説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像素子155と、撮像素子155による動画の撮影に連動し、複数フレーム数のごとに1回(フレーム1、5)、閃光発光により撮像時の光量を補うキセノン管317と、キセノン管317による閃光発光を行わないフレーム(フレーム2〜4)に対して、閃光発光よりも少ない時間あたりの光量で連続照明により撮影時の光量を補うLED320と、閃光発光で撮影した画像に基づいて、連続照明で撮影した画像を修正するカメラ演算制御回路151とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法に関し、詳しくは、照明手段を備え、自然光が不足する条件であっても、動画の撮像が可能な撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビデオカメラ等で動画を撮影するにあたって、周囲が暗い場合には、光量が多く連続照明可能なビデオライト等の照明手段によって被写体に補助光を照射しながら撮影を行っている。ビデオライトとしては、従来は白熱電球が一般的であったが、最近では、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)等の発達により、低消費電力で小型のものが多くなって来ている。
【0003】
例えば、特許文献1には、LEDの連続発光により被写体を照射して動画を撮影することのできるストロボ装置が開示されている。また、特許文献2には、単写はフラッシュ(閃光発光光源)で撮影し、連写はLEDによる連続発光光源を発光させて撮影するカメラシステムが開示されている。また、特許文献3には、静止画はフラッシュ(閃光発光光源)で撮影し、連写および動画はLEDによる連続発光光源を発光させて撮影する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−233108号公報
【特許文献2】国際公開PCT/JP2005/001955号
【特許文献3】特開2005−107240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにLED等を用いた連続発光装置が種々提案されているが、携帯機器に内蔵可能な電池で駆動する場合には、その光量に制約があり、また到達距離が短く十分ではない。また、被写体が近距離であっても、キセノン管を使用した閃光発光装置等と比較すると、照射された被写体からの反射光量が不足することから、撮像素子の感度を高くする必要があるが、その場合には、ノイズが目立ってしまい、画質が劣化するという問題がある。
【0006】
一方、キセノン管を使用した閃光発光装置は、撮像の1フレームについては、上述のビデオライト等と比較すると桁違いの光量が得られ、撮像素子の感度は低くてもよいことから、ノイズが少なく良好な画質となる。しかし、動画は1秒間に例えば30フレーム等、短い周期で多数のコマを撮影する必要があり、全てのコマで閃光発光装置を使用するとキセノン管を発光させるためのコンデンサの充電が間に合わない。このため、極めて短い時間の間しか動画撮影を行うことができない。また、キセノン管を過度に連続して使用すると、発光部付近が過熱する心配もある。
【0007】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる撮像装置は、連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、これと連動して撮像時の光量を補う照明手段と、を有する撮像装置において、上記照明手段は、閃光発光により照明する第1の照明モード、又は1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影時の光量を補うものであり、上記撮像装置は、上記第1の照明モードで撮影した画像により上記第2の照明モードで撮影した画像の色調およびノイズを補正して、全フレームの画質を同等にする画像処理手段を具備する。
第2の発明に係わる撮像装置は、上記第1の発明において、上記第2の照明モードで撮像を実施する際、撮像感度を高くする。
【0009】
第3の発明に係わる撮像装置は、連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、これと連動して撮像時の光量を補う照明手段と、を有する撮像装置において、上記照明手段は、閃光発光により照明する第1の照明モード、又は1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影時の光量を補うものであり、上記撮像装置は、上記第1の照明モードで撮影した画像の輪郭情報が、上記第2の照明モードで撮影された各フレームの画像の輪郭移動情報と同等になるように、該第1の照明モードで撮影した画像を変形する画像処理手段を具備する。
第4の発明に係わる撮像装置は、上記第3の発明において、上記第2の照明モードで撮像を実施する際、撮像感度を高くする。
【0010】
第5の発明に係わる撮像装置は、連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、 上記撮像手段による上記動画の撮影に連動し、複数フレーム数ごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補う第1の照明手段と、上記第1の照明手段による上記閃光発光を行わないフレームに対して、1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して連続照明して撮影時の光量を補う第2の照明手段と、上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像を修正する画像処理手段と、を備える。
【0011】
第6の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記画像処理手段は、上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像のノイズおよび色を補正する。
第7の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記画像処理手段は、上記閃光発光および上記連続照明で撮影した画像の輪郭の動きベクトルを検出し、上記閃光発光で撮影した画像を用いて、上記連続照明で撮影した画像の輪郭を補正する。
【0012】
第8の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記撮像手段は、上記連続照明で撮影する際には、上記閃光発光で撮影する際に比較して、撮像感度を高くする。
第9の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記第1の照明手段はフラッシュユニット内から電源の供給を受け、上記第2の照明手段は、カメラ本体内から電源の供給を受ける。
【0013】
第10の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記第1の照明手段は、上記閃光発光を行うための充電回路を有し、上記閃光発光を行わないフレームにおいて、上記充電回路の充電を行う。
第11の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記第2の照明手段は、上記撮像手段による撮像期間のみ上記連続照明を行う。
【0014】
第12の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記第1の照明手段は、発光ダイオードに充電回路中のコンデンサに蓄えた電流を短時間で通電させて高輝度の閃光発光を行い、上記第2の照明手段は、上記発光ダイオードに電流を連続的に通電させて連続照明を行う。
【0015】
第13の発明に係わる撮像装置は、上記第5の発明において、上記第1の照明手段は、閃光発光管に充電回路中のフラッシュ用コンデンサに蓄えた電流を短時間で放電させて閃光発光を行い、上記第2の照明手段は、上記閃光発光管に充電回路中の上記フラッシュ用コンデンサに蓄えた電流をオンオフすることにより微小発光を繰り返してフラット発光を行う。
【0016】
第14の発明に係わる撮像装置は、連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、上記撮像手段による上記動画の撮影に連動し、複数フレーム数ごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補う第1の照明手段と、上記第1の照明手段による上記閃光発光を行わないフレームに対して、1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で、複数フレームに対して連続照明により撮影時の光量を補う第2の照明手段と、を具備し、上記第1の照明手段は、さらに、上記閃光発光を行うための充電回路を有し、上記閃光発光を行わないフレームにおいて、上記充電回路の充電を行う。
【0017】
第15の発明に係わる撮像方法は、動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、閃光発光により照明する第1の照明モードで撮影した画像により、1フレームあたりの光量が該閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影した画像の色調およびノイズを補正して、全フレームの画質を同等にする。
【0018】
第16の発明に係わる撮像方法は、動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、閃光発光により照明する第1の照明モードで撮影した画像の輪郭情報が、1フレームあたりの光量が該閃光発光よりも少なく光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影された各フレームの画像の輪郭移動情報と同等になるように、該第1の照明モードで撮影した画像を変形する。
【0019】
第17の発明に係わる撮像方法は、動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、連続して撮像を行うことにより動画を撮影するステップと、動画の撮影に連動し、複数フレームごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補い、該閃光発光を行わないフレームに対して連続照明して撮影時の光量を補って動画を撮像するステップと、上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像を修正するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した低画質のフレームの画質調整を行うことができる。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明手段の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供することができる。
【0021】
第2の発明によれば、連続発光のために光量が不足するフレームにおいて、撮像感度をアップさせるので、撮像されたフレームの画像の明るさが閃光発光で撮影したフレームの画像の明るさに近くなり、撮像後に閃光発光したフレーと合わせる処理が容易になる。
【0022】
第3の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、連続発光により撮像した画像の輪郭の変化を検出し、閃光発光により撮像したフレームの画像を変形することにより連続発光で撮像した画像データを生成するようにしている。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供することができる。
【0023】
第4の発明によれば、連続発光のために光量が不足するフレームにおいて、撮像感度をアップさせているので、撮像されたフレームの輪郭検出が容易になり、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、連続発光により撮像した画像の輪郭の変化を検出し、閃光発光により撮像したフレームの画像を変形する処理が容易になる。
【0024】
第5の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した画像を修正する。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供することができる。
【0025】
第6の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した低画質のフレームの画質調整を行うことができる。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明手段の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供することができる。
【0026】
第7の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、連続発光により撮像した画像の輪郭の変化を検出し、閃光発光により撮像したフレームの画像の輪郭を補正することにより連続発光で撮像した画像データを生成するようにしている。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明手段の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像装置を提供することができる。
【0027】
第8の発明によれば、連続発光のために光量が不足するフレームにおいて、撮像感度をアップさせている。このため、連続発光のために光量が不足するフレームにおいて、撮像感度をアップさせるので、撮像されたフレームの画像の明るさが閃光発光で撮影したフレームの画像の明るさに近くなり、撮像後に閃光発光したフレーと合わせる処理が容易になる。
【0028】
第9の発明によれば、第1の照明手段はフラッシュユニット内から電源の供給を受け、第2の照明手段は、カメラ本体内から電源の供給を受けるようにしている。このため、フラッシュユニットの電源の負荷が大きい場合でも、第2の照明手段は十分な電力を得ることができる。
【0029】
第10および第14の発明によれば、第1の照明手段は、閃光発光を行うための充電回路を有し、閃光発光を行わないフレームにおいて、充電回路の充電を行うようにしている。このため、閃光発光を行わないフレームにおいて充電回路の充電を行うことができ、長時間の動画であっても発光を継続することができる。
【0030】
第11の発明によれば、第2の照明手段は、撮像手段による撮像期間のみ連続照明を行うようにしている。このため、第2の照明手段の発光電力を低減することができる。
【0031】
第12の発明によれば、発光ダイオードを第1および第2の照明手段に兼用することができる。このため、制御が簡単であり、エネルギ効率もよく、また発熱が少ないことから、長時間の動画撮影に好適である。
【0032】
第13の発明によれば、大光量の連続照明を得ることができ、比較的短時間ではあるが、連続発光の光量が多く必要とする、遠距離の被写体の場合に有効である。
【0033】
第14の発明によれば、複数フレームごとに1回、閃光発光を行い、閃光発光を行わないフレームにおいては充電回路の充電を行うので、長時間の動画であっても発光を継続することができる。
【0034】
第15の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した低画質のフレームの画質調整を行うことができる。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明手段の過熱の心配もない照明手段を備えた撮像方法を提供することができる。
【0035】
第16の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、持続的な照明により撮像した画像の輪郭の変化を検出し、閃光発光により撮像したフレームの画像を変形することにより持続的な照明で撮像した画像データを生成するようにしている。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない撮像方法を提供することができる。
【0036】
第17の発明によれば、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した画像を修正する。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置の正面側から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置の背面側から見た外観斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置の内のカメラボディのホットシューを示す外観斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置の内のフラッシュユニットを下方側から見た外観斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置において、動画撮影時の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置において、画像処理の仕方を説明する図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置において、画像処理の仕方を説明する図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係わる撮像装置において、画像ノイズおよび色修正の処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係わる撮像装置において、動画撮影時の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係わる撮像装置において、フレーム2に対応した高画質画像を生成する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態に係わる撮像装置において、動画撮影時の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第4実施形態に係わる撮像装置において、動画撮影時の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に従って本発明を適用した撮像装置を用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の第1実施形態に係わる撮像装置は、図1に示すように、レンズ交換可能なレンズボディ100、このカメラボディ100に着脱自在なレンズユニット200、カメラボディ100に着脱自在なフラッシュユニット300とから構成される。
【0039】
カメラボディ100とレンズユニット200によってカメラが構成され、本実施形態におけるカメラはデジタルカメラである。カメラボディ100の正面側には、図1に示すように、レンズボディ100が着脱自在に装着可能である。カメラボディ100の上面には、レリーズ釦101、パワースイッチ102、およびホットシュー103が配置されている。レリーズ釦101は、静止画の撮影指示や、動画の撮影開始および撮影終了を指示するための操作部材である。パワースイッチ102は、カメラの電源のオンオフの指示用の操作部材である。ホットシュー103は、フラッシュユニット300をカメラボディ100に装着するための保持部材であり、またフラッシュユニット300との電気的接点を有する。
【0040】
また、カメラボディ100の背面側には、図2に示すように、背面LCDパネル104、コントロール釦105、メニュー釦106が配置されている。背面LCDパネル104には、ライブビュー表示時に、撮像素子155(図5参照)によって取得された画像データに基づいて、被写体像が動画でライブビュー表示される。撮影者はこのライブビュー画像を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。また、背面LCDパネル104には、撮影者が種々の設定を行うためのメニュー画面が表示され、また、記録済みの画像データの再生表示等も表示される。なお、背面LCDパネル104は、画像を表示できる表示パネルがあれば、LCDに限らず、例えば有機EL等の表示パネルであっても勿論かまわない。
【0041】
コントロール釦105は、中心釦とその周囲の4方向の十字釦で構成される。背面LCDパネル104にメニュー画面等が表示されている際に、コントロール釦105内の十字釦によってカーソルを移動させ、中心釦を操作することによって、操作入力を確定することができる。メニュー釦106は、背面LCD104にメニュー画面を表示させるための操作釦である。
【0042】
フラッシュユニット300の正面側には、図1に示すように、キセノン管による閃光発光の発光窓301、およびLED320による連続照明の照射窓302が配置されている。また、フラッシュユニット300の背面側には、図2に示すように、充電状態を表示するチャージランプ303、フラッシュユニット300の電源のオンオフを指示するためのパワー釦304、およびカメラボディ100に取り付けるためのシューフット305が配置されている。
【0043】
カメラボディ100のホットシュー103と、フラッシュユニット300のシューフット305について、図3および図4を用いて説明する。図3は、カメラボディ100からフラッシュユニット300を取り外し、斜め後方からカメラボディ100を見た外観斜視図であり、図4は、フラッシュユニット300をカメラボディ100から取り外し、フラッシュユニット300を下側から見た外観斜視図である。
【0044】
ホットシュー103は、カメラボディ100の上面に配設され、シューフット305の溝と嵌合する嵌合溝によって、フラッシュユニット300をカメラボディ100に固定する。ホットシュー103の内側には、複数のホットシュー接点107が設けてある。ホットシュー接点107は、発光信号の他、シリアル通信によりカメラボディ100とフラッシュユニット300の間でデータの送受信が可能である。カメラボディ100にフラッシュユニット300を装着すると、フラッシュユニット300のシューフット接点307(図4参照)がホットシュー接点107に接触し、電気的接続がとれる。
【0045】
カメラボディ100の背面側であって、ホットシュー103の近傍には、背面コネクタ108が設けられている。また、フラッシュユニット300のシューフット305の下側には、コネクタ308が設けられている。フラッシュユニット300のシューフット305の溝をホットシュー103の嵌合溝に嵌合させ摺動させると、背面コネクタ108とコネクタ308が係合し、内蔵されている複数の接点ピンが相互に接触し、電気的接続がとれる。
【0046】
次に、本実施形態に係わる撮像装置の電気的構成について、図5に示すブロック図を用いて説明する。カメラボディ100内には、カメラ演算制御回路151が備えられている。このカメラ演算制御回路151は、カメラボディ100内の全体制御を行い、また、レンズユニット200との通信、フラッシュユニット300との通信、および画像処理と記録媒体154への画像データ等の記録等の種々の制御を行う。また、後述するように、閃光発光時に取得した撮影画像に基づいて、連続照明に取得した撮影画像の画像修正も行う。
【0047】
また、カメラボディ100内には、電池152が備えられている。この電池152には、電源回路153が接続されており、電源回路153は、カメラボディ100内のカメラ演算制御回路151等の各部に供給する電源を生成する。カメラ演算制御回路151には、記録媒体154が接続されている。記録媒体154はフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラボディ100内に固定または装着自在に配置されている。記録媒体154は、撮影した静止画や動画のデータを記録する。カメラ演算制御回路151には、撮像素子155が接続されている。この撮像素子155はCCDやCMOS等の固体撮像素子であり、レンズユニット200内のレンズ201によって結像された被写体像を取り込み、画像データを出力する。
【0048】
フラッシュユニット300内には、フラッシュ制御回路311が設けられており、このフラッシュ制御回路311はフラッシュユニット300内の各種制御やフラッシュ用コンデンサの充電を行うと共に、カメラボディ100側からの指示に応答してフラッシュの発光制御を行う。
【0049】
フラッシュ制御回路311に接続されたメモリ312は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の電気的書き換え可能な不揮発性メモリである。このメモリ312には、発光や充電の制御の際に使用する固定値や、調整の定数などが記憶されている。フラッシュユニット300内には、電池313が配置されており、フラッシュ制御回路311、充電回路314、発光回路315等の各部に接続され、各種動作を行うための電源を供給する。
【0050】
フラッシュ制御回路311および電池313に接続された充電回路314は、フラッシュ用コンデンサの充電回路であり、電池313の電源電圧をフラッシュ発光用の高電圧に昇圧し、この昇圧電圧でフラッシュ用コンデンサを充電する。充電回路314と電池313に接続された発光回路315は、フラッシュ制御回路311の指示に従ってキセノン管317に高電圧を印加して発光を開始させ、またフラッシュ制御回路311の指示に従って発光を停止させる。なお、キセノン管317は発光回路315に接続されており、またキセノン管317の周囲には、キセノン管317の閃光光を集光するための反射傘316が配置されている。
【0051】
フラッシュ制御回路311に接続された駆動回路318は、LED320の駆動回路であり、LED320を連続発光させる。LED320の周囲には、LED320の連続発光を集光するためのLED用の反射傘319が配置されている。なお、本実施形態においては、連続発光光源としてのLED320の電源は、図5に示すように、カメラボディ100内の電池152および電源回路153より供給されている。
【0052】
フラッシュユニット300内のシューフット接点307と、カメラボディ100内のホットシュー接点107が接続することにより、カメラ演算制御回路151とフラッシュ制御回路311は、デジタルデータ通信が可能である。このデジタルデータ通信として、例えば、フラッシュユニット300の状態をカメラ演算制御回路151に送信し、カメラ演算制御回路151は、受信したデータと、カメラボディ100やレンズユニット200内のデータに基づいて、フラッシュ制御回路311にフラッシュの発光指示をはじめ各種指示を送信可能である。また、カメラボディ100内の背面コネクタ108と、フラッシュユニット300のシューフット305に配置されたコネクタ308が接続することにより、LED320に駆動電源がカメラボディ100から供給される。
【0053】
次に、本実施形態における撮像装置において、動画を撮影する際の照明方法について図6を用いて説明する。図6は、動画撮影時の照明手段による発光を示すタイムチャートである。本実施形態においては、図6に示すように、4フレームに1フレームはキセノン管317による閃光発光(Xe発光)による照明を実施する(図中フレーム1、5)。また、それ以外の3つのフレームでは(図中フレーム2〜4)、LED320による連続照明(LED発光)による照明を実施する。
【0054】
また、本実施形態においては、フレーム1、フレーム5等、閃光発光を行うフレームでは、撮像素子155における撮像感度を、例えばISO100程度のベース感度に設定する。そして、フレーム2〜4等、LED320による連続照明を行うフレームでは、照明によって得られる被写体の明るさによって適正露光となる感度とするが、感度を上げて適正レベルに達しない場合には、最高感度、例えば、ISO3200に設定する。
【0055】
キセノン管317による閃光発光は、フレームの露光時間中で、撮像素子155の全画素が機能しているタイミングで実施する。これに対し、LED320による連続照明は、LED320を照射して撮像するフレームの露光開始から露光終了まで行う。また、充電回路314中のフラッシュ用コンデンサの充電は閃光発光するフレームの露光開始時に停止し、閃光発光するフレームの露光終了時に再開する。撮像素子155から画像信号の読出しは、カメラ演算制御回路151によって、フレームの露光と露光の間のタイミングで実施され、読み出された画像信号に基づく画像データは、カメラ演算制御回路151に内蔵されたメモリに一時的に保持される。
【0056】
以上の考え方に従って照明しながら動画撮影を行うが、このときの手順について、図6に示すタイムチャートに沿って説明する。まず、閃光発光で被写体に照明を行いながら、フレーム1の画像を取得する。このために、時刻t11において、撮像素子155は撮像(露光)を開始し、また充電回路314のフラッシュ用コンデンサの充電を停止する。そして、撮像素子155の全画素が機能している時刻t12においてカメラ演算制御回路151はフラッシュ制御回路311に対して閃光発光開始指示を出力し、キセノン管317は閃光発光を行う。時刻t14になると撮像素子155の撮像を終了し、またフラッシュ用コンデンサの充電を再開する。そして時刻t15から時刻t16の間で、撮像素子155から画像信号を読出し、一時記憶する。なお、時刻t11〜t21までのフレーム1の期間では、LED320は消灯したままで、また、撮像感度は、図示の例では、ISO100を設定している。
【0057】
フレーム1において閃光発光を行い、画像データを取得すると、次に、フレーム2においてLED320による連続照明を行いながら画像データの取得を行う。まず、時刻t21において、LED320による連続照明を開始し、また撮像素子155の撮像を開始する。そして時刻t22になると撮像を停止し、時刻t25から時刻t26の間で画像信号を読出し画像データを取得する。フレーム3、フレーム4においても、フレーム2と同様に撮像と画像読出しを行う。また、この間、LED320は連続照明を維持し、図示の例では、撮像感度をISO3200の高感度に設定する。また、充電回路314中のフラッシュ用コンデンサの充電は続行する。
【0058】
フレーム4において、画像データを取得すると、時刻t51からフレーム5に移るが、ここでの動作は、フレーム1と同様であり、閃光発光を行い、画像データを取得する。以後、連続照明で3つのフレーム、閃光発光で1つのフレームを交互に繰り返しながら、動画撮影を行う。
【0059】
次に、本実施形態に係わる撮像装置における画像処理について、図7および図8を用いて説明する。前述したように、フレーム1、5等においては、大光量の閃光発光を被写体に照射することから、高画質の画像を取得することができるが、フレーム2〜4等においてはLED320による少光量の連続照明を被写体に照射していることから、低画質の画像しか取得できない。そこで、本実施形態においては、閃光発光時に取得した高画質の画像を用いて、連続照明時に取得した画像を修正している。
【0060】
図7(a)、図7(b1)、図7(c1)、図7(d)、図7(e1)は、フレーム1、フレーム2、フレーム3、フレーム5、フレーム6での撮影画像を示す。なお、フレーム4での撮影画像は、フレーム3の撮影画像と同様であることから省略してあり、またフレーム6はフレーム2と同様の動作がなされる。
【0061】
フレーム1において撮影した図7(a)に示す撮影画像と、フレーム5において撮影した図7(d)に示す撮影画像等は、キセノン管317による閃光発光で照明し、ノイズが少ない低感度のISO100で撮影していることから、基本的には大きな修正をすることなく最終画像とする。一方、フレーム2、3、6において撮影した図7(b1)、図7(c1)、図7(e1)に示す撮影画像等は、LED320による連続照明での撮影画像であり、光量が不十分であることから高感度のISO3200で撮影している。このため、色の再現性も悪く、またノイズが多い画像となっている。
【0062】
そこで、図7(b1)、図7(c1)に示す撮影画像については、その直前に撮影されたフレーム1における図7(a)に示す撮影画像を参照し、同一物と想定される部分について、色の再現、ノイズを低減した時の色や階調について同様となるように修正する。従って、図7(b1)に示す撮影画像は、修正後には図7(b2)に示すように、また図7(c1)に示す撮影画像は、修正後には図7(c2)に示すように、色の再現性を向上させ、ノイズを低減すると共に色の階調を修正した撮影画像になる。
【0063】
同様に、図7(e1)に示す撮影画像については、その直前に撮影されたフレーム5における図7(d)に示す撮影画像を参照し、同一物と想定される部分について修正し、図7(e1)に示す撮影画像は修正後には図7(e2)に示すように、色の再現性を向上させ、ノイズを低減すると共に色の階調を修正した撮影画像になる。最終的には、動画のフレーム画像は、図7(a)、図7(b2)、図7(c2)、図7(d)、図7(e2)・・・となり、記憶媒体154に記録される。
【0064】
図7に示したような画像の修正を行う場合、各フレームの撮影画像は、少しずつ移動している場合が多い。そこで、本実施形態においては、2フレーム間の撮影画像の移動ベクトルを検出し、この移動ベクトルを考慮して対応する位置を決めるようにしている。図8は、輪郭からフレーム1とフレーム2の画像の移動ベクトル検出値を示す図である。すなわち、図8(a)はフレーム1の撮影画像であり、図8(b)はフレーム2の撮影画像であり、図8(c)は両撮影画像を重ね合わせた図である。図8(c)中の矢印は、それぞれの場所の輪郭移動から検出した方向と大きさを示している。例えば、フレーム1の画像中のエリアA1は、フレーム2の画像中のエリアA2に移動している。
【0065】
次に、本実施形態に係わる撮像装置において、画像ノイズおよび色の修正の処理を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。ここでは、例としてフレーム2の画像を修正する際のフローを説明する。なお、このフローは、不揮発性のメモリに書き込まれたプログラムに従って、カメラ演算制御回路151が実行する。
【0066】
フレーム2の画像の撮像が終了すると、まず、フレーム2のノイズが大か否かの判定を行う(S1)。ここでは、フレーム2の撮影画像全体の画像データに基づいてノイズ量を検出し、このノイズ量が予め決められた値よりも大きいか否かを判定する。予め決められた値としては、画質が悪く鑑賞に堪えない程度とする。
【0067】
ステップS1における判定の結果、フレーム2のノイズが大でなかった場合には、次に、フレーム2の色ずれが大きいか否かを判定する(S2)。ここでは、閃光撮影を行ったフレーム1の画像データと、フレーム2の画像データを比較し、色ずれが大きくないかを判定する。ステップS1における判定の結果、ノイズが小さいとしても、色ずれが大きい場合があることから、このステップで判定している。
【0068】
ここで、ノイズ大小の判定は、例えばフレーム2内の、所定のエリアの画素毎の出力レベルばらつきを見て、あらかじめ官能的に定めたばらつき値と比較して判定する。また色ずれについては、例えばフレーム2内の所定エリアの色度を、フレーム1内の所定エリアの色度値と比較して、所定色度値以上の差があれば色ずれ大と判断する。
【0069】
ステップS1における判定の結果、フレーム2のノイズが大であった場合、またはステップS2における判定の結果、フレーム2の色ずれが大であった場合には、次に、ステップS3以下において、画像修正を行う。まず、画像修正のために、フレーム1の輪郭情報を検出し(S3)、続いて、フレーム2の輪郭情報の検出を行う(S4)。輪郭情報の検出にあたっては、画像データを用いて、明るさや色の変化の大きいところを探し、その箇所を輪郭とする。
【0070】
フレーム1およびフレーム2の輪郭情報を検出すると、次に、エリアごとの移動ベクトルを検出し(S5)、フレーム2の微細エリアごとのフレーム1の参照エリアを設定する(S6)。ここでは、フレーム1とフレーム2の撮影画像の輪郭を比較し、相関を取り、図8で説明したように、微細エリアごとに、フレーム1とフレーム2の輪郭の移動ベクトルを検出する。移動ベクトルの算出にあたって、輪郭から遠いエリアは、周囲の輪郭の移動ベクトルから補間して算出する。移動ベクトルが決まると、この移動ベクトルを用いて、フレーム2の微細エリアと対応するフレーム1の参照エリアを決定し、設定する。なお、微細エリアとしては、画像修正の際の単位となることから、肉眼で見た際に、自然な感じとなる程度のエリアのサイズであればよい。
【0071】
移動ベクトルを検出、参照エリアを設定すると、次に、フレーム2の画像を修正する(S7)。ここでは、ステップS106において設定したエリアごとの移動ベクトルに基づいて、フレーム2の微細エリアごとの色合わせとノイズ除去を、対応するフレーム1の微細エリアに合わせて行う。図8に示す例においては、フレーム2のエリアA2は、フレーム1のエリアA1の色に合わせ、ノイズを低減する。ステップS7において修正画像を生成すると、フレーム2に対する修正のフローを終了する。
【0072】
フレーム2に対する修正を行うと、次に、フレーム3に対する撮像と画像読出しを行い、この読み出された画像データとフレーム1に対する撮影画像を用いて、図9に示すフローと同様のフローを実行し、フレーム3に対する修正画像を生成する。以後、LED320の連続照明の下で取得した撮影画像に修正を施し、修正した動画像を生成する。この修正動画像を、最終的な動画ファイルとして、記録媒体154として記録する。
【0073】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態における撮像装置においては、複数フレームに1回の割合で閃光発光を行い、閃光発光を行わないフレームにおいては充電回路314の補充電を行うことができ、長時間の動画であっても発光を継続することができる。
【0074】
また、本実施形態においては、閃光発光を行わないフレームにおいては、LED320による連続照明を行っているので、一定レベルの画像を取得することができる。また、閃光発光を行わないフレームにおいては、撮像感度を高く設定しているので、光量が少ない連続照明下においても一定のレベルの画像が得られる。
【0075】
さらに、本実施形態においては、閃光発光により撮像した画像をベースにして、閃光発光をしていない画像のノイズや色を補正している。このため、閃光発光していないフレームであっても、閃光発光による撮影画像と略同等の画質が得られる。
【0076】
さらに、本実施形態においては、撮影画像の輪郭の動きベクトルを検出し、フレーム間での対応させるべきエリアを決めている。このため、閃光発光によって取得した画像を用いて連続照明時の画像を、エリアごとに正確に修正することができる。
【0077】
さらに、本実施形態においては、連続照明を行うためのLED320の電源をカメラボディ100側から供給するように構成している。このため、フラッシュユニット300の電源がフラッシュ用コンデンサの充電中であって、電池に負荷が大きい場合でも十分な電力を得ることができる。また、フラッシュ用コンデンサの充電時間に影響を与えないので、動画から静止画切り換えても、即座に閃光発光を行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、カメラボディ100とレンズユニット200が着脱自在であり、またフラッシュユニット300とカメラボディ100が着脱自在に構成している。しかし、これに限らず、レンズユニット200とフラッシュユニット300の少なくとも1つがカメラボディ100に固定され、着脱不可能な構成としてもよい。
【0079】
また、本実施形態においては、閃光発光の間隔は、4フレームに1回としていたが、これに限らず、4フレームより多い、または少ないフレーム数であってもよい。特に、動きが少ない場合には、もっと間隔をあけても問題ない。また、被写体の動きを検出し、それに基づいて閃光発光の間隔を可変にしてもよい。
【0080】
さらに、本実施形態においては、連続照明を行うLED320の電源は、カメラボディ100内の電池152から供給していた。しかし、これに限らず、フラッシュユニット300内の電池313から供給するようにしてもよい。この場合、電池313から充電回路314のフラッシュ用コンデンサにも充電することから、大容量の電池を用いることが望ましい。
【0081】
次に、本発明の第2実施形態について、図10および図11を用いて説明する。第1実施形態においては、LED320による連続照明の際には、フレーム2からフレーム4における時刻t21から時刻t44まで、連続的に発光していた。これに対して、第2実施形態においては、フレーム2からフレーム4の間で、撮像素子155による撮像(露光)の間のみ、連続発光を行うようにしている。本実施形態における構成は、図1から図5に示した構成と同様であるが、図6に示したタイムチャートおよび図9に示したフローチャートで示した動作と異なることから、この相違点を中心に説明する。
【0082】
図10に本実施形態におけるタイムチャートを示す。第1実施形態と相違するのは、LED320の発光パターンが、フレームごとに撮像のための露光開始に応答して点灯し、露光停止に応答して消灯する。すなわち、フレーム2においては、時刻t21において撮像素子155は撮像を開始すると共に、LED320は連続発光を開始する。そして、時刻t24になると、撮像素子155は撮像を停止すると共に、LED320は連続発光を停止する。
【0083】
図11に本実施形態におけるフローチャートを示す。このフローチャートも第1実施形態の場合と同様に、カメラ演算制御回路151が不揮発性のメモリに記憶されているプログラムに従って実行し、フレーム2に対応した画像を高画質の画像に修正する場合を例に挙げて説明する。
【0084】
図11において、フレーム2の撮像が終了すると、まず、フレーム1の輪郭情報を検出し(S11)、続いて、フレーム2の輪郭情報を検出する(S12)。ここでは、第1実施形態の場合のステップS3、S4と同様、輪郭情報の検出にあたっては、画像データを用いて、明るさや色の変化の大きいところを探し、その箇所を輪郭とする。
【0085】
次に、エリアごとの移動ベクトルを検出する(S13)。ここでは、第1実施形態のステップS5と同様、ここでは、フレーム1とフレーム2の撮影画像の輪郭を比較し、相関を取り、微細エリアごとに、フレーム1とフレーム2の輪郭の移動ベクトルを算出する。近傍に輪郭が検出されない場合には、周囲の輪郭の移動から補間して算出する。
【0086】
移動ベクトルを算出すると、次に、移動ベクトル量に基づいて、フレーム1の画像を、フレーム2の輪郭に合致するように画像変形を行う(S14)。ここでは、例えば、図8(c)において、フレーム1の画像のエリアA1を、フレーム2の画像のエリアA2に移動するようにし、画面全体で各エリアの移動を行って、変形画像を得る。この画像変形によって、フレーム1と同等の画質で、かつフレーム2に合致した画像が生成される。
【0087】
画像変形を行うと、次に、変形画像に、フレーム1からフレーム2の輝度の変化を反映させる(S15)。ここでは、フレーム1に対して、フレーム2で明るさが変化した部分があれば、対応エリアの明るさを調整する。ステップS15において修正画像を生成すると、フレーム2に対する修正のフローを終了する。
【0088】
フレーム2に対する修正を行うと、次に、フレーム3に対する撮像と画像読出しを行い、この読み出された画像データとフレーム1に対する撮影画像を用いて、図11に示すフローと同様のフローを実行し、フレーム3に対する修正画像を生成する。以後、LED320の連続照明の下で取得した撮影画像に修正を施し、修正した動画像を生成する。この修正動画像を、最終的な動画ファイルとして、記録媒体154に記録する。
【0089】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態における撮像装置においては、LED320の発光パターンが、撮像素子155の撮像中のみ連続発光するようにしているので、第1実施形態の場合に比較し、LED320の発光電力を低減することができる。
【0090】
また、本実施形態においては、閃光発光により照明していないフレームの修正画像については、閃光発光を行ったフレームの画像を元に変形しているので、閃光発光で照明を行っていないフレームに対するノイズ低減処理が不要になり、ノイズ処理能力が低い処理回路であっても対応可能である。また、色調なども、閃光発光を行った場合のフレームとの一致度を高くすることができる。その他、第1実施形態と同様の構成に伴う効果も達成することができる。
【0091】
なお、本実施形態においては、フレーム2の画像データを取得後に行うステップS11において、フレーム1の輪郭情報を検出していた。しかし、これに限らず、フレーム1の画像データを取得後、フレーム2の画像データを取得する前に、輪郭情報を検出するようにしても勿論かまわない。
【0092】
次に、本発明の第3実施形態について、図12を用いて説明する。第1および第2実施形態においては、閃光発光をキセノン管317により行っていたが、第3実施形態においては、連続照明を行うLED320によって、閃光発光も行うようにしている。本実施形態における構成は、図1から図5に示した構成と同様であり、図6に示したタイムチャートが異なることから、この相違点を中心に説明する。
【0093】
図12は、本実施形態におけるタイムチャートであり、本実施形態においてもフレーム1において閃光発光を行い、フレーム2〜4において、LED320による連続照明を行っている。しかし、フレーム1における閃光発光は、時刻t11から時刻t13の間、LED320によって短時間の間、高輝度で閃光発光を行う。また、フレーム5においても時刻t51から時刻t53までの短時間の間、LED320によって高輝度で閃光発光を行う。なお、時刻t13、時刻t53は、図6における時刻t12、時刻t52より早くても遅くてもよい。
【0094】
LED320による閃光発光は、キセノン管317用の充電回路314のフラッシュ用コンデンサの電荷を、LED320に注入し、高輝度で短時間発光させることにより得る。なお、LED320による閃光発光は、フラッシュ用コンデンサ以外に、別のコンデンサを配置し、このコンデンサを利用してもよい。また、電源に余裕が有る場合には、コンデンサの充電電流を使用することなく、電源から直接、大電流を流すようにしてもよい。
【0095】
本発明の第3実施形態によれば、キセノン管317による閃光発光ほどの光量が必要ない場合には、制御が簡単であり、エネルギ効率もよく、また発熱が少ないことから、長時間の動画撮影に好適である。その他、第1および第2実施形態と同様の構成に伴う効果も達成することができる。
【0096】
なお、本実施形態においては、フレーム2〜4において、LED320は第2実施形態と同様に、撮像期間のみ連続照明を行うようにしているが、第1実施形態と同様に、フレーム2〜4の間、連続照明を行うようにしてもよい。また、本実施形態は、第1実施形態における照明方法の変形例であることから、画像処理は、第1実施形態と同様に、図9に示したフローチャートを実行するが、図11に示したフローチャートを実行するようにしてもよい。
【0097】
次に、本発明の第4実施形態について、図13を用いて説明する。第1ないし第3実施形態においては、連続照明をLED320により行っていたが、第4実施形態においては、閃光発光を行うキセノン管317によって、連続照明も行うようにしている。本実施形態における構成は、図1から図5に示した構成と同様であり、図6に示したタイムチャートが異なることから、この相違点を中心に説明する。
【0098】
図13は、本実施形態におけるタイムチャートであり、本実施形態においてもフレーム1においてキセノン管317による閃光発光を行い、フレーム2〜4において、連続照明を行っている。しかし、フレーム2〜4における連続照明(時刻t21〜t24、時刻t31〜t34、時刻t41〜t44)は、キセノン管317によって、いわゆるフラッシュのフラット発光によって行う。
【0099】
フラット発光は、キセノン管317に発光を開始させ、開始後はキセノン管317に流れる電流を極短い周期でオンオフを繰り返し、これによって微小発光を連続させ、実質的に連続発光を行わせる発光方式である。
【0100】
本発明の第4実施形態によれば、キセノン管317によるフラット発光によって連続照明を行うようにしているので、大光量の連続照明を得ることができる。このため、比較的短時間ではあるが、連続発光の光量が多く必要とする、遠距離の被写体の場合に有効である。また、本実施形態においては、LED320を必要としない。このため、フラッシュユニット320の小型化を図ることができる。その他、第1ないし第3実施形態と同様の構成に伴う効果も達成することができる。なお、本実施形態は、第1実施形態における照明方法の変形例であることから、画像処理は、第1実施形態と同様に、図9に示したフローチャートを実行するが、図11に示したフローチャートを実行するようにしてもよい。
【0101】
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、撮像素子155等を含む撮像手段による動画の撮影に連動し、複数フレーム数のごとに1回(例えば、フレーム1、6)、閃光発光により撮像時の光量を補う第1の照明手段(例えば、キセノン管317、充電回路314、発光回路315等)と、第1の照明手段による閃光発光を行わないフレーム(例えば、フレーム2〜5)に対して、閃光発光よりも少ない時間あたりの光量で連続照明により撮影時の光量を補う第2の照明手段(例えば、LED320、駆動回路318等)を有し、閃光発光により撮像したフレームの画像を基準にして、光量不足となる連続発光によって撮像した画像を修正している。このため、暗い場所でも良好な画質で撮影でき、照明に必要な電力が少なく照明部の過熱の心配もない。
【0102】
なお、本発明の各実施形態においては、撮影装置は、カメラボディ100にレンズユニット200を着脱自在な構成としていたが、これに限らず、レンズユニットをカメラボディ100に固定し、着脱不可能な構成としても構わない。また、閃光発光の間隔は、4フレームに1回としていたが、間隔はこれに限られない。動きが少ない場合には間隔を広げても問題ない。被写体の動きを検出し、この検出結果に基づいて閃光発光の間隔を可変にしてもよい。
【0103】
また、本発明の各実施形態においては、フラッシュユニット300の電源は、内部に配置していたが、フラッシュユニット300の外部に配置した別電源でも構わない。また、カメラボディ100からの供給だけで作動するようにしてもよい。さらにLEDはフラッシュユニット300の電源で作動するようにしてもよい。
【0104】
さらに、本発明の各実施形態においては、キセノン管317とLED320を配置していたが、キセノン管317は他の閃光放電管でもよく、またLED320は他の半導体発光素子等の連続発光が可能な素子でもよい。
【0105】
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、動画が撮影可能な撮像装置であれば、本発明を適用することができる。
【0106】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
100・・・カメラボディ、101・・・レリーズ釦、102・・・パワースイッチ、103・・・ホットシュー、104・・・背面LCDパネル、105・・・コントロール釦、106・・・メニュー釦、107・・・ホットシュー接点、108・・・背面コネクタ、151・・・カメラ演算制御回路、152・・・電池、153・・・電源回路、154・・・記録媒体、155・・・撮像素子、200・・・レンズユニット、201・・・レンズ、300・・・フラッシュユニット、301・・・発光窓、302・・・照射窓、303・・・チャージランプ、304・・・パワー釦、305・・・シューフット、307・・・シューフット接点、308・・・コネクタ、311・・・フラッシュ制御回路、312・・・メモリ、313・・・電池、314・・・充電回路、315・・・発光回路、316・・・反射傘、317・・・キセノン管、318・・・駆動回路、319・・・反射傘、320・・・LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、これと連動して撮像時の光量を補う照明手段と、を有する撮像装置において、
上記照明手段は、閃光発光により照明する第1の照明モード、又は1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影時の光量を補うものであり、
上記撮像装置は、上記第1の照明モードで撮影した画像により上記第2の照明モードで撮影した画像の色調およびノイズを補正して、全フレームの画質を同等にする画像処理手段を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記第2の照明モードで撮像を実施する際、撮像感度を高くすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、これと連動して撮像時の光量を補う照明手段と、を有する撮像装置において、
上記照明手段は、閃光発光により照明する第1の照明モード、又は1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影時の光量を補うものであり、
上記撮像装置は、上記第1の照明モードで撮影した画像の輪郭情報が、上記第2の照明モードで撮影された各フレームの画像の輪郭移動情報と同等になるように、該第1の照明モードで撮影した画像を変形する画像処理手段を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
上記第2の照明モードで撮像を実施する際、撮像感度を高く設定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、
上記撮像手段による上記動画の撮影に連動し、複数フレーム数ごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補う第1の照明手段と、
上記第1の照明手段による上記閃光発光を行わないフレームに対して、1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して連続照明して撮影時の光量を補う第2の照明手段と、
上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像を修正する画像処理手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
上記画像処理手段は、上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像のノイズおよび色を補正することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
上記画像処理手段は、上記閃光発光および上記連続照明で撮影した画像の輪郭の動きベクトルを検出し、上記閃光発光で撮影した画像を用いて、上記連続照明で撮影した画像の輪郭を補正することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
上記撮像手段は、上記連続照明で撮影する際には、上記閃光発光で撮影する際に比較して、撮像感度を高くすることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項9】
上記第1の照明手段はフラッシュユニット内から電源の供給を受け、
上記第2の照明手段は、カメラ本体内から電源の供給を受ける、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項10】
上記第1の照明手段は、上記閃光発光を行うための充電回路を有し、上記閃光発光を行わないフレームにおいて、上記充電回路の充電を行うことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項11】
上記第2の照明手段は、上記撮像手段による撮像期間のみ上記連続照明を行うことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項12】
上記第1の照明手段は、発光ダイオードに充電回路中のコンデンサに蓄えた電流を短時間で通電させて高輝度の閃光発光を行い、
上記第2の照明手段は、上記発光ダイオードに電流を連続的に通電させて連続照明を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項13】
上記第1の照明手段は、閃光発光管に充電回路中のフラッシュ用コンデンサに蓄えた電流を短時間で放電させて閃光発光を行い、
上記第2の照明手段は、上記閃光発光管に充電回路中の上記フラッシュ用コンデンサに蓄えた電流をオンオフすることにより微小発光を繰り返してフラット発光を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項14】
連続して撮像を行うことにより動画を撮影可能な撮像手段と、
上記撮像手段による上記動画の撮影に連動し、複数フレーム数ごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補う第1の照明手段と、
上記第1の照明手段による上記閃光発光を行わないフレームに対して、1フレームあたりの光量が上記閃光発光よりも少ない光量で、複数フレームに対して連続照明により撮影時の光量を補う第2の照明手段と、
を具備し、
上記第1の照明手段は、さらに、上記閃光発光を行うための充電回路を有し、上記閃光発光を行わないフレームにおいて、上記充電回路の充電を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項15】
動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、
閃光発光により照明する第1の照明モードで撮影した画像により、1フレームあたりの光量が該閃光発光よりも少ない光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影した画像の色調およびノイズを補正して、全フレームの画質を同等にすることを特徴とする撮像方法。
【請求項16】
動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、
閃光発光により照明する第1の照明モードで撮影した画像の輪郭情報が、1フレームあたりの光量が該閃光発光よりも少なく光量で複数フレームに対して持続的に照明する第2の照明モードで撮影された各フレームの画像の輪郭移動情報と同等になるように、該第1の照明モードで撮影した画像を変形することを特徴とする撮像方法。
【請求項17】
動画を撮像するときの光量を照明手段によって補う撮像方法において、
連続して撮像を行うことにより動画を撮影するステップと、
動画の撮影に連動し、複数フレームごとに1回、閃光発光により撮像時の光量を補い、該閃光発光を行わないフレームに対して連続照明して撮影時の光量を補って動画を撮像するステップと、
上記閃光発光で撮影した画像に基づいて、上記連続照明で撮影した画像を修正するステップと、
を有することを特徴とする撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−239084(P2011−239084A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107486(P2010−107486)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】