説明

撮像ユニット、携帯型プリンタ、及びプリントシステム

【課題】撮像ユニットと携帯型プリンタとからなるプリントシステムを使い勝手の良いものとする。
【解決手段】撮像ユニット3と携帯型プリンタ4とを必要に応じて着脱自在にする。撮像ユニット3を装着すると、撮像ユニット3と携帯型プリンタ4とが電気的に接続する。携帯型プリンタ4にはグリップ20を設け、携帯型プリンタを把持して撮影を行うことができるようにする。また、レリーズボタン10をUSBコネクタ5が設けられた位置のほぼ反対側に設け、撮像ユニット3の姿勢が不安定になることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像ユニット、携帯型プリンタ、及びこれらを組み合わせたプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやカメラ付き携帯電話などの撮影機器とプリンタとを接続し、撮影機器で撮影した画像の画像データを直接に受信し、この画像データに基づいてプリントを行う技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この技術によれば、撮影機器の画像データをパソコンを経由せずに直接に受信することができることから、プリント作業を比較的簡単に行うことができる。
【0003】
特に、近年では、画像データを受信してプリントを行うことができる携帯型プリンタが実用化されており、撮影機器と携帯型プリンタとを一緒にして持ち歩くことで、撮影画像をその場で写真にして確認することができるようになっている。また、画像データが携帯型プリンタに残ることから、同じ撮影画像を好きな枚数だけプリントすることができる。実用化されている携帯型プリンタとしては、赤外線通信により画像データを受信し、この画像データに基づいてプリンタ内に収納したインスタントフイルムに露光を行った後、現像剤を展開するものが知られている。
【特許文献1】特開平11−275418号公報
【特許文献2】特開2001−230954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、撮影機器と携帯型プリンタとを用いて写真を手にするまでには、撮影機器により撮影を行うステップと、この撮影機器の画像データを携帯型プリンタに送信するステップとの2ステップが必要であった。このため、プリントする撮影画像を取捨選択することができる反面、撮影直後に即座にプリントが行われるわけではなかった。ユーザにとっては、携帯型プリンタを、従来のように使用する以外にも、撮影機能を付加してデジタル版のインスタントカメラのように使用することができると、非常に便利なものとなる。なお、近年では、撮影レンズと固体撮像素子とを備えた撮像ユニットが非常に小さく且つ安価に製造することができるようになっている。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、撮像ユニットと携帯型プリンタとが必要に応じて着脱可能であり、撮影直後に即座にプリントを行うことができるとともに、使い勝手の良いプリントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリントシステムは、撮影レンズ及び撮像素子を備えた撮像ユニットと、この撮像ユニットを着脱自在に装着することに伴って撮像ユニットとの間で電気的に接続される携帯型プリンタとから構成され、前記撮像ユニットと前記携帯型プリンタとのいずれか一方に設けられ、前記撮像ユニットの装着に伴って有効化されるとともに、前記携帯型プリンタを把持した状態で操作されるレリーズボタンと、前記レリーズボタンの操作に応答して前記撮像素子により画像データを取得し、この画像データに基づいて前記携帯型プリンタ内に収納された記録媒体上に画像を記録する制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
前記携帯型プリンタには撮影時に把持するためのグリップ部が設けられており、このグリップ部は、把持した状態で人差し指が前記レリーズボタンに届くようにして配置されていることが好ましい。
【0008】
前記撮像ユニットにはファインダが設けられており、このファインダは、前記撮影レンズに対し、装着された前記撮像ユニットの前記グリップ部に近い側に位置するように配置されていることが好ましい。
【0009】
前記撮像ユニットには接続部が設けられ、この接続部を前記携帯型プリンタの被接続部に挿入することで前記撮像ユニットが装着されるようになっており、前記レリーズボタンは前記撮像ユニットの前記接続部が設けられた面とは反対側の面に設けられていることが好ましい。
【0010】
前記撮像ユニットの装着時に被写体側となる前面において、前記撮像ユニットの前面が前記携帯型プリンタの前面に対して突出するようにされていることが好ましい。
【0011】
前記携帯型プリンタには、前記撮像ユニットの装着時に前記撮像ユニットの接続部が挿入される被接続部が設けられるとともに、この被接続部を覆う第1位置、及び前記被接続部を露呈する第2位置の間で移動するカバーが設けられており、このカバーは前記第2位置では、前記携帯型プリンタの被写体側となる前面に対して前方に突出するようにすることが好ましい。
【0012】
本発明の携帯型プリンタは、撮影レンズ及び撮像素子を備えた撮像ユニットが着脱自在に装着され、この装着に伴って前記撮像ユニットとの間で電気的に接続されるものであって、前記携帯型プリンタを把持した状態で前記撮像ユニットに設けられたレリーズボタンを操作したときに、この操作に応答して前記撮像素子により被写体画像の画像データを取得し、この画像データに基づいて前記携帯型プリンタ内に収納された記録媒体上に画像を記録する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の撮像ユニットは、撮影レンズ及び撮像素子を備え、携帯型プリンタに着脱自在に装着することに伴って前記携帯型プリンタとの間で電気的に接続されるものであって、前記携帯型プリンタへの装着に伴って有効化されるとともに、前記携帯型プリンタを把持した状態で操作できるように配置されたレリーズボタンと、前記レリーズボタンの操作に応答して前記撮像素子により被写体画像の画像データを取得し、この画像データを前記携帯型プリンタに送信する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のプリントシステムは、撮影レンズ及び撮像素子を備えた撮像ユニットと、この撮像ユニットを着脱自在に装着することに伴って撮像ユニットとの間で電気的に接続される携帯型プリンタとから構成され、撮像ユニットと携帯型プリンタとのいずれか一方に設けられ、撮像ユニットの装着に伴って有効化されるとともに、携帯型プリンタを把持した状態で操作されるレリーズボタンと、レリーズボタンの操作に応答して撮像素子により画像データを取得し、この画像データに基づいて携帯型プリンタ内に収納された記録媒体上に画像を記録する制御手段とを有するので、撮像ユニットを装着しない場合には従来のようにコンパクトな携帯型プリンタとして使用することができる一方、撮像ユニットを装着した場合には携帯型プリンタをデジタル版インスタントカメラのように使用することができる。レリーズボタンの操作に応答して、取得した画像データが自動的にプリンタ側に送信され、この画像データに基づいて即座にプリントが行われることとなるため、撮影直後にすぐに写真を手にすることができる。また、携帯型プリンタを把持して撮影が行われるため、姿勢を安定させて撮影を行うことができる。
【0015】
携帯型プリンタには撮影時に把持するためのグリップ部が設けられており、このグリップ部は、把持した状態で人差し指がレリーズボタンに届くようにして配置されているので、携帯型プリンタを確実に把持し、手ブレを防いで撮影を行うことができる。また、人差し指以外の指(例えば中指)の置き場所を確保することができることから、撮影レンズ上への指の侵入を防止することができる。
【0016】
撮像ユニットにはファインダが設けられており、このファインダは、撮影レンズに対し、装着された撮像ユニットのグリップ部に近い側に位置するように配置されているので、グリップ部の近傍におかれる指の先端部が撮影レンズ上に侵入してしまった場合には、これをファインダを通して確認することができるため、指の写り込みによる撮影の失敗を防ぐことができる。
【0017】
撮像ユニットには接続部が設けられ、この接続部を携帯型プリンタの被接続部に挿入することで撮像ユニットが装着されるようになっており、レリーズボタンは撮像ユニットの接続部が設けられた面とは反対側の面に設けられているので、撮影時にレリーズボタンを押圧したときに、この押圧力は接続部が被接続部に挿入する方向、つまり撮像ユニットが装着する方向に働くため、撮像ユニットを確実に装着させ続けることができる。
【0018】
撮像ユニットの装着時に被写体側となる前面において、撮像ユニットの前面が携帯型プリンタの前面に対して突出するようにされているので、撮影時に携帯型プリンタを把持したときに指(例えば中指)の先端部は携帯型プリンタの前面に位置するが、この指の先端部は撮像ユニットの突出部位に引っ掛かって撮像ユニットの前面に移動することがないため、指が撮影レンズ上に侵入することがなく、撮影の失敗を防ぐことができる。
【0019】
携帯型プリンタには、撮像ユニットの装着時に撮像ユニットの接続部が挿入される被接続部が設けられるとともに、この被接続部を覆う第1位置、及び被接続部を露呈する第2位置の間で移動するカバーが設けられており、このカバーは第2位置では、携帯型プリンタの被写体側となる前面に対して前方に突出するようにされているので、撮影時に携帯型プリンタを把持したときに指(例えば中指)の先端部は携帯型プリンタの前面に位置しており、指の先端部はカバーの突出部位に引っ掛かって撮像ユニットの前面に移動することがないため、指が撮影レンズ上に侵入することがなく、撮影の失敗を防ぐことができる。カバーは、第1位置と第2位置との間で、スライド移動するようにしてもよいし、回転軸を中心に回転するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示すように、本発明のプリントシステム2は、撮影機能を備えており、撮像ユニット3と、携帯型プリンタ(以下、プリンタ)4とから構成される。撮像ユニット3とプリンタ4とは共に略直方体形状であり、撮像ユニット3は必要に応じて着脱される。
【0021】
撮像ユニット3の下面3aにはUSBコネクタ5が設けられている。このUSBコネクタ5はプリンタ4の上面4aに設けられたUSBポート6に挿入することができる。USBコネクタ5をUSBポート6に挿入すると、撮像ユニット3がプリンタ4に対して固定されるとともに、撮像ユニット3とプリンタ4とが電気的に接続されデータ及び電力の授受が可能になる。
【0022】
撮像ユニット3の上面には、上面に対して傾斜する傾斜面3cが形成されている。この傾斜面3cには、撮影時に押圧操作されるレリーズボタン10が設けられている。レリーズボタン10は、USBコネクタ5が設けられた位置のほぼ反対側に位置することとなる。撮像ユニット3の前面3bには、レリーズボタン10から近い側から順に、ファインダ11の対物側窓11a、撮影レンズ12、ミラー13が設けられている。ミラー13は、自分自身を撮影する際に使用されるものである。撮像ユニット3の背面には、ファインダ11の接眼側窓11bが設けられている(図2参照)。
【0023】
プリンタ4の前面4bにはグリップ20が設けられている。このグリップ20は、ゴム製であり、前方から見て左側に配置され上下方向に延びるようにして設けられている。グリップ20は、撮像ユニット3の装着時には、レリーズボタン10の下方に位置することとなる。プリンタ4を把持した状態で、人差し指がレリーズボタン10に届くようにされている。なお、グリップ20の材質及び形状は上記に限られるものではない。
【0024】
また、プリンタ4の前面4bにおいて、前方から見て右側には、IrDA送受信部21、電源ボタン22、リピートボタン23、カウンタ24が設けられている。IrDA送受信部21は、IrDAに準拠した赤外線通信を行うことが可能であり、例えばデジタルカメラやカメラ付き携帯電話などから画像データを受信することができる。リピートボタン23は、前回のプリントと同様のプリントを行う際に操作されるものである。カウンタ24は、プリンタ4に収納されているインスタントフイルム26(図2参照)の残り枚数を表示するものである。
【0025】
図2に示すように、プリンタ4の背面には、フイルム装填室(図示せず)を開閉するフイルムドア25が設けられている。フイルム装填室には、フイルムドア25を開放した状態で、複数枚のインスタントフイルム26を装填することができる。プリンタ4の下面には、プリント後のインスタントフイルム26を排出するフイルム排出口27が設けられている。
【0026】
撮像ユニット3を装着したプリンタ4の要部側面図である図3に示すように、撮像ユニット3の前面3bがプリンタ4の前面4bに対して、L1だけ突出するようにされている。これにより、撮影者がプリンタ4を把持したときに、指(例えば中指)が撮像ユニット3の突出部位に引っ掛かり、この指が撮影レンズ12のレンズ面上に侵入することを防ぐことができる。
【0027】
プリントシステム2の電気的構成を示すブロック図である図4に示すように、撮像ユニット側において、撮影レンズ12の後方にはCCDイメージセンサ50が配置されている。CCDイメージセンサ50は、CCD駆動部51に接続されており、このCCD駆動部51によって駆動を制御されている。CCDイメージセンサ50は、光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。撮像信号はアンプ53で適当なレベルに増幅された後、A/D変換器54によってデジタル変換されて画像データとなる。この画像データは、画像処理部55に入力されて、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正等の各種画像処理が施される。なお、画像処理部55はプリンタ側に設けることとしてもよい。
【0028】
撮像ユニット用システム制御部52では、プリンタ用システム制御部60と交信を行いながら、撮像ユニット側の撮影処理などを管制している。撮像ユニット用システム制御部52には、レリーズボタン10が接続されている。レリーズボタン10が押圧操作されたときには、画像処理が施された画像データがUSBコネクタ5及びUSBポート6を介してプリンタ側へ送られ、この画像データがメモリ61に書き込まれる。
【0029】
IrDA送受信部21で赤外線通信により画像データを受信した場合にも、画像データはメモリ61に書き込まれる。
【0030】
プリンタ用システム制御部60は、撮像ユニット用システム制御部52と交信を行いながら、プリンタ側のプリント処理などを管制している。プリンタ用システム制御部60には、電源ボタン22、リピートボタン23が接続されている。プリンタ用システム制御部60では、撮像ユニット3からの画像データを受信するか、IrDA送受信部21を介して画像データを受信するか、またはリピートボタン23が操作されたときに、プリントを指示する。
【0031】
プリンタ4には、インスタントフイルム26を搬送する搬送機構63が備えられ、この搬送機構63は搬送機構駆動部64によって制御される。搬送機構63は、搬送ローラ及び展開ローラなどを有している。搬送ローラは、最も前面側にあるインスタントフイルム26をフイルム排出口27に向かって搬送する。展開ローラは、搬送されるインスタントフイルム26を挟持することにより、インスタントフイルム26に設けられた現像溜まりを押し潰して現像剤を展開する。
【0032】
また、プリンタ4には、インスタントフイルム26に画像を書き込むプリントヘッド65が備えられ、このプリントヘッド65はヘッド駆動部66によって制御される。プリントヘッド65は、R(赤)、G(緑)、B(青)の発光色を持つ3色のLED、光ガイド、及び液晶シャッタなどを有している。3色のLEDは順に発光し、各色光は光ガイドを経てインスタントフイルム26上に導かれる。ここで、光路の途中には液晶シャッタが配置されており、この液晶シャッタにより各色光の透過量が画像データに応じて制御される。各色光が照射されたインスタントフイルム26上には、主走査方向(インスタントフイルムの幅方向)に延びる1ライン分の潜像が記録されることとなる。インスタントフイルム26は主走査方向に直交する副走査方向に搬送され、このインスタントフイルム26上には順次ラインが記録されてゆく。潜像が記録された領域に現像剤が展開されると画像が顕在化する。
【0033】
プリンタ内にはバッテリ67が配置され、このバッテリ67がプリンタ4の各部に電力を供給している。また、このバッテリ67は、USBポート6及びUSBコネクタ5を介して、撮像ユニット3の各部にも電力を供給している。
【0034】
以下、上記構成による作用を図5及び図6のフローチャートの流れに沿って説明する。USBコネクタ5をUSBポート6に挿入すると、撮像ユニット3がプリンタ4に対して固定されるとともに、撮像ユニット3とプリンタ4とが電気的に接続される。プリンタ4の電源ボタン22を押圧操作すると、レリーズボタン10が有効化されるとともに、撮像ユニット3の各部が駆動し、撮影が可能な状態になる。
【0035】
図7に示すように、撮像ユニット3が装着されたプリンタ4を把持する際には、右手の中指、薬指、及び小指で前面4bのグリップ20を握り、人差し指をレリーズボタン10にのせ、親指で背面を支えるようにする。ここで、撮像ユニット3の前面3bがプリンタ4の前面4bに対して突出するようにされているため、中指が撮像ユニット3の突出部位に引っ掛かって撮像ユニット3の前面3bに移動することがないことから、中指が撮影レンズ12のレンズ面上に侵入することが防止される。また、仮に中指が撮像ユニット3の前面3bに移動しても、撮影レンズ12の左方にはファインダ11が配置されており、このファインダ11を通して中指が侵入していることに気づくことができる。
【0036】
ファインダ11を通して被写体が確認され、人差し指によりレリーズボタン10が押圧操作されると、その時点における被写体画像の画像データが取得され、この画像データに画像処理が施された後にプリンタ側へ自動的に送信され、一旦メモリ61に記録される。人差し指がレリーズボタン10を押圧したときには、この人差し指の押圧力Fは傾斜面3cに対して垂直な方向に働く。押圧力Fは、撮像ユニット3の下面3a(プリンタ4の上面4a)に対して垂直な押圧力F1と、下面3a(上面4a)に対して平行な押圧力F2とに分解することができ、これらのうち押圧力F1は、USBコネクタ5が挿入する方向に働いて撮像ユニット3の装着をより確実にするものとなる。これにより、レリーズボタン10が操作されても、撮像ユニット3の姿勢が不安定になることはなく、撮影者は安心して撮影を続けることができる。
【0037】
図6に示すように、装着された撮像ユニット3を用いて撮影が行われた場合には、この撮像ユニット3により取得された画像データがメモリ61に記録され、この画像データがプリントデータとされる。また、撮像ユニット3以外の撮影機器、例えばデジタルカメラやカメラ付き携帯電話などの撮影機器から赤外線通信により画像データを受信した場合には、この画像データがメモリ61に記録され、この画像データがプリントデータとされる。さらに、画像データを受信せずに、リピートボタン23が操作された場合には、メモリ61に記録されている画像データ、つまり前回のプリントで用いられたものと同様の画像データがプリントデータとされる。
【0038】
プリンタ4では、メモリ61に記録された画像データに基づいてプリント処理を行う。搬送機構63が駆動してインスタントフイルム26の搬送が開始され、このインスタントフイルム26の搬送に合わせてプリントヘッド65により1ラインずつ潜像が記録されてゆく。この潜像が記録された領域には搬送に合わせて現像剤が展開されて画像が顕在化されてゆき、プリント後のインスタントフイルム26がフイルム排出口27から排出される。レリーズボタン10を押圧操作するだけで自動的にプリントが行われることとなり、撮影者は撮影直後にすぐに写真を手にすることができる。再びプリントを行う場合には、上記動作が繰り返される。全てのプリントを終え、電源ボタン22を押圧操作すると、撮像ユニット3及びプリンタ4の各部の駆動が停止される。
【0039】
なお、上記実施形態では特に記載しなかったが、図8に示すように、撮像ユニット3の上面4aにUSBポート6を保護するカバー100を取り付けることとしてもよい。このカバー100は、図中実線で示す保護位置(第1位置)と、二点鎖線で示す突出位置(第2位置)との間でスライド移動するものである。カバー100は保護位置ではUSBポート6を覆っており、突出位置ではUSBコネクタ5の挿入が可能になるようにUSBポート6を露呈する。撮像ユニット3の装着時及び装着後にはカバー100は突出位置に移動する。図9に示すように、カバー100は突出位置では、プリンタ4の前面4bに対し前方にL2だけ突出する。これにより、プリンタ4を把持して撮影を行う場合に、右手の中指がカバー100の下面に引っ掛かって撮像ユニット3の前面3bに移動することがないことから、中指が撮影レンズ12のレンズ面上に侵入することが防止される。なお、スライド移動するカバー100の替わりに、回転移動するカバーを用いてもよい。図10に示すように、カバー200は回転軸201を中心にして回転自在であり、カバー100と同様に保護位置と突出位置との間で移動する。
【0040】
上記実施形態では、レリーズボタンを撮像ユニットに設けることとしたが、プリンタに設けることとしてもよい。また、上記実施形態では、撮像ユニットとプリンタとをUSBコネクタを用いて接続することとしたが、他のコネクタを用いてもよい。また、撮像ユニットに、電気的に接続するコネクタに替えて、プリンタに機械的に取り付け可能にする取付部を設けるとともに、IrDA送受信部及びバッテリを設け、IrDA送受信部を介して画像データを送るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】撮像ユニット及び携帯型プリンタの正面図である。
【図2】撮像ユニット及び携帯型プリンタの背面図である。
【図3】撮像ユニットを装着した携帯型プリンタの要部側面図である。
【図4】プリントシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】プリント処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像データ受信動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】撮像ユニットを装着した携帯型プリンタの使用例を説明する説明図である。
【図8】USBポートにスライド式のカバーを設けた場合の携帯型プリンタの上面図である。
【図9】撮像ユニットを装着した携帯型プリンタの要部側面図である。
【図10】USBポートに回転式のカバーを設けた場合の携帯型プリンタの上面図である。
【符号の説明】
【0042】
2 プリントシステム
3 撮像ユニット
4 携帯型プリンタ
5 USBコネクタ
6 USBポート
10 レリーズボタン
11 ファインダ
20 グリップ
100,200 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズ及び撮像素子を備えた撮像ユニットと、この撮像ユニットを着脱自在に装着することに伴って撮像ユニットとの間で電気的に接続される携帯型プリンタとから構成され、
前記撮像ユニットと前記携帯型プリンタとのいずれか一方に設けられ、前記撮像ユニットの装着に伴って有効化されるとともに、前記携帯型プリンタを把持した状態で操作されるレリーズボタンと、
前記レリーズボタンの操作に応答して前記撮像素子により画像データを取得し、この画像データに基づいて前記携帯型プリンタ内に収納された記録媒体上に画像を記録する制御手段とを有することを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
前記携帯型プリンタには撮影時に把持するためのグリップ部が設けられており、このグリップ部は、把持した状態で人差し指が前記レリーズボタンに届くようにして配置されていることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
【請求項3】
前記撮像ユニットにはファインダが設けられており、このファインダは、前記撮影レンズに対し、装着された前記撮像ユニットの前記グリップ部に近い側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項2記載のプリントシステム。
【請求項4】
前記撮像ユニットには接続部が設けられ、この接続部を前記携帯型プリンタの被接続部に挿入することで前記撮像ユニットが装着されるようになっており、前記レリーズボタンは前記撮像ユニットの前記接続部が設けられた面とは反対側の面に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
【請求項5】
前記撮像ユニットの装着時に被写体側となる前面において、前記撮像ユニットの前面が前記携帯型プリンタの前面に対して突出するようにされていることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
【請求項6】
前記携帯型プリンタには、前記撮像ユニットの装着時に前記撮像ユニットの接続部が挿入される被接続部が設けられるとともに、この被接続部を覆う第1位置、及び前記被接続部を露呈する第2位置の間で移動するカバーが設けられており、このカバーは前記第2位置では、前記携帯型プリンタの被写体側となる前面に対して前方に突出するようにされていることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
【請求項7】
撮影レンズ及び撮像素子を備えた撮像ユニットが着脱自在に装着され、この装着に伴って前記撮像ユニットとの間で電気的に接続される携帯型プリンタであって、
前記携帯型プリンタを把持した状態で前記撮像ユニットに設けられたレリーズボタンを操作したときに、この操作に応答して前記撮像素子により被写体画像の画像データを取得し、この画像データに基づいて前記携帯型プリンタ内に収納された記録媒体上に画像を記録する制御手段を備えたことを特徴とする携帯型プリンタ。
【請求項8】
撮影レンズ及び撮像素子を備え、携帯型プリンタに着脱自在に装着することに伴って前記携帯型プリンタとの間で電気的に接続される撮像ユニットであって、
前記携帯型プリンタへの装着に伴って有効化されるとともに、前記携帯型プリンタを把持した状態で操作できるように配置されたレリーズボタンと、
前記レリーズボタンの操作に応答して前記撮像素子により被写体画像の画像データを取得し、この画像データを前記携帯型プリンタに送信する制御手段とを備えたことを特徴とする撮像ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−111905(P2007−111905A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303269(P2005−303269)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】