撮像システム
【課題】消費電力を低減することができる撮像システムを提供することを課題とする。
【解決手段】所定の基準位置に位置する車両によって照射される光の範囲内に、かかる光を車両のナンバープレートに反射させる反射鏡を有し、かかる反射鏡が、車両が基準位置に位置した場合に、車両によって照射される光を、ナンバープレートに反射させ、所定の撮影装置が、反射光が照射されたナンバープレートを撮影し、撮影した画像に基づいて車両番号を認識する。
【解決手段】所定の基準位置に位置する車両によって照射される光の範囲内に、かかる光を車両のナンバープレートに反射させる反射鏡を有し、かかる反射鏡が、車両が基準位置に位置した場合に、車両によって照射される光を、ナンバープレートに反射させ、所定の撮影装置が、反射光が照射されたナンバープレートを撮影し、撮影した画像に基づいて車両番号を認識する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設置されているナンバープレートを撮影し、撮影した画像に基づいてナンバープレートに記載されている車両番号を認識するナンバープレート認識装置が知られている。このようなナンバープレート認識装置は、昼夜を通して車両番号を正確に読み取ることが求められる。
【0003】
そのため、ナンバープレート認識装置には、夜間のような低照度環境の場合に、照明装置で車両に光を照射した状態でナンバープレートを撮影するものがある。具体的には、このようなナンバープレート認識装置は、図28に示したように、照明装置30によって車両10に光を照射し、カメラ20によって車両10のナンバープレート12を撮影する。このようなナンバープレート認識装置を用いることにより、低照度環境であっても、ナンバープレートから車両番号を読み取ることができる。
【0004】
なお、上記の照明装置は、ナンバープレートだけでなく、ある程度の範囲に対して光を発するので、車両の運転手にも光を照射してしまう場合がある。このように光が運転手に照射されると、運転手が眩惑され、事故の原因になることも考えられる。そこで、近年では、赤外線などの人間には不可視である波長帯の光を車両に照射するナンバープレート認識装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−108063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術には、消費電力が多いという問題があった。具体的には、上述した従来のナンバープレート認識装置は、照明装置や近赤外照明装置などによって車両に光を照射するので、多くの電力を消費していた。
【0007】
そこで、開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低減することができる撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する撮像システムは、一つの態様において、撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する撮像システムの一つの態様によれば、消費電力を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係るナンバープレート認識装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明するための図である。
【図4】図4は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図5】図5は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図6】図6は、車両の位置と反射光との関係を説明するための図である。
【図7】図7は、反射効率を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例2における反射鏡を説明するための図である。
【図9】図9は、実施例3における反射鏡を説明するための図である。
【図10】図10は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図11】図11は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図12−1】図12−1は、実施例4に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図12−2】図12−2は、実施例4に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図13】図13は、実施例4における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【図14−1】図14−1は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。
【図14−2】図14−2は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。
【図15−1】図15−1は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。
【図15−2】図15−2は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。
【図16】図16は、実施例4の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図17】図17は、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図18】図18は、実施例5に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図19】図19は、実施例5における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【図20】図20は、実施例5の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図21】図21は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図22】図22は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図23】図23は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図24】図24は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図25】図25は、実施例6に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図26−1】図26−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図26−2】図26−2は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図27−1】図27−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図27−2】図27−2は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図28】図28は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する撮像システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、本願の開示する撮像システムをナンバープレート認識装置に適用する例を説明するが、本願の開示する撮像システムはこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
[実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要]
まず、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要について説明する。実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両自体が発する光を車両のナンバープレートに反射させて、ナンバープレートを撮影する。これにより、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、昼夜を通してナンバープレートから車両番号を読み取ることを可能にする。
【0013】
図1を用いて具体的に説明する。図1は、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要を説明するための図である。図1に示した例において、車両10は、ナンバープレート認識装置1の撮影対象物である。車両10は、ヘッドライト11と、ナンバープレート12とを有する。ヘッドライト11は、ヘッドライト光(以下、「入射光」という)を車両10の前方に照射する。ナンバープレート12は、車両10を認識するための車両番号が表記されており、ナンバープレート認識装置1によって撮影される部位(撮影対象部位)に該当する。
【0014】
ナンバープレート認識装置1は、図1に示すように、路面B10に埋め込まれている反射鏡M10と、路面B10の上方に配設されたカメラ20とを有する。反射鏡M10は、車両10のヘッドライト11によって照射される入射光を反射させ、反射光をナンバープレート12に照射する。図1に示した例では、反射鏡M10は、ヘッドライト11によって照射された入射光L10を反射させ、反射光R10をナンバープレート12に照射している。
【0015】
なお、路面B10のうち、透過部B11は、光を透過させる路面であり、例えば、強化ガラスや強化プラスチックのような透明な物質である。すなわち、図1に示した例において、入射光L10は、透過部B11を通過して反射鏡M10に照射される。また、反射光R10は、透過部B11を通過してナンバープレート12に照射される。
【0016】
カメラ20は、撮影対象物である車両10を撮影する。具体的には、カメラ20は、反射鏡M10によって反射光R10がナンバープレート12に照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影する。カメラ20によって撮影された画像は、図示しない画像処理装置によって画像認識処理が行われる。ナンバープレート認識装置1は、かかる画像認識処理の結果に基づいて、ナンバープレート12に表記されている車両番号を特定する。
【0017】
このように、ナンバープレート認識装置1は、撮影対象物である車両10自体が発する入射光を反射させて、反射光を撮影対象部位であるナンバープレート12に照射する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12に光が照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影することができる。その結果、ナンバープレート認識装置1は、夜間のような低照度環境であっても、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置(図28参照)と比較して、照明装置によって消費される電力を削減できるので、消費電力を低減することができる。
【0018】
[実施例1に係るナンバープレート認識装置1の構成例]
次に、図2を用いて、上述したナンバープレート認識装置1の構成について説明する。図2は、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の構成例を示す図である。
【0019】
図2において、カメラ20は、車両10が所定の基準位置を通過する場合や、基準位置に停車している場合に、ナンバープレート12を撮影する。これは、撮影画像に、ナンバープレート12が含まれるようにするためである。なお、基準位置は、カメラ20の設置位置や設置角度などに基づいて予め決められている。
【0020】
また、図2に示すように、車両10のヘッドライト11は、ある程度の範囲を有する入射光L10を照射する。図2に示した例では、ヘッドライト11は、路面B10の位置A〜位置Bの範囲に、入射光L10を照射している。
【0021】
ナンバープレート認識装置1は、基準位置に位置する車両10によって照射される入射光L10の範囲内に、複数の反射鏡を有する。図2に示した例では、入射光L10の範囲は位置A〜位置Bなので、ナンバープレート認識装置1は、少なくとも位置A〜位置Bの範囲に、複数の反射鏡を有する。なお、図2には、ナンバープレート認識装置1が有する複数の反射鏡のうち、反射鏡M10aおよびM10bを示している。
【0022】
かかる複数の反射鏡は、車両10が基準位置に位置する場合に、入射光L10がナンバープレート12に反射されるように、路面に埋め込まれる。具体的には、入射光L10がナンバープレート12に反射されるように、複数の反射鏡は、設置位置によって路面とのなす角度を変えられながら路面に埋め込まれる。それぞれの反射鏡と路面とのなす角度は、それぞれの反射鏡と基準位置との相対位置、ヘッドライト11の位置、ヘッドライト11によって照射される入射光の角度(入射角)、ナンバープレート12の位置などに基づいて算出される。そして、それぞれの反射鏡は、算出された角度で、路面に埋め込まれる。なお、反射鏡と路面とのなす角度を算出する手法は、後に詳述する。
【0023】
図2に示した例では、反射鏡M10aは、路面とのなす角度がγ1になるように、路面に埋め込まれている。また、反射鏡M10bは、路面とのなす角度がγ2になるように、路面に埋め込まれている。
【0024】
このようにして埋め込まれた複数の反射鏡は、車両10が基準位置に位置する場合に、入射光L10をナンバープレート12に集中的に反射させる。例えば、図2に示した例において、反射鏡M10aは、自身に入射された入射光L10を反射させて、反射させた反射光R10aをナンバープレート12に照射している。また、例えば、反射鏡M10bは、自身に入射された入射光L10を反射させて、反射させた反射光R10bをナンバープレート12に照射している。
【0025】
このように、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、基準位置に位置する車両10によって照射される入射光の範囲内に、入射光をナンバープレート12に集中的に反射させるように埋め込まれた複数の反射鏡を有する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12に照射される光の量を多くすることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いない分、消費電力を削減することができる。
【0026】
[反射鏡と路面とのなす角度γ]
上述したように、反射鏡M10(反射鏡M10aおよびM10bも含む)と路面とのなす角度γは、反射鏡M10が埋め込まれる位置によって異なる。以下に、所定の位置に反射鏡M10を埋め込む場合に、反射鏡M10を埋め込む角度γをいかなる値にすることが好ましいかについて説明する。なお、以下では、まず、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明し、続いて、角度γと反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明する。
【0027】
まず、図3を用いて、入射角αと反射角βと角度γとの関係について説明する。図3は、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明するための図である。図3において、反射鏡M10は、路面B10とのなす角度がγになるように路面に埋め込まれているものとする。また、入射光L10は、入射角αによって反射鏡M10に入射されるものとする。また、反射鏡M10によって反射された反射光R10は、反射角βによって車両10の方向へ照射されるものとする。かかる場合に、入射角αと反射角βと角度γについて、以下の関係式(1)が成り立つ。
【0028】
【数1】
【0029】
続いて、図4を用いて、角度γと、反射鏡M10が埋め込まれる位置との関係について説明する。図4は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡M10が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。ここでは、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた位置に埋め込まれる反射鏡M10について、角度γをいかなる値にすることが好ましいかについて説明する。
【0030】
なお、図4では、ヘッドライト11から照射される入射光の入射角をαとし、反射鏡M10によって反射される反射光の反射角をβとする。また、ヘッドライトの高さをH1とし、ナンバープレートの高さをH2とする。なお、ここで言う「ヘッドライトの高さH1」とは、例えば、一般的な車両のヘッドライトの高さの平均値である。また、「ナンバープレートの高さH2」とは、例えば、一般的な車両のナンバープレートの高さの平均値である。
【0031】
ここで、ヘッドライトの高さH1と、基準位置から反射鏡M10までの距離Lmとには、以下の式(2)が成り立つ。
【0032】
【数2】
【0033】
すなわち、αは以下の式(3)により表される。
【0034】
【数3】
【0035】
また、ナンバープレートの高さH2と、基準位置から反射鏡M10までの距離Lmとには、以下の式(4)が成り立つ。
【0036】
【数4】
【0037】
すなわち、βは以下の式(5)により表される。
【0038】
【数5】
【0039】
そして、上記式(3)および(5)を、式(1)に代入することにより、以下の式(6)が得られる。
【0040】
【数6】
【0041】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M10は、路面とのなす角度が、上記式(6)により得られる角度γであることが好ましい。これは、距離Lmの場所に、上記式(6)により得られる角度γで埋め込まれた反射鏡M10は、高さH1(一般的なヘッドライトの高さ)から照射される入射光を、高さH2の位置(一般的なナンバープレートの高さ)に反射させることができるからである。
【0042】
なお、実際には、基準位置からの距離Lmに反射鏡M10を埋め込む場合であっても、入射光が路面に入射する位置が、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。同様に、反射光が路面から抜け出す位置が、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。具体的には、図5に示した例のように、反射鏡M10を基準位置からの距離Lmに埋め込んだ場合、入射光が路面に入射する位置は、Lm1になり、反射光が路面から抜け出す位置は、Lm2になる。そこで、入射光が路面に入射する位置Lm1と、反射光が路面から抜け出す位置Lm2とを考慮した上で、上述した式(6)を算出してもよい。具体的には、上記式(2)を「tanα=Lm1/H1」とし、上記式(4)を「tanβ=Lm2/H2」とした上で、式(6)から角度γを算出する。
【0043】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両10によって照射される入射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させ、ナンバープレート12に反射光が照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、夜間のような低照度環境であっても、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いないので、消費電力を低減することができる。
【0044】
ところで、従来のナンバープレート認識装置には、運転手を眩惑させないことを目的として、赤外線のような不可視光をナンバープレートに照射させるものがあった。しかし、ナンバープレートは、赤外線を吸収する素材で形成された特殊なカバーによって覆われている場合がある。かかる場合、従来のナンバープレート認識装置は、不可視光をナンバープレートに照射しても、ナンバープレートから車両番号を読み取ることができなった。一方、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両が発する入射光を、ナンバープレートに反射させるので、可視光をナンバープレートに照射することになる。このため、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、上述した特殊なカバーが設置されたナンバープレートであっても、車両番号を正確に読み取ることができる。
【0045】
また、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置は、光の照射範囲を通過する車両の運転手を眩惑させてしまう可能性が高かったが、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。具体的には、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置は、車両の前面に光を照射するため、光の照射範囲を通過する車両の運転手に光を集中的に照射してしまい、運転手を眩惑させてしまう可能性が高かった。一方、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、運転手に光を集中的に照射することがないので、運転手を眩惑させない。この点について、図6を用いて具体的に説明する。図6は、車両10の位置と反射光との関係を説明するための図である。
【0046】
図6に示すように、車両10が基準位置よりも反射鏡から遠い場所に位置する場合、反射光は、ナンバープレート12よりも上部に照射される。図6に示した例を用いて説明すると、ヘッドライト11によって照射される入射光L10aは、反射鏡M10aによって反射される。そして、反射された反射光R10aは、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される。同様に、入射光L10bは、反射鏡M10bによって反射され、反射された反射光R10bは、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される。
【0047】
このように、車両10が基準位置よりも反射鏡から遠い場所に位置する場合に、反射光は、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される可能性がある。しかし、図6に示したように、複数の反射光が集中的に運転手に照射されることはない。このため、ナンバープレート認識装置1は、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【実施例2】
【0048】
上記実施例1では、反射鏡によって入射光を反射させる例を示した。しかし、ナンバープレート認識装置は、反射鏡以外のものによって入射光を反射させてもよい。そこで、実施例2では、ハーフミラーによって入射光を反射させる例について説明する。
【0049】
[反射効率]
まず、実施例2に係るナンバープレート認識装置2を明確にするために、図7を用いて、反射効率について説明する。なお、ここで言う「反射効率」とは、入射光の量に対して、路面を抜け出して地上へ照射される反射光の量の割合を示す。図7は、反射効率を説明するための図である。
【0050】
図7において、路面B10に反射鏡M10aおよびM10bが埋め込まれているものとする。なお、反射鏡M10aおよびM10bは、ハーフミラーではないものとする。また、入射光L10は、入射角αによって反射鏡M10bに入射されるものとする。また、反射鏡M10bによって反射された反射光R10aは、反射角βによって車両10の方向へ照射されるものとする。
【0051】
また、図7において、反射鏡の深さをdmとし、開口幅をdwとし、さらに、反射鏡の深さdmが、開口幅dwに対して十分に大きい値であるものとする。かかる場合に、反射効率は以下の(A)〜(C)により表される。なお、開口幅とは、透過部B11の長さを示す。また、「反射鏡の深さdmが、開口幅dwに対して十分に大きい値」とは、α≧γである場合に、入射光が全て反射鏡に照射されるための条件である。かかる条件は、「dm/sinγ ≧ dw・cosγ」によって表される。
【0052】
(A)反射効率:0 (α≦2γ−90の場合)
(B)反射効率:sinα/sinβ (2γ−90<α<γの場合)
(C)反射効率:1 (α≧γの場合)
【0053】
上記(A)は、入射光が地中方向へ反射される場合を示している。また、上記(B)は、反射光の一部が地上方向へ反射される場合を示している。また、上記(C)は、入射光が全て地上方向へ反射される場合を示している。
【0054】
ここで、車両10が基準位置に位置する場合、反射効率は、上記(B)で表される。つまり、車両10が基準位置に位置する場合、反射効率は「1」になるとは限らない。これは、反射光が隣接する反射鏡に遮断されるからである。図7に示した例を用いて説明する。図7に示すように、入射光L10は、反射鏡M10bによって反射され、反射光R10として、ナンバープレート12の方向へ照射される。しかし、反射光R10のうち、反射光R10aは、ナンバープレート12に照射されるが、反射光R10bは、反射鏡M10aによって遮断される。
【0055】
[実施例2における反射鏡]
次に、実施例2に係るナンバープレート認識装置2が有する反射鏡について説明する。実施例2に係るナンバープレート認識装置2は、反射鏡としてハーフミラーを用いる。ナンバープレート認識装置2が有するハーフミラーは、ヘッドライト11から照射される入射光を反射させ、車両10と反対の方向から照射される光を通過させる。
【0056】
図8を用いて具体的に説明する。図8は、実施例2における反射鏡を説明するための図である。図8において、反射鏡M20aおよびM20bは、ハーフミラーである。例えば、反射鏡M20aは、ヘッドライト11から照射される入射光を反射させ、反射鏡M20bによって反射された反射光を通過させるハーフミラーである。
【0057】
図8に示すように、入射光L20が入射された場合、入射光L20は、反射鏡M20bによって反射され、反射光R20として、ナンバープレート12の方向へ照射される。かかる反射光R20のうち、反射光R20aは、反射鏡M20aに照射される。ここで、反射鏡M20aは、ハーフミラーであるため、反射光R20aを通過させる。このため、反射光R20aは、ナンバープレート12へ照射される。このように反射鏡にハーフミラーを用いれば、ナンバープレート12に照射される光を多くすることができる。
【0058】
なお、実施例2におけるハーフミラーは、実施例1における反射鏡と同様に、埋め込まれる位置によって路面とのなす角度γが異なる。具体的には、基準位置から距離Lmに位置するハーフミラーは、路面とのなす角度が、式(6)により得られる角度γになるように埋め込まれる。
【0059】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係るナンバープレート認識装置2は、入射光をナンバープレート12へ反射させ、車両10と反対の方向から照射される光を通過させるハーフミラーを有する。これにより、ナンバープレート認識装置2は、照明装置を用いずに、ナンバープレート12に対して、より多くの光を照射させることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号をより正確に読み取ることができる。
【実施例3】
【0060】
上記実施例1および2では、透過部B11の屈折率が「1」であるものとして説明した。しかし、透過部B11の屈折率は「1」でない場合もある。そこで、実施例3では、透過部B11の屈折率が「1」でない場合について説明する。
【0061】
[実施例3における反射鏡]
まず、図9を用いて、実施例3に係るナンバープレート認識装置3が有する反射鏡について説明する。図9は、実施例3における反射鏡を説明するための図である。
【0062】
図9において、実施例3における反射鏡M30は、路面B10とのなす角度γ´により埋め込まれているものとする。また、図9において、透過部B11から反射鏡M30までの空間Eは、例えば、強化ガラスや強化プラスチックのような物質で充填されているものとする。
【0063】
ここで、透過部B11および空間Eの屈折率nは、「1」より大きいものとする。かかる場合、入射角αで入射された入射光は、屈折して反射鏡M30へ照射される。図9に示した例では、入射光は、空間E内においてα´の角度で屈折している。同様に、反射光は、反射角βの角度で屈折して地上方向へ照射される。
【0064】
このため、実施例3における反射鏡M30は、式(6)により求められる角度で路面に埋め込んでも反射光をナンバープレート12に照射できるとは限らない。以下に、実施例3における反射鏡M10と路面B10とのなす角度γ´について説明する。ここでは、図4に示した例と同様に、基準位置から距離Lmの場所に位置する反射鏡について説明する。また、図4に示した例と同様に、ヘッドライトの高さは、H1であるものとし、ナンバープレートの高さは、H2であるものとする。
【0065】
まず、角度αおよびα´と、屈折率nについて、以下の式(7)が成り立つ。
【0066】
【数7】
【0067】
また、角度βおよびβ´と、屈折率nについて、以下の式(8)が成り立つ。
【0068】
【数8】
【0069】
そして、上記式(7)に、上記式(3)を代入することで、α´をn、Lm、H1により表すことができる。同様に、上記式(8)に、上記式(5)を代入することで、β´をn、Lm、H2により表すことができる。
【0070】
また、α´、β´、および、反射鏡M30と路面B10とのなす角度γ´について、以下の関係式(9)が成り立つ。
【0071】
【数9】
【0072】
したがって、反射鏡M30と路面とのなす角度γ´は、上記式(3)、(5)、(7)、(8)、(9)を用いて求めることができる。求められた角度γ´により埋め込まれた反射鏡M30は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0073】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3に係るナンバープレート認識装置3は、路面を覆っている物質の屈折率が「1」でない場合であっても、車両10によって照射される入射光を、ナンバープレート12に反射させることができる。このため、実施例3に係るナンバープレート認識装置3は、照明装置を用いることなく、ナンバープレートから車両番号を正確に読み取ることができるので、消費電力を低減することができる。
【0074】
なお、実施例3における反射鏡M30は、ハーフミラーであってもよい。これにより、ナンバープレート認識装置3は、ナンバープレート12に対して多くの光を照射させることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号をより正確に読み取ることができる。
【実施例4】
【0075】
上記実施例1〜3では、1枚の反射鏡が、車両10の進行方向に連続して路面に埋め込まれる例について説明した。しかし、ナンバープレート認識装置が有する反射鏡の形態はこれに限られず、複数の反射鏡の組合せが連続して路面に埋め込まれる形態であってもよい。そこで、実施例4では、2枚の反射鏡の組み合わせが路面に連続して埋め込まれる形態について説明する。
【0076】
[2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係]
まず、実施例4に係るナンバープレート認識装置4を説明する前に、図10および図11を用いて、2枚の反射鏡の組合せに入射される入射光と、かかる2枚の反射鏡によって反射される反射光との関係について説明する。図10および図11は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【0077】
図10に示すように、2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度である場合、入射光と反射光とは平行の関係になる。一方、図11に示すように、2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度でない場合、入射光と反射光とは平行の関係にならない。図11に示した例では、反射光が、入射光よりも地上方向側に傾いて照射されている。
【0078】
このように、反射鏡M1とM2とのなす角度δを変化させると、反射角も変化する。実施例4では、角度δが「90」度よりも大きい場合について、詳細に説明する。
【0079】
[実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要]
まず、図12−1および図12−2を用いて、実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要について説明する。図12−1および図12−2は、実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要を説明するための図である。
【0080】
図12−1に示すように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、2枚の反射鏡M1とM2との組合せを有する。なお、ここでは、図示することを省略しているが、2枚の反射鏡の組合せは、路面に連続して埋め込まれる。
【0081】
そして、図12−1に示すように、ナンバープレート認識装置4は、ヘッドライト11によって照射される入射光L40を、反射鏡M1に反射させた後、さらに反射鏡M2に反射させて、反射させた反射光R40をナンバープレート12に照射する。
【0082】
このように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、入射光を、一度、反射鏡M1によって地中方向へ反射させ、反射させた光を反射鏡M2によってナンバープレート12の方向へ反射させる。例えば、図12−2に示した例のように、入射角αが大きい入射光L41が入射された場合であっても、反射鏡M1は、入射光L41を地中方向へ反射させて、反射光R41を照射する。このため、ナンバープレート認識装置4は、反射光を運転手に照射することがほとんどないので、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0083】
ところで、上述した反射鏡M1とM2において、入射光をナンバープレート12に反射させるためには、反射鏡M1と路面B10とのなす角度xは、反射鏡が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。また、反射鏡M1とM2とのなす角度δも、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。以下に、角度xと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係、および、角度δと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について順に説明する。
【0084】
[反射鏡と路面とのなす角度x]
まず、反射鏡M1と路面とのなす角度xと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。ここでは、最初に、図13を用いて、実施例4における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類について説明する。図13は、実施例4における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【0085】
図13に示すように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも大きい場合、反射鏡M1とM2によって反射される反射光は、4種類の反射光になり得る。具体的には、1種類目の反射光としては、反射鏡M1に反射され、反射鏡M2に反射されない反射光R1が考えられる。2種類目の反射光としては、反射鏡M2に反射され、反射鏡M1に反射されない反射光R2が考えられる。3種類目の反射光としては、反射鏡M1に反射され、さらに反射鏡M2に反射された反射光R12が考えられる。4種類目の反射光としては、反射鏡M2に反射され、さらに反射鏡M1に反射された反射光R21が考えられる。なお、δが「90」度以上の時は、光が3回以上反射されることはない。
【0086】
ここで、反射光R1は、主に地中方向へ照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。また、反射光R2は、主に車両10と反対の方向へ照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。また、反射光R21は、反射角βが入射角αよりも小さいので、ヘッドライト11よりも上部に照射される。よって、反射光R21は、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。一方、反射光R12は、反射角βが入射角αよりも大きいので、ナンバープレート12に照射される可能性が高い。
【0087】
すなわち、図13に示した4種類の反射光のうち、反射光R12が発生するように、反射鏡M1およびM2を路面B10に埋め込むことが好ましい。具体的には、反射鏡M1と路面とのなす角度x’(x’=180−x)が、「入射角α<x’<入射角α+90」を満たす範囲で、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。以下に、図14−1、図14−2、図15−1および図15−2を用いて、角度x’が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たす場合に、反射光R12が発生する根拠を説明する。
【0088】
まず、図14−1および図14−2を用いて、条件「角度x’<入射角α+90」を満たす場合に反射光R12が発生する根拠について説明する。図14−1および図14−2は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。なお、図14−1において、角度x’は、「角度x’<入射角α+90」を満たすものとする。また、図14−2において、角度x’は、「角度x’>入射角α+90」であるものとする。
【0089】
図14−1に示すように、「角度x’<入射角α+90」である場合、ほとんどの入射光は反射鏡M1に照射される。そして、反射鏡M1によって反射された反射光は、反射鏡M2によってさらに反射される。このため、「角度x’<入射角α+90」である場合、図13に示した反射光R12が発生する可能性は高い。
【0090】
一方、図14−2に示すように、「角度x’>入射角α+90」である場合、多くの入射光は、反射鏡M2に照射される。このため、入射光は、反射鏡M2に反射された後、反射鏡M1に反射されて、地中方向へ照射される可能性が高い。または、入射光は、反射鏡M2に地中方向へ反射される可能性が高い。すなわち、図14−2に示したように、「角度x’>入射角α+90」である場合、反射光R12が発生することは考えにくい。
【0091】
このように、入射光を反射鏡M1に照射させて、反射光R12を発生させるために、角度x’は、少なくとも「角度x’<入射角α+90」を満たすことが望ましい。
【0092】
続いて、図15−1および図15−2を用いて、条件「入射角α<角度x’」を満たす場合に反射光R12が発生する根拠について説明する。図15−1および図15−2は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。なお、図15−1において、角度x’は、「入射角α<角度x’」であるものとする。また、図15−2において、角度x’は、「入射角α>角度x’」であるものとする。
【0093】
図15−1に示すように、「入射角α<角度x’」である場合、入射光は反射鏡M1に照射される。そして、反射鏡M1によって反射された反射光は、反射鏡M2によってさらに反射される。このため、「入射角α<角度x’」である場合、反射光R12が発生する可能性は高い。
【0094】
一方、図15−2に示すように、「入射角α>角度x’」である場合、入射光は、反射鏡M1に照射されるものの、反射角βは、入射角αよりも小さくなる。すなわち、「入射角α>角度x’」である場合、入射光は、ナンバープレート12よりも上の位置に反射される。
【0095】
このように、反射光R12を発生させ、さらに、入射光をナンバープレート12よりも上の位置に反射させないようにするために、角度x’は、少なくとも「入射角α<角度x’」を満たすことが望ましい。
【0096】
以上のように、反射光R12を発生させ、かかる反射光R12をナンバープレートの方向に照射させるためには、角度x’が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たすように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。
【0097】
[2枚の反射鏡のなす角度δ]
次に、実施例4における2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。まず、図16を用いて、入射光と反射光とのなす角について説明する。図16は、実施例4の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。図16に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とのなす角度δが「90」度より大きい場合、入射光と反射光R12とのなす角は、以下の式(10)により表される。なお、入射光と反射光R21とのなす角も、以下の式(10)により表される。
【0098】
【数10】
【0099】
続いて、図17を用いて、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について説明する。図17は、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。ここでは、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた位置に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度δについて説明する。
【0100】
なお、図17では、図4に示した例と同様に、ヘッドライト11から照射される入射光の入射角をαとし、反射鏡によって反射される反射光の反射角をβとする。また、ヘッドライトの高さをH1とし、ナンバープレートの高さをH2とする。
【0101】
ここで、ヘッドライトの高さH1と、距離Lmとには、実施例1において示した式(2)が成り立つ。そして、αは、式(3)により表される。また、ナンバープレートの高さH2と、距離Lmとには、実施例1において示した式(4)が成り立つ。そして、βは、式(5)により表される。
【0102】
そして、式(3)および(5)を、式(10)に代入することにより、以下の式(11)が得られる。
【0103】
【数11】
【0104】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度は、上記式(11)により得られる角度δであることが望ましい。このように埋め込まれた反射鏡は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0105】
なお、実際には、基準位置からの距離Lmに反射鏡を埋め込む場合であっても、入射光が路面に入射する位置や、反射光が路面から抜け出す位置は、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。そこで、図5に示した例と同様に、入射光が路面に入射する位置Lm1と、反射光が路面から抜け出す位置Lm2とを考慮した上で、上述した式(11)から角度δを算出してもよい。
【0106】
[実施例4の効果]
上述してきたように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、入射光を、一度、一方の反射鏡によって地中方向へ反射させ、反射させた光を他方の反射鏡によってナンバープレート12の方向へ反射させる。これにより、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、反射光を運転手に照射させることを防止することができる。すなわち、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、消費電力を低減することができる上に、さらに、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0107】
特に、路面とのなす角度が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たし、かつ、式(11)により得られる角度δによって組み合わされた反射鏡を用いれば、反射光をナンバープレートに照射させることができ、運転手を眩惑させてしまうことを防止できる。
【実施例5】
【0108】
上記実施例4では、2枚の反射鏡のなす角度δが「90」度よりも大きい場合について説明したが、2枚の反射鏡のなす角度δは、「90」度よりも小さくてもよい。そこで、実施例5では、2枚の反射鏡のなす角度δが「90」度よりも小さい場合について説明する。
【0109】
[実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要]
まず、図18を用いて、実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要について説明する。図18は、実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要を説明するための図である。
【0110】
図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、実施例4に係るナンバープレート認識装置4と同様に、2枚の反射鏡M1とM2との組合せを有する。ただし、実施例5における反射鏡M1とM2とのなす角度δは、「90」度よりも小さい。なお、ここでは、図示することを省略しているが、2枚の反射鏡の組合せは、路面に連続して埋め込まれる。
【0111】
図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、ヘッドライト11によって照射される入射光L50を、反射鏡M2に反射させた後、さらに反射鏡M1に反射させて、反射させた反射光R50をナンバープレート12に照射する。
【0112】
このように、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、入射光を、一度、反射鏡M2によって地上方向へ反射させ、反射させた光を反射鏡M1によってナンバープレート12の方向へ反射させる。すなわち、図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、反射鏡M2のみに反射されて地上方向へ照射される反射光の割合を減らすことができる。
【0113】
ところで、実施例4と同様に、反射鏡M1とM2において、入射光をナンバープレート12に反射させるためには、反射鏡M1と路面とのなす角度xは、反射鏡が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。また、反射鏡M1とM2とのなす角度δも、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。以下に、角度xと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係、および、角度δと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について順に説明する。
【0114】
[反射鏡と路面とのなす角度x]
まず、図19を用いて、実施例5における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類について説明する。図19は、実施例5における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【0115】
図19に示すように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも小さい場合、反射鏡M1とM2によって反射される反射光は、図13に示した例と同様に、4種類の反射光として、反射光R1、反射光R2、反射光R12および反射光R21を考える。なお、ここでは、3回以上反射される光については考慮しないものとする。
【0116】
ここで、反射光R1およびR2は、図13を用いて説明したように、ナンバープレート12に照射される反射光になる可能性が低い。また、反射光R12は、ヘッドライト11よりも上部に照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。一方、反射光R21は、反射角βが入射角αよりも大きいので、ナンバープレート12に照射される反射光になる可能性が高い。
【0117】
すなわち、角度δが「90」度よりも小さい場合は、角度δが「90」度よりも大きい場合と異なり、反射光R21が発生するように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。例えば、反射鏡M1と路面とのなす角度xが、少なくとも「x<δ−α」を満たすように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。これは、反射光R21が発生するように、反射鏡M2で反射した光が反射鏡M1に到達するための条件である。
【0118】
[2枚の反射鏡のなす角度δ]
次に、実施例5における2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。まず、図20を用いて、入射光と反射光とのなす角について説明する。図20は、実施例5の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。図20に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とのなす角度δが「90」度より小さい場合、入射光と反射光R21とのなす角は、以下の式(12)により表される。なお、入射光と反射光R12とのなす角も、以下の式(12)により表される。
【0119】
【数12】
【0120】
そして、図17を用いて説明したように、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた場所に位置する2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δを決定する。図17に示した例を用いて具体的に説明すると、αは、式(3)により表され、βは、式(5)により表される。したがって、式(3)および(5)を、上記式(12)に代入することにより、以下の式(13)が得られる。
【0121】
【数13】
【0122】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度は、上記式(13)により得られる角度δであることが望ましい。このように埋め込まれた反射鏡は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0123】
[実施例5における反射鏡の構成例]
次に、図21〜図24を用いて、実施例5における反射鏡の構成例を説明する。図21〜図24は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【0124】
[実施例5における反射鏡の構成例1(図21)]
まず、図21に示した反射鏡の構成について説明する。図21に示すように、反射鏡M1aは、反射鏡M2aよりも地中方向に長い。図21に示した反射鏡M1aとM2aとの組合せは、反射鏡M1a、反射鏡M2aの順に反射される反射光の割合を減らすことができる。図21を用いて具体的に説明する。例えば、図21に示すように、入射光L51が入射されたものとする。かかる入射光L51は、反射鏡M1aにより反射されるが、反射鏡M2aには反射されずに、隣接する反射鏡M1bの裏面で遮られる。
【0125】
図19を用いて説明したように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも小さい場合、反射鏡M1(M1a)、反射鏡M2(M2a)の順に反射される反射光R12は、ナンバープレート12の上部に照射される可能性がある。そこで、図21に示した例のように、反射鏡M1aを反射鏡M2aよりも長くして、反射光R12が照射される割合を減らすことで、ナンバープレート12の上部に照射される反射光の割合を減らすことができる。これにより、図21に示した反射鏡の組合せは、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0126】
[実施例5における反射鏡の構成例2(図22)]
次に、図22に示した反射鏡の構成について説明する。図22に示した反射鏡の大きさや組合せ方は、図21に示した例と同様である。ただし、図22に示した例において、反射鏡M1cおよびM1dは、ハーフミラーである。これにより、図22に示した2枚の反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。図22を用いて具体的に説明する。例えば、図22に示すように、入射光L52が入射されたものとする。かかる入射光L52は、反射鏡M2c、反射鏡M1cの順に反射され、隣接する反射鏡M1dへ照射される。ここで、反射鏡M1dが反射鏡であるので、反射光R52は、反射鏡M1dを通過してナンバープレート12に照射される。これにより、図22に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。
【0127】
[実施例5における反射鏡の構成例3(図23)]
次に、図23に示した反射鏡の構成について説明する。図23に示すように、反射鏡M2eは、2個の反射鏡M2−1eおよびM2−2eに分けられている。同様に、反射鏡M2fは、2個の反射鏡M2−1fおよびM2−2fに分けられている。図23に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。図23を用いて具体的に説明する。例えば、図23に示すように、入射光L53が入射されたものとする。かかる入射光L53は、反射鏡M2−2fによって反射され、さらに反射鏡M1eによって反射されて、ナンバープレート12に照射される。これにより、図23に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。
【0128】
[実施例5における反射鏡の構成例4(図24)]
次に、図24に示した反射鏡の構成について説明する。図24に示した反射鏡の組合せは、図23に示した例に加えて、ハーフミラーである反射鏡M2−3gおよびM2−3hがさらに埋め込まれている。反射鏡M2−3gおよびM2−3hは、地上方向から入射される光を通過させ、かつ、地中方向から入射される光を反射させるハーフミラーである。これにより、ナンバープレート12の上部へ照射される反射光の割合を減らすことができる。図24を用いて具体的に説明する。例えば、図24に示すように、入射光L54が入射されたものとする。かかる入射光L54は、反射鏡M1gによって反射され、さらに反射鏡M2−2hによって反射されて、ナンバープレート12の上部方向へ照射される。しかし、かかる反射光R54は、反射鏡M2−3hによって反射されるため、地上へ放出されない。このように、図24に示した反射鏡の組合せは、ナンバープレート12の上部へ照射される反射光の割合を減らすことができるので、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0129】
[実施例5の効果]
上述してきたように、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、反射鏡M2によって反射された反射光を反射鏡M1によってさらに反射させるので、地上方向への照射する反射波の割合を減らすことができる。すなわち、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、消費電力を低減することができる上に、さらに、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【実施例6】
【0130】
上記実施例1〜5では、1枚または2枚の反射鏡を用いて入射光を反射させる例を説明した。実施例6では、反射鏡以外の遮蔽板などを用いる例について説明する。
【0131】
[実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要]
まず、図25を用いて、実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要について説明する。図25は、実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要を説明するための図である。
【0132】
図25に示すように、車両10から照射された入射光L110は、反射鏡M110によって反射される。反射鏡M110によって反射される反射光のうち、反射光R110は、ナンバープレート12の方向へ照射される。しかし、反射光R111〜R113は、歩道方向へ照射され、反射光R114〜R116は、隣接する車線方向へ照射される。これは、ヘッドライト11が、車両10の進行方向だけでなく、進行方向に対する左右方向にもヘッドライト光を照射するからである。
【0133】
そこで、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光(図25に示した例では、反射光R111〜R116)を遮蔽板によって遮断する。これにより、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0134】
[実施例6における反射鏡の構成例1]
まず、図26−1を用いて、実施例6における反射鏡の構成例について説明する。図26−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【0135】
図26−1に示すように、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、反射鏡M1(図26−1に示した面ABCD)と、反射鏡M2(図26−1に示した面CDEF)との組合せを有する。さらに、ナンバープレート認識装置6は、図26−1に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とに交わる面に、遮蔽板P1(図26−1に示した面ADEH)と、遮蔽板P2(図26−1に示した面BCFG)とを有する。
【0136】
ここで、図26−1に示した例のように、入射光L61が、反射鏡M1とM2との組合せに入射されたものとする。そして、かかる入射光L61は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射されたものとする。このとき、歩道方向へ反射された反射光は、遮蔽板P1によって遮断される。言い換えれば、かかる反射光は、歩道方向へ照射されることなく、遮蔽板P1に吸収される。
【0137】
図26−2に、図26−1に示した方向D1から見た図を示す。図26−2からも分かるように、入射光L61は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射され、遮蔽板P1によって遮断される。
【0138】
なお、車両10の進行方向と平行である方向に入射される入射光は、反射鏡M1、反射鏡M2の順に反射され、ナンバープレート12の方向へ照射される。例えば、図26−2に示した入射光L62およびL63は、車両10の進行方向と平行の方向へ照射されるので、ナンバープレート12の方向へ反射される。
【0139】
[実施例6における反射鏡の構成例2]
ところで、図26−1および図26−2では、遮蔽板を用いる例を示したが、遮蔽板の代わりに、反射鏡を用いてもよい。そして、かかる反射鏡によって、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させてもよい。
【0140】
図27−1および図27−2を用いて具体的に説明する。図27−1に示した例では、図26−1に示した遮蔽板P1およびP2の代わりに、反射鏡M3およびM4を用いる。反射鏡M3は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させる。同様に、反射鏡M4は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させる。
【0141】
図27−2に、図27−1に示した方向D2から見た図を示す。図27−2からも分かるように、入射光L64は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射され、さらに反射鏡M3によってナンバープレート12の方向へ反射される。
【0142】
このように、図27−1に示した反射鏡の組合せは、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる上に、ヘッドライト11に照射される光の量を多くすることができる。
【0143】
[実施例6の効果]
上述してきたように、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を遮蔽板によって遮断するので、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。また、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を反射鏡によってナンバープレート12の方向へ反射させるので、ヘッドライト11に照射される光の量を多くすることができる。
【0144】
なお、上記実施例6では、図26−1および図27−1を用いて、ナンバープレート認識装置が、2枚の反射鏡と直交し、かつ、路面B10と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有する例を示した。しかし、ナンバープレート認識装置は、実施例1〜3において説明した1枚の反射鏡と直交し、かつ、路面B10と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有してもよい。
【実施例7】
【0145】
ところで、上述したナンバープレート認識装置は、上述した実施例1〜6以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例7では、ナンバープレート認識装置の他の実施例について説明する。
【0146】
[反射特性]
上述してきた反射鏡に水滴が付着すると、かかる反射鏡の反射特性は変化する。そこで、上述してきた反射鏡は、隣接する反射鏡との間に隙間を空け、排水しやすいように路面に埋め込まれてもよい。これにより、雨天の場合などに、反射鏡に水滴が付着することを防止することができるので、反射鏡の反射特性が変化してしまうことを防止することができる。
【0147】
[反射鏡の構成]
また、上述してきた反射鏡や、透過部B11は、その上部を車両によって通過される。このため、反射鏡や透過部B11は、タイヤのこすれなどによって汚れる場合がある。そこで、上述してきた反射鏡や透過部B11は、酸化チタンなどの光触媒によってコーティングされてもよい。これにより、反射鏡や透過部B11に、光分解などの自浄効果をもたせることができる。
【0148】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0149】
(付記1)撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、
前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部と
を備えたことを特徴とする撮像システム。
【0150】
(付記2)前記反射部は、当該反射部と前記撮影対象物との相対位置と、前記撮影対象物によって発せられる光の位置及び角度と、前記撮影対象部位の位置とに基づいて、前記撮影対象物によって発せられる光を、前記撮影対象部位に反射させることを特徴とする付記1に記載の撮像システム。
【0151】
(付記3)前記反射部は、撮影対象物である車両によって発せられる光を、撮影対象部位である車両のナンバープレートに反射させるように、路面に埋め込まれた反射鏡であることを特徴とする付記1または2に記載の撮像システム。
【0152】
(付記4)前記反射部は、当該反射部と前記車両との相対位置と、前記車両によって発せられる光の位置及び角度と、前記車両におけるナンバープレートの位置とに基づいて、前記車両によって発せられる光を、前記ナンバープレートに反射させるように、複数の反射鏡が組み合わされたことを特徴とする付記3に記載の撮像システム。
【0153】
(付記5)前記反射部は、第一の反射鏡と第二の反射鏡とを有し、
前記第一の反射鏡は、前記車両によって発せられる光を前記第二の反射鏡に反射させ、
前記第二の反射鏡は、前記第一の反射鏡によって反射された光を前記ナンバープレートに反射させることを特徴とする付記4に記載の撮像システム。
【0154】
(付記6)前記第一の反射鏡は、当該第一の反射鏡と路面とのなす角が、前記車両によって発せられる光の路面に対する角度である入射角よりも大きく、かつ、前記入射角に90を加算した角度よりも小さくなるように路面に埋め込まれたことを特徴とする付記5に記載の撮像システム。
【0155】
(付記7)前記反射部は、前記車両の反対方向から照射される光を通過させるハーフミラーであることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の撮像システム。
【0156】
(付記8)前記反射部は、前記反射鏡、前記第一の反射鏡、または、前記第二の反射鏡と直交し、かつ、路面と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の撮像システム。
【符号の説明】
【0157】
1〜6 ナンバープレート認識装置
10 車両
11 ヘッドライト
12 ナンバープレート
20 カメラ
30 照明装置
B10 路面
B11 透過部
M1、M2 反射鏡
M1a、M1b、M1c、M1d、M1e、M1f 反射鏡
M2a、M2c 反射鏡
M2−1e、M2−2e 反射鏡
M2−1f、M2−2f 反射鏡
M2−1g、M2−3g 反射鏡
M2−1h、M2−2h、M2−3h 反射鏡
M10 反射鏡
M10a、M10b 反射鏡
M20a、M20b 反射鏡
M30 反射鏡
M50 反射鏡
M110 反射鏡
P1、P2 遮蔽板
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設置されているナンバープレートを撮影し、撮影した画像に基づいてナンバープレートに記載されている車両番号を認識するナンバープレート認識装置が知られている。このようなナンバープレート認識装置は、昼夜を通して車両番号を正確に読み取ることが求められる。
【0003】
そのため、ナンバープレート認識装置には、夜間のような低照度環境の場合に、照明装置で車両に光を照射した状態でナンバープレートを撮影するものがある。具体的には、このようなナンバープレート認識装置は、図28に示したように、照明装置30によって車両10に光を照射し、カメラ20によって車両10のナンバープレート12を撮影する。このようなナンバープレート認識装置を用いることにより、低照度環境であっても、ナンバープレートから車両番号を読み取ることができる。
【0004】
なお、上記の照明装置は、ナンバープレートだけでなく、ある程度の範囲に対して光を発するので、車両の運転手にも光を照射してしまう場合がある。このように光が運転手に照射されると、運転手が眩惑され、事故の原因になることも考えられる。そこで、近年では、赤外線などの人間には不可視である波長帯の光を車両に照射するナンバープレート認識装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−108063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術には、消費電力が多いという問題があった。具体的には、上述した従来のナンバープレート認識装置は、照明装置や近赤外照明装置などによって車両に光を照射するので、多くの電力を消費していた。
【0007】
そこで、開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低減することができる撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する撮像システムは、一つの態様において、撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する撮像システムの一つの態様によれば、消費電力を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係るナンバープレート認識装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明するための図である。
【図4】図4は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図5】図5は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図6】図6は、車両の位置と反射光との関係を説明するための図である。
【図7】図7は、反射効率を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例2における反射鏡を説明するための図である。
【図9】図9は、実施例3における反射鏡を説明するための図である。
【図10】図10は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図11】図11は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図12−1】図12−1は、実施例4に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図12−2】図12−2は、実施例4に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図13】図13は、実施例4における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【図14−1】図14−1は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。
【図14−2】図14−2は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。
【図15−1】図15−1は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。
【図15−2】図15−2は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。
【図16】図16は、実施例4の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図17】図17は、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。
【図18】図18は、実施例5に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図19】図19は、実施例5における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【図20】図20は、実施例5の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【図21】図21は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図22】図22は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図23】図23は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図24】図24は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【図25】図25は、実施例6に係るナンバープレート認識装置の概要を説明するための図である。
【図26−1】図26−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図26−2】図26−2は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図27−1】図27−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図27−2】図27−2は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【図28】図28は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する撮像システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、本願の開示する撮像システムをナンバープレート認識装置に適用する例を説明するが、本願の開示する撮像システムはこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
[実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要]
まず、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要について説明する。実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両自体が発する光を車両のナンバープレートに反射させて、ナンバープレートを撮影する。これにより、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、昼夜を通してナンバープレートから車両番号を読み取ることを可能にする。
【0013】
図1を用いて具体的に説明する。図1は、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の概要を説明するための図である。図1に示した例において、車両10は、ナンバープレート認識装置1の撮影対象物である。車両10は、ヘッドライト11と、ナンバープレート12とを有する。ヘッドライト11は、ヘッドライト光(以下、「入射光」という)を車両10の前方に照射する。ナンバープレート12は、車両10を認識するための車両番号が表記されており、ナンバープレート認識装置1によって撮影される部位(撮影対象部位)に該当する。
【0014】
ナンバープレート認識装置1は、図1に示すように、路面B10に埋め込まれている反射鏡M10と、路面B10の上方に配設されたカメラ20とを有する。反射鏡M10は、車両10のヘッドライト11によって照射される入射光を反射させ、反射光をナンバープレート12に照射する。図1に示した例では、反射鏡M10は、ヘッドライト11によって照射された入射光L10を反射させ、反射光R10をナンバープレート12に照射している。
【0015】
なお、路面B10のうち、透過部B11は、光を透過させる路面であり、例えば、強化ガラスや強化プラスチックのような透明な物質である。すなわち、図1に示した例において、入射光L10は、透過部B11を通過して反射鏡M10に照射される。また、反射光R10は、透過部B11を通過してナンバープレート12に照射される。
【0016】
カメラ20は、撮影対象物である車両10を撮影する。具体的には、カメラ20は、反射鏡M10によって反射光R10がナンバープレート12に照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影する。カメラ20によって撮影された画像は、図示しない画像処理装置によって画像認識処理が行われる。ナンバープレート認識装置1は、かかる画像認識処理の結果に基づいて、ナンバープレート12に表記されている車両番号を特定する。
【0017】
このように、ナンバープレート認識装置1は、撮影対象物である車両10自体が発する入射光を反射させて、反射光を撮影対象部位であるナンバープレート12に照射する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12に光が照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影することができる。その結果、ナンバープレート認識装置1は、夜間のような低照度環境であっても、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置(図28参照)と比較して、照明装置によって消費される電力を削減できるので、消費電力を低減することができる。
【0018】
[実施例1に係るナンバープレート認識装置1の構成例]
次に、図2を用いて、上述したナンバープレート認識装置1の構成について説明する。図2は、実施例1に係るナンバープレート認識装置1の構成例を示す図である。
【0019】
図2において、カメラ20は、車両10が所定の基準位置を通過する場合や、基準位置に停車している場合に、ナンバープレート12を撮影する。これは、撮影画像に、ナンバープレート12が含まれるようにするためである。なお、基準位置は、カメラ20の設置位置や設置角度などに基づいて予め決められている。
【0020】
また、図2に示すように、車両10のヘッドライト11は、ある程度の範囲を有する入射光L10を照射する。図2に示した例では、ヘッドライト11は、路面B10の位置A〜位置Bの範囲に、入射光L10を照射している。
【0021】
ナンバープレート認識装置1は、基準位置に位置する車両10によって照射される入射光L10の範囲内に、複数の反射鏡を有する。図2に示した例では、入射光L10の範囲は位置A〜位置Bなので、ナンバープレート認識装置1は、少なくとも位置A〜位置Bの範囲に、複数の反射鏡を有する。なお、図2には、ナンバープレート認識装置1が有する複数の反射鏡のうち、反射鏡M10aおよびM10bを示している。
【0022】
かかる複数の反射鏡は、車両10が基準位置に位置する場合に、入射光L10がナンバープレート12に反射されるように、路面に埋め込まれる。具体的には、入射光L10がナンバープレート12に反射されるように、複数の反射鏡は、設置位置によって路面とのなす角度を変えられながら路面に埋め込まれる。それぞれの反射鏡と路面とのなす角度は、それぞれの反射鏡と基準位置との相対位置、ヘッドライト11の位置、ヘッドライト11によって照射される入射光の角度(入射角)、ナンバープレート12の位置などに基づいて算出される。そして、それぞれの反射鏡は、算出された角度で、路面に埋め込まれる。なお、反射鏡と路面とのなす角度を算出する手法は、後に詳述する。
【0023】
図2に示した例では、反射鏡M10aは、路面とのなす角度がγ1になるように、路面に埋め込まれている。また、反射鏡M10bは、路面とのなす角度がγ2になるように、路面に埋め込まれている。
【0024】
このようにして埋め込まれた複数の反射鏡は、車両10が基準位置に位置する場合に、入射光L10をナンバープレート12に集中的に反射させる。例えば、図2に示した例において、反射鏡M10aは、自身に入射された入射光L10を反射させて、反射させた反射光R10aをナンバープレート12に照射している。また、例えば、反射鏡M10bは、自身に入射された入射光L10を反射させて、反射させた反射光R10bをナンバープレート12に照射している。
【0025】
このように、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、基準位置に位置する車両10によって照射される入射光の範囲内に、入射光をナンバープレート12に集中的に反射させるように埋め込まれた複数の反射鏡を有する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12に照射される光の量を多くすることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いない分、消費電力を削減することができる。
【0026】
[反射鏡と路面とのなす角度γ]
上述したように、反射鏡M10(反射鏡M10aおよびM10bも含む)と路面とのなす角度γは、反射鏡M10が埋め込まれる位置によって異なる。以下に、所定の位置に反射鏡M10を埋め込む場合に、反射鏡M10を埋め込む角度γをいかなる値にすることが好ましいかについて説明する。なお、以下では、まず、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明し、続いて、角度γと反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明する。
【0027】
まず、図3を用いて、入射角αと反射角βと角度γとの関係について説明する。図3は、入射角αと反射角βと角度γとの関係を説明するための図である。図3において、反射鏡M10は、路面B10とのなす角度がγになるように路面に埋め込まれているものとする。また、入射光L10は、入射角αによって反射鏡M10に入射されるものとする。また、反射鏡M10によって反射された反射光R10は、反射角βによって車両10の方向へ照射されるものとする。かかる場合に、入射角αと反射角βと角度γについて、以下の関係式(1)が成り立つ。
【0028】
【数1】
【0029】
続いて、図4を用いて、角度γと、反射鏡M10が埋め込まれる位置との関係について説明する。図4は、反射鏡と路面とのなす角度γと、反射鏡M10が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。ここでは、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた位置に埋め込まれる反射鏡M10について、角度γをいかなる値にすることが好ましいかについて説明する。
【0030】
なお、図4では、ヘッドライト11から照射される入射光の入射角をαとし、反射鏡M10によって反射される反射光の反射角をβとする。また、ヘッドライトの高さをH1とし、ナンバープレートの高さをH2とする。なお、ここで言う「ヘッドライトの高さH1」とは、例えば、一般的な車両のヘッドライトの高さの平均値である。また、「ナンバープレートの高さH2」とは、例えば、一般的な車両のナンバープレートの高さの平均値である。
【0031】
ここで、ヘッドライトの高さH1と、基準位置から反射鏡M10までの距離Lmとには、以下の式(2)が成り立つ。
【0032】
【数2】
【0033】
すなわち、αは以下の式(3)により表される。
【0034】
【数3】
【0035】
また、ナンバープレートの高さH2と、基準位置から反射鏡M10までの距離Lmとには、以下の式(4)が成り立つ。
【0036】
【数4】
【0037】
すなわち、βは以下の式(5)により表される。
【0038】
【数5】
【0039】
そして、上記式(3)および(5)を、式(1)に代入することにより、以下の式(6)が得られる。
【0040】
【数6】
【0041】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M10は、路面とのなす角度が、上記式(6)により得られる角度γであることが好ましい。これは、距離Lmの場所に、上記式(6)により得られる角度γで埋め込まれた反射鏡M10は、高さH1(一般的なヘッドライトの高さ)から照射される入射光を、高さH2の位置(一般的なナンバープレートの高さ)に反射させることができるからである。
【0042】
なお、実際には、基準位置からの距離Lmに反射鏡M10を埋め込む場合であっても、入射光が路面に入射する位置が、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。同様に、反射光が路面から抜け出す位置が、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。具体的には、図5に示した例のように、反射鏡M10を基準位置からの距離Lmに埋め込んだ場合、入射光が路面に入射する位置は、Lm1になり、反射光が路面から抜け出す位置は、Lm2になる。そこで、入射光が路面に入射する位置Lm1と、反射光が路面から抜け出す位置Lm2とを考慮した上で、上述した式(6)を算出してもよい。具体的には、上記式(2)を「tanα=Lm1/H1」とし、上記式(4)を「tanβ=Lm2/H2」とした上で、式(6)から角度γを算出する。
【0043】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両10によって照射される入射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させ、ナンバープレート12に反射光が照射されている状態で、ナンバープレート12を撮影する。これにより、ナンバープレート認識装置1は、夜間のような低照度環境であっても、照明装置を用いることなく、ナンバープレート12から車両番号を正確に読み取ることができる。すなわち、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、照明装置を用いないので、消費電力を低減することができる。
【0044】
ところで、従来のナンバープレート認識装置には、運転手を眩惑させないことを目的として、赤外線のような不可視光をナンバープレートに照射させるものがあった。しかし、ナンバープレートは、赤外線を吸収する素材で形成された特殊なカバーによって覆われている場合がある。かかる場合、従来のナンバープレート認識装置は、不可視光をナンバープレートに照射しても、ナンバープレートから車両番号を読み取ることができなった。一方、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、車両が発する入射光を、ナンバープレートに反射させるので、可視光をナンバープレートに照射することになる。このため、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、上述した特殊なカバーが設置されたナンバープレートであっても、車両番号を正確に読み取ることができる。
【0045】
また、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置は、光の照射範囲を通過する車両の運転手を眩惑させてしまう可能性が高かったが、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。具体的には、照明装置を用いる従来のナンバープレート認識装置は、車両の前面に光を照射するため、光の照射範囲を通過する車両の運転手に光を集中的に照射してしまい、運転手を眩惑させてしまう可能性が高かった。一方、実施例1に係るナンバープレート認識装置1は、運転手に光を集中的に照射することがないので、運転手を眩惑させない。この点について、図6を用いて具体的に説明する。図6は、車両10の位置と反射光との関係を説明するための図である。
【0046】
図6に示すように、車両10が基準位置よりも反射鏡から遠い場所に位置する場合、反射光は、ナンバープレート12よりも上部に照射される。図6に示した例を用いて説明すると、ヘッドライト11によって照射される入射光L10aは、反射鏡M10aによって反射される。そして、反射された反射光R10aは、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される。同様に、入射光L10bは、反射鏡M10bによって反射され、反射された反射光R10bは、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される。
【0047】
このように、車両10が基準位置よりも反射鏡から遠い場所に位置する場合に、反射光は、ナンバープレート12よりも上の位置に照射される可能性がある。しかし、図6に示したように、複数の反射光が集中的に運転手に照射されることはない。このため、ナンバープレート認識装置1は、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【実施例2】
【0048】
上記実施例1では、反射鏡によって入射光を反射させる例を示した。しかし、ナンバープレート認識装置は、反射鏡以外のものによって入射光を反射させてもよい。そこで、実施例2では、ハーフミラーによって入射光を反射させる例について説明する。
【0049】
[反射効率]
まず、実施例2に係るナンバープレート認識装置2を明確にするために、図7を用いて、反射効率について説明する。なお、ここで言う「反射効率」とは、入射光の量に対して、路面を抜け出して地上へ照射される反射光の量の割合を示す。図7は、反射効率を説明するための図である。
【0050】
図7において、路面B10に反射鏡M10aおよびM10bが埋め込まれているものとする。なお、反射鏡M10aおよびM10bは、ハーフミラーではないものとする。また、入射光L10は、入射角αによって反射鏡M10bに入射されるものとする。また、反射鏡M10bによって反射された反射光R10aは、反射角βによって車両10の方向へ照射されるものとする。
【0051】
また、図7において、反射鏡の深さをdmとし、開口幅をdwとし、さらに、反射鏡の深さdmが、開口幅dwに対して十分に大きい値であるものとする。かかる場合に、反射効率は以下の(A)〜(C)により表される。なお、開口幅とは、透過部B11の長さを示す。また、「反射鏡の深さdmが、開口幅dwに対して十分に大きい値」とは、α≧γである場合に、入射光が全て反射鏡に照射されるための条件である。かかる条件は、「dm/sinγ ≧ dw・cosγ」によって表される。
【0052】
(A)反射効率:0 (α≦2γ−90の場合)
(B)反射効率:sinα/sinβ (2γ−90<α<γの場合)
(C)反射効率:1 (α≧γの場合)
【0053】
上記(A)は、入射光が地中方向へ反射される場合を示している。また、上記(B)は、反射光の一部が地上方向へ反射される場合を示している。また、上記(C)は、入射光が全て地上方向へ反射される場合を示している。
【0054】
ここで、車両10が基準位置に位置する場合、反射効率は、上記(B)で表される。つまり、車両10が基準位置に位置する場合、反射効率は「1」になるとは限らない。これは、反射光が隣接する反射鏡に遮断されるからである。図7に示した例を用いて説明する。図7に示すように、入射光L10は、反射鏡M10bによって反射され、反射光R10として、ナンバープレート12の方向へ照射される。しかし、反射光R10のうち、反射光R10aは、ナンバープレート12に照射されるが、反射光R10bは、反射鏡M10aによって遮断される。
【0055】
[実施例2における反射鏡]
次に、実施例2に係るナンバープレート認識装置2が有する反射鏡について説明する。実施例2に係るナンバープレート認識装置2は、反射鏡としてハーフミラーを用いる。ナンバープレート認識装置2が有するハーフミラーは、ヘッドライト11から照射される入射光を反射させ、車両10と反対の方向から照射される光を通過させる。
【0056】
図8を用いて具体的に説明する。図8は、実施例2における反射鏡を説明するための図である。図8において、反射鏡M20aおよびM20bは、ハーフミラーである。例えば、反射鏡M20aは、ヘッドライト11から照射される入射光を反射させ、反射鏡M20bによって反射された反射光を通過させるハーフミラーである。
【0057】
図8に示すように、入射光L20が入射された場合、入射光L20は、反射鏡M20bによって反射され、反射光R20として、ナンバープレート12の方向へ照射される。かかる反射光R20のうち、反射光R20aは、反射鏡M20aに照射される。ここで、反射鏡M20aは、ハーフミラーであるため、反射光R20aを通過させる。このため、反射光R20aは、ナンバープレート12へ照射される。このように反射鏡にハーフミラーを用いれば、ナンバープレート12に照射される光を多くすることができる。
【0058】
なお、実施例2におけるハーフミラーは、実施例1における反射鏡と同様に、埋め込まれる位置によって路面とのなす角度γが異なる。具体的には、基準位置から距離Lmに位置するハーフミラーは、路面とのなす角度が、式(6)により得られる角度γになるように埋め込まれる。
【0059】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係るナンバープレート認識装置2は、入射光をナンバープレート12へ反射させ、車両10と反対の方向から照射される光を通過させるハーフミラーを有する。これにより、ナンバープレート認識装置2は、照明装置を用いずに、ナンバープレート12に対して、より多くの光を照射させることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号をより正確に読み取ることができる。
【実施例3】
【0060】
上記実施例1および2では、透過部B11の屈折率が「1」であるものとして説明した。しかし、透過部B11の屈折率は「1」でない場合もある。そこで、実施例3では、透過部B11の屈折率が「1」でない場合について説明する。
【0061】
[実施例3における反射鏡]
まず、図9を用いて、実施例3に係るナンバープレート認識装置3が有する反射鏡について説明する。図9は、実施例3における反射鏡を説明するための図である。
【0062】
図9において、実施例3における反射鏡M30は、路面B10とのなす角度γ´により埋め込まれているものとする。また、図9において、透過部B11から反射鏡M30までの空間Eは、例えば、強化ガラスや強化プラスチックのような物質で充填されているものとする。
【0063】
ここで、透過部B11および空間Eの屈折率nは、「1」より大きいものとする。かかる場合、入射角αで入射された入射光は、屈折して反射鏡M30へ照射される。図9に示した例では、入射光は、空間E内においてα´の角度で屈折している。同様に、反射光は、反射角βの角度で屈折して地上方向へ照射される。
【0064】
このため、実施例3における反射鏡M30は、式(6)により求められる角度で路面に埋め込んでも反射光をナンバープレート12に照射できるとは限らない。以下に、実施例3における反射鏡M10と路面B10とのなす角度γ´について説明する。ここでは、図4に示した例と同様に、基準位置から距離Lmの場所に位置する反射鏡について説明する。また、図4に示した例と同様に、ヘッドライトの高さは、H1であるものとし、ナンバープレートの高さは、H2であるものとする。
【0065】
まず、角度αおよびα´と、屈折率nについて、以下の式(7)が成り立つ。
【0066】
【数7】
【0067】
また、角度βおよびβ´と、屈折率nについて、以下の式(8)が成り立つ。
【0068】
【数8】
【0069】
そして、上記式(7)に、上記式(3)を代入することで、α´をn、Lm、H1により表すことができる。同様に、上記式(8)に、上記式(5)を代入することで、β´をn、Lm、H2により表すことができる。
【0070】
また、α´、β´、および、反射鏡M30と路面B10とのなす角度γ´について、以下の関係式(9)が成り立つ。
【0071】
【数9】
【0072】
したがって、反射鏡M30と路面とのなす角度γ´は、上記式(3)、(5)、(7)、(8)、(9)を用いて求めることができる。求められた角度γ´により埋め込まれた反射鏡M30は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0073】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3に係るナンバープレート認識装置3は、路面を覆っている物質の屈折率が「1」でない場合であっても、車両10によって照射される入射光を、ナンバープレート12に反射させることができる。このため、実施例3に係るナンバープレート認識装置3は、照明装置を用いることなく、ナンバープレートから車両番号を正確に読み取ることができるので、消費電力を低減することができる。
【0074】
なお、実施例3における反射鏡M30は、ハーフミラーであってもよい。これにより、ナンバープレート認識装置3は、ナンバープレート12に対して多くの光を照射させることができ、その結果、ナンバープレート12から車両番号をより正確に読み取ることができる。
【実施例4】
【0075】
上記実施例1〜3では、1枚の反射鏡が、車両10の進行方向に連続して路面に埋め込まれる例について説明した。しかし、ナンバープレート認識装置が有する反射鏡の形態はこれに限られず、複数の反射鏡の組合せが連続して路面に埋め込まれる形態であってもよい。そこで、実施例4では、2枚の反射鏡の組み合わせが路面に連続して埋め込まれる形態について説明する。
【0076】
[2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係]
まず、実施例4に係るナンバープレート認識装置4を説明する前に、図10および図11を用いて、2枚の反射鏡の組合せに入射される入射光と、かかる2枚の反射鏡によって反射される反射光との関係について説明する。図10および図11は、2枚の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。
【0077】
図10に示すように、2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度である場合、入射光と反射光とは平行の関係になる。一方、図11に示すように、2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度でない場合、入射光と反射光とは平行の関係にならない。図11に示した例では、反射光が、入射光よりも地上方向側に傾いて照射されている。
【0078】
このように、反射鏡M1とM2とのなす角度δを変化させると、反射角も変化する。実施例4では、角度δが「90」度よりも大きい場合について、詳細に説明する。
【0079】
[実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要]
まず、図12−1および図12−2を用いて、実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要について説明する。図12−1および図12−2は、実施例4に係るナンバープレート認識装置4の概要を説明するための図である。
【0080】
図12−1に示すように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、2枚の反射鏡M1とM2との組合せを有する。なお、ここでは、図示することを省略しているが、2枚の反射鏡の組合せは、路面に連続して埋め込まれる。
【0081】
そして、図12−1に示すように、ナンバープレート認識装置4は、ヘッドライト11によって照射される入射光L40を、反射鏡M1に反射させた後、さらに反射鏡M2に反射させて、反射させた反射光R40をナンバープレート12に照射する。
【0082】
このように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、入射光を、一度、反射鏡M1によって地中方向へ反射させ、反射させた光を反射鏡M2によってナンバープレート12の方向へ反射させる。例えば、図12−2に示した例のように、入射角αが大きい入射光L41が入射された場合であっても、反射鏡M1は、入射光L41を地中方向へ反射させて、反射光R41を照射する。このため、ナンバープレート認識装置4は、反射光を運転手に照射することがほとんどないので、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0083】
ところで、上述した反射鏡M1とM2において、入射光をナンバープレート12に反射させるためには、反射鏡M1と路面B10とのなす角度xは、反射鏡が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。また、反射鏡M1とM2とのなす角度δも、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。以下に、角度xと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係、および、角度δと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について順に説明する。
【0084】
[反射鏡と路面とのなす角度x]
まず、反射鏡M1と路面とのなす角度xと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。ここでは、最初に、図13を用いて、実施例4における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類について説明する。図13は、実施例4における反射鏡によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【0085】
図13に示すように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも大きい場合、反射鏡M1とM2によって反射される反射光は、4種類の反射光になり得る。具体的には、1種類目の反射光としては、反射鏡M1に反射され、反射鏡M2に反射されない反射光R1が考えられる。2種類目の反射光としては、反射鏡M2に反射され、反射鏡M1に反射されない反射光R2が考えられる。3種類目の反射光としては、反射鏡M1に反射され、さらに反射鏡M2に反射された反射光R12が考えられる。4種類目の反射光としては、反射鏡M2に反射され、さらに反射鏡M1に反射された反射光R21が考えられる。なお、δが「90」度以上の時は、光が3回以上反射されることはない。
【0086】
ここで、反射光R1は、主に地中方向へ照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。また、反射光R2は、主に車両10と反対の方向へ照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。また、反射光R21は、反射角βが入射角αよりも小さいので、ヘッドライト11よりも上部に照射される。よって、反射光R21は、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。一方、反射光R12は、反射角βが入射角αよりも大きいので、ナンバープレート12に照射される可能性が高い。
【0087】
すなわち、図13に示した4種類の反射光のうち、反射光R12が発生するように、反射鏡M1およびM2を路面B10に埋め込むことが好ましい。具体的には、反射鏡M1と路面とのなす角度x’(x’=180−x)が、「入射角α<x’<入射角α+90」を満たす範囲で、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。以下に、図14−1、図14−2、図15−1および図15−2を用いて、角度x’が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たす場合に、反射光R12が発生する根拠を説明する。
【0088】
まず、図14−1および図14−2を用いて、条件「角度x’<入射角α+90」を満たす場合に反射光R12が発生する根拠について説明する。図14−1および図14−2は、条件「角度x’<入射角α+90」の根拠を説明するための図である。なお、図14−1において、角度x’は、「角度x’<入射角α+90」を満たすものとする。また、図14−2において、角度x’は、「角度x’>入射角α+90」であるものとする。
【0089】
図14−1に示すように、「角度x’<入射角α+90」である場合、ほとんどの入射光は反射鏡M1に照射される。そして、反射鏡M1によって反射された反射光は、反射鏡M2によってさらに反射される。このため、「角度x’<入射角α+90」である場合、図13に示した反射光R12が発生する可能性は高い。
【0090】
一方、図14−2に示すように、「角度x’>入射角α+90」である場合、多くの入射光は、反射鏡M2に照射される。このため、入射光は、反射鏡M2に反射された後、反射鏡M1に反射されて、地中方向へ照射される可能性が高い。または、入射光は、反射鏡M2に地中方向へ反射される可能性が高い。すなわち、図14−2に示したように、「角度x’>入射角α+90」である場合、反射光R12が発生することは考えにくい。
【0091】
このように、入射光を反射鏡M1に照射させて、反射光R12を発生させるために、角度x’は、少なくとも「角度x’<入射角α+90」を満たすことが望ましい。
【0092】
続いて、図15−1および図15−2を用いて、条件「入射角α<角度x’」を満たす場合に反射光R12が発生する根拠について説明する。図15−1および図15−2は、条件「入射角α<角度x’」の根拠を説明するための図である。なお、図15−1において、角度x’は、「入射角α<角度x’」であるものとする。また、図15−2において、角度x’は、「入射角α>角度x’」であるものとする。
【0093】
図15−1に示すように、「入射角α<角度x’」である場合、入射光は反射鏡M1に照射される。そして、反射鏡M1によって反射された反射光は、反射鏡M2によってさらに反射される。このため、「入射角α<角度x’」である場合、反射光R12が発生する可能性は高い。
【0094】
一方、図15−2に示すように、「入射角α>角度x’」である場合、入射光は、反射鏡M1に照射されるものの、反射角βは、入射角αよりも小さくなる。すなわち、「入射角α>角度x’」である場合、入射光は、ナンバープレート12よりも上の位置に反射される。
【0095】
このように、反射光R12を発生させ、さらに、入射光をナンバープレート12よりも上の位置に反射させないようにするために、角度x’は、少なくとも「入射角α<角度x’」を満たすことが望ましい。
【0096】
以上のように、反射光R12を発生させ、かかる反射光R12をナンバープレートの方向に照射させるためには、角度x’が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たすように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。
【0097】
[2枚の反射鏡のなす角度δ]
次に、実施例4における2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。まず、図16を用いて、入射光と反射光とのなす角について説明する。図16は、実施例4の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。図16に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とのなす角度δが「90」度より大きい場合、入射光と反射光R12とのなす角は、以下の式(10)により表される。なお、入射光と反射光R21とのなす角も、以下の式(10)により表される。
【0098】
【数10】
【0099】
続いて、図17を用いて、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について説明する。図17は、2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係を説明するための図である。ここでは、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた位置に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度δについて説明する。
【0100】
なお、図17では、図4に示した例と同様に、ヘッドライト11から照射される入射光の入射角をαとし、反射鏡によって反射される反射光の反射角をβとする。また、ヘッドライトの高さをH1とし、ナンバープレートの高さをH2とする。
【0101】
ここで、ヘッドライトの高さH1と、距離Lmとには、実施例1において示した式(2)が成り立つ。そして、αは、式(3)により表される。また、ナンバープレートの高さH2と、距離Lmとには、実施例1において示した式(4)が成り立つ。そして、βは、式(5)により表される。
【0102】
そして、式(3)および(5)を、式(10)に代入することにより、以下の式(11)が得られる。
【0103】
【数11】
【0104】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度は、上記式(11)により得られる角度δであることが望ましい。このように埋め込まれた反射鏡は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0105】
なお、実際には、基準位置からの距離Lmに反射鏡を埋め込む場合であっても、入射光が路面に入射する位置や、反射光が路面から抜け出す位置は、基準位置からの距離Lmになるとは限らない。そこで、図5に示した例と同様に、入射光が路面に入射する位置Lm1と、反射光が路面から抜け出す位置Lm2とを考慮した上で、上述した式(11)から角度δを算出してもよい。
【0106】
[実施例4の効果]
上述してきたように、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、入射光を、一度、一方の反射鏡によって地中方向へ反射させ、反射させた光を他方の反射鏡によってナンバープレート12の方向へ反射させる。これにより、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、反射光を運転手に照射させることを防止することができる。すなわち、実施例4に係るナンバープレート認識装置4は、消費電力を低減することができる上に、さらに、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0107】
特に、路面とのなす角度が「入射角α<x’<入射角α+90」を満たし、かつ、式(11)により得られる角度δによって組み合わされた反射鏡を用いれば、反射光をナンバープレートに照射させることができ、運転手を眩惑させてしまうことを防止できる。
【実施例5】
【0108】
上記実施例4では、2枚の反射鏡のなす角度δが「90」度よりも大きい場合について説明したが、2枚の反射鏡のなす角度δは、「90」度よりも小さくてもよい。そこで、実施例5では、2枚の反射鏡のなす角度δが「90」度よりも小さい場合について説明する。
【0109】
[実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要]
まず、図18を用いて、実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要について説明する。図18は、実施例5に係るナンバープレート認識装置5の概要を説明するための図である。
【0110】
図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、実施例4に係るナンバープレート認識装置4と同様に、2枚の反射鏡M1とM2との組合せを有する。ただし、実施例5における反射鏡M1とM2とのなす角度δは、「90」度よりも小さい。なお、ここでは、図示することを省略しているが、2枚の反射鏡の組合せは、路面に連続して埋め込まれる。
【0111】
図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、ヘッドライト11によって照射される入射光L50を、反射鏡M2に反射させた後、さらに反射鏡M1に反射させて、反射させた反射光R50をナンバープレート12に照射する。
【0112】
このように、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、入射光を、一度、反射鏡M2によって地上方向へ反射させ、反射させた光を反射鏡M1によってナンバープレート12の方向へ反射させる。すなわち、図18に示すように、ナンバープレート認識装置5は、反射鏡M2のみに反射されて地上方向へ照射される反射光の割合を減らすことができる。
【0113】
ところで、実施例4と同様に、反射鏡M1とM2において、入射光をナンバープレート12に反射させるためには、反射鏡M1と路面とのなす角度xは、反射鏡が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。また、反射鏡M1とM2とのなす角度δも、反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置によって変化させることが好ましい。以下に、角度xと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係、および、角度δと反射鏡M1およびM2が埋め込まれる位置との関係について順に説明する。
【0114】
[反射鏡と路面とのなす角度x]
まず、図19を用いて、実施例5における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類について説明する。図19は、実施例5における反射鏡M1およびM2によって反射される反射光の種類を説明するための図である。
【0115】
図19に示すように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも小さい場合、反射鏡M1とM2によって反射される反射光は、図13に示した例と同様に、4種類の反射光として、反射光R1、反射光R2、反射光R12および反射光R21を考える。なお、ここでは、3回以上反射される光については考慮しないものとする。
【0116】
ここで、反射光R1およびR2は、図13を用いて説明したように、ナンバープレート12に照射される反射光になる可能性が低い。また、反射光R12は、ヘッドライト11よりも上部に照射されるので、ナンバープレート12に照射される可能性が低い。一方、反射光R21は、反射角βが入射角αよりも大きいので、ナンバープレート12に照射される反射光になる可能性が高い。
【0117】
すなわち、角度δが「90」度よりも小さい場合は、角度δが「90」度よりも大きい場合と異なり、反射光R21が発生するように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。例えば、反射鏡M1と路面とのなす角度xが、少なくとも「x<δ−α」を満たすように、反射鏡M1およびM2を路面に埋め込むことが好ましい。これは、反射光R21が発生するように、反射鏡M2で反射した光が反射鏡M1に到達するための条件である。
【0118】
[2枚の反射鏡のなす角度δ]
次に、実施例5における2枚の反射鏡のなす角度δと、反射鏡が埋め込まれる位置との関係について説明する。まず、図20を用いて、入射光と反射光とのなす角について説明する。図20は、実施例5の反射鏡における入射光と反射光との関係を説明するための図である。図20に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とのなす角度δが「90」度より小さい場合、入射光と反射光R21とのなす角は、以下の式(12)により表される。なお、入射光と反射光R12とのなす角も、以下の式(12)により表される。
【0119】
【数12】
【0120】
そして、図17を用いて説明したように、基準位置「0」から距離「Lm」だけ離れた場所に位置する2枚の反射鏡M1とM2とのなす角度δを決定する。図17に示した例を用いて具体的に説明すると、αは、式(3)により表され、βは、式(5)により表される。したがって、式(3)および(5)を、上記式(12)に代入することにより、以下の式(13)が得られる。
【0121】
【数13】
【0122】
すなわち、基準位置から距離Lmの場所に埋め込まれる反射鏡M1とM2とのなす角度は、上記式(13)により得られる角度δであることが望ましい。このように埋め込まれた反射鏡は、高さH1から照射される入射光を、高さH2の位置に反射させることができる。
【0123】
[実施例5における反射鏡の構成例]
次に、図21〜図24を用いて、実施例5における反射鏡の構成例を説明する。図21〜図24は、実施例5における反射鏡の構成例を示す図である。
【0124】
[実施例5における反射鏡の構成例1(図21)]
まず、図21に示した反射鏡の構成について説明する。図21に示すように、反射鏡M1aは、反射鏡M2aよりも地中方向に長い。図21に示した反射鏡M1aとM2aとの組合せは、反射鏡M1a、反射鏡M2aの順に反射される反射光の割合を減らすことができる。図21を用いて具体的に説明する。例えば、図21に示すように、入射光L51が入射されたものとする。かかる入射光L51は、反射鏡M1aにより反射されるが、反射鏡M2aには反射されずに、隣接する反射鏡M1bの裏面で遮られる。
【0125】
図19を用いて説明したように、反射鏡M1とM2とのなす角度δが「90」度よりも小さい場合、反射鏡M1(M1a)、反射鏡M2(M2a)の順に反射される反射光R12は、ナンバープレート12の上部に照射される可能性がある。そこで、図21に示した例のように、反射鏡M1aを反射鏡M2aよりも長くして、反射光R12が照射される割合を減らすことで、ナンバープレート12の上部に照射される反射光の割合を減らすことができる。これにより、図21に示した反射鏡の組合せは、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0126】
[実施例5における反射鏡の構成例2(図22)]
次に、図22に示した反射鏡の構成について説明する。図22に示した反射鏡の大きさや組合せ方は、図21に示した例と同様である。ただし、図22に示した例において、反射鏡M1cおよびM1dは、ハーフミラーである。これにより、図22に示した2枚の反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。図22を用いて具体的に説明する。例えば、図22に示すように、入射光L52が入射されたものとする。かかる入射光L52は、反射鏡M2c、反射鏡M1cの順に反射され、隣接する反射鏡M1dへ照射される。ここで、反射鏡M1dが反射鏡であるので、反射光R52は、反射鏡M1dを通過してナンバープレート12に照射される。これにより、図22に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。
【0127】
[実施例5における反射鏡の構成例3(図23)]
次に、図23に示した反射鏡の構成について説明する。図23に示すように、反射鏡M2eは、2個の反射鏡M2−1eおよびM2−2eに分けられている。同様に、反射鏡M2fは、2個の反射鏡M2−1fおよびM2−2fに分けられている。図23に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。図23を用いて具体的に説明する。例えば、図23に示すように、入射光L53が入射されたものとする。かかる入射光L53は、反射鏡M2−2fによって反射され、さらに反射鏡M1eによって反射されて、ナンバープレート12に照射される。これにより、図23に示した反射鏡の組合せは、反射光率を向上させることができる。
【0128】
[実施例5における反射鏡の構成例4(図24)]
次に、図24に示した反射鏡の構成について説明する。図24に示した反射鏡の組合せは、図23に示した例に加えて、ハーフミラーである反射鏡M2−3gおよびM2−3hがさらに埋め込まれている。反射鏡M2−3gおよびM2−3hは、地上方向から入射される光を通過させ、かつ、地中方向から入射される光を反射させるハーフミラーである。これにより、ナンバープレート12の上部へ照射される反射光の割合を減らすことができる。図24を用いて具体的に説明する。例えば、図24に示すように、入射光L54が入射されたものとする。かかる入射光L54は、反射鏡M1gによって反射され、さらに反射鏡M2−2hによって反射されて、ナンバープレート12の上部方向へ照射される。しかし、かかる反射光R54は、反射鏡M2−3hによって反射されるため、地上へ放出されない。このように、図24に示した反射鏡の組合せは、ナンバープレート12の上部へ照射される反射光の割合を減らすことができるので、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0129】
[実施例5の効果]
上述してきたように、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、反射鏡M2によって反射された反射光を反射鏡M1によってさらに反射させるので、地上方向への照射する反射波の割合を減らすことができる。すなわち、実施例5に係るナンバープレート認識装置5は、消費電力を低減することができる上に、さらに、運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【実施例6】
【0130】
上記実施例1〜5では、1枚または2枚の反射鏡を用いて入射光を反射させる例を説明した。実施例6では、反射鏡以外の遮蔽板などを用いる例について説明する。
【0131】
[実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要]
まず、図25を用いて、実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要について説明する。図25は、実施例6に係るナンバープレート認識装置6の概要を説明するための図である。
【0132】
図25に示すように、車両10から照射された入射光L110は、反射鏡M110によって反射される。反射鏡M110によって反射される反射光のうち、反射光R110は、ナンバープレート12の方向へ照射される。しかし、反射光R111〜R113は、歩道方向へ照射され、反射光R114〜R116は、隣接する車線方向へ照射される。これは、ヘッドライト11が、車両10の進行方向だけでなく、進行方向に対する左右方向にもヘッドライト光を照射するからである。
【0133】
そこで、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光(図25に示した例では、反射光R111〜R116)を遮蔽板によって遮断する。これにより、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。
【0134】
[実施例6における反射鏡の構成例1]
まず、図26−1を用いて、実施例6における反射鏡の構成例について説明する。図26−1は、実施例6における反射鏡の構成例を示す図である。
【0135】
図26−1に示すように、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、反射鏡M1(図26−1に示した面ABCD)と、反射鏡M2(図26−1に示した面CDEF)との組合せを有する。さらに、ナンバープレート認識装置6は、図26−1に示すように、反射鏡M1と反射鏡M2とに交わる面に、遮蔽板P1(図26−1に示した面ADEH)と、遮蔽板P2(図26−1に示した面BCFG)とを有する。
【0136】
ここで、図26−1に示した例のように、入射光L61が、反射鏡M1とM2との組合せに入射されたものとする。そして、かかる入射光L61は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射されたものとする。このとき、歩道方向へ反射された反射光は、遮蔽板P1によって遮断される。言い換えれば、かかる反射光は、歩道方向へ照射されることなく、遮蔽板P1に吸収される。
【0137】
図26−2に、図26−1に示した方向D1から見た図を示す。図26−2からも分かるように、入射光L61は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射され、遮蔽板P1によって遮断される。
【0138】
なお、車両10の進行方向と平行である方向に入射される入射光は、反射鏡M1、反射鏡M2の順に反射され、ナンバープレート12の方向へ照射される。例えば、図26−2に示した入射光L62およびL63は、車両10の進行方向と平行の方向へ照射されるので、ナンバープレート12の方向へ反射される。
【0139】
[実施例6における反射鏡の構成例2]
ところで、図26−1および図26−2では、遮蔽板を用いる例を示したが、遮蔽板の代わりに、反射鏡を用いてもよい。そして、かかる反射鏡によって、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させてもよい。
【0140】
図27−1および図27−2を用いて具体的に説明する。図27−1に示した例では、図26−1に示した遮蔽板P1およびP2の代わりに、反射鏡M3およびM4を用いる。反射鏡M3は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させる。同様に、反射鏡M4は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を、ナンバープレート12の方向へ反射させる。
【0141】
図27−2に、図27−1に示した方向D2から見た図を示す。図27−2からも分かるように、入射光L64は、反射鏡M1によって反射され、さらに反射鏡M2によって歩道方向へ反射され、さらに反射鏡M3によってナンバープレート12の方向へ反射される。
【0142】
このように、図27−1に示した反射鏡の組合せは、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる上に、ヘッドライト11に照射される光の量を多くすることができる。
【0143】
[実施例6の効果]
上述してきたように、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を遮蔽板によって遮断するので、歩行者や、隣接する車線を通行している車両の運転手を眩惑させてしまうことを防止することができる。また、実施例6に係るナンバープレート認識装置6は、歩道方向や、隣接する車線方向へ照射される反射光を反射鏡によってナンバープレート12の方向へ反射させるので、ヘッドライト11に照射される光の量を多くすることができる。
【0144】
なお、上記実施例6では、図26−1および図27−1を用いて、ナンバープレート認識装置が、2枚の反射鏡と直交し、かつ、路面B10と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有する例を示した。しかし、ナンバープレート認識装置は、実施例1〜3において説明した1枚の反射鏡と直交し、かつ、路面B10と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有してもよい。
【実施例7】
【0145】
ところで、上述したナンバープレート認識装置は、上述した実施例1〜6以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例7では、ナンバープレート認識装置の他の実施例について説明する。
【0146】
[反射特性]
上述してきた反射鏡に水滴が付着すると、かかる反射鏡の反射特性は変化する。そこで、上述してきた反射鏡は、隣接する反射鏡との間に隙間を空け、排水しやすいように路面に埋め込まれてもよい。これにより、雨天の場合などに、反射鏡に水滴が付着することを防止することができるので、反射鏡の反射特性が変化してしまうことを防止することができる。
【0147】
[反射鏡の構成]
また、上述してきた反射鏡や、透過部B11は、その上部を車両によって通過される。このため、反射鏡や透過部B11は、タイヤのこすれなどによって汚れる場合がある。そこで、上述してきた反射鏡や透過部B11は、酸化チタンなどの光触媒によってコーティングされてもよい。これにより、反射鏡や透過部B11に、光分解などの自浄効果をもたせることができる。
【0148】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0149】
(付記1)撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、
前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部と
を備えたことを特徴とする撮像システム。
【0150】
(付記2)前記反射部は、当該反射部と前記撮影対象物との相対位置と、前記撮影対象物によって発せられる光の位置及び角度と、前記撮影対象部位の位置とに基づいて、前記撮影対象物によって発せられる光を、前記撮影対象部位に反射させることを特徴とする付記1に記載の撮像システム。
【0151】
(付記3)前記反射部は、撮影対象物である車両によって発せられる光を、撮影対象部位である車両のナンバープレートに反射させるように、路面に埋め込まれた反射鏡であることを特徴とする付記1または2に記載の撮像システム。
【0152】
(付記4)前記反射部は、当該反射部と前記車両との相対位置と、前記車両によって発せられる光の位置及び角度と、前記車両におけるナンバープレートの位置とに基づいて、前記車両によって発せられる光を、前記ナンバープレートに反射させるように、複数の反射鏡が組み合わされたことを特徴とする付記3に記載の撮像システム。
【0153】
(付記5)前記反射部は、第一の反射鏡と第二の反射鏡とを有し、
前記第一の反射鏡は、前記車両によって発せられる光を前記第二の反射鏡に反射させ、
前記第二の反射鏡は、前記第一の反射鏡によって反射された光を前記ナンバープレートに反射させることを特徴とする付記4に記載の撮像システム。
【0154】
(付記6)前記第一の反射鏡は、当該第一の反射鏡と路面とのなす角が、前記車両によって発せられる光の路面に対する角度である入射角よりも大きく、かつ、前記入射角に90を加算した角度よりも小さくなるように路面に埋め込まれたことを特徴とする付記5に記載の撮像システム。
【0155】
(付記7)前記反射部は、前記車両の反対方向から照射される光を通過させるハーフミラーであることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の撮像システム。
【0156】
(付記8)前記反射部は、前記反射鏡、前記第一の反射鏡、または、前記第二の反射鏡と直交し、かつ、路面と直交する面に遮蔽板または反射鏡を有することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の撮像システム。
【符号の説明】
【0157】
1〜6 ナンバープレート認識装置
10 車両
11 ヘッドライト
12 ナンバープレート
20 カメラ
30 照明装置
B10 路面
B11 透過部
M1、M2 反射鏡
M1a、M1b、M1c、M1d、M1e、M1f 反射鏡
M2a、M2c 反射鏡
M2−1e、M2−2e 反射鏡
M2−1f、M2−2f 反射鏡
M2−1g、M2−3g 反射鏡
M2−1h、M2−2h、M2−3h 反射鏡
M10 反射鏡
M10a、M10b 反射鏡
M20a、M20b 反射鏡
M30 反射鏡
M50 反射鏡
M110 反射鏡
P1、P2 遮蔽板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、
前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部と
を備えたことを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記反射部は、当該反射部と前記撮影対象物との相対位置と、前記撮影対象物によって発せられる光の位置及び角度と、前記撮影対象部位の位置とに基づいて、前記撮影対象物によって発せられる光を、前記撮影対象部位に反射させることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記反射部は、撮影対象物である車両によって発せられる光を、撮影対象部位である車両のナンバープレートに反射させるように、路面に埋め込まれた反射鏡であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記反射部は、当該反射部と前記車両との相対位置と、前記車両によって発せられる光の位置及び角度と、前記車両におけるナンバープレートの位置とに基づいて、前記車両によって発せられる光を、前記ナンバープレートに反射させるように、複数の反射鏡が組み合わされたことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記反射部は、第一の反射鏡と第二の反射鏡とを有し、
前記第一の反射鏡は、前記車両によって発せられる光を前記第二の反射鏡に反射させ、
前記第二の反射鏡は、前記第一の反射鏡によって反射された光を前記ナンバープレートに反射させることを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項1】
撮影対象物が発する光を、前記撮影対象物における所定の部位である撮影対象部位方向に反射させる反射部と、
前記反射部によって反射光が照射された前記撮影対象部位を撮影する撮影部と
を備えたことを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記反射部は、当該反射部と前記撮影対象物との相対位置と、前記撮影対象物によって発せられる光の位置及び角度と、前記撮影対象部位の位置とに基づいて、前記撮影対象物によって発せられる光を、前記撮影対象部位に反射させることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記反射部は、撮影対象物である車両によって発せられる光を、撮影対象部位である車両のナンバープレートに反射させるように、路面に埋め込まれた反射鏡であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記反射部は、当該反射部と前記車両との相対位置と、前記車両によって発せられる光の位置及び角度と、前記車両におけるナンバープレートの位置とに基づいて、前記車両によって発せられる光を、前記ナンバープレートに反射させるように、複数の反射鏡が組み合わされたことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記反射部は、第一の反射鏡と第二の反射鏡とを有し、
前記第一の反射鏡は、前記車両によって発せられる光を前記第二の反射鏡に反射させ、
前記第二の反射鏡は、前記第一の反射鏡によって反射された光を前記ナンバープレートに反射させることを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図15−1】
【図15−2】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26−1】
【図26−2】
【図27−1】
【図27−2】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図15−1】
【図15−2】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26−1】
【図26−2】
【図27−1】
【図27−2】
【図28】
【公開番号】特開2010−237875(P2010−237875A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83755(P2009−83755)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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