキー
44 画面表示切替キー
45 A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー
46 顔ピタON/OFFキー
47 逆光補正キー
48 ホワイトバランスキー
49 秒撮キー
51 バンパー
52 バンパー
53 マイク穴
54 マイク穴
55 着信ランプ
56 ロゴピース
57 カバー
58 LED光源
59 導光ピース
61 フラッシュライト
62 充電ランプ
63 LED光源
64 導光ピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて第1方向に開放させる第1回転軸と、
前記第1筐体と第2筐体とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて前記第1方向と異なる第2方向に開放させる第2回転軸と、
前記第1回転軸と第2回転軸とを収納するとともに、入力部を収納する第3筐体と、を備え、
前記第1筐体と第2筐体を前記第1方向に開放させた場合は、前記第3筐体が前記第2筐体とともに移動し、
前記第1筐体と第2筐体を前記第2方向に開放させた場合には、前記第3筐体が前記第1筐体とともに移動することを特徴とする筐体構造。
【請求項2】
前記第1方向は縦方向で、前記第2方向は横方向であることを特徴とする請求項1に記載の筐体構造。
【請求項3】
前記第1筐体と第2筐体を前記横方向に開放させた場合には、前記第2筐体だけを回転させて前記第3筐体は前記第1筐体側に重ねて折り畳んだ状態のままとすることを特徴とする請求項2に記載の筐体構造。
【請求項4】
前記入力部は撮影部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項5】
前記第1筐体に操作部を備えて、前記第2筐体に表示部を備えることを特徴とする請求項4に記載の筐体構造。
【請求項6】
前記第1回転軸及び第2回転軸は前記第3筐体のフレームに組み付けられ、
前記第1回転軸に一体の第1取付部材は前記第1筐体に組み付けられて、
前記第2回転軸に一体の第2取付部材は前記第2筐体に組み付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項7】
前記第1回転軸は前記フレームの左右に一対備えられることを特徴とする請求項6に記載の筐体構造。
【請求項8】
前記第1筐体内に一端を固定されて前記第3筐体内に他端が固定される第1配線を前記第1回転軸の中空部内に通し、
前記第1筐体内に一端を固定されて前記第2筐体内に他端が固定される第2配線を前記第1回転軸の中空部内に通して前記第2回転軸の中空部内に通したことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項9】
前記第1回転軸及び第2回転軸の一方の回転軸の回転に対応して他方の回転軸の回転を規制する規制部を設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項10】
前記第1筐体と第2筐体及び第3筐体とを開閉する際の衝撃を緩衝する緩衝材を設けたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項11】
前記第1筐体に対し第2筐体及び第3筐体を縦方向に開放した際の前記緩衝材を前記第3筐体に設けたことを特徴とする請求項10に記載の筐体構造。
【請求項12】
前記第2筐体の第3筐体側の端部に発光部を設けたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項13】
前記発光部の近傍にロゴピースを設け、このロゴピースの下側にLED光源を配置し、このLED光源から前記発光部まで光を導く導光部材を設けたことを特徴とする請求項12に記載の筐体構造。
【請求項14】
前記第1筐体の第3筐体と反対側で前記操作部の近傍に発光部を設けたことを特徴とする請求項5から13のいずれか一項に記載の筐体構造。
【請求項15】
前記操作部のキーの近傍の下側にLED光源を配置し、このLED光源から前記発光部まで光を導く導光部材を設けたことを特徴とする請求項14に記載の筐体構造。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の筐体構造を備えることを特徴とする携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−258943(P2010−258943A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108967(P2009−108967)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】