説明

携帯電話の通話抑制を行う無線ICタグ

【課題】ICチップ内に携帯電話の通話を検知する回路及び携帯電話器への妨害電波を発生する回路を内蔵した無線ICタグを提供すること。
【解決手段】ICタグは1〜2m周囲内の検出範囲に有る携帯電話から発信される電磁波を受信して起電力を発生するアンテナ100と通話を検出する101、通話を検出した101は妨害電波の発生指令を妨害電波発生回路102に送り、指令を受けた妨害電波発生回路102は携帯電話帯域での妨害電波を作成し送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の通信機能を抑制する無線ICタグに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における携帯電話の著しい普及に伴い、携帯電話の使用が不都合な空間内での携帯電話の使用が問題になってきている。
携帯電話の利用者に注意を呼びかけて自主的な通話禁止等を促す場合が多いが、携帯電話の使用を望む利用者の各種の事情を加えて単純な不注意等の理由もあり。携帯電話利用者の全てに確実に通話を禁止させることを行わせるには困難である場合が多い。
【0003】
このような事情に鑑み、特定の空間内で携帯電話での通話による音声を検出し表示や音声で警告する、又は強制的に携帯電話の通信を抑制する装置など各種の技術が開発されているが、そのような技術の一つとして、図3に示すよう携帯電話システムの基地局300から移動局301に対して送信される電波に対して携帯電話抑制装置302がつねに広範囲に妨害電波を発信してバリア網を形成することにより、携帯電話の受信機のポーリングを妨げ通信を遮断する技術が存在している。この場合には緊急時の連絡も受けられないことから不都合な問題があります。
【特許文献1】特開2006−128945
【0004】
他では、人為的に携帯電話の通話を抑制する機器、例えば図4に示すように、他の人404がスイッチを操作する事で2〜3mの範囲で移動局302に対して妨害電波を発信しその影響で通話を抑制するようにしたものが存在する。
同様な方法でも自動車内で携帯電話の使用を抑制する装置では自動車の走行を検出し、それにより妨害電波を車内に送信するなども存在する。
【特許文献2】特開2008−136083
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこのような機器システムでは特定の空間内に意図的又は強制的に携帯電話の通話を抑制する装置であり、通話をしていない場合でもつねに妨害電波が発信され、人体への影響を無視できない問題があります。
【0006】
広範囲にバリア網を形成する装置では、無線免許を必要とするものも有り導入コストが高い、又維持管理も必要となることから導入に踏み切れない問題が有る。
【0007】
小範囲で無線免許を必要としないものでも特定の使用場所を対象に製作された機器で用途が限られるなどの問題が有る。
【0008】
迷惑な携帯電話の通話に対して意図的な操作で妨害電波を送信し通話抑制を行う機器では、それを使用する事情や理由が必要です、又操作者を特定できないため安易な使用による社会的な問題が発生する恐れがあります。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この改善案として、RFIDの研究開発が進んできた事もあり無線ICタグは安く製造されるようになってきております、一部ではICカードなどにも応用され、さらに今後研究開発が進む分野と考えられます。
本発明では、無線ICに携帯電話用の妨害電波発信器を内蔵したことを特徴とし、携帯電話の通話抑制に低価格で利用範囲の広い技術として提供します。
【発明の効果】
【0010】
よって、本発明では、無線ICに携帯電話の妨害電波発信器を内蔵した無線ICタグ提供し、携帯電話の通話を検出した後に妨害電波を発生させることにより携帯電話の通話抑制を行う事を特徴としています。着信などは許可される、通常は電気を使用しない、安く提供できる、維持管理が不要などの利点を有し、しかも応用範囲が広く携帯電話の通話抑制の効果を得られるものです。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための動作形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図2は本発明を適用した実施形態に係る携帯電話の通話抑制方法を表した図である。
【0013】
図2−1が示すよう、通常では基地局200と携帯電話201はポーリングにより位置情報取得や送信電力制御が短時間の通信で行われています。そのため通話されていない状態では無線ICタグ202では電磁波による起電力は小さく通話状態を検出しない、静止状態となっています。
【0014】
図2−2に示すよう、無線タグの検出範囲内で通話が開始されると基地局200と携帯電話201は連続的な通信状態となります。そのため無線ICタグでは電磁波による起電力が大きくなり通話状態を検出します。
【0015】
図2−3に示すよう、通話を検出すると携帯電話201への妨害電波を発信し基地局200と携帯電話201の通信を妨害することで接続を切断します。通話が切断されると元の静止状態図2−1に戻ります。
よって、携帯電話による通話は成立しないという抑制効果を与えることが可能になります。
【産業上の利用可能性】
【0016】
携帯電話の通話が不快感を与える空間又は障害や問題を与える空間に有効とおもわれる。抑制応用として公共機関の乗り物、あるいは学校などの公共施設、ATMからの振り込み詐欺への防止など幅広い利用が可能です。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の無線ICタグのブロック図である
【図2】図1に示す無線ICタグを使用した一実施形態における動作説明図である。
【図3】従来の携帯電話の通話抑制システムである一つの方式を示す図である。
【図4】従来の携帯電話の通話抑制を行う別の方式を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
100 アンテナ
101 通話検出部
102 妨害電波発生部
103 電磁波
200 基地局
201 移動局
202 無線ICタグ
300 基地局
301 移動局
302 携帯抑制装置
400 基地局
401 移動局
402 携帯抑制装置
403 人間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板と、前記支持基板の一面に形成されたアンテナと、前記支持基板に搭載されたICチップとを備えた無線ICタグであって、
前記ICチップに携帯電話からの電磁波による通話状態を検出する内部回路を組み込んだことを特徴とする無線ICタグ。
【請求項2】
支持基板と、前記支持基板の一面に形成されたアンテナと、前記支持基板に搭載されたICチップとを備えた無線ICタグであって、
前記ICチップに携帯電話周波数帯域での妨害電波を送信する抑止回路を組み込んだことを特徴とする無線ICタグ。
【請求項3】
通信にてデータの送受信を行わないことを特徴とする無線ICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−147846(P2010−147846A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323355(P2008−323355)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(708001978)有限会社テンライズテクノ (1)
【Fターム(参考)】