説明

撮像素子ユニット

【課題】像ブレ補正機能を有し、撮像素子の旧式化に対応可能な撮像素子ユニットを提供する。
【解決手段】撮像素子307と、撮像素子307により撮影される画像の像ブレを補正するブレ補正装置と、カメラ本体200に対して着脱可能に装着可能な装着部319と、装着部319によりカメラ本体200に装着された状態でカメラ本体200と電気的に導通可能な接点部210,315とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ本体に対して着脱可能な撮像素子ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、手振れ等によるカメラの振れによる像ブレを低減するブレ補正機能(以下、像ブレを補正することを、単に、ブレ補正と呼ぶ)を備えたカメラが実用化されている。その例として、撮像素子を揺動可能に配置して像ブレを補正する技術が、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2003−110919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、近年、撮像素子の性能向上が著しい。それ故、撮像素子を用いたカメラでは、撮像素子部分がそれ以外の部分よりも早く旧式化してしまっていた。その場合、旧式化した撮像素子の性能に満足しないときは、カメラを買い換える必要があった。
特許文献1に記載の装置についても、撮像素子自体が旧式化した場合は、カメラを買い換える等の対応が必要であった。
本発明の課題は、像ブレ補正機能を有しながら、撮像素子の旧式化に対応可能な撮像素子ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号等を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、撮像素子(307)と、前記撮像素子により撮影される画像の像ブレを補正する像ブレ補正部(305,309,310,312)と、カメラ本体(200)に対して着脱可能に装着可能な装着部(319)と、前記装着部により前記カメラ本体に装着された状態で前記カメラ本体と電気的に導通可能な接点部(315)と、を備える撮像素子ユニット(300)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像素子ユニットにおいて、前記撮像素子(307)は、前記装着部(319)に対して相対的に移動可能となっており、前記像ブレ補正部(305,309,310,312)は、前記撮像素子を移動させることにより像ブレを補正すること、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像素子ユニットにおいて、少なくとも前記像ブレ補正部(305,309,310,312)を備えていることを前記接点部(315)を介して前記カメラ本体へ伝える像ブレ補正部情報伝達手段(313)を有すること、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、振れを検出する振れ検出センサ(303)を備え、前記像ブレ補正部(305,309,310,312)は、前記振れ検出センサによる振れの検出結果に基づいて像ブレを補正すること、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、前記像ブレ補正部(305,309,310,312)を用いた像ブレ補正動作を行うか否かを選択する像ブレ補正動作実行設定部(301)を備えること、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、前記像ブレ補正部(305,309,310,312)を用いた像ブレ補正動作の動作形態を選択する像ブレ補正動作選択部(302)を有し、前記像ブレ補正動作選択部により第1の動作形態(ブレ補正モード1)が選択された場合には、撮影動作(全押し、S513:Yes)前に前記撮像素子(307)による像ブレ補正動作を行いながら前記撮像素子により得られる被写体像を出力し、前記像ブレ補正動作モード選択部により第2の動作形態(ブレ補正モード1)が選択された場合には、撮影動作(全押し、S609:Yes)前に前記撮像素子による像ブレ補正動作を行わないこと、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、前記撮像素子(307)により得られる被写体像を表示可能な表示部(314)を備えること、を特徴とする撮像素子ユニット(300)である。
なお、符号を付した構成は適宜改良してもよい。また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよく、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らない。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、カメラ本体に対して着脱可能な撮像素子ユニットによってブレ補正動作を行うことができる。また、撮像素子自体が旧式化したり、ブレ補正機能が向上したりした場合には、撮像素子ユニットのみを交換することができ、カメラ本体を使い続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【0007】
(実施形態)
図1は、本実施形態のカメラシステムの概要を示す図である。
図2は、本実施形態のカメラシステムのブロック図である。
本実施形態のカメラシステムは、交換レンズ100、カメラ本体(ボディ)200、撮像素子ユニット300を備えており、カメラ本体200に対して交換レンズ100及び撮像素子ユニット300が着脱自在であり、交換可能なシステムである。
交換レンズ100は、焦点距離エンコーダ101、撮影距離エンコーダ102、絞り部103、レンズCPU104、カメラ本体との接点105、及び、撮影光学系106を有し、不図示のマウント部を介してカメラ本体200に対して着脱自在となっている。
焦点距離エンコーダ101は、撮影光学系106の各レンズ群の位置情報より焦点距離を換算するエンコーダである。焦点距離エンコーダ101は、焦点距離をエンコードし、レンズCPU104に出力する。
【0008】
撮影距離エンコーダ102は、不図示のオートフォーカス(AF)機構により駆動されたフォーカスレンズ群の位置情報より、そのときのフォーカスレンズ群の位置で合焦可能な被写体までの距離(撮影距離)を換算するエンコーダである。撮影距離エンコーダ102は、撮影距離をエンコードし、レンズCPU104に出力する。
絞り部103は、ステッピングモータ(STM)107により駆動され、通過する光の量を変更する虹彩絞りである。
【0009】
レンズCPU104は、交換レンズ100の動作を制御する部分であり、焦点距離エンコーダ101、撮影距離エンコーダ102、接点105、STM107等が接続されている。レンズCPU104は、カメラ本体との通信機能、交換レンズ100の制御機能を有している。レンズCPU104は、焦点距離、撮影距離等が入力され、それらを接点105を介してボディCPU202に出力する。また、レンズCPU104には、ボディCPU202から接点105を介して、レリーズ情報、絞り量情報、AF情報が入力され、STM107により絞りの駆動制御を行い、不図示のAF駆動の制御を行う。
【0010】
カメラ本体200との接点105は、カメラ本体200の接点209と接触して電気的に導通する接点であり、複数の接点が設けられている。具体的には、接点105には、カメラ本体200からレンズ駆動用の電源を供給するための接点と、レンズCPU104を駆動するためのCPU電源の接点とデジタル通信用の接点がある。駆動系電源及びCPU電源は、カメラ本体の電源から供給され、レンズCPU104や駆動系の電源を供給している。デジタル通信用接点では、レンズCPU104から出力された焦点距離、撮影距離、フォーカス位置情報等のデジタル情報を後述のボディCPU202に入力するための通信と、ボディCPU202から出力されたフォーカス位置や絞り量等のデジタル情報をレンズCPU104に入力するための通信を行う。
【0011】
カメラ本体200は、レリーズスイッチ201、ボディCPU202、メインミラー203、サブミラー204、AFセンサ205、閃光発光部206、シャッター部207、デジタル処理回路208、交換レンズ100との接点209、撮像素子ユニット300との接点210、表示部211、電源212等を有し、交換レンズ100及び撮像素子ユニット300が着脱可能なカメラ本体部分である。
【0012】
レリーズスイッチ201は、シャッター駆動のタイミングを操作するスイッチである。本実施形態のレリーズスイッチ201は、そのストローク途中でONするいわゆる半押し状態と、半押し状態からさらに押し込まれ、その全ストローク押し込んだときにONするいわゆる全押し状態との2状態を検出可能である。レリーズスイッチ201は、ボディCPU202にスイッチの状態を出力し、これを受けてボディCPU202は、半押し時には、AF、AE(自動露出)の他、状況によりブレ補正駆動を行い、全押し時には、ミラーアップ、シャッター駆動等を行う。また、ボディCPU202に伝えられた半押し、全押しの状態は、接点210を介して撮像素子ユニットCPU313へ伝達される。
【0013】
ボディCPU202は、交換レンズ100、撮像素子ユニット300との通信機能と、カメラ本体の制御機能を有している。ボディCPU202は、交換レンズ100との装着、及び、撮像素子ユニット300との装着が完全であるか否かの通信を行い、レンズCPU104から入力された焦点距離、撮影距離等の情報を撮像素子ユニットCPU313に出力し、撮像素子ユニットCPU313からユニット情報(ブレ補正機能があるか否か)、ブレ補正モード情報(後述のブレ補正スイッチ301及びブレ補正モードスイッチ302の状態)が入力される。レリーズスイッチ201が半押し時であれば、ボディCPU202は、AE、AF、状況に応じてブレ補正駆動等の撮影準備動作の指示をレンズCPU104、撮像素子ユニットCPU313に出力する。レリーズスイッチ201が全押しのときには、ボディCPU202は、メインミラー203の駆動、シャッター部207の駆動、絞り部103の駆動等の指示を出力する。また、ボディCPU202は、デジタル処理回路208から入力された画像情報(撮像素子により得られた画像等の情報)に画像処理を行い、表示部314に出力する。
【0014】
メインミラー203は、構図決定の際に不図示の光学ファインダ側に被写体像を導くためのものであり、撮像素子307の露光(以下、露光)中は、撮影光路から退避するいわゆるクイックリターンミラーであり、不図示のミラー駆動部(例えばDCモータ)により駆動される。
サブミラー204は、AFセンサ205に光を送るためのミラーである。メインミラー203は、その一部がハーフミラーとなっており、このハーフミラー部分を通過した光束を反射してAFセンサ205に導く。なお、サブミラー204は、メインミラー203が撮影光路から退避するときには、共に撮影光路から退避する。
【0015】
AFセンサ205は、撮影光学系により結像する被写体像の合焦状態を検出するセンサであり、CCD(Charge Coupled Devices)を用いる。
閃光発光部206は、撮影時に補助照明光を瞬間的に発光する部分であり、ボディCPU202により発光を制御されている。
シャッター部207は、メインミラー203と撮像素子307との間にあって、撮像素子307へ到達する被写体光を遮る閉状態と、被写体光を通過可能とする開状態とに切り替わることにより、撮像素子307の露光時間を制御する機構である。ボディCPU202からレリーズスイッチ201の情報が入力され、全押し時にシャッター部207の駆動が行われる。シャッター部207の駆動は、不図示のシャッター駆動部(例えばDCモータ)により行われる。
デジタル処理回路208は、接点210を介して入力されたアナログ処理後の画像信号をA/D変換し、ボディCPU202に出力する回路である。
【0016】
交換レンズ100との接点209は、交換レンズ100の接点105と接触して電気的に導通する接点であり、複数の接点が設けられている。具体的には、接点209には、交換レンズ100内の駆動系を駆動する駆動電源を供給する接点と、レンズCPU104を駆動するCPU電源を供給する接点と、デジタル通信用の接点がある。また、レンズCPU104より焦点距離情報、撮影距離情報が入力され、ボディCPU202からフォーカス位置情報、及び、絞り量情報をレンズCPU104に出力する。
【0017】
撮像素子ユニット300との接点210は、撮像素子ユニット300の接点315と接触して電気的に導通する接点であり、複数の接点が設けられている。具体的には、接点210には、カメラ本体200からブレ補正駆動系電源を供給するための接点と、撮像素子ユニットCPU313を駆動するためのCPU電源の接点と、アナログ処理回路306からのアナログ通信用の接点と、デジタル通信用の接点がある。
アナログ通信用接点では、アナログ処理回路306より出力された画像信号の通信を行い、デジタル通信用接点では、ボディCPU202から出力された焦点距離、撮影距離、レリーズスイッチ201の状態、閃光発光部信号等のデジタル情報を撮像素子ユニットCPU313に入力するための通信と、撮像素子ユニットCPU313から出力されたブレ補正のON/OFFや撮像素子ユニット300にブレ補正機能が有るか否か等のデジタル情報を、ボディCPU202に入力するための通信を行う。
【0018】
表示部211は、シャッター速度や絞りの設定値等の情報を表示する部分である。この表示部211は、主に文字情報の表示を行う。
電源212は、本実施形態のカメラシステムに電力を供給する部分であり、例えば、充電式の電池等が使用される。
【0019】
撮像素子ユニット300は、撮像素子を有し、カメラ本体200に対して着脱自在なユニットである。本実施形態のカメラシステムで使用可能な撮像素子ユニットには、ブレ補正機能を備えたユニットと、ブレ補正機能を備えないユニットの2種類がある。まず、ブレ補正機能を備えた撮像素子ユニット300について説明する。
【0020】
(ブレ補正機能付撮像素子ユニット)
ブレ補正機能付の撮像素子ユニット300は、ブレ補正スイッチ301、ブレ補正モードスイッチ302、ジャイロセンサ303、EEPROM304、ブレ補正駆動ドライバ305、アナログ処理回路306、撮像素子307、撮像素子駆動回路308、ブレ補正駆動部309、位置検出部310、撮像素子保持部311、ブレ補正追従制御IC312、撮像素子ユニットCPU313、表示部314、接点315を有し、カメラ本体200と撮像素子ユニット300の双方にそれぞれ設けられた装着部213,319を用いてカメラ本体200と着脱可能な撮像素子ユニットである。
【0021】
ブレ補正スイッチ301は、ブレ補正動作を行うか否かを選択するスイッチであり、ブレ補正スイッチ301により選択されたブレ補正ON、OFFの状態は、撮像素子ユニットCPU313に出力される。
ブレ補正モードスイッチ302は、ブレ補正モードの切り替えを行うスイッチであり、ブレ補正モードスイッチ302により選択されたブレ補正モードの状態は、撮像素子ユニットCPU313に出力される。本実施形態では、ブレ補正モードとして、ブレ補正モード1、ブレ補正モード2を設けている。ブレ補正モード1は、レリーズスイッチ201の半押し時から露光終了までの間ブレ補正機能が動作し、ブレ補正モード2は、全押しされてから露光終了までブレ補正機能が動作する。
【0022】
ジャイロセンサ303は、撮像素子ユニット300に生じる振れの角速度を検出する角速度センサであり、検出結果を撮像素子ユニットCPU313に出力する。
EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)304は、ジャイロセンサ303のゲイン値、角度調整値などの情報を有しており、それらを撮像素子ユニットCPU313に出力する。
ブレ補正駆動ドライバ305は、ブレ補正駆動部309を制御するドライバであり、ブレ補正追従制御IC312から駆動量の入力を受けて、ブレ補正駆動部309の駆動方向、駆動量を制御する。
【0023】
アナログ処理回路306は、撮像素子307の出力(画像信号)が入力され、画像信号に対してS/N比の改善、レベル調整等の処理を行った後、処理後の画像信号を接点315を介してデジタル処理回路208に出力する。
撮像素子307は、光電変換素子であり、例えば、CCD、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いる。撮像素子307は、撮像素子駆動回路308からの入力を受けて、アナログ処理回路306に画像データを出力する。
撮像素子駆動回路308は、撮像素子ユニットCPU313からレリーズタイミング等の入力を受けて、撮像素子307にデータ出力タイミングなどの制御を行う。
【0024】
図3は、撮像素子307まわりを示す斜視図である。
撮像素子307は、撮像素子保持部311に取り付けられている。撮像素子保持部311は、撮像素子ユニット300に対して移動しない、すなわち、カメラ本体200に対して移動しないように配置された撮像素子背面板316と撮像素子前面枠317とに撮影光学系の光軸方向で挟まれている。撮像素子背面板316には、3箇所に鋼球318が設けられており、この鋼球318により撮像素子保持部311は、撮像素子307の撮像面に平行な方向でカメラ本体200に対して移動自在となっている。
【0025】
なお、撮像素子保持部311には、不図示のロック穴が形成されており、撮像素子背面板316には、不図示のロックピンが設けられている。このロックピンは、ロック穴に嵌合する位置(ロック位置)と退避する位置(ロック解除位置)との間で不図示のアクチュエータにより移動可能となっており、撮像素子保持部311の移動を規制するロック機構を形成している。撮像素子保持部311を移動させるブレ補正動作を行わない場合には、このロック機構により撮像素子保持部311の移動を規制する。
【0026】
ブレ補正駆動部309は、光学的にブレ補正駆動を行うための機構であり、磁石309a,309b、コイル309c、ヨーク309d,309eを有している。なお、ブレ補正駆動部309は、後述の位置検出部310とともに、撮像素子307の撮像面に平行な面内で直交する2方向の駆動用に2組が設けられている。
磁石309aとヨーク309dは、撮像素子前面枠317に固定されており、磁石309bとヨーク309eは、撮像素子背面板316に固定されている。コイル309cは、撮像素子保持部311の磁石309aと磁石309bとに挟まれる位置に固定されている。これら磁石309a,309b、コイル309c、ヨーク309d,309eによって、VCM(Voice Coil Motor)が形成されている。このような構成によりブレ補正駆動部309は、ブレ補正駆動ドライバ305からの入力を受けて、コイル309cに通電されることにより、撮像素子保持部311とともに撮像素子307を2軸で駆動することができる。なお、場合によっては逆に、コイルを固定側として、撮像素子307と一体となった磁石及びヨークで構成された駆動アクチュエータとしてもよい。また、VCMに限らず、圧電素子、STM等でも同様の働きを行うことができる。
【0027】
位置検出部310は、ブレ補正駆動部309により駆動される撮像素子保持部311の位置を検出する部分であり、ホール素子310a、磁石310bを有している。ホール素子310aは、撮像素子前面枠317に固定されており、磁石310bは、撮像素子保持部311に固定されている。本実施形態の位置検出部310は、ホール素子310aと磁石310bとを対で用いる。撮像素子保持部311に固定した磁石310bの磁束により、ホール効果を利用した位置検出を行う。なお、MR素子等、ホール素子以外の磁気センサを用いてもよいし、PSD(Position Sensitive Detector)等の光センサを用いてもよい。
位置検出部310が検出した位置情報は、増幅したのちにブレ補正追従制御IC312に出力される。
【0028】
図2に戻って、ブレ補正追従制御IC312は、ブレ補正制御を行うためのICである。ブレ補正追従制御IC312は、撮像素子ユニットCPU313から入力されたブレ補正駆動部目標位置と、位置検出部310から入力されたブレ補正駆動部位置情報から、ブレ補正駆動部移動量を算出し、ブレ補正駆動ドライバ305へ出力する。
【0029】
撮像素子ユニットCPU313は、ボディCPU202との通信部と、ブレ補正処理部を有している。ブレ補正処理部は、EEPROM304から入力された情報と、ジャイロセンサ303からの出力を受けて算出した振れの角度、焦点距離情報、撮影距離情報から、ブレ補正駆動部目標位置を算出し、ブレ補正駆動部目標位置をブレ補正追従制御IC312へ出力する。
ここで、撮像素子ユニットCPU313のブレ補正処理部が行う演算について説明する。
ブレ補正動作を行う場合、ジャイロセンサ303のセンサ出力が、不図示のアンプを介して撮像素子ユニットCPU313に入力される。撮像素子ユニットCPU313では、角速度を完全積分することによって、振れ角度を求める。
次に、交換レンズ100の焦点距離と撮影距離情報とが、ボディCPU202を介して、撮像素子ユニットCPU313に入力される。
【0030】
図4は、撮影光学系と被写体と撮像素子との関係を示す図である。
被写体から前側主点までの距離をa、後側主点から像面までの距離b、撮影距離をR、振れ角度をθとすると、近接時の角度θによる撮像面での像ブレ量L1は、以下の式(1)で表すことができる。
L1=βRtanθ ・・・(1)
ただし、横倍率β=b/a
また、無限遠の場合はRが∞となり、R≒aとなる。この場合、式(1)の右辺は、btanθとなり、b=f(焦点距離)であるので、無限遠時の角度θによる撮像面での像ブレ量L2は、以下の式(2)で表すことができる。
L2=ftanθ ・・・(2)
このように、撮影光学系の焦点距離と撮影距離によって像ブレ量(L1,L2)が求まる。この演算処理を撮像素子ユニットCPU313によって行っている。
【0031】
図2に戻って、撮像素子ユニットCPU313の通信部は、接点315を介してボディCPU202との通信を行う。その際、ユニット装着時にユニットが完全に装着されているか否か、ユニット情報(ブレ補正機能があるか否か)、ブレ補正モード情報等をボディCPU202へ出力する。
表示部314は、接点315を介してボディCPU202からの指示に従い、撮像素子307により得られた画像等を表示する。
【0032】
カメラ本体200との接点315は、カメラ本体200の接点210と接触して電気的に導通する接点であり、複数の接点が設けられている。具体的には、接点315には、カメラ本体200からブレ補正駆動系電源が供給される接点と、撮像素子ユニットCPU313を駆動するためのCPU電源の接点と、アナログ処理回路306からのアナログ通信用の接点とデジタル通信用の接点がある。
【0033】
アナログ通信用接点では、アナログ処理回路306より出力された画像信号の通信を行い、デジタル通信用接点では、ボディCPU202から出力された焦点距離、撮影距離、レリーズスイッチ201の状態、閃光発光部信号等のデジタル情報を撮像素子ユニットCPU313に入力するための通信と、撮像素子ユニットCPU313から出力されたブレ補正のON/OFFや、撮像素子ユニットにブレ補正機能を有しているか否か等のデジタル情報をボディCPU202に入力するための通信を行う。
【0034】
(ブレ補正機能無し撮像素子ユニット)
ブレ補正機能の無い撮像素子ユニットは、ブレ補正機能付の撮像素子ユニット300からブレ補正機能に関する部分を除いた形態であるので、図示せずに簡単に説明する。
ブレ補正機能の無い撮像素子ユニットは、アナログ処理回路、撮像素子、撮像素子駆動回路、撮像素子ユニットCPUを有し、カメラ本体200に対して着脱可能な撮像素子ユニットである。
【0035】
アナログ処理回路、撮像素子、撮像素子駆動回路は、上述のブレ補正機能付の撮像素子ユニット300が有するアナログ処理回路306、撮像素子307、撮像素子駆動回路308と同様な機能を有している。
撮像素子ユニットCPUは、ボディCPU202との通信機能を有している。通信部は、撮像素子ユニットとの接点を介してボディCPU202との通信を行う。その際、撮像素子ユニットの装着時に、撮像素子ユニットが完全に装着されているか否か、及び、ユニット情報(ブレ補正機能があるか否か:ブレ補正機能無し撮像素子ユニットであるので、ブレ補正機能が無い旨)等をボディCPUへ出力する。
【0036】
ブレ補正機能の無い撮像素子ユニットのカメラ本体200との接点には、カメラ本体200から撮像素子ユニットCPUを駆動するためのCPU電源の接点と、アナログ処理回路からのアナログ通信用の接点と、デジタル通信用の接点がある。
アナログ通信用接点では、アナログ処理回路より出力された画像信号の通信を行い、デジタル通信用接点では、ボディCPU202から出力されたレリーズスイッチ201の状態、閃光発光部信号等のデジタル情報を撮像素子ユニットCPU313に入力するための通信と、撮像素子ユニットCPUから出力された撮像素子ユニットにブレ補正機能が無い旨等のデジタル情報をボディCPUに入力するための通信を行う。
【0037】
本実施形態のカメラシステムでは、ブレ補正機能付撮像素子ユニット300とブレ補正機能無し撮像素子ユニットとを、状況により使い分けることができる。ブレ補正機能付撮像素子ユニットを用いるとブレ補正効果が得られる半面、消費電力の増加、カメラ全体の大型化を招き重量が増す等の弊害が生じる。そこで、ブレ補正機能が必要ない場合は、ブレ補正機能無し撮像素子ユニットを装着することで、上記の弊害をなくすことができる。
【0038】
次に、本実施形態のカメラシステムの動作について説明する。
図5は、本実施形態のカメラシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、S107及びS300のサブルーチンB(図7のフロー)を除き、ブレ補正機能を有した撮像素子ユニット300がカメラ本体200に装着されていることとして説明を行う。
電源が投入されると、ステップ(以下、Sとする)101では、電源212の残量を確認するバッテリーチェックを開始する。
【0039】
S102では、電源212の残量が規定値以上あれば、S103へ進む。一方、電源212の残量が規定値に満たない場合には、S108へ進み、表示部211に警告表示を行い、動作を終了する。
S103では、ボディCPU202がレンズCPU104及び撮像素子ユニットCPU313と通信を開始する。
S104では、交換レンズ100及び撮像素子ユニット300の装着が完全であるか否かを確認する。両者の装着が完全な場合には、S105へ進む。一方でも不完全な場合には、S109へ進み、表示部211に警告表示を行い、動作を終了する。なお、この確認は、通信を確実に行うことができるか否かにより判断するが、マイクロスイッチ等の確認手段を設けてもよい。
【0040】
S105では、レンズCPU104とボディCPU202との間で焦点距離、撮影距離、オートフォーカス駆動方式(交換レンズ100内のモータで駆動するのか、カメラ本体200内のモータで駆動するのか)等の情報のやり取りを行う。
S106では、撮像素子ユニットCPU313とボディCPU202との間で、撮像素子ユニット300にブレ補正機能が有るか否か等の情報のやり取りを行う。撮像素子ユニット300にブレ補正機能が有るか否かの情報は、撮像素子ユニットCPU313が不図示の記憶部に記憶された情報をボディCPU202に伝達することにより行われる。
【0041】
S107では、ボディCPU202が、カメラ本体200に装着された撮像素子ユニットにブレ補正機能が設けられているか否かの判断を行い、カメラ本体200に装着された撮像素子ユニットにブレ補正機能が設けられている場合には、S200に進み、サブルーチンA(図6)を実行する。一方、カメラ本体200に装着された撮像素子ユニットにブレ補正機能が設けられていない場合には、S300に進み、サブルーチンB(図7)を実行する。
【0042】
図6は、図5に示したフローのS200部分のサブルーチンAを示すフローチャートである。
S201では、EEPROM304に記憶されている情報を撮像素子ユニットCPU313が読み込む。
S202では、撮像素子ユニットCPU313とボディCPU202との間で、EEPROM304から得た情報、ブレ補正スイッチ301の状態、ブレ補正モードスイッチ302の選択状態等の情報のやり取りを行う。
【0043】
S203では、撮像素子ユニットCPU313が、ブレ補正スイッチ301の状態と、ブレ補正モードスイッチ302の選択状態(ブレ補正モード1が選択されているか、ブレ補正モード2が選択されているか)を判断する。ブレ補正スイッチ301がブレ補正を行わない(ブレ補正OFF)となっている場合には、S400へ進み、サブルーチンC(図8)を実行する。ブレ補正スイッチ301がブレ補正を行う(ブレ補正On)となっており、かつ、ブレ補正モードスイッチ302がブレ補正モード1を選択している場合には、S500へ進み、サブルーチンD(図9)を実行する。ブレ補正スイッチ301がブレ補正を行う(ブレ補正On)となっており、かつ、ブレ補正モードスイッチ302がブレ補正モード2を選択している場合には、S600へ進み、サブルーチンE(図10)を実行する。
【0044】
図7は、図5に示したフローのS300部分のサブルーチンBを示すフローチャートである。
S301では、半押しタイマーをリセットする。半押しタイマーとは、レリーズスイッチ201が半押しされた時点から時間のカウントを行うタイマーである。半押しタイマーのカウントする時間が所定の時間内の場合には、半押しタイマーがONの状態となり、カメラシステムが撮影準備状態となり、所定の時間を越えると、半押しタイマーがOFFの状態となり、必要最低限の電力を使う他は、測光、AF等の動作を休止する。
【0045】
S302では、半押しタイマーがONしているか否かの判断を行い、半押しタイマーがONの場合には、S303へ進み、半押しタイマーがOFFの場合には、サブルーチンBを終了して図5のメインフローへ戻る。
S303では、レリーズスイッチ201が半押しされているか否かを判断する。レリーズスイッチ201が半押しされている場合には、S304へ進み、レリーズスイッチ201が半押しされていない場合には、S302へ戻る。
S304では、半押しタイマーをリセットする。
【0046】
S305では、ボディCPU202が測距及び測光を行う。
S306では、撮像素子ユニットCPU313がボディCPU202を介してレンズCPU104から交換レンズ200の焦点距離情報を取得する。
S307では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104がAF駆動を行う。
S308では、レリーズスイッチ201が全押しされているか否かの判断を行う。レリーズスイッチ201が全押しされている場合には、S309へ進み、レリーズスイッチ201が全押しされていない場合には、S303へ戻る。
S309では、ボディCPU202が、メインミラー203を撮影光路中から退避(ミラーアップ)させる。
【0047】
S310では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、撮影時に必要な開口径とする。
S311では、ボディCPU202がシャッター部207を開位置に駆動し、必要な露光時間(シャッター速度)で閉位置に戻す。
S312では、撮像素子307により得られた被写体像の電子データを、撮像素子ユニット300からカメラ本体200へ取り込む。
S313では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、絞り径を開放径とする。
S314では、ボディCPU202がメインミラー203を撮影光路内に戻す(ミラーダウン)。
S315では、半押しタイマーがONしているか否かを判断し、半押しタイマーがOFFしている場合には、図5のメインフローに戻り動作を終了し、半押しタイマーがONの場合には、S301へ戻る。
【0048】
図8は、図6に示したフローのS400部分のサブルーチンCを示すフローチャートである。
図7のサブルーチンBは、ブレ補正機能を持たない撮像素子ユニットの場合の動作であり、図8のサブルーチンCは、ブレ補正機能を持つ撮像素子ユニット300であるが、ブレ補正動作を行わない場合の動作であり、両者の動作は、略同じ動作となる。よって、図7のサブルーチンBと図8のサブルーチンCとは、動作する撮像素子ユニットが異なる点と、S415における動作が異なる他は、同一となっているので、ここでは、図7のサブルーチンBのみを説明し、図8の説明は、図7と同じになる部分の説明を省略し、S415の動作のみを説明する。
S415では、半押しタイマーがONしているか否かを判断し、半押しタイマーがOFFしている場合には、図6のフローに戻り動作を終了し、半押しタイマーがONの場合には、図6のフローのS203へ戻る。
【0049】
図9は、図6に示したフローのS500部分のサブルーチンDを示すフローチャートである。
S501では、ボディCPU202が、メインミラー203をミラーアップさせる。
S502では、半押しタイマーをリセットする。
S503では、半押しタイマーがONしているか否かの判断を行い、半押しタイマーがONの場合には、S504へ進み、半押しタイマーがOFFの場合には、S523へ進む。
S504では、レリーズスイッチ201が半押しされているか否かを判断する。レリーズスイッチ201が半押しされている場合には、S505へ進み、レリーズスイッチ201が半押しされていない場合には、S503へ戻る。
【0050】
S505では、半押しタイマーをリセットする。
S506では、ボディCPU202からの指示を受けて撮像素子ユニットCPU313がジャイロセンサ303を起動する。
S507では、ボディCPU202が測距及び測光を行う。
S508では、ボディCPU202が、レンズCPU104から交換レンズ200の焦点距離情報及び撮影距離情報を取得し、取得した焦点距離情報及び撮影距離情報を撮像素子ユニットCPU313に伝達する。
S509では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104がAF駆動を行う。
【0051】
S510では、ボディCPU202からの指示に従い撮像素子ユニットCPU313がロック機構による撮像素子保持部311のロックを解除する。
S511では、撮像素子ユニットCPU313がブレ補正駆動部309を駆動して撮像素子保持部311を移動させ、撮像素子307をセンタリングする。ここで、撮像素子307のセンタリングとは、撮影光学系106の光軸が撮像素子の撮像面の中心と一致する位置に撮像素子307を移動する動作である。
S512では、撮像素子ユニットCPU313がブレ補正駆動を開始させる。
S513では、レリーズスイッチ201が全押しされたか否かを判断する。レリーズスイッチ201が全押しされた場合には、S514へ進んで撮影動作を開始し、レリーズスイッチ201が全押しされていない場合には、S504へ戻る。
S514では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、撮影時に必要な開口径とする。
【0052】
S515では、撮像素子ユニットCPU313がブレ補正駆動部309を駆動して撮像素子保持部311を移動させ、撮像素子307をセンタリングする。このセンタリング動作は、露光前センタリングと呼ばれるものであり、撮影時におけるブレ補正可能範囲をすべての方向に均一に広げるために行う。
S516では、ボディCPU202がシャッター部207を開位置に駆動し、必要な露光時間(シャッター速度)で閉位置に戻す。
S517では、撮像素子307により得られた被写体像のデータ(画像情報)を、撮像素子ユニット300からカメラ本体200へ取り込む。
S518では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、絞り径を開放径とする。
S519では、ボディCPU202からの指示に従い撮像素子ユニットCPU313がブレ補正動作を停止する。
【0053】
S520では、撮像素子ユニットCPU313がジャイロセンサ303による角速度の検出を停止する。
S521では、撮像素子ユニットCPU313がロック機構をロック状態として、撮像素子保持部311の移動を規制する。
S522では、半押しタイマーがONしているか否かを判断し、半押しタイマーがOFFしている場合には、図6のフローに戻り動作を終了し、半押しタイマーがONの場合には、図6のフローのS203へ戻る。
【0054】
S523では、ボディCPU202からの指示に従い撮像素子ユニットCPU313がブレ補正動作を停止する。
S524では、撮像素子ユニットCPU313がジャイロセンサ303による角速度の検出を停止する。
S525では、撮像素子ユニットCPU313がロック機構をロック状態として、撮像素子保持部311の移動を規制する。
【0055】
図10は、図6に示したフローのS600部分のサブルーチンEを示すフローチャートである。
S601では、半押しタイマーをリセットする。
S602では、半押しタイマーがONしているか否かの判断を行い、半押しタイマーがONの場合には、S603へ進み、半押しタイマーがOFFの場合には、図6のフローに戻り、動作を終了する。
S603では、レリーズスイッチ201が半押しされているか否かを判断する。レリーズスイッチ201が半押しされている場合には、S604へ進み、レリーズスイッチ201が半押しされていない場合には、S602へ戻る。
S604では、半押しタイマーをリセットする。
【0056】
S605では、ボディCPU202からの指示を受けて撮像素子ユニットCPU313がジャイロセンサ303を起動する。
S606では、ボディCPU202が測距及び測光を行う。
S607では、ボディCPU202が、レンズCPU104から交換レンズ200の焦点距離情報及び撮影距離情報を取得し、取得した焦点距離情報及び撮影距離情報を撮像素子ユニットCPU313に伝達する。
S608では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104がAF駆動を行う。
S609では、レリーズスイッチ201が全押しされたか否かを判断する。レリーズスイッチ201が全押しされた場合には、S610へ進んで撮影動作を開始し、レリーズスイッチ201が全押しされていない場合には、S603へ戻る。
【0057】
S610では、ボディCPU202が、メインミラー203をミラーアップさせる。
S611では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、撮影時に必要な開口径とする。
S612では、ボディCPU202からの指示に従い撮像素子ユニットCPU313がロック機構による撮像素子保持部311のロックを解除する。
S613では、撮像素子ユニットCPU313がブレ補正駆動部309を駆動して撮像素子保持部311を移動させ、撮像素子307をセンタリングする。
S614では、撮像素子ユニットCPU313がブレ補正駆動を開始させる。
【0058】
S615では、ボディCPU202がシャッター部207を開位置に駆動し、必要な露光時間(シャッター速度)で閉位置に戻す。
S616では、撮像素子307により得られた被写体像のデータ(画像情報)を、撮像素子ユニット300からカメラ本体200へ取り込む。
S617では、ボディCPU202からの指示に従いレンズCPU104が絞り部103を駆動して、絞り径を開放径とする。
S618では、ボディCPU202がメインミラー203をミラーダウンさせる。
S619では、ボディCPU202からの指示に従い撮像素子ユニットCPU313がブレ補正動作を停止する。
【0059】
S620では、撮像素子ユニットCPU313がジャイロセンサ303による角速度の検出を停止する。
S621では、撮像素子ユニットCPU313がロック機構をロック状態として、撮像素子保持部311の移動を規制する。
S622では、半押しタイマーがONしているか否かを判断し、半押しタイマーがOFFしている場合には、図6のフローに戻り動作を終了し、半押しタイマーがONの場合には、図6のフローのS203へ戻る。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のカメラシステムでは、カメラ本体200と撮像素子ユニット300との装着が完全かどうかをボディCPU202と撮像素子ユニットCPU313で確認し、ブレ補正機能がある撮像素子ユニット300の場合と無い場合でカメラボディCPU202のシーケンスを変化させている。これにより、ブレ補正機能がある撮像素子ユニットとブレ補正機能が無い撮像素子ユニットとを自由に交換して使用でき、交換したときに特別な設定等をすることなく使用できる。
【0061】
また、ブレ補正機能がある場合、ブレ補正OFFとブレ補正モード1とブレ補正モード2の3種類の動作がある。ブレ補正モード1では、レリーズスイッチ201の半押しで手ブレ補正駆動を開始し、ブレ補正モード2では、レリーズスイッチ201の全押しでブレ補正駆動を行うようにした。
まず、ブレ補正機能がありブレ補正モード1の場合には、ボディCPU202は、直ちにミラーアップを行い、ファインダではなく表示部311によって被写体を確認するようにする。レリーズスイッチ201を半押しした後、ボディCPU202から撮像素子ユニットCPU313にジャイロセンサ303をONすることを要求する。測距と測光が終了したらレンズCPU104→ボディCPU202→撮像素子ユニットCPU313の順番に焦点距離と撮影距離情報を伝える。
【0062】
AF駆動した後にボディCPU202が撮像素子ユニットCPU313にロック解除を要求する。ロック解除したら撮像素子ユニットCPU313は、撮像素子307のセンタリングを行い、ブレ補正を開始する。
レリーズスイッチ201が全押しされたら、絞り駆動をした後に撮像素子307を露光前センタリングするため、ボディCPU202から撮像素子ユニットCPU313に対して、ブレ補正駆動部309を駆動することを要求する。シャッター駆動した後に、ボディCPU202は撮像素子ユニットCPU313に撮像素子駆動回路308を動かすことを要求する。絞り開放をしたらボディCPU202が撮像素子ユニットCPU313にブレ補正駆動を停止させることを要求する。ブレ補正駆動が停止したら撮像素子ユニットCPU313は、ジャイロセンサ303をOFFにし、ロック機構をロック状態とする。
【0063】
従来、撮像素子を移動させて行うブレ補正動作のデメリットとして、ブレ補正の効果をファインダで確認することができないということがあった。しかし、本実施形態では、ブレ補正モード1を設け、ボディCPU202によりミラーアップし、ファインダで被写体を確認するのではなく表示部311により、ブレ補正の効果をスルー画によって確認できる。
【0064】
次に、ブレ補正機能がありブレ補正モード2の場合には、レリーズスイッチ201の全押しにより開始する撮影動作の開始前にはブレ補正動作を行わず、レリーズスイッチ201が全押しされた後に、ブレ補正動作を行うので、ブレ補正モード1のようにミラーアップして表示部311で被写体の確認はできない。そのため、ブレ補正モード2にしてすぐにミラーアップもしない。
上述したように、ブレ補正モード2の場合には、レリーズスイッチ201を半押しした後にボディCPU202から撮像素子ユニットCPU313にジャイロセンサ303をONすることを要求する。測距と測光が終了したらレンズCPU104→ボディCPU202→撮像素子ユニットCPU313に焦点距離と撮影距離情報を伝える。
【0065】
レリーズスイッチ201が全押しされたら、絞り駆動をした後にボディCPU202から撮像素子ユニットCPU313にロック解除することを要求する。ロック解除したら、撮像素子ユニットCPU313は、撮像素子307をセンタリングしブレ補正動作を開始する。シャッター駆動した後に、ボディCPU202は、撮像素子ユニットCPU313に撮像素子駆動回路を動かすことを要求する。
ミラーダウンしたら、ボディCPU202が撮像素子ユニットCPU313にブレ補正駆動を停止させることを要求する。ブレ補正駆動が停止したら、撮像素子ユニットCPU313は、ジャイロセンサ303をOFFにし、ロック機構をロック状態とする。
【0066】
このように、本実施形態では、ブレ補正モード1とブレ補正モード2とを、撮影者の意図により使い分けることができ、ブレ補正モード1を選択することにより、ブレ補正効果を確認しながらの撮影を行うことができる。また、ブレ補正モード2を選択することにより、従来と同様にファインダを使用した撮影を行うことができる。
また、本実施形態によれば、撮像素子ユニットを本体から取り外すことができるので、撮像素子の撮像面にゴミ等の異物が付着した場合でも、撮像素子ユニットを取り外すことにより、ゴミ等の異物の除去作業が容易に行えるという効果もある。
【0067】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
例えば、本実施形態において、撮像素子を移動させて像ブレ補正を行う例を示したが、これに限らず、例えば、画像処理演算を用いたブレ補正機能を有した撮像素子ユニットが装着可能なカメラシステムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態のカメラシステムの概要を示す図である。
【図2】本実施形態のカメラシステムのブロック図である。
【図3】撮像素子307まわりを示す斜視図である。
【図4】撮影光学系と被写体と撮像素子との関係を示す図である。
【図5】本実施形態のカメラシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5に示したフローのS200部分のサブルーチンAを示すフローチャートである。
【図7】図5に示したフローのS300部分のサブルーチンBを示すフローチャートである。
【図8】図6に示したフローのS400部分のサブルーチンCを示すフローチャートである。
【図9】図6に示したフローのS500部分のサブルーチンDを示すフローチャートである。
【図10】図6に示したフローのS600部分のサブルーチンEを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100:交換レンズ、101:焦点距離エンコーダ、102:距離エンコーダ、103:絞り部103、104:レンズCPU、105:接点、106:撮影光学系、200:カメラ本体、201:レリーズスイッチ、202:ボディCPU、203:メインミラー、204:サブミラー、205:AFセンサ、206:閃光発光部、207:シャッター部、208:デジタル処理回路、209:接点、210:接点、211:表示部、212:電源、300:撮像素子ユニット、301:ブレ補正スイッチ、302:ブレ補正モードスイッチ、303:ジャイロセンサ、304:EEPROM、305:ブレ補正駆動ドライバ、306:アナログ処理回路、307:撮像素子、308:撮像素子駆動回路、309:ブレ補正駆動部、310:位置検出部、311:撮像素子保持部、312:ブレ補正追従制御IC、313:撮像素子ユニットCPU、314:表示部、315:接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
前記撮像素子により撮影される画像の像ブレを補正する像ブレ補正部と、
カメラ本体に対して着脱可能に装着可能な装着部と、
前記装着部により前記カメラ本体に装着された状態で前記カメラ本体と電気的に導通可能な接点部と、
を備える撮像素子ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像素子ユニットにおいて、
前記撮像素子は、前記装着部に対して相対的に移動可能となっており、
前記像ブレ補正部は、前記撮像素子を移動させることにより像ブレを補正すること、
を特徴とする撮像素子ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撮像素子ユニットにおいて、
少なくとも前記像ブレ補正部を備えていることを前記接点部を介して前記カメラ本体へ伝える像ブレ補正部情報伝達手段を有すること、
を特徴とする撮像素子ユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、
振れを検出する振れ検出センサを備え、
前記像ブレ補正部は、前記振れ検出センサによる振れの検出結果に基づいて像ブレを補正すること、
を特徴とする撮像素子ユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、
前記像ブレ補正部を用いた像ブレ補正動作を行うか否かを選択する像ブレ補正動作実行設定部を備えること、
を特徴とする撮像素子ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、
前記像ブレ補正部を用いた像ブレ補正動作の動作形態を選択する像ブレ補正動作選択部を有し、
前記像ブレ補正動作選択部により第1の動作形態が選択された場合には、撮影動作前に前記撮像素子による像ブレ補正動作を行いながら前記撮像素子により得られる被写体像を出力し、
前記像ブレ補正動作モード選択部により第2の動作形態が選択された場合には、撮影動作前に前記撮像素子による像ブレ補正動作を行わないこと、
を特徴とする撮像素子ユニット。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像素子ユニットにおいて、
前記撮像素子により得られる被写体像を表示可能な表示部を備えること、
を特徴とする撮像素子ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−67177(P2008−67177A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244310(P2006−244310)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】