説明

携帯電話

【課題】音声通話におけるスピーカ使用時の消費電力を低減することが可能な携帯電話を提供する。
【解決手段】本発明の携帯電話は、スピーカ等により構成される音声出力部と、音声データを含むデジタル信号を入力してアナログ信号に変換するDA変換部と、下り音声のアナログ信号を増幅するスピーカアンプと、各部に対して駆動電圧を印加する電源の制御を行う電源制御部とを備えている。さらに、DA変換部へ入力されるデジタル信号、またはDA変換部から出力されるアナログ信号に含まれる音声データの音量を検出する音量検出部を備えている。音量検出部は、下り音声の音量が閾値を下回るか否かを判定し、判定結果を示す音量情報を電源制御部へ与える。電源制御部は、下り音声の音量が閾値を下回る場合に、DA変換部やスピーカアンプの駆動を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関するものであり、特にスピーカによる音声出力時に消費電力制御を行う携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の性能の向上、特にその多機能化は著しく、携帯型のコンピュータに近い性能のものが実用化されている。携帯電話の中には、電話機能に加えて、インターネットアクセス機能や、ワンセグ放送を受信するテレビジョン受像機能が備えられているものがある。
【0003】
このような背景から、携帯電話の各機能が消費する電力の削減は、携帯電話の開発者にとって大きな課題の一つとなっている。この課題に対する一つの手段として、デジタル方式の携帯電話において、音声通話時の無音状態を活用する手段が提供されている。
【0004】
デジタル音声処理における有音/無音検出処理は、第三世代携帯電話の無線アクセス方式であるW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)において規格化されている。具体的には例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)よりTS26.094として発行されている。TS26.094に示されている処理は、上り音声のデータ圧縮にかかわる内容である。TS26.094を含む携帯電話における通話時のデータの流れについて、一例を図9に示す。
【0005】
まず音声の出力について記載する。無線部100からの音声符号データは、音声処理ブロック200にて、音声データを含むデジタル信号に変換される。具体的には例えば、音声符号データは、AMR等の音声符号として圧縮されており、音声処理ブロック200内の音声復号処理部230にてPCM(pulse code modulation)あるいはμ−Law等のデジタル信号に変換される。変換により得られたデジタル信号は、音声CODECブロック400内のDA(Digital-to-Analogue)変換/ゲイン調整部420でアナログ信号に変換される。
【0006】
このアナログ信号は、端末制御ブロック300の指示に従い音声出力デバイス700に応じた出力となる。音声出力デバイス700の一つであるスピーカに出力する場合には、より大きな音を出力するためにスピーカアンプ500を使用して増幅する場合がある。
【0007】
次に入力した音声の流れについて記載する。マイク等の音声入力デバイス600から入力されたアナログ信号は、音声CODECブロック400内のAD(Analogue-to-Digital)変換/ゲイン調整部410でPCMあるいはμ−Law等のデジタル信号に変換される。このデジタル信号は、音声処理ブロック200内の音声符号化処理部210にてAMR等の音声符号に圧縮され、無線処理部100により無線出力される。
【0008】
なお、TS26.094に関連し、音声処理ブロック200において、音声符号化部210の前段で、入力音声(=上り音声)の有音/無音判定をする無音検出部220を有する構成が一般的に用いられている。無音検出部220は無音を検出すると、無音時の送信データについて、その圧縮率を上昇させる。
【0009】
このように上り音声については、通信データの圧縮の目的もあり、音声の有音/無音を判定する処理が入っている。しかしながら、下り音声については、相手側からの符号データに基づいた復号処理のみであり、音声の有音/無音の判定は実施していない。また、通話(音声通話に限らず、TV電話等を含む)でスピーカを使用する際に、スピーカから音声が出力されているか否かにかかわらず、スピーカ駆動用の装置に電源供給がされている。つまり、通話中はスピーカ駆動が常時ONとなっている。
【0010】
以上に説明した構成以外においても、例えば特許文献1には、有音/無音検出処理を行うことにより、通信中に消費されるバッテリ電力を低減することを目的とした携帯電話が開示されている。この携帯電話は、所定の通信チャネルが他の通信チャネルに切り替えられた場合、記憶手段に記憶された設定状態を判定し、その判定結果に基づいて通信方式を制御する。これにより、無線制御の効率化を図っている。
【特許文献1】特開2002−353846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術に記載のとおり、携帯電話の有音/無音検出処理により、無線制御の効率化は一般的に実現されている。しかしながら従来技術では、上り音声、つまり送信側無線処理にかかわる消費電力低減にはつながるものの、下り側での消費電力低減への直接的な作用は得られない。
【0012】
W−CDMA等では、TV電話の規格があり、通話時にスピーカを音声出力手段として使用することも一般的になっている。例えば、FOMA(登録商標)のTV電話での連続使用時間の条件では、スピーカ使用時を条件としている。スピーカでは大きな音量を出力するために、消費する電力も大きい。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、音声通話におけるスピーカ使用時の消費電力を低減することが可能な携帯電話を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の携帯電話は、音声の出力を行う音声出力部と、音声データを含むデジタル信号を入力してアナログ信号に変換するDA(Digital-to-Analogue)変換部と、各部を駆動する電源の制御を行う電源制御部とを備えた携帯電話において、前記DA変換部へ入力されるデジタル信号、または前記DA変換部から出力されるアナログ信号に含まれる音声データの音量を検出し、前記音量が予め定められた閾値を下回るか否かを示す音量情報を生成し、前記音量情報を前記電源制御部へ与える音量検出部を備え、前記電源制御部が、前記音量情報に基づいて前記DA変換部の電源制御を行うことを特徴としている。
【0015】
この構成によると、スピーカ等により構成される音声出力部と、音声データを含むデジタル信号を入力してアナログ信号に変換するDA変換部と、DA変換部等に対して駆動電圧を印加する電源の制御を行う電源制御部とを備えている。さらに、DA変換部へ入力されるデジタル信号、またはDA変換部から出力されるアナログ信号に含まれる音声データ(以下、「下り音声」という)の音量を検出する音量検出部を備えている。音量検出部は、下り音声の音量が閾値を下回るか否かを判定し、判定結果を示す音量情報を電源制御部へ与える。これを受けた電源制御部は、判定結果に基づいてDA変換部の電源制御を行う。これにより、下り音声が消費する電力の低減を図ることができる。
【0016】
また上記目的を達成するために本発明の携帯電話は、前記DA変換部から前記音声出力部へ与えられるアナログ信号を増幅するスピーカアンプを備え、前記電源制御部が、前記音量情報に基づいて前記スピーカアンプの電源制御を行う。
【0017】
この構成によると、本発明の携帯電話は、下り音声のアナログ信号を増幅するスピーカアンプを備えている。電源制御部は、上述の音量情報に基づいてスピーカアンプの電源制御を行う。これにより、下り音声が消費する電力の低減を図ることができる。
【0018】
また上記目的を達成するために本発明の携帯電話は、前記電源制御部が、前記音量が前記閾値を下回ることが前記音量情報に示されている場合に、前記DA変換部及び前記スピーカアンプの両方または一方の駆動を停止するように電源制御を行う。
【0019】
この構成によると、電源制御部は、下り音声の音量が閾値を下回る場合に、DA変換部やスピーカアンプの駆動を停止する。これにより、下り音声が消費する電力の低減を図ることができる。
【0020】
また上記目的を達成するために本発明の携帯電話は、前記音量検出部が、前記音量が前記閾値を下回る時間を計測し、計測時間が予め定められた監視時間を超えた場合に前記音量情報を前記電源制御部へ与える。
【0021】
この構成によると、音量検出部は、下り音声の音量が閾値を下回る時間を計測し、計測時間が予め定められた監視時間を超えた場合に、音量情報を電源制御部へ与える。つまり音量の小さい時間が比較的短い場合は電源の駆動停止を行わない。このため、短時間の無音状態によりDA変換部や前記スピーカアンプの電源が停止され、通話が阻害されるということがない。
【0022】
また上記目的を達成するために本発明の携帯電話は、音声データを含むアナログ信号を入力してデジタル信号へ変換するAD(Analogue-to-Digital)変換部を備え、前記音量検出部が、前記AD変換部へ入力されるアナログ信号または前記AD変換部から出力されるデジタル信号に含まれる音声データの音量を監視し、該音量が予め定められた第二閾値を上回る場合に前記閾値の値を増加させ、上回らない場合に前記閾値を予め定められた初期値とする。
【0023】
この構成によると、本発明の携帯電話は、音声データを含むアナログ信号を入力してデジタル信号へ変換するAD変換部を備えている。音量検出部は、AD変換部へ入力されるアナログ信号またはAD変換部が出力するデジタル信号に含まれる音声(以下、「上り音声」という)の音量を監視し、上り音声の音量が第二閾値を上回る場合に、上述の閾値(=下り音声の音量判定に用いる閾値)の値を増加させる。上回らない場合は、閾値を所定の初期値に戻す。このように、上り音声が存在する場合において、下り音声にかかわる装置の駆動停止率を高めることにより、より効率的に消費電力の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の携帯電話によれば、音声通話やTV電話等のスピーカを用いる通話において、下り音声のために消費される電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の携帯電話について、図面を参照しつつ説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0026】
[実施の形態1]
〈1−1.携帯電話の装置構成について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る携帯電話1の装置構成を、図1を用いながら説明する。
【0027】
まず下り音声の処理について説明する。無線部100が無線信号を受信すると、復調を行って音声符号データとし、音声処理ブロック200に与える。これを受けた音声処理ブロック200内の音声復号処理部230が、PCMあるいはμ−Law等のデジタル信号に変換する。従来は上記デジタル信号がDA変換/ゲイン調整部420(=DA変換部)に直接与えられていたが、本実施形態ではその中間に無音検出部240(=音量検出部)が配置されている。
【0028】
無音検出部240は、音声復号処理部230より上記デジタル信号を受けて、有音/無音の判定を行う。そして判定結果を示す有音/無音情報(=音量情報)を、端末制御ブロック300内の音出力制御部310(=電源制御部)に与える。無音状態であることを示す有音/無音情報を受けた場合、音出力制御部310は音声CODECブロック400あるいはスピーカアンプ500に対して、電源制御を行う。
【0029】
なお上記デジタル信号は、無音検出部240を経由して、音声CODECブロック400のDA変換/ゲイン調整部420に与えられ、アナログ信号に変換される。このアナログ信号は、端末制御ブロック300の指示に従い音声出力デバイス700(=音声出力部)に応じた出力となる。
【0030】
上り音声の処理については、従来技術と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
なお、以上に説明した機能ブロック及び機能部は、一または複数の回路により実現される。あるいは、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより、上記の全部または一部の機能部が実現される形態でもよい。この場合、携帯電話1は、各機能部を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記録装置等を備える。
【0032】
〈1−2.電源制御処理について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電源制御処理を、図3のフロー図を用いながら説明する。なお本処理は、下り音声の無音検出結果を用いて電源制御を行うことを特徴としている。本処理は、携帯電話1の電源が起動しており、且つ無音検出部240が、音声データを含むデジタル信号を受信した場合に開始される。
【0033】
無音検出部240はステップS001において、移動平均あるいはフィルタ処理により、入力信号に含まれるノイズ成分を除去する。次に無音検出部240はステップS002において、入力した音声データの音声レベル(=音量)を確認し、所定の閾値との比較を実施する。
【0034】
比較の結果、音声レベルが閾値を上回る場合、無音検出部240はステップS003において、無音状態を示すフラグ(以下、「無音状態フラグ」という)とカウンタ(以下、「無音状態カウンタ」という)とを初期化する。なお無音状態フラグや無音状態カウンタは、例えば図示しないレジスタやフラッシュメモリ等の記録媒体に記録されている。
【0035】
無音状態フラグ及び無音状態カウンタが初期化されると、音出力制御部310はステップS004において、音声CODECブロック400やスピーカアンプ500を駆動する電源(不図示)を、初期状態(=ONの状態)に復帰させる。そしてステップS001に再び移行する。
【0036】
ステップS002に戻って説明を行うと、比較の結果、音声レベルが閾値を下回る場合、ステップS005に移行する。無音検出部240はステップS005において、既に無音状態が確定しているか否かの判定を行う。具体的には、無音状態フラグがONであれば無音状態が確定していると判定し、処理を行わず、ステップS001に移行する。無音状態フラグがOFFであれば、ステップS006に移行し、無音状態カウンタをカウントアップする。
【0037】
次に無音検出部240はステップS007において、無音状態カウンタの数値が、予め定められている設定値と一致するか否かを判定する。設定値と一致しない場合、無音状態ではないと判定し、処理は行わず、ステップS001に移行する。設定値と一致する場合、無音検出部240はステップS008において、無音状態と判定し、無音状態フラグをONにする。
【0038】
次に音出力制御部310はステップS009において、DA変換/ゲイン調整部420やスピーカアンプ500を駆動する電源をOFF状態にする。そしてステップS001に再び移行する。
【0039】
以上、電源制御処理について説明したが、時間と共に変化する音声レベルの状態と、スピーカアンプ500の電源制御との関係を、図5に示す。図5の横方向は時間軸である。図中の上側は時間ごとの音声レベル、下側はスピーカアンプ500の電源制御状態を示す。音声信号については、振幅で音声レベルを示している。振幅の大きいほど、音声レベルが大きいことを表している。
【0040】
スピーカアンプ500の制御信号については、ONとOFFの状態を示している。図中のwsは、ステップS002で用いられる、入力音声レベルの閾値を示している。また図中のtsは、ステップS007で用いられる無音状態カウンタが、カウントアップを繰り返すことにより設定値となるまでに要する時間を示している。
【0041】
図中t1で示す区間は、音声レベルがwsより小さい。このため、t1の開始からtsの長さだけ時間経過した時点で、スピーカアンプ500の制御をOFF、つまり駆動電源の停止を行う。この状態で音声レベルが閾値を超えたことを検知すると、スピーカアンプ500の制御をON、つまり駆動電源の稼働を行う。
【0042】
以上に説明した本実施形態によれば、下り音声の受信処理において、下り音声の音声レベルが所定値を下回る時間が所定時間を超過した場合に、DA変換/ゲイン調整部420やスピーカアンプ500を停止させる。これにより、下り音声の受信処理における消費電力の低減を図ることができる。
【0043】
[実施の形態2]
〈2−1.携帯電話の装置構成について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話1の装置構成を、図2を用いながら説明する。なお本実施形態は、上り音声の無音検出を用いて電源制御を行うことを特徴としている。
【0044】
図2に示すように、本実施形態の無音検出部220は、上り音声の有音/無音情報を、音声検出手段240に与える機能を備えている。その他の構成については、第一の実施形態の図1と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
〈2−2.電源制御処理について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係る電源制御処理を、図4のフロー図を用いながら説明する。本処理は、携帯電話1の電源が起動しており、且つ無音検出部240が、音声データを含むデジタル信号を受信した場合に開始される。
【0046】
無音検出部240はステップS100において、無音検出部220から与えられる有音/無音情報の内容確認を行う。有音/無音情報が有音を示す場合、無音検出部240はステップS101において、図3のステップS002で用いる閾値として、通常の閾値よりも高い値を持つ閾値(=第二閾値)を用いるよう、設定を行う。
【0047】
逆に有音/無音情報が無音を示す場合、無音検出部240はステップS102において、上述のステップS002で用いる閾値として、通常の閾値を用いるよう、設定を行う。ステップS101またはステップS102による設定が完了すると、図3のステップS001に移行する。なお閾値を含む設定情報は所定の記録媒体に記録され、ステップS002において無音検出部240が閾値を用いる際に、参照される。
【0048】
以上、第二の実施形態に係る電源制御処理について説明したが、時間と共に変化する音声レベルの状態と、スピーカアンプ500の制御との関係を、図6に示す。図6は図5と同様、横方向は時間軸である。図中の上側は時間ごとの音声レベル、下側はスピーカアンプ500の制御状態を示す。
【0049】
図5と比較して、上り音声がある状態を想定し、閾値wsを図5の場合より大きく設定している(=第二閾値)。そのため、図5では対象とならなかったt2で示す区間は、wsより音声レベルが小さいと判定される。この結果、t2の開始からtsの長さだけ経過した時点で、スピーカアンプ500の制御をOFF、つまり駆動電源の停止を行う。
【0050】
この状態で音声レベルが閾値を超えたことを検知すると、スピーカアンプ500の制御をON、つまり駆動電源の稼働を行う。なお図中のt1については、図5と同様の制御となるため、説明を省略する。また、上り音声がない状態では、閾値wsは図5での設定と同じ値となる。
【0051】
以上に説明した本実施形態によれば、送話する音声、つまり上り音声が存在する場合は、下り音声の無音判定の閾値を通常時よりも高く設定する。これにより、通常時はスピーカアンプ500により増幅して出力する音声レベルの音声でも、閾値を高くすることにより、出力されない確率を高めることができる。これは、ユーザが音声を送信している状態においては、比較的小さな音声レベルの下り音声は認識される確率が低いことを利用している。このように認識される確率の低い音声について、一部の機能部を停止させて出力しないことにより、消費電力の低減を図ることができる。
【0052】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0053】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)上記の実施形態では、スピーカアンプ500を備えているが、図7に示すようにスピーカアンプ500を備えない構成でもよい。この場合、音声CODECブロック400にて、音声データを含むアナログ信号の増幅を行う。
【0054】
(B)上記の実施形態では、音出力制御部310が端末制御ブロック300に含まれているが、これ以外の機能ブロックに含まれる形態でもよい。例えば図8に示すように、音出力制御部310と同等の機能を持つ音出力制御部260が、音声処理ブロック200に含まれる形態でもよい。
【0055】
(C)上記の実施形態では、有音/無音を検出するための機能部として、DA変換/ゲイン調整部420に入力されるデジタル信号の解析を行う無音検出部240を例に説明を行っているが、DA変換/ゲイン調整部420から出力されるアナログ信号の解析を行うことにより有音/無音を検出する無音検出部(不図示)を備える形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る電源制御処理を示すフロー図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る電源制御処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る無音検出とスピーカ制御の関係を示す模式図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係る無音検出とスピーカ制御の関係を示す模式図である。
【図7】本発明のその他の実施形態に係る携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明のその他の実施形態に係る携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図9】従来の携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
1 携帯電話
100 無線部
200 音声処理ブロック
210 音声符号化処理部
220 無音検出部
230 音声復号化処理部
240 無音検出部
260 音出力制御部
300 端末制御ブロック
310 音出力制御部
400 音声CODECブロック
410 AD変換/ゲイン調整部
420 DA変換/ゲイン調整部
500 スピーカアンプ
600 音声入力デバイス
700 音声出力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声の出力を行う音声出力部と、
音声データを含むデジタル信号を入力してアナログ信号に変換するDA(Digital-to-Analogue)変換部と、
各部を駆動する電源の制御を行う電源制御部と
を備えた携帯電話において、
前記DA変換部へ入力されるデジタル信号、または前記DA変換部から出力されるアナログ信号に含まれる音声データの音量を検出し、前記音量が予め定められた閾値を下回るか否かを示す音量情報を生成し、前記音量情報を前記電源制御部へ与える音量検出部を備え、
前記電源制御部が、前記音量情報に基づいて前記DA変換部の電源制御を行うこと
を特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記DA変換部から前記音声出力部へ与えられるアナログ信号を増幅するスピーカアンプを備え、
前記電源制御部が、前記音量情報に基づいて前記スピーカアンプの電源制御を行う、
請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
前記電源制御部が、前記音量が前記閾値を下回ることが前記音量情報に示されている場合に、前記DA変換部及び前記スピーカアンプの両方または一方の駆動を停止するように電源制御を行う、
請求項2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記音量検出部が、前記音量が前記閾値を下回る時間を計測し、計測時間が予め定められた監視時間を超えた場合に前記音量情報を前記電源制御部へ与える、
請求項1〜3のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項5】
音声データを含むアナログ信号を入力してデジタル信号へ変換するAD(Analogue-to-Digital)変換部を備え、
前記音量検出部が、前記AD変換部へ入力されるアナログ信号または前記AD変換部から出力されるデジタル信号に含まれる音声データの音量を監視し、該音量が予め定められた第二閾値を上回る場合に前記閾値の値を増加させ、上回らない場合に前記閾値を予め定められた初期値とする、
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−124287(P2010−124287A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296564(P2008−296564)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】