説明

撮像装置およびプログラム

【課題】より高精度なオートフォーカスを行うことができる。
【解決手段】駆動制御部3は、撮像素子2内の全画素のうちの所定数の画素に対応する撮像信号を出力させる第1のモードで、撮像素子2に撮像信号を出力させる。レンズ駆動制御部5は、撮像素子2が第1のモードで出力した撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行う。顔検出部8は、撮像素子2が第1のモードで出力した撮像信号に基づいた画像から被写体像の特徴部分が撮像されている領域を判断する。駆動制御部3は、顔検出部8が検出した領域の画像に対応する撮像信号を出力させる第2のモードで、撮像素子2に撮像信号を出力させる。レンズ駆動制御部5は、撮像素子2が第2のモードで出力した撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を撮影する撮像装置および撮像装置の動作を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは、液晶ディスプレイなどの表示部を有している。また、表示部は、本撮影前のプレビュー用となるライブビュー画像を所定の時間間隔で更新して表示する。デジタルカメラの撮影時において、このようなプレビュー用の画像表示(プレビュー表示)は被写体の撮影状況を把握するために非常に有用である。
【0003】
また、オートフォーカス制御方式として、撮像素子からの撮像信号を用いる山登り方式がある。山登り方式は、撮像素子による画像のコントラスト等の合焦用評価値が最も大きくなるレンズ位置を合焦位置とする合焦制御方式である。この山登り方式は、被写体との距離を測定する測距センサを個別に設ける必要がないという利点を有しているため、多くのデジタルカメラにおいて採用されている。
【0004】
撮像素子はライブビュー表示用には比較的広いエリアを読み出し、オートフォーカス用の読み出しは高速化を実現するために一部のエリアを読み出している。このような技術においては、下記の特許文献1に記載するものが存在する。この従来技術は撮像素子の全撮像エリアの画像データをメモリに一度記憶した後、全撮像エリアの画像データから狭い領域の画像データを切り出し、切り出した領域の画像データに基づいてオートフォーカスの処理を行う。
【特許文献1】特開2002−23049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、広いエリアの画像データの中央部分を切り出した画像データを用いてオートフォーカスを行っている。これにより、広いエリアの画像データの中央部分以外の場所に被写体の特徴部分が存在する場合、被写体の特徴部分にフォーカスが合うとは限らない。よって、オートフォーカスの精度が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、より高精度にオートフォーカスを行うことが可能な撮像装置を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、撮像光学系により結像された被写体像を、複数の画素で光電変換することにより撮像信号を生成する撮像素子と、前記撮像素子が前記撮像信号を出力する動作を制御する駆動制御部と、オートフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出する検出部と、を備え、前記駆動制御部は、前記撮像素子内の全画素のうちの所定数の画素に対応する前記撮像信号を出力させる第1のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、前記フォーカス制御部は、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行い、前記検出部は、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出し、前記駆動制御部はさらに、前記検出部が検出した前記領域の画像に対応する前記撮像信号を出力させる第2のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、前記フォーカス制御部はさらに、前記撮像素子が前記第2のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行うことを特徴とする撮像装置である。
【0008】
また、本発明の撮像装置において、前記被写体像は人物の像である場合、前記検出部は前記被写体像の顔部分が撮像されている領域を判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像装置において、前記撮像素子は、前記第1のモードと比較し、前記第2のモードにおいて高フレームレートで前記撮像信号を出力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、撮像光学系により結像された被写体像を、複数の画素で光電変換することにより撮像信号を生成する撮像素子を備えた撮像装置の動作を制御するためのプログラムであって、前記撮像素子が前記撮像信号を出力する動作を制御する駆動制御ステップと、オートフォーカス制御を行うフォーカス制御ステップと、前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出する検出ステップと、を前記撮像装置に実行させ、前記駆動制御ステップは、前記撮像素子内の全画素のうちの所定数の画素に対応する前記撮像信号を出力させる第1のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、前記フォーカス制御ステップは、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行い、前記検出ステップは、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出し、前記駆動制御ステップはさらに、前記検出ステップで検出した前記領域の画像に対応する前記撮像信号を出力させる第2のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、前記フォーカス制御ステップはさらに、前記撮像素子が前記第2のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行うことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より高精度にオートフォーカスを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の第一の実施形態を説明する。図1は本実施形態による撮像装置の構成を示した構成図である。撮像装置は撮影レンズ1と、撮像素子2と、駆動制御部3と、読み出し設定部4と、レンズ駆動制御部5と、AF(Auto−Focus、オートフォーカス)評価演算部6と、画像処理部7と、顔検出部8と、表示制御部9と、表示部10と、CPU11と、シャッタースイッチ12とを備えている。
【0013】
はじめに、撮像装置の概略を説明する。撮影レンズ1は光学像を結像する。撮像素子2は光学像を光電変換し撮像信号を出力する。この撮像信号はアナログ信号であり、図示せぬアナログ/デジタル変換部によりデジタル信号に変換される。読み出し設定部4は、撮像素子2が出力する撮像信号の読み出し領域や読み出し方法などを設定する。駆動制御部3は、読み出し設定部4の設定に基づいて撮像素子2の駆動を制御する。レンズ駆動制御部5は、撮影レンズ1の駆動制御を行う。AF評価演算部6は、アナログ/デジタル変換部が変換したデジタル信号を用いてAF評価値を演算する。画像処理部7は、画像の処理を行う。具体的には、画像処理部7は、アナログ/デジタル変換部が変換したデジタル信号をカラー信号に変換するなどの画像処理を行う。顔検出部8は、画像処理部7が出力したカラー信号に基づく画像中に含まれる顔を検出する。表示制御部9は、画像処理部7が出力したカラー信号に基づく画像を表示部10に表示するための制御を行う。表示部10は画像を表示する。CPU11は撮像装置全体を制御する。シャッタースイッチ12は、撮像命令を受け付ける。
【0014】
次に、撮像装置の詳細について説明する。撮影レンズ1は、レンズ駆動制御部5によって駆動され、撮像素子2上に結像する像の合焦状態を変化させるように構成される。自動合焦時には、AF評価演算部6が演算するAF評価値に基づいてCPU11は撮影レンズの駆動量を決定する。レンズ駆動制御部5は、CPU11が決定した撮影レンズの駆動量に基づいて撮影レンズ1を駆動する。なお、レンズ駆動制御部5と、AF評価演算部6と、CPU11とを含んでフォーカス制御部は構成される。
【0015】
撮像素子2は、画素加算読み出しと、間引き読み出しと、水平および垂直方向の切り出し読み出しとを行うことが可能な素子である。画素加算読み出しは、複数の画素で1つの撮像信号を出力する読み出し方法である。例えば、隣接する4画素で1つの撮像信号を出力する。間引き読み出しは、複数並んでいる画素のうち、一定間隔で撮像信号を出力する画素を設定する読み出し方法である。例えば、3画素ごとに撮像信号を出力し、その間の2つの画素は撮像信号を出力しない。水平および垂直方向の切り出し読み出しは、複数並んでいる画素のうち、撮像信号を出力する画素の領域を定める読み出し方法である。例えば、複数の画素のうち、水平方向1000画素・垂直方向500画素で定めた領域に含まれる画素が撮像信号を出力する。なお、水平および垂直方向の切り出し読み出しでは、撮像素子2が出力する撮像信号の量は少ないため、高速に撮像信号を出力することができる。
【0016】
AF評価演算部6は、シャッタースイッチ12がユーザの操作によって半押し状態となった場合に、コントラス方式の自動合焦制御を行うための評価値演算を行う。顔検出部8は、画像処理部7が出力したカラー信号中に含まれる顔を検出する。続いて、顔検出部8は、検出した顔が含まれる領域(顔のエリア)を検出する。例えば、顔のエリアは、検出した顔の位置を中心とする水平方向1000画素・垂直方向500画素で定めた領域である。
【0017】
表示制御部9は、画像処理部7が出力したカラー信号に基づく画像を表示部10に表示するための制御として、画像処理部7が出力するカラー信号の解像度を変換するなどの処理を行う。また、表示のタイミングを調整する。表示部10は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)やEVF(Electronic View Finder、電子ビューファインダ)などの表示装置である。
【0018】
次に、図2を参照して撮像素子2が撮像信号を出力するタイミングと、表示部10がライブビュー画像を表示するタイミングと、AF評価演算部6がAF評価値演算を行うタイミングとの関係を説明する。図2は、撮像素子2の読み出しモード(符号201の部分)と、撮像素子2が撮像信号を出力するタイミング(符号202の部分)と、表示部10がライブビュー画像を表示するタイミング(符号203の部分)と、AF評価演算部6がAF評価値の演算を行うタイミング(符号204の部分)と、撮像素子2の読み出しモードに応じた画像210,211(符号205の部分)と、撮像素子2が出力した撮像信号が使用される用途(符号206の部分)とを示している。
【0019】
読み出しモードが「加算」の場合、撮像素子2はフレームレートNfps(Frames Per Second)で撮像する。すなわち撮像素子2は(1/N)秒ごとに撮像する。また、読み出しモードが「切り出し」の場合、撮像素子2はフレームレート3Nfpsで撮像する。すなわち撮像素子2は(1/3N)秒ごとに撮像する。これは、水平および垂直方向の切り出し読み出しでは、撮像素子2は高速に撮像することができるためである。
【0020】
また、AF評価演算部6は、撮像素子2が撮像したすべての撮像信号に基づいてAF評価値の演算を行う。すなわち、AF評価演算部6は、読み出しモードが「加算」の場合、(1/N)秒ごとにAF評価値の演算を行い、読み出しモードが「切り出し」の場合、(1/3N)秒ごとにAF評価値の演算を行う。
【0021】
また、読み出しモードがどの場合にでも、表示部10はフレームレート(N/2)fpsで画像を表示する。すなわち表示部10は(2/N)秒ごとに表示する画像を更新する。
【0022】
なお、読み出しモードが「加算」の場合、撮像素子2は、撮像素子2の有効画素領域全体(広い領域)の撮像信号を出力する。画像210はこの撮像信号に基づいた画像である。なお、読み出しモードが「加算」の場合、撮像素子2は複数の画素で1つの撮像信号を出力する。また、読み出しモードが「切り出し」の場合、撮像素子2は、顔画像が含まれる領域の撮像信号を出力する画素から撮像信号を出力する。画像211はこの撮像信号に基づいた画像である。
【0023】
図示する例では、ファーストレリーズ検出から顔エリア検出まで、読み出しモードは「加算」に設定されている。また、顔エリア検出後、読み出しモードは「切り出し」と「加算」とが(1/N)秒ごとに交互に設定されている。すなわち、ファーストレリーズ検出後においても、撮像素子2は(2/N)秒ごとに読み出しモード「加算」で撮像信号を出力する。これにより、表示部10は(2/N)秒ごとに表示する画像を更新した場合においても、読み出しモード「加算」で出力された撮像信号に基づいた画像を表示することができる。
【0024】
また、AF評価演算部6は、読み出しモードが「切り出し」の場合、(1/3N)秒ごとにAF評価値の演算を行う。これにより、読み出しモードが「切り出し」の場合においては、より高速なAF評価値演算を行うことができる。
【0025】
次に、図3を参照して撮像装置1の動作を説明する。
(ステップS10)CPU11は、シャッタースイッチ12がファーストレリーズ(シャッタースイッチ12の半押し)を受け付けたか否か判断する。CPU11がファーストレリーズを受け付けたと判断した場合はステップS11に進み、それ以外はステップS10を再度実行する。
(ステップS11)読み出し設定部4は、読み出しモードを「加算」に設定する。続いて、駆動制御部3は、読み出しモード「加算」に基づいて撮像素子2の駆動制御を行う。撮像素子2は、撮像素子2の有効画素領域全体の撮像信号を出力する。続いて、アナログ/デジタル変換部は、撮像信号をデジタル信号に変換する。続いて、画像処理部7は、デジタル信号に基づいてカラー信号を作成する。続いて、表示制御部9は、カラー信号を表示部10がライブビュー画像として表示できるように制御を行う。表示部10はライブビュー画像を表示する。その後、ステップS12に進む。
【0026】
(ステップS12)AF評価演算部6は、ステップS11で撮像素子2が出力したデジタル信号に基づいてAF評価値を算出する。その後、ステップS13に進む。
(ステップS13)CPU11は、ステップS12で算出したAF評価値が予め設定している範囲内の値であるか否か判断する。CPU11が、ステップS12で算出したAF評価値が予め設定した範囲内の値であると判断した場合はステップS14に進み、それ以外はステップS16に進む。
【0027】
(ステップS14)顔検出部8は、ステップS11で画像処理部7が作成したカラー信号に含まれる顔画像の検出を開始する。その後、ステップS15に進む。
(ステップS15)CPU11は、顔検出部8が顔画像を検出したか否か判断する。検出したと判断した場合はステップS17に進み、それ以外はステップS16に進む。
【0028】
(ステップS16)レンズ駆動制御部5は、ステップS12で算出したAF評価値に基づいて撮影レンズ1の駆動を行い、フォーカスを合わせる。その後、ステップS11に戻る。ステップS16の処理で撮影レンズ1のフォーカスが徐々に合うため、ステップS11からステップS16の処理を繰り返すことで、AF評価値の値は最適な値に近づく。なお、ステップS16で用いるAF評価値は、複数の画素で1つの撮像信号を出力するモードである読み出しモード「加算」で読み出した撮像信号に基づいた値である。よって、この時点ではフォーカスは荒く合う。
【0029】
(ステップS17)読み出し設定部4は、読み出しモードを「切り出し」と「加算」とを(1/N)秒ごとに交互に設定する。駆動制御部3は、読み出しモード「切り出し」および「加算」に基づいて撮像素子2の駆動制御を行う。撮像素子2は、読み出しモードに応じた撮像信号を出力する。読み出しモードが「切り出し」の場合、切り出す範囲はステップS15で検出した顔画像を含んだ領域である。また、読み出しモードが「切り出し」の場合、撮像素子2は(1/3N)秒ごとに撮像信号を出力する。続いて、アナログ/デジタル変換部は、撮像信号をデジタル信号に変換する。続いて、画像処理部7は、デジタル信号に基づいてカラー信号を作成する。続いて、表示制御部9は、読み出しモードが「加算」の場合、カラー信号を表示部10がライブビュー画像として表示できるように制御を行い、表示部10はカラー画像を表示する。その後、ステップS18に進む。
【0030】
(ステップS18)AF評価演算部6は、ステップS17でアナログ/デジタル変換部が出力したデジタル信号に基づいてAF評価値を算出する。その後、ステップS19に進む。
(ステップS19)CPU11は、ステップS18で算出したAF評価値が予め設定している範囲内の値であるか否か判断する。CPU11がステップS18で算出したAF評価値が予め設定している範囲内の値であると判断した場合はステップS21に進み、それ以外はステップS20に進む。なお、精度の高いフォーカスを行うため、予め設定している範囲は、ステップS13の範囲と比較してステップS19の範囲の方がより狭い。
【0031】
(ステップS20)レンズ駆動制御部5は、ステップS18で算出したAF評価値に基づいて撮影レンズ1の駆動を行い、フォーカスを合わせる。その後、ステップS17に戻る。ステップS20の処理で撮影レンズ1のフォーカスが徐々に合うため、ステップS17からステップS20の処理を繰り返すことで、AF評価値の値は最適な値に近づく。ステップS20で用いるAF評価値は、読み出しモード「加算」で撮像素子2が出力した撮像信号と、読み出しモード「切り出し」で撮像素子2が出力した撮像信号とに基づいている。さらに読み出しモード「切り出し」の場合、撮像素子2は(1/3N)秒ごとに撮像信号を出力する。これにより、高速にフォーカスを合わせることができる。
【0032】
(ステップS21)CPU11は、フォーカスが合ったことを操作者に知らせる表示である合焦サイン画像を表示制御部9に入力する。表示制御部9は、合焦サイン画像を表示部10に表示させる制御を行う。表示部10は合焦サイン画像を表示する。その後、処理を終了する。なお、表示部10に合焦サイン画像が表示された場合、操作者はシャッタースイッチ12を全押しする(セカンドレリーズ)。CPU11は、シャッタースイッチ12が全押しされた場合、シャッターを切る。
【0033】
なお、ステップS20で、音声を用いて合焦したことを操作者に知らせても良い。また、ステップS20ではフォーカスが合っているためシャッターを自動で切っても良い。また、ステップS17で読み出しモードが「切り出し」の場合、切り出す範囲はステップS15で検出した顔が含まれる領域としたが、ユーザが設定した固定領域でも良い。
【0034】
また、ステップS20では、読み出しモード「加算」で撮像素子2が出力した撮像信号と、読み出しモード「切り出し」で撮像素子2が出力した撮像信号とに基づいたAF評価値を用いてレンズ駆動制御部5はフォーカスを合わせたが、読み出しモード「切り出し」で撮像素子2が出力した撮像信号に基づいたAF評価値のみを用いてレンズ駆動制御部5はフォーカスを合わせてもよい。
【0035】
上述したとおり、本実施形態によれば、全体の画像を撮像した撮像信号を用いて大まかにフォーカスを合わせ、特徴部分を検出できるような撮像信号を取得する。続いて、特徴部分を検出し、検出した特徴部分を撮像した撮像信号を用いてオートフォーカスを行う。これにより、特徴部分が全体の画像のどの部分に存在していても、特徴部分にフォーカスを高精度で合わせることができる。すなわち、被写体が急に動いた場合でも、高速にフォーカスを追従させることができる。
【0036】
また、最初に大まかにフォーカスを合わせ、フォーカスが大まかに合った状態で撮像した特徴部分の撮像信号に基づいてフォーカスを合わせるため、より高速に特徴部分にフォーカスを合わせることができる。
【0037】
また、所定の間隔で全体の画像を撮像しているため、特徴部分を撮像している際においても、表示部は常に全体の画像を表示部に表示することができる。すなわち、ライブビュー画像として全体の画像を表示部に表示しつつ、より高速にフォーカスを合わせることができる。
【0038】
なお、上述した実施形態における撮像装置の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0039】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0040】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態における撮像装置の構成を示した構成図である。
【図2】本実施形態において、撮像素子がデジタル信号を出力するタイミングを示した図である。
【図3】本実施形態における撮像装置の動作手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1・・・撮影レンズ、2・・・撮像素子、3・・・駆動制御部、4・・・読み出し設定部、5・・・レンズ駆動制御部、6・・・AF評価演算部、7・・・画像処理部、8・・・顔検出部、9・・・表示制御部、10・・・表示部、11・・・CPU、12・・・シャッタースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系により結像された被写体像を、複数の画素で光電変換することにより撮像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子が前記撮像信号を出力する動作を制御する駆動制御部と、
オートフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、
前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出する検出部と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記撮像素子内の全画素のうちの所定数の画素に対応する前記撮像信号を出力させる第1のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、
前記フォーカス制御部は、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行い、
前記検出部は、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出し、
前記駆動制御部はさらに、前記検出部が検出した前記領域の画像に対応する前記撮像信号を出力させる第2のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、
前記フォーカス制御部はさらに、前記撮像素子が前記第2のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行う
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記被写体像は人物の像である場合において、前記検出部は前記被写体像の顔部分が撮像されている領域を判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子は、前記第1のモードと比較し、前記第2のモードにおいて高フレームレートで前記撮像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像光学系により結像された被写体像を、複数の画素で光電変換することにより撮像信号を生成する撮像素子を備えた撮像装置の動作を制御するためのプログラムであって、
前記撮像素子が前記撮像信号を出力する動作を制御する駆動制御ステップと、
オートフォーカス制御を行うフォーカス制御ステップと、
前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出する検出ステップと、
を前記撮像装置に実行させ、
前記駆動制御ステップは、前記撮像素子内の全画素のうちの所定数の画素に対応する前記撮像信号を出力させる第1のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、
前記フォーカス制御ステップは、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行い、
前記検出ステップは、前記撮像素子が前記第1のモードで出力した前記撮像信号に基づいた画像から前記被写体像の特徴部分が撮像されている領域を検出し、
前記駆動制御ステップはさらに、前記検出ステップで検出した前記領域の画像に対応する前記撮像信号を出力させる第2のモードで、前記撮像素子に前記撮像信号を出力させ、
前記フォーカス制御ステップはさらに、前記撮像素子が前記第2のモードで出力した前記撮像信号に基づいてオートフォーカス制御を行う
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−21846(P2010−21846A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181382(P2008−181382)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】