説明

撮像装置及び光学フィルタ

【課題】撮像装置の小型化を図るとともに、耐環境性、組立て時の取り扱い性に優れた光学ローパスフィルタを有する撮像装置の提供を目的とする。
【解決手段】撮影レンズから導かれる光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする光学フィルタは第一の光学部材300と第二の光学部材302とを含み、第二の光学部材302にはフィルム状樹脂フィルタ301が接合されている。第一の光学部材300は、フィルタ保持部材303に対し弾性部材306を介して押圧保持され、第二の光学部材302はその前面が第一の光学部材300と対向する形態でフィルタ保持部材303に固定されることで、フィルム状樹脂フィルタ301は第一の光学部材300と第二の光学部材302との間に配置される。これによりフィルム状樹脂フィルタ301は外部に露出することがなく、耐環境性に対する問題を解消できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば撮像素子における被写界像の擬似信号による偽色発生を抑制するために撮像素子と撮影レンズとの間に配置される光学ローパスフィルタを有する撮像装置及び光学フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCDやCMOS等よりなる撮像素子へ被写体像を形成する撮像光学系においては、被写体光の高空間周波数成分を制限し、擬似信号の発生に伴う被写体による光とは異なる色成分を除去するために、光学ローパスフィルタが用いられている。この光学ローパスフィルタとして、複数枚で構成される水晶板等による複屈折作用を利用したものが広く使われている。
【0003】
水晶板は屈折率の異方性がさほど大きくなく、制限すべき所定の空間周波数を得るためには、水晶板の厚さが通常1mm程度必要となる。従来は2枚の複屈折水晶板とその中間に配置したλ/4波長板の計3枚の水晶にてローパスフィルタを構成し、更に赤外カットフィルタを貼り合わせて保持枠に固着していた。このために、トータルの厚みが厚くなり、その結果、機器の小型化や軽量化を阻害するばかりでなく、収差やゴースト等の光学的性能の低下の要因ともなっていた。
【0004】
また、ニオブ酸リチウム等の屈折率の異方性が大きい材料が知られている。この材料の場合は屈折率の異方性が大きいので、制限すべき所定の空間周波数を得るための厚みは水晶に比べて極めて薄くすることができる。しかしながら、反面、厚み加工上あるいは貼り合わせ加工上の技術的困難さがあり、その結果、コストが高くなるという欠点がある。
【0005】
一方、高分子製光学ローパスフィルタに関する技術が特許文献1に開示されている。この技術は、光学異方性高分子フィルムに関するものであり、水晶と同じように複屈折作用を持つ。
【0006】
また特許文献2では、光学ローパスフィルタの複屈折板から射出された射出光の偏光状態を略円偏光に変換するために、通常用いられる水晶からなるλ/4波長板の代わりに偏光解消作用を持つポリイミドフィルムを適用する技術が開示されている。
【0007】
更には赤外吸収ガラスと同等の光学性能を持つ、赤外線吸収剤を含有したアクリル系樹脂、いわゆる赤外線吸収フィルムも商品化されている。
【0008】
上記特許文献1、2のフィルム状フィルタ及び赤外線吸収フィルムは製造が容易であり、これらを用いた赤外吸収フィルタを含む光学ローパスフィルタは、小型化、軽量化を図ることができるとともに、コスト的にも有利と言えるものである。
【0009】
しかしながら、上記のような樹脂製フィルムを用いた光学フィルタの場合、耐環境性(特に耐湿性)において問題がある。即ち、石英等の結晶材料と比較して樹脂基板は湿気を吸収し易いため、樹脂基板が露出していると湿気を含んで光学性能に影響が出やすく、光学フィルタとしての性能劣化を生じやすい。この問題に対し、特許文献3では、光学異方性高分子フィルム(樹脂基板)を透明ガラスや赤外吸収ガラス等の耐湿性を持った光学部材で挟み込むことで耐環境性を向上させた提案がなされている。
【0010】
また、光学フィルタを構成する光学樹脂フィルム面上に反射防止用の蒸着膜をコーティングした場合、該膜の密着性がガラス、水晶に比べて劣り、剥れ易いという問題もある。特許文献3のように外界に対しフィルム面を露呈させない構成をとることは反射防止コートをフィルム面に施す必要性がなくなるため、この問題に対しても有効な手段となっている。
【0011】
【特許文献1】特開平08−122708号公報
【特許文献2】特開平10−186284号公報
【特許文献3】特開2004−301891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一般的に撮像素子の画素に対応したカラーフィルタの配列は、RGBGの4画素から成るベイヤー配列を基本としている。この場合、光学ローパスフィルタにスポットの1点ビームを入射させたとき、4点のビームに分離する、いわゆる4点点像分離を行う光学ローパスフィルタの構成によって撮影画像における偽色の発生を軽減している。
【0013】
図7は、4点の点像分離を行うために4枚の光学部材を貼り合わせた一般的な光学ローパスフィルタの構成を示したものである。
【0014】
700は水晶等の複屈折材料であり、ここでは左右方向に2点分離するための回転角0°の複屈折水晶板を用いている。702は赤外吸収フィルタであり、CCD等の撮像素子の分光感度と人間の視感度を概一致させるためのものである。710はいわゆる水晶製のλ/4波長板であり、複屈折水晶板700で直線偏光となった被写界光の偏光解消を行う。最後に被写界光は回転角90°の複屈折水晶板706cを通ることで上下方向に点像分離がなされ、撮像素子706には最終的に4点分離の被写界光が入射することとなり、ローパス効果による撮影画像の偽色発生を軽減している。なお、711は撮像素子706のチップ部706aをセラミックパッケージ706b内部に封止するためのカバーガラスである。
【0015】
このような構成において複屈折材料700の表面に、既述した複屈折効果をもつ光学異方性高分子フィルム、偏光解消効果を持つポリイミドフィルム、さらには赤外吸収効果を持つ赤外線吸収フィルムを適用した場合、耐環境性に問題が生じる。即ち、耐環境性に問題のある樹脂フィルムの表面が外界に露呈することになり、信頼性の問題で採用が困難となってしまうという問題があった。
【0016】
また、フィルム素材そのものが水晶等に比べて柔らかいため、傷、欠陥が発生し易く、組立て時の取り扱いに注意を要するという問題も同時に抱えていた。
【0017】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、フィルム状樹脂フィルタを採用することにより撮像装置の小型化、軽量化、低コスト化を図るとともに、耐環境性、組立て時の取り扱い性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の撮像装置は、被写体光学像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の前方に配置され、前記撮像素子に導かれる光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットするフィルタ手段とを備え、前記フィルタ手段は、第一の光学部材及び第二の光学部材を含み、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材のうち少なくともいずれか一方にはフィルム状樹脂フィルタが接合され、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材を保持するフィルタ保持手段に対し、前記第一の光学部材は弾性部材を介して押圧保持され、前記第二の光学部材はその前面が前記第一の光学部材と対向する形態で固定され、前記フィルム状樹脂フィルタが前記第一の光学部材と前記第二の光学部材との間に配置されることを特徴とする。
また、本発明の光学フィルタは、透過する光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする光学フィルタであって、第一の光学部材及び第二の光学部材を含み、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材のうち少なくともいずれか一方にはフィルム状樹脂フィルタが接合され、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材を保持するフィルタ保持手段に対し、前記第一の光学部材は弾性部材を介して押圧保持され、前記第二の光学部材はその前面が前記第一の光学部材と対向する形態で固定され、前記フィルム状樹脂フィルタが前記第一の光学部材と前記第二の光学部材との間に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フィルム状樹脂フィルタを採用することにより撮像装置の小型化、軽量化、低コスト化を図るとともに、耐環境性、組立て時の取り扱い性を向上させることができる。このような本発明は、異物の除去のために光学部材の一部を加振する撮像装置に用いられて特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用した撮像装置であるデジタルカメラ(デジタル一眼レフカメラ)の概略構成を示す図である。同図において、101はCPU(中央演算処理装置)であり、本デジタルカメラの動作はこのCPU101により制御される。
【0022】
105は撮影レンズ系に含まれる撮影レンズであり、撮影被写界光を撮像素子106上に被写体光学像として結像させる。106はCCDに代表される撮像素子であり、被写体光学像を光電変換する。133は撮影レンズ105から撮像素子106に到達する撮影被写界の光量を制御するフォーカルプレーンシャッタ(以下、シャッタと称する)である。
【0023】
121は半透過主ミラー、122はサブミラーであり、撮影レンズ105からの撮影被写界光はその一部が半透過主ミラー121、サブミラー122によって公知の位相差方式焦点検出ユニットに導かれる。これにより、撮影レンズ105で結像された被写界光のピントが撮像素子106の受光面に対してどの方向に、どれ位ずれているかを、いわゆるデフォーカス量として検出することができる。
【0024】
ここで位相差方式焦点検出ユニットについて説明する。123はフィールドレンズ、124は2次結像レンズ、119は焦点検出用のCCDラインセンサであり、ファインダ画面上の縦横3×5の計15ヶ所からなる領域の焦点検出が可能となっている。上記検出されたデフォーカス量に対して、撮影レンズ本体のレンズ駆動敏感度(レンズ固有の制御の細かさ)を考慮し、CPU101は撮影レンズ駆動部125に撮影レンズ105の駆動のための駆動量パルスを送る。そして、撮影レンズ駆動部125は送られてきたパルスに応じてパルスモータを駆動させ、撮影レンズ105を合焦位置に駆動させることで自動焦点調節を行う。
【0025】
128は撮影レンズ105の撮像素子106結像面と等価の結像面に置かれたピント板であり、撮影レンズ105を通った撮影被写界光は半透過主ミラー121で反射されピント板128に結像する。127は像反転させるための光学反転手段であるペンタプリズムである。126は接眼レンズであり、この接眼レンズ126を通じて撮影者はピント板128に結像した被写界像を見ることができ、いわゆるTTL方式の光学ファインダ構成となっている。
【0026】
130は結像レンズである。131は撮影被写界の可視光の輝度を測定する測光センサである。結像レンズ130によって、ピント板128上に結像された被写界像が測光センサ131上に2次結像される。測光センサ131は、縦×横、各々3×5に分割された受光領域を有しており、カメラのファインダ視野(被写界領域)の主要領域を3×5の領域に分割して測光することができる。132はTFTカラー液晶からなる表示部である。
【0027】
1は撮像素子106の前方に配置されたユニット化された光学フィルタであり、透過する光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする。撮影レンズ側最前面に配置された複屈折水晶板300は塵埃等の異物除去のために振動する機能が持たされている。この光学フィルタ1の詳細は後述する。
【0028】
このようにしたデジタルカメラでは、撮影者がレリーズSW114(図2参照)を押すと、半透過主ミラー121は撮影レンズ105の光路外に退避し、撮影レンズ105によって集光された撮影被写界光はシャッタ133で光量制御がなされる。そして撮影被写界光は撮像素子106によって被写界像として光電変換処理された後、画像データとしてフラッシュメモリ等の記録媒体に記録される一方、撮影済み画像として表示部132に表示される。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの概略構成を示す電気ブロック図である。なお、図1に示した構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】
同図において、101は前述のCPUである。CPU101には、制御プログラムを記憶しているROM(リードオンリーメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103が接続される。CPU101には更に、データ格納手段104、画像処理部108、LCD制御部111、レリーズSW114、振動回路部109が接続される。またCPU101には更に、電源を供給するためのDC/DCコンバータ117、測光センサ131、焦点検出制御部120、撮影レンズ駆動部125が接続される。
【0031】
画像処理部108には、撮像素子制御部107、撮像素子106が接続される。撮像素子106は、例えば有効画素数約500万画素(2560×1920)を有する。
【0032】
LCD制御部111には、表示駆動部112、表示部132が接続される。表示部132は、撮像素子106で撮像された画像を縦横各々1/8に間引き処理された320×240の画像を表示する。
【0033】
DC/DCコンバータ117には、電池116から電源が供給される。
【0034】
振動回路部109には、振動素子305が接続される。振動素子305は、例えばピエゾ圧電素子からなり、光学フィルタ1の撮影レンズ側最前面に配置された複屈折水晶板300に接着固定され、塵埃等の異物除去のために加振する。CPU101が振動回路部109に命令を行って振動制御を行う。
【0035】
CPU101は、ROM102内の制御プログラムに基づいて各種制御を行う。これらの制御の中には、例えば画像処理部108から出力された撮影画像信号を読み込み、RAM103へDMA転送を行う処理、同様にRAM103よりLCD制御部111へデータをDMA転送する処理等がある。また、画像データをJPEG圧縮しファイル形式でデータ格納手段104へ格納する処理等もある。更にCPU101は、撮像素子106、撮像素子制御部107、画像処理部108、LCD制御部111等に対してデータ取り込み画素数やデジタル画像処理の変更指示を行う。
【0036】
焦点検出制御部120には、前述の焦点検出用の一対の焦点検出CCDセンサ(CCDラインセンサ)119が接続される。焦点検出制御部120は、これらCCDラインセンサ119から得た電圧をA/D変換し、CPU101に送る。また、CPU101の指示に基づいて、焦点検出制御部120はCCDラインセンサ119の蓄積時間とAGC(オートゲインコントロール)の制御も行う。
【0037】
CPU101は、焦点検出制御部120から送られてきた信号を処理することで、主要被写体に対する現在の焦点検出状態から主要被写体が合焦に至るためのレンズ駆動量を算出し、撮影レンズ駆動部125に対し指示を与える。撮影レンズ駆動部125は該指示に基づいて撮影レンズの中の焦点調節レンズを移動させることで主被写体にピントを合わせることが可能となる。
【0038】
前述の測光センサ131は、被写界の輝度を検出してCPU101に信号を送り、CPU101はこの輝度情報に基づいてカメラの露光量を算出し、シャッター秒時、撮影レンズの絞り値のいずれかあるいは両方を決定する。
【0039】
また、レリーズSW114の操作に伴う撮影動作の指示、更に、各素子への電源の供給をコントロールするための制御信号を、DC/DCコンバータ117に対して出力する処理等も、CPU101の制御に基づいて行われる。
【0040】
RAM103は、画像展開エリア103a、ワークエリア103b、VRAM103c、一時退避エリア103dを備える。画像展開エリア103aは、画像処理部108より送られてきた撮影画像(YUVデジタル信号)やデータ格納手段104から読み出されたJPEG圧縮画像データを一時的に格納するためのテンポラリバッファとして使用される。また、画像圧縮処理、解凍処理のための画像専用ワークエリアとしても使用される。ワークエリア103bは、各種プログラムのためのワークエリアである。VRAM103cは、表示部132へ表示する表示データを格納するVRAMとして使用される。一時退避エリア103dは、各種データを一時退避させるためのエリアである。
【0041】
データ格納手段104は、CPU101によりJPEG圧縮された撮影画像データ、あるいはアプリケーションより参照される各種付属データ等をファイル形式で格納しておくためのフラッシュメモリである。
【0042】
撮像素子制御部107は、撮像素子106に転送クロック信号やシャッタ信号を供給するためのタイミングジェネレータ、撮像素子出力信号のノイズ除去、ゲイン処理を行うための回路を含む。更には、アナログ信号を10ビットデジタル信号に変換するためのA/D変換回路等も含む。
【0043】
画像処理部108は、撮像素子制御部107より出力された10ビットデジタル信号をガンマ変換、色空間変換、ホワイトバランス、AE、フラッシュ補正等の画像処理を行い、YUV(4:2:2)フォーマットの8ビットデジタル信号出力を行う。
【0044】
LCD制御部111は、画像処理部108から転送されたYUVデジタル画像データ、又はデータ格納手段104の画像ファイルに対してJPEGの解凍を行ったYUVデジタル画像データを受け取り、RGBデジタル信号へ変換し表示駆動部112へ出力する。表示駆動部112は、表示部132を駆動するための制御を行う。
【0045】
レリーズSW114は、撮影動作の開始を指示するためのスイッチである。このレリーズSW114は不図示のレリーズボタンの押下圧によって2段階のスイッチポジションが有る。1段目のポジション(SW1−ON)の検出で、ホワイトバランス、AE等のカメラ設定のロック動作が行われ、2段目のポジション(SW2-ON)の検出で、被写界画像信号の取り込み動作が行われる。
【0046】
電池116は、リチャーチャブルの2次電池あるいは乾電池である。また、DC/DCコンバータ117は、電池116からの電源供給を受け、昇圧、レギュレーションを行うことにより複数の電源を作り出し、CPU101を初めとする各素子に必要な電圧の電源を供給する。このDC/DCコンバータ117はCPU101からの制御信号により、各々の電圧の供給開始、停止を制御できるようになっている。
【0047】
ここで、図3を用いて図1に示した光学フィルタ1の詳細な説明を行う。図3は、光学フィルタ1及び撮像素子106まわりの拡大図である。本実施形態では、撮像素子のカラーフィルタの配列(ベイヤー配列)における撮影画像の偽色発生を抑制するために4点点像分離を行う光学ローパスフィルタ構成を採用している。このような構成により、撮影レンズ105から導かれる光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする。
【0048】
300は回転角0°の複屈折水晶板であり、被写界像を水平方向に2つに分離する(水平2点分離)。本実施形態では、この複屈折水晶板300が本発明でいう第一の光学部材に対応する。水晶の複屈折作用による点像分離幅は水晶1mmにつき約5.87μであることから、必要な分離幅を得るためには、水晶の厚みをこの値に比例倍することによって容易に算出できる。
【0049】
302は赤外吸収ガラス(赤外吸収フィルタ、赤外カットフィルタ)であり、撮像素子106の分光感度と人間の視感度を概一致させるためのものである。本実施形態では、この赤外吸収ガラス302が本発明でいう第二の光学部材に対応する。
【0050】
301はポリイミドでできたλ/4波長板の効果を持つフィルム状樹脂フィルタであり、複屈折水晶板300によって直線偏光となった被写界光の偏光解消を行う(位相差解消作用を奏する)。フィルム状樹脂フィルタ301は、赤外吸収ガラス302の前面に接合され、フィルム状樹脂フィルタ301の非接合面(撮影レンズ105側)は複屈折水晶板300に対向する形態で配置固定されている。従来、偏光解消板には水晶を用いるのが通常であるが、ポリイミドフィルムを用いた場合、厚みを水晶の数分の一、約0.1mm程度にできるのでカメラのスペース効率が良い。また、偏光解消の波長依存性がほぼ無いので、偽色防止の効果も優れている。更に最大のメリットとしては、デジタルカメラの低価格化が実現できることにある。
【0051】
303はフィルタ保持手段であるところのフィルタ保持部材であり、複屈折水晶板300及び赤外吸収ガラス302を保持する。フィルタ保持部材303には、複屈折水晶板300が弾性部材304を介して押圧保持され、赤外吸収ガラス302はその前面が複屈折水晶板300と対向する形態で固定される。304はエラストマー(高分子物質)等からなる弾性部材である。
【0052】
106cは回転角90°の複屈折水晶板であり、被写界像を上下方向に2つに分離する(水平2点分離)。複屈折水晶板106cは、セラミックパッケージ106bに接着されることで撮像素子106のチップ部106aを保護する。
【0053】
307は粘着シートであり、複屈折水晶板300、フィルム状樹脂フィルタ301及び赤外吸収ガラス302を含む光学フィルタ1と複屈折水晶板106cとの間を密着固定し、塵埃等の異物が入らないようにする。
【0054】
305は複屈折水晶板300上端部に接着固定された振動素子であり、該複屈折水晶板300を加振して振動させることにより、複屈折水晶板300の撮影レンズ105側の表面に付着する塵埃等の異物を除去する。本実施形態の振動素子305は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層型のピエゾ圧電素子であり、積層方向により大きな振幅(変位)を発生するため、複屈折水晶板300を撮影光軸に直交する方向に大きく振動変位させることができる。
【0055】
306はバネ性(付勢力)を有する金属板から成る押圧部材であり、押圧部材306が複屈折水晶板300を弾性部材304に押圧することにより、複屈折水晶板300はフィルタ保持部材303に対し浮遊保持(押圧保持)される。これにより振動素子305の伸縮に追従した複屈折水晶板300の振動が許容されるとともに、振動により複屈折水晶板300が傷つくことが防止される。また、同時に複屈折水晶板300は、周囲四辺の近傍で、フィルタ保持部材303に対して弾性部材304を介して隙間がないように密閉されることとなる。したがって、フィルム状樹脂フィルタ301は、フィルタ保持部材303が複屈折水晶板300及び赤外吸収ガラス302を保持した状態において、これら複屈折水晶板300と赤外吸収ガラス302との間に形成される密閉状態の空間に配置されることとなる。
【0056】
複屈折水晶板300の撮影レンズ側の面には撮影画像の色再現性を向上させるためにUV−IRカットコートが施されている。また、複屈折水晶板300の裏面、非接合面であるフィルム状樹脂フィルタ301の撮影レンズ側の面、赤外吸収ガラス302の撮像素子側の面、更には撮像素子に接着されている複屈折水晶板106cの両面には反射防止(AR)コートが施されている。
【0057】
以上のような光学フィルタ構造を採用することによって、フィルム状樹脂フィルタ301の吸湿による光学特性の悪化、更には表面に施された反射防止コートの剥れに起因する耐環境性といった問題を大幅に軽減することが可能となる。
【0058】
また、組立て作業上においても傷の付き易いフィルム状樹脂フィルタ301は、一度組立ててしまえば光学フィルタ内部に収まることになるので、その後のカメラ組立て工程において光学フィルタの取り扱いが容易になる。
【0059】
更に、フィルム状樹脂フィルタ301は、振動対象となる複屈折水晶板300を除き、撮像素子のチップ部106aから最も離れた位置に配置されるので、フィルム表面の傷、欠陥が目立ちにくいという効果も得ることができる。
【0060】
なお、図3ではフィルム状樹脂フィルタ301と赤外吸収ガラス302は略同じ外形形状をもって接合されているが、フィルム状樹脂フィルタ301を若干小さくし、赤外吸収ガラス302がフィルタ保持部材303に直接接着されるようにしてもよい。この場合、フィルム状樹脂フィルタ301が配置される空間の密閉度をいっそう高め、耐環境性を向上させることができる。
【0061】
次に、図4を用いて本実施形態に係るデジタルカメラの動作について説明を行う。まずステップS200において、デジタルカメラの不作動状態から不図示の電源スイッチをONにすると動作が開始される。
【0062】
ステップS201において、塵埃等の異物除去のため、CPU101は振動回路部109を介して振動素子305を制御し、光学フィルタ1のレンズ側最前面の複屈折水晶板300を振動素子305によって加振する。
【0063】
次にステップS202において、レリーズボタンが押し込まれてスイッチSW1がONされるまで待機する。ステップS202において、スイッチSW1がONされたことを検知すると、ステップS203に進む。
【0064】
ステップS203おいて、CPU101は、測光センサ131より撮影被写界を3×5に分割した被写界輝度情報を得た後、メモリに記憶を行う。また、ステップS203の測光で得られた被写界輝度情報に基づいて、所定の測光アルゴリズム演算に従ってカメラの露出値である撮影レンズの絞り値とシャッタ秒時をカメラに内蔵されたプログラムより決定する。なお、測光センサ131から得られる各々3×5の輝度情報から最適露出値算出を行うアルゴリズムは、単純な加算平均でも良いし、下記ステップS206で決定される焦点検出領域に対応した測光領域に最大の重み付けを行った演算であっても良い。
【0065】
次にステップS204において、CPU101は、焦点検出領域選択モードが、手動モードに設定されているか否かの判定を行う。手動モードに設定されているならば、ステップS206に進む。ステップS206においては、撮影者が不図示のスイッチダイヤル操作で複数の焦点検出領域の内の1個を選択する任意選択が可能である。一方、焦点検出領域自動モードに設定されているならば、ステップS205に進む。ステップS205においては、公知の位相差方式焦点検出ユニットの15個の焦点検出領域表示部に対応した焦点検出領域におけるデフォーカス量に基づいて、焦点検出領域自動選択サブルーチンによって前記複数の焦点検出領域内の1個を選択する。焦点検出領域自動選択のアルゴリズムとしてはいくつかの方法が考えられるが、多点AFカメラでは公知となっている中央焦点検出領域に重み付けを置いた近点優先アルゴリズムが有効である。
【0066】
以上のように焦点検出領域選択モードが、手動モード又は自動モードのいずれに設定されていても、結果的に一つの焦点検出領域が決定される。そして、ステップS205又はS206で決定された焦点検出領域にて得られた焦点検出ずれ量(デフォーカス量)とカメラに装着された撮影レンズ105のレンズ駆動敏感度から最終的に求めるべきレンズ繰り出し量が決定される。
【0067】
次にステップS207において、CPU101は、レンズ駆動を行う前の状態でCCDラインセンサ119の信号に従って撮影レンズ駆動部125に信号を送って所定量だけ撮影レンズ105を駆動させる。一方で、ステップS205又はS206で決定された焦点検出領域に対応した焦点検出領域表示部(不図示)を点灯し、被写界領域のどこに撮影レンズ105の焦点が合っているのかの表示を行う。
【0068】
次にステップS208において、スイッチSW1がONされているか否かを判定する。焦点が合っているのかの表示がなされることで、撮影者は合焦表示がなされた状態のファインダ視野を見て、引き続きスイッチSW1をONし続ける。
【0069】
スイッチSW1がONされている場合は、ステップS209において、更にレリーズボタンが押し込まれてスイッチSW2がONされたか否かを判定する。ステップS209において、スイッチSW2がONされた場合、ステップS210において、CPU101は不図示のシャッタ制御部、絞り駆動部、撮像素子制御部107にそれぞれ信号を送信して、公知の撮影動作を行う。
【0070】
なお、ステップS208でスイッチSW1がOFFと判断された場合は、ステップS202に戻ってスイッチSW1のON待ちの待機状態となる。また、ステップS209でスイッチSW2がONでなければ、ステップS208に戻ってスイッチSW2のON待ちの待機状態となる。
【0071】
ステップS210における撮影動作は、まず不図示のモータ制御部を介してモータに通電して半透過主ミラー121をアップさせ、撮影レンズ105の絞りを絞り込む。その後、シャッタ133のマグネットMG−1に通電し、シャッタ133の先幕を開放することで撮像素子106への被写界光の蓄積を開始する。所定のシャッタ秒時経過後、マグネットMG−2に通電し、シャッタ133の後幕を閉じることで撮像素子106への被写界光の蓄積を終了する。次にモータに再度通電し、ミラーダウン、シャッタチャージを行い、一連のシャッタレリーズシーケンスの動作(撮影動作)を終了する。このような動作により、撮像素子106には被写界像からの光量が蓄積されることになる。
【0072】
ステップS210における撮影動作によって撮像素子106に露光された被写界像は光電変換され、画像処理部108にて約500万画素(2560×1920)のデジタルデータに変換された後、画像展開エリア103aへ一時的に格納される。
【0073】
次にステップS211において、格納された2560×1920画素の全体画像デジタルデータを表示部132に表示するために縦横各々1/8に間引き処理された320×240画素の全体画像データに変換する。そして、表示用のVRAM103cに再格納され、320×240画素の全体画像データを表示部132に表示し、撮影者は撮影された画像の全体像を確認することができる。一方、画像展開エリア103aに格納された2560×1920画素の全体画像デジタルデータは、JPEG圧縮処理された後、画像データとしてデータ格納手段104によってコンパクトフラッシュ(登録商標)等の記録媒体に記録される。
【0074】
次にステップS212において、再びスイッチSW1の入力待ちの状態となり、その間全体画像を表示し続ける。入力がなされると、表示部132の全体画像表示を消灯し、ステップS209に戻り、スイッチSW2の入力待ちとなり、スイッチSW1の入力がないとステップS202に戻り、スイッチSW1の入力待ちの状態で待機する。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図5を用いて説明する。なお、デジタルカメラの全体構成や動作は第1の実施形態と同様であり、以下では第1の実施形態との相違を中心に説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
【0076】
図5においては、302は赤外吸収ガラス(赤外吸収フィルタ、赤外カットフィルタ)であり、撮像素子106の分光感度と人間の視感度を概一致させるためのものである。本実施形態では、この赤外吸収ガラス302が本発明でいう第一の光学部材に対応し、赤外吸収ガラス302が塵埃等の異物の除去を行う振動対象となっている。
【0077】
310は直線偏光となった被写界光の偏光解消を行うためのλ/4波長板である。本実施形態では、このλ/4波長板310が本発明でいう第二の光学部材に対応する。
【0078】
309は複屈折効果を有する光学異方性高分子フィルム状樹脂フィルタ(複屈折フィルム)であり、被写界像を水平方向に2つに分離する(水平2点分離)。フィルム状樹脂フィルタ309は、λ/4波長板310の前面に接合され、フィルム状樹脂フィルタ309の非接合面(撮影レンズ105側)は赤外吸収ガラス302に対向する形態で配置固定されている。
【0079】
本実施形態においても、フィルム状樹脂フィルタ309は、フィルタ保持部材303が赤外吸収ガラス302及びλ/4波長板310を保持した状態において、赤外吸収ガラス302とλ/4波長板310との間に形成される密閉状態の空間に配置される。
【0080】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図6を用いて説明する。なお、デジタルカメラの全体構成や動作は第1の実施形態と同様であり、以下では第1の実施形態との相違を中心に説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
【0081】
図6において、300は回転角0°の複屈折水晶板であり、被写界像を水平方向に2つに分離する(水平2点分離)。本実施形態では、この複屈折水晶板300が本発明でいう第一の光学部材に対応し、複屈折水晶板300が塵埃等の異物の除去を行う振動対象となっている。
【0082】
310は直線偏光となった被写界光の偏光解消を行うためのλ/4波長板である。本実施形態では、このλ/4波長板310が本発明でいう第二の光学部材に対応する。
【0083】
308は撮像素子の分光感度と人間の視感度を概一致させるためのフィルム状樹脂フィルタ(樹脂製赤外吸収フィルム)であり赤外吸収作用を有する。フィルム状樹脂フィルタ308には、具体的にはクレハ(株)のルミクルUCF等を用いることができる。フィルム状樹脂フィルタ308は、λ/4波長板310の前面に接合され、フィルム状樹脂フィルタ308の非接合面(撮影レンズ105側)は複屈折水晶板300に対向する形態で配置固定されている。
【0084】
本実施形態においても、フィルム状樹脂フィルタ308は、フィルタ保持部材303が複屈折水晶板300及びλ/4波長板310を保持した状態において、複屈折水晶板300とλ/4波長板310との間に形成される密閉状態の空間に配置される。
【0085】
以上のように本実施形態では、2つの光学部材の間にフィルム状樹脂フィルタが配置されるようにして、該フィルタが外界に露出することを避けた。これによりフィルム状樹脂フィルタの耐環境性に対する問題が解消され、結果として、撮像装置の小型化、軽量化、低コスト化に有利な撮像装置を提供できる。また、フィルム状樹脂フィルタは一度組立ててしまえば光学フィルタ内部に収まるため、その取り扱いも容易となる。
【0086】
また、フィルム状樹脂フィルタを撮像素子面から比較的離れた位置に配置できるので、フィルム状樹脂フィルタ表面の傷、欠陥が目立ちにくい効果も得ることができる。
【0087】
そして特に、光学部材に付着する塵埃等の異物の除去を行うために、赤外吸収フィルタを含むローパスフィルタを構成する光学要素の一部を振動させる撮像装置において、異物除去機能を発揮しつつ、小型化等を図ることができる。即ち、外界に露呈された光学部材を振動させるとともに、複屈折作用、あるいは偏光解消作用、赤外吸収作用を有する光学樹脂フィルムを振動ユニットの密閉空間へ配置することが可能となるため、耐環境性に優れた状態での使用を実現することができる。
【0088】
なお、第1、第3の実施形態では、複屈折作用のために複屈折水晶板300、複屈折水晶板106cを用いたが、複屈折作用を有するにニオブ酸リチウムからなる透明部材を用いてもよい。或いは、複屈折水晶板300、106cを無色透明ガラスとして、その間において複屈折作用を有する樹脂製フィルム、赤外吸収作用を有するフィルムを重ねて介在させるようにしてもよい。
【0089】
また、上述の実施形態では、第一の光学部材よりも後側(撮像素子106側)に位置する第二の光学部材の前面に樹脂製フィルムを接合するようにしたが、第一の光学部材の後面に接合するようにしてもよい。或いは、双方の光学部材に樹脂製フィルムを接合するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を適用した撮像装置であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの光学フィルタ及び撮像素子まわりの拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラの光学フィルタ及び撮像素子まわりの拡大図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラの光学フィルタ及び撮像素子まわりの拡大図である。
【図7】従来の光学ローパスフィルタの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
101 CPU
105 撮影レンズ
106 撮像素子
106c 複屈折水晶板
300 複屈折水晶板
301 フィルム状樹脂フィルタ
302 赤外吸収ガラス
303 フィルタ保持部材
304 弾性部材
305 振動素子
306 押圧部材
308 フィルム状樹脂フィルタ
309 フィルム状樹脂フィルタ
310 λ/4波長板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光学像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置され、前記撮像素子に導かれる光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットするフィルタ手段とを備え、
前記フィルタ手段は、第一の光学部材及び第二の光学部材を含み、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材のうち少なくともいずれか一方にはフィルム状樹脂フィルタが接合され、
前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材を保持するフィルタ保持手段に対し、前記第一の光学部材は弾性部材を介して押圧保持され、前記第二の光学部材はその前面が前記第一の光学部材と対向する形態で固定され、前記フィルム状樹脂フィルタが前記第一の光学部材と前記第二の光学部材との間に配置されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材は、水晶、複屈折作用を有する透明部材、及び赤外波長成分をカットする赤外カットフィルタのいずれかにより構成され、
前記フィルム状樹脂フィルタは、位相差解消作用、複屈折作用、又は赤外吸収作用を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第一の光学部材は、振動素子によって加振させられることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記フィルム状樹脂フィルタは前記第二の光学部材の前面に接合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フィルム状樹脂フィルタは、前記第一の光学部材よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フィルタ保持手段が前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材を保持した状態において、前記フィルム状樹脂フィルタは、前記第一の光学部材と前記第二の光学部材との間に形成される密閉状態の空間に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
透過する光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする光学フィルタであって、
第一の光学部材及び第二の光学部材を含み、前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材のうち少なくともいずれか一方にはフィルム状樹脂フィルタが接合され、
前記第一の光学部材及び前記第二の光学部材を保持するフィルタ保持手段に対し、前記第一の光学部材は弾性部材を介して押圧保持され、前記第二の光学部材はその前面が前記第一の光学部材と対向する形態で固定され、前記フィルム状樹脂フィルタが前記第一の光学部材と前記第二の光学部材との間に配置されることを特徴とする光学フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−164844(P2009−164844A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341263(P2007−341263)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】