説明

携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータ

【課題】 携帯電話を用いたパーソナルコンピュータについて、最小限の構成により簡単に且つ廉価に構成することができる携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータを提供する。
【解決手段】 少なくとも送受信通信装置、CPU、メモリ、各種のソフトウェアーやデータを記憶する記憶装置、内部入力装置、外部入力インターフェイス、携帯内部出力装置、外部出力インターフェイスを有する携帯電話機と、携帯電話機の外部入力インターフェイスを介して内部入力装置に入力信号を入力可能な外部入力装置と、携帯電話機の外部出力インターフェイスから出力される内部出力装置からの出力信号により駆動する外部出力装置とを有することにより携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータを構成するものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどをパーソナルコンピュータを用いることなしに家庭で簡易に楽しむ端末装置として携帯電話機を用いたものが知られており、例えば特開平10−65773号公報、特開2001−189808号公報などに提示されている。
【0003】
前記公報に提示されている携帯電話機を用いた端末装置は例えば図4に示すように、携帯電話機1と、前記携帯電話を接続する端末器2と、前記端末器2に接続されるキーボードなどの外部入力装置3およびテレビ(表示画面)などの外部出力装置4を備えたものである。
【0004】
ところが、前記端末器2に内部メモリやプロセッサなどを備えたものであり、外部出力装置4として家庭用のテレビを用いた点を除くと、携帯電話機1を付加した点を除くとそのままパーソナルコンピュータとしての構造を有するものである。
【0005】
即ち、携帯電話機1は従来のパーソナルコンピュータのモデム部分の役目を果たすだけのものであり、家庭内(室内)で使用するのであれば固定電話によるモデムであっても何ら変わりがなく、費用的にも外部出力として既存のテレビを用いるだけであって特に廉価に提供できるものでもなく、いわゆるモバイルコンピュータのモバイル部分に携帯電話機1を用いたものである。
【特許文献1】特開平10−65773号公報
【特許文献2】特開2001−189808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記公報に提示されている携帯電話を用いたパーソナルコンピュータの改良にかかるものであり、特に、最小限の構成により簡単に且つ廉価に構成することができる携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、少なくとも送受信通信装置、CPU、メモリ、各種のソフトウェアーやデータを記憶する記憶装置、内部入力装置、外部入力インターフェイス、携帯内部出力装置、外部出力インターフェイスを有する携帯電話機と、前記携帯電話機の外部入力インターフェイスを介して前記内部入力装置に入力信号を入力可能な外部入力装置と、前記携帯電話機の外部出力インターフェイスから出力される前記内部出力装置からの出力信号により駆動する外部出力装置とを有することにより携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータを構成することにした。
【0008】
本発明によれば、携帯電話機を用いることによりきわめて簡単且つ安価に家庭用のパーソナルコンピュータを構成することができる。
【0009】
また、前記外部入力装置がキーボードであり、外部出力装置が少なくとも携帯電話機に備えた内部出力装置である表示画面よりも大型の表示画面である場合には、使い勝ってが良いことは勿論のこと、これらの機器を用いて携帯電話機を操作することもできる。
【0010】
更に、前記表示画面に前記外部出力装置に接続された音声出力装置が付設されている場合には、携帯電話機に備えられた外部出力装置から送信される音声信号を前記音声出力装置から発音させることができ、前記外部出力装置の1つがプリンタである場合には、携帯電話機に備えられた外部出力装置から送信される印刷信号に基づいて必要な情報を印刷することもできる。
【0011】
更にまた、前記外部入力装置からの入力信号が前記内部入力装置から入力されたものとして前記携帯電話のCPUに送られて処理され、前記内部出力装置や外部出力装置に出力される。
【0012】
加えて、前記外部入力装置または外部出力装置の少なくとも一方が無線方式であると更に便利であり、外部入力装置および外部出力装置が同一の記憶装置である場合には携帯電話機の内部記憶装置以外にもデータやプログラムソフトを記憶させておくこともでき、前記携帯電話の内部電源回路に接続される外部電源を有する場合には電源の心配をすることなく長時間の使用も可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯電話機を用いることにより、簡単に且つ少ない機器により安価で使い勝ってのよい高性能なパーソナルコンピュータを構成することができ、また、携帯電話機の機能の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態を表している概略図とブロック概略図であり、主として携帯電話機1と、携帯電話機1に端末器2を介して接続されるキーボードである外部入力装置3と、音声出力装置41を付設した表示画面(液晶モニタ)からなる外部出力装置4とからなる。
【0016】
尚、本実施の形態では、前記携帯電話機1を端末器2を介して外部入力装置3、外部出力装置4と接続する方式としたが、端末機2を用いずに携帯電話機1と外部入力装置3、外部出力装置4とを直接的に、有線または無線で接続する(図示せず)場合であってもよい。
【0017】
そして、携帯電話機1は、少なくとも以下の装置、機器などを内蔵するものであり、詳しくは、外部の通信網に接続してインターネット、メールなど各種の通信網に接続可能な送受信通信装置101、各種の装置や機器等を制御するためのCPU102、メモリ103、各種のソフトウェアーやデータを記憶する記憶装置104、およびキーボタンや音声入力器(図示せず)などの内部入力装置105、外部入力インターフェイス106、表示画面やスピーカーなどの内部出力装置107、外部出力インターフェイス108を有する。
【0018】
本実施の形態である携帯電話機1は通常の携帯電話機と同様に使用することができる。そして、パーソナルコンピュータとして使用する際には、携帯電話機1に形成された外部出力インターフェイス107および外部入力接続インターフェイス106を備えた差込端11をそれぞれ接続するインターフェイスを備えた端末器2の差込口21に差し込み、外部出力インターフェイス108に音声出力装置41を有する表示画面である外部出力装置4に接続され、外部入力接続インターフェイス106にキーボードである外部入力装置3にそれぞれ接続される。
【0019】
また、本実施の形態では、携帯電話機1の差込端11を端末器2の差込口21に差し込むだけで外部出力インターフェイス108に音声出力装置41を有する表示画面である外部出力装置4に接続され、外部入力接続インターフェイス106にキーボードである外部入力装置3にそれぞれ接続されるとともに、外部入力装置3および外部出力装置4とが携帯電話機1の内部入力装置105および内部出力装置107にそれぞれ接続してそれぞれの機器が使用可能なものであるが、携帯電話機1または端末器2の少なくとも一方に内部入力装置105および内部出力装置107と外部入力装置3および外部出力装置4との切替スイッチ(図示せず)を設けてそれぞれの一方が使用可能に選択するようにしても良い。
【0020】
このように、本実施の形態では、携帯電話機1の差込端11を端末器2の差込口21に差し込むだけで、携帯電話機1の送受信通信装置101、各種の装置や機器等を制御するためのCPU102、メモリ103、各種のソフトウェアーやデータを記憶する記憶装置104と、キーボードである外部入力装置3と、音声出力装置41を有する表示画面である外部出力装置4とからパーソナルコンピュータが構成される。
【0021】
従って、本実施の形態に示した装置や機能を有する携帯電話機1を所有していれば、後は、キーボードである外部入力装置3と、音声出力装置41を有する表示画面である外部出力装置4を備えておくだけでパーソナルコンピュータが構成されるので、経済的に優れているばかりか、携帯電話機1に備えた使用勝手の悪い小型のキーボタンである内部入力装置105および小型の表示装置である内部出力装置107に代わって大型で使い勝手のよい外部入力装置3および外部出力装置4を用いることができる。
【0022】
また、外部入力装置3および外部出力装置4を用いて携帯電話機1に内蔵してある送受信通信装置101を駆動させて、インターネット、メール、通話などを行い、携帯電話機1の記憶装置104に記憶させてあるソフトウェアやデータを活用することもできる。
【0023】
尚、本実施の形態は一例を示すものであってこれに限るものではなく、例えば図4に示すように、外部入力装置3および外部出力装置4および各種のインターフェイスなどの必要な装置(図示せず)を端末器2に収容したノート型のパソコンのように配置して更に接続機能と設置並びに保管性の向上を図った実施の形態のように他の形式であっても良いことはいうまでもない。
【0024】
また、本実施の形態では、外部入力装置3としてキーボードを用いたが例えば画面入力装置、音声入力装置など他の外部入力装置を用い、外部出力装置4として表示画面を用いたが例えばプリンタなど従来パーソナルコンピュータに用いられる各種の装置を用いることができ、その際に、外部出力インターフェイス108、外部入力接続インターフェイス106としてUSB接続方式とすれば、例えばDVD機器やスキャナ、ゲーム用コントローラなどの他のパーソナルコンピュータに用いる装置と兼用が可能である。
【0025】
更に、図1および図2に示すように、端末器2に携帯電話機1に内蔵しているバッテリ5の充電装置6を併有させておくことにより端末器2に携帯電話機1を差し込み設置するだけで充電が行えるばかりかパーソナルコンピュータとして使用する際の長時間に亘る電源を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る概略図。
【図2】図1に示した実施の形態におけるブロック概略図。
【図3】本発明の異なる実施の形態に係る概略図。
【図4】従来例の概略図。
【符号の説明】
【0027】
1 携帯電話機、2 端末器、3 外部入力装置、4 外部出力装置、101 送受信通信装置、102 CPU、103 メモリ、104 記憶装置、105 内部入力装置、106 外部入力インターフェイス、107 内部出力装置、108 外部出力インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも送受信通信装置、CPU、メモリ、各種のソフトウェアーやデータを記憶する記憶装置、内部入力装置、外部入力インターフェイス、携帯内部出力装置、外部出力インターフェイスを有する携帯電話機と、前記携帯電話機の外部入力インターフェイスを介して前記内部入力装置に入力信号を入力可能な外部入力装置と、前記携帯電話機の外部出力インターフェイスから出力される前記内部出力装置からの出力信号により駆動する外部出力装置とを有することを特徴とする携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項2】
前記外部入力装置がキーボードであり、外部出力装置が少なくとも携帯電話機に備えた携帯内部出力装置である表示画面よりも大型の表示画面である請求項1記載の携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項3】
前記表示画面に前記外部出力装置に接続された音声出力装置が付設されている請求項2に記載の携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項4】
前記外部出力装置の1つがプリンタである請求項1,2または3に記載の携帯電話機を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項5】
前記外部入力装置からの入力信号が前記内部入力装置から入力されたものとして前記携帯電話のCPUに送られる請求項1,2,3または4に記載の携帯電話を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項6】
前記外部入力装置または外部出力装置の少なくとも一方が無線方式である請求項1,2,3,4または5に記載の携帯電話を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項7】
前記外部入力装置および外部出力装置が同一の記憶装置である請求項1,2,3,4,5または6に記載の携帯電話を用いたパーソナルコンピュータ。
【請求項8】
前記携帯電話の内部電源回路に接続される外部電源を有する請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の携帯電話を用いたパーソナルコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−130653(P2010−130653A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306688(P2008−306688)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(596079138)東日本メディコム株式会社 (19)
【Fターム(参考)】