説明

携帯電話システム及び通信履歴情報の通知方法

【課題】 複数の携帯電話機の履歴情報を一元管理できる携帯電話システム及び通信履歴情報の通知方法を提供する。
【解決手段】 通信終了後における各携帯電話機の通信履歴を更新し、その携帯電話機が、あらかじめID番号別に設定した主回線・副回線の関係を満たすかどうかを判定する。その携帯電話機が副回線対応の電話機であれば、通信履歴の更新が行われる度に、その通信履歴情報を主回線対応の携帯電話機宛てに電子メールで通知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信履歴を携帯電話機に通知する携帯電話システム及び通信履歴情報の通知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機の急速な普及に伴ない、有線方式の固定電話機にも増して、携帯電話機を使用した通話、あるいは情報の送受信が増大している。現行の携帯電話システムを使用した場合、通信・通話料金や着信等に関する履歴情報は、各携帯電話機が、例えば、その電話機のメモリ内にそれぞれ格納した情報により、あるいは、ユーザに対する料金請求時に携帯電話会社から月々、送られてくる料金明細書等によって知ることができる。
【0003】着信履歴を知るための技術として、例えば、特開2001−45137号公報には、ユーザが自宅に設置した親機にデータ入力して、着信情報の着信履歴を知ったり、あるいは、その着信履歴を消去する親子電話機が開示されている。また、特開2000−224645号公報は、移動局が、自己の移動履歴を親局へ無線送信し、親局が管理装置からの要求に応じて移動局の移動履歴を管理装置へ送信して、管理装置によって移動局の最新の移動履歴を選択することで、ユーザが、最新の移動履歴に関する情報を知ることができる無線通信システムを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の親子電話機は、所有者の必要に応じて着信情報の着信履歴を再生、あるいは消去可能にするものであり、上記従来の無線通信システムは、移動する端末(無線LANシステムの移動ステーション)の位置検出や移動追跡等を目的としている。そして、これら従来の技術は、いずれも発信や通信料金等に関する履歴情報を扱わない。
【0005】さらには、従来の通信システムは、同一のユーザが、電話会社と複数回線(複数の携帯電話機)の使用契約を結び、かつ、これらの携帯電話機各々が別々の人間によって管理されているような場合、それぞれの携帯電話機の履歴情報を一元管理することは困難である、という問題がある。
【0006】また、従来の通信システムでは、料金の支払い時に、一定期間(例えば、1ヵ月)の履歴情報が電話会社から通知されるため、ユーザにとっては、携帯電話機を使用してから、それに対する実際の情報入手まで時間を要するという問題もある。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、複数の携帯電話機各々が別々の人間によって管理されているような場合でも、それぞれの携帯電話機の履歴情報を一元管理できる携帯電話システム及び通信履歴情報の通知方法を提供することを目的としている。
【0008】また、この発明は、ユーザが通信履歴情報を迅速に入手できる携帯電話システム及び通信履歴情報の通知方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、特定のグループに属する携帯電話機を含む複数の携帯電話機が無線通信網を介して通信をする携帯電話システムであって、あらかじめ上記特定のグループに属する携帯電話機各々に第1の回線属性あるいは第2の回線属性を割り当てる手段と、通信終了後における上記複数の携帯電話機の通信履歴情報を格納する手段と、上記通信終了後の携帯電話機の回線属性を判定する手段と、上記通信終了後の携帯電話機が、上記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であれば、該第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報を、上記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知する通知手段とを備えることを特徴としている。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯電話システムに係り、上記通知手段は、上記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の上記通信履歴情報が更新される度に上記通知を行うことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載の携帯電話システムに係り、上記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の上記通信履歴情報は、電子メールの形態で、上記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ送信されることを特徴としている。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1記載の携帯電話システムに係り、さらに、上記通知の通知条件について閾値を登録する手段を備え、上記通知手段は、上記登録した通知条件が上記閾値を超えた場合に上記通信履歴情報の通知を行うことを特徴としている。
【0013】請求項9記載の発明は、複数の携帯電話機が通信網を介して通信をする携帯電話システムにおける通信履歴情報の通知方法であって、契約者からの要求により、上記複数の携帯電話機のうち、特定のグループに属する携帯電話機に対して、あらかじめ第1の回線属性あるいは第2の回線属性を割り当てるステップと、通信終了後における上記複数の携帯電話機の通信履歴情報を格納するステップと、上記通信終了後の携帯電話機の回線属性を判定するステップと、上記判定の結果、上記通信終了後の携帯電話機が、上記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であれば、上記格納された通信履歴情報のうち、該第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報を、上記通信網を介して、上記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知するステップとを備えることを特徴としている。
【0014】さらには、請求項10記載の発明は、請求項9記載の通信履歴情報の通知方法に係り、上記通知ステップは、上記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の上記通信履歴情報が更新される度に上記通知を行うことを特徴としている。
【0015】また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の通信履歴情報の通知方法に係り、さらに、上記通知の通知条件について閾値を登録するステップを備え、上記通知ステップは、上記登録した通知条件が上記閾値を超えた場合に上記通信履歴情報の通知を行うことを特徴としている。
【0016】請求項15記載の発明は、請求項14記載の通信履歴情報の通知方法に係り、同一の契約者が上記特定のグループに属する携帯電話機全ての使用契約を電話会社と締結しており、該契約者は、上記電話会社から該契約者の介在なしに、上記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ送られてくる上記通信履歴情報をもとに、上記特定のグループに属する携帯電話機全ての利用状況を把握することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]図1は、この発明の第1の実施の形態に係る携帯電話システムの構成を示すブロック図である。同図に示す携帯電話システムは、電話会社と契約した複数の携帯電話機11,21,31,41,51が、無線通信網71を介して、携帯電話システム61に接続される構成を有する。そして、各携帯電話機は、無線通信網71を通して携帯電話システム61にアクセスし、携帯電話システム61、あるいは他の携帯電話機と通信を行う。これらの携帯電話機各々には、電話会社によって、登録識別番号としてID番号(01,…,n−1,n)がふられている。なお、以降において、説明を分かりやすくするため、上記のID番号に対応する各携帯電話機を適宜、A,B,C,…,N−1,Nと呼ぶ。
【0018】図1の携帯電話システム61は、通信関係の情報を管理するための装置であり、その情報は、携帯電話機情報として携帯電話機情報格納部64に登録されている。さらに、携帯電話システム61は、携帯電話会社が所有する全ての携帯電話機に関して、課金情報等の管理を行うための通信履歴格納部62と、通信状況に応じて、所定の携帯電話機に電子メールの送信を行うためのメール制御部63を有する。
【0019】各携帯電話機A,B,C,…,N−1,Nは、その携帯電話機に関する情報、例えば、通信料金や着信履歴等からなる通信履歴情報を格納するための通信情報格納部12,22,32,42,52を有する。この実施の形態では、携帯電話機A,B,C,…,N−1,Nのうち、携帯電話機A,B,Cは、同一の者が契約している電話機であり、そのID番号別に主回線(ID:01)・副回線(ID:02,ID:03)の関係が、携帯電話機情報として携帯電話機情報格納部64に登録されている。なお、主回線とは、契約した複数の携帯電話機全てについての履歴情報を受信して、一元的に管理する携帯電話機に対応する回線である。
【0020】図2は、第1の実施の形態に係る携帯電話システム61の通信履歴格納部62に格納された通信履歴の詳細を示している。同図に示すように、通信履歴格納部62内の通信履歴は、ID番号別に各携帯電話機の着信情報(例えば、通信年月日、通信時間等からなる)と、発信情報(例えば、通信年月日、通信時間、通信料金等からなる)とから構成される。
【0021】次に、この第1の実施の形態に係る携帯電話システムの動作を説明する。図3〜図5は、この実施の形態に係る携帯電話システムに登録されている携帯電話機間の通信シーケンスを示している。ここでは、通信終了後、その通信に関与した携帯電話機が、上述した主回線・副回線の関係にあるかどうかに応じて、以下のように、通信履歴情報の異なった取り扱いをしている。
【0022】図3は、携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51とが通信を行う場合の動作シーケンスを示している。同図のシーケンスSQ31では、携帯電話システム61を介して、携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51と間の通信が確立し、その通信が終了すると、続くシーケンスSQ32において、通信履歴の更新が行われる。すなわち、通信終了後、その通信履歴が、通信に関与した携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51各々の内臓された通信情報格納部22,52に保存される。同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62は、これらの携帯電話機に関する通信情報(通信履歴)を格納し、管理する。
【0023】シーケンスSQ33では、携帯電話システム61は、回線チェックとして、携帯電話機情報格納部64の登録内容に基づいて、シーケンスSQ31で通信を行った携帯電話機が主回線・副回線の関係にあるかどうかを判断する。ここでは、上述のように、ID番号01を有する携帯電話機(A)11が主回線に対応し、ID番号02を持つ携帯電話機(B)21、及びID番号が03の携帯電話機(C)31が副回線に対応している。そのため、このシーケンスSQ33において、メール制御部63に対して、通信を行った携帯電話機(B)21が副回線側である旨の通知がなされる。
【0024】このように、携帯電話機情報格納部64から回線チェック結果を受けたメール制御部63は、シーケンスSQ34において、携帯電話機(B)21に関する通信履歴情報を、主回線に対応した携帯電話機(A)11宛てに電子メールの形態で送信する。この電子メールが、図3のシーケンスSQ34に記載した「メール送信((B)履歴情報)」である。
【0025】図4は、携帯電話機(B)21と携帯電話機(C)31が通信を行う場合の動作シーケンスである。同図のシーケンスSQ41で、携帯電話システム61を介して、携帯電話機(B)21と携帯電話機(C)31間の通信が確立する。通信終了後、シーケンスSQ42において、通信履歴の更新処理が行われる。この処理は、上述した携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51間の通信の場合と同様、通信終了後、その通信履歴が、通信に関与した携帯電話機(B)21と携帯電話機(C)31各々が内臓する通信情報格納部22,32に保存される。これと同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62は、これらの携帯電話機(携帯電話機(B)、携帯電話機(C))に関する通信情報(通信履歴)を格納し、管理する。
【0026】シーケンスSQ43において、携帯電話システム61が回線チェックを行う。つまり、あらかじめ携帯電話機情報格納部64に登録された内容をもとに、シーケンスSQ41で通信を行った携帯電話機が、主回線・副回線の関係にあるかどうかが判断される。
【0027】上述のように、ID番号01を有する携帯電話機(A)11が主回線に対応し、ID番号02を持つ携帯電話機(B)21、及びID番号が03の携帯電話機(C)31が副回線に対応しているため、シーケンスSQ43では、メール制御部63に対して、通信を行った携帯電話機(B)21、及び携帯電話機(C)31の両方が副回線対応である旨の通知がなされる。
【0028】携帯電話機情報格納部64から、このような回線チェック結果を受けたメール制御部63は、シーケンスSQ44において、主回線に対応した携帯電話機(A)11に宛てて、携帯電話機(B)21、及び携帯電話機(C)31に関する通信履歴情報を電子メールの形態で送信する。なお、この電子メールが、図4のシーケンスSQ44に記載した「メール送信((B),(C)履歴情報)」である。
【0029】図5は、携帯電話機(N−1)41と携帯電話機(N)51とが通信を行う場合の動作シーケンスを示している。同図のシーケンスSQ51において、携帯電話システム61を介した携帯電話機(N−1)41と携帯電話機(N)51間の通信が確立し、その通信が終了すると、次のシーケンスSQ52において、通信履歴の更新が行われる。
【0030】ここでも、上述した携帯電話機(N)51と携帯電話機(B)21間等における通信の場合と同様、通信終了後、その通信履歴が、通信に関与した携帯電話機(N−1)41と携帯電話機(N)51各々に内臓された通信情報格納部42,52に保存される。これと同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62は、これらの携帯電話機(携帯電話機(N−1)、携帯電話機(N))に関する通信情報(通信履歴)を格納し、管理する。
【0031】シーケンスSQ53では、携帯電話システム61による回線チェックが行われる。この回線チェックは、携帯電話機情報格納部64への登録内容をもとに、シーケンスSQ51で通信を行った携帯電話機が主回線・副回線の関係にあるかどうかを判断する処理である。ID番号01を有する携帯電話機(A)11が主回線に対応し、ID番号02を持つ携帯電話機(B)21、及びID番号が03の携帯電話機(C)31が副回線に対応していることは、図5に示す動作シーケンスの場合も同じである。
【0032】しかし、図5に示す動作シーケンスでは、上述した2つの通信シーケンス(図3、及び図4)の場合とは異なり、通信に関与した2つの携帯電話機(携帯電話機(N−1)41、携帯電話機(N)51)の双方とも、副回線に対応していない。そのため、このシーケンスSQ53において、メール制御部63に対して、通信をした携帯電話機が副回線である旨の通知が行われない。よって、この場合、メール制御部63から、主回線に対応した携帯電話機(A)11宛てには、図5に示すように、通信履歴情報についての電子メールの送信はない。
【0033】次に、この第1の実施の形態に係る携帯電話システムにおける履歴情報の処理手順を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。携帯電話システム61(図1参照)を介して、携帯電話機相互の通信が確立し、その通信が終了すると(図6のステップS10でYES)、ステップS11において、これらの携帯電話機に関する通信履歴を更新する。具体的には、通信終了後、各携帯電話機の通信履歴(例えば、通信時間、通信料金、相手電話番号、通信サービスの種類等)は、その通信を行った携帯電話機各々に内臓された通信情報格納部22,52に保存され、同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62に、これらの携帯電話機に関する通信情報(通信履歴)が格納される。
【0034】ステップS12では、携帯電話システム61によって回線チェックが行われる。この回線チェックは、上述したように、あらかじめ携帯電話機情報格納部64に登録された内容をもとに、通信を行った携帯電話機が主回線・副回線の関係にあるかどうかを判断する処理である。そして、通信に関与した携帯電話機が、主回線・副回線の関係にあるかどうかに応じて、以下のように処理する。
【0035】回線チェックの結果、通信を行った携帯電話機が主回線に対応していたり(図1に示す構成では、ID番号01を持つ携帯電話機(A)11)、ID番号02あるいは03を持つ、副回線に対応する携帯電話機(携帯電話機(B)21、携帯電話機(C)31)であれば、ステップS13に進んで、メール制御部63に対して、通信を行った携帯電話機が主回線・副回線対応である旨の通知を行う。
【0036】回線チェック結果を受けたメール制御部63は、続くステップS14において、主回線・副回線に対応した携帯電話機に関する通信履歴情報を、主回線に対応した携帯電話機宛てに、電子メールで送信する。しかし、ステップS12で、通信を行った携帯電話機が主回線あるいは副回線のいずれにも対応していないと判断されれば(図6の「非副回線」)、通信履歴の電子メール送信処理を行わずに、この履歴情報処理を終了する。
【0037】このように、第1の実施の形態によれば、通信終了後における各携帯電話機の通信履歴を更新し、その携帯電話機が副回線に対応していれば、その更新が行われる度に、通信履歴情報を主回線対応の携帯電話機宛てに電子メールで通知することで、同一人が、主回線・副回線関係にある複数の携帯電話機の使用契約を電話会社と締結していて、実際の携帯電話機の使用者が異なっていたり、あるいは、主回線・副回線対応の複数の携帯電話機が異なる場所で使用されたり、使用距離が遠く離れている場合であっても、主回線側の携帯電話機において副回線側の携帯電話機の使用状況、通信履歴等を即座に把握でき、結果として、使用契約を結んだ複数の携帯電話機の一元的な管理が可能となる。
【0038】さらには、副回線に対応した携帯電話機の通信履歴情報が、その情報の更新の度に主回線側の携帯電話機に通知されるため、複数の携帯電話機の使用契約を締結したユーザは、ユーザ自身が意識せずとも、また、何らの情報要求をしなくても、確実に個々の電話機に関する新たな使用状況等を入手できる。
【0039】[第2の実施の形態]次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、この第2の実施の形態に係る携帯電話システムの動作を示すシーケンス図である。同図において、図3〜図5に示す、上記第1の実施の形態に係る携帯電話システムの動作シーケンス図と同一構成部分には同一符号を付してある。また、この第2の実施の形態に係る携帯電話システムも、図1に示す、上記第1の実施の形態に係る携帯電話システムと同じ構成を有するため、ここでは、その図示及び説明を省略する。
【0040】なお、この第2の実施の形態に係る携帯電話システムに登録されている携帯電話機間の通信シーケンスにおいても、第1の実施の形態と同様、通信に関与した携帯電話機が主回線・副回線の関係にあるかどうかに応じて、通信履歴情報の異なった取り扱いを行う。
【0041】この第2の実施の形態に係る携帯電話システムでは、そのシステムに、各副回線側での通信に関する所定の閾値を設定しておく。そして、副回線側の携帯電話機において、この閾値を超える状況が発生した場合にのみ、主回線に対応する携帯電話機へ電子メールによる通知がなされるよう、あらかじめ登録しておく。通信に関する所定の閾値は、通知条件について閾値であり、通話(通信)時間(例えば、20分以上)、通話(通信)量としての通話(通信)回数(例えば、10回以上)等が考えられる。
【0042】図7に示すシーケンスSQ71で、携帯電話システム61を介して、携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51間の通信が確立し、それが終了すると、続くシーケンスSQ72において、通信履歴の更新が行われる。具体的には、通信終了後、その通信履歴が、通信に関与した携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51各々に内臓された通信情報格納部22,52に保存される。それと同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62は、これらの携帯電話機に関する通信情報(通信履歴)を格納し、管理する。
【0043】通信履歴の更新後、シーケンスSQ73において、回線・閾値チェックを行う。このチェックは、上記のシーケンスSQ71で通信を行った携帯電話機が、主回線・副回線の関係にあるかどうか、そして、その携帯電話機に通知すべき情報量が、上記の設定した閾値を超えているかどうかを判定する処理である。この処理は、携帯電話システム61が、通信履歴格納部62、及び携帯電話機情報格納部64に格納された情報をもとに行う。
【0044】回線・閾値チェックの結果、シーケンスSQ71で通信を行った携帯電話機(B)21が副回線に対応しており、かつ、それに通知すべき情報量が、設定した閾値を超えていれば、例えば、図3に示すように、携帯電話機(B)21に関する通信履歴情報が、主回線に対応した携帯電話機(A)11宛てに電子メールの形態で送信される。
【0045】しかし、携帯電話機(B)21が副回線に対応していても、通知すべき情報量が、設定した閾値を超えていない場合には、図7に示すように、メール制御部63へは、通信に関与した携帯電話機(B)21が副回線側である旨の通知が行われない。従って、主回線に対応した携帯電話機(A)11宛てにも、通信履歴情報についての電子メールの送信はない。
【0046】このように、通知すべき情報量が設定閾値を超えていないとき、主回線側の携帯電話機へ電子メールを送信しないのは、副回線に対応した携帯電話機の履歴情報が頻繁に更新されたり、あるいは、契約している副回線の数が多くなった場合に、主回線側の携帯電話機へ送る1回分の通知量がわずかであっても、全体としての通知量や頻度が膨大なものとなることが予想されるからである。
【0047】図8は、この第2の実施の形態に係る携帯電話システムにおける履歴情報の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、第2の実施の形態に係る携帯電話システムでは、最初のステップS20で、主回線対応の携帯電話機に通知すべき、副回線側の携帯電話機に関する情報量についての閾値を設定する。そして、携帯電話システム61を介した携帯電話機相互の通信が終了すると(ステップS21でYES)、これらの携帯電話機に関する通信履歴を更新する(ステップS22)。
【0048】具体的には、通信終了後、各携帯電話機の通信履歴(例えば、通信時間、通信料金、相手電話番号、通信サービスの種類等)は、その通信を行った携帯電話機各々に内臓された通信情報格納部(ここでは、携帯電話機(B)21と携帯電話機(N)51各々の通信情報格納部22,52)に保存され、同時に、携帯電話システム61内の通信履歴格納部62に、これらの携帯電話機に関する通信情報(通信履歴)が格納される。
【0049】ステップS23では、携帯電話システム61による回線チェックが行われ、あらかじめ携帯電話機情報格納部64に登録した内容をもとに、通信を行った携帯電話機が主回線・副回線の関係にあるかどうかを判断する。ここでは、通話を行った携帯電話機のうち、携帯電話機(B)21が副回線に対応している。そのため、ステップS23における回線チェック後、処理はステップS24に進み、携帯電話機に通知すべき情報量が、ステップS20で設定した閾値を超えているかどうかを判定する。
【0050】携帯電話機(B)21へ通知すべき情報量が、設定閾値を超えていれば、ステップS25において、メール制御部63に対して、通信を行った携帯電話機が主回線・副回線対応である旨の通知を行う。そして、回線チェック結果を受けたメール制御部63は、続くステップS26において、主回線・副回線に対応した携帯電話機(ここでは、携帯電話機(B)21)に関する通信履歴情報を、主回線に対応した携帯電話機宛てに、電子メールで送信する。
【0051】しかし、ステップS23において、通信を行った携帯電話機が主回線あるいは副回線のいずれにも対応していないと判断されたり(図中の「非副回線」)、あるいは、ステップS24で、携帯電話機(B)21へ通知すべき情報量が閾値を超えていないと判断された場合には、通信履歴の電子メール送信処理を行わずに、この履歴情報処理を終了する。
【0052】このように、第2の実施の形態によれば、副回線側の携帯電話機の通信に関して所定の閾値を設定しておき、その携帯電話機への情報通知量が閾値を超えた場合にのみ、主回線に対応する携帯電話機へ電子メールによる通知が行われるようにする。つまり、何分以上の通話(通信)のみを主回線側の携帯電話機通知したり、何回以上発生した通話(通信)のみを通知するというように、通知条件を絞り込んで携帯電話システムに登録することで、主回線側の携帯電話機へ通知される、副回線側の携帯電話機に関する履歴情報の通知量を制限することができる。
【0053】なお、この発明の具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲における種々の設計変更等も、この発明に含まれる。例えば、上記第1及び第2のいずれの実施の形態に係る携帯電話システムも、主回線・副回線に対応した携帯電話機に関して通知すべき通信履歴情報を、その都度、あるいは、ある閾値を越えたとき、全情報を一括して主回線側の携帯電話機へ電子メールで送信しているが、かかる通信履歴情報を適当なデータ量に分割して送るようにしてもよい。あるいは、送るべき情報量が所定値よりも多い場合にのみ、分割送信するようにしてもよい。
【0054】また、主回線対応の携帯電話機が話中であったり、回線故障等のために、更新された通信履歴情報を主回線対応の携帯電話機に電子メール送信できないときには、所定時間の経過後に再送するか、回線の空きや復旧を待って、次に情報送信する時間を、主回線対応の携帯電話機へ通知するようにしてもよい。これによって、ユーザ(契約者)に対する情報提供の円滑さを維持でき、適正なタイミングで情報が送られて来ないといった契約者の不安感を取り除くこともできる。
【0055】さらには、通知すべき通信履歴情報が発生した場合、発生の都度、情報そのものは送らず、通知すべき情報が発生した旨を主回線側の携帯電話機へ電子メールで通知し、その通知を受けた主回線側の携帯電話機のユーザが、即座に、あるいは自己の都合の良いときに、その通信履歴情報を携帯電話システムからダウンロードできる構成にしてもよい。このようにしても、上記各実施の形態と同様、電話会社と契約した複数の携帯電話機に関する履歴情報を迅速、かつ確実に把握できる。
【0056】さらにまた、通知すべき通信履歴情報を、あらかじめ契約者が電話会社との間で決めた時間帯に、携帯電話システムから主回線対応の携帯電話機へ電子メールで通知するようにしてもよい。このような構成にすることで、履歴情報の更新タイミングに完全に同期させた情報入手は困難になっても、通知を受ける契約者の都合に合わせた時間に履歴情報が送られてくるため、例えば、その時間帯には、携帯電話機の使用を控えることで、円滑な情報転送が可能になる。
【0057】なお、上記第1及び第2のいずれの実施の形態に係る携帯電話システムにおいても、無線通信網71を広義のインターネットと考えてもよい。この場合、主回線対応の携帯電話機へ、インターネット経由で電子メールが送信される。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成によれば、あらかじめ特定のグループに属する携帯電話機各々に第1の回線属性あるいは第2の回線属性を割り当て、通信終了後の携帯電話機が、第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であれば、その携帯電話機の通信履歴情報を、第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知することで、第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機によって、第2の回線属性が割り当てられた複数の携帯電話機を一元的に管理できる。
【0059】また、第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報が更新される度に第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知を行うことで、かかる携帯電話機の使用状況、通信履歴等を即座に把握できる。
【0060】さらには、第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報を電子メールの形態で、第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ送信するので、履歴情報の扱いが簡単になり、その内容が把握しやすくなる。
【0061】また、通信履歴情報を通知する通知条件についての閾値を登録し、登録した通知条件が閾値を超えた場合に通信履歴情報の通知を行うことで、第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機に対して、第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機に関する履歴情報の通知量を制限できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る携帯電話システムを示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る携帯電話システムの通信履歴格納部に格納された通信履歴の詳細を示す図である。
【図3】主回線・副回線の関係にある携帯電話機と、主回線・副回線の関係にない携帯電話機とが通信を行う場合の動作シーケンスを示す図である。
【図4】主回線・副回線の関係にある携帯電話機が相互に通信を行う場合の動作シーケンスを示す図である。
【図5】主回線・副回線の関係にない携帯電話機が相互に通信を行う場合の動作シーケンスを示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る携帯電話システムにおける履歴情報の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明の第2の実施の形態に係る携帯電話システムの動作を示すシーケンス図である。
【図8】第2の実施の形態に係る携帯電話システムにおける履歴情報の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11,21,31,41,51 携帯電話機
12,22,32,42,52 通信情報格納部
61 携帯電話システム
62 通信履歴格納部(格納する手段)
63 メール制御部(通知手段)
64 携帯電話機情報格納部(判定する手段、登録する手段)
71 無線通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】 特定のグループに属する携帯電話機を含む複数の携帯電話機が無線通信網を介して通信をする携帯電話システムであって、あらかじめ前記特定のグループに属する携帯電話機各々に第1の回線属性あるいは第2の回線属性を割り当てる手段と、通信終了後における前記複数の携帯電話機の通信履歴情報を格納する手段と、前記通信終了後の携帯電話機の回線属性を判定する手段と、前記判定の結果、前記通信終了後の携帯電話機が、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であれば、前記格納された通信履歴情報のうち、該第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報を、前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知する通知手段とを備えることを特徴とする携帯電話システム。
【請求項2】 前記通知手段は、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の前記通信履歴情報が更新される度に前記通知を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯電話システム。
【請求項3】 前記通信終了後の携帯電話機の前記通信履歴情報は、さらに、該通信終了後の携帯電話機内に格納されることを特徴とする請求項1記載の携帯電話システム。
【請求項4】 前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の前記通信履歴情報は、電子メールの形態で、前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ送信されることを特徴とする請求項2記載の携帯電話システム。
【請求項5】 前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機、及び前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機全てに対して同一の契約者が使用契約を締結しており、該契約者が、前記第1の回線属性が割り当てられている携帯電話機の使用者であることを特徴とする請求項4記載の携帯電話システム。
【請求項6】 前記特定のグループに属する複数の携帯電話機の1つに前記第1の回線属性が割り当てられ、該第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機以外の携帯電話機に前記第2の回線属性が割り当てられることを特徴とする請求項5記載の携帯電話システム。
【請求項7】 さらに、前記通知の通知条件について閾値を登録する手段を備え、前記通知手段は、前記登録した通知条件が前記閾値を超えた場合に前記通信履歴情報の通知を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯電話システム。
【請求項8】 前記通知条件には、少なくとも通信時間、及び通信回数が含まれることを特徴とする請求項7記載の携帯電話システム。
【請求項9】 複数の携帯電話機が通信網を介して通信をする携帯電話システムにおける通信履歴情報の通知方法であって、契約者からの要求により、前記複数の携帯電話機のうち、特定のグループに属する携帯電話機に対して、あらかじめ第1の回線属性あるいは第2の回線属性を割り当てるステップと、通信終了後における前記複数の携帯電話機の通信履歴情報を格納するステップと、前記通信終了後の携帯電話機の回線属性を判定するステップと、前記判定の結果、前記通信終了後の携帯電話機が、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であれば、前記格納された通信履歴情報のうち、該第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の通信履歴情報を、前記通信網を介して、前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知するステップとを備えることを特徴とする通信履歴情報の通知方法。
【請求項10】 前記通知ステップは、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の前記通信履歴情報が更新される度に前記通知を行うことを特徴とする請求項9記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項11】 さらに、前記通知の通知条件について閾値を登録するステップを備え、前記通知ステップは、前記登録した通知条件が前記閾値を超えた場合に前記通信履歴情報の通知を行うことを特徴とする請求項9記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項12】 前記通知条件には、少なくとも通信時間、及び通信回数が含まれることを特徴とする請求項11記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項13】 前記特定のグループに属する携帯電話機の1つに前記第1の回線属性が割り当てられ、該第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機以外の携帯電話機に前記第2の回線属性が割り当てられることを特徴とする請求項10又は12記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項14】 前記通信網はインターネットであり、前記通信履歴情報は、該インターネットを介して電子メールの形態で送信されることを特徴とする請求項13記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項15】 同一の契約者が前記特定のグループに属する全ての携帯電話機の使用契約を電話会社と締結しており、該契約者は、前記電話会社から該契約者の介在なしに、前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ送られてくる前記通信履歴情報をもとに、前記特定のグループに属する携帯電話機全ての利用状況を把握することを特徴とする請求項14記載の通信履歴情報の通知方法。
【請求項16】 特定のグループに属し、かつ、あらかじめ第1の回線属性あるいは第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機を含む複数の携帯電話機が、通信網を介して通信をする携帯電話システムにおける通信履歴情報の通知処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、通信終了後における前記複数の携帯電話機の通信履歴情報を格納する処理と、前記通信終了後の携帯電話機が、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機であるかどうかを判定する処理と、前記判定の結果に基づいて、前記第2の回線属性が割り当てられた携帯電話機の前記通信履歴情報を、前記通信網を介して、前記第1の回線属性が割り当てられた携帯電話機へ通知する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−125092(P2003−125092A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−314525(P2001−314525)
【出願日】平成13年10月11日(2001.10.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】