撮像装置、および、プログラム
【課題】 趣向性の高い撮像装置を提供する。
【解決手段】 画像シャッフル制御部181は、メモリカード171に格納されている撮像画像を表示部141にサムネイル表示し、ユーザが所望する画像を指定させる。画像シャッフル制御部181はさらに、指定された画像中の任意の部分をユーザに指定させる。画像シャッフル制御部181は、指定された任意の部分を抽出する。このとき、一の画像中で複数の部分が指定される場合には各部分画像を変倍する。抽出された部分画像は、メモリカード171に保存される。画像シャッフル制御部181は、抽出した部分画像をシャッフル表示することで、表示部141に画像ルーレットを表示する。このとき、例えば、指定された一の部分画像を固定表示し、他の部分画像をランダムに表示する。
【解決手段】 画像シャッフル制御部181は、メモリカード171に格納されている撮像画像を表示部141にサムネイル表示し、ユーザが所望する画像を指定させる。画像シャッフル制御部181はさらに、指定された画像中の任意の部分をユーザに指定させる。画像シャッフル制御部181は、指定された任意の部分を抽出する。このとき、一の画像中で複数の部分が指定される場合には各部分画像を変倍する。抽出された部分画像は、メモリカード171に保存される。画像シャッフル制御部181は、抽出した部分画像をシャッフル表示することで、表示部141に画像ルーレットを表示する。このとき、例えば、指定された一の部分画像を固定表示し、他の部分画像をランダムに表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等に関し、特に、撮像した画像を加工して表示することができる撮像装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラや撮影機能付きの移動体通信端末(携帯電話機など)では、基幹機能の他に種々のオプション機能(例えば、ゲーム機能など)が付加されている。その1つとして、撮影した複数の画像をモニタ上にランダムに表示する画像ルーレット(画像シャッフル)機能がある(例えば、特許文献1)。このような機能により、撮影した画像を単に表示させるよりも趣向的に利用することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の画像ルーレットでは、撮像画像をそのままランダムに表示させるだけであった。このため、表示される画像に変化がなく、新鮮味や趣向性に欠けるものであった。また、デジタルカメラなどの撮像装置に備えられているモニタはサイズが小さいため、撮像画像の画角等によってはルーレット表示された画像が認識困難であるなど、ゲーム性を阻害することもあった。
【特許文献1】特開2000−196918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実状に鑑みてなされたもので、より趣向性の高い付加機能を備えた撮像装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る撮像装置は、
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手段と、を備えた撮像装置において、
前記撮像手段が撮像した撮像画像上でユーザが指定した任意の部分を抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段が抽出した複数の部分画像を前記表示手段にランダム表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
上記撮像装置において、
前記部分画像抽出手段は、抽出した部分画像を変倍する変倍手段をさらに備えていることが望ましい。
【0007】
上記撮像装置は、
前記部分画像抽出手段が抽出した部分画像を記憶する部分画像記憶手段をさらに備えていることが望ましい。
【0008】
上記撮像装置において、
前記表示制御手段は、指定された所定の部分画像を前記表示手段に固定表示し、他の部分画像を前記表示手段にランダム表示してもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
撮像装置を制御するコンピュータに、
ユーザが任意の部分を指定するための画像を撮像画像に合成して表示する機能と、
ユーザが指定した部分の画像データを抽出する機能と、
指定されたモードに応じて、抽出した部分画像を変倍する機能と、
抽出した部分画像データを記憶する機能と、
抽出した部分画像を表示手段に画像ルーレットとして表示する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置において、撮像した画像上の任意の部分を指定し、指定した部分画像をランダムに表示(シャッフル表示)する画像ルーレットを提供することができる。この場合、ユーザが所望する部分(例えば、人物の顔部分など)を用いて画像ルーレットとするので、撮像画像をそのままランダム表示するよりも趣向性の高い画像ルーレットを提供することができる。また、例えば、集合写真などのように、個々の人物の顔部分などが小さく写っている画像の場合には、部分画像を変倍して表示するので、認識性の高い画像ルーレットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明にかかる実施形態を、以下図面を参照して説明する。本実施形態では、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などの撮像素子により画像データを取得する撮像装置を用いる。この撮像装置は、例えば、デジタルカメラや、撮影機能を有する移動体通信端末(例えば、携帯電話機)などである。本実施形態では、撮像装置がデジタルカメラである場合を例に以下説明する。
【0012】
本実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ)の構成を図1、図2を参照して説明する。図1は本実施形態にかかるデジタルカメラ100のシステム構成(内部構成)を示すブロック図であり、図2はデジタルカメラ100の外観例を示す(図2(a)は正面図、図2(b)は背面図)。図示するように、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、制御部110、レンズユニット121、レンズ駆動部122、撮像素子123、A/D変換器124、操作部130、表示部141、表示制御部142、画像メモリ150、画像処理部160、記憶部170、画像加工部180、などから構成される。
【0013】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、デジタルカメラ100の各部を制御する。
【0014】
レンズユニット121は、レンズ群や絞り羽根などから構成される光学的部材などから構成され、入射光を集光して撮像素子123上に結像させる。
【0015】
レンズ駆動部122は、モータなどの動力部や、シャフトやギアなどによって動力部の動力を伝達する動力伝達部などから構成され、制御部110の制御によりレンズユニット121の光学的部材を駆動する。
【0016】
撮像素子123は、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などから構成され、レンズユニット121を介して入光した可視光(入射光)を光電変換により電荷に変換して蓄積する。
【0017】
A/D変換器(アナログ−デジタル変換器)124は、電荷量(アナログ信号)をデジタルデータに変換する。すなわち、変換されたデジタルデータは、入射光から得られる画像データを構成することとなる。
【0018】
操作部130は、ユーザによって操作される部材から構成され、ユーザからの指示を受け付ける。操作部130は、操作に応じた所定の信号を制御部110に送出することで、ユーザの指示を制御部110に入力する。本実施形態では、操作部130は、少なくとも、シャッタボタン131と操作入力部132とを備える(図2参照)。
【0019】
シャッタボタン131は、ユーザによる押下に応じて上下方向に可動するボタンなどから構成され、ユーザに押下されることによって、撮影開始などを指示する信号(以下、「シャッタ信号」とする)を制御部110に送出する。なお、シャッタボタン131は、例えば、レリーズやリモコンなどによって構成されていてもよい。
【0020】
操作入力部132は、例えば、所定の操作ボタンやダイヤル、カーソルキー、などから構成され、ユーザの操作により、種々の設定を変更する指示などが入力される。本実施形態においては、撮影モードをはじめとする各種モードの変更・設定などに用いられる。
【0021】
表示部141は、例えば、液晶表示装置などから構成され、画像情報を表示出力する。本実施形態では、撮像素子123によって得られた画像や、記憶部170に記録された画像を表示する他、設定変更をおこなうためのメニュー画面などを表示る。なお、表示部141がタッチパネルなどから構成される場合には、操作入力部132と同等の入力装置として機能させてもよい。
【0022】
表示制御部142は、表示部141を制御し、制御部110の指示に応じた画像等を表示させる。本実施形態ではまた、画像処理部160との協働により、画像処理された画像が表示部141に表示されるよう表示制御をおこなう。
【0023】
画像メモリ150は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置から構成され、画像処理部160によって画像処理された画像データなどが展開される。
【0024】
画像処理部160は、例えば、画像処理のための回路などから構成され、デジタルカメラ100で撮像された画像に対し、種々の画像処理をおこなう。
【0025】
記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成され、制御部110が実行するプログラムや、各処理に必要なデータ(以下、「処理データ」とする)などを記憶する。
【0026】
本実施形態では、記憶部170に、着脱可能なメモリカード171が含まれ、保存対象となる撮像画像データなどを記録する。本実施形態では、撮像画像を示す原画像データを格納する領域である原画像フォルダ、および、原画像の一部分を抽出した部分画像を格納する領域である部分画像フォルダが、メモリカード171に作成されるものとする。
【0027】
画像加工部180は、画像処理回路などから構成され、メモリカード171に格納されている画像データを加工する。本実施形態では、メモリカード171に格納されている画像から部分画像を抽出してシャッフル表示するための処理をおこなう画像シャッフル制御部181を備える。なお、画像加工部180は、制御部110および表示制御部142と協働し、加工した画像を表示部141に画像ルーレット(詳細後述)として表示させる。
【0028】
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、以上のような構成を有する。なお、上記の各構成は、本発明の実施に必要な要部であり、デジタルカメラ100には、これらの他に、デジタルカメラとして必要な構成や機能、および、その他の付加的な構成や機能などが、必要に応じて備えられているものとする。
【0029】
次に、上記のように構成されたデジタルカメラ100の動作について図面を参照しながら説明する。本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、通常の撮影機能や撮影した画像を表示する表示機能に加え、撮影した画像を用いたゲームを提供するゲーム機能を備えているものとする。本実施形態におけるゲーム機能では、撮影した画像をランダムに表示(シャッフル)することで、仮想的なルーレットゲーム(画像ルーレット)を提供する。すなわち、本実施形態にかかるデジタルカメラ100には、通常の撮影モードや表示モードに加え、撮像画像をシャッフル表示して画像ルーレットをおこなうためのモード(以下、「画像シャッフルモード」とする)が用意されているものとする。
【0030】
画像ルーレットに用いられる画像は、デジタルカメラ100により撮像される。本実施形態では、デジタルカメラ100により撮像された画像の画像データは、メモリカード171の原画像フォルダに保存される。
【0031】
画像ルーレットを開始するには、表示部141に表示される所定のメニュー画面で画像シャッフルモードを選択する。ここでは、ユーザが操作入力部132を操作することにより、モードの選択・決定をおこなう。
【0032】
画像シャッフルモードが選択されたことを契機に、画像ルーレットをおこなうための「画像ルーレット実行処理」が画像シャッフル制御部181によって実行される。
【0033】
図3は、画像ルーレット実行処理を説明するためのフローチャートである。処理が開始されると、画像シャッフル制御部181はまず、シャッフル対象画像の枚数をカウントするための変数nに、初期値である「1」を代入する(ステップS101)。ここで、本実施形態では、例えば、デジタルカメラ100の処理能力等に応じて、一度の画像ルーレット動作時に表示可能な画像枚数が予め定められているものとし、その上限枚数を定数Pmaxとする。
【0034】
次に画像シャッフル制御部181は、メモリカード171の原画像フォルダにアクセスし、格納されている撮像画像の画像データを取得する。画像シャッフル制御部181は、取得した画像データに示される画像それぞれの縮小画像(サムネイル画像)を作成し、一覧表示できるよう配列した、図7(a)に示すような一覧画像を作成する。画像シャッフル制御部181は、制御部110および表示制御部142との協働により、作成した一覧画像を表示部141に表示する(ステップS102)。ここでは、一覧画像を構成するサムネイル画像が選択可能に表示部141に表示される。
【0035】
すなわち、ユーザは、操作入力部132を操作することで、表示部141に表示されている複数の画像から所望する画像を選択する。
【0036】
所望する画像が選択されると、画像シャッフル制御部181は、図7(b)に示すように、選択された画像を表示部141にフルサイズ(当該画像の全域が表示されるサイズ)で表示するとともに、シャッフル表示対象とする部分画像の選択形態を選択するための選択欄「スナップ」と「集合」を表示する。
【0037】
ここで、「スナップ」とは、スナップ写真のように、例えば、1人の人物が写っているような画像で、部分画像を選択する場合の選択形態である。すなわち、シャッフル表示対象としたい部分が画像中に1つある場合は「スナップ」を選択する。
【0038】
一方、「集合」とは、集合写真のように、例えば、複数の人物が写っているような画像で、部分画像を選択する場合の選択形態である。すなわち、シャッフル表示対象としたい部分が画像中に複数ある場合は「集合」を選択する。
【0039】
ここで、各選択欄は、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、画像シャッフル制御部181および制御部110は、いずれのボタンが操作されたかによって、「スナップ」か「集合」のいずれが選択されたかを判別する。
【0040】
「スナップ」が選択された場合には(ステップS103:Yes)、一の画像から一の部分画像を選択するための「部分画像選択処理1」が実行され(ステップS200)、「集合」選択された場合には(ステップS103:No)、一の画像から複数の部分画像を選択するための「部分画像選択処理2」が実行される(ステップS300)。
【0041】
まず、「スナップ」が選択された場合について説明する。図4は、この場合に実行される部分画像選択処理1を説明するためのフローチャートである。
【0042】
処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、選択された画像に所定の矩形枠PBを合成した、図8(a)に示すような、部分選択画面S1を作成し、表示部141に表示する(ステップS201)。
【0043】
ここでは、図8(a)に示すように、選択された画像がフルサイズで表示される。また、部分選択画面S1には、予め規定された所定のサイズ(デフォルトサイズ)の矩形枠PBが、例えば、画像の中央(デフォルト位置)に表示されるが、そのサイズおよび位置はユーザが任意に指定して変更できる。
【0044】
すなわち、ユーザが操作入力部132を操作することにより、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。ここでは、例えば、サイズ変更および位置変更のそれぞれに応じた所定のポインタなどが部分選択画面S1とともに表示され、操作入力部132を用いてポインタを操作することなどによって、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。
【0045】
ユーザは、選択した画像中で、シャッフル表示させたい部分(例えば、人物の顔部分など)に矩形枠PBが合うように、サイズや位置を指定する。
【0046】
制御部110および画像シャッフル制御部181は、ユーザによる操作入力部132の操作に応じて、矩形枠PBのサイズもしくは位置が変更されたことを識別する。矩形枠PBのサイズ、及び/又は、位置が変更されると(ステップS202:Yes)、画像シャッフル制御部181は、変更された現在の矩形枠PBの位置およびサイズを示す値(現在値)を取得する(ステップS203)。ここでは、画像上の座標値に基づいて、矩形枠PBの位置およびサイズを識別するものとする。
【0047】
一方、ユーザによる矩形枠PBの変更がない場合(ステップS202:No)、画像シャッフル制御部181は、矩形枠PBのデフォルト値を取得する(ステップS204)。このデフォルト値は、部分選択画面S1上に最初に表示した矩形枠PBのデフォルト位置とデフォルトサイズを示す値(座標値)である。
【0048】
画像シャッフル制御部181は、取得した現在値もしくはデフォルト値によって矩形枠PBの位置およびサイズを識別すると、当該矩形枠PBの枠内の部分を抽出し、部分画像として切り出す(ステップS205)。ここでは、矩形枠PBの位置やサイズを示す座標値に基づいて、矩形枠PB内の画素を特定し、特定した画素を示すデータ(画素値など)を取得することで、部分画像として切り出す。
【0049】
画像シャッフル制御部181は、切り出した部分画像を、メモリカード171内の部分画像フォルダに格納する(ステップS206)。ここでは、新規の部分画像ファイルを作成して部分画像フォルダに格納する。部分画像ファイルは、図9(a)に示すようなデータ構成を有する。図示するように、部分画像ファイルは、画像アドレスと部分画像データから構成される。画像アドレスは、当該部分画像ファイルに含まれる部分画像データの格納場所を示すアドレス情報(例えば、ディレクトリのパス情報など)である。
【0050】
部分画像を格納すると、画像シャッフル制御部181は、現在の変数nに1を加算して更新し(ステップS207)、処理を終了する。すなわち、図3に示す画像ルーレット実行処理のフローに戻る。
【0051】
次に、「集合」が選択された場合について説明する。図5は、この場合に実行される部分画像選択処理2を説明するためのフローチャートである。
【0052】
処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、選択された画像に所定の矩形枠PBを合成した、図8(b)に示すような、部分選択画面S2を作成し、表示部141に表示する(ステップS301)。
【0053】
ここでは、図8(b)に示すように、選択された画像がフルサイズ(当該画像の全域が表示されるサイズ)で表示される。また、部分選択画面S2には、予め規定された所定のサイズ(デフォルトサイズ)の矩形枠PBが、例えば、画像の中央(デフォルト位置)に表示されるが、そのサイズおよび位置はユーザが任意に指定して変更できる。ここで、集合写真などで人物の顔部分を指定するような場合、これらはスナップ写真よりも小さいものとなる。したがって、「集合」が選択された場合の矩形枠PBのデフォルトサイズを、「スナップ」が選択された場合の矩形枠PBのデフォルトサイズよりも小さくしておくことで、ユーザの部分指定作業が容易になる。
【0054】
すなわち、ユーザが操作入力部132を操作することにより、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。ここでは、例えば、サイズ変更および位置変更のそれぞれに応じた所定のポインタなどが部分選択画面S1とともに表示され、操作入力部132を用いてポインタを操作することなどによって、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。
【0055】
ユーザは、選択した画像中で、シャッフル表示させたい部分(例えば、人物の顔部分など)に矩形枠PBが合うように、サイズや位置を指定する。
【0056】
制御部110および画像シャッフル制御部181は、ユーザによる操作入力部132の操作に応じて、矩形枠PBのサイズもしくは位置が変更されたことを識別する。矩形枠PBのサイズ、及び/又は、位置が変更されると(ステップS302:Yes)、画像シャッフル制御部181は、変更された現在の矩形枠PBの位置およびサイズを示す値(現在値)を取得する(ステップS303)。ここでは、画像上の座標値に基づいて、矩形枠PBの位置およびサイズを識別するものとする。
【0057】
一方、ユーザによる矩形枠PBの変更がない場合(ステップS302:No)、画像シャッフル制御部181は、矩形枠PBのデフォルト値を取得する(ステップS304)。このデフォルト値は、部分選択画面S1上に最初に表示した矩形枠PBのデフォルト位置とデフォルトサイズを示す値(座標値)である。
【0058】
画像シャッフル制御部181は、取得した現在値もしくはデフォルト値によって矩形枠PBの位置およびサイズを識別すると、当該矩形枠PBの枠内の部分を抽出し、部分画像として切り出す(ステップS305)。ここでは、矩形枠PBの位置やサイズを示す座標値に基づいて、矩形枠PB内の画素を特定し、特定した画素を示すデータ(画素値など)を取得することで、部分画像として切り出す。
【0059】
画像シャッフル制御部181は、切り出した部分画像を変倍する(ステップS306)。すなわち、例えば、集合写真のように、複数の人物が写っている画像では、各人物の顔部分などは小さくなる。したがって、切り出した部分画像を、例えば、シャッフル表示する表示領域の大きさに合わせて変倍(拡大)する。
【0060】
画像シャッフル制御部181は、変倍後の部分画像データをメモリカード171内の部分画像フォルダに格納する(ステップS307)。ここでは、上記部分画像選択処理1の場合と同様、図9(a)に示すようなデータ構成の部分画像ファイルを作成して部分画像フォルダに格納する。
【0061】
部分画像をメモリカード171に格納すると、画像シャッフル制御部181は、現在の変数nに1を加算して更新し(ステップS308)、更新後の変数nがPmax未満であるか否かを判別する(ステップS309)。
【0062】
ここで、更新後の変数nがPmax未満である場合、すなわち、選択された部分画像数が上限に達していない場合(ステップS309:Yes)、さらなる部分画像を指定することができる。この場合、画像シャッフル制御部181は、さらなる部分画像の指定を継続するか否かをユーザに問い合わせるために、図8(c)に示すような確認画面を表示部141に表示する(ステップS310)。図示するように、確認画面には、さらなる指定を継続するか否かを問い合わせるメッセージとともに、継続もしくは終了を選択するための選択欄が表示される。
【0063】
ユーザは、選択した画像内でさらに部分画像を指定する場合には、選択欄「継続」を選択し、部分画像の指定を終了する場合には、選択欄「終了」を選択する。これらの選択欄のそれぞれは、例えば、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、いずれかのボタンが操作されることで、制御部110および画像シャッフル制御部181は、「継続」もしくは「終了」のいずれかが選択されたことを識別する。
【0064】
部分画像指定の継続が選択された場合(ステップS311:No)、ステップS301に戻り、ユーザにさらなる部分画像を指定させる。
【0065】
一方、部分画像指定の終了が選択された場合(ステップS311:Yes)、および、更新後の変数nがPmaxに達している場合(ステップS309:No)、処理を終了し、図3に示す画像ルーレット実行処理のフローに戻る。
【0066】
画像ルーレット実行処理(図3)では、上述した部分画像選択処理1、もしくは、部分画像選択処理2によって部分画像が選択されると、現在の変数nが3以上であるか否かを判別する(ステップS104)。これは、少なくとも2つの画像(部分画像)を指定しなければ、画像ルーレットが成立しないためである。したがって、現在までに指定が完了した部分画像数が2以上(n−1≧2)であるか、すなわち、上記部分画像選択処理1もしくは部分画像選択処理2で更新された現在の変数nが3以上(n≧3)であるか否かを判別する。
【0067】
現在までに指定された部分画像数が2未満である場合、すなわち、変数nが3未満である場合(ステップS104:No)、ステップS102に戻り、さらなる部分画像をユーザに指定させる。
【0068】
一方、現在までに指定された部分画像数が2以上である場合、すなわち、変数nが3以上である場合(ステップS104:Yes)、画像シャッフル制御部181はさらに、更新後の変数nが、シャッフル表示可能な画像数の上限であるPmaxに達しているか否かを判別する(ステップS105)。
【0069】
変数nがPmax未満であれば(ステップS105:Yes)、さらなる部分画像を指定することができる。この場合、画像シャッフル制御部181は、さらなる部分画像の指定を継続するか否かをユーザに問い合わせるために、図8(c)に示すような確認画面を表示部141に表示する(ステップS106)。図示するように、確認画面には、さらなる指定を継続するか否かを問い合わせるメッセージとともに、継続もしくは終了を選択するための選択欄が表示される。
【0070】
ユーザは、さらに部分画像を指定する場合には、選択欄「継続」を選択し、部分画像の指定を終了する場合には、選択欄「終了」を選択する。これらの選択欄のそれぞれは、例えば、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、いずれかのボタンが操作されることで、制御部110および画像シャッフル制御部181は、「継続」もしくは「終了」のいずれかが選択されたことを識別する。
【0071】
部分画像指定の継続が選択された場合(ステップS107:No)、ステップS102に戻り、ユーザにさらなる部分画像を指定させる。
【0072】
一方、部分画像指定の終了が選択された場合(ステップS107:Yes)、あるいは、指定された部分画像数が上限値Pmaxに達した場合(ステップS105:No)、画像シャッフル制御部181は、部分画像を指定するための処理を終了し、指定された部分画像をシャッフル表示するための「シャッフル表示処理」を実行する(ステップS400)。
【0073】
図6は、シャッフル表示処理を説明するためのフローチャートである。処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、メモリカード171の部分画像フォルダにアクセスし、指定された部分画像の画像データを含んだ部分画像ファイルを取得する(ステップS401)。以下、対象となる部分画像の数をPとする。本実施形態では、9つの部分画像が指定されたものとする(P=9)。
【0074】
部分画像データを取得すると、画像シャッフル制御部181は、取得した部分画像を表示部141に一覧表示する(ステップS402)。
【0075】
本実施形態では、特定の部分画像(以下、「カレント画像」とする)を画面の左半分の領域(以下、カレント画像表示領域CRとする)に表示し、ルーレット画像としてランダムに表示(シャッフル表示)する部分画像を画面の右半分の領域(以下、ルーレット画像表示領域RRとする)に表示する。したがって、一覧画面においては、ユーザにカレント画像を指定させるために、各部分画像が選択可能に表示される。
【0076】
ユーザは、カレント画像として所望する部分画像を操作入力部132を操作することにより選択して指定する。
【0077】
カレント画像が指定されると(ステップS403:Yes)、部分画像をランダム表示させるために参照する画像リスティングテーブルをメモリカード171に作成する(ステップS404)。図9(b)は、画像リスティングテーブルの例を示す図である。
【0078】
図示するように、画像リスティングテーブルには、項目「画像番号」、「カレントフラグ」、「乱数値」、「画像アドレス」、などが含まれる。項目「画像番号」には、取得した部分画像ファイル毎に一意に割り当てられる識別番号が記録される。ここでは、9つの部分画像を対象とするので、例えば、1〜9の番号が各画像に割り当てられる。項目「カレントフラグ」には、カレント画像がいずれであるかを示すフラグが記録される。カレント画像にはフラグ「1」が付与され、それ以外の画像にはフラグ「0」が付与されるものとする。項目「乱数値」には、各部分画像のそれぞれに割り当てられた乱数値が記録される。なお、カレント画像として指定された部分画像の乱数値には「0」を割り当て、その他の画像については1〜8(1〜(P−1))までの範囲の値を一意に割り当てる。「画像アドレス」には、各画像の格納場所を示すアドレス情報が記録される。
【0079】
画像リスティングテーブルを作成すると、画像シャッフル制御部181は、ステップS403で指定された画像のカレントフラグを「1」とし、その他の画像のカレントフラグを「0」として画像リスティングテーブルに記録する(ステップS405)。
【0080】
次に、画像シャッフル制御部181は、制御部110および表示制御部142と協働し、図10(a)に示すように、表示部141上のカレント画像表示領域CRに指定されたカレント画像を表示する(ステップS406)。
【0081】
次に、画像シャッフル制御部181は、画像巡回数Rを決定する(ステップS407)。この画像巡回数とは、画像ルーレットをまわす回数である。画像巡回数Rは、予め規定されていてもよく、あるいは、ユーザにより任意に指定されてもよい。
【0082】
次に画像シャッフル制御部181は、対象となる画像の画像番号の範囲、すなわち、1〜9(1〜P)の範囲で乱数を発生させる(ステップS408)。ここでは、例えば、画像シャッフル制御部181が所定の乱数発生回路を備えることで乱数を発生させてもよく、あるいは、画像シャッフル制御部181もしくは制御部110のソフトウェア処理により乱数を発生してもよい。
【0083】
乱数を発生させると、画像シャッフル制御部181は、メモリカード171に作成されている画像リスティングテーブルにアクセスし、「乱数」欄に示されている数値が、発生させた乱数と一致するレコードをカレント位置とし(ステップS409)、当該レコードの「カレントフラグ」欄に記録されているフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS410)。
【0084】
すなわち、発生させた乱数に対応する画像が、カレント画像以外の画像であるか否かを判別する。ここで、カレント画像はカレント画像表示領域CRに固定表示させるので、カレント画像をルーレット(シャッフル)対象とはしない。したがって、発生させた乱数に対応する画像のカレントフラグが1である場合、すなわち、当該画像がカレント画像である場合(ステップS410:No)、ステップS408に戻り、再度乱数を発生させる。
【0085】
一方、発生させた乱数に対応する画像のカレントフラグが0である場合、すなわち、当該画像がカレント画像ではない場合(ステップS410:Yes)、画像シャッフル制御部181は、図10(b)に示すように、当該画像(ルーレット画像)をルーレット画像表示領域RRに表示させる(ステップS411)。
【0086】
このようにして、カレント画像以外の画像を画面右半分の領域に表示すると、画像シャッフル制御部181は、画像巡回数Rから1減算して更新し(ステップS412)、更新後の画像巡回数Rが0であるか否かを判別する(ステップS413)。
【0087】
ここで、画像巡回数Rは、ルーレット回数(シャッフル回数)を示しているので、1回シャッフル画像が表示される毎に1減算することで、残りのシャッフル回数を示すことになる。したがって、更新後の画像巡回数Rが0となっていない場合(ステップS413:No)、まだシャッフル表示させる回数が残っているので、ステップS408に戻って再度乱数を発生させ、画面右半分の領域に表示する画像をランダムに変更する。
【0088】
一方、画像巡回数Rが0となっている場合(ステップS413:Yes)、設定された回数のシャッフル表示がされたので、処理を終了する。すなわち、図3に示す画像ルーレット実行処理に戻り、そのまま処理を終了する。この場合、画像巡回数Rが0になるまでは、画面右半分の領域に表示される部分画像が次々に変化し、画像巡回数Rが0となった時点で選択された部分画像を静止表示させる。
【0089】
上記の処理により、デジタルカメラ100で撮影した画像の中から所望する部分を任意に指定し、画像ルーレットとして表示させることができる。この場合、撮影した画像における被写体の大きさや数に応じて、部分画像の選択形態を変えて選択することができる。これにより、ユーザは容易に部分画像を指定できるとともに、画像ルーレット(シャッフル表示)をおこなう場合に、適切なサイズで部分画像を表示させることができる。
【0090】
また、上記のシャッフル表示処理では、図11に示すように、カレント画像表示領域CRに所定の部分画像(カレント画像)を固定表示し、ルーレット画像表示領域RRに他の部分画像(ルーレット画像)がランダムにシャッフル表示される。この場合、左側の画像と右側画像の組み合わせが、所定回数変化した後に、最後の組み合わせ画像が静止表示されるので、例えば、カップルやコンビを決めるルーレットゲームなどとして遊ぶことができる。
【0091】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0092】
例えば、シャッフル表示で表示される部分画像の数はこれに限られず任意である。すなわち、上記シャッフル表示処理では、カレント画像を固定表示する領域と、部分画像がシャッフル表示(ランダム表示)される領域の2つの表示領域を用いた画像ルーレットとしたが、3以上の表示領域で部分画像を表示する画像ルーレットとしてもよい。この場合、例えば、1つのカレント画像に対し、それ以外の2以上の部分画像をシャッフル表示させてもよい。
【0093】
あるいは、図12に示すように、1つの表示領域に部分画像を次々にランダム表示させてもよい。例えば、1つの集合写真に写っている人物の顔部分を部分画像として指定し、次々に表示させることができる。このような場合、上記部分画像選択処理2によって、部分画像が変倍されて表示されるので、集合写真に写っている個々の顔が小さくなってしまう場合でも、拡大されて表示されるので、各人物を認識可能にシャッフル表示させることができる。
【0094】
また、上記シャッフル表示処理では、ランダムに部分画像を表示したが、これに限られず、例えば、撮影順や部分画像の指定順などといった、任意の順序で表示させてもよい。
【0095】
なお、上記実施形態では、画像加工部180や表示制御部142がハードウェア構成としてデジタルカメラ100に含まれる場合を例示したが、これらの機能は、制御部110がプログラムを実行することによるソフトウェア処理により実現されてもよい。この場合、これらの構成の機能を実現するための動作プログラムを記憶部170などに予め格納しておき、制御部110が実行することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100と同様に機能することとなる。
【0096】
この場合、このようなプログラムを予め組み込んだデジタルカメラ100を提供できることはもとより、既存のデジタルカメラにこのようなプログラムを適用することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100として機能させることもできる。すなわち、上記動作プログラムを提供し、既存のデジタルカメラにインストールして実行することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100と同等の機能を得ることができる。
【0097】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して提供可能であることはもとより、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して配布してもよい。
【0098】
なお、上記実施形態では、デジタルカメラに本発明を適用した場合を例示したが、撮像機能と表示機能を有している装置であれば、任意の装置に本発明を適用することができる。例えば、撮像機能を有する移動体通信端末(例えば、携帯電話機)などに本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態1にかかるデジタルカメラの内部構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1にかかるデジタルカメラの外観を示す模式図であり、(a)はデジタルカメラの正面を示し、(b)はデジタルカメラの背面を示す。
【図3】本発明の実施形態1にかかる「画像ルーレット実行処理」を説明するためのフローチャートである。
【図4】「画像ルーレット実行処理」で実行される「部分画像選択処理1」を説明するためのフローチャートである。
【図5】「画像ルーレット実行処理」で実行される「部分画像選択処理2」を説明するためのフローチャートである。
【図6】「画像ルーレット実行処理」で実行される「シャッフル表示処理」を説明するためのフローチャートである。
【図7】「画像ルーレット実行処理」における表示例を示す図であり、(a)はサムネイル画像の表示例を示し、(b)は画像が選択された場合の表示例を示す。
【図8】「画像ルーレット実行処理」における表示例を示す図であり、(a)は部分画像選択処理1における部分選択画面の表示例を示し、(b)は部分画像選択処理2における部分選択画面の表示例を示し、(c)は確認画面の表示例を示す。
【図9】本発明にかかる実施形態において作成・記録される情報の例を示す図であり、(a)は部分画像ファイルのデータ構成の例を示し、(b)は画像リスティングテーブルの例を示す。
【図10】「シャッフル表示処理」で表示される画像の例を示す図であり、(a)はカレント画像が表示された場合の例を示し、(b)はシャッフル表示の例を示す。
【図11】「シャッフル表示処理」での画像ルーレットの表示例を示す図である。
【図12】「シャッフル表示処理」における画像ルーレットの他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100…デジタルカメラ、110…制御部、132…操作入力部、141…表示部、170…記憶部170、171…メモリカード171、180…画像加工部、181…画像シャッフル制御部、S1,S2…部分選択画面、PB…矩形枠、CR…カレント画像表示領域、RR…ルーレット画像表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等に関し、特に、撮像した画像を加工して表示することができる撮像装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラや撮影機能付きの移動体通信端末(携帯電話機など)では、基幹機能の他に種々のオプション機能(例えば、ゲーム機能など)が付加されている。その1つとして、撮影した複数の画像をモニタ上にランダムに表示する画像ルーレット(画像シャッフル)機能がある(例えば、特許文献1)。このような機能により、撮影した画像を単に表示させるよりも趣向的に利用することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の画像ルーレットでは、撮像画像をそのままランダムに表示させるだけであった。このため、表示される画像に変化がなく、新鮮味や趣向性に欠けるものであった。また、デジタルカメラなどの撮像装置に備えられているモニタはサイズが小さいため、撮像画像の画角等によってはルーレット表示された画像が認識困難であるなど、ゲーム性を阻害することもあった。
【特許文献1】特開2000−196918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実状に鑑みてなされたもので、より趣向性の高い付加機能を備えた撮像装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る撮像装置は、
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手段と、を備えた撮像装置において、
前記撮像手段が撮像した撮像画像上でユーザが指定した任意の部分を抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段が抽出した複数の部分画像を前記表示手段にランダム表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
上記撮像装置において、
前記部分画像抽出手段は、抽出した部分画像を変倍する変倍手段をさらに備えていることが望ましい。
【0007】
上記撮像装置は、
前記部分画像抽出手段が抽出した部分画像を記憶する部分画像記憶手段をさらに備えていることが望ましい。
【0008】
上記撮像装置において、
前記表示制御手段は、指定された所定の部分画像を前記表示手段に固定表示し、他の部分画像を前記表示手段にランダム表示してもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
撮像装置を制御するコンピュータに、
ユーザが任意の部分を指定するための画像を撮像画像に合成して表示する機能と、
ユーザが指定した部分の画像データを抽出する機能と、
指定されたモードに応じて、抽出した部分画像を変倍する機能と、
抽出した部分画像データを記憶する機能と、
抽出した部分画像を表示手段に画像ルーレットとして表示する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置において、撮像した画像上の任意の部分を指定し、指定した部分画像をランダムに表示(シャッフル表示)する画像ルーレットを提供することができる。この場合、ユーザが所望する部分(例えば、人物の顔部分など)を用いて画像ルーレットとするので、撮像画像をそのままランダム表示するよりも趣向性の高い画像ルーレットを提供することができる。また、例えば、集合写真などのように、個々の人物の顔部分などが小さく写っている画像の場合には、部分画像を変倍して表示するので、認識性の高い画像ルーレットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明にかかる実施形態を、以下図面を参照して説明する。本実施形態では、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などの撮像素子により画像データを取得する撮像装置を用いる。この撮像装置は、例えば、デジタルカメラや、撮影機能を有する移動体通信端末(例えば、携帯電話機)などである。本実施形態では、撮像装置がデジタルカメラである場合を例に以下説明する。
【0012】
本実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ)の構成を図1、図2を参照して説明する。図1は本実施形態にかかるデジタルカメラ100のシステム構成(内部構成)を示すブロック図であり、図2はデジタルカメラ100の外観例を示す(図2(a)は正面図、図2(b)は背面図)。図示するように、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、制御部110、レンズユニット121、レンズ駆動部122、撮像素子123、A/D変換器124、操作部130、表示部141、表示制御部142、画像メモリ150、画像処理部160、記憶部170、画像加工部180、などから構成される。
【0013】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、デジタルカメラ100の各部を制御する。
【0014】
レンズユニット121は、レンズ群や絞り羽根などから構成される光学的部材などから構成され、入射光を集光して撮像素子123上に結像させる。
【0015】
レンズ駆動部122は、モータなどの動力部や、シャフトやギアなどによって動力部の動力を伝達する動力伝達部などから構成され、制御部110の制御によりレンズユニット121の光学的部材を駆動する。
【0016】
撮像素子123は、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などから構成され、レンズユニット121を介して入光した可視光(入射光)を光電変換により電荷に変換して蓄積する。
【0017】
A/D変換器(アナログ−デジタル変換器)124は、電荷量(アナログ信号)をデジタルデータに変換する。すなわち、変換されたデジタルデータは、入射光から得られる画像データを構成することとなる。
【0018】
操作部130は、ユーザによって操作される部材から構成され、ユーザからの指示を受け付ける。操作部130は、操作に応じた所定の信号を制御部110に送出することで、ユーザの指示を制御部110に入力する。本実施形態では、操作部130は、少なくとも、シャッタボタン131と操作入力部132とを備える(図2参照)。
【0019】
シャッタボタン131は、ユーザによる押下に応じて上下方向に可動するボタンなどから構成され、ユーザに押下されることによって、撮影開始などを指示する信号(以下、「シャッタ信号」とする)を制御部110に送出する。なお、シャッタボタン131は、例えば、レリーズやリモコンなどによって構成されていてもよい。
【0020】
操作入力部132は、例えば、所定の操作ボタンやダイヤル、カーソルキー、などから構成され、ユーザの操作により、種々の設定を変更する指示などが入力される。本実施形態においては、撮影モードをはじめとする各種モードの変更・設定などに用いられる。
【0021】
表示部141は、例えば、液晶表示装置などから構成され、画像情報を表示出力する。本実施形態では、撮像素子123によって得られた画像や、記憶部170に記録された画像を表示する他、設定変更をおこなうためのメニュー画面などを表示る。なお、表示部141がタッチパネルなどから構成される場合には、操作入力部132と同等の入力装置として機能させてもよい。
【0022】
表示制御部142は、表示部141を制御し、制御部110の指示に応じた画像等を表示させる。本実施形態ではまた、画像処理部160との協働により、画像処理された画像が表示部141に表示されるよう表示制御をおこなう。
【0023】
画像メモリ150は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置から構成され、画像処理部160によって画像処理された画像データなどが展開される。
【0024】
画像処理部160は、例えば、画像処理のための回路などから構成され、デジタルカメラ100で撮像された画像に対し、種々の画像処理をおこなう。
【0025】
記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成され、制御部110が実行するプログラムや、各処理に必要なデータ(以下、「処理データ」とする)などを記憶する。
【0026】
本実施形態では、記憶部170に、着脱可能なメモリカード171が含まれ、保存対象となる撮像画像データなどを記録する。本実施形態では、撮像画像を示す原画像データを格納する領域である原画像フォルダ、および、原画像の一部分を抽出した部分画像を格納する領域である部分画像フォルダが、メモリカード171に作成されるものとする。
【0027】
画像加工部180は、画像処理回路などから構成され、メモリカード171に格納されている画像データを加工する。本実施形態では、メモリカード171に格納されている画像から部分画像を抽出してシャッフル表示するための処理をおこなう画像シャッフル制御部181を備える。なお、画像加工部180は、制御部110および表示制御部142と協働し、加工した画像を表示部141に画像ルーレット(詳細後述)として表示させる。
【0028】
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、以上のような構成を有する。なお、上記の各構成は、本発明の実施に必要な要部であり、デジタルカメラ100には、これらの他に、デジタルカメラとして必要な構成や機能、および、その他の付加的な構成や機能などが、必要に応じて備えられているものとする。
【0029】
次に、上記のように構成されたデジタルカメラ100の動作について図面を参照しながら説明する。本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、通常の撮影機能や撮影した画像を表示する表示機能に加え、撮影した画像を用いたゲームを提供するゲーム機能を備えているものとする。本実施形態におけるゲーム機能では、撮影した画像をランダムに表示(シャッフル)することで、仮想的なルーレットゲーム(画像ルーレット)を提供する。すなわち、本実施形態にかかるデジタルカメラ100には、通常の撮影モードや表示モードに加え、撮像画像をシャッフル表示して画像ルーレットをおこなうためのモード(以下、「画像シャッフルモード」とする)が用意されているものとする。
【0030】
画像ルーレットに用いられる画像は、デジタルカメラ100により撮像される。本実施形態では、デジタルカメラ100により撮像された画像の画像データは、メモリカード171の原画像フォルダに保存される。
【0031】
画像ルーレットを開始するには、表示部141に表示される所定のメニュー画面で画像シャッフルモードを選択する。ここでは、ユーザが操作入力部132を操作することにより、モードの選択・決定をおこなう。
【0032】
画像シャッフルモードが選択されたことを契機に、画像ルーレットをおこなうための「画像ルーレット実行処理」が画像シャッフル制御部181によって実行される。
【0033】
図3は、画像ルーレット実行処理を説明するためのフローチャートである。処理が開始されると、画像シャッフル制御部181はまず、シャッフル対象画像の枚数をカウントするための変数nに、初期値である「1」を代入する(ステップS101)。ここで、本実施形態では、例えば、デジタルカメラ100の処理能力等に応じて、一度の画像ルーレット動作時に表示可能な画像枚数が予め定められているものとし、その上限枚数を定数Pmaxとする。
【0034】
次に画像シャッフル制御部181は、メモリカード171の原画像フォルダにアクセスし、格納されている撮像画像の画像データを取得する。画像シャッフル制御部181は、取得した画像データに示される画像それぞれの縮小画像(サムネイル画像)を作成し、一覧表示できるよう配列した、図7(a)に示すような一覧画像を作成する。画像シャッフル制御部181は、制御部110および表示制御部142との協働により、作成した一覧画像を表示部141に表示する(ステップS102)。ここでは、一覧画像を構成するサムネイル画像が選択可能に表示部141に表示される。
【0035】
すなわち、ユーザは、操作入力部132を操作することで、表示部141に表示されている複数の画像から所望する画像を選択する。
【0036】
所望する画像が選択されると、画像シャッフル制御部181は、図7(b)に示すように、選択された画像を表示部141にフルサイズ(当該画像の全域が表示されるサイズ)で表示するとともに、シャッフル表示対象とする部分画像の選択形態を選択するための選択欄「スナップ」と「集合」を表示する。
【0037】
ここで、「スナップ」とは、スナップ写真のように、例えば、1人の人物が写っているような画像で、部分画像を選択する場合の選択形態である。すなわち、シャッフル表示対象としたい部分が画像中に1つある場合は「スナップ」を選択する。
【0038】
一方、「集合」とは、集合写真のように、例えば、複数の人物が写っているような画像で、部分画像を選択する場合の選択形態である。すなわち、シャッフル表示対象としたい部分が画像中に複数ある場合は「集合」を選択する。
【0039】
ここで、各選択欄は、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、画像シャッフル制御部181および制御部110は、いずれのボタンが操作されたかによって、「スナップ」か「集合」のいずれが選択されたかを判別する。
【0040】
「スナップ」が選択された場合には(ステップS103:Yes)、一の画像から一の部分画像を選択するための「部分画像選択処理1」が実行され(ステップS200)、「集合」選択された場合には(ステップS103:No)、一の画像から複数の部分画像を選択するための「部分画像選択処理2」が実行される(ステップS300)。
【0041】
まず、「スナップ」が選択された場合について説明する。図4は、この場合に実行される部分画像選択処理1を説明するためのフローチャートである。
【0042】
処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、選択された画像に所定の矩形枠PBを合成した、図8(a)に示すような、部分選択画面S1を作成し、表示部141に表示する(ステップS201)。
【0043】
ここでは、図8(a)に示すように、選択された画像がフルサイズで表示される。また、部分選択画面S1には、予め規定された所定のサイズ(デフォルトサイズ)の矩形枠PBが、例えば、画像の中央(デフォルト位置)に表示されるが、そのサイズおよび位置はユーザが任意に指定して変更できる。
【0044】
すなわち、ユーザが操作入力部132を操作することにより、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。ここでは、例えば、サイズ変更および位置変更のそれぞれに応じた所定のポインタなどが部分選択画面S1とともに表示され、操作入力部132を用いてポインタを操作することなどによって、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。
【0045】
ユーザは、選択した画像中で、シャッフル表示させたい部分(例えば、人物の顔部分など)に矩形枠PBが合うように、サイズや位置を指定する。
【0046】
制御部110および画像シャッフル制御部181は、ユーザによる操作入力部132の操作に応じて、矩形枠PBのサイズもしくは位置が変更されたことを識別する。矩形枠PBのサイズ、及び/又は、位置が変更されると(ステップS202:Yes)、画像シャッフル制御部181は、変更された現在の矩形枠PBの位置およびサイズを示す値(現在値)を取得する(ステップS203)。ここでは、画像上の座標値に基づいて、矩形枠PBの位置およびサイズを識別するものとする。
【0047】
一方、ユーザによる矩形枠PBの変更がない場合(ステップS202:No)、画像シャッフル制御部181は、矩形枠PBのデフォルト値を取得する(ステップS204)。このデフォルト値は、部分選択画面S1上に最初に表示した矩形枠PBのデフォルト位置とデフォルトサイズを示す値(座標値)である。
【0048】
画像シャッフル制御部181は、取得した現在値もしくはデフォルト値によって矩形枠PBの位置およびサイズを識別すると、当該矩形枠PBの枠内の部分を抽出し、部分画像として切り出す(ステップS205)。ここでは、矩形枠PBの位置やサイズを示す座標値に基づいて、矩形枠PB内の画素を特定し、特定した画素を示すデータ(画素値など)を取得することで、部分画像として切り出す。
【0049】
画像シャッフル制御部181は、切り出した部分画像を、メモリカード171内の部分画像フォルダに格納する(ステップS206)。ここでは、新規の部分画像ファイルを作成して部分画像フォルダに格納する。部分画像ファイルは、図9(a)に示すようなデータ構成を有する。図示するように、部分画像ファイルは、画像アドレスと部分画像データから構成される。画像アドレスは、当該部分画像ファイルに含まれる部分画像データの格納場所を示すアドレス情報(例えば、ディレクトリのパス情報など)である。
【0050】
部分画像を格納すると、画像シャッフル制御部181は、現在の変数nに1を加算して更新し(ステップS207)、処理を終了する。すなわち、図3に示す画像ルーレット実行処理のフローに戻る。
【0051】
次に、「集合」が選択された場合について説明する。図5は、この場合に実行される部分画像選択処理2を説明するためのフローチャートである。
【0052】
処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、選択された画像に所定の矩形枠PBを合成した、図8(b)に示すような、部分選択画面S2を作成し、表示部141に表示する(ステップS301)。
【0053】
ここでは、図8(b)に示すように、選択された画像がフルサイズ(当該画像の全域が表示されるサイズ)で表示される。また、部分選択画面S2には、予め規定された所定のサイズ(デフォルトサイズ)の矩形枠PBが、例えば、画像の中央(デフォルト位置)に表示されるが、そのサイズおよび位置はユーザが任意に指定して変更できる。ここで、集合写真などで人物の顔部分を指定するような場合、これらはスナップ写真よりも小さいものとなる。したがって、「集合」が選択された場合の矩形枠PBのデフォルトサイズを、「スナップ」が選択された場合の矩形枠PBのデフォルトサイズよりも小さくしておくことで、ユーザの部分指定作業が容易になる。
【0054】
すなわち、ユーザが操作入力部132を操作することにより、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。ここでは、例えば、サイズ変更および位置変更のそれぞれに応じた所定のポインタなどが部分選択画面S1とともに表示され、操作入力部132を用いてポインタを操作することなどによって、矩形枠PBのサイズや位置を変更する。
【0055】
ユーザは、選択した画像中で、シャッフル表示させたい部分(例えば、人物の顔部分など)に矩形枠PBが合うように、サイズや位置を指定する。
【0056】
制御部110および画像シャッフル制御部181は、ユーザによる操作入力部132の操作に応じて、矩形枠PBのサイズもしくは位置が変更されたことを識別する。矩形枠PBのサイズ、及び/又は、位置が変更されると(ステップS302:Yes)、画像シャッフル制御部181は、変更された現在の矩形枠PBの位置およびサイズを示す値(現在値)を取得する(ステップS303)。ここでは、画像上の座標値に基づいて、矩形枠PBの位置およびサイズを識別するものとする。
【0057】
一方、ユーザによる矩形枠PBの変更がない場合(ステップS302:No)、画像シャッフル制御部181は、矩形枠PBのデフォルト値を取得する(ステップS304)。このデフォルト値は、部分選択画面S1上に最初に表示した矩形枠PBのデフォルト位置とデフォルトサイズを示す値(座標値)である。
【0058】
画像シャッフル制御部181は、取得した現在値もしくはデフォルト値によって矩形枠PBの位置およびサイズを識別すると、当該矩形枠PBの枠内の部分を抽出し、部分画像として切り出す(ステップS305)。ここでは、矩形枠PBの位置やサイズを示す座標値に基づいて、矩形枠PB内の画素を特定し、特定した画素を示すデータ(画素値など)を取得することで、部分画像として切り出す。
【0059】
画像シャッフル制御部181は、切り出した部分画像を変倍する(ステップS306)。すなわち、例えば、集合写真のように、複数の人物が写っている画像では、各人物の顔部分などは小さくなる。したがって、切り出した部分画像を、例えば、シャッフル表示する表示領域の大きさに合わせて変倍(拡大)する。
【0060】
画像シャッフル制御部181は、変倍後の部分画像データをメモリカード171内の部分画像フォルダに格納する(ステップS307)。ここでは、上記部分画像選択処理1の場合と同様、図9(a)に示すようなデータ構成の部分画像ファイルを作成して部分画像フォルダに格納する。
【0061】
部分画像をメモリカード171に格納すると、画像シャッフル制御部181は、現在の変数nに1を加算して更新し(ステップS308)、更新後の変数nがPmax未満であるか否かを判別する(ステップS309)。
【0062】
ここで、更新後の変数nがPmax未満である場合、すなわち、選択された部分画像数が上限に達していない場合(ステップS309:Yes)、さらなる部分画像を指定することができる。この場合、画像シャッフル制御部181は、さらなる部分画像の指定を継続するか否かをユーザに問い合わせるために、図8(c)に示すような確認画面を表示部141に表示する(ステップS310)。図示するように、確認画面には、さらなる指定を継続するか否かを問い合わせるメッセージとともに、継続もしくは終了を選択するための選択欄が表示される。
【0063】
ユーザは、選択した画像内でさらに部分画像を指定する場合には、選択欄「継続」を選択し、部分画像の指定を終了する場合には、選択欄「終了」を選択する。これらの選択欄のそれぞれは、例えば、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、いずれかのボタンが操作されることで、制御部110および画像シャッフル制御部181は、「継続」もしくは「終了」のいずれかが選択されたことを識別する。
【0064】
部分画像指定の継続が選択された場合(ステップS311:No)、ステップS301に戻り、ユーザにさらなる部分画像を指定させる。
【0065】
一方、部分画像指定の終了が選択された場合(ステップS311:Yes)、および、更新後の変数nがPmaxに達している場合(ステップS309:No)、処理を終了し、図3に示す画像ルーレット実行処理のフローに戻る。
【0066】
画像ルーレット実行処理(図3)では、上述した部分画像選択処理1、もしくは、部分画像選択処理2によって部分画像が選択されると、現在の変数nが3以上であるか否かを判別する(ステップS104)。これは、少なくとも2つの画像(部分画像)を指定しなければ、画像ルーレットが成立しないためである。したがって、現在までに指定が完了した部分画像数が2以上(n−1≧2)であるか、すなわち、上記部分画像選択処理1もしくは部分画像選択処理2で更新された現在の変数nが3以上(n≧3)であるか否かを判別する。
【0067】
現在までに指定された部分画像数が2未満である場合、すなわち、変数nが3未満である場合(ステップS104:No)、ステップS102に戻り、さらなる部分画像をユーザに指定させる。
【0068】
一方、現在までに指定された部分画像数が2以上である場合、すなわち、変数nが3以上である場合(ステップS104:Yes)、画像シャッフル制御部181はさらに、更新後の変数nが、シャッフル表示可能な画像数の上限であるPmaxに達しているか否かを判別する(ステップS105)。
【0069】
変数nがPmax未満であれば(ステップS105:Yes)、さらなる部分画像を指定することができる。この場合、画像シャッフル制御部181は、さらなる部分画像の指定を継続するか否かをユーザに問い合わせるために、図8(c)に示すような確認画面を表示部141に表示する(ステップS106)。図示するように、確認画面には、さらなる指定を継続するか否かを問い合わせるメッセージとともに、継続もしくは終了を選択するための選択欄が表示される。
【0070】
ユーザは、さらに部分画像を指定する場合には、選択欄「継続」を選択し、部分画像の指定を終了する場合には、選択欄「終了」を選択する。これらの選択欄のそれぞれは、例えば、操作入力部132を構成する所定のボタンと対応付けられており、いずれかのボタンが操作されることで、制御部110および画像シャッフル制御部181は、「継続」もしくは「終了」のいずれかが選択されたことを識別する。
【0071】
部分画像指定の継続が選択された場合(ステップS107:No)、ステップS102に戻り、ユーザにさらなる部分画像を指定させる。
【0072】
一方、部分画像指定の終了が選択された場合(ステップS107:Yes)、あるいは、指定された部分画像数が上限値Pmaxに達した場合(ステップS105:No)、画像シャッフル制御部181は、部分画像を指定するための処理を終了し、指定された部分画像をシャッフル表示するための「シャッフル表示処理」を実行する(ステップS400)。
【0073】
図6は、シャッフル表示処理を説明するためのフローチャートである。処理が開始されると、画像シャッフル制御部181は、メモリカード171の部分画像フォルダにアクセスし、指定された部分画像の画像データを含んだ部分画像ファイルを取得する(ステップS401)。以下、対象となる部分画像の数をPとする。本実施形態では、9つの部分画像が指定されたものとする(P=9)。
【0074】
部分画像データを取得すると、画像シャッフル制御部181は、取得した部分画像を表示部141に一覧表示する(ステップS402)。
【0075】
本実施形態では、特定の部分画像(以下、「カレント画像」とする)を画面の左半分の領域(以下、カレント画像表示領域CRとする)に表示し、ルーレット画像としてランダムに表示(シャッフル表示)する部分画像を画面の右半分の領域(以下、ルーレット画像表示領域RRとする)に表示する。したがって、一覧画面においては、ユーザにカレント画像を指定させるために、各部分画像が選択可能に表示される。
【0076】
ユーザは、カレント画像として所望する部分画像を操作入力部132を操作することにより選択して指定する。
【0077】
カレント画像が指定されると(ステップS403:Yes)、部分画像をランダム表示させるために参照する画像リスティングテーブルをメモリカード171に作成する(ステップS404)。図9(b)は、画像リスティングテーブルの例を示す図である。
【0078】
図示するように、画像リスティングテーブルには、項目「画像番号」、「カレントフラグ」、「乱数値」、「画像アドレス」、などが含まれる。項目「画像番号」には、取得した部分画像ファイル毎に一意に割り当てられる識別番号が記録される。ここでは、9つの部分画像を対象とするので、例えば、1〜9の番号が各画像に割り当てられる。項目「カレントフラグ」には、カレント画像がいずれであるかを示すフラグが記録される。カレント画像にはフラグ「1」が付与され、それ以外の画像にはフラグ「0」が付与されるものとする。項目「乱数値」には、各部分画像のそれぞれに割り当てられた乱数値が記録される。なお、カレント画像として指定された部分画像の乱数値には「0」を割り当て、その他の画像については1〜8(1〜(P−1))までの範囲の値を一意に割り当てる。「画像アドレス」には、各画像の格納場所を示すアドレス情報が記録される。
【0079】
画像リスティングテーブルを作成すると、画像シャッフル制御部181は、ステップS403で指定された画像のカレントフラグを「1」とし、その他の画像のカレントフラグを「0」として画像リスティングテーブルに記録する(ステップS405)。
【0080】
次に、画像シャッフル制御部181は、制御部110および表示制御部142と協働し、図10(a)に示すように、表示部141上のカレント画像表示領域CRに指定されたカレント画像を表示する(ステップS406)。
【0081】
次に、画像シャッフル制御部181は、画像巡回数Rを決定する(ステップS407)。この画像巡回数とは、画像ルーレットをまわす回数である。画像巡回数Rは、予め規定されていてもよく、あるいは、ユーザにより任意に指定されてもよい。
【0082】
次に画像シャッフル制御部181は、対象となる画像の画像番号の範囲、すなわち、1〜9(1〜P)の範囲で乱数を発生させる(ステップS408)。ここでは、例えば、画像シャッフル制御部181が所定の乱数発生回路を備えることで乱数を発生させてもよく、あるいは、画像シャッフル制御部181もしくは制御部110のソフトウェア処理により乱数を発生してもよい。
【0083】
乱数を発生させると、画像シャッフル制御部181は、メモリカード171に作成されている画像リスティングテーブルにアクセスし、「乱数」欄に示されている数値が、発生させた乱数と一致するレコードをカレント位置とし(ステップS409)、当該レコードの「カレントフラグ」欄に記録されているフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS410)。
【0084】
すなわち、発生させた乱数に対応する画像が、カレント画像以外の画像であるか否かを判別する。ここで、カレント画像はカレント画像表示領域CRに固定表示させるので、カレント画像をルーレット(シャッフル)対象とはしない。したがって、発生させた乱数に対応する画像のカレントフラグが1である場合、すなわち、当該画像がカレント画像である場合(ステップS410:No)、ステップS408に戻り、再度乱数を発生させる。
【0085】
一方、発生させた乱数に対応する画像のカレントフラグが0である場合、すなわち、当該画像がカレント画像ではない場合(ステップS410:Yes)、画像シャッフル制御部181は、図10(b)に示すように、当該画像(ルーレット画像)をルーレット画像表示領域RRに表示させる(ステップS411)。
【0086】
このようにして、カレント画像以外の画像を画面右半分の領域に表示すると、画像シャッフル制御部181は、画像巡回数Rから1減算して更新し(ステップS412)、更新後の画像巡回数Rが0であるか否かを判別する(ステップS413)。
【0087】
ここで、画像巡回数Rは、ルーレット回数(シャッフル回数)を示しているので、1回シャッフル画像が表示される毎に1減算することで、残りのシャッフル回数を示すことになる。したがって、更新後の画像巡回数Rが0となっていない場合(ステップS413:No)、まだシャッフル表示させる回数が残っているので、ステップS408に戻って再度乱数を発生させ、画面右半分の領域に表示する画像をランダムに変更する。
【0088】
一方、画像巡回数Rが0となっている場合(ステップS413:Yes)、設定された回数のシャッフル表示がされたので、処理を終了する。すなわち、図3に示す画像ルーレット実行処理に戻り、そのまま処理を終了する。この場合、画像巡回数Rが0になるまでは、画面右半分の領域に表示される部分画像が次々に変化し、画像巡回数Rが0となった時点で選択された部分画像を静止表示させる。
【0089】
上記の処理により、デジタルカメラ100で撮影した画像の中から所望する部分を任意に指定し、画像ルーレットとして表示させることができる。この場合、撮影した画像における被写体の大きさや数に応じて、部分画像の選択形態を変えて選択することができる。これにより、ユーザは容易に部分画像を指定できるとともに、画像ルーレット(シャッフル表示)をおこなう場合に、適切なサイズで部分画像を表示させることができる。
【0090】
また、上記のシャッフル表示処理では、図11に示すように、カレント画像表示領域CRに所定の部分画像(カレント画像)を固定表示し、ルーレット画像表示領域RRに他の部分画像(ルーレット画像)がランダムにシャッフル表示される。この場合、左側の画像と右側画像の組み合わせが、所定回数変化した後に、最後の組み合わせ画像が静止表示されるので、例えば、カップルやコンビを決めるルーレットゲームなどとして遊ぶことができる。
【0091】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0092】
例えば、シャッフル表示で表示される部分画像の数はこれに限られず任意である。すなわち、上記シャッフル表示処理では、カレント画像を固定表示する領域と、部分画像がシャッフル表示(ランダム表示)される領域の2つの表示領域を用いた画像ルーレットとしたが、3以上の表示領域で部分画像を表示する画像ルーレットとしてもよい。この場合、例えば、1つのカレント画像に対し、それ以外の2以上の部分画像をシャッフル表示させてもよい。
【0093】
あるいは、図12に示すように、1つの表示領域に部分画像を次々にランダム表示させてもよい。例えば、1つの集合写真に写っている人物の顔部分を部分画像として指定し、次々に表示させることができる。このような場合、上記部分画像選択処理2によって、部分画像が変倍されて表示されるので、集合写真に写っている個々の顔が小さくなってしまう場合でも、拡大されて表示されるので、各人物を認識可能にシャッフル表示させることができる。
【0094】
また、上記シャッフル表示処理では、ランダムに部分画像を表示したが、これに限られず、例えば、撮影順や部分画像の指定順などといった、任意の順序で表示させてもよい。
【0095】
なお、上記実施形態では、画像加工部180や表示制御部142がハードウェア構成としてデジタルカメラ100に含まれる場合を例示したが、これらの機能は、制御部110がプログラムを実行することによるソフトウェア処理により実現されてもよい。この場合、これらの構成の機能を実現するための動作プログラムを記憶部170などに予め格納しておき、制御部110が実行することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100と同様に機能することとなる。
【0096】
この場合、このようなプログラムを予め組み込んだデジタルカメラ100を提供できることはもとより、既存のデジタルカメラにこのようなプログラムを適用することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100として機能させることもできる。すなわち、上記動作プログラムを提供し、既存のデジタルカメラにインストールして実行することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ100と同等の機能を得ることができる。
【0097】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して提供可能であることはもとより、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して配布してもよい。
【0098】
なお、上記実施形態では、デジタルカメラに本発明を適用した場合を例示したが、撮像機能と表示機能を有している装置であれば、任意の装置に本発明を適用することができる。例えば、撮像機能を有する移動体通信端末(例えば、携帯電話機)などに本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態1にかかるデジタルカメラの内部構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1にかかるデジタルカメラの外観を示す模式図であり、(a)はデジタルカメラの正面を示し、(b)はデジタルカメラの背面を示す。
【図3】本発明の実施形態1にかかる「画像ルーレット実行処理」を説明するためのフローチャートである。
【図4】「画像ルーレット実行処理」で実行される「部分画像選択処理1」を説明するためのフローチャートである。
【図5】「画像ルーレット実行処理」で実行される「部分画像選択処理2」を説明するためのフローチャートである。
【図6】「画像ルーレット実行処理」で実行される「シャッフル表示処理」を説明するためのフローチャートである。
【図7】「画像ルーレット実行処理」における表示例を示す図であり、(a)はサムネイル画像の表示例を示し、(b)は画像が選択された場合の表示例を示す。
【図8】「画像ルーレット実行処理」における表示例を示す図であり、(a)は部分画像選択処理1における部分選択画面の表示例を示し、(b)は部分画像選択処理2における部分選択画面の表示例を示し、(c)は確認画面の表示例を示す。
【図9】本発明にかかる実施形態において作成・記録される情報の例を示す図であり、(a)は部分画像ファイルのデータ構成の例を示し、(b)は画像リスティングテーブルの例を示す。
【図10】「シャッフル表示処理」で表示される画像の例を示す図であり、(a)はカレント画像が表示された場合の例を示し、(b)はシャッフル表示の例を示す。
【図11】「シャッフル表示処理」での画像ルーレットの表示例を示す図である。
【図12】「シャッフル表示処理」における画像ルーレットの他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100…デジタルカメラ、110…制御部、132…操作入力部、141…表示部、170…記憶部170、171…メモリカード171、180…画像加工部、181…画像シャッフル制御部、S1,S2…部分選択画面、PB…矩形枠、CR…カレント画像表示領域、RR…ルーレット画像表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手段と、を備えた撮像装置において、
前記撮像手段が撮像した撮像画像上でユーザが指定した任意の部分を抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段が抽出した複数の部分画像を前記表示手段にランダム表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記部分画像抽出手段は、抽出した部分画像を変倍する変倍手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記部分画像抽出手段が抽出した部分画像を記憶する部分画像記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、指定された所定の部分画像を前記表示手段に固定表示し、他の部分画像を前記表示手段にランダム表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像装置を制御するコンピュータに、
ユーザが任意の部分を指定するための画像を撮像画像に合成して表示する機能と、
ユーザが指定した部分の画像データを抽出する機能と、
指定されたモードに応じて、抽出した部分画像を変倍する機能と、
抽出した部分画像データを記憶する機能と、
抽出した部分画像を表示手段に画像ルーレットとして表示する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手段と、を備えた撮像装置において、
前記撮像手段が撮像した撮像画像上でユーザが指定した任意の部分を抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段が抽出した複数の部分画像を前記表示手段にランダム表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記部分画像抽出手段は、抽出した部分画像を変倍する変倍手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記部分画像抽出手段が抽出した部分画像を記憶する部分画像記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、指定された所定の部分画像を前記表示手段に固定表示し、他の部分画像を前記表示手段にランダム表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像装置を制御するコンピュータに、
ユーザが任意の部分を指定するための画像を撮像画像に合成して表示する機能と、
ユーザが指定した部分の画像データを抽出する機能と、
指定されたモードに応じて、抽出した部分画像を変倍する機能と、
抽出した部分画像データを記憶する機能と、
抽出した部分画像を表示手段に画像ルーレットとして表示する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−93888(P2006−93888A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274047(P2004−274047)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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