説明

摩擦条件の変動を補償する軌道車両のブレーキ装置

本発明は、車輪または車輪セットに割り当てられた少なくとも一つのブレーキアクチュエータ(2)を備える軌道車両のブレーキ装置(1)であって、前記ブレーキアクチュエータは、少なくとも一つのブレーキディスク(4)と、該ブレーキディスクと協働作用するブレーキパッド(6)を、制動要求に応じて制動力を形成するために有する形式のブレーキ装置に関する。本発明では、少なくとも一つのセンサ装置が設けられており、これによりブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられたブレーキディスク(4)とブレーキパッド(6)との間の摩擦条件の少なくとも一つの変動の時間経過を表すパラメータとして車輪回転速度、車輪周加速度、制動力、制動トルクまたは制動圧を測定し、測定されたパラメータに依存する信号によって制御装置が制御され、該制御装置は、ブレーキアクチュエータ(2)によって形成された制動力を、測定されたパラメータの時間経過と該パラメータの目標の時間経過または予想される時間経過との偏差に依存して適合するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、車輪または車輪セットに割り当てられた少なくとも一つのブレーキアクチュエータを備え、該アクチュエータは少なくとも一つのブレーキディスクおよび該ブレーキディスクと共同作用するブレーキパッドを、制動要求に応じて制動力を形成するために含む軌道車両のブレーキ装置、ならびに請求項4の上位概念によるこのようなブレーキ装置の制御方法から出発する。
【背景技術】
【0002】
上位概念によるブレーキ装置および上位概念による方法は、たとえば特許文献1から公知である。このようなブレーキ装置では、車輪または車輪セット同士間の摩擦条件またはブレーキディスクと割り当てられたブレーキパッドとの間の摩擦条件が、天候、環境温度、磨耗状態および負荷プロフィールに応じて部分的に格別に変動する。さらにこの摩擦条件は、軌道車両にわたって、または軌道車両からなる列車にわたっても一定ではない。摩擦条件が、形成可能または伝達可能な制動力に及ぼす影響を制限するために、とりわけブレーキパッドでは、形状維持性または大きさ維持性、材料組成、剛性等に関して非常に狭い公差が規定されているが、このことは対応して高いコストに結び付く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE10245207C1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、ブレーキパッドの製造コストおよび保守コストが掛からないブレーキパッドおよび冒頭に述べた形式のブレーキパッドの制御方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明により、請求項1および請求項4の特徴的構成によって解決される。
【0006】
本発明では少なくとも一つのセンサ装置が設けられており、これによりブレーキアクチュエータに割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキアクチュエータに割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の少なくとも一つの変動の時間経過を表すパラメータ、たとえば車輪回転速度、車輪周加速度、制動力、制動トルクまたは制動圧を測定し、測定されたパラメータに依存する信号によって制御装置を制御し、該制御装置は、ブレーキアクチュエータによって形成された制動力を、測定されたパラメータの時間経過と該パラメータの目標時間経過または予想される時間経過との偏差に依存して適合するように構成されている。
【0007】
言い替えると、車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動がある程度許容されるが、限界値(許容偏差値)を超えてからは制動力または制動トルクの適合によって補償される。
【0008】
軌道車両では、制動された車軸における車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件よび/またはブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動が、該当するまたは割り当てられたブレーキアクチュエータによって形成された制動力の時間経過にフィードバック作用する。
【0009】
したがって好ましくは、ブレーキディスクの周方向の制動力または制動トルクを、車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動を表すパラメータとして利用し、時間信号として測定し、制御装置によって評価する。制動要求が一定であれば、ブレーキアクチュエータにおける制動力または制動トルクが、これらのパラメータでの予想時間経過から偏差することまたは変動することは、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動を指示する。
【0010】
したがってセンサ装置は好ましくは、ブレーキアクチュエータにおける制動力または制動トルクを測定するように構成されており、制御装置は、ブレーキアクチュエータにより形成される制動力を、測定された制動力の時間経過と制動力の目標時間経過との偏差に依存して適合する。制動力の代わりにもちろん制動トルクを監視することもできる。
【0011】
しかしブレーキアクチュエータに割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件またはブレーキアクチュエータに割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動を表していて、その時間経過が測定され比較されるパラメータとしては、摩擦条件の変動が作用し、これを測定または識別できる他のいずれかのパラメータも考えられる。軌道車両または個々の軌道車両が連結される列車では、個々の軌道車両同士の間の力も問題になる。
【0012】
ブレーキディスクの周方向の制動力またはアクチュエータにおける制動トルクを、制動要求中に、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動を表すパラメータとして使用することの利点は、軌道車両のブレーキ装置にはいずれにしろ、制動力制御部および対応するセンサ系が装備されていることである。これについては特許文献1を参照されたい。その場合、いずれにしろ測定されるブレーキアクチュエータにおける制動力および/または制動トルクの時間経過を、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動が発生したことを表すパラメータまたは基準として使用することができ、その際に付加的なセンサ系は必要ない。
【0013】
制動要求中に制動力を、測定された摩擦条件の変動に応じて適合することにより、ブレーキパッドのブレーキディスクへの押付け力または車輪周囲またはブレーキディスクで作用する制動力を変化することができる。ここでとりわけ好ましくは、それぞれの制動要求に対応する目標制動力よりも制動力をやや高める。これは、不利な摩擦条件、たとえば環境条件に起因して車輪とレールとの間および/またはブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦係数値が低すぎることを、該当するブレーキアクチュエータでの制動力を高めることによって補償するためである。
【0014】
従属請求項に記載された手段によって、独立請求項に記載された発明の有利な改善形態および発展形態が可能である。
【0015】
とりわけ好ましくは、ブレーキ装置は複数のブレーキアクチュエータを含んでおり、制御装置は、一つのブレーキアクチュエータにおいて測定されたパラメータの時間経過が、当該パラメータのあらかじめ定められた予想される時間経過から、許容偏差よりも大きく偏差する場合、当該ブレーキアクチュエータにおける制動力を拡大し、測定されたパラメータの時間経過が当該パラメータのあらかじめ定められた予想されるパラメータの時間経過から、許容偏差よりも小さくしか偏差しない別のブレーキアクチュエータによって形成された制動力を、補償のために、このようにして得られるブレーキアクチュエータの実際制動力の和が、制動要求に対応する目標全体制動力に相当するように低減する。
【0016】
したがってこの場合、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の不利な変動または許容できない変動を伴うブレーキアクチュエータにおける制動要求に対して、制動力または制動トルクを高めることが、過制動に至ることはない。なぜならこの場合、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動が存在しないか、または変動が許容できる程度の少なくとも一つの別のブレーキアクチュエータにより、制動要求に対して低められた制動力または制動トルクが形成され、全体制動力または全体制動トルクが目標全体制動力または目標全体制動トルクに対応するようにされるからである。したがってこのようにして異なるブレーキアクチュエータで形成された制動トルクの和は、変化しないままである。
【0017】
より詳細には以下の実施例の説明から明らかとなる。
【0018】
以下、図面に示された本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施形態による軌道車両のディスクブレーキ装置の概略的側面図である。
【図2】車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件、またはブレーキディスクとブレーキパッドとの間の摩擦条件の変動を補償するための制動力適合または制動トルク適合のための本発明の好ましい実施形態によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明の好ましい実施形態による軌道車両のディスクブレーキ装置が示されており、このディスクブレーキ装置は基本的に特許文献1から公知であり、したがって以下では簡単に説明する。
【0021】
ディスクブレーキ装置1は、ブレーキアクチュエータまたはブレーキ張引装置として、作動ブレーキユニットと、ここでは考察しない貯蔵ブレーキユニットとを備えるブレーキ締付けユニット2を有する。ブレーキ締付けユニット2はブレーキディスク4を有し、ブレーキディスク4はたとえば二つのブレーキパッド6と公知のように協働作用する。これらは、図1では側面だけが図示されている。ブレーキ締付けユニット2は好ましくは空気圧的に操作され、ブレーキディスク4の周方向に作用する制動力Fを、制動要求に応じて形成する。その代わりにもちろん、ブレーキ締付けユニット2は別のやり方で、たとえば液圧式または電気式に圧力媒体が操作されても良い。
【0022】
ブレーキ締付けユニット2はホルダ8を介してここに図示しない軌道車両の台車に支持されているから、ホルダ8では反発トルクMまたは反発力FA1,FA2が、台車に互いに離間して固定されたホルダ8の固定箇所に作用し、このトルクまたは力は、力測定センサ系、たとえばストレインゲージによって、ホルダ8と台車との対応する接続構成部品において測定することができる。軌道車両は好ましくは、それぞれ複数のブレーキアクチュエータまたはブレーキ締付けユニット2を備える複数の台車を有する。したがってこれらブレーキ締付けユニット2の少なくとも一つにより形成される制動力が測定され、ここに図示しない制御装置で評価することができる。たとえば同じに構成された軌道車両のブレーキ締付けユニット2は、図1には代表として一つだけが図示されている。
【0023】
とりわけブレーキ締付けユニット2に割り当てられたセンサ装置は、車輪とレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の変動を表すパラメータ、たとえば車輪回転速度、車輪周加速度、制動力、制動トルク、または制動圧の時間経過を測定し、測定された時間経過に依存する信号によって制御装置を制御するために用いられる。この制御装置は、車輪または車輪セットおよび/またはブレーキディスクとブレーキパッドに割り当てられたブレーキ締付けユニット2によって形成された制動力を、測定されたパラメータの時間経過と該パラメータの予想される時間経過との偏差に依存して適合するように構成されている。
【0024】
そのようなパラメータとしてたとえば、車輪回転速度、車輪周加速度、制動圧、制動トルクMまたは空気圧式に操作されるブレーキ締付けユニットの制動圧が考えられる。ブレーキ締付けユニット2が電気式に操作される場合、パラメータは操作電流とすることもできる。
【0025】
好ましくは、制動要求中のブレーキディスク4の周方向の制動力またはブレーキ締付けユニット2の制動トルクMが、ブレーキ締付けユニット2に割り当てられた車輪またはブレーキ締付けユニット2に割り当てられた車輪セットとレートとの間の摩擦条件、および/またはブレーキ締付けユニット2に割り当てられたブレーキディスク4とブレーキ締付けユニット2に割り当てられたブレーキパッド6との間の摩擦条件に変動を表すパラメータとして使用され、所定の時間にわたる時間信号または時間経過として測定され、制御装置(ブレーキ制御)によって評価される。
【0026】
言い替えるとこの場合、制動力または制動トルクまたは該当するパラメータの時間経過が測定され、配設されたブレーキ締付けユニット2によって形成された制動力または制動トルクが、測定適合される制動力の代わりにもちろん制動トルクを監視することもできる。
【0027】
一つのパラメータだけでなく、車輪または車輪セットとレートとの間の摩擦条件および/またはブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の変動を表す複数のパラメータであって、該当するブレーキ締付けユニット2に割り当てられた複数のパラメータを並列に監視することもできる。制動要求が一定の場合、測定された制動力または測定された制動トルクMの時間経過の変化または変動、あるいは予想される時間経過からの偏差は、該当するブレーキ締付けユニット2に割り当てられた車輪または車輪セットとレートとの間の摩擦条件および/または該当するブレーキ締付けユニット2におけるブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の変動を指示する。
【0028】
図2から分かるように、ブレーキ締付けユニット2における制動力または制動トルクM(トルク検出)の時間経過が測定される。
制御装置(ブレーキ制御部)は、該当するブレーキ締付けユニット2によって形成された制動トルクMを、測定された制動トルクM、場合により割り当てられた車輪または車輪セットとレートとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の変動によって影響を受ける制動トルクMの時間経過と、このブレーキ締付けユニット2での制動トルク(制動要求)の目標のまたは予想される時間経過との偏差に依存して、好ましくは気圧式に操作されるブレーキ締付けユニット2に対する制動圧設定によって適合する。したがってブレーキ締付けユニット2のブレーキ機構には、割り当てられた車輪とレールとの間、および/またはブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦特性変動が障害量として作用する。
【0029】
実際には好ましくは、軌道車両のブレーキ装置は複数のブレーキアクチュエータまたはブレーキ締付けユニット2を有する。制御装置は好ましくは、ブレーキ締付けユニット2の一つにおいて、測定された時間経過(好ましくは制動トルクの測定された時間経過)が目標のまたは予想される時間経過よりも、許容偏差よりも大きく偏差する場合(すなわち、このブレーキ締付けユニット2に許容できない摩擦特性変動が発生している場合)、このブレーキ締付けユニット2における制動力または制動トルクを増大し、補償のために、測定された時間経過と目標のまたは予想される時間経過との偏差が、許容偏差より小さい別のブレーキ締付けユニット2(すなわちこの別のブレーキ締付けユニット2での摩擦特性変動は許容できる)によって形成された制動力または制動トルクを、このようにして得られるすべてのまたは少なくとも一つのブレーキ締付けユニット2の実際制動力または制動トルクが、制動要求に対応する目標全体制動力または制動要求に対応する目標全体制動トルクに相当するように低減する。
【0030】
この場合、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の障害となる変動または許容できない変動のために、ブレーキ締付けユニット2の一つにおいて制動力または制動トルクを制動要求に対して高めることが、軌道車両の過制動に至ることはない。なぜなら、割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/または割り当てられたブレーキディスク4とブレーキパッド6との間の摩擦条件の変動が存在しないか、または変動が許容できる程度の少なくとも一つの別のブレーキアクチュエータにより、制動要求に対して低められた制動力または制動トルクが形成され、全体制動力または全体制動トルクが目標全体制動力または目標全体制動トルクに対応するようにされるからである。
【符号の説明】
【0031】
1 ブレーキ装置
2 ブレーキ締付けユニット
4 ブレーキディスク
6 ブレーキパッド
8 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪または車輪セットに割り当てられた少なくとも一つのブレーキアクチュエータ(2)を備える軌道車両のブレーキ装置(1)であって、
前記ブレーキアクチュエータは、少なくとも一つのブレーキディスク(4)と、該ブレーキディスクと協働作用するブレーキパッド(6)を、制動要求に応じて制動力を形成するために有する形式のブレーキ装置において、
少なくとも一つのセンサ装置が設けられており、これによりブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられたブレーキディスク(4)とブレーキパッド(6)との間の摩擦条件の少なくとも一つの変動の時間経過を表すパラメータとして車輪回転速度、車輪周加速度、制動力、制動トルクまたは制動圧を測定し、
測定されたパラメータに依存する信号によって制御装置が制御され、
該制御装置は、ブレーキアクチュエータ(2)によって形成された制動力を、測定されたパラメータの時間経過と該パラメータの目標時間経過または予想される時間経過との偏差に依存して適合するように構成されている、ことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
複数のブレーキアクチュエータ(2)を含み、
前記制御装置は、ブレーキアクチュエータ(2)において測定されたパラメータの時間経過が、当該パラメータの目標のまたは予想される時間経過から、許容偏差よりも大きく偏差する場合、当該ブレーキアクチュエータにおける制動力を増大し、
測定されたパラメータの時間経過が当該パラメータのあらかじめ定められた予想されるパラメータの時間経過から、許容偏差よりも小さくしか偏差しない別のブレーキアクチュエータ(2)によって形成される制動力を、補償のために、このようにして得られるブレーキアクチュエータ(2)の実際制動力の和が、制動要求に対応する目標全体制動力に相当するように低減する、ことを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
【請求項3】
車輪または車輪セットとレートとの間の摩擦条件および/またはブレーキディスク(4)とブレーキパッド(6)との間の摩擦条件の変動を表すパラメータは、割り当てられたブレーキアクチュエータ(2)によって形成される制動力または割り当てられたブレーキアクチュエータ(2)によって形成される制動トルクである、ことを特徴とする請求項1または2記載のブレーキ装置。
【請求項4】
車輪または車輪セットに割り当てられた少なくとも一つのブレーキアクチュエータ(2)を備える軌道車両のブレーキ装置(1)であって、前記ブレーキアクチュエータは、少なくとも一つのブレーキディスク(4)と、該ブレーキディスクと協働作用するブレーキパッド(6)を、制動要求に応じて制動力を形成するために有する形式のブレーキ装置(1)の制御方法において、
a)ブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられた車輪または車輪セットとレールとの間の摩擦条件および/またはブレーキアクチュエータ(2)に割り当てられたブレーキディスク(4)とブレーキパッド(6)との間の摩擦条件の少なくとも一つの変動の時間経過を表すパラメータとして車輪回転速度、車輪周加速度、制動力、制動トルクまたは制動圧を測定し、
b)ブレーキアクチュエータ(2)によって形成された制動力を、測定されたパラメータの時間経過と該パラメータの目標の時間経過または予想される時間経過との偏差に依存して適合する、ことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
ブレーキアクチュエータ(2)において測定されたパラメータの時間経過が、当該パラメータの目標のまたは予想される時間経過から、許容偏差よりも大きく偏差する場合、当該ブレーキアクチュエータにおける制動力を増大し、
補償のために、測定されたパラメータの時間経過が当該パラメータのあらかじめ定められた予想されるパラメータの時間経過から、許容偏差よりも小さくしか偏差しない別のブレーキアクチュエータ(2)によって形成される制動力を、このようにして得られるブレーキアクチュエータ(2)の実際制動力の和が、制動要求に対応する目標全体制動力に相当するように低減する、複数のブレーキアクチュエータ(2)を備えるブレーキ装置(1)の請求項4記載の制御方法。
【請求項6】
車輪または車輪セットとレートとの間の摩擦条件および/またはブレーキディスク(4)とブレーキパッド(6)との間の摩擦条件の変動を表すパラメータは、ブレーキアクチュエータ(2)によって形成される制動力または制動トルクである、ことを特徴とする請求項4または5に記載の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−512091(P2012−512091A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541174(P2011−541174)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008873
【国際公開番号】WO2010/069520
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(503159597)クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (44)
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80,D−80809 Muenchen,Germany
【Fターム(参考)】